JP5468346B2 - 生体電気信号中の交流電源雑音の除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体電気信号中の交流電源雑音の除去方式並びに装置に係り、中でも、眼球や皮膚等の体表面上に装着された電極から記録される、微弱電位からなる生体電気信号のうち、特に、光刺激に対する網膜電位図(ERG:Electroretinogram )や視覚誘発電位(VEP:Visual Evoked Potentials)を計測する際に混入する、商用交流電源由来の雑音(以下、ハムとも言う)を除去するための方式と、そのような除去機能を有する装置に関するものである。
良く知られているように、眼における網膜常存電位は、網膜への光の照射によって、電位変化を示すようになる。中でも、光のオン・オフに際して比較的早期に惹起される電位の変化は、網膜の種々の層に由来し、この網膜電位の変動を、時間を横軸にして記録したものが、網膜電位図と呼ばれている。そして、この網膜電位図を計測することにより、網膜色素変性症や糖尿病網膜症等の各種眼疾患の診断を行なうことが出来るのである。また、同様の光刺激により誘発される脳神経系の電位を記録したものが、視覚誘発電位図と呼ばれている。
ところで、そのような網膜電位図や脳波、筋電図、心電図等の生体電気信号は、通常、体表面上に装着した電極に誘導される微弱な電位を記録するものであって、そこには、本来の生体電気信号以外の外来雑音が多く混入することとなる。特に、商用交流電源に起因する交流雑音及びその高調波成分は、その周波数が生体電気信号に近く、そのため、生体電気信号の正確な波形を乱す大きな要因となっているのである。
そして、網膜電位図においては、その周波数成分が数Hzから数百Hzまで広く分布しており、そこには、商用交流電源の周波数及びその高次高調波成分が含まれている。また、通常、網膜電位図の測定は、目的に応じて明順応から暗順応した状態で複数回測定を行ない、その平均波形を表示することにより実施され、診断が行なわれるようになっている。更に、そこにおいて、明順応下の測定は、短い間隔でフラッシュ刺激を多数回行ない、その発光時刻を基準に同期加算平均を取ることによって、行なわれるようになっている。そして、そこでは、加算回数を増やし、交流雑音の位相が一様に分布するように、フラッシュ間隔を交流雑音周波数から適当にずれるように設定することで、完全とは言い難いが、或る程度の交流雑音は除去することが出来るようになる。しかし、かかる加算回数の増加は、測定時間を長くし、被験者に1秒又は1秒以下の間隔でフラッシュを当て続けることになり、被験者にかなりの負担を掛けることとなる。また、暗順応下では、その応答が、明順応下における応答よりも大きいために、それほど多くの加算は必要ではないものの、加算回数が少なくなるために、やはり、ハムの影響が残るようになる。
このため、そのような同期加算平均に加えて、混入したハムを除去すべく、従来から、各種の方法が提案されてきており、それらは、以下のように分類することが出来る。
従来方式(イ):ノッチフィルタを用いる方式。
従来方式(ロ):交流雑音の位相を同期させ、信号から差し引く方式。
従来方式(ハ):誤差フィードバックによる適応フィルタを用いる方式。
しかしながら、これら従来方式にあっては、何れも、何等かの問題を内在するものであって、例えば、従来方式(イ)において用いられるノッチフィルタは、特定の周波数成分のみを小さくする係数を乗じるために、その周波数をハム周波数に合致させれば、ハム除去効果が発揮され得るものの、先にも述べたように、網膜電位図においては、商用交流電源周波数とその高調波周波数帯域に重なる部分があり、それを除去すると、必要な信号波形自体も歪ませてしまう可能性が大きく、国際臨床視覚電気生理学会(International Society for Clinical Electrophysiology of Vision)においても、その使用は控えるべきであるとの報告が為されている(非特許文献6参照)。
また、ハム周波数は一定ではなく、常に揺らいでいるため、その除去方式においては、ハム周波数も適応的に変化させる必要があるとして、従来方式(ロ)が提案され、それには、特許文献1や非特許文献1〜非特許文献3等に明らかにされている手法が含まれることとなる。この方式は、先の従来方式(イ)とは異なり、ハムを選択的に差し引くことを目的としているために、生体電気信号に与える影響を少なく出来る利点がある。
そして、そのような差し引くハム信号を、生体電気信号と同じ信号入力端子から取得する方式として、特許文献1があり、そこでは、光刺激に対する網膜電位図等は、光刺激以前に生体電気信号のない区間、即ち、ハムの成分が相対的に大きいと考えられる区間が存在するため、その区間の信号を保存しておき、光刺激後の生体電気信号から位相を同期させて差し引くことで、高調波まで含めてハムを除去するようになっている。しかし、その差し引かれる信号が純粋なハムのみではなく、筋電や脳波等、他の生体電気信号や、増幅度が高いことによる回路の雑音等が混入する可能性が高いことや、長いデータ取得が困難であること、フリッカ検査等刺激直前のハムデータ取得が出来ない場合には、困難が生じることとなる。これに対して、非特許文献2は、同様の方法ではあるが、差し引く信号をハムに同期させて加算平均することで、ハム以外の雑音の低減を図っているのであるが、そのために、長大な区間を必要とすることとなるところから、やはり、長いデータを取得しなければならない点において、問題を内在しているのである。
また、非特許文献1では、ハム信号を純粋な正弦波とその高調波の重ね合わせであると仮定して、一定区間の生体電気信号にそれらを最小二乗法で当て嵌め、差し引くようにした方式が、提案されている。この方式では、他の雑音の混入を避けることが出来るものの、定常的な正弦波を仮定しているため、長いデータに適用することは、周波数変動や瞬目等の被検体の状態変化に追従することが困難である一方、区間が短いと、生体信号の成分にも影響を及ぼす可能性もある。
さらに、非特許文献3に開示の技術は、入力の初段増幅器として通常用いられている計装用差動増幅器の負入力側の大部分の成分がハムであること(従来方式(ハ)における参照信号に相当) を利用して、パソコン等で制御することが出来るようにしたアナログラゲールフィルタを用いて、ハムとその高調波成分の振幅と位相を、正入力のそれと一致させるようにして、差し引くハイブリッド方式を採用している。この方式は、本来用いられている入力端子と同じ入力構成であるために、新たに加わる不要な雑音の混入は避けられるものの、検査途中での適応的なフィルタ制御が困難であることに加えて、高次高調波になると、その回路が複雑化すること等の問題を内在している。
加えて、従来方式(ハ)は、図1に示されるブロック図の如くして実施されるものであって、そこでは、ハムの加わった生体電気信号(検知情報)から加工して得られる主入力信号に加えて、ハムが大部分の成分を占める参照信号と呼ばれる信号を取得して、用いられることとなる。主入力信号は、生体から採取される検知情報が前置増幅器2、低域通過フィルタ4、A/D変換器6により加工されて、出力され、演算器8に入力せしめられる一方、参照信号は、正負の計装用差動増幅器入力端に加えて新たに装着する電極等から取得され、そして低域通過フィルタ10及びA/D変換器12にて加工され、更に、デジタルフィルタ14を作用させて、演算器8において主入力信号から差し引くことにより、ハムを除去するようになっているのである。そこで、適応アルゴリズム16は、その除去の後の信号を誤差と見て、それが最小となるように、デジタルフィルタ14の係数を適応的に決定していくようになっている。これによって、前記した従来方式(イ)や従来方式(ロ)で困難であった適応性が確保されているのである。そして、この技術を用いて、心電図等の生体電気信号からハムを除去することが、非特許文献4や非特許文献5等において提案されている。
しかしながら、この方法は、脳波等の定常的な不規則信号に対しては、比較的安定した性能を発揮するものではあるものの、刺激に対する確定的な応答を記録する網膜電位図や鋭いパルス状の信号の存在する心電図等では、生体電気信号の波形を歪めてしまうという問題を内在している。これは、生体電気信号の大振幅部分の成分が大きいために、参照信号との相関が大きくなり、生体電気信号自体が誤差であるとされて、それを小さくするように、適応アルゴリズム16が働くようになるからである。
特許第2798967号公報
Anthony C. Fisher, Azzam F. G. Taktak, Richard P. Hagan and Malcolm C. Brown : "Automated Post Hoc Removal of Power-Line and CRT Frame Pulse Contamination from Retinal and Cortical Evoked Potentials", Documenta Ophthalmologica (2006) 112 : 169-175, 2006. Chavdar Levkov, Georgy Mihov, Ratcho Ivanov, Ivan Daskalov, Ivaylo Christov and Ivan Dotsinsky : "Removal of power-line interference from the ECG : a review of the subtraction procedure", BioMedical Engineering OnLine 2005, 4:50, 2005. 加藤寛之,戸田尚宏:"アナログラゲールフィルタのディジタル制御による生体電気信号の交流雑音除去法",電子情報通信学会論文誌D-II,Vol.J87-D-II,No.12,pp.2253-2261,2004 Widrow, B., et al. : "Adaptive Noise Cancelling: Principles and Applications", Proc. IEEE, vol.63, No.12, pp.1692-1716, 1975. John R. Glover, JR. : "Adaptive Noise Canceling Applied to Sinusoidal Interferences", IEEE Trans. on Acoustics, Speech and Signal Processing, vol.ASSP-25, No.6, pp.484-491, 1977. J. Vernon Odom, Michael Bach, Colin Barber, Mitchell Brigell, Michael F. Marmor, Alma Patrizia Tormene, Graham E. Holder and Vaegan : "Visual evoked potentials standard (2004)", Documenta Ophthalmologica 108 : pp.115-123, 2004.
ここにおいて、本発明は、かくの如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、上記した従来方式における問題を排除し、適応的でリアルタイム性を有し、生体電気信号に極力影響を与えることのないハム除去方式並びに装置を提供することにある。
そして、本発明にあっては、上記した課題、又は明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、(a)生体に装着された電極より取り出される、商用交流電源に起因する雑音の混入した微弱電位からなる生体電気信号を加工し、デジタル化して、主入力信号として出力する主入力信号加工工程と、(b)商用交流電源から信号を取得して、それを充分に大きな高調波周波数成分を持つように整形した後、デジタル化して、交流電源雑音に係る参照信号として出力する参照信号作成工程と、(c)該参照信号作成工程より入力される参照信号から、交流電源雑音の基本周波数と高調波周波数を推定して、その推定された基本周波数と高調波周波数に基づいて、該参照信号における交流電源雑音と前記主入力信号加工工程より入力される主入力信号における交流電源雑音の振幅及び位相をそれぞれ求め、更にそれら二つの交流電源雑音の振幅及び位相がそれぞれ一致するように、振幅・位相変更情報を出力する雑音周波数推定・振幅位相変更指令工程と、(d)該雑音周波数推定・振幅位相変更指令工程からの振幅・位相変更情報に基づいて、前記参照信号作成工程から出力される参照信号を加工して、振幅と位相が前記主入力信号における交流電源雑音に一致するように変更せしめる振幅位相変更工程と、(e)前記主入力信号加工工程より出力される主入力信号から、該振幅位相変更工程で加工された参照信号を差し引き、前記混入した交流電源雑音が除去された生体電気信号を出力する加減演算工程とを、有することを特徴とする生体電気信号中の交流電源雑音の除去方式を、採用するものである。
また、本発明にあっては、(i)生体に装着された電極より取り出される、商用交流電源に起因する雑音の混入した微弱電位からなる生体電気信号を加工し、デジタル化して、主入力信号として出力する主入力信号加工部と、(ii)商用交流電源から信号を取得して、それを充分に大きな高調波周波数成分を持つように整形した後、デジタル化して、交流電源雑音に係る参照信号として出力する参照信号作成部と、 (iii)該参照信号作成部より入力される参照信号から、交流電源雑音の基本周波数と高調波周波数を推定して、その推定された基本周波数と高調波周波数に基づいて、該参照信号における交流電源雑音と前記主入力信号加工部より入力される主入力信号における交流電源雑音の振幅及び位相をそれぞれ求め、更にそれら二つの交流電源雑音の振幅及び位相がそれぞれ一致するように、振幅・位相変更情報を出力する雑音周波数推定・振幅位相変更指令部と、(iv)該雑音周波数推定・振幅位相変更指令部からの振幅・位相変更情報に基づいて、前記参照信号作成部から出力される参照信号を加工して、振幅と位相が前記主入力信号における交流電源雑音に一致するように変更せしめる振幅位相変更部と、(v)前記主入力信号加工部より出力される主入力信号から、該振幅位相変更部で加工された参照信号を差し引き、前記混入した交流電源雑音が除去された生体電気信号を出力する加減演算部とを、有することを特徴とする生体電気信号中の交流電源雑音の除去装置を、その対象としている。
なお、かかる本発明の望ましい態様によれば、前記雑音周波数推定・振幅位相変更指令部(工程)は、前記参照信号作成部(工程)より入力される参照信号から、交流電源雑音の基本周波数と高調波周波数を推定して、その推定された基本周波数と高調波周波数に基づいて、該参照信号における交流電源雑音と前記主入力信号加工部(工程)より入力される主入力信号における交流電源雑音の振幅及び位相をそれぞれ求め、更にそれら二つの交流電源雑音の振幅比と位相差を検出する雑音周波数推定/振幅比・位相差検出部(工程)と、該雑音周波数推定/振幅比・位相差検出部(工程)で検出された振幅比と位相差に基づいて、前記二つの交流電源雑音の振幅及び位相がそれぞれ一致するように振幅・位相変更情報を出力する振幅位相変更情報生成部(工程)とを含んで、構成されている。
また、本発明においては、好ましくは、前記交流電源雑音の基本周波数と高調波周波数の推定が、適応的な周波数分析にて行なわれ、そしてその推定された基本周波数と、その高調波周波数のうち、ナイキスト周波数未満の有限個の周波数において、前記主入力信号における交流電源雑音の振幅と位相が適応的に検出されることとなる。
さらに、本発明の有利な態様にあっては、前記振幅位相変更部(工程)が、デジタルフィルタを用いて、前記参照信号の加工を行なうものであり、そして、その際、振幅・位相変更情報は、前記デジタルフィルタのフィルタ係数とされることとなる。
加えて、本発明の望ましい態様によれば、前記参照信号作成部(工程)は、前記商用交流電源からの信号がある基準電圧レベルをその低い側或いは高い側から他方へ通過する時点のみで短いパルスになるように整形する参照信号整形部(工程)を有している。
そして、特に、本発明にあっては、前記取り出される生体電気信号が、生体に光刺激を与えることによって発生する生体微弱電位であることが、望ましいのである。
このように、本発明においては、純粋なハムのみの信号を商用交流電源から直接に取得して、これを整形した上で加工せしめ、そして、生体電気信号にハムの加わった信号(検知情報乃至は信号)より加工して得られた主入力信号から、ハムの振幅と位相に一致させて、差し引くことにより、雑音除去を行なうようにしたものであって、これにより、主入力信号から差し引かれるものがハムのみとなるところから、先の従来方式(イ)で問題であった、生体電気信号自体を歪ませてしまうようなことはないのである。また、本発明に従う雑音周波数推定・振幅位相変更指令部(工程)においては、揺らいでいるハム周波数を各時刻毎に推定するために、適応的な周波数分析が行なわれることとなる。そして、ある時刻で推定される交流雑音の基本周波数とその高調波成分のうち、ナイキスト周波数(サンプリング周波数の半分の周波数)未満の有限個の周波数において、生体電気信号に加わっているハムの振幅と位相が、適応的に検出されるのである。
また、生体に誘導される商用交流電源からのハムは、その基本周波数の成分のみではなく、上述したように、複数の高調波成分が多く含まれることとなるのであり、これは、誘導の過程において発生する商用交流電源波形の正弦波からのずれ(歪み)によるものである。従って、参照信号は、各高調波周波数において、他の周波数に散在するハム以外の雑音に比較して、充分に大きい成分を持っている必要があるところから、特に、参照信号整形部(工程)では、商用交流電源から取得された信号が充分に大きい高調波成分を持つように整形されることとなる。
そして、それぞれの高調波周波数成分において、参照信号を加工するための振幅、位相の変更量が判ることとなるところから、それを基に加工された参照信号は、生体電気信号(主入力信号)から差し引かれ、そこから、交流雑音が効果的に除去せしめられ得るのである。
このように、本発明においては、周波数分析を適応的に行ない得るものであるために、前記した従来方式(ロ)で問題となっていた、検査途中での周波数変化や電極装着状態の変化等にも、良好に追従することが出来ることとなり、特に、フリッカ検査の際の眼球運動等にも、有利に対応することが出来るのである。また、交流雑音の基本周波数とその高調波のみの周波数のみの成分を評価するために、先の従来方式(ハ)において問題となっていた、生体電気信号自体の存在が交流雑音の成分推定に与える影響を、有利に抑制することが可能となる特徴をも有している。
従って、ERG検査や誘発脳波検査等の分野において、本発明方式に従ってハムを除去することにより、従来の方式に比較して、より信頼性の高い診断を下すことが可能となるのである。
生体電気信号中の交流電源雑音を除去するための従来方式の一つを示すブロック図である。 本発明に従う生体電気信号中の交流電源雑音の除去方式の構成を概念的に示すブロック図である。 本発明において用いられる参照信号整形部の構成例の一つを示す説明図である。 本発明において用いられる適応的周波数分析素子の一例を示すブロック図である。 本発明において用いられる周波数fの高調波近傍における周波数成分推定部の一つの構成を示すブロック図である。 本発明において用いられるハム周波数推定/振幅比・位相差検出部の一つの構成を示すブロック図である。 本発明において用いられる振幅位相変更部の一つの構成を示すブロック図である。 局所ERG波形に対して本発明を適用して得られたハム除去の一例を示す波形図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図2は、本発明の構成を概念的に示すブロック図であって、そこにおいて、生体に装着された電極からの検知信号(検知情報)を受け、それを適切に増幅する前置増幅器20が、配設されている。なお、そのような検知情報は、商用交流電源に起因する雑音の混入した微弱電位からなる生体電気信号である。そして、前置増幅器20の出力のうち、有害な高周波成分を除去する低域通過フィルタ22と、デジタル信号に変換するためのA/D変換器24によって、検知情報は加工され、デジタル化されて、主入力信号として出力せしめられるようになっている。従って、ここでは、それら前置増幅器20と低域通過フィルタ22とA/D変換器24とによって、主入力信号加工部が構成されているのである。
一方、電源コンセント等から、プローブとしてプラグを用いて、直接に、商用交流電源信号が取得されるようになっており、その取得された商用交流電源信号は、必要な高調波成分を充分に含む信号にすべく整形を行なう参照信号整形部26に入力され、更に、有害な高周波成分を除去する低域通過フィルタ28を通った後、A/D変換器30により、デジタル信号とされて、交流電源雑音に係る参照信号として出力せしめられるようになっている。なお、ここで、それら参照信号整形部26と低域通過フィルタ28とA/D変換器30とによって、参照信号作成部が構成されている。
また、それぞれのA/D変換器24,30から出力される、デジタル化された生体電気信号である主入力信号と、デジタル化された参照信号とを併せて受け取る、ハム周波数推定/振幅比・位相差検出部32が設けられており、そこでは、後述せるように、入力された参照信号から交流電源雑音の基本周波数と高調波周波数を推定して、その推定された基本周波数と高調波周波数に基づいて、かかる参照信号における交流電源雑音と入力された主入力信号における交流電源雑音の振幅及び位相をそれぞれ求め、更に、それら2つの交流電源雑音の振幅比と位相差を検出して、出力するようになっている。そして、かかるハム周波数推定/振幅比・位相差検出部32の出側には、その出力情報を受ける振幅位相変更情報生成部34が設けられ、そこでは、ハム周波数推定/振幅比・位相差検出部32において検出された振幅比と位相差に基づいて、2つの交流電源雑音の振幅及び位相がそれぞれ一致するように、振幅・位相変更情報を出力するようになっている。従って、ここでは、それらハム周波数推定/振幅比・位相差検出部32と振幅位相変更情報生成部34とから、雑音周波数推定・振幅位相変更指令部が構成されている。
そして、かかる振幅位相変更情報生成部34から出力される振幅・位相変更情報に基づいて、A/D変換器30から出力される参照信号を加工して、振幅と位相が主入力信号における交流電源雑音に一致するように変更せしめる振幅位相変更部36が設けられ、そこで加工された参照信号が、加減演算部38において、A/D変換器24から出力される主入力信号から差し引かれるようになっており、これによって、混入交流電源雑音が効果的に除去せしめられた生体電気信号として得られるようになっているのである。なお、そのような混入交流電源雑音が除去された生体電気信号は、従来と同様な記録・表示装置において、適宜に記録・表示され得るようになっている。
ところで、かかる構成の装置において、参照信号作成部の一つの構成成分たる参照信号整形部26は、充分な大きさの高調波成分を持たせるために、信号が、或る基準電圧レベルを、その低い側或いは高い側から他方へ通過する時点のみで、短いパルスになるように整形するものであって、その一具体例が、図3に示されている。そこにおいて、交流電源は、抵抗40等にて適当な電圧に降圧され、そのA点での波形は、その下部に示されるように、正弦波に近い形状を呈している。そして、このA点で取り出された信号は、充分に高い増幅度を持ったコンパレータ42或いは非反転増幅器によって、一旦矩形波にされた後、ホトカプラ44等によりアイソレーションされ、次いで、ハイパス回路46を通過せしめられた後、ダイオード48等で整流することにより、B点での波形は、図中に示される如く、A点での波形の或る位相の時点でのみパルスの立つパルス列信号となるように、構成されている。こうすることによって、基本周波数と同程度の高調波成分を持つ信号が生成され得ることとなる。そして、そのパルス列信号は、低域通過フィルタ28にて、ナイキスト周波数以上の成分を持たないように加工され、更に、A/D変換器30にてデジタル化されて、デジタル信号として、交流電源雑音に係る参照信号とされて、出力されるのである。なお、かかる役割を為す低域通過フィルタ28としては、高調波成分の平坦性と高域遮断性が充分に確保され得るものであれば良く、公知のものが適宜に採用されることとなる。
また、ハム周波数推定/振幅比・位相差検出部32においては、先ず、入力せしめられる参照信号より、現時点におけるハム基本周波数及び高調波周波数の推定が行なわれることとなるが、それら周波数の推定は、好適には、適応的な周波数分析にて行なわれることとなる。
なお、そのような適応的な周波数推定法としては、例えば、「電子情報通信学会論文誌」、 '87/1、Vol.J70-A、No.1、第93〜101頁(1987)等にて公知の、種々の方法を適宜に採用して、実施され得るものであって、そこでは、通常、図4に示される如き構造を有する適応的周波数分析素子50を、基本要素として有している。なお、図4において、Z-1と記載された四角形のシンボル52は、1サンプリング分のデータを蓄えておくメモリであり、現時刻のデータを入力とし、前時刻のデータを出力する要素であることを意味している。また、λ等と記載された三角形のシンボル54は、入力されるデータをλ倍等して出力する要素であることを意味している。
そして、かかる図4において、サンプリング周波数:fs [Hz]にてサンプリングされた、時刻nにおける信号:x(n)を、入力として受け、分析周波数:fを有する適応的周波数分析素子50の出力を AdapF[x](n,f)とすると、それは、次式(1):
Figure 0005468346
で与えられる。これは、周波数:f[Hz]における短時間(複素)フーリエ係数の一つの推定値を与えるものであり、それが、信号:x(n)と回転因子:e-j2π(f/fs)n の積に、忘却係数:λを乗じた1サンプリング周期前の推定値:AdapF[x](n-1,f) を足しこむことで得られることを示している。そして、忘却係数:λを0<λ<1とすることで、過去に遡るに従い指数的に減少する重みを掛けて、周波数分析を行なうことになり、最も最近の入力値が周波数成分の推定に寄与することとなるのである。なお、このような適応的周波数分析素子50は、上記で引用した公知文献に紹介されている公知の技術である。
また、ハム基本周波数をf0 [Hz]とすると、実際のハム基本周波数は、かかるf0 [Hz]の近傍で揺らいでいる。そこで、本実施形態においては、このf0 を中心にその近傍で異なる分析周波数を持つ複数の適応的周波数分析素子50を配置し、その出力の絶対値が最大となる分析周波数を、その時点でのハム基本周波数の推定値としている。即ち、参照信号をr(n)とし、f0 から正負の方向に周波数間隔ΔでN個ずつ適応的周波数分析素子50を用いた場合において、次式(2):
Figure 0005468346
が、その時刻で推定されるハム基本周波数である。但し、そこにおける記号:
Figure 0005468346
は、基本周波数:f0 の近傍における分析周波数の集合:
Figure 0005468346
であり、また記号:
Figure 0005468346
は、f(x)が最大となるxを、集合Ωの要素中から選択する関数である。
さらに、本発明においては、ハムの基本周波数のみでなく、ナイキスト周波数までの全ての高調波(例えば、サンプリング周波数が1253[Hz]であれば、ナイキスト周波数が626.5[Hz]であるため、60[Hz]がハム基本周波数であるならば、高調波は基本周波数と合わせて10個存在することとなる。)において、その周波数を推定する必要がある。本実施形態では、上述した方法で、最大高調波番号:Mまでの周波数の推定値(4):
Figure 0005468346
が求められることとなる。
一般に、周期波形では、高調波周波数は基本周波数の整数倍となるために、上述のように、全ての高調波で周波数を推定しなくても、推定される基本周波数:
Figure 0005468346
の整数倍としても、計算量の観点からは、都合が良い。しかし、一般に、観測時間が一定ならば、高い周波数ほど、周波数分析精度は良くなるため、参照信号に含まれる最も高い周波数の高調波を用いて周波数分析を行ない、低い高調波周波数を算出した方が良いのである。
一方、ハム周波数推定/振幅比・位相差検出部32へは、A/D変換器30から出力される参照信号と共に、A/D変換器24の出力である主入力信号も入力されるようになっている。ここで、主入力信号をs(n)とし、上記した参照信号と同様に、ハム周波数近傍において、適応的周波数分析が行なわれる。そして、参照信号の分析によって得られた
Figure 0005468346
及びその周波数における主入力信号の適応的周波数分析素子50の出力:
Figure 0005468346
と、参照信号の
Figure 0005468346
の分析結果が、振幅位相変更情報生成部34に送られるようになっている。ここでは、かかる部分を周波数成分推定部と呼ぶこととする。また、図5には、周波数:fの高調波に対応する周波数成分推定部56が、ブロック図として示されている。
本実施形態においては、上記の周波数成分推定部56を、各高調波に対して、図6に示されるように設置することによって、ハム周波数推定/振幅比・位相差検出部32が構成されることとなるのである。そして、このハム周波数推定/振幅比・位相差検出部32の出力に、参照信号と主入力信号の振幅及び位相が含まれているのであり、ここでは、それらの振幅比及び位相差として取り出された後、振幅位相変更情報生成部34において、それら二つの信号の振幅と位相とが一致するように、換言すれば振幅比が1、位相差が0となるように、所定の振幅・位相変更情報が出力せしめられるようになっている。
また、本実施形態においては、振幅位相変更部36において、デジタルフィルタを用いて、参照信号の加工が行なわれるようになっている。このデジタルフィルタは、FIR(Finite Impulse Response)フィルタと呼ばれる形式のものであり、入力:r(n)に対して、その出力:y(n)は、次式(5):
Figure 0005468346
で与えられる。ここで、wk (k=0,1,…,q)は、フィルタ係数である。
そして、かかるフィルタにより、入力信号:r(n)の周波数:f[Hz]におけるフーリエ係数をR(f)とすると、出力信号:y(n)の当該周波数におけるフーリエ係数:Y(f)は、次式(6)、(7):
Figure 0005468346
で表される。ここで、H(f)は、フィルタの周波数伝達関数と呼ばれる。なお、図7には、かかるデジタルフィルタを用いて構成した振幅位相変更部36が、ブロック図にて示されている。
ところで、振幅位相変更部36の目的は、各高調波周波数fi (i=0,1,2,…,M)において、参照信号:r(n)のフーリエ係数:R(f)が主入力信号:s(n)のフーリエ係数:S(f)に一致するように、即ち、振幅と位相が一致するように、デジタルフィルタを下記の式(8)のように構成し、参照信号に施すことにある。
Figure 0005468346
その際、周波数0とナイキスト周波数において、伝達関数が0となる制約条件(9):
Figure 0005468346
も加えておくことで、不要な直流分や高周波成分の混入を防ぐことが出来るところから、そのような態様が有利に採用されることとなる。
また、振幅位相変更情報生成部34においては、上記の式(8)を満たす理想的なフィルタに出来るだけ近いフィルタ係数を生成することが目的とされている。そして、それに従い、ここでは、ハム周波数推定/振幅比・位相差検出部32から出力される
Figure 0005468346
をもって、ハム高調波周波数:fi の推定値とし、また、その推定周波数において、
Figure 0005468346
で、主入力信号のフーリエ係数:
Figure 0005468346
を、
Figure 0005468346
により、参照信号のフーリエ係数:
Figure 0005468346
に置き換えることにより、問題を、下記の方程式(10):
Figure 0005468346
が成立するような係数の求解に帰着させるのである。
そして、上記の式(7)を用いて、かかる方程式(10)を書き換えれば、次式(11):
Figure 0005468346
となるのである。但し、
Figure 0005468346
である。上記の方程式(11)において、未知数:wk は実数であるが、Gi 及びTk,i は複素数である。従って、実部及び虚部に関して、同時に、次式(13):
Figure 0005468346
が成立しなければならない。ここで、Re[*]及びIm[*]は、それぞれ、*の実部及び虚部を表している。
また、上記した制約条件式(9)中、周波数0に対しては、次式(14):
Figure 0005468346
で与えられ、また、ナイキスト周波数:fs /2においては、次式(15)が与えられるのである。
Figure 0005468346
さらに、上記の式(13),(14)及び(15)を合わせ、行列形式で表せば、次式(16)の如く書くことが出来る。
Figure 0005468346
ここで、
Figure 0005468346
そして、上記の方程式(16)が一意に解を持つためには、フィルタ次数:qが、次式(17):
Figure 0005468346
を満足する必要がある。フィルタ次数をこれより多くする場合には、上記の方程式(16)を満たした上で、何等かの制約条件を加えれば良い。そうした伝達関数への制約条件としては、前記式(9)のみならず、種々考えることが出来る。例えば、伝達関数がハム周波数近傍であまり変化しないこと、或いは、ハム周波数の発生し得ない領域で振幅を出来るだけ小さくすること等である。
なお、振幅位相変更情報生成部34は、最終的に、前記方程式(16)を解くことで、フィルタ係数を、次式(18):
Figure 0005468346
のように求め、振幅位相変更部36のデジタルフィルタに送り、そこで、参照信号の振幅と位相が、主入力信号における交流電源雑音の振幅と位相に一致するように加工されるのである。なお、かかる式(18)の求解は、各サンプル時刻毎に行なう必要はなく、或る程度の間隔を取ることが、計算量及びフィルタ処理の安定のために良いことである。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも、例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等、限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
また、上記の説明において、文章中のアルファベット記号と数式中のアルファベット記号とが、異なる書体にて示されており、前者が主としてローマン体にて示される一方、後者がイタリック体にて示されているが、本明細書では、それらは、同一の意味において用いられているものである。
さらに、本発明の具体的な変形態様については、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
ところで、かくの如き構成の本発明に従って、微弱電位からなる生体電気信号中に混入した商用交流電源に起因する雑音を除去して、得られる波形図の一例が、図8に示されている。そこでは、約5Hzの矩形波光刺激を網膜上の局所的な部位に照射し、そしてその応答を記録する局所ERGと呼ばれる検査に対して、本発明を実施したものであり、そこでは、図2に示される如き構成の装置が用いられている。また、そのような局所ERGにおいて、その応答は、高々1μV程度であるために、ハムの影響を大きく受けることとなるのである。そして、その結果を示す図8において、上段のグラフは、ハムの多い環境で記録された局所ERG波形であり、約250回の加算平均を行なっているにも拘らず、大きな60Hzのハムの波形で、応答が汚されているのである。これに対して、中段の波形は、本発明方式によりハムが除去されてなる応答波形を、同様に約250回加算平均したものであり、また、下段の波形は、この場合に除去されたハム信号を示している。
かかる図8に示される波形の結果から明らかな如く、本発明に従ってハム信号のみが除去され、必要な生体電気信号のみが分離抽出されていることが認められるのである。そして、その場合において、50秒程度の連続したデータ取得が必要であるが、先の従来方式(イ)では、それと同程度の無信号区間の取得が必要となるのであって、それは、実際には不可能なことである。また、先の従来方式(ロ)では、その区間の周波数の変動に追従することが出来ないため、やはりそうしたハム除去は困難なのであり、更に、先の従来方式(ハ)では、生体電気信号成分が大きいために、ハム成分の抽出に失敗するのである。かかる図8に示される結果は、本発明によって初めて達成された成果であると言うことが出来るのである。
2,20 前置増幅器 4,10,22,28 低域通過フィルタ
6,12,24,30 A/D変換器 8 演算器
14 デジタルフィルタ 16 適応アルゴリズム
26 参照信号整形部
32 ハム周波数推定/振幅比・位相差検出部
34 振幅位相変更情報生成部
36 振幅位相変更部 38 加減演算部
40 抵抗 42 コンパレータ
44 ホトカプラ 46 ハイパス回路
48 ダイオード 50 適応的周波数分析素子
52,54 シンボル 56 周波数成分推定部

Claims (5)

  1. (i)生体に装着された電極より取り出される、商用交流電源に起因する雑音の混入した微弱電位からなる生体電気信号を加工し、デジタル化して、主入力信号として出力する主入力信号加工部と、(ii)商用交流電源から信号を取得して、それを充分に大きな高調波周波数成分を持つように整形し、そしてデジタル化して、交流電源雑音に係る参照信号として出力する参照信号作成部と、 (iii)該参照信号作成部より入力される参照信号から、交流電源雑音の基本周波数と高調波周波数を推定して、その推定された基本周波数と高調波周波数に基づいて、該参照信号における交流電源雑音と前記主入力信号加工部より入力される主入力信号における交流電源雑音の振幅及び位相をそれぞれ求め、更にそれら二つの交流電源雑音の振幅及び位相がそれぞれ一致するように、振幅・位相変更情報を出力する雑音周波数推定・振幅位相変更指令部と、(iv)該雑音周波数推定・振幅位相変更指令部からの振幅・位相変更情報に基づいて、前記参照信号作成部から出力される参照信号を加工して、振幅と位相が前記主入力信号における交流電源雑音に一致するように変更せしめる振幅位相変更部と、(v)前記主入力信号加工部より出力される主入力信号から、該振幅位相変更部で加工された参照信号を差し引き、前記混入した交流電源雑音が除去された生体電気信号を出力する加減演算部とを有し
    且つ前記雑音周波数推定・振幅位相変更指令部が、
    前記参照信号作成部より入力される参照信号から、交流電源雑音の基本周波数と高調波周波数を推定して、その推定された基本周波数と高調波周波数に基づいて、該参照信号における交流電源雑音と前記主入力信号加工部より入力される主入力信号における交流電源雑音の振幅及び位相をそれぞれ求め、更にそれら二つの交流電源雑音の振幅比と位相差を検出する雑音周波数推定/振幅比・位相差検出部と、
    該雑音周波数推定/振幅比・位相差検出部で検出された振幅比と位相差に基づいて、前記二つの交流電源雑音の振幅及び位相がそれぞれ一致するように振幅・位相変更情報を出力する振幅位相変更情報生成部とを、
    含んで構成されると共に、前記雑音周波数推定/振幅比・位相差検出部における交流電源雑音の基本周波数と高調波周波数の推定が、適応的な周波数分析にて行なわれ、そしてその推定された基本周波数と、その高調波周波数のうち、ナイキスト周波数未満の有限個の周波数において、前記主入力信号における交流電源雑音の振幅と位相が適応的に検出されるようになっていることを特徴とする生体電気信号中の交流電源雑音の除去装置。
  2. 前記振幅位相変更部が、デジタルフィルタを用いて、前記参照信号の加工を行なうものである請求項に記載の生体電気信号中の交流電源雑音の除去装置。
  3. 前記振幅・位相変更情報が、前記デジタルフィルタのフィルタ係数である請求項に記載の生体電気信号中の交流電源雑音の除去装置。
  4. 前記参照信号作成部が、前記商用交流電源からの信号がある基準電圧レベルをその低い側或いは高い側から他方へ通過する時点のみで短いパルスになるように整形する参照信号整形部を有している請求項乃至請求項の何れか1項に記載の生体電気信号中の交流電源雑音の除去装置。
  5. 前記取り出される生体電気信号が、生体に光刺激を与えることによって発生する生体微弱電位である請求項乃至請求項の何れか1項に記載の生体電気信号中の交流電源雑音の除去装置。
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