JP5466235B2 - 減圧システム及び真空処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばクライオポンプやクライオトラップなどの複数の減圧装置と、該複数の減圧装置に圧縮した冷媒を供給する圧縮装置とを備える減圧システム、及びこれを用いた真空処理装置に関する。
従来から、超高真空を形成する装置として、例えば特許文献1に記載されるようなクライオポンプや特許文献2に記載されるクライオトラップ等、極低温面に気体を凝縮させて捕捉する減圧装置が知られている。冷媒が膨張するときの吸熱を利用して極低温面が形成されるこの種の減圧装置には、圧縮された冷媒を減圧装置へ送給する圧縮装置が不可欠であり、こうした圧縮装置との協働によって上記減圧装置は超高真空を実現している。
液晶ディスプレイ等の表示装置、CPUやメモリ等の半導体装置等、これらを製造する製造装置には、それを構成する真空チャンバの排気系として上述する減圧装置と圧縮装置とから構成される排気ユニットが利用されている。複数の真空チャンバから1台の製造装置が構成されるクラスター型の製造装置の場合には、真空チャンバの個数と同じ個数の減圧装置が必要となり、製造装置それ自体の占有スペースの縮小化を目的として、こうした複数の減圧装置が1台の圧縮装置を共有するかたちで減圧システムが構成されている。
特開2002−70737号公報 特開2009−19500号公報
ところで近年では、地球環境を保全する観点から上述する製造装置においても省エネルギー化が強く望まれている。一方、複数の減圧装置の排気能を1台の圧縮装置で発現させる上記減圧システムにあっては、製造装置それ自体の占有スペースの縮小化が可能になるものの、圧縮装置で圧縮された冷媒の供給量までもが複数の減圧装置の各々において同じ程度となってしまう。稼働状態が異なる複数の真空チャンバからなる上記クラスター型の製造装置では、複数の減圧装置の各々においてそれに必要とされる排気能が通常異なるものであり、上述するように冷媒の供給量が各減圧装置において同じ程度になるとなれば、不要とされる冷媒までもが減圧装置に供給されてしまう。そのため複数の減圧装置の排気能を1台の圧縮装置で発現させる減圧システムでは、不要とされる冷媒を圧縮装置から圧送させることが余儀なくされるため、こうした圧送の仕組みが圧縮装置における省電力化、ひいては減圧システムにおける省エネルギー化の大きな妨げとなっている。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の減圧装置の排気能を1台の圧縮装置で発現させる減圧システム及び真空処理装置であって、消費電力を削減可能にする減圧システム及び真空処理装置を提供することである。
本発明の一つの態様は、減圧システムである。減圧システムは、圧縮された冷媒を受け取り、該圧縮された冷媒を断熱膨張させるときに気体を補足可能な冷却部を各々含む複数の減圧装置と、交流電動機を有する圧縮部を含み、前記交流電動機の回転速度に応じた流量で前記圧縮部から前記複数の減圧装置の各々の冷却部に前記圧縮された冷媒を供給する圧縮装置と、前記各減圧装置の冷却部の温度を検出する温度検出部と、前記交流電動機に供給する交流電源の周波数を変更可能なインバータ装置と、前記インバータ装置の出力周波数を制御する周波数制御部とを備え、前記周波数制御部は、所定の検出周期毎に各減圧装置の冷却部の温度を取得し、前記複数の減圧装置のうち少なくとも1つの減圧装置の冷却部の温度が第1の閾値以上か否かを前記検出周期毎に判定して、連続する検出周期において前記少なくとも1つの減圧装置の冷却部の温度が前記第1の閾値以上のときに前記インバータ装置の出力周波数を前記検出周期毎に段階的に上げ、前記複数の減圧装置のうち少なくとも1つの減圧装置の冷却部の温度が、前記第1の閾値よりも高い第2の閾値以上のときに前記インバータ装置の出力周波数を上限値に設定し、前記複数の減圧装置すべての冷却部の温度が前記第1の閾値未満であるか否かを前記検出周期毎に判定して、連続する検出周期において前記複数の減圧装置すべての冷却部の温度が前記第1の閾値未満であるときに前記インバータ装置の出力周波数を前記検出周期毎に段階的に下げる。
本発明にかかる真空処理装置としての半導体装置の製造装置を示す概略構成図。 (a)図1の真空処理装置の真空排気部を示す概略構成図、(b)図1の真空処理装置の高真空排気部を示す概略構成図。 図1の第1処理部の減圧システムにおける冷媒の流れを示す配管の系統図。 図1の第1処理部の減圧システムを構成する圧縮装置に関わる電気的な概略構成を示したブロック図。 図4の周波数制御部によるインバータ装置の出力周波数の制御の流れを示すフローチャート。 図1の第1処理部の各チャンバにおける冷却部の温度推移とインバータ装置の出力周波数とを示したタイミングチャート。
以下、本発明にかかる減圧システム、及びこれを用いた真空処理装置の一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。図1は真空処理装置としての半導体装置の製造装置10を示す概略構成図であり、図2(a)は真空排気部の構成を示す概略構成図であり、図2(b)は高真空排気部の構成を示す概略構成図である。
図1に示されるように、半導体装置の製造装置10は、基板Wに対して所定の金属等からなる膜を成膜する装置である。製造装置10は、例えばスパッタリング処理などを行う複数のチャンバを含む第1処理部11と、例えば基板Wに対して熱処理などを行う複数のチャンバを含む第2処理部12と、これらの第1及び第2処理部11,12を接続するバッファ室13とを有している。
第1処理部11は、断面が多角形状の搬送チャンバ15を有している。この搬送チャンバ15には、2つのロードロックチャンバ16a,16bと、4つのチャンバ17,18,19,20と、1つのバッファ室13とが、それぞれに対応するゲートバルブ21を介して接続されている。各チャンバは、それに対応するゲートバルブ21が開くことにより搬送チャンバ15と連通し、反対に、それに対応するゲートバルブ21が閉じることにより搬送チャンバ15から遮断される。製造装置10には、ロードロックチャンバ16aを介して基板Wが搬入されて、ロードロックチャンバ16bを介して製造装置10の外部へと基板Wが搬出される。4つのチャンバ17,18,19,20の各々は、基板Wに対する各種の処理を真空雰囲気下で実行するチャンバであって、例えばチャンバ17,20は、スパッタ法を用いてアルミニウムからなる金属膜を基板Wに成膜し、チャンバ18,19は、ロングスロースパッタ法を用いてアルミニウムからなる金属膜を基板Wに成膜する。搬送チャンバ15の内部には、基板Wを搬送するための搬送ロボット22が搭載されている。搬送ロボット22は、搬送チャンバ15から、ロードロックチャンバ16a,16b、チャンバ17,18,19,20、およびバッファ室13への(および逆方向への)基板Wの搬送を行う。
第2処理部12は、第1処理部11と同じく、断面が多角形状の搬送チャンバ25を有している。この搬送チャンバ25には、バッファ室13が連通した状態で接続されているとともに、チャンバ26,27,28,29,30,31がそれぞれに対応するゲートバルブ21を介して接続されている。各チャンバは、それに対応するゲートバルブ21が開くことにより搬送チャンバ15と連通し、反対に、それに対応するゲートバルブ21閉じることにより搬送チャンバ15から遮断される。第2処理部12のチャンバ26では、各種の処理によって高温となった基板Wに対して冷却処理が行われる。3つのチャンバ27,30,31の各々は、基板Wに対する各種の処理を真空雰囲気下で実行するチャンバであって、例えばこれらの各チャンバは、基板Wに対してバイアス電圧を印可しつつ同基板W上にスパッタ粒子を堆積させて金属膜あるいは金属窒化膜を成膜する成膜処理を実行する。またチャンバ28,29の各々も基板Wに対する各種の処理を真空雰囲気下で実行するチャンバであって、例えばチャンバ28は、水素ガス等の還元性ガス雰囲気の下で基板Wに対する熱処理を実行し、チャンバ29は、基板Wの表面に付着したガス粒子を除去する脱ガス処理を実行する。搬送チャンバ25の内部にも、基板Wを搬送するための搬送ロボット32が搭載されている。搬送ロボット32は、搬送チャンバ25から、バッファ室13およびチャンバ26,27,28,29,30,31への(および逆方向への)基板Wの搬送を行う。
つまり、上述する半導体装置の製造装置10は、バッファ室13を挟んで連結された搬送チャンバ15及び搬送チャンバ25に複数のチャンバを搭載する、所謂クラスター型の装置であって、各々真空チャンバである搬送チャンバ15と搬送チャンバ25との間でバッファ室13を介して基板Wを往来させる。そしてロードロックチャンバ16aに搬入された基板Wは、搬送ロボット22,32の搬送動作によって真空チャンバである各チャンバに順に搬送されて、搬送先となるチャンバにおいて真空雰囲気下での各種の処理が施される。
ところで、こうした基板Wに行われるスパッタ処理などの各処理は、チャンバ内を真空雰囲気にした上で行われる。そのため、各チャンバには、当該チャンバ内を真空状態にする真空排気部34、または当該チャンバ内を真空状態よりも真空度が高い高真空状態にする高真空排気部35が接続されている。つまり製造装置10を構成するチャンバのうち、それに必要とされる真空度が高真空でないチャンバには真空排気部34が連結され、それに必要とされる真空度が高真空度であるチャンバには高真空排気部35が連結されている。例えば図1に示されるように、第1処理部11のロードロックチャンバ16a,16b、第2処理部12のチャンバ26,28,29には、真空排気部34が接続されている。一方、第1処理部11の搬送チャンバ15、チャンバ17,18,19,20及び第2処理部12の搬送チャンバ25、チャンバ27,30,31には、高真空排気部35が接続されている。
図2(a)に示されるように、真空排気部34は、チャンバ内を粗引き排気する粗引きポンプ36と、粗引き排気されたチャンバ内をさらに排気して真空状態を形成するターボ分子ポンプ37と、ターボ分子ポンプ37の排気能を担保すべく同ターボ分子ポンプ37の背圧側を粗引き排気する粗引きポンプ38と、これら各構成要素とチャンバとの間を開閉する複数のバルブ39とから構成されている。そしてチャンバ内に真空状態を形成する場合には、まず粗引きポンプ36及び粗引きポンプ38が駆動してチャンバ内とターボ分子ポンプ37の背圧側とが粗引きされる。次いで粗引きポンプ36とチャンバとの間のバルブ39が閉じて、ターボ分子ポンプ37とチャンバとの間のバルブ39が開くことによって、チャンバ内がターボ分子ポンプ37によって排気される。
図2(b)に示されるように、高真空排気部35には、接続されたチャンバ内を高真空状態にすべく、上述した真空排気部34の構成に加えてターボ分子ポンプ37の吸入側に減圧システムを構成する減圧装置としてのクライオトラップ40が設けられている。クライオトラップ40は、冷凍機と当該冷凍機に冷却される冷却パネルとからなる冷却部41(図3参照)を含み、この冷却部41は、前記冷凍機に圧縮したヘリウムガス(冷媒)を供給し減圧システムを構成する圧縮装置42(図3参照)に接続されている。
クライオトラップ40は、高真空排気部35の粗引きポンプ36及びターボ分子ポンプ37によって排気されずにチャンバ内に残留している例えば水蒸気などの気体を、冷却パネルの極低温面に凝縮させて捕捉する装置である。上述した冷却部41の冷凍機には、圧縮装置42によって圧縮された高圧のヘリウムガスが供給され、この高圧のヘリウムガスが断熱膨張する際の吸熱によって冷却パネルが123Kまで冷却される。これにより冷却パネルにおける極低温面が実現される。また、これらの冷却パネルには、当該冷却パネルの温度を検出する温度検出部としての温度センサ50(図4参照)がそれぞれ設けられている。なお、以下で言う冷却部41の温度とは、この冷却パネルの温度を示す。
次に、半導体装置の製造装置10に適用される減圧システムについて図3〜図6を参照して説明する。なお、半導体装置の製造装置10は、第1処理部11の高真空排気部35に対応する減圧システムと、第2処理部12の高真空排気部35に対応する減圧システムとを有している。これらの減圧システムは、冷却部41の数量が異なるだけでその基本的な構成は同じであるため、以下では、第1処理部11における減圧システムについて説明し、第2処理部12における減圧システムの説明は省略する。図3は、こうした第1処理部11の減圧システムにおける冷媒の流れを示す配管の系統図であり、図4は、第1処理部11の減圧システムを構成する圧縮装置42に関わる電気的な概略構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、減圧システムを構成する圧縮装置42は、交流電動機43の駆動力を受けて冷媒としてのヘリウムガスを圧縮する圧縮部44を有している。この圧縮部44で圧縮されて高圧となったヘリウムガスは、一旦アキュムレータ45に貯留されたのち、各冷却部41の冷凍機へと供給される。つまり、この圧縮装置42は、第1処理部11における5つの高真空排気部35の各冷却部41に対して、圧縮された高圧のヘリウムガスを1台で供給している。各冷却部41に供給された高圧のヘリウムガスは、各冷却部41の冷凍機において断熱膨張されて低圧となり、低圧ガス貯留部46に一旦貯留されたのち、圧縮装置42の圧縮部44に再び戻される。
図4に示されるように、圧縮装置42は、周波数制御部51と、インバータ装置52と、交流電動機43とを有している。第1処理部11の各冷却部41に設けられた温度センサ50は、周波数制御部51と電気的に接続されて、その時々の冷却部41の温度を示す検出信号を周波数制御部51に出力する。周波数制御部51は、
・冷却部41の温度の目標値に相当する電圧レベル、
・冷却部41の温度の第1の閾値に相当する電圧レベル、
・第1の閾値よりも高い温度である第2の閾値に相当する電圧レベル
といった各種の参照電圧を生成または予め記憶し、各温度センサ50の検出結果に相当する電圧レベルとこれらの参照電圧とを比較する。
なお、冷却部41の温度の目標値とは、冷却パネルが冷却能力を定常的に十分に発揮できるときの冷却部41の温度であって、例えば123Kに設定されている。また第1の閾値とは、冷却対象である冷却パネルにおいてさらに効率的な冷却が必要となる温度、例えば128Kに設定されている。また第2の閾値とは、冷却対象である冷却パネルの温度を強制的に急激に冷却する温度であり、例えば138Kに設定されている。
周波数制御部51は、圧縮装置42が稼働した直後から所定の検出周期(本実施形態では5分)で各温度センサ50からの検出信号を取得し、インバータ装置52が交流電動機43に供給する交流電源の周波数の制御指令値をインバータ装置52に出力する。なお、上述した所定の検出周期とは、インバータ装置52の出力周波数を変更したことによる影響を各冷却部41が受けるのに十分な時間である。
インバータ装置52は、外部電源53(本実施形態ではAC200V、50Hz)から供給される交流電源を一旦直流に変換し、再び交流に変換することにより、交流電動機43に供給される交流電源の周波数を変更する装置である。インバータ装置52は、外部電源53からの交流電源の周波数を下限値である30Hzと上限値である50Hzとの間で変更可能であり、周波数制御部51からの制御指令値を受けて、この制御指令値に基づく周波数の交流電源を交流電動機43に供給する。なお、インバータ装置52の出力周波数の上限値は、各冷却部41の全ての温度が強制的に目標値である123K以下に冷却される周波数である。
交流電動機43は、インバータ装置52から供給される交流電源を受けて該交流電源の周波数に応じた回転速度で回転し、その回転速度に応じた量のヘリウムガスを各冷却部41に供給する。詳述すると、インバータ装置52から供給される交流電源の周波数が高くなると、交流電動機43の回転速度が高くなり、各冷却部41に供給されるヘリウムガスの供給量が増すことになる。このようにしてヘリウムガスの供給量が増えると、アキュムレータ45を介して繋がる全ての冷却部41においてそれの冷却能力が向上することとなる。反対に、インバータ装置52から供給される交流電源の周波数が低くなると、交流電動機43の回転速度が低くなり、各冷却部41に供給されるヘリウムガスの供給量が減ることになる。このようにしてヘリウムガスの供給量が減ると、アキュムレータ45を介して繋がる全ての冷却部41においてそれの冷却能力が低下することとなる。つまり、上述する減圧システムにおいては、インバータ装置52から交流電動機43に供給される交流電源の周波数が周波数制御部51によって制御され、この交流電源の周波数に合わせて各冷却部41の温度が制御される。
こうした周波数制御部51によって実行されるインバータ装置52の出力周波数の制御について図5を参照して説明する。図5は、周波数制御部51によるインバータ装置52の出力周波数の制御の流れを示すフローチャートである。なお、この一連の処理は、上述する所定の検出周期毎、すなわち周波数制御部51が冷却部41の温度を取得する毎に実行されるものであって、周波数制御部51が搭載する専用の論理回路によって具現化されるものであるが、これに限らず、例えば汎用コンピュータに搭載されるプログラム等によって具現化することも可能である。
図5に示されるように、周波数制御部51は、各温度センサ50からの検出信号に基づいて、各冷却部41の温度を取得する(ステップS101)。続いて周波数制御部51は、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41においてその温度が第2の閾値である138K以上であるか否か、つまり強制的な冷却が必要な冷却部41が存在するか否かを判断する(ステップS102)。全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41においてその温度が第2の閾値以上であると周波数制御部51が判断すると(ステップS102:YES)、インバータ装置52の出力周波数を上限値である50Hzに設定するように指示する制御指令値を該周波数制御部51はインバータ装置52に出力する(ステップS103)。そして全ての冷却部41に対する強制的な冷却を周波数制御部51が交流電動機43に実行させて、一連の処理を終了する。
この際、強制的な冷却指令が周波数制御部51からインバータ装置52に出力されると、交流電動機43に供給される交流電源の出力周波数がそれの上限値である50Hzに設定されることになる。そして上限値となる出力周波数で交流電源が供給されるとなると、交流電動機43では回転速度が最大となり、圧縮装置42では各冷却部41へ供給されるヘリウムガスの供給量が最大となる。つまり、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41においてその温度が第2の閾値以上となると、該第2の閾値以上となっている冷却部41に対する冷却が優先的に実行されることとなって、冷却部41がすばやく冷却されることになる。
一方、全ての冷却部41における温度が前記第2の閾値未満である、つまり冷却部41に対する強制的な冷却が不要であると周波数制御部51が判断すると(ステップS102:NO)、周波数制御部51は、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41においてその温度が前記第1の閾値である128K以上であるか否かを判断する(ステップS104)。全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41においてその温度が第1の閾値以上であると周波数制御部51が判断すると(ステップS104:YES)、現在の交流電源の周波数が上限値である50Hzか否か、つまり交流電源の周波数をさらに増やすことが可能か否かを周波数制御部51は判断する(ステップS105)。そして現在の交流電源の周波数が上限値である50Hzであるならば(ステップS105:YES)、交流電源の周波数を増やすことが不可能であると周波数制御部51は判断し、交流電源の周波数を上限値である50Hzに維持するための制御指令値をインバータ装置52に出力して、一連の処理を終了する。これに対して、現在の交流電源の周波数が上限値である50Hzでないならば(ステップS105:NO)、交流電源の周波数を現在の値から5Hz上昇させる制御指令値をインバータ装置52に出力して(ステップS106)、一連の処理を終了する。
この際、現在の出力周波数を5Hz上昇させるという制御指令値が周波数制御部51からインバータ装置52に出力されると、交流電動機43に供給される交流電源の周波数が現在の値から5Hzだけ高くなって、交流電動機43では、その上昇した周波数の分だけ回転速度が高められることになる。そして交流電動機43で回転速度が高くなると、圧縮装置42から各冷却部41へ供給されるヘリウムガスの供給量も増大することとなり、冷却部41に対してさらなる冷却を行うことができる。
一方、全ての冷却部41における温度が第1の閾値である128K未満であると周波数制御部51が判断すると(ステップS104:NO)、現在の交流電源の周波数がインバータ装置52の下限値である30Hzであるか否か、つまり交流電源の周波数をさらに減らすことが可能か否かを周波数制御部51は判断する(ステップS107)。そして現在の交流電源の周波数が下限値である30Hzであるならば(ステップS107:YES)、交流電源の周波数を減らすことが不可能であると周波数制御部51は判断し、交流電源の周波数を下限値である30Hzに維持するための制御指令値をインバータ装置52に出力して、一連の処理を終了する。これに対して、現在の交流電源の周波数が下限値である30Hzでないならば(ステップS107:NO)、交流電源の周波数を現在の値から5Hz減少させる制御指令値をインバータ装置52に出力して(ステップS108)、一連の処理を終了する。
この際、現在の出力周波数を5Hz減少させるという制御指令値が周波数制御部51からインバータ装置52に出力されると、交流電動機43に供給される交流電源の周波数が現在の値から5Hzだけ低くなって、交流電動機43では、その減少した周波数の分だけ回転速度が低くなることとになる。そして交流電動機43の回転速度が低くなると、圧縮装置42から各冷却部41へ供給されるヘリウムガスの供給量も減少することとなり、冷却部41に対してさらなる冷却が必要でない場合には、圧縮装置42で消費される電力を低減させることができる。
つまり、上述した減圧システムにおいては、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41においてさらなる冷却が必要となると、インバータ装置52の出力周波数が周波数制御部51によって5Hzだけ上げられることになる。そして全ての冷却部41に供給されるヘリウムガスの供給量が+5Hz分だけ増大し、全ての冷却部41における冷却能力がこれに合わせて増強されることになる。一方、全ての冷却部41に対してさらなる冷却が必要でないとなると、インバータ装置52の出力周波数が周波数制御部51によって5Hzだけ下げられることになる。そして全ての冷却部41に供給されるヘリウムガスの供給量が5Hz分だけ減少し、全ての冷却部41における冷却能力がこれに合わせて減退することになる。それゆえ、全ての冷却部41においてその時々の温度に合った効率的な冷却が行われつつ、圧縮装置42における消費電力が削減可能にもなる。
次に、周波数制御部51によるインバータ装置52の出力周波数の制御の一例を、タイミングチャートを用いて説明する。図6は、第1処理部11の各チャンバにおける冷却部41の温度推移と、その温度推移に基づいて設定されるインバータ装置52の出力周波数とを示したタイミングチャートである。図6におけるタイミングt1〜t10は、各冷却部41の温度を検出する検出周期ごとのタイミングを示し、全てのチャンバが処理待ちとなるアイドル状態(タイミングt0)から各チャンバにおける処理が継続される状態(タイミングt10)までのタイミングを示す。なお、各チャンバにおいて特に大きな排気能が必要とされない上記アイドル状態(タイミングt0)においては、交流電動機43に供給される交流電源の周波数が周波数制御部51によって下限値である30Hzに常に設定される。
図6に示されるように、アイドル状態であるタイミングt0、及びタイミングt0から検出周期だけ経過したタイミングt1では、全ての冷却部41における温度が第2の閾値(138K)、さらには第1の閾値(128K)未満である。そして各チャンバにおいて特に大きな排気能が必要とされないこれらタイミングt0及びタイミングt1では、交流電動機43に対して下限値である30Hzの交流電源が供給されている。このため、タイミングt0及びタイミングt1においては、インバータ装置52の出力周波数が下限値である30Hzに維持され続ける。
次いで、チャンバ17において例えば大きな排気能が必要とされ、チャンバ17に対応する冷却部41の温度が第1の閾値以上となる。その結果、タイミングt2では、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第1の閾値以上であると周波数制御部51において判断される。これに加えて、現在のインバータ装置52における出力周波数が下限値の30Hzであるとの判断が周波数制御部51においてなされ、これによって、現在の周波数(30Hz)から5Hzだけ出力周波数を上昇させるための制御指令値が該周波数制御部51からインバータ装置52に入力される。その結果、交流電動機43に周波数が35Hzの交流電源が供給され、出力周波数が5Hzだけ上昇することにより、交流電動機43の回転速度が高まり、各冷却部41に供給されるヘリウムガスの供給量が増加し、全ての冷却部41における冷却能力が向上することとなる。
続いて、チャンバ17において引き続き大きな排気能が必要とされ、チャンバ17の冷却部41の温度が、連続する検出周期において第1の閾値以上のままとなる。その結果、タイミングt3では、引き続き、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第1の閾値以上であると周波数制御部51において判断される。これに加えて、現在のインバータ装置52における出力周波数(35Hz)が上限値の50Hzに満たないものであるとの判断が周波数制御部51においてなされ、これによって、現在の周波数(35Hz)から5Hzだけ出力周波数を上昇させるための制御指令値が該周波数制御部51からインバータ装置52に入力される。その結果、交流電動機43に周波数40Hzの交流電源が供給され、交流電動機43の回転速度がさらに高まり、全ての冷却部41における冷却能力がさらに向上することとなる。
この状態から、チャンバ17においては十分な排気能が確保されるものの、チャンバ20において別途大きな排気能が必要となると、図6に示されるように、チャンバ17における冷却部41の温度は第1の閾値未満となるものの、これと異なるチャンバ20における冷却部41の温度が第1の閾値以上となる。そのため、タイミングt4で、周波数制御部51では、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が連続する検出周期において第1の閾値以上であるという同様の判断が引き続きなされる。またこれに加えて、現在のインバータ装置52における出力周波数(40Hz)が上限値の50Hzに満たないものであるとの判断が周波数制御部51においてなされ、これによって、現在の周波数(40Hz)から5Hzだけ上昇させるための制御指令値が該周波数制御部51からインバータ装置52に入力される。その結果、交流電動機43に周波数45Hzの交流電源が供給され、交流電動機43の回転速度がチャンバ20の処理内容に合わせるようにさらに高まり、各冷却部41における冷却能力が一段と向上することとなる。
続いて、チャンバ20において引き続き大きな排気能が必要とされ、チャンバ20の冷却部41の温度が、連続する検出周期において第1の閾値以上のままとなる。その結果、タイミングt5では、引き続き、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第1の閾値以上であると周波数制御部51において判断される。これに加えて、現在のインバータ装置52における出力周波数45Hz)が上限値の50Hzに満たないものであるとの判断が周波数制御部51においてなされ、これによって現在の周波数(45Hz)から5Hzだけ出力周波数を上昇させるための制御指令値が該周波数制御部51からインバータ装置52に入力される。その結果、交流電動機43に上限値である周波数50Hzの交流電源が供給され、これにより各冷却部41における冷却能力が最大となる。
つまり、タイミングt2〜t5においては、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第1の閾値以上であると判断される。そのため、インバータ装置52には、各タイミングt2〜t5において、出力周波数を5Hzだけ上昇させるための制御指令値が入力され続けることとなる。ここで、こうした圧縮したヘリウムガスを用いて冷却される冷却部41にあっては、ヘリウムガスの供給量の増減に応じて直ちにその温度が変化するわけではない。
例えば冷媒の断熱膨張サイクルに長時間を要する場合やそれにおける熱伝導に長時間を要する場合には、冷媒の供給量の増減が冷却部の温度に反映されるまでにそれ相当の時間を要してしまうこととなる。そのため冷却部41の温度が急激に上昇するような場合であれば、これに合わせて冷媒の供給量も大幅に増大させることが好ましく、また冷却部41の温度が緩やかに上昇するような場合であれば、これに合わせて冷媒の供給量を小幅に増大させるか、その増大そのものを抑えることが好ましい。
上述したように、本実施形態では、冷却部41の少なくとも1つが連続して第1の閾値以上となる場合、すなわちいずれかの冷却部41に対してさらなる冷却が必要な場合に、交流電動機43へ供給される交流電源の周波数が段階的に上昇する。従って、前回に出力周波数を上げたことによる各冷却部41の温度変化を考慮した上で、さらなる出力周波数の上昇がなされることとなる。こうした制御方法であれば、インバータ装置52の出力周波数の過度な上昇を回避することができ、その過度な周波数の上昇を回避した分だけ、圧縮装置42で消費される電力を削減することができる。
続いて、タイミングt6では、各チャンバにおいて十分な排気能が確保され、全ての冷却部41の温度が第1の閾値である128K未満となる。従って、タイミングt6では、第1の閾値以上の温度の冷却部41がないと周波数制御部51において判断される。これに加えて、現在のインバータ装置52における出力周波数(50Hz)が下限値(30Hz)より高いものであるとの判断が周波数制御部51においてなされる。これによって、現在の周波数から5Hzだけ出力周波数を減少させるための制御指令値が該周波数制御部51からインバータ装置52に入力される。その結果、交流電動機43の回転速度が低くなり、全ての冷却部41において、余剰となる冷却能力が発生し難くなる。
以後同様に、各チャンバにおいて十分な排気能が確保され、全ての冷却部41の温度が連続する検出周期において第1の閾値である128K未満であるといったタイミングt7〜t9では、その都度、現在の周波数から5Hzだけ出力周波数を減少させるための制御指令値が該周波数制御部51からインバータ装置52に入力される。そして、タイミングt9にてインバータ装置52が出力する交流電源の周波数が下限値(30Hz)に到達すると、タイミングt10以後では、交流電動機43に供給される交流電源の周波数が下限値である30Hzに維持される。
つまり、タイミングt6〜t10においては、各冷却部41の全ての温度が第1の閾値未満であるとの判断が連続してなされる。このため、インバータ装置52には、各タイミングt6〜t10において現在の周波数から5Hzだけ減少させるための制御指令値が入力されることとなる。上述するように、こうした圧縮したヘリウムガスを用いて冷却される冷却部41にあっては、ヘリウムガスの供給量の増減に応じて直ちにその温度が変化するわけではない。そのため、上述したように、冷却部41の全ての温度が連続して第1の閾値未満である場合、すなわち冷却部41に対してさらなる冷却が必要でない場合に、交流電動機43へ供給される交流電源の周波数が段階的に減少させられる。これにより、前回の出力周波数を減少させたことによる各冷却部41の温度変化を考慮した上で、さらなる出力周波数の減少がなされることとなる。こうすることにより、インバータ装置52の出力周波数をその時々の冷却部41の温度に応じて減少させることができ、その出力周波数を減少させた分だけ、圧縮装置42で消費される電力を低減することができる。そして、こうした減圧システムを備えた製造装置10においては、その減圧システムで低減された消費電力の分だけ、当該製造装置10における消費電力を低減させることができる。
ちなみに、タイミングt6にて各冷却部41の少なくとも1つの温度が第1の閾値以上であるとの判断が仮になされるとなれば、交流電動機43に供給される交流電源の周波数は、上限値である50Hzに維持され続ける。また例えば、タイミングt8において、各冷却部41の少なくとも1つの温度が第1の閾値以上であるとの判断が仮になされた場合、インバータ装置52には、現在の周波数(40Hz)から5Hzだけ上昇させるための制御指令値が周波数制御部51からインバータ装置52に入力される。また例えば、タイミングt0〜t10のいずれであっても、各冷却部41の少なくとも1つの温度が第2の閾値である138K以上であると判断が仮になされるとすれば、インバータ装置52には、その出力周波数を上限値である50Hzに強制的に設定するための制御指令値がインバータ装置52に入力される。
以上説明したように、本実施形態における減圧システム、及びこれを用いた製造装置10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)全ての冷却部41のうち、少なくとも1つ冷却部41の温度が第1の閾値以上のときに、インバータ装置52の出力周波数が周波数制御部51によって上げられ、各冷却部41の全ての温度が第1の閾値未満であるときに、インバータ装置52の出力周波数が同じく周波数制御部51によって下げられる。こうした出力周波数の制御方法であれば、冷却部41に対してさらなる冷却が必要であるときには、各冷却部41に供給されるヘリウムガスの供給量が増加し、各冷却部41における冷却能力が増強されることとなる。一方、冷却部41に対してさらなる冷却が必要でないときには、各冷却部41に供給されるヘリウムガスの供給量が減少し、各冷却部41の冷却能力が減衰することとなる。それゆえ、各冷却部41をその時々の温度に応じて効率よく冷却しつつ、出力周波数を下げる期間にあっては、圧縮装置42で消費される電力を削減させることが可能となる。
(2)周波数制御部51は、所定の検出周期毎に各冷却部41の温度を取得し、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第1の閾値以上であるときに、インバータ装置52への出力周波数を上限値に向けて検出周期毎に段階的に上昇させる。すなわち、前回の出力周波数を上げたことによる各冷却部41の温度変化を考慮した上で、さらなる出力周波数の上昇がなされることとなる。こうした構成であれば、インバータ装置52の出力周波数の過度な上昇を回避することができ、その過度な周波数の上昇を回避した分だけ、圧縮装置42で消費される電力を削減することができる。
(3)周波数制御部51は、所定の検出周期毎に各冷却部41の温度を取得し、全ての冷却部41の温度が第1の閾値未満であるときに、インバータ装置52の出力周波数を下限値に向けて所定の検出周期毎に段階的に減少させる。そのため、前回の出力周波数を減少させたことによる各冷却部41の温度変化を考慮した上で、さらなる出力周波数の減少がなされることとなる。その結果、インバータ装置52の出力周波数をその時々の冷却部41の温度に応じて減少させることができ、その出力周波数を減少させた分だけ、圧縮装置42で消費される電力を低減することができる。
(4)周波数制御部51は、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第2の閾値以上であるときに、インバータ装置52の出力周波数を上限値である50Hzとする。こうした構成であれば、冷却部41の冷却を最優先に行う必要があるときに、冷凍機の冷却能力を最大とすることができ、冷却部41をすばやく冷却することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、減圧システムを真空処理装置としての半導体装置の製造装置10に適用したが、これに限らず、減圧装置と圧縮装置とを利用する装置であれば、本発明は他の装置に適用してもよい。
・上記実施形態の周波数制御部51は、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第2の閾値以上であるときに、インバータ装置52の出力周波数を当該インバータ装置が出力可能な上限値に設定する。しかしながら、この第2の閾値に基づく制御を割愛してもよい。上記実施形態では、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第1の閾値以上であるときに、該冷却部41に対してさらなる冷却が行われる。従って、第2の閾値に基づく制御を割愛しても、本発明は少なくとも上記(1)〜(3)の効果を得ることができる。
・上記実施形態の周波数制御部51は、各冷却部41の温度に基づいて、全ての冷却部41の温度が第1の閾値未満に下がるときに、インバータ装置52の出力周波数を上記検出周期毎に下限値に向かって段階的に下げるように出力周波数を制御した。この制御方法に代えて、周波数制御部51は、全ての冷却部41の温度が第1の閾値未満に下がるときにインバータ装置52の出力周波数を下限値に設定してもよい。こうした構成であっても、本発明は少なくとも上記(1)、(2)の効果を得ることができる。
・上記実施形態の周波数制御部51は、各冷却部41の温度に基づいて、全ての冷却部41のうち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第1の閾値以上であるときに、インバータ装置52の出力周波数を検出周期毎に上限値に向かって段階的に上げるように出力周波数を制御した。この制御方法に代えて、冷却部41に対してさらなる冷却を行うための別の方法として、例えば、周波数制御部51はインバータ装置52の出力周波数を下限値と上限値の2つの値で制御してもよい。この場合、周波数制御部51は、少なくとも1つの冷却部41の温度が第1の閾値以上であるときにはインバータ装置52の出力周波数を上限値に設定することで冷却効果を高めるようにしてもよい。
・上記実施形態の周波数制御部51は、所定の検出周期毎に各冷却部41の温度を取得し、その取得した温度に基づいてインバータ装置52の出力周波数を制御した。これに限らず、周波数制御部51は、冷却部41の温度を連続的に取得してインバータ装置52の出力周波数を制御してもよい。
・上記実施形態の周波数制御部51は、冷却部41の少なくとも1つの温度が第1の閾値以上であるときにインバータ装置52の出力周波数を段階的に上げるのではなく、その冷却部41の温度に応じた周波数となるようにインバータ装置52の出力周波数を設定してもよい。このとき、第1の閾値以上の温度を有する冷却部41が複数あった場合には、例えば周波数制御部51は、それらの冷却部41の中で最も高い温度に応じた周波数となるようにインバータ装置52の出力周波数を設定してもよい。
・上記実施形態において、圧縮装置42の供給対象である冷却部41の個数は、圧縮装置42の送給能力に合わせた2つ以上の個数であれば、その個数に特に限定されるものではない。
・上記実施形態の減圧システムでは、減圧装置としてクライオトラップ40を用いているが、減圧装置としてクライオポンプを用いてもよい。なお、減圧装置としてクライオポンプを用いた場合には、第1の閾値及び第2の閾値を適宜変更することが好ましい。
・図5において、ステップS105(上限値である50Hzとの比較)およびステップS107(下限値である30Hzとの比較)を省略してもよい。即ち、少なくとも1つの冷却部41の温度が第1の閾値(128K)以上である場合、直ちに出力周波数を相対的に(例えば5Hz)上げ、全ての冷却部41の温度が第1の閾値(128K)未満である場合、直ちに出力周波数を相対的に(例えば5Hz)下げてもよい。

Claims (4)

  1. 減圧システムであって、
    圧縮された冷媒を受け取り、該圧縮された冷媒を断熱膨張させるときに気体を補足可能な冷却部を各々含む複数の減圧装置と、
    交流電動機を有する圧縮部を含み、前記交流電動機の回転速度に応じた流量で前記圧縮部から前記複数の減圧装置の各々の冷却部に前記圧縮された冷媒を供給する圧縮装置と、
    前記各減圧装置の冷却部の温度を検出する温度検出部と、
    前記交流電動機に供給する交流電源の周波数を変更可能なインバータ装置と、
    前記インバータ装置の出力周波数を制御する周波数制御部とを備え、
    前記周波数制御部は、
    所定の検出周期毎に各減圧装置の冷却部の温度を取得し、
    前記複数の減圧装置のうち少なくとも1つの減圧装置の冷却部の温度が第1の閾値以上か否かを前記検出周期毎に判定して、連続する検出周期において前記少なくとも1つの減圧装置の冷却部の温度が前記第1の閾値以上のときに前記インバータ装置の出力周波数を前記検出周期毎に段階的に上げ、
    前記複数の減圧装置のうち少なくとも1つの減圧装置の冷却部の温度が、前記第1の閾値よりも高い第2の閾値以上のときに前記インバータ装置の出力周波数を上限値に設定し、
    前記複数の減圧装置すべての冷却部の温度が前記第1の閾値未満であるか否かを前記検出周期毎に判定して、連続する検出周期において前記複数の減圧装置すべての冷却部の温度が前記第1の閾値未満であるときに前記インバータ装置の出力周波数を前記検出周期毎に段階的に下げることを特徴とする減圧システム。
  2. 前記周波数制御部は更に、
    前記少なくとも1つの減圧装置の冷却部の温度が前記第1の閾値以上であるとき、前記インバータ装置の出力周波数が上限値まで上昇しているかを判定し、そうでなければ前記出力周波数を上げることを特徴とする請求項に記載の減圧システム。
  3. 前記周波数制御部は更に、
    前記複数の減圧装置すべての冷却部の温度が前記第1の閾値未満であるとき、前記イン
    バータ装置の出力周波数が下限値まで低下しているかを判定し、そうでなければ前記出力周波数を下げることを特徴とする請求項1または2に記載の減圧システム。
  4. 減圧システムであって、
    複数の真空チャンバと、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の減圧システムとを備え、前記複数の真空チャンバの各々が前記複数の減圧装置の一つに接続されていることを特徴とする真空処理装置。
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