JP5465683B2 - 無線パケット通信システムおよび中継局装置 - Google Patents

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本発明は、無線パケット信号の中継処理を行う中継局装置を含む無線パケット通信システムおよび中継局装置に関する。
図5は、従来の無線パケット通信システムの構成例を示す(非特許文献1)。
図5において、無線パケット通信システムは、送信局装置51、中継局装置52、受信局装置53により構成される。送信局装置51から送信された同一の信号S51およびS52は、それぞれ中継局装置52および受信局装置53が受信する。中継局装置52は信号S52を復調し、同一の信号S53を生成して送信し、受信局装置53が受信する。受信局装置53は、送信局装置51から送信された信号S51と中継局装置52から送信された信号S53を受信し、ダイバーシチ合成処理を行う。
この伝送形態では、送信タイミングを2つのスロットに分けて送信する場合が一般的である。非特許文献1では、この送信に関する2つのスロットの使い方で3種類の送信プロトコルを提案しているが、いずれも中継局装置52を活用することで、柔軟な無線パケット通信システム構成が可能である。さらに、信号S51が受信局装置53に適切に伝送されない場合でも、中継局装置52で信号S51と同一の信号S52を復調し、信号S53として送信することにより、受信局装置53は送信局装置51からの信号を中継局装置経由で受信することが可能である。
R. U. Nabar ,他, Fading relay channels: Performance limits and space-time signal design, IEEE journal on selected areas, Aug.2004, pp.1099-1109
従来の無線パケット通信システムの中継局装置では、受信した信号を復調して送信する中継動作を行う。中継局装置が送信する先の受信局装置では、伝送特性の改善のために、既に受信した送信局装置からの受信信号と合せてダイバーシチ合成する場合が多い。しかし、従来の中継局装置は中継することが目的であり、遅延分散が同じ値の信号、あるいは遅延分散があまり変わらない値の信号を合成するため、受信局装置でダイバーシチ合成を行う場合に十分な特性が得られないことがある。
本発明は、受信局装置におけるダイバーシチ合成の特性を改善することができる無線パケット通信システムおよび中継局装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、無線パケット信号を送信する送信局装置と、送信局装置から送信される無線パケット信号を中継する中継局装置と、送信局装置から送信された無線パケット信号と中継局装置から送信された無線パケット信号を受信し、両信号をダイバーシチ合成する受信局装置とを備えた無線パケット通信システムにおいて、中継局装置は、受信した無線パケット信号のプリアンブル部分とデータ部分にそれぞれ対応し、該データ部分に比べて該プリアンブル部分の巡回シフト時間を短く設定して巡回シフト処理を行い、巡回シフト処理した無線パケット信号を送信する手段と、巡回シフトした無線パケット信号を送信する前に、遅延波の影響を抑える繰り返し信号部分を付加する手段とを備える。
の発明は、無線パケット信号を送信する送信局装置と、送信局装置から送信される無線パケット信号を中継する中継局装置と、送信局装置から送信された無線パケット信号と中継局装置から送信された無線パケット信号を受信し、両信号をダイバーシチ合成する受信局装置とを備えた無線パケット通信システムの中継局装置において、受信した無線パケット信号のプリアンブル部分とデータ部分にそれぞれ対応し、該データ部分に比べて該プリアンブル部分の巡回シフト時間を短く設定して巡回シフト処理を行い、巡回シフト処理した無線パケット信号を送信する手段と、巡回シフトした無線パケット信号を送信する前に、遅延波の影響を抑える繰り返し信号部分を付加する手段とを備える。
本発明では、中継局装置での受信した信号を中継送信する場合に、パケット信号に対して巡回シフト処理(信号遅延処理)を加えることで、受信局装置で受信する際に広範囲にマルチパスが広がった伝搬路を経由した無線パケット信号と等価な信号を得ることができる。受信局装置では、送信局装置からの無線パケット信号も受信し、両信号を活用したダイバーシチ合成が可能である。
さらに、例えばOFDMのマルチキャリア信号に対して遅延波の影響の抑圧効果のある繰り返し信号部分であるガードインターバルを付加することで、OFDMの特徴を十分に発揮した適用が可能である。また、周波数領域での等化を中心とした受信処理を行うシングルキャリア伝送方式に対しても本手法は適用可能であり、ガードインターバルは遅延波の影響を抑圧する効果を発揮することができる。
したがって、本発明を用いることで、受信局装置では送信局装置の信号を効率的に受信することが可能であり、高精度な両信号のダイバーシチ合成が実現可能である。また、複数端末を活用する協調通信環境における、より高性能なダイバーシチ合成が実現可能である。すなわち、従来の中継局装置では受信局装置でのダイバーシチ合成を行う場合に十分な特性が得られない課題に対して、受信局装置でのダイバーシチ合成での特性改善を図ることができる。
本発明の無線パケット通信システムの実施例1の構成例を示す図である。 巡回シフト処理例を説明する図である。 本発明の無線パケット通信システムの実施例2の構成例を示す図である。 ダイバーシチ合成受信回路の構成例を示す図である。 従来の無線パケット通信システムの構成例を示す図である。
図1は、本発明の無線パケット通信システムの実施例1の構成例を示す。
図1において、実施例1の無線パケット通信システムは、送信局装置11、中継局装置12、受信局装置13により構成される。送信局装置11から送信された同一の信号S11およびS12は、それぞれ中継局装置12および受信局装置13が受信する。中継局装置12は信号S12を復調し、信号S13を生成して送信し、受信局装置13が受信する。受信局装置13は、送信局装置11から送信された信号S11と中継局装置12から送信された信号S13を受信し、ダイバーシチ合成処理あるいは個別受信処理を行う。
本実施例の中継局装置12は、パケット信号の中継処理を行う受信/送信回路121と、受信/送信回路121から出力されたパケット信号に対して所定時間の巡回シフト処理(信号遅延処理)を行って送信する巡回シフト回路122とを備えることを特徴とする。
これにより、受信局装置13では、CSD(Cyclic shift diversity)を実現してダイバーシチ特性を改善することができる。すなわち、中継局装置12で巡回シフト処理した信号を合成することによって、受信局装置13では、中継局装置12から遅延分散が等価的に増えた信号を受信することになる。また、受信局装置13は、OFDM(Orthogonal frequency division multiplexing)等の周波数領域での信号処理を活用する場合、遅延分散が等価的に増えた信号を用いてダイバーシチ合成を行うことにより、FECによる誤り率を改善し、結果としてスループットの改善を得ることができる。
巡回シフト処理について図2を参照して説明する。検討したモデルでは、巡回シフトの時間を−400 nsと設定した場合である。64ポイントIFFTを用いた信号構成である。1ポイントは50nsを想定した図である。
図2(a) のOFDMシンボルは、49,50,…,63,64ポイントから構成される繰り返し信号部分であり、OFDMシンボルの後半部分のコピーである 800nsのGI(ガードインターバル)が付加される。OFDMの受信回路では、理想的に受信ウィンドウが設定されたと仮定すると、図2(a) に示す通常のOFDMシンボルでは、1 ,2 ,3 ,…,64の信号が受信回路に取り込まれる。これに対して、図2(b) に示す−400 nsの巡回シフトを活用したOFDMシンボルでは、9 ,10,11,…,64,1 ,…,8の64ポイントが受信回路に取り込まれることになる。OFDMシンボルは巡回信号なので、どの部分を取り出しても信号成分は同一である。
ここで、両信号の違いは経由してきたマルチパス伝搬路であり、−400 nsの巡回シフト信号は等価的に 400nsの時間シフトを加えたマルチパス伝搬路を経由した信号として受信回路では識別されることである。OFDM信号はFECとの組み合わせでランダム誤りに強く、マルチパス伝搬路での特性に優れる方式であり、巡回シフトさせた信号を合成させることでダイバーシチ効果の改善が期待できる。本発明では、中継局装置12に巡回シフト回路122を付加し、OFDMシンボルを再構成してから送信することで、受信局装置13でのダイバーシチ効果の改善を実現する。なお、以上の説明では、OFDM信号にGI(ガードインターバル)を付加する場合を示したが、もちろん通常のシングルキャリア信号から構成される無線パケット信号に巡回シフト処理を行う構成でも実現可能である。
また、本発明が適用される無線パケット通信システムの受信局装置に適用されるダイバーシチ方式には、様々なものが適用可能である。例えば、伝送方式にMIMO(Multiple-input multiple-output)を用いる場合には、その信号検出による信号分離の前にダイバーシチ合成を適用する手法、また、信号分離後にダイバーシチ合成を適用する手法等が適用可能である。また、その合成はシンボル信号単位での合成も可能であり、さらにシンボル信号からビット信号に変換した後での合成も適用可能である。
また、信号検出手段による信号分離前においても各データストリームのダイバーシチ合成を適用し、さらに信号分離がなされた各データストリームにおいてダイバーシチ合成を行う手法も適用可能であり、高品質なダイバーシチ合成受信の提供が可能である。この場合には、例えば、最初に受信したスロットの無線パケット信号に対しては信号検出回路にて信号分離を行い、その信号に重み付けをして記憶する。一方、この最初に記憶したスロットの無線パケット信号は別途受信した状態のまま記憶される。次の受信スロットで受信された無線パケット信号に対しては、まず別途受信した状態のパケットと信号分離前にパケット合成を行う。この後に各データストリームにて信号分離を行う手法を適用する。最初のスロットと次のスロットでは送信局装置の位置が異なる。したがって、一度、信号合成を行って、MIMOチャネル行列の独立性を活用した後に信号分離を行うことで、サイト・ダイバーシチ効果のさらなる改善が期待でき受信特性の向上が期待できる。信号分離をした後では、各データストリームに重み付けがなされ、前述した記憶手段に記憶がなされた信号との合成がなされる。このように、本発明には信号分離前の合成と、信号分離後の合成を併用する手法も十分に適用が可能であり、サイト・ダイバーシチのさらなる特性改善が期待できる。
図3は、本発明の無線パケット通信システムの実施例2の構成例を示す。
本実施例の特徴は、実施例1の中継局装置12の巡回シフト回路122の後段にGI付加回路123を接続し、巡回シフト処理がなされた信号に対して、無線パケット信号の繰り返し部分であるGI(ガードインターバル)を付加した信号S14を生成し、送信する構成とする。
OFDM等のマルチキャリア信号に対して遅延波の影響の抑圧効果のあるガードインターバルを付加することにより、OFDMの特徴を十分に発揮することが可能である。また、周波数領域での等化を中心とした受信処理を行うシングルキャリア伝送方式に対しても本手法は適用可能であり、ガードインターバルは遅延波の影響を抑圧する効果を発揮することができる。
本発明では、データストリームが1つではなく、複数アンテナ、複数送信局から構成されるデータストリーム数が2つ以上でも十分に対応が可能である。
また、本発明は、中継局数が1つの場合に限ることはなく、複数中継器の場合でも当然各中継器への適用が可能である。
また、本発明では、各データストリームで、巡回シフト時間(遅延時間)を通信状態等に応じて変更することも可能である。例えば、受信局装置からチャネル伝達関数、チャネル伝達関数から構成されるMIMOチャネル行列、ビットエラーレート、スループット等をフィードバックさせ、それらが最適になるように巡回シフト時間(遅延時間)を多くしたり、少なくしたり調整してもよい。
また、本発明では、巡回シフト時間(遅延時間)は、伝搬環境に応じてシステムの運用時、あるいは事前に適応的に変更することも可能である。また、伝搬環境の通知方法も他局へ送信している信号を傍受する、あるいは、フィードバックチャネルを活用することも十分に適用可能である。
また、本発明の巡回シフト時間(遅延時間)は、無線パケット信号の先頭に送信され同期処理等に活用されるプリアンブル部分とデータ部分等で切り替えて運用することも可能である。例えば、プリアンブル部分の巡回シフト時間(遅延時間)をデータ部分に比べて短くするように設定してもよい。
また、本発明は、上位レイヤの再送方式に依存しない。したがって、同じデータを繰り返して再送する方式において、回数毎に巡回シフト時間(遅延時間)を変化させて再送を行い、受信局にてダイバーシチ合成を行う場合にも適用が可能である。
また、実施例1および実施例2では、簡単のためにアンテナが1つのみのシングルストリームの場合を記載しているが、本発明の適用が可能なMIMO伝送に適用される複数のアンテナを備える場合等への適用も可能である。
また、本発明の受信局に適用するダイバーシチ方式には、様々な方式が考えられるが、一般的な選択合成、最大比合成、等利得合成は、当然に適用可能である。
図4は、ダイバーシチ合成受信回路の構成例を示す(特開2009−49884号公報)。本ダイバーシチ合成受信回路は、受信したビット信号に対してダイバーシチ合成する構成である。
図4において、信号検出回路41は、データストリームが多重化された信号から各ストリームの信号を分離検出する。シンボル/ビット変換回路42は、信号検出回路41の出力信号である各データストリームに対して検出されたシンボルからビット情報に変換する。尤度抽出回路43は、受信した複数のデータストリームからチャネルの尤度情報を検出する。乗算回路44は、シンボル/ビット変換回路42の出力信号である各ビット情報に対して尤度抽出回路43で検出された重み付け量を乗算する。出力切替回路45は、乗算回路44の出力信号である重み付け信号を受信信号の属性に応じて出力先を切り替える。記憶回路46は、出力切替回路45の出力信号を記憶する。累積加算回路47は、出力切替回路45から別途出力される受信信号の属性と異なる出力信号と、記憶回路46に記憶された信号の累積加算演算を行った信号を出力する。復調回路48は、累積加算回路47の出力信号を復調処理する。
このようなダイバーシチ合成回路では、信号検出後にシンボルからビット信号に変換した後でも、このビット信号に対して尤度による重み付けが可能であり、よりきめ細かなダイバーシチ合成が実現できる。
また、軟判定出力データに対してダイバーシチ合成する場合には、図4のダイバーシチ合成受信回路において、累積加算回路47と復調回路48との間に軟判定回路を備え、復調回路48は、軟判定回路の出力信号を用いて復調処理を行い、出力信号を得る。このような構成では、軟判定処理が有効な誤り訂正復号等を行う場合において、適切に尤度情報を反映することが可能になる。したがって、さらに高品質な信号復調も可能になる。
また、上記の説明では、送信局装置から最初に受信局装置へ無線パケット信号を送信する場合と、中継局装置へ無線パケット信号を送信する場合に、連続した異なる時間スロットを用いる場合を想定している。一方、信号送信が行われるスロットは時間的に連続である必要はなく、時間的に離れたスロットを用いることも十分に可能であり、さらに周波数が異なるスロットでも十分に本発明の適用が可能である。
また、拡散符号を用いて送信を行うシステムへの適用を考えた場合には、時間、周波数が異なる場合への適用、あるいは、同一時間のスロットでの送信であっても、異なる拡散符号を用いた場合への適用も十分に実現が可能である。
11,51 送信局装置
12,52 中継局装置
13,53 受信局装置
121 受信/送信回路
122 巡回シフト回路
123 GI付加回路
41 信号検出回路
42 シンボル/ビット変換回路
43 尤度抽出回路
44 乗算回路
45 出力切替回路
46 記憶回路
47 累積加算回路
48 復調回路

Claims (2)

  1. 無線パケット信号を送信する送信局装置と、
    前記送信局装置から送信される無線パケット信号を中継する中継局装置と、
    前記送信局装置から送信された無線パケット信号と前記中継局装置から送信された無線パケット信号を受信し、両信号をダイバーシチ合成する受信局装置と
    を備えた無線パケット通信システムにおいて、
    前記中継局装置は、
    受信した無線パケット信号のプリアンブル部分とデータ部分にそれぞれ対応し、該データ部分に比べて該プリアンブル部分の巡回シフト時間を短く設定して巡回シフト処理を行い、巡回シフト処理した無線パケット信号を送信する手段と、
    前記巡回シフトした無線パケット信号を送信する前に、遅延波の影響を抑える繰り返し信号部分を付加する手段と
    を備えたことを特徴とする無線パケット通信システム。
  2. 無線パケット信号を送信する送信局装置と、
    前記送信局装置から送信される無線パケット信号を中継する中継局装置と、
    前記送信局装置から送信された無線パケット信号と前記中継局装置から送信された無線パケット信号を受信し、両信号をダイバーシチ合成する受信局装置と
    を備えた無線パケット通信システムの中継局装置において、
    受信した無線パケット信号のプリアンブル部分とデータ部分にそれぞれ対応し、該データ部分に比べて該プリアンブル部分の巡回シフト時間を短く設定して巡回シフト処理を行い、巡回シフト処理した無線パケット信号を送信する手段と、
    前記巡回シフトした無線パケット信号を送信する前に、遅延波の影響を抑える繰り返し信号部分を付加する手段と
    を備えたことを特徴とする中継局装置。
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