JP5464948B2 - フッ素樹脂成形体の製造方法およびその製造方法で得られるフッ素樹脂成形体 - Google Patents

フッ素樹脂成形体の製造方法およびその製造方法で得られるフッ素樹脂成形体 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素樹脂成形体の製造方法およびその製造方法で得られるフッ素樹脂成形体に関し、詳しくは、海島構造を有するフッ素樹脂成形体の製造方法等に関する。
従来、高分子材料にたとえば、電気伝導性、熱伝導性などの特性を付与する場合、当該特性に優れた材料(フィラー)との複合化が行われている。
このような、高分子材料とフィラーとの複合材料を作製する場合、固相同士を2軸押し出し機やニーダー、2軸ロールなどの混練機を用いて混合する方法や、高分子材料を良溶媒に溶解させ、また、フィラーも溶液に溶解或いは分散させた状態で液相同士を混合させ、のちに溶媒を除去して複合材料を得る方法、あるいは上記固相、液相の組み合わせで混合する方法が知られている(特許文献1)。
しかし、上記方法で作製した複合材料は、基本的にフィラーが高分子マトリクス中に均一に分散した状態となっている(均一分散系)。このような均一分散系は、機械強度の向上や難燃性の付与等の特性付与には有利となる場合があるが、導電性や熱伝導性などの伝導性を向上させるには、それら特性を有するフィラーを多量に用いる必要があり、フィラーを多量に用いることで複合材料の機械強度が減少するという問題点があった。また、当該フィラーは、高価なものも多く、フィラーを多量に用いることで得られる複合材料の価格が高騰するという問題点があった。さらに、フィラーを多量に用いると、フィラー由来の不純物が生じる場合が多くなり、その複合材料を半導体関連機器や電子機器等の不純物の低減が望まれている機器に用いることが困難となっていた。
このような問題点を解決するために、伝導性フィラーを複合材料中に偏在させ、伝導パス(経路)を複合材料中に効率的に形成する方法が開示されている(特許文献2、3)。
しかしながら、フッ素樹脂からなる複合材料において、伝導性を向上させる方法については、記載されていない。
特開平10−237300号公報 特開平10−309904号公報 特開2000−336212号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、フッ素樹脂の特性(耐熱性、耐寒性、耐薬品性、機械特性等)を有し、含フッ素ポリマーと機能性フィラーとからなり、機能性フィラーを従来に比べ少ない量で用い、安価で、導電性、熱伝導性などの伝導性、電磁波吸収性に優れるフッ素樹脂成形体を製造する方法および当該製造方法で製造されたフッ素樹脂成形体を提供することを課題とする。
本発明のフッ素樹脂成形体の第1の製造方法は、混練温度Tkにおける粘度αが103〜107Pの海部用含フッ素ポリマーaと、機能性フィラーcとの混合物(ac-1)と、
上記海部用含フッ素ポリマーaの粘度αよりも上記混練温度Tkにおいてより高粘度βの島部用含フッ素ポリマーbとを、
少なくとも海部用含フッ素ポリマーaが溶融する温度以上かつ含フッ素ポリマーaおよびbの何れの分解温度よりも低い温度Tkで溶融混練して、
島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させ、溶融混練物(abc−1)を調製し、
次いで、この溶融混練物(abc−1)を成形することを特徴とする。
また、本発明のフッ素樹脂成形体の第2の製造方法は、混練温度Tkにおける粘度αが103〜107Pの海部用含フッ素ポリマーaと、
機能性フィラーcと、
上記海部用含フッ素ポリマーaの粘度αよりも上記混練温度Tkにおいてより高粘度βの島部用含フッ素ポリマーbとを、
少なくとも海部用含フッ素ポリマーaが溶融する温度以上かつ含フッ素ポリマーaおよびbの何れの分解温度よりも低い温度Tkで溶融混練して、
島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させ、溶融混練物(abc−2)を調製し、
次いで、この溶融混練物(abc−2)を成形することを特徴とする。
本発明においては、上記溶融混練温度Tkが、上記海部用含フッ素ポリマーaの上記混練温度Tkにおける粘度α(ポアズ)と、上記島部用含フッ素ポリマーbの上記混練温度Tkにおける粘度β(ポアズ)とが、β/α≧102の関係を満たすような温度範囲にあることが好ましい。
なお、本発明で用いられる海部用含フッ素ポリマーaと、島部用含フッ素ポリマーbでは、それらの粘度と溶融温度(融点)との間には、何れのポリマーa、bにおいても粘度α、β(P,ポアズ)が増すと、それぞれの溶融温度(融点)Tma、Tmbも高くなる傾向がある。
本発明では、ポリマーa、bの粘度α、β(P,ポアズ)は、β/α≧10、特に好ましくはβ/α≧10であるが、ポリマーa、bがそれぞれこのような粘度のとき、海部用含フッ素ポリマーaと島部用含フッ素ポリマーbの溶融温度(融点)TmaとTmbは、Tmb>Tma(℃)を満たすものが好ましい。
本発明では、海部用含フッ素ポリマーa及び島部用含フッ素ポリマーbとしては、それらの溶融温度(融点)Tma、Tmbのうちでより低い方の温度〜分解温度Tda、Tdbのうちでより低い方の温度の範囲において、何れの温度においても、それらの粘度α、β(P,ポアズ)の関係が、β>αであるものを用いることが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体の製造方法では、上記海部用含フッ素ポリマーaがPFAであり、上記島部用含フッ素ポリマーbがPTFEであることが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体の製造方法は、上記機能性フィラーcが、カーボンブラックであることが好ましい。
ここで、「機能性」とは、伝導性、電磁波吸収性のことをいう。
本発明のフッ素樹脂成形体の製造方法は、上記海部用含フッ素ポリマーaと機能性フィラーcとの合計(a+c)100体積%中の機能性フィラーcの配合量が0.1〜50体積%であることが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体の製造方法は、上記海部用含ポリマーaと上記島部用含フッ素ポリマーbとの合計(a+b)100体積%に対して、上記島部用含フッ素ポリマーbを25〜75体積%の量で用いることが好ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体は、上記いずれかの製造方法で得られることを特徴とする。
本発明に係る上記フッ素樹脂成形体は、その用途が、熱伝導用、電気伝導用、電磁波吸収用の何れかであることが好ましい。
本発明によれば、フッ素樹脂の特性(耐熱性、耐寒性、耐薬品性、機械特性等)を有し、導電性、熱伝導性などの伝導性、電磁波吸収性に優れる、安価なフッ素樹脂成形体を容易に製造することができる。また、本発明の上記フッ素樹脂成形体は、上記特性に優れる。
図1は、本発明のフッ素樹脂成形体の構造を模式的に示す断面概略図である。 図2は、比較例1で得られたフッ素樹脂成形体の構造を模式的に示す断面概略図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔フッ素樹脂成形体の製造方法〕
本発明のフッ素樹脂成形体の第1の製造方法は、
混練温度Tkにおける粘度αが103〜107Pの海部用含フッ素ポリマーaと、機能性フィラーcとの混合物(ac-1)と、
上記海部用含フッ素ポリマーaの粘度αよりも上記混練温度Tkにおいてより高粘度βの島部用含フッ素ポリマーbとを、
少なくとも海部用含フッ素ポリマーaが溶融する温度Tma以上かつ含フッ素ポリマーaおよびbの何れの分解温度Tda、Tdbよりも低い温度Tkで溶融混練して、
島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させ、溶融混練物(abc−1)を調製し、
次いで、この溶融混練物(abc−1)を成形して、海島構造を有するフッ素樹脂成形体を製造することを特徴とする。
また、本発明のフッ素樹脂成形体の第2の製造方法は、
混練温度Tkにおける粘度αが103〜107Pの海部用含フッ素ポリマーaと、
機能性フィラーcと、
上記海部用含フッ素ポリマーaの粘度αよりも上記混練温度Tkにおいてより高粘度βの島部用含フッ素ポリマーbとを、
少なくとも海部用含フッ素ポリマーaが溶融する温度Tma以上かつ含フッ素ポリマーaおよびbの何れの分解温度Tda、Tdbよりも低い温度Tkで溶融混練して、
島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させ、溶融混練物(abc−2)を調製し、
次いで、この溶融混練物(abc−2)を成形して、海島構造を有するフッ素樹脂成形体を製造することを特徴とする。
本発明では、これらポリマーa、bの溶融温度(融点)Tma、Tmb、混練温度Tk、分解温度Tda、Tdbの間には、Tma<Tmb,Tk<Tda,Tdbの関係があることが好ましい。また、これらポリマーa、bおよび充填材cの混練温度Tkでは、それらの粘度α、β(P,ポアズ)は、β>αの関係にある。
<海部用含フッ素ポリマーa>
本発明で用いられる海部用含フッ素ポリマーaは、混練温度Tk(℃)(200〜400℃)において103〜107P(ポアズ)、好ましくは104〜105Pの粘度(粘度α)を有する含フッ素ポリマーである。
この海部用含フッ素ポリマーaは、図1に示すフッ素樹脂成形体(1)において、海部(2)を構成することになる。
このような海部用含フッ素ポリマーaとしては、テトラフルオロエチレンと、式:CF2=CF−O−Rf(式中、Rfはフルオロアルキル基、好ましくは炭素数1〜10のフルオロアルキル基を表す。)で示されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル){パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。}との共重合体であるPFA[340〜400℃において、粘度104〜105P];
テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体[FEP、310〜370℃において、粘度104〜105P];
ポリクロロトリフルオロエチレン[PCTFE、240〜260℃において、粘度106〜107P];
ポリフッ化ビニリデン[PVDF、200〜250℃において、粘度103〜104P];
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体[ETFE、280〜340℃において、粘度103〜104P];
等が挙げられる。
(※以上、「ふっ素樹脂ハンドブック」(編者里川孝臣、発行所日刊工業新聞社、初版1刷)396頁より。示した温度は、ハンドブック記載の一般的な加工温度であり、粘度はその温度範囲におけるものを示している。)
本発明で用いることができるPFAとしては、好ましくはテトラフルオロエチレン由来の構成単位を99.5〜92質量%およびパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)由来の構成単位を0.5〜8質量%含む(但し、PFAの構成単位の全体量を100質量%とする)。
海部用含フッ素ポリマーaがPFAであると、混練温度Tkにおいて、所望の粘度を有し、耐薬品性、耐熱性、非粘着性,低摩擦性,撥水・撥油性などの表面特性、電気特性、機械的特性に優れ、溶融成形できる熱可塑性樹脂としての特性も兼備えているため、自在な加工が可能であり、極低温から高温に到る広範囲な温度帯で、これらの優れた諸特性を維持することができるフッ素樹脂成形体の製造が可能となるため好ましい。
上記海部用含フッ素ポリマーaは、含フッ素ポリマーaと含フッ素ポリマーbとの合計(a+b)100体積%中に、含フッ素ポリマーaが20〜80体積%、好ましくは25〜75体積%含まれていることが望ましい。
このような海部用含フッ素ポリマーaの市販品としては、例えば、三井デュポンフロロケミカル社製PFA940HP−Plusなどを挙げることができる。
<島部用含フッ素ポリマーb>
本発明で用いられる島部用含フッ素ポリマーbは、混練温度Tkにおいて、上記海部用含フッ素ポリマーaの上記混練温度Tkにおける粘度αより高粘度βを有する含フッ素ポリマーである。島部用含フッ素ポリマーbの粘度βは、混練温度Tkにおいて、β/α≧102、好ましくはβ/α≧104の関係を満たせば、所定温度Tkにおいて、フッ素樹脂成形体製造用の上記成分a、bおよびcを溶融混練し(第2の製法)、あるいは上記混合物ac-1と、ポリマーbとを溶融混練(第1の製法)した場合に、機能性フィラーcが海部用含フッ素ポリマーa中にのみ高濃度で均一分散し、島部用含フッ素ポリマーb中には殆ど存在しなくなる傾向が顕著に現れ、その結果、上述したような本発明の効果が顕著に現れるから望ましいが、本発明では、島部用含フッ素ポリマーbは、混練温度Tkにおいて105〜1011P(ポアズ)、好ましくは107〜1011P、さらに好ましくは1010〜1011Pの粘度(粘度β)を有する含フッ素ポリマーが好適である。この島部用含フッ素ポリマーbは、図1に示すフッ素樹脂成形体(1)において、島部(3)を構成することになる。
本発明のフッ素樹脂成形体において、混練温度Tkにおいて上記粘度を有する島部用含フッ素ポリマーbを用いることで、島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させることが可能となる。
このような島部用含フッ素ポリマーbとしては、ポリテトラフルオロエチレン[PTFE、330℃において、粘度約1.0×1011P(ポアズ)]が好ましいが、それ以外の含フッ素ポリマーでも、混練温度Tkにおいてβ/α≧102を満たすフッ素樹脂であれば、本発明の含フッ素ポリマーbとして用いることができる。例えば、テトラフロロエチレン(CF2=CF2)と、Cn2n+1C=CF2(n=1〜12)、Cn2n+1O〔CF(CF3)CF2O〕mCF=CF2(n=1〜5、m=0〜10)、ClCF=CF2等の共単量体との共重合体(PTFE共重合樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン[PCTFE、240〜260℃において、粘度106〜107P]などが挙げられる。なお、含フッ素ポリマーbとしてPCTFEなどの溶融混練温度Tkにおいてその粘度が109P以下である含フッ素ポリマーを用いる場合には、含フッ素ポリマーaとして、溶融混練温度Tkにおいてβ/α≧102を満たすフッ素樹脂を用いることが好ましい。
また、PTFEに代表される島部用含フッ素ポリマーbの融点は、PFAに代表される海部用含フッ素ポリマーaの融点よりも高く、これらの含フッ素ポリマーaおよびbの分解温度は、含フッ素ポリマーaの融点温度より高いことが好ましい。
島部用含フッ素ポリマーbがPTFEであると、混練温度Tkにおいて、所望の粘度を有し、耐薬品性、耐熱性、非粘着性,低摩擦性,撥水・撥油性などの表面特性、電気特性、機械的特性に優れるため好ましい。
また、PTFEは、PTFEの融点以上の温度において、上記の海部用含フッ素ポリマーaと相溶性を有するため、得られるフッ素樹脂成形体は、高い強度を有することができるため好ましい。
上記島部用含フッ素ポリマーbは、含フッ素ポリマーaと含フッ素ポリマーbとの合計(a+b)100体積%中に、含フッ素ポリマーbが20〜80体積%、好ましくは25〜75体積%含まれていることが望ましい。
フッ素樹脂成形体中に、島部用含フッ素ポリマーbが上記量で含まれていると、機能性フィラーcを比較的少量で用いても、得られるフッ素樹脂成形体の伝導性、電磁波吸収性を向上させることができるため好ましい。
本発明で用いられる島部用含フッ素ポリマーbの形状としては、粒子状、繊維状の含フッ素ポリマーを挙げることができる。
このような島部用含フッ素ポリマーbの形状は、所望のフッ素樹脂成形体の形状に応じて適宜変更すれば良いが、粒子状である場合には、その平均粒子径が0.1〜100μmであることが好ましい。また、モールディングパウダー、ファインパウダー、ディスパージョンのいずれも用いることができる。
本発明で用いる島部用含フッ素ポリマーbが上記形状を有すると、伝導性、電磁波吸収性に優れ、高強度を有するフッ素樹脂成形体を得ることができるため好ましい。
このような島部用含フッ素ポリマーbの市販品としては、例えば、ダイキン工業社製PTFEパウダーM12などを挙げることができる。
<機能性フィラーc>
本発明で用いられる機能性フィラーcは、フッ素樹脂成形体に、熱伝導性や、電気伝導性等の伝導性、および/または電磁波吸収性を付与するためのフィラーであり、特に限定するわけではないが、導電性フィラー、熱伝導性フィラーおよび/または電磁波吸収性フィラー等を上げることができ、得られるフッ素樹脂成形体の用途に応じて適宜変更することができる。
本発明で用いることができる導電性フィラーとしては、特に限定するわけではないが、例えば、金属、導電性金属酸化物、炭素材料、ウィスカーなどが挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
上記金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミなどが挙げられる。
上記導電性金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどが挙げられる。
上記炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノコイルなどが挙げられる。
上記ウィスカーとしては、例えば、チタン酸カリウィスカーなどが挙げられる。
この中でも、カーボンブラックは、導電率が優れていることから機能性フィラーとして一般的に多く用いられており、形状やコスト、入手のしやすさ、取り扱いの容易さなどからこの材料を使用することが最も望ましい。
導電性フィラーは、1種を単独で使用してもよく、材質や特性が異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いることができる熱伝導フィラーとしては、工業的に使用される公知の熱伝導性フィラーを制限なく使用できる。
このような公知の熱伝導性フィラーとして、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノコイル、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、アルミニウム粉、銅粉、鉄粉、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化アルミニウム、炭化ケイ素、ダイヤモンド、高分子フィルムを焼成しグラファイト化したフィルム粉砕品などを使用することが出来る。特にカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)は熱伝導率が優れていることから熱伝導性フィラーとして一般的に多く用いられており、形状やコスト、入手のしやすさ、取り扱いの容易さなどからこの材料を使用することが最も望ましい。
また、絶縁性で熱伝導性が高い点で、窒化ホウ素、窒化アルミニウムのような金属窒化物、シートの難燃性を高めることができる点で、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、分散性がよい点で、酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化マグネシウムが好ましい。
熱伝導性フィラーは、1種を単独で使用してもよく、材質や特性が異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で、用いることができる電磁波吸収性フィラーとしては、導電性フィラー、誘電性フィラー、磁性フィラーのいずれか1種類または2種以上を用いることができる。
このような、導電性フィラーとしては、上記の導電性フィラーを用いることができ、カーボンブラック,グラファイト,カーボンファイバー,フェライトが好ましい。
誘電性フィラーとしては、二酸化チタン系、チタン酸バリウム系、チタン酸ジルコン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸バリウムネオジウム系、チタン酸バリウム錫系、マグネシウムニオブ酸バリウム系、マグネシウムタンタル酸バリウム系、チタン酸鉛系、ジルコン酸鉛系、チタン酸ジルコン酸鉛系、ニオブ酸鉛系、マグネシウムニオブ酸鉛系、ニッケルニオブ酸鉛系、タングステン酸鉛系、タングステン酸カルシウム系及びマグネシウムタングステン酸鉛系から選ばれる1種または2種以上のフィラーを用いることができる。
磁性フィラーとしては、特に限定するわけではないが、例えば、磁性合金金属(センダスト、パーマロイ)やフェライトを挙げることができる。フェライトは、MO・Fe23なる組成をもつ一群の鉄酸化物であり、Mは2価の金属イオンで、例えば、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+などである。金属酸化物と酸化鉄との粉末を混合し、圧縮成形した後に焼成することにより得ることができる。Mは1種だけに限らず、2種以上を組み合わせて混合し、固溶体をつくることにより、種々の磁気特性を生じさせることもできる。
本発明で用いることができる、機能性フィラーcとしては、上記のいずれのフィラーも用いることができるが、その中でも、カーボンブラックを用いることが、導電性、熱伝導性、電磁波吸収性に優れていること、形状やコスト、入手のしやすさ、取り扱いの容易さなどから最も望ましい。フィラーcとして、カーボンブラックを用いて得られるフッ素樹脂成形体は、熱伝導用、電気伝導用、電磁波吸収用の何れの用途にも用いることができるため好ましい。
上記機能性フィラーcは、上記海部用含フッ素ポリマーaと機能性フィラーcとの合計(a+c)100体積%に対して、機能性フィラーcの配合量が0.1〜50体積%、好ましくは、1〜30体積%であることが望ましい。
機能性フィラーcの配合量が上記範囲にあれば、十分な伝導性、電磁波吸収性、高強度を有するフッ素樹脂成形体を得ることができ、また、フッ素樹脂成形体の製造も容易となるため好ましい。
特に、本発明では、機能性フィラーcが成形体中に偏在して存在している為、その用いる量が上記のように、従来の樹脂に伝導性を付与した混合材料に用いられるフィラーに比べ少量であっても十分な伝導性を有するフッ素樹脂成形体を得ることができるため好ましい。また、成形体の強度劣化の要因となるフィラー量が少ないため、得られる成形体は高強度を有する。さらに、半導体関連の機器や電子機器に用いる場合において、不純物となるフィラー量が少ないため、得られる成形体は、不純物の低減が望まれる分野においても好適に用いることができる。
本発明で用いられる機能性フィラーcの形状としては、粒子状、繊維状、チューブ状、ファイバー状のフィラーを挙げることができる。
このような機能性フィラーcの形状は、所望のフッ素樹脂成形体の形状および用途に応じて適宜変更すれば良い。
本発明で用いる機能性フィラーcが上記形状を有すると、海部用含フッ素ポリマーaへの分散(偏在)が容易になり、伝導性、電磁波吸収性に優れるフッ素樹脂成形体を得ることができるため好ましい。
このような機能性フィラーcの市販品としては、例えば、電気化学工業社製アセチレンブラック(デンカブラック)、帝人社製炭素繊維(ラヒーマ)、昭和電工社製炭素繊維(VGCF)などを挙げることができる。
<フッ素樹脂成形体の製造方法>
本発明のフッ素樹脂成形体の第1の製造方法は、下記2段階で上記a,b,c成分を混練するものであり、第1段階では、海部用含フッ素ポリマーaと、機能性フィラーcとの混合物(ac-1)を調製し、そして、第2段階では、この混合物(ac-1)、と島部用含フッ素ポリマーbとを混練する。すなわち、
混練温度Tkにおける粘度αが103〜107Pの海部用含フッ素ポリマーaと、機能性フィラーcとの混合物(ac-1)と、
上記海部用含フッ素ポリマーaの粘度αよりも上記混練温度Tkにおいてより高粘度βの島部用含フッ素ポリマーbとを、
少なくとも海部用含フッ素ポリマーaが溶融する温度以上かつ含フッ素ポリマーaおよびbの分解温度よりも低い温度Tkで溶融混練して、
島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させ、溶融混練物(abc−1)を調製し、
次いで、この溶融混練物(abc−1)を成形することを特徴とする。
また、本発明のフッ素樹脂成形体の第2の製造方法は、1段階で上記a,b,c成分を混練するものである。すなわち、
混練温度Tkにおける粘度αが103〜107Pの海部用含フッ素ポリマーaと、
機能性フィラーcと、
上記海部用含フッ素ポリマーaの粘度αよりも上記混練温度Tkにおいてより高粘度βの島部用含フッ素ポリマーbとを、
少なくとも海部用含フッ素ポリマーaが溶融する温度以上かつ含フッ素ポリマーaおよびbの分解温度よりも低い温度Tkで溶融混練して、
島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させ、溶融混練物(abc−2)を調製し、
次いで、この溶融混練物(abc−2)を成形することを特徴とする。
本発明においては、上記第1、第2の何れの製造方法においても、上記溶融混練温度Tkが、上記海部用含フッ素ポリマーaの上記混練温度Tkにおける粘度αと、上記島部用含フッ素ポリマーbの上記混練温度Tkにおける粘度βとが、通常、β/α≧102の関係を満たすような温度、好ましくは、β/α≧104の関係を満たすような温度であることが、図1に示すように、海部にのみ機能性フィラーcが偏在(存在)し、島部には機能性フィラーcが実質上、殆ど〜全く存在しないような海島構造のフッ素樹脂成形体(1)が得られ、上述したような伝導性等の諸特性に優れるため好ましい。
また、得られるフッ素樹脂成形体は、上記第1、第2の何れの製法においても、フィラーの種類に対応した導電性や熱伝導性などの伝導性、電磁波吸収性の点では物性に実質上殆ど差異がなく、良好である。
特に、第1の製法(2段階の製造方法)では、第2の製造方法(1段階の製法)に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に、良好に機能性フィラーcが均一分散できるという点で優れており、また、第2の製法(1段階の製法)では、第1の製法(2段階の製法)に比して、1段階で本発明のフッ素樹脂成形体が得られるため効率的であるという点で優れている。
本発明のフッ素樹脂成形体の製造方法によれば、用いられる2種類以上の含フッ素ポリマーa、bが所定の粘度差を有する条件で含フッ素ポリマーa、b、および、機能性フィラーcを混練してフッ素樹脂成形体を製造するため、容易に、海島構造を有し、機能性フィラーcを、島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させることできる。つまり、本発明では、粘度の違う樹脂同士を混合(混練)する際の条件、すなわち、混練する際に上記のような十分な粘度差を有していることが重要である。
したがって、本発明のフッ素樹脂成形体の製造方法によれば、伝導性、電磁波吸収性に優れるフッ素樹脂成形体を得ることができる。
また、成形段階において、所望の形状を有するフッ素樹脂成形体を容易に製造することができる。
上記製造方法(I)において、海部用含フッ素ポリマーaと、機能性フィラーcとを混合する方法としては、特に制限されないが、ニーダー、ロールミル、インターミックス、バンバリーミキサーなどの公知の混練機を用いて、ポリマーaの種類等にも依るが、通常、海部用含フッ素ポリマーaの溶融温度(融点)以上〜分解温度未満、好ましくは、「溶融温度(融点)より、10〜30℃程度高い温度」〜「分解温度より、10〜20℃低い温度」例えば、PFAでは、310〜340℃、好ましくは、320〜340℃で、1〜60分間混合することで混合物(ac-1)を製造することができる。
上記製造方法(I)および(II)において、海部用含フッ素ポリマーa、機能性フィラーc、および、島部用含フッ素ポリマーbを混練する方法としては、特に制限されないが、ニーダー、ロールミル、インターミックス、バンバリーミキサーなどの公知の混練機を用いて、混練温度Tkで、1〜60分間混練することで溶融混練物(abc−1)または(abc−2)を調製することができる。
本発明において、混練温度Tkとは、少なくとも必須成分である海部用含フッ素ポリマーa、機能性フィラーc、および、島部用含フッ素ポリマーbを一緒に混練する際の温度をいう。
この混練温度Tkとしては、少なくとも海部用含フッ素ポリマーaが溶融する温度以上かつ海部用、島部用含フッ素ポリマーaおよびbの何れの分解温度よりも低い温度が採用される。
本発明における具体的な混練温度Tkは、用いる含フッ素ポリマーaおよびbの種類により変化するが、本発明では、海部用含フッ素ポリマーa、島部用含フッ素ポリマーbの各粘度α、β(P,ポアズ)は、β/α≧102、特に好ましくはβ/α≧104となるように、各ポリマーa,bの種類、分子量等は選択され、また、混練温度Tkも選択されることが望ましい。
従って、このような粘度比を満たす混練温度Tkとしては、通常、海部用含フッ素ポリマーaの溶融温度(融点)以上〜分解温度未満、好ましくは、「溶融温度(融点)より、10〜30℃程度高い温度」〜「より低分解温度のポリマーaの分解温度より、10〜20℃低い温度」、例えば、200〜400℃、好ましくは、300〜350℃である。
このような温度Tkで、海部用含フッ素ポリマーa、機能性フィラーc、および、島部用含フッ素ポリマーbを、1段階であるいは2段階で(好ましくは所定量比で)混練することで、海島構造を有し、導電性、あるいは熱伝導性などの「伝導性」、電磁波吸収性に優れるフッ素樹脂成形体を効率よく簡単に製造することができる。
特に、含フッ素ポリマーaおよびbの融点以上、含フッ素ポリマーaおよびbの分解温度未満の温度で、混練する場合には、高粘度を有する含フッ素ポリマーbの界面で相溶し、より高強度のフッ素樹脂成形体を製造することができるため、好ましい。
より具体的には、PTFEは、最も高融点327℃かつ高分解温度(500℃)であり、高粘度(330℃で粘度1011P、380℃で粘度1010P〜1011P)を示すので、含フッ素ポリマーbとして、PTFEを選択し、その混練温度Tkにおける粘度をβとするとき、粘度比β/αが、上記範囲となるように、PTFEより低粘度αの海部用含フッ素ポリマーaとして、PFAを選択すると、その溶融温度(融点)300〜310℃であり、分解温度400℃であり、380℃で粘度104P〜105Pを示し、330℃で粘度105Pを示す。
以上のことから、海部用含フッ素ポリマーaとしてPFAを用い、島部用含フッ素ポリマーbとして、PTFEを用いる場合における混練温度Tkは、310〜380℃、好ましくは、320〜350℃であり、当該混練温度Tkにおいて、PTFE−PFA系では、β/α>104となる。
このようなPTFE−PFA系では、含フッ素ポリマーの中でも特に優れた機械的、化学的、電気的等の諸性能を有し、また、β/α>104となるため、機能性フィラーcがより海部に偏在するフッ素樹脂成形体が得られ、電気伝導性、熱伝導性、電磁波吸収性に優れ、さらに、PFAとPTFEはPTFEの融点以上で相溶性であるため、強度の優れるフッ素樹脂成形体を得ることができる。
また、上記製造方法(I)または(II)において、溶融混練物(abc−1)または(abc−2)を成形する方法としては、特に制限はされないが、金型を用いた金型成形、射出成形又は押出成形等を挙げることができる。このような成形方法で、フッ素樹脂成形体を成形する場合には、最初から所望の大きさ、形状のフッ素樹脂成形体を成形してもよいし、上記成形方法を用いて、予め大きな成形体を成形した後、所望の大きさにカットすることで、所望の大きさ、形状等のフッ素樹脂成形体を製造することもできる。
上記成形時の温度等の条件は、特に制限されないが、通常、含まれる含フッ素ポリマーのうちで、より低融点の海部用含フッ素ポリマーaの融点以上〜含まれる全ての含フッ素ポリマーの分解温度未満、好ましくは、海部用含フッ素ポリマーaと島部用含フッ素ポリマーbの両者の融点以上〜分解温度未満、たとえば、温度を200〜400℃、圧力を50〜400kgf/cm2、時間を1〜60分とすることができる。
[フッ素樹脂成形体]
本発明のフッ素樹脂成形体は、海島構造を有する成形体である。
このような、本発明のフッ素樹脂成形体の一例の断面概略図を図1に模式的に示す。
図1に示す本発明のフッ素樹脂成形体(1)は、島部用含フッ素ポリマーb(3)中に比して、海部用含フッ素ポリマーa(2)中に機能性フィラーc(4)がより高濃度で分散している。つまり、フッ素樹脂成形体(1)中に、機能性フィラーc(4)が偏在して存在している。これは、機能性フィラーc(4)が混練温度Tkにおいて粘度の低い含フッ素ポリマーa(2)の方に優先的(選択的)に導入(混入・分散)され、粘度の高い含フッ素ポリマーb(3)への導入量は非常に限定的となるからである。
特に、このような構造を有する本発明のフッ素樹脂成形体では、機能性フィラーc(4)が、成形体の膜厚方向(紙面の上下方向)に偏在されることがあり、比較例1(図2)に示すように、同様の量の機能性フィラー(7)を用い、このフィラーを成形体内に均一分散して得られる従来の成形体よりも膜厚方向(紙面の上下方向)に対して熱、電気等の伝導性、電磁波吸収性に優れる成形体を得ることができる。
上記のように、本発明のフッ素樹脂成形体(1)は、含フッ素ポリマーa(2),b(3)と機能性フィラーc(4)からなり、機能性フィラーc(4)が成形体(1)中において海部を構成するポリマーa(2)中にのみ実質上偏在して在存し、島部を構成するポリマーb(3)中には殆ど〜全く存在していないため、含フッ素ポリマーの有する耐薬品性、耐熱性、非粘着性,低摩擦性,撥水・撥油性などの表面特性、電気特性、機械的特性に優れる性質と、機能性フィラーの有する伝導性、電磁波吸収性を有し、従来の、樹脂と機能性フィラーからなる成形体に比べ高価な機能性フィラーの含有量が少なくても従来以上の伝導性、電磁波吸収性を有する成形体である。また、従来より機能性フィラーの含有量が少なくても、従来品と同等〜それ以上の電気伝導性、熱伝導性等の物性を有するフッ素樹脂成形体を得ることができ、フッ素樹脂含量を従来品より多くすることができるため、本発明のフッ素樹脂成形体は、強度に優れ、フィラー由来の不純物の発生が少ない等の諸特性に優れる安価なフッ素樹脂成形体である。
本発明のフッ素樹脂成形体は、用途に応じて所望の形状を有すれば良いが、例えば、シート(フィルム)状、板状、ロッド状等の形状を挙げることができる。
このような本発明のフッ素樹脂成形体は、表面抵抗率、体積抵抗率ともに低く、電気伝導性が高いものである場合には、その特性を生かして導電性材料として、または熱伝導率が高いものである場合には、熱伝導性材料として、また、電磁波吸収性が高いものである場合には、その特性を生かして電磁波吸収性材料として用いることができる。
導電性材料としては、例えば、静電気の発生を防止すべき種々の用途において使用できる。このような具体例として、食品の練りロール、輸送用のシュート・パイプ・ベルト、半導体ウェハーの洗浄・乾燥の際にウェハーを収容する治具であるウェハーバスケット等において使用できる。
上記電気伝導用(導電性材料用)のフッ素樹脂成形体では、
上記フッ素樹脂成形体の表面抵抗率(Ω/□)(四探針法による)は、100〜1010であり、
表面抵抗率(Ω/□)(リング電極法による)は、100〜1010であり、
体積抵抗率(Ω・cm) (四探針法による)は、10-1〜109であり、
体積抵抗率(Ω・cm) (リング電極法による)は、10-1〜109であることが望ましい。
本発明のフッ素樹脂成形体は、特に、表面抵抗率、体積抵抗率ともに低いため、電気伝導用として好適に用いることができる。
また、熱伝導性材料としては、例えば、電子部品などの発熱体とヒートシンクやヒートパイプなどの放熱体との間に介在させることで、両者間での熱伝導を効果的に行うのに適している。被覆対象物としては、例えば、モバイルノートパソコンや、携帯電話や回路基板などを挙げることができる。
上記熱伝導用(熱伝導性材料用)のフッ素樹脂成形体では熱伝導率は、通常0.5W/m・K〜3W/m・K、好ましくは、0.7W/m・K〜2W/m・Kである。
電磁波吸収性材料としては、例えば、パソコン、携帯電話等の電子機器内部の各種配線に流れる電流が作り出す電磁波の干渉の抑制や、電子機器からの電子波の輻射の抑制を目的として、それらの電子機器や機器内部の部品などに貼付して用いることができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
PFA(105P(330℃)、三井デュポンフロロケミカル社製、940HP−Plus)とカーボンブラック(CB、アセチレンブラック、電気化学工業社製、デンカブラック)を体積%で75:25の割合でニーダー(東洋精機社製、ラボプラストミル)を用い、330℃で10分間混合した(材料A)。
この材料AとPTFE(1011P(330℃)、ダイキン工業社製、M12)とを、材料A:PTFE=50:50(体積%)となるように、上記ニーダーを用い330℃(Tk)で10分間混練し、さらにこの混練物を350℃で60分間加熱溶融した後、金型内に入れて、常温(25℃)下、200kgf/cm2の圧力で10分間保持し、50×50×0.5tmmの形状に金型成形した。
[実施例2]
PFA(940HP−Plus)、カーボンブラック(CB)およびPTFE(M12)の混練割合を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂成形体を形成した。
[実施例3]
PFA(105P(330℃)、三井デュポンフロロケミカル社製、940HP−Plus)とカーボンブラック(CB、アセチレンブラック、電気化学工業社製、デンカブラック)とPTFE(1011P(330℃)、ダイキン工業社製、M12)とを体積%で37:13:50の割合でニーダー(東洋精機社製、ラボプラストミル)を用い、330℃(Tk)で10分間混練し、さらにこの混練物を350℃で60分間加熱溶融した後、金型内に入れて、常温25℃下、200kgf/cm2の圧力で10分間保持し、50×50×0.5tmmの形状に金型成形した。
[実施例4]
PFA(940HP−Plus)、カーボンブラック(CB)およびPTFE(M12)の混練割合を表1に記載のように変更した以外は、実施例3と同様にしてフッ素樹脂成形体を形成した。
[実施例5]
FEP(104P(300℃)、ダイキン工業社製、NP−20)とカーボンブラック(CB、アセチレンブラック、電気化学工業社製、デンカブラック)を体積%で39:11の割合でニーダー(東洋精機社製、ラボプラストミル)を用い、300℃で10分間混合した(材料A)。
この材料AとPTFE(1011P(330℃)、ダイキン工業社製、M12)とを、材料A:PTFE=50:50(体積%)となるように、上記ニーダーを用い300℃(Tk)で10分間混練し、さらにこの混練物を350℃で60分間加熱溶融した後、金型内に入れて、常温(25℃)下、200kgf/cm2の圧力で10分間保持し、50 x 50 x 0.5t mmの成形体を作製した。
[実施例6]
FEP(NP−20)、カーボンブラック(CB)およびPTFE(M12)の混練割合を表2に記載のように変更した以外は、実施例5と同様にしてフッ素樹脂成形体を形成した。
[実施例7]
FEP(104P(300℃)、ダイキン工業社製、NP−20)とカーボンブラック(CB、アセチレンブラック、電気化学工業社製、デンカブラック)とPCTFE(106P(300℃)、ダイキン工業社製、M−300)とを体積%で39:11:50の割合でニーダー(東洋精機社製、ラボプラストミル)を用い、300℃(Tk)で10分間混練し、さらにこの混練物を300℃で60分間加熱溶融した後、金型内に入れて、常温25℃下、6MPaの圧力で10分間保持し、50×50×0.5tmmの形状に金型成形した。
[比較例1,2]
PFA(940HP−Plus)およびカーボンブラック(CB)の混練割合を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂成形体を形成した。
[比較例3,4]
FEP(NP−20)およびカーボンブラック(CB)の混練割合を表2に記載のように変更した以外は、実施例5と同様にしてフッ素樹脂成形体を形成した。
[比較例5]
FEP(104P(330℃)、ダイキン工業社製、NP−20)とカーボンブラック(CB、アセチレンブラック、電気化学工業社製、デンカブラック)とPFA(105P(330℃)、三井デュポンフロロケミカル社製、940HP−Plus)とを体積%で39:11:50の割合でニーダー(東洋精機社製、ラボプラストミル)を用い、330℃(Tk)で10分間混練し、さらにこの混練物を345℃で60分間加熱溶融した後、金型内に入れて、常温25℃下、6MPaの圧力で10分間保持し、50×50×0.5tmmの形状に金型成形した。
(成形体の評価)
実施例1〜7、比較例1〜5で製造した成形体は、二重リング電極法(ASTM D257、東亜ディーケーケー社製)および四探針法(JIS K 7194、三菱化学社製)で表面抵抗率、体積抵抗率をそれぞれ測定した。
結果を表1、表2に示す。
(結果)
1段階混練し、成形体を製造した場合(実施例1,2)も、電気抵抗率においては2段階混練し成形体を製造した場合(実施例3,4)と同等の値を示した。このことは、第1の製造方法でも第2の製造方法でも同等にカーボンブラックが偏在した成形体を得ることができることを示す。
(i)実施例1,3と比較例1、(ii)実施例2,4と比較例2、(iii)実施例5と比較例3、(iv)実施例6と比較例4でそれぞれ得られたフッ素樹脂成形体中の導電性材料であるカーボンブラックの体積%は同じであり、(i)〜(iv)それぞれの体積抵抗率、表面抵抗率は同様の値を示した。つまり、CB量が多い比較例と、その半分のCB量である実施例とで抵抗率に大差がないことが本発明の特徴であり、同様の抵抗率を出すために、実施例の構造(偏在)とすればより少ないCB量で済むということを示す。このことは、実施例1,3と比較例2でそれぞれ得られたフッ素樹脂成形体において、カーボンブラックの用いる量は同じであるが、カーボンブラックを偏在させた実施例1,3の成形体の方が、単にPFAとカーボンブラックからなり、カーボンブラックが均一分散し、偏在していない比較例1の成形体と比較して、表面抵抗率、体積抵抗率ともに、何れの測定法においても低い抵抗率を示すことからも明らかである。PFAをFEPに変えても同様の結果を見出すことができた(実施例5の成形体と、比較例4の成形体)。
溶融混練温度Tkにおいて、含フッ素ポリマーa、bの溶融粘度α、β(ポアズ、β>α)が、β/α≧102の関係を満たす場合(実施例1〜7)には、機能性フィラーが溶融混練温度Tkにおいてより低い溶融粘度(α)を有する含フッ素ポリマーに偏在して存在し、表面抵抗率、体積抵抗率ともに、何れの測定法においても低い抵抗率を示した。
一方、溶融混練温度Tkにおいて、含フッ素ポリマーa、bの溶融粘度α、β(ポアズ、β>α)が、β/α≧102の関係を満たさない場合(比較例5、β/α=101)には、機能性フィラーがフッ素樹脂成形体中に分散して存在し、表面抵抗率、体積抵抗率ともに、何れの測定法においても高い抵抗率を示した。
本発明のフッ素樹脂成形体の製造方法によれば、用いるフィラー量が少なくても、電気伝導性が向上したフッ素樹脂成形体を得ることができたことを示す。
1:本発明の一態様を示すフッ素樹脂成形体
2:海部用含フッ素ポリマーa ,(PFA)
3:島部用含フッ素ポリマーb,(PTFE)
4:機能性フィラー,(カーボンブラック(アセチレンブラック))
5:比較例1で得られた成形体
6:PFA
7:カーボンブラック(アセチレンブラック)

Claims (9)

  1. 混練温度Tkにおける粘度αが103〜107Pの海部用含フッ素ポリマーaと、機能性フィラーcとの混合物(ac−1)と、
    上記海部用含フッ素ポリマーaの粘度αよりも上記混練温度Tkにおいてより高粘度β(ポアズ)の島部用含フッ素ポリマーb(但し、粘度αおよびβはβ/α≧10 2 の関係を満たす)とを、
    少なくとも海部用含フッ素ポリマーaが溶融する温度以上かつ含フッ素ポリマーaおよびbの何れの分解温度よりも低い温度Tkで溶融混練して、
    島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させ、溶融混練物(abc−1)を調製し、
    次いで、この溶融混練物(abc−1)を成形することを特徴とする、海島構造を有するフッ素樹脂成形体の製造方法。
  2. 混練温度Tkにおける粘度αが103〜107Pの海部用含フッ素ポリマーaと、
    機能性フィラーcと、
    上記海部用含フッ素ポリマーaの粘度αよりも上記混練温度Tkにおいてより高粘度β(ポアズ)の島部用含フッ素ポリマーb(但し、粘度αおよびβはβ/α≧10 2 の関係を満たす)とを、
    少なくとも海部用含フッ素ポリマーaが溶融する温度以上かつ含フッ素ポリマーaおよびbの何れの分解温度よりも低い温度Tkで溶融混練して、
    島部用含フッ素ポリマーb中に比して、海部用含フッ素ポリマーa中に機能性フィラーcをより高濃度で分散させ、溶融混練物(abc−2)を調製し、
    次いで、この溶融混練物(abc−2)を成形することを特徴とする、海島構造を有するフッ素樹脂成形体の製造方法。
  3. 上記粘度βが、10 5 〜10 11 Pであることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素樹脂成形体の製造方法。
  4. 上記海部用含フッ素ポリマーaがPFAであり、上記島部用含フッ素ポリマーbがPTFEであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のフッ素樹脂成形体の製造方法。
  5. 上記機能性フィラーcが、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフッ素樹脂成形体の製造方法。
  6. 上記海部用含フッ素ポリマーaと機能性フィラーcとの合計(a+c)100体積%中の機能性フィラーcの配合量が0.1〜50体積%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフッ素樹脂成形体の製造方法。
  7. 上記海部用含ポリマーaと上記島部用含フッ素ポリマーbとの合計(a+b)100体積%に対して、上記島部用含フッ素ポリマーbを25〜75体積%の量で用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のフッ素樹脂成形体の製造方法。
  8. 上記請求項1〜7のいずれか1項の製造方法で得られることを特徴とするフッ素樹脂成形体。
  9. 上記フッ素樹脂成形体の用途が、熱伝導用、電気伝導用、電磁波吸収用の何れかである、請求項8に記載のフッ素樹脂成形体。
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