JP5464707B2 - 固体潤滑材、その製造方法およびノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材 - Google Patents

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本発明は、固体潤滑材、その製造方法および該固体潤滑材を用いてなるノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材に関する。さらに詳しくは、本発明は、グラファイトに比べて耐熱、耐酸化性が著しく向上すると共に、高温での耐摩耗性を高めた固体潤滑材、その効果的な製造方法、および上記固体潤滑材を用いてなるノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材に関するものである。
従来、自動車分野において、ブレーキ用摩擦材、ディファレンシャルギヤ、駆動カム及びバルブリフタ等の摺動部材に固体潤滑材としてグラファイト、二硫化モリブデン等の層状物質等が使用されている。
また、耐酸化性や耐熱性を向上させた黒鉛のセラミックス処理品(例えば、特許文献1参照)も利用され始めている。しかしながら、大気中500℃以上の高温域ではこれらの潤滑特性は充分満足できるものではなく、摩耗の増大、異音などの発生に繋がっており、高温域での固体潤滑材の開発が課題となっている。現在、環境面を考慮し二酸化モリブデン等の硫化物の代替が検討されており、高温域で使用できる固体潤滑材として表面処理を施した黒鉛が提案されている。
一方、リン酸アルミニウムで処理した黒鉛粒子は、耐摩耗性が向上することが確認されている。しかし、大気中、500℃以上の高温域では、これらの潤滑特性は充分に満足できるものではなかった。
また、これまで、炭素材料の表面に耐熱性および耐酸化性に優れたSiC(炭化ケイ素)被覆層をコーティングする試みが多くなされているが、炭素とセラミックスの熱膨張の差により、被覆層にクラックが生じ安定した効果は期待できなかった。特許文献2において、炭素材表面にホウ素イオンをプラズマイマージョンイオン注入法で注入することにより炭化ホウ素を含む改質層を形成し炭素材料の密着性を向上させ、さらにCVD法にてSiC被覆層を形成させることで、炭素材料の高温域における耐酸化性を向上させる方法が提案されている。しかし、摩擦材料についての用途の記載はなく、直ちに摩擦材料へは応用できるとは考えられない。
特開平4−254486号公報 特開2001−106585号公報
本発明は、このような状況下になされたもので、グラファイトに比べて耐熱、耐酸化性が著しく向上すると共に、高温での耐摩耗性を高めた固体潤滑材、その効果的な製造方法、および上記固体潤滑材を用いてなるノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、グラファイトを、金属酸化物ナノ粒子を特定の割合で含むリン酸塩水溶液で表面処理し、該グラファイト表面に被覆層を形成することにより、前記性状を有する固体潤滑材が得られ、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) グラファイト表面に、金属酸化物ナノ粒子を水に対して0.25〜5質量%含むリン酸塩水懸濁液で被覆層を形成してなることを特徴とする固体潤滑材、
(2) リン酸塩を構成する金属が、周期表(長周期型)1族、2族、12族または13族に属する金属である上記(1)項に記載の固体潤滑材、
(3) 金属酸化物ナノ粒子が、周期表(長周期型)2族、4族、13族および14族に属する金属の酸化物ナノ粒子の中から選ばれる少なくとも1種である上記(1)または(2)項に記載の固体潤滑材、
(4) リン酸塩水溶液におけるリン酸塩と金属酸化物ナノ粒子の含有比率が、質量比で100:5〜100:100である上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の固体潤滑材、
(5)グラファイトを、金属酸化物ナノ粒子を水に対して0.25〜5質量%含むリン酸塩水溶液で表面処理し、該グラファイト表面に被覆層を形成させることを特徴とする上記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の固体潤滑材の製造方法、および
(6)上記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の固体潤滑材を含むことを特徴とするノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材、
を提供するものである。
本発明によれば、グラファイトに比べて耐熱、耐酸化性が著しく向上すると共に、高温での耐摩耗性を高めた固体潤滑材、その効果的な製造方法、および上記固体潤滑材を用いてなるブレーキ用摩擦材を提供することができる。
実施例および比較例における処理黒鉛および未処理黒鉛の耐熱性評価結果を示すグラフである。
まず、本発明の固体潤滑材について説明する。
[固体潤滑材]
本発明の固体潤滑材は、グラファイト表面に、金属酸化物ナノ粒子を水に対して0.25〜5質量%含むリン酸塩水懸濁液で被覆層を形成してなることを特徴とする。
本発明の固体潤滑材において、原料として用いるグラファイトは特に制限はなく、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解黒鉛及びこれらの混合物を用いることができる。
(リン酸塩)
本発明の固体潤滑材において、グラファイト表面に被覆層を形成させるために用いるリン酸塩としては、その塩を構成する金属が、周期表(長周期型)1族、2族、12族または13族に属する金属であることが好ましい。具体的には1族に属するNa、K;2族に属するMg;12族に属するZn;13族に属するAl;などを好ましく挙げることができる。例えばリン酸アルミニウム類、リン酸マグネシウム類、リン酸カルシウム類、リン酸カリウム類、リン酸ナトリウム類およびリン酸亜鉛類の中から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。これらのリン酸塩は、水溶性やpHなどの観点から、リン酸水素塩が好ましい。
例えば、リン酸アルミニウム類としては、リン酸二水素アルミニウム[Al(HPO]、リン酸水素アルミニウム[Al(HPO]が、リン酸マグネシウム類としては、リン酸水素マグネシウム[MgHPO]、リン酸二水素マグネシウム[Mg(HPO]が、リン酸カルシウム類としては、リン酸二水素カルシウム[Ca(HPO]、リン酸水素カルシウム[CaHPO]、リン酸三カルシウム[Ca(PO]、リン酸亜鉛カルシウム[ZnCa(PO]が、リン酸カリウム類としては、リン酸二水素カリウム[KHPO]が、リン酸水素二カリウム[KHPO]が、リン酸ナトリウム類としては、リン酸二水素ナトリウム[NaHPO]、リン酸水素二ナトリウム[NaHPO]が、リン酸亜鉛類としてはリン酸水素亜鉛[ZnHPO]、リン酸二水素亜鉛[Zn(HPO]が挙げられる。
これらのリン酸水素塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、性能の観点から、リン酸二水素アルミニウムおよびリン酸二水素マグネシウムが好ましく、特にリン酸二水素アルミニウムが好適である。
(グラファイト表面への被覆層の形成)
本発明の固体潤滑材は、グラファイト表面に、金属酸化物ナノ粒子を含むリン酸塩水懸濁液で被覆層を形成させることにより得られる。
金属酸化物ナノ粒子としては、周期表(長周期型)2族、4族、13族および14族に属する金属の酸化物ナノ粒子の中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。具体的には酸化マグネシウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化スズなどのナノ粒子を挙げることができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、酸化マグネシウムナノ粒子及び酸化アルミニウムナノ粒子が好適である。
この金属酸化物ナノ粒子は、球状であって、その平均粒径は5〜100nm程度が好ましく、10〜50nmがより好ましい。
前記金属ナノ粒子を含むリン酸塩水懸濁液を構成するリン酸塩の種類としては前述で説明したとおりであり、好ましいものとして、リン酸二水素アルミニウムおよびリン酸二水素マグネシウム、特に好ましいものとして、リン酸二水素アルミニウムを挙げることができる。
前記金属酸化物ナノ粒子を含むリン酸塩水懸濁液は、水に対してリン酸塩を0.5〜10質量%程度、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜5質量%の割合で含む水溶液中に、金属酸化物ナノ粒子を、水に対して0.25〜5質量%含み、かつリン酸塩と該ナノ粒子の含有比率が質量比で100:5〜100:100となるように添加することにより、調製することができる。リン酸塩水溶液100に対し、ナノ粒子の質量比を5未満にすると、ナノ粒子の添加量が少ないため粒子分散強化の効果が発揮されず、ナノ粒子無添加と同じ結果になる。一方、100を越えると、ナノ粒子の添加量が多すぎるため、リン酸塩の皮膜形成を阻害しポーラスな皮膜となり、熱減量開始温度がナノ粒子無添加よりも大きく低下する。
前述のようにして調製した金属酸化物ナノ粒子を含むリン酸塩水懸濁液100質量部に対して、グラファイトを30〜100質量部程度の割合で加え、例えば回転翼攪拌機や遊星ボールミルなどにより、好ましくは10〜80℃、より好ましくは25〜60℃、さらに好ましくは40〜50℃の温度にて十分に攪拌混合する。次いで、この混合物を、通常大気中にて乾燥後、解砕したのち、500〜800℃程度の温度にて100〜500Pa程度の減圧下、1〜5時間程度熱処理することにより、粒子表面に厚さ5〜500nm程度、好ましくは20〜100nmのリン酸塩被覆層を有する、本発明の固体潤滑材を得ることができる。
[固体潤滑材の製造方法]
本発明はまた固体潤滑材の製造方法をも提供する。
本発明の固体潤滑材の製造方法は、グラファイトを、金属酸化物ナノ粒子を水に対して0.25〜5質量%含むリン酸塩水溶液で表面処理し、該グラファイト表面に被覆層を形成することを特徴とする。
このようにして得られた本発明の固体潤滑材は、未処理のグラファイトに比べて、耐熱、耐酸化性が著しく向上すると共に、高温での耐摩耗性が高く、ノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材や摺動部品などに好適に用いられる。
次に、本発明のノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材について説明する。
[ノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材]
本発明のノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材は、前述した本発明の固体潤滑材を含むことを特徴とする。
本発明のノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材は、バインダー樹脂、前述した本発明の固体潤滑材、繊維状補強材、摩擦調整材およびその他フィラーなどを含む摩擦材形成用材料を用い、常法に従って成形することにより、得ることができる。
当該摩擦材形成用材料におけるバインダー樹脂としては、特に制限はなく、従来、ノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材において、バインダー樹脂として知られている公知の熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサジン樹脂などの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。
当該摩擦材形成用材料における固体潤滑材としては、必須成分として、前述した本発明の固体潤滑材が用いられる。また、必要に応じ、従来摩擦材に潤滑材として使用されている公知のものの中から、任意のものを適宜選択して併用することができる。この潤滑材の具体例としては、黒鉛、フッ化黒鉛、カーボンブラックや、硫化スズ、二硫化タングステン等の金属硫化物、さらにはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、窒化硼素などを挙げることができ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該摩擦材形成用材料における繊維状補強材としては、有機繊維および無機繊維のいずれも用いることができる。有機繊維としては、高強度の芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維;デュポン社製、商品名「ケブラー」など)、耐炎化アクリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアクリレート繊維、ポリエステル繊維などを挙げることができる。一方、無機繊維としては、チタン酸カリウム繊維、バサルト繊維、炭化珪素繊維、ガラス繊維、炭素繊維、ワラストナイトなどの他、アルミナシリカ系繊維などのセラミック繊維、ステンレス繊維、銅繊維、黄銅繊維、ニッケル繊維、鉄繊維などの金属繊維等を挙げることができる。これらの繊維状物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、当該摩擦材形成用材料における摩擦調整材としては、特に制限はなく、従来摩擦材に摩擦調整材として使用されている公知のものの中から、任意のものを適宜選択することができる。この摩擦調整材の具体例としては、マグネシア、酸化鉄などの金属酸化物;ケイ酸ジルコニウム;炭化ケイ素;銅、真ちゅう、亜鉛、鉄などの金属粉末類やチタン酸塩粉末等の無機摩擦調整材、NBR、SBR、タイヤトレッドなどのゴムダストや、カシューダストなど有機ダスト等の有機摩擦調整材を挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該摩擦材形成用材料においては、補強材や摩擦調整材などのその他フィラーとして、膨潤性粘土鉱物を含有させることができる。この膨潤性粘土鉱物としては、例えばカオリン、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母などが挙げられる。
また、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化カルシウムなどを含有させることができる。
なお、当該摩擦材形成用材料においては、前記の潤滑材、摩擦調整材およびその他フィラーの中で無機系フィラーは、当該材料中への分散性を良好なものとするために、有機化合物で処理されたフィラーを用いることができる。
有機化合物で処理されたフィラーとしては、例えば膨潤性粘土鉱物を始め、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マグネシア、アルミニウム粉、銅粉、亜鉛粉、黒鉛あるいは硫化スズ、二硫化タングステンなどの、有機化合物による処理物を挙げることができる。
本発明の摩擦材を作製するには、前述した摩擦材形成用材料を金型などに充填し、常温にて5〜30MPa程度の圧力で予備成形し、次いで温度130〜190℃程度、圧力10〜100MPa程度の条件で、5〜35分間程度加熱・加圧成形したのち、必要に応じ160〜270℃程度の温度で1〜10時間程度、熱処理を行うことで、所望の摩擦材を作製することができる。
このようにして作製された本発明のノンアスベスト系摩擦材は、高温域での耐摩耗性が向上し、製品寿命が延びる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
リン酸二水素アルミニウム(純正化学製(一級)形状:粉末)を蒸留水に混ぜて溶解した水溶液(リン酸二水素アルミニウムの水に対する濃度は5質量%)に、酸化マグネシウム(MgO,WAKO製、粉末、平均粒径50nm)を水に対して0.25質量%添加した水懸濁液を作製し、新日本テクノカーボン製人造黒鉛(平均粒径75μm)と質量比率で7:3になるよう混合し、回転翼式攪拌機(アズワン製PM−203)にて1時間攪拌、水溶液温度は50℃で処理した。得られた混合物を大気中110℃、24時間乾燥後乳鉢で解砕し、800℃、3時間真空中で熱処理した。熱処理後、乳鉢にて粉砕・分級し、目的とするリン酸アルミニウムが黒鉛表面に結合、被覆された黒鉛粉末からなる固体潤滑材を得た。
実施例2〜5
実施例1において、酸化マグネシウム添加量を水に対して0.5質量%(実施例2)、1質量%(実施例3)、2質量%(実施例4)、5質量%(実施例5)に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、4種の固体潤滑材を得た。
実施例6
実施例1において、酸化マグネシウムの代わりに、酸化アルミニウム(Al、シーアイ化成(株)製「NanoTek」、平均粒径20nm)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、固体潤滑材を得た。
実施例7〜10
実施例6において、酸化アルミニウム添加量を水に対して0.5質量%(実施例7)、1質量%(実施例8)、2質量%(実施例9)、5質量%(実施例10)に変更した以外は、実施例6と同様な操作を行い、4種の固体潤滑材を得た。
比較例1
未処理黒鉛として、新日本テクノカーボン社製の人造黒鉛(平均粒径75μm)を比較例1とした。
比較例2
実施例1において、酸化マグネシウムを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様な操作を行い、固体潤滑材を得た。
比較例3
実施例1において、酸化マグネシウムの添加量を、水に対して0.1質量%に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、固体潤滑材を得た。
比較例4
実施例6において、酸化アルミニウムの添加量を、水に対して0.1質量%に変更した以外は、実施例6と同様な操作を行い、固体潤滑材を得た。
比較例5
実施例1において、酸化マグネシウムの添加量を、水に対して10質量%に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、固体潤滑材を得た。
比較例6
実施例6において、酸化アルミニウムの添加量を、水に対して10質量%に変更した以外は、実施例6と同様な操作を行い、固体潤滑材を得た。
上記実施例1〜10及び比較例1〜6の黒鉛試料の仕様を表1に示す。また、以下の条件により耐熱性を評価した結果を合わせて表1に示すと共に、図1にグラフで示す。
分析装置:Mac Science社製 示差熱−熱重量分析(TG−DTA)2000S
条件:室温〜1200℃、大気中、10℃/min
Figure 0005464707
表1および図1から、未処理黒鉛(比較例1)に比べ、リン酸二水素アルミニウムで処理した黒鉛(比較例2)は減量開始温度が約100℃向上し、さらに酸化物ナノ粒子として選択した酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムをそれぞれ0.25質量%〜5質量%添加した実施例1〜10は、酸化物ナノ粒子添加なし品(比較例2)に比べ、さらに熱減量開始温度が最大44℃向上したことが分かる。
酸化物ナノ粒子を0.1質量%添加した比較例3および4、酸化物ナノ粒子を10質量%添加した比較例5および6は、酸化物ナノ粒子を添加しないリン酸二水素アルミニウムで処理した黒鉛(比較例2)よりも耐熱性が低下した。
本発明の固体潤滑材は、グラファイトに比べて耐熱、耐酸化性が著しく向上すると共に、高温での耐摩耗性が高く、ノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材や摺動部品などに好適に用いられる。

Claims (6)

  1. グラファイト表面に、金属酸化物ナノ粒子を水に対して0.25〜5質量%含むリン酸塩水懸濁液で被覆層を形成してなることを特徴とする固体潤滑材。
  2. リン酸塩を構成する金属が、周期表(長周期型)1族、2族、12族または13族に属する金属である請求項1に記載の固体潤滑材。
  3. 金属酸化物ナノ粒子が、周期表(長周期型)2族、4族、13族および14族に属する金属の酸化物ナノ粒子の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の固体潤滑材。
  4. リン酸塩水溶液におけるリン酸塩と金属酸化物ナノ粒子の含有比率が、質量比で100:5〜100:100である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体潤滑材。
  5. グラファイトを、金属酸化物ナノ粒子を水に対して0.25〜5質量%含むリン酸塩水溶液で表面処理し、該グラファイト表面に被覆層を形成させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体潤滑材の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体潤滑材を含むことを特徴とするノンアスベスト系ブレーキ用摩擦材。
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