JP5464569B2 - 複層型応力発光積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、ひずみエネルギーを受けて発光する応力発光積層体に関する。
従来から、外部から機械的にひずみエネルギーを加えることによって発光する応力発光材料が多数報告されている。このような応力発光材料として、スピネル構造、コランダム構造又はβアルミナ構造の応力発光体(例えば、特許文献1参照)、ケイ酸塩の応力発光体(例えば、特許文献2、3参照)、欠陥制御型アルミン酸塩の高輝度応力発光体(例えば、特許文献4参照)、ウルツ鉱型構造と閃亜鉛鉱型構造とが共存する構造を有し、酸化物、硫化物、セレン化物又はテルル化物を主成分として構成される高輝度メカノルミネッセンス材料(例えば、特許文献5参照)等が報告されている。
また、これらの応力発光材料と樹脂材料とを混合した複合材料からなる応力発光層を、基材上に形成し、外部から基材に加えられたひずみエネルギーを当該応力発光層へと伝達されて発光させる応力発光積層体が報告されている。
また、上記応力発光積層体を利用する技術についても報告されている。応力発光積層体を利用する技術として具体的には、エポキシ樹脂を含む複合材料及び当該複合材料を塗布した試験片に、圧縮、引張、摩擦、ねじり等の機械的な力を加えることによって応力分布を可視化評価する方法(例えば、特許文献4、6参照)、異方性の応力発光体を含有する応力発光組成物(例えば、特許文献7参照)、応力発光材料を含有する発光剤が配設されてなる真贋判定用物品(例えば、特許文献8参照)、表面にひずみエネルギーの変化を受けて発光する塗膜層が形成されている応力解析用の被測定物(例えば、特許文献9参照)等が報告されている。
特開2000−119647号公報(2000年4月25日公開) 特開2000−313878号公報(2000年11月14日公開) 特開2003−165973号公報(2003年6月10日公開) 特開2001−049251号公報(2001年2月20日公開) 特開2004−043656号公報(2004年2月12日公開) 特開2003−292949号公報(2003年10月15日公開) 特開2006−036887号公報(2006年2月9日公開) 特開2007−055144号公報(2007年3月8日公開) 国際公開第2007/015532号パンフレット(2008年2月8日公開)
しかしながら、より広いひずみ量の範囲で線形発光する応力発光積層体が求められている。具体的には、通常、基材上に形成された応力発光層からの発光は、線形発光範囲を越えると増加率が減少してしまうことがあり、より広い線形発光範囲を実現する技術が求められていた。
尚、特許文献8において、基材と応力発光層との間に異種材料の層が存在する複層型積層体の提案もなされていたが、それらは、発光強度の向上を意図したものであり、ひずみ閾値には影響を与えないような材料のみしか報告されていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、より広いひずみ量の範囲で線形発光する応力発光積層体を実現することにある。
本発明に係る応力発光積層体は、上記課題を解決するために、基材と、当該基材上に設けられる、ひずみエネルギーを受けて発光する応力発光層とを含む応力発光積層体であり、上記基材と上記応力発光層との間に、室温でゴム弾性を示す中間層を更に含むことを特徴としている。
上記構成によれば、上記基材と上記応力発光層との間に、上記中間層を含むため、線形発光するひずみ量の範囲が拡大する。よって、より広いひずみ量の範囲で線形発光する応力発光積層体を提供することができるという効果を奏する。
また、外部から加えられたひずみエネルギーは、上記中間層に一部吸収され、応力発光層へ伝達されるひずみエネルギーが減少するため、発光を開始するのに必要なひずみ量(ひずみ閾値)を高くすることができ、低ひずみ領域でのノイズを低減させることもできる。
本発明に係る応力発光積層体では、上記中間層は、室温での引張弾性率が50MPa以下であることが好ましい。
本発明に係る応力発光積層体では、上記中間層は、室温での引張弾性率が5MPa以下であることが好ましい。
上記構成によれば、より広いひずみ量の範囲で線形発光する応力発光積層体を提供することができる。
本発明に係る応力発光積層体では、上記中間層の厚さが1μm以上110μm以下であることが好ましい。
本発明に係る応力発光積層体では、上記基材と上記中間層との間、及び上記中間層と上記応力発光層との間の少なくとも一方に、これらの間の密着性を向上させる補助層を更に含むことが好ましい。
上記構成によれば、上記基材と中間層との間、及び/又は中間層と応力発光層との間がより強固に固定された応力発光積層体を提供することができる。
本発明に係る応力発光積層体は、以上のように、上記基材と上記応力発光層との間に、室温でゴム弾性を示す中間層を更に含むことを特徴としている。
このため、より広いひずみ量の範囲で線形発光する応力発光積層体を提供することができるという効果を奏する。
明細書における「線形発光範囲」、「ひずみ感度」及び「ひずみ閾値」の用語を説明するための図面である。 本実施の形態に係る応力発光積層体の概略構成の一例を示す断面図である。 実施例1〜5における応力発光特性を示すグラフである。 比較例1〜5における応力発光特性を示すグラフである。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。
尚、本明細書では、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。また、本明細書で挙げられている各種物性は、特に断りの無い限り後述する実施例に記載の方法により測定した値を意味する。
また、本明細書においては、「線形発光範囲」とは、図1に示すように、一定のひずみ増加速度で発光を計測するときに、ひずみ量に対して応力発光強度が直線的に増加する所定のひずみ範囲をいう。また、当該ひずみ範囲における、当該直線の傾き(ひずみ量に対する応力発光強度の比)を「ひずみ感度」という。また、線形発光範囲を示す直線を外挿し、応力発光強度がゼロとなる時のひずみ量を「ひずみ閾値」という。
図2は、本実施の形態に係る応力発光積層体の概略構成の一例を示す断面図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る応力発光積層体4は、基材3と、当該基材3上に設けられる、ひずみエネルギーを受けて発光する応力発光層1を含み、上記基材3と上記応力発光層1との間に、室温でゴム弾性を示す中間層2を更に含む。
尚、図2においては、基材3よりも中間層2、中間層2よりも応力発光層1の方が、面積が小さくなるように記載されているが、これは図上で判別し易くするためであり、本発明の範囲はこの構成には限定されない。基材全面を中間層で覆い、中間層全面を応力発光層で覆うように設置してもかまわない。
以下、各構成要素についてそれぞれ説明する。
(1)基材
上記基材3は、その表面上に応力発光積層体4を形成することが可能な固体の物体であれば、その材質や形状は特には限定されない。上記基材3の材質としては、例えば、金属材料、セラミックス材料、高分子材料、複合材料、コンクリート、木材等の材料、又はこれら材料の組合せが挙げられる。また、上記基材3の形状としては、例えば、板状等が挙げられる。
(2)応力発光層
上記応力発光層1は、応力発光材料を含む層であり、従来公知の応力発光材料を含む層を採用することができる。
上記応力発光材料として具体的には、(i)スピネル構造、コランダム構造又はβアルミナ構造の応力発光体(例えば、特開2000−119647号公報参照)、(ii)ケイ酸塩の応力発光体(例えば、特開2000−313878号公報、特開2003−165973号公報参照)、(iii)欠陥制御型アルミン酸塩の高輝度応力発光体(例えば、特開2001−049251号公報参照)、(iv)ウルツ鉱型構造と閃亜鉛鉱型構造とが共存する構造を有し、酸化物、硫化物、セレン化物又はテルル化物を主成分として構成される高輝度メカノルミネッセンス材料(例えば、特開2004−043656号公報参照)等が挙げられる。
尚、上記「応力発光材料」は、外部から加えられたひずみエネルギーによって発光する材料を意味する。つまり、上記「応力発光材料」は、外部から加えられたひずみエネルギーによって材料自体が発光するという性質を有し、かつ、そのひずみエネルギーに応じて発光強度を変化させるという性質を有する。
また、上記応力発光層1は、応力発光材料の微粒子を接合剤により分散固定化したものであってもよい。このような応力発光層1は、例えば、応力発光材料を含む塗料を乾燥させることにより形成することができる。
上記接合剤とは、応力発光材料の微粒子を分散させると共に、基材等に密着固定させるための媒体を指し、具体的には、アクリルシリコーン樹脂等の高分子樹脂材料であることが好ましい。
(3)中間層
上記中間層2は、応力発光層1と基材3との間に挟まれており、基材3の変形によるひずみの、応力発光層1に伝達される割合(程度)を調節する役割を担う。
上記中間層2は、室温でゴム弾性を示す。尚、本明細書における「室温」とは、25℃を意味する。
また、本明細書における「ゴム弾性」とは、室温で物質を伸張した後、伸張の応力を解除すると、ほぼ元の長さに弾性的に回復する性質をいう。但し、伸張の応力を解除した後に、元の長さに完全に回復する必要はなく、伸張した長さの50%以下、好ましくは20%以下の弾性回復を示すものも含まれる。
また、上記「弾性的に回復する」ものであるか否かは、室温での引張弾性率により判断することができる。具体的には、ゴム弾性を示す物質は、室温での引張弾性率が50MPa以下である。
上記中間層2は、基材3及び応力発光層1の何れよりも室温での引張弾性率が低い高分子樹脂材料であることが好ましく、更に好ましくは引張弾性率が室温で50MPa以下の高分子樹脂材料であることが好ましい。上記室温での引張弾性率は、より好ましくは10MPa以下であり、特に好ましくは5MPa以下である。
上記高分子樹脂材料としては、ゴムや熱可塑性エラストマーが挙げられる。当該ゴムとしては、シリコーンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ノルボルネンゴム等が挙げられる。
また、上記熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
上記中間層2は、例えば、シート状の上記高分子樹脂材料を接着剤等により上記応力発光層や上記基材等と接合させたり、シリコーン系弾性接着剤のような、上記高分子樹脂材料を含む接着剤により上記応力発光層と上記基材とを接合させたりすることにより形成することができる。
中間層2の厚さは、薄過ぎるとひずみ閾値を調節する効果がなく、厚過ぎると、基材3から応力発光層1にひずみエネルギーが全く伝達されなくなって応力発光を示さなくなる傾向があるが、適切な厚さは、基材3及び応力発光層1の材質並びに中間層2を形成する材料の引張弾性率に依存する。中間層2の厚さは、例えば、1μm以上110μm以下の範囲内とすることができる。
(4)補助層
基材3と中間層2との密着性や、中間層2と応力発光層1との密着性が不十分である場合には、それぞれの間の少なくとも1箇所に、密着性を向上させるため、補助層(図示せず)を更に設けてもよい。
例えば、中間層としてシリコーンゴムを用い、その上に直接応力発光層を形成しても密着性に乏しく、容易に剥離してしまう場合に、応力発光層をステンレス箔上に形成し、当該応力発光層を接着剤にて中間層に接着することで、応力発光層と中間層との密着性を改善することができる。この場合における、ステンレス箔及び接着剤が補助層である。
上記補助層は、上記密着性を向上させるものであれば、その材質は特には限定されない。上記補助層の材質としては、例えば、シアノアクリレート樹脂等の接着剤として好適に使用される樹脂を含む層、応力発光層との密着性に優れたステンレス箔、ポリイミドフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。
上記補助層の厚さは、ひずみエネルギーの伝達特性に影響を与えないようにする観点から、0μmより厚く、30μm以下の厚さであることが好ましい。
尚、以上説明した本発明は、以下のように言い換えることもできる。即ち、
(1)ひずみエネルギーを受けて発光する応力発光層と、基材との間に、中間層を設けることを特徴とする複層型応力発光塗膜であって、線形発光範囲を拡大することを特徴とする複層型応力発光塗膜。
(2)ひずみエネルギーを受けて発光する応力発光層と、基材との間に、中間層を設けることを特徴とする複層型応力発光塗膜であって、ひずみ閾値を調整することを特徴とする複層型応力発光塗膜。
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔中間層及び補助層として用いた材料の引張弾性率の測定〕
テフロン(登録商標)シート上にシリコーン系弾性接着剤(商品名:「スーパーXクリア」、セメダイン社製)を塗布し、厚さ85μmのフィルムを作製した。幅6mm、長さ50mmの短冊状に試料を切り出し、材料試験機(製品名:「テンシロンRTC−125A」、エーアンドデイ社製、ロードセル10N)を用いて室温にて引張試験を行なった。
また、シリコーンゴムフィルム(商品名:シリコンフィルム(品番:6-9085-01、三菱樹脂株式会社製、厚さ58μm)、アズワン社から購入)、シアノアクリレート系瞬間接着剤(商品名:「CC−33A」、共和電業社製)、ポリイミドフィルム(商品名:カプトン(登録商標)、東レ・デュポン株式会社製、厚さ25μm)、PETフィルム(商品名:マイラー(登録商標)PETフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、厚さ25μm)、SUS631箔(厚さ10μm)についても、同様に引張試験を行なった。得られた引張弾性率の値を表1に示す。
Figure 0005464569
表1から明らかなように、上記シリコーン系弾性接着剤、及び上記シリコーンゴムフィルムはゴム弾性を示す材料であり、シアノアクリレート系瞬間接着剤、上記ポリイミドフィルム、上記PETフィルム、及び上記SUS631箔はゴム弾性を示さない材料である。
〔実施例1〕
応力発光材料として、平均粒径1μmのSrAl:Eu,Ho微粒子を用いた。発光粒子の合成は、純度99.9%以上の原料を用いて(高純度化学製SrCO,Al,Eu,Ho)、モル比で0.95:1:0.001:0.001となるように秤量し、エタノール中に均一に混合し、空気中で800℃4時間焼成した後、5%H還元雰囲気中に1300℃4時間焼成することにより行った。その結果、純相の結晶構造が得られ、得られた試料をボールミル粉砕し、微粉体を得た。
接合剤として、アクリルシリコーン樹脂(商品名:「シルビアSP」、日本特殊塗料株式会社製)を用いた。応力発光材料と接合剤とを混合し、SUS631箔(厚さ10μm)上に、10mm×10mmの面積の応力発光層を25μmの厚さで形成した。応力発光層中の応力発光材料の質量分率は90質量%とした。
基材として、SUS631製試験片(幅20mm×長さ200mm×厚さ0.5mm)を用いた。応力発光層を形成した上記SUS631箔を、SUS631試験片上に、シリコーン系弾性接着剤(商品名:「スーパーXクリア」、セメダイン社製)を用いて貼付け、常温大気中で3日間硬化を行ない、SUS631製試験片/シリコーン系弾性接着剤層/SUS631箔/応力発光層の積層構造を有する応力発光積層体を作製した。尚、中間層(シリコーン系弾性接着剤層)の厚さは13μmであった。
作製した応力発光積層体のSUS631製試験片に、最大5,000マイクロひずみのひずみ量を、0.6mm/秒の変形速度で加えた際の応力発光強度を、微弱発光係数装置(製品名:「C9692」、浜松フォトニクス製)を用いて計測することにより、応力発光特性の評価を行った。結果を表2及び図3に示す。
〔実施例2〕
中間層の厚さを15μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い応力発光積層体を作製し、応力発光特性の評価を行った。結果を表2及び図3に示す。
〔実施例3〕
中間層の厚さを83μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い応力発光積層体を作製し、応力発光特性の評価を行った。結果を表2及び図3に示す。
〔実施例4〕
中間層の厚さを103μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い応力発光積層体を作製し、応力発光特性の評価を行った。結果を表2及び図3に示す。
〔実施例5〕
まず、実施例1と同様にしてSUS631箔上に応力発光層を形成した。次に、SUS631製試験片上にシリコーンゴムフィルム(商品名:シリコンフィルム(品番:6-9085-01、三菱樹脂株式会社製、厚さ58μm)、アズワン社から購入)を、シアノアクリレート系瞬間接着剤(商品名:「CC−33A」、共和電業社製)を用いて貼付け、更にその上に、応力発光層を形成したSUS631箔を、同じくシアノアクリレート系瞬間接着剤を用いて貼り付けることにより、SUS631製試験片/シアノアクリレート系瞬間接着剤層/シリコーンゴムフィルム/シアノアクリレート系瞬間接着剤層/SUS631箔/応力発光層の積層構造を有する応力発光積層体を作製した。作製した応力発光積層体の応力発光特性の評価を実施例1と同様の方法により行った。結果を表2及び図3に示す。
〔比較例1〕
応力発光層を形成した上記SUS631箔を、SUS631試験片上に、シリコーン系弾性接着剤(商品名:「スーパーXクリア」、セメダイン社製)を用いて貼付ける代わりに、シアノアクリレート系瞬間接着剤(商品名:「CC−33A」、共和電業社製)を用いて貼付けたこと以外は実施例1と同様の操作を行い応力発光積層体を作製し、応力発光特性の評価を実施例1と同様の方法により行った。結果を表2及び図4に示す。
尚、作製した応力発光積層体は、SUS631製試験片/シアノアクリレート系瞬間接着剤層/SUS631箔/応力発光層の積層構造を有する。
〔比較例2〕
応力発光層中の応力発光材料の質量分率を73質量%としたこと以外は比較例1と同様の操作を行い応力発光積層体を作製し、応力発光特性の評価を実施例1と同様の方法により行った。結果を表2及び図4に示す。
〔比較例3〕
応力発光層中の応力発光材料の質量分率を57質量%としたこと以外は比較例1と同様の操作を行い応力発光積層体を作製し、応力発光特性の評価を実施例1と同様の方法により行った。結果を表2及び図4に示す。
〔比較例4〕
SUS631箔の代わりに、厚さ25μmのポリイミドフィルム(商品名:カプトン(登録商標)、東レ・デュポン株式会社製)を用いたこと以外は比較例1と同様の操作を行い応力発光積層体を作製し、応力発光特性の評価を実施例1と同様の方法により行った。結果を表2及び図4に示す。
尚、作製した応力発光積層体は、SUS631製試験片/シアノアクリレート系瞬間接着剤層/ポリイミドフィルム/応力発光層の積層構造を有する。
〔比較例5〕
SUS631箔の代わりに、厚さ25μmのPETフィルム(商品名:マイラー(登録商標)PETフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製)を用いたこと以外は比較例1と同様の操作を行い応力発光積層体を作製し、応力発光特性の評価を実施例1と同様の方法により行った。結果を表2及び図4に示す。
尚、作製した応力発光積層体は、SUS631製試験片/シアノアクリレート系瞬間接着剤層/PETフィルム/応力発光層の積層構造を有する。
Figure 0005464569
表2に示すように、室温でゴム弾性を示す(引張弾性率の小さい)樹脂層を中間層として挿入した実施例1〜5では、室温でゴム弾性を示す当該樹脂層を挿入していない比較例1〜5と比較して、線形発光範囲を広くすることができた。また、中間層の厚さ及び引張弾性率を変化させることにより、ひずみ感度並びにひずみ閾値を任意に設計することができることが確認できた。
また、比較例1、4、5で示されるように、複層構造を形成していても、中間層が室温でゴム弾性を示さない材料で構成されている場合は、一定以上のひずみ量でひずみ感度の低下が起こり、線形発光範囲が制限された。また、比較例2、3のように、応力発光層中の応力発光材料の質量分率を減少させると、線形発光範囲は大きくなる傾向にあるが、その増加幅は小さく、また、発光強度も低くなってしまうため、十分ではない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の応力発光積層体は、より広いひずみ量の範囲で線形発光するため、ひずみエネルギーを受けて発光するセンサとして好適に用いることができる。このようなセンサは、使用中に荷重を受ける様々な構造物において、ひずみ量の計測や応力集中箇所の検出に適用され、構造設計や安全管理のために、好適に利用することができる。
1 応力発光層
2 中間層
3 基材
4 応力発光積層体

Claims (4)

  1. 基材と、当該基材上に設けられる、ひずみエネルギーを受けて発光する応力発光層とを含む応力発光積層体であり、
    上記基材と上記応力発光層との間に、室温でゴム弾性を示す中間層を更に含み、
    上記中間層は、室温での引張弾性率が50MPa以下であることを特徴とする応力発光積層体。
  2. 上記中間層は、室温での引張弾性率が5MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の応力発光積層体。
  3. 上記中間層の厚さが1μm以上110μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の応力発光積層体。
  4. 上記基材と上記中間層との間、及び上記中間層と上記応力発光層との間の少なくとも一方に、これらの間の密着性を向上させる補助層を更に含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の応力発光積層体。
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