JP5463712B2 - カラーフィルタ用顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に開示されるような、4級アンモニウム塩基を含む従来型の顔料分散剤では、その添加量を増加することにより顔料の均一分散性を確保することはできるが、アルカリ現像性が低下し、アルカリ現像に要する時間の長時間化や、基板上に未露光の光硬化性レジスト組成物が残存するといった問題が生じ、生産性及び品質の低下が生じるといった問題があった。また、特許文献2に開示されるような顔料分散体では、レジスト組成物中の顔料濃度が増加するにつれて分散剤の量が増加するため、特許文献1に開示されるような顔料分散剤と同様に現像性が低下するという点で不十分であった。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
(1)(A)顔料分散剤と、(B)顔料と、(F)溶媒とを有する顔料分散液であって、前記(A)顔料分散剤が、下記一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であり、さらに前記含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることを特徴とするカラーフィルタ用顔料分散液、
(2)(A)顔料分散剤として、下記一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であり、さらに前記含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体を準備する工程と、
(F)溶媒中に、前記(A)顔料分散剤と、(B)顔料とを添加し、顔料を分散させる工程を有する、カラーフィルタ用顔料分散液の製造方法、
(3)(A)顔料分散剤と、(B)顔料と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能性モノマーと、(E)光開始剤と、(F)溶媒とを有するカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物であって、前記(A)顔料分散剤が、下記一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であり、さらに前記含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることを特徴とするカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、
(4)(A)顔料分散剤として、下記一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であり、さらに前記含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体を準備する工程と、
(F)溶媒中に、前記(A)顔料分散剤と、(B)顔料とを添加し、顔料を分散させて顔料分散液を調製する工程と、
前記工程で得られた顔料分散液に、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能性モノマーと、(E)光開始剤とを添加し混合する工程を有する、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の製造方法、
R2及びR2'は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基であり、R2及びR2'のいずれかは炭素原子を含む。
R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基である。
R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R8は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
R2、R2' 、R3 、及びR8において、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
aは1〜18の整数、bは1〜5の整数、cは1〜18の整数を示す。]
(5)前記重合性オリゴマーの前記ポリマー鎖が、下記一般式(IV)又は一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するものである上記(1)に記載のカラーフィルタ用顔料分散液、又は上記(3)に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、
R4'は、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R10)−CH(R11)−O]x−R12、−[(CH2)y−O]z−R12、−[CO−(CH2)y−O]z−R12で示される1価の基である。
R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R12は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、R13は、炭素数1〜18のアルキル基を示す。
R4、R4'、及びR12において、アルキル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
lは1〜5の整数、m及びm'は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。]
(6)前記重合性オリゴマーの前記エチレン性不飽和二重結合を有する基が、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、又はアリル基である上記(1)若しくは(5)に記載のカラーフィルタ用顔料分散液、又は、上記(3)若しくは(5)に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、
(7)前記一般式(II)におけるR2及び/又はR2'、並びに/或いは、前記一般式(III)におけるR3が、重合性基又は置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基を有するものである、上記(1)、(5)若しくは(6)に記載のカラーフィルタ用顔料分散液、又は、上記(3)、(5)若しくは(6)に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、
(8)前記重合性基が(メタ)アクリロイル基、ビニル基、又はアリル基である上記(7)に記載のカラーフィルタ用顔料分散液、又は、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、
(9)(B)顔料の平均粒径が、10〜100nmである上記(1)、(5)、(6)、(7)若しくは(8)に記載のカラーフィルタ用顔料分散液、又は、上記(3)、(5)、(6)、(7)若しくは(8)に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、
(10)上記(3)、(5)、(6)、(7)、(8)若しくは(9)に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、又は、上記(4)に記載の製造方法により得られたカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて形成されてなる着色層を有することを特徴とするカラーフィルタ、及び
(11)上記(10)に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置、を提供するものである。
また、本発明によれば、上記カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて着色層を形成することにより、アルカリ現像性に優れたものとすることができるため、生産性に優れたカラーフィルタとすることができる。また、アルカリ現像性に優れることにより、未露光箇所におけるカラーフィルタ用ネガ型レジストの残渣が少ない高品質なカラーフィルタを提供することができる。
更に、本発明によれば、上記カラーフィルタを用いることで、高品質かつ優れた生産性の液晶表示装置を提供することができる。
[カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物]
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物(以下、単にネガ型レジスト組成物と称することがある。)は、(A)顔料分散剤と、(B)顔料と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能性モノマーと、(E)光開始剤と、(F)溶媒とを含み、前記(A)顔料分散剤が、下記の性状を有することを特徴とする。
R2及びR2’は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、−[(CH2)b−O]c−R8、又は−O−R2”で示される1価の基であり、R2及びR2’のいずれかは炭素原子を含む。R2”は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8で示される1価の基である。
R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、−[(CH2)b−O]c−R8、又は−O−R3’で示される1価の基である。R3’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8で示される1価の基である。
R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R8は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
R2、R2’、R2”、R3、R3’、及びR8において、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
aは1〜18の整数、bは1〜5の整数、cは1〜18の整数を示す。]
また、上記一般式(II)及び/又は上記一般式(III)で表される有機酸化合物を有することにより、上記含窒素複素環基含有モノマーに含まれる含窒素複素環基と上記一般式(II)及び/又は上記一般式(III)で表される有機酸化合物とが形成する塩形成部位が、アルカリ現像時のアルカリ水溶液に対して高い溶解性を有することから、アルカリ現像性に優れたものとすることができる。したがって、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて、カラーフィルタを製造した場合には、アルカリ現像時間を短縮することができ、生産性に優れたものとすることができる。また、アルカリ現像性に優れることにより、未露光箇所におけるカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の残渣が少ない高品質なカラーフィルタを得ることができる。
グラフト共重合体は、上記一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合体成分とするものである。
上記一般式(I)において、R1は水素原子又はメチル基を示し、Qは、置換基を有していても良い酸と塩形成可能な含窒素複素環基を示す。該含窒素複素環基は、後述する有機酸化合物と塩を形成する。ここで、該複素環を構成する元素数は3員環以上、好ましくは3〜7員環であり、更に好ましくは5〜6員環である。また、該複素環は、飽和でも不飽和であってもよく、また縮合したものであってもよく、さらに芳香族性を有していてもよい。また、該複素環には窒素原子、炭素原子の他に酸素原子や硫黄原子が含まれていてもよい。
エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などが好ましく挙げられ、なかでも(メタ)アクリロイル基、ビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
上記炭素数1〜18のアルキル基が有していても良い置換基としては、例えば、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記アリール基としては、特に制限はないが、好ましくは炭素数6〜24であり、更に好ましくは6〜12であり、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基などである。
なお、上記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基は、前記のR4で示したとおりである。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基が有していても良い置換基は、前記のR4で示したとおりである。
上記R12のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基は、前記のR4で示したとおりである。また、上記R12のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基が有していても良い置換基は、前記のR4で示したとおりである。
上記R13の炭素数1〜18のアルキル基は、前記のR4で示したとおりである。
上記R4及びR4’おいて、xは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、yは1〜5の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。zは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。
ここで、上記R4及びR4’をこのように設定する理由は、上記R4及びR4’を含む構成単位が、上記溶媒に対する可溶性を有し、上記含窒素複素環基含有モノマーの含窒素複素環基と後述する有機酸化合物とが形成する塩形成部位が顔料に対して高い吸着性を有するものであることにより、顔料の分散性、及び安定性を特に優れたものとすることができるからである。
重合性オリゴマーのポリマー鎖は、上述した構成単位から形成される単独重合体でもよく、共重合体であってもよい。
前述した一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基とからなる重合性オリゴマーとを共重合体成分として含有するグラフト共重合体における含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と、塩を形成する有機酸化合物は、上記一般式(II)で表される構造を有する有機リン酸化合物及び/又は上記一般式(III)で表される構造を有する有機スルホン酸化合物である。
上記一般式(II)において、R2及びR2’は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、−[(CH2)b−O]c−R8、又は−O−R2”を示し、R2及びR2’のうちいずれかは炭素原子を含む。尚、R2及びR2’のうちの炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基を有していても良い。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基は、前記R4で示したとおりである。また、上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基が有していても良い置換基は、前記のR4で示したとおりである。
上記炭素数2〜18のアルケニル基が有していても良い置換基としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記R2”のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基及びアリール基は、前記のR4で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のR2及びR2’で示したとおりである。また、上記R2”のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基が有していても良い置換基は、前記のR4で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基が有していても良い置換基は、前記のR2及びR2’で示したとおりである。
上記R8のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、及びアリール基は、前記のR4で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のR2及びR2’で示したとおりである。また、上記R8のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基が有していても良い置換基は、前記のR4で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基が有していても良い置換基は、前記のR2及びR2’で示したとおりである。
R2、R2’及びR2”において、aは1〜18の整数、bは1〜5の整数、cは1〜18の整数である。aは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、bは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。cは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。
上記R3のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基及びアリール基は、前記のR4で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のR2及びR2’で示したとおりである。また、上記R3のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基が有していても良い置換基は、前記のR4で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基が有していても良い置換基は、前記のR2及びR2’で示したとおりである。
R3が、−O−R3’の場合、酸性硫酸エステルとなる。上記R3’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8で示される1価の基である。尚、R3’のうちの炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基は、置換基を有していても良い。
上記R3’のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基及びアリール基は、前記のR4で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のR2及びR2’で示したとおりである。また、上記R3’のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基が有していても良い置換基は、前記のR4で示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基が有していても良い置換基は、前記のR2及びR2’で示したとおりである。
上記R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、上記R8は、前記と同じである。
上記R3及びR3’において、aは1〜18の整数、bは1〜5の整数、cは1〜18の整数である。好ましいa、b、cは、上記R2、R2’及びR2”と同様である。
このような場合には、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて着色層を形成する際の露光時に、上記重合性基同士及び/又は上記重合性基と、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等とを容易に重合することができ、カラーフィルタの着色層中において、上記顔料分散剤が、安定に存在することを可能とする。また、着色層の耐熱性や耐溶剤性も向上する。このようなカラーフィルタを用いて液晶表示装置を製造した際には、液晶層等へ上記顔料分散剤がブリードアウトすることを防止することができる。
すなわち、添加された顔料分散剤は、その全てが、後述する顔料の分散性向上に寄与するのではなく、該顔料分散剤の一部は、上記顔料から、遊離した状態で存在している。また、該顔料分散剤は、一般的に、アルカリ現像性を低下させる場合があるため、遊離した状態の顔料分散剤が多い場合には、着色層形成の現像時において、アルカリ現像を阻害することになる。
一方、上記重合性基同士が、着色層形成に用いる前に重合し、高分子量化していることにより、着色層形成の現像時において、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物中に、遊離の顔料分散剤を少ないものとすることができる。このため、遊離の顔料分散剤による、アルカリ現像の阻害を少ないものとすることができ、未露光箇所のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を、アルカリ現像性に特に優れるものとすることができる。
尚、上記一般式(II)及び一般式(III)で表される有機酸化合物は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
このような塩型グラフト共重合体を顔料分散剤として用いることにより、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を、顔料の分散安定性に優れたものとすることができる。
本発明において、(A)成分の顔料分散剤として用いる塩型グラフト共重合体の製造方法としては、前記の含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖とその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基とからなる重合性オリゴマーとを共重合体成分として含有し、かつ含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と、前記の一般式(II)及び一般式(III)で表される有機酸化合物とが塩を形成したものを製造することができる方法であればよく特に限定されない。本発明においては、例えば、前記の含窒素複素環基含有モノマーと前記エチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーと、必要に応じてその他のモノマーとを公知の重合手段を用いてグラフト重合させることが可能である。次いで、該溶媒中に上記有機酸化合物を添加し、攪拌することにより塩型グラフト共重合体を製造することができる。なお、上記重合においては、重合に一般的に用いられる添加剤、例えば重合開始剤、分散安定剤、連鎖移動剤などを用いてもよい。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において、(B)成分として用いられる顔料は、カラーフィルタの着色層を形成した際に所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されず、種々の有機又は無機着色剤を、単独で又は2種以上混合して使用することができる。
<顔料の種類>
上記有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。有機顔料の具体例としては、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等のイエロー系ピグメント;C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177等のレッド系ピグメント;C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6等のブルー系ピグメント;C.I.ピグメントバイオレット23等のバイオレット系ピグメント;及び、ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58等のグリーン系ピグメント等のカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
本発明に用いられる顔料の平均粒径としては、カラーフィルタの着色層とした場合に、所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されず、用いる顔料の種類によっても異なるが、10〜100nmの範囲内であることが好ましく、10〜50nmの範囲内であることがより好ましい。該顔料の平均粒径が上記範囲であることにより、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて製造された液晶表示装置を高コントラストで、かつ高品質なものとすることができる。また従来の顔料分散剤であれば、顔料の粒径の微小化に伴い、顔料分散剤が多量に必要になり、アルカリ現像性の低下や残渣の増加といった問題が生じるおそれがあるが、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物に用いられる顔料分散剤は、アルカリ現像性に優れるため、そのような問題を生じるおそれが少ない。したがって、該顔料の平均粒径が上記範囲に示すように、従来に比べ微小であるほど、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物が有する特徴を発揮することができる。
なお、上記顔料の平均粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とした。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均粒径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
なお、上記固形分は、上述した溶媒以外のもの全てであり、溶媒中に溶解している多官能性モノマー等も含む。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において、(C)成分として用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、ネガ型レジストに一般的に用いられるものを用いることができ、アルカリ水溶液に可溶性を有するものであればよく、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2,2’−オキシビス(メチレン)ビス−2−プロペノエート、スチレン、γ−メチルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどの中から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸、アクリル酸の二量体(例えば、東亞合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの無水物の中から選ばれる1種以上とからなるコポリマーも例示できる。また、上記のコポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等も例示できるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で、コポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加等することにより、エチレン性不飽和結合を有するポリマー等は、露光時に、後述する多官能性モノマーと重合することが可能となり、着色層がより安定なものとなる点で、特に好適である。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において、(D)成分として用いられる多官能性モノマーは、後述する光開始剤によって重合可能なものであればよく、特に限定されず、通常、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、特にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において、(D)成分として用いられる上記多官能性モノマーの含有量は、特に制限はないが、(C)成分のアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常5〜500質量部程度、好ましくは20〜300質量部の範囲である。多官能性モノマーの含有量が上記範囲より少ないと十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合があり、また、多官能性モノマーの含有量が上記範囲より多いとアルカリ現像性が低下するおそれがある。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において、(E)成分として用いられる光開始剤としては特に制限はなく、従来知られている各種光開始剤の中から、適宜選択して用いることができる。例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、4,4´−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メチルフェニル)イミダゾール2量体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール化合物、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン、1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、4−ベンゾイル−メチルジフェニルサルファイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノンなどが挙げられる。これらの光開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物において、(F)成分として用いられる溶媒としては、該レジスト組成物中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶媒であればよく、特に限定されない。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系;メトキシアルコール、エトキシアルコール、メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルアルコール系;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸3−メトキシブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系;メトキシエチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテート、メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエーテルアルコールアセテート系;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド系;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系;n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オクタンなどの飽和炭化水素系などの有機溶媒が挙げられる。
なかでも、本発明に用いられる溶媒としては、MBA(酢酸3−メトキシブチル)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、DMDG(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)又はこれらを混合したものが、顔料分散剤の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ各種添加剤を含むものであってもよい。該添加剤としては、例えば重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等が挙げられる。
これらの中で、用いることができる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類等を挙げることができる。また、その他にもフッ素系界面活性剤も用いることができる。
さらに、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げられる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の調製方法としては、前述した(A)顔料分散剤と、(B)顔料と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能性モノマーと、(E)光開始剤と、所望により用いられる各種添加成分とを、(F)溶媒中に均一に溶解又は分散させ得る方法であればよく、特に制限はされず、公知の混合手段を用いて混合することにより、調製することができる。
該ネガ型レジスト組成物の調製方法としては、例えば(1)溶媒中に、上記の顔料分散剤及び顔料を添加し、分散機を用いて分散させることによって、顔料分散液を作製した後、これにアルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤と、所望により用いられる各種添加成分とを添加し混合する方法、(2)溶媒中に、上記の顔料分散剤と、顔料と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤と、所望により用いられる各種添加成分とを同時に投入し、混合する方法、及び(3)溶媒中に、上記の顔料分散剤と、アルカリ可溶性樹脂と、多官能性モノマーと、光開始剤と、所望により用いられる各種添加成分とを添加し、混合したのち、これに顔料を加えて混合する方法などを挙げることができる。
これらの方法の中で、上記(1)の方法が、顔料の凝集を効果的に防ぎ、均一に分散させ得る点から好ましい。この場合、顔料分散液中の溶媒の含有量としては、該顔料の分散性や顔料分散経時安定性、得られるカラーフィルタの色度などの観点から、60〜90質量%の範囲が好ましい。
また、本発明に用いられる顔料分散剤に含まれる有機酸化合物が、重合性基を有する場合には、例えば、溶媒中に上記顔料分散剤と開始剤を添加した後、あるいは、溶媒中に上記顔料分散剤と顔料と開始剤とを分散又は溶解させた後に上記顔料分散剤同士を重合してもよい。中でも溶媒中に上記顔料分散剤と顔料と開始剤とを分散又は溶解させた後に上記顔料分散剤同士を重合することが好ましい。このように顔料分散剤同士を重合させることにより、本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物中における顔料の分散安定性を高めることができる。重合は、適宜光開始剤及び/又は熱開始剤を用いて、光照射及び/又は加熱により行うことができる。
[カラーフィルタ]
本発明のカラーフィルタは、前述した本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて形成されてなる着色層を有することを特徴とする。
このような本発明のカラーフィルタについて、図を参照しながら説明する。図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1によれば、本発明のカラーフィルタ10は、透明基板1と、遮光部2と、着色層3とを有している。
本発明のカラーフィルタは、前述した本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて着色層を形成することにより、アルカリ現像性に優れることから、高い生産性を有している。また、アルカリ現像性に優れることにより、未露光箇所におけるカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の残渣が少ない高品質なものである。
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、前述した本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて形成されたものであればよく、特に限定されないが、通常、後述する透明基板上の遮光部の開口部に形成され、該カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物に含まれる顔料の種類によって、3色以上の着色パターンから構成される。
また、該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
該着色層の厚みは、塗布方法、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1〜5μmの範囲であることが好ましい。
まず、前述した本発明のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、コールコート法、スピンコート法などの塗布手段を用いて後述する透明基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等を光重合反応させて、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用するカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、ネガ型レジスト組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
本発明のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する透明基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。この遮光部としては、例えば、黒色顔料をバインダ樹脂中に分散又は溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrOx膜(xは任意の数)及びCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrOx膜(xは任意の数)、CrNy膜(yは任意の数)及びCr膜が3層積層されたものであってもよい。
該遮光部が黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散又は溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であればよく、特に限定されず、例えば、遮光部用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタにおける透明基板としては、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を使用することができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm〜1mm程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記透明基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明のカラーフィルタを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルタ及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
メタクリル酸メチル100.0質量部、メルカプトプロピオン酸7.0質量部、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)30.0質量部の混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。PGMEA70質量部、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(略称AIBN)1.0質量部の混合溶液を2時間かけて滴下し、さらに3時間反応した。冷却後、この反応溶液をテトラヒドロフラン(THF)200質量部で希釈し、ヘキサン3000質量部で再沈澱することで、白色粉末105.8質量部を得た。次に、この白色粉末50質量部に、PGMEA50質量部、グリシジルメタクリレート3.7質量部、N,N−ジメチルドデシルアミン0.15質量部及びp−メトキシフェノール0.1質量部を加え、空気バブリングを行いながら110℃にて、24時間攪拌した。冷却後、この反応溶液を、ヘキサン3000質量部で再沈澱することで、白色粉末51.7質量部を得た。
得られた重合性オリゴマーAを、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01モル/L臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、重量平均分子量(Mw)3624、数平均分子量(Mn)1902、分子量分布(Mw/Mn)は1.91であった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、重合性オリゴマーA20質量部、4−ビニルピリジン5.0質量部、2−メルカプトエタノール0.25質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)60質量部を仕込んだ。この混合物を、攪拌しながら85℃まで昇温し、重合性オリゴマーA20質量部、4−ビニルピリジン5.0質量部、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5質量部、2−メルカプトエタノール0.25質量部、PGMEA60質量部の混合液を1.5時間かけて滴下した。この反応溶液に、AIBN0.2質量部、PGMEA20質量部の混合液を30分かけて滴下し、85℃で1時間攪拌したのち、AIBN0.1質量部、PGMEA10質量部の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で2時間熟成した。得られたグラフト共重合体溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行い、グラフト共重合体Aを得た。このようにして得られたグラフト共重合体Aを、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01モル/L臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、重量平均分子量Mw:10908、数平均分子量Mn:3894、分子量分布Mw/Mnは2.85であった。
製造例2において、4−ビニルピリジンを1−ビニルイミダゾールに置き換えた以外は、同様にしてグラフト共重合体Bを得た。重量平均分子量Mw:13242、数平均分子量Mn:5106、分子量分布Mw/Mnは2.59であった。
マヨネーズビン中で、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)10.8質量部に、グラフト共重合体A0.96質量部を溶解させ、塩形成成分である2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート(共栄社化学(株)社製、「P−2M」)を0.24質量部(グラフト共重合体の含窒素複素環ユニットに対し、0.5当量)加え、室温にて1時間攪拌することにより、固形分10質量%の塩型グラフト共重合体溶液Aを調製した。
製造例4において、グラフト共重合体Aを1.04質量部とし、P−2Mをフェニルホスホン酸(日産化学工業(株)社製、「PPA」)0.16質量部とした以外は、製造例4と同様にして、固形分10質量%の塩型グラフト共重合体溶液Bを調製した。
製造例5において、グラフト共重合体Aを1.04質量部とし、P−2Mをベンゼンスルホン酸(Fluka社製)0.16質量部とした以外は、製造例4と同様にして、固形分10質量%の塩型グラフト共重合体溶液Cを調製した。
製造例4において、グラフト共重合体Aをグラフト共重合体B0.94質量部とし、P−2Mを0.26質量部とした以外は、製造例4と同様にして、固形分10質量%の塩型グラフト共重合体溶液Dを調製した。
100mL丸底フラスコ中で、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)13.07質量部に、グラフト共重合体A5.0質量部を溶解させ、塩形成成分である塩化ベンジル(関東化学(株)社製)を0.60質量部(グラフト共重合体の含窒素複素環ユニットに対し、0.5当量)加え、反応温度80℃で3時間攪拌することにより、固形分30質量%の塩型グラフト共重合体溶液Eを調製した。
市販のポリ臭素化亜鉛フタロシアニン顔料(PG58:平均一次粒径30nm)2.1質量部、市販の黄色顔料(PY150:平均一次粒径50nm)0.9質量部、顔料分散剤として、製造例4で調製した塩型グラフト共重合体溶液Aを12.0質量部(固形分量1.2質量部)、溶媒としてPGMEAを12.0質量部、アルカリ可溶性樹脂としてメタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比:10/30/50,重量平均分子量:9000,酸価:70mgKOH/g,有効成分含量40質量%)3.0質量部(固形分量1.2質量部)、粒径2.0mmジルコニアビーズ60質量部をマヨネーズビンに入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて2.5時間分散を行い、顔料分散液Aを調製した。
参考製造例1において、顔料分散剤を製造例5で調製した塩型グラフト共重合体溶液Bとした以外は、参考製造例1と同様にして、顔料分散液Bを調製した。
参考製造例1において、顔料分散剤を製造例6で調製した塩型グラフト共重合体溶液Cとした以外は、参考製造例1と同様にして、顔料分散液Cを調製した。
参考製造例1において、顔料分散剤を製造例7で調製した塩型グラフト共重合体溶液Dとした以外は、参考製造例1と同様にして、顔料分散液Dを調製した。
参考製造例1において、顔料分散剤を製造例8で調製した塩型グラフト共重合体溶液Eを4.0質量部、PGMEAを20.0質量部とした以外は、参考製造例1と同様にして、顔料分散液Eを調製した。
参考製造例1において、顔料分散剤を製造例2で得たグラフト共重合体A1.2質量部、PGMEAを22.8質量部とした以外は、参考製造例1と同様にして、顔料分散液Fを調製した。
参考製造例1において、顔料分散剤を市販の「アジスパーPB821」(味の素ファインテクノ(株)社製、固形分濃度100質量%)1.2質量部、PGMEAを22.8質量部とした以外は、参考製造例1と同様にして顔料分散液Gを調製した。
参考製造例1において、顔料分散剤を市販の「Disperbyk161」(ビックケミージャパン(株)社製、固形分濃度30質量%)4.0質量部、PGMEAを20.0質量部とした以外は、参考製造例1と同様にして顔料分散液Hを調製した。
参考製造例1で得られた顔料分散液A66.67質量部に、アルカリ可溶性樹脂としてメタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ベンジル共重合体(モル比:10/30/50,重量平均分子量:9000,酸価:70mgKOH/g,有効成分含量40質量%)10.25質量部、多官能性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)社製、「KAYARAD DPHA」)2.7質量部、光開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)社製、「IRGACURE907」)0.96質量部、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)社製「KAYACURE DETX−S」)0.24質量部及び溶媒としてPGMEA19.18質量部を添加したのち、均一になるまで混合し、さらにメッシュサイズ0.2μmである加圧ろ過装置によりろ過することにより、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物Aを得た。
参考例1において、顔料分散液Aにかえて実施製造例1で得られた顔料分散液Bとした以外は参考例1と同様にして、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物Bを得た。
参考例1において、顔料分散液Aにかえて実施製造例2で得られた顔料分散液Cとした以外は参考例1と同様にして、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物Cを得た。
参考例1において、顔料分散液Aにかえて参考製造例2で得られた顔料分散液Dとした以外は参考例1と同様にして、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物Dを得た。
参考例1において、顔料分散液Aにかえて比較製造例1で得られた顔料分散液Eとした以外は参考例1と同様にして、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物Eを得た。
参考例1において、顔料分散液Aにかえて比較製造例2で得られた顔料分散液Fとした以外は参考例1と同様にして、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物Fを得た。
参考例1において、顔料分散液Aにかえて比較製造例3で得られた顔料分散液Gとした以外は参考例1と同様にして、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物Gを得た。
参考例1において、顔料分散液Aにかえて比較製造例4で得られた顔料分散液Hとした以外は参考例1と同様にして、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物Hを得た。
各例で得られたカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の顔料分散安定性の評価として、各実施例及び比較例で用いた顔料分散液を、40℃で1週間静置する保存安定性試験を行い、試験前後における、顔料分散液の平均粒径とせん断粘度を測定した。平均粒径の測定には、日機装(株)製「粒度分布測定装置ナノトラックUPA−EX」を用い、粘度測定には、日本シイベルヘグナー(株)社製「MCR301(型番)」を用いて、せん断速度が60rpmのときのせん断粘度を測定した。結果を第1表に示す。
各例で得られたカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を、厚み0.7mmで10mm×10mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)社製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートを用いて80℃で3分間乾燥することにより、厚さ3.0μmの緑色着色層を形成した。この着色層にフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用いて60mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、上記着色層が形成されたガラス基板を、アルカリ現像液として0.05質量%水酸化カリウム水溶液を用いてシャワー現像し、上記着色層が完全に溶解し、上記着色層を形成した箇所のガラス面が現れるまでの時間を現像時間として測定した。尚、3分以内に現像できなかった場合、現像不可とする。
各例で得られたカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を、ガラス基板(NHテクノグラス(株)社製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートを用いて80℃で3分間乾燥することにより、厚さ3.0μmの緑色着色層を形成した。この着色層にフォトマスクを介さずに超高圧水銀灯を用いて60mJ/cm2の紫外線を全面照射した。上記の着色層が形成されたガラス基板を230℃のクリーンオーブンでポストベークし、得られた緑色カラーフィルタ基板のコントラスト値を壺坂電気(株)社製「コントラスト測定装置CT−1B」を用いて測定した。
実施例のものは、顔料分散液における顔料粒子の平均粒径が45〜56nmの範囲にあり、粘度が3.4〜4.1mPa・sの範囲にあり、顔料分散性が良好であり、かつ顔料の分散安定性もよい。また、アルカリ現像性は45秒以内で良好であり、コントラストは、比較例に比べて高かった。
これに対して、比較例1は、顔料分散液における顔料粒子の平均粒径及び粘度が実施例に比べて大きく、また、顔料分散剤が第4級アンモニウム塩構造を有しているためアルカリ現像性が悪く、時間内に現像することができなかった。比較例2は、粘度は実施例と同程度であったが、顔料分散液における顔料粒子の平均粒径が実施例に比べて大きく、有機酸化合物で塩形成させた実施例のものと比較して現像時間が長くなった。また、比較例3は、現像時間が短く、現像性は良好であったが、顔料分散液における顔料粒子の平均粒径が実施例に比べて大きく、コントラスト値が大きく劣っていた。比較例4は、現像時間が短く、現像性は良好であったが、保存安定性試験後、ゲル化が見られた。
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
51 含窒素複素環式化合物含有モノマー単位
52 重合性オリゴマーの重合性基部位
53 重合性オリゴマーによるポリマー鎖
54 有機酸化合物
Claims (16)
- (A)顔料分散剤と、(B)顔料と、(F)溶媒とを有する顔料分散液であって、前記(A)顔料分散剤が、下記一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であり、さらに前記含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることを特徴とするカラーフィルタ用顔料分散液。
R2及びR2'は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基であり、R2及びR2'のいずれかは炭素原子を含む。
R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基である。
R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R8は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
R2、R2' 、R3 、及びR8において、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
aは1〜18の整数、bは1〜5の整数、cは1〜18の整数を示す。] - 前記重合性オリゴマーの前記ポリマー鎖が、下記一般式(IV)又は一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するものである請求項1に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
R4'は、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R10)−CH(R11)−O]x−R12、−[(CH2)y−O]z−R12、−[CO−(CH2)y−O]z−R12で示される1価の基である。
R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R12は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、R13は、炭素数1〜18のアルキル基を示す。
R4、R4'、及びR12において、アルキル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
lは1〜5の整数、m及びm'は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。] - 前記重合性オリゴマーの前記エチレン性不飽和二重結合を有する基が、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、又はアリル基である請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
- 前記一般式(II)におけるR2及び/又はR2'、並びに/或いは、前記一般式(III)におけるR3が、重合性基又は置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
- 前記重合性基が(メタ)アクリロイル基、ビニル基、又はアリル基である請求項4に記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
- (B)顔料の平均粒径が、10〜100nmである請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルタ用顔料分散液。
- (A)顔料分散剤として、下記一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であり、さらに前記含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体を準備する工程と、
(F)溶媒中に、前記(A)顔料分散剤と、(B)顔料とを添加し、顔料を分散させる工程を有する、カラーフィルタ用顔料分散液の製造方法。
R2及びR2'は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基であり、R2及びR2'のいずれかは炭素原子を含む。
R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基である。
R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R8は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
R2、R2' 、R3 、及びR8において、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
aは1〜18の整数、bは1〜5の整数、cは1〜18の整数を示す。] - (A)顔料分散剤と、(B)顔料と、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能性モノマーと、(E)光開始剤と、(F)溶媒とを有するカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物であって、前記(A)顔料分散剤が、下記一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であり、さらに前記含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることを特徴とするカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
R2及びR2'は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基であり、R2及びR2'のいずれかは炭素原子を含む。
R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基である。
R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R8は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
R2、R2' 、R3 、及びR8において、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
aは1〜18の整数、bは1〜5の整数、cは1〜18の整数を示す。] - 前記重合性オリゴマーの前記ポリマー鎖が、下記一般式(IV)又は一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するものである請求項8に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
R4'は、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R10)−CH(R11)−O]x−R12、−[(CH2)y−O]z−R12、−[CO−(CH2)y−O]z−R12で示される1価の基である。
R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R12は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であり、R13は、炭素数1〜18のアルキル基を示す。
R4、R4'、及びR12において、アルキル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
lは1〜5の整数、m及びm'は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。] - 前記重合性オリゴマーの前記エチレン性不飽和二重結合を有する基が、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、又はアリル基である請求項8又は9に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
- 前記一般式(II)におけるR2及び/又はR2'、並びに/或いは、前記一般式(III)におけるR3が、重合性基又は置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基を有するものである請求項8〜10のいずれかに記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
- 前記重合性基が(メタ)アクリロイル基、ビニル基、又はアリル基である請求項11に記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
- (B)顔料の平均粒径が、10〜100nmである請求項8〜12のいずれかに記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物。
- (A)顔料分散剤として、下記一般式(I)で表される含窒素複素環基含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であり、さらに前記含窒素複素環基含有モノマーが有する含窒素複素環基と下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体を準備する工程と、
(F)溶媒中に、前記(A)顔料分散剤と、(B)顔料とを添加し、顔料を分散させて顔料分散液を調製する工程と、
前記工程で得られた顔料分散液に、(C)アルカリ可溶性樹脂と、(D)多官能性モノマーと、(E)光開始剤とを添加し混合する工程を有する、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物の製造方法。
R2及びR2'は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基であり、R2及びR2'のいずれかは炭素原子を含む。
R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R6)−CH(R7)−O]a−R8、又は−[(CH2)b−O]c−R8 で示される1価の基である。
R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R8は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COOR9で示される1価の基であり、R9は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
R2、R2' 、R3 、及びR8において、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。
aは1〜18の整数、bは1〜5の整数、cは1〜18の整数を示す。] - 請求項8〜13のいずれかに記載のカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、又は請求項14に記載の製造方法により得られたカラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物を用いて形成されてなる着色層を有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項15に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。
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