JP5463267B2 - 仮想計算機システムおよび仮想計算機の移行方法 - Google Patents

仮想計算機システムおよび仮想計算機の移行方法 Download PDF

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Description

本発明は、ある物理計算機上で動作中の論理区画を他の物理計算機上の論理区画に移行する方法およびその仮想計算機システムに関する。
1台の物理計算機上に、複数の論理計算機又は論理区画(以下、LPAR(Logical Partition)という)を構築し、各論理計算機でそれぞれOS(オペレーティングシステム)を動作させ、これにより複数の論理計算機で複数の固有のOSを動作させることが可能な仮想計算機システムが実用化されている。また、最近では、それぞれの論理計算機に論理的なFC(Fibre Channel)拡張ボード又はFCポートを持せた仮想計算機システムを、RAID装置を含むSAN(ストレージエリアネットワーク)環境で使用する例もある。
SAN環境でブートを実現する計算機システムにおいて、OSがインストールされているRAID装置内のロジカルユニットのデータを保護するために、それぞれの計算機からのみアクセスを可能とするセキュリティ機能が、RAID装置によって有効となっている。このセキュリティ機能としては一般的に、それぞれの計算機に搭載されるFCポートに割り当てられた固有のID(World Wide Name)を利用し、OSがインストールされたロジカルユニットと計算機が持つFCポートに割り当てられた固有のID(World Wide Name)とを関連付け、当該ID(World Wide Name)を持つFCポートからのアクセスのみを許す方法が、用いられている。また、OSを含むソフトウェアには、装置固有のID(World Wide Name)が、記録されている場合もある。
SANからのブートを行う計算機システムでは、現用系計算機と待機系計算機で持つFCポートに割り当てられた固有のID(World Wide Name)が異なるため、現用系計算機から待機系計算機に交代する際、OSを含むソフトウェアイメージをそのまま利用することができず、SAN管理ソフトウェアや人手によるRAID装置側のセキュリティ機能の設定変更が必要となる。これは、現用系計算機と待機系計算機という物理計算機においてだけではなく、LPAR間においても同様である。
複数の物理計算機上にそれぞれLPARを構築することができる仮想計算機システムにおいて、ある物理計算機上のLPARから他の物理計算機へLPARに構成情報を移動させて動作を引き継がせる技術に関しては、例えば特許文献1に開示されている。
特開2010−33404
特許文献1の技術は、移行前のLPARを一旦停止し、他の物理計算機に移動する。FCでは、データ転送を始める前に、関連するポートの持つ情報を交換する。この情報交換をログイン時に行うため、ログイン時間がかかる。特許文献1のように移行前にLPARを停止する場合には、OS起動処理時にOSドライバによりログイン処理が行われるため、この処理が完了するまでOSによるディスクアクセスは行われない。
ところが、移行前のLPARが稼働した状態で、移行先に動作を引き継がせる場合には、移行先のOSは、起動処理が行われることなく、稼動した状態で引き継がれる。このため、OSは、ログイン処理が完了しているものとして、ディスクアクセスしてくるが、実際にはログイン処理が行われてないため、移行後にディスクアクセスできなくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みて、論理区画のOSが移行先で動作した直後に移行前と同様のディスクにアクセスが可能な仮想計算機システムおよび仮想計算機の移行方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る仮想計算機システムおよび仮想計算機の移行方法は、論理ユニットを有する記憶装置と、複数の物理計算機と、前記物理計算機上でハイパーバイザの制御により動作する複数のLPARとを備える前記仮想計算機システムであって、第一のハイパーバイザの制御により動作する第一のLPAR及び第一のSHADOW LPARを有する第一の物理計算機(移行元)と、第二のハイパーバイザの制御により動作する第二のLPAR及び第二のSHADOW LPARを有する第二の物理計算機(移行先)とを備える。
そして、第一のパス制御部を有する前記第一のLPARを、前記第二の物理計算機に移行して、前記第二の物理計算機上で、第二のパス制御部を有する第二のLPARとして動作させるに際し、以下の動作を行う。
まず、前記第一のSHADOW LPARは、前記第一のLPARが有する第一の論理HBAに識別子として割り当てられた第一のWWN及び前記第一のLPARが有する第二の論理HBAに識別子として割り当てられた第二のWWNを、前記第二のSHADOW LPARに転送する。次に、前記第二のハイパーバイザは、前記第二のLPARが有する第三の論理HBAに識別子として割り当てられた第三のWWNを前記転送された第一のWWNに変更し、前記第二のLPARが有する第四の論理HBAに識別子として割り当てられた第四のWWNを前記転送された第二のWWNに変更する。次に、前記第一のハイパーバイザは、前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログアウトさせ、前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオフラインとし、前記第二のハイパーバイザは、前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログインさせる。次に、前記第一のSHADOW LPARは、前記第一のLPARの論理資源情報を、前記第二のSHADOW LPARへ転送する。次に、前記第二のハイパーバイザは、転送された前記第一のLPARの論理資源情報を、前記第二のLPARに反映する。次に、前記第一のハイパーバイザは、前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続の完了通知を受けて、前記第二のWWNを転送した前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインとする。次に、前記第一のパス制御部は、前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインと認識する。次に、前記第一のSHADOW LPARは、前記第一のLPARの論理資源情報の差分情報を、前記第二のSHDOW LPARへ転送する。次に、前記第二のハイパーバイザは、転送された前記第一のLPARの論理資源情報の差分情報を、前記第二のLPARに反映する。次に、前記第一のハイパーバイザは、前記第一の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオフラインとする。次に、前記第二のハイパーバイザは、前記反映の完了通知を受けると、前記移行した前記第二のLPARの動作を開始させ、
前記第二のLPARの動作開始により、前記第一のパス制御部は動作を停止する。次に、前記第二のパス制御部は、前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインと認識する。次に、前記第一のハイパーバイザは、前記第一の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログアウトさせる。以上を本発明の特徴とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、移行前のLPARが稼働した状態で移行先に動作を引き継がせる場合に、論理区画のOSが移行先で動作した直後に移行前と同様のディスクにアクセスが可能となる。
本発明の計算機システムの構成を示す図 LPAR移行処理と移行先でディスクアクセスを実現する方法を示したフローチャートの前半 LPAR移行処理と移行先でディスクアクセスを実現する方法を示したフローチャートの後半 移行元、移行先LPARに割り当てられたFC−HBAとLU134の接続状態を示す図 物理的にはログアウトしているFC−HBA117とLU134のパスを用いて、移行元のOSがLU134に書き込もうとしてきた際の動き 物理的にログアウトしているFC−HBA117とLU134のパスを用いて、移行元のOSがLU134の内容を読もうとしてきた際の動き 移行元LPAR112のドライバ121が、FC−HBA117とDisk134とのデータ転送時にメモリ上に設定する情報 FC−HBA217のファームウェアが移行先LPAR212のドライバ221に対してデータ転送後に返す応答 移行先ハイパーバイザ214がFC−HBA217のファームウェアにログイン要求するフローチャート FC−HBAファームウェアへの要求領域に書き込む内容 FC−HBAファームウェアへの応答領域に書き込まれる内容 計算機の構成を示す図
以下、本発明を適用した実施形態について図面を参照して説明する。
図1を用いて、実施例1の仮想計算機システムの構成について説明する。
サーバモジュール111及び211は、基本的に同じ構成を有し、それぞれ冗長化したFC−HBA118、119(218、219)及びNICを持っている。ハイパーバイザ114(214)は、物理的に1台のサーバを、論理的に複数のサーバに見せる仮想化機構である。サーバモジュール111及び211には、一つのハイパーバイザ上に、LPAR112(212)とShadow LPAR113(213)が構築され、動作している。Shadow LPARは、ユーザに見せないハイパーバイザ専用のLPARであり、Shadow LPARを通じてハイパーバイザはShadow LPARが備えている機能を間接的に取り込むことができる。
FC−HBA118、119(218、219)は、通信を行うためにそのHBAアドレスとしてFCポート一つに対して一つのWWNを持つ。LPAR112(212)にも、論理的なHBAが二つ(116、117(216、217))あり、VfcWWN1、VfcWWN2(VfcWWN3、VfcWWN4)のような固有のWWNが付与される。
ストレージ装置133は、論理的に規定されたLU(論理ユニット)と呼ばれるDiskユニット134を持っている。Diskユニット134がどのサーバに接続されているかを表す接続情報は、ストレージ装置133内のコントローラによって管理されている。すなわち、LU134は、VfcWWN1のWWNを持つサーバ112に、接続されている。この接続関係を設定する機能を、LUNセキュリティ設定機能と呼ぶ。
LPAR112上では、LU134とFC−HBA116とのパス(リンク1)、LU134とFC−HBA117とのパス(リンク2)、これら2本のパスを制御するマルチパス制御部120が、動作している。マルチパス制御部120の制御により、2本のパスのうち、どちらかのパスが使用され、FC−HBAドライバ121とFC−HBAのファームウェアとやり取りを行うことによりディスクアクセスが行われる。なお、マルチパス制御部120は、たとえばマルチパス制御ソフトウエアにより実現されるが、これに限定されるものではない。
本実施例のマルチパス制御部120は、OSにマルチパス制御ソフトウェアを組み込むことにより実現する。したがって、LPAR112がLPAR212に移行する際に、マルチパス制御部120もまた移動する。この移行後のマルチパス制御部をマルチパス制御部220とする。同様にFC−HBAドライバ121もまた、OSに組み込まれているため、LPAR112がLPAR212に移行する際に移動する。移行後のFC−HBAドライバをドライバ221とする。
マルチパス制御部120は、定期的にパスの状態(接続状態)を監視している。また、マルチパス制御部120は、監視間隔を設定できる。また、マルチパス制御部120は、パスの状態がLU134にアクセスができない使用不可能状態(Offlineと呼ぶことにする)から回復した際に、ユーザの介入なしに、パスの状態が再びLU134にアクセスができる使用可能状態(onlineと呼ぶことにする)にする設定を、行うことが可能である。この設定を、自動フェイルバック設定という。実施例1では、このパスの監視間隔を数秒にする設定と、自動フェイルバック設定を必要とする。
次に、本発明を適用した仮想計算機システムでHBAの冗長化構成をとっている理由について説明する。
LPARを移行させる際には、移行元と移行先でWWNの引継ぎを行っているため、移行元の移行前のWWNと移行先の移行後のWWNとは同一となる。
さて、LPARが稼動した状態で移行した場合、移行先のOSは、LPARが移行したことに気づいていないため、移行先LPARでOSが動作した直後にディスクアクセスする可能性がある。
移行後直ちに、移行先のOSがディスクアクセスできるように、移行先では、OSが動作する前に、FCとLU134とのパスを物理的に確保するためログインしている必要がある。一方、移行元でも、移行直前までディスクアクセスされる可能性があるため、ログインしている必要がある。ところが、移行元と移行先とで、同じWWNで同一のディスクに対してログインすることは、不可能である。また、FCのログインには時間がかかる。
そこで、本発明を適用した仮想計算機システムでは、HBAの冗長化構成を取る。まず、移行元は、移行前に冗長化されているFC−HBAの一方をログアウトしておく。そして、ログアウトにより空いた移行元のFC−HBAのWWNを用いて、移行先でOSが動作するより前に、ログイン処理を行うようにした。これにより、LPAR移行直前まで移行元LPAR112上のOSがLU134にアクセス可能で、かつLPAR移行直後に移行先LPAR212上のOSがLU134に可能となるようにした。
次に図12において、本発明で重要な役割を果たすハイパーバイザ114、214の構成について説明する。図12は、ハイパーバイザ114(214)上にLPAR112(212)とShadow LPAR113(213)が構築された状態の構成図を表している。
ハイパーバイザ114(214)は、論理CPUやメモリ、論理FC−HBA、論理NICなどのLPARに割り当てられた論理資源(1202)と、LPARに割り当てられたWWN(VfcWWN)やLPAR Activate時に起動するOS(1206)の順序等のLPARに関連した構成情報(1203)を管理するLPAR管理(1201)、論理BIOSや論理EFIなどの論理ファームウェア(1204)と論理CPUのプログラム(プロセス)やハイパーバイザ内の制御プロセスの中から優先度の高いプロセスを選び出し、切り替えを行うスケジューラ(1205)を有する。本実施例では、LPAR管理によって制御される論理CPUやメモリ、論理FC−HBAなどの論理資源(1202)の状態に関する情報を、デバイス・メモリ情報と呼ぶことにする。
以下図2、図3を参照して、LPAR112を稼働した状態で移行先に動作を引き継がせる処理全体において、どのようにしてFCのログイン処理を移行先でOSが動作する前に予め行っておき、OS動作後直ちにLU134にアクセスを可能とするのかについて、概要を説明する。
(S201)User Interface101を通じて、Migration Management Server(MMS)(102)から移行元及び移行先のShadow LPAR(113、213)にマイグレーション開始要求が来る。
(S202、S203)移行元及び移行先のShadow LPAR(113、213)が移行元及び移行先のハイパーバイザ(114、214)に対し、WWNの取得要求を出す。
(S204、S205)すると、ハイパーバイザ(114、214)は、移行元/移行先のWWNを応答として返す。
(S206)移行元Shadow LPARは移行元LPAR112に割り当てられているWWN(VfcWWN1、VfcWWN2)を取得する。
(S207)移行先Shadow LPARは移行先LPAR212に割り当てられているWWN(VfcWWN3、VfcWWN4)を取得する。
(S208)移行元のShadow LPAR113が、移行先のShadow LPAR213に移行先のWWN取得要求を出す。
(S209)すると、移行先のShadow LPAR213は、移行元のShadow LPAR113に、移行先のWWNを応答として返す。
(S210)移行元Shadow LPAR113は、移行先Shadow LPAR213からWWN(VfcWWN3、VfcWWN4)を取得する。
(S211)同様にして、移行先のShadow LPAR213が、移行元のShadow LPAR113にWWN取得要求を出す。
(S212)すると、移行元のShadow LPAR113は、移行先のShadow LPAR213に対し、移行元のWWNを転送する。
(S213)移行元Shadow LPAR113から移行元のWWN(VfcWWN1、VfcWWN2)を受け取った移行先Shadow LPAR213は、移行先のハイパーバイザ214に対してWWNの変更要求を行う。
(S214)次に、WWNの変更要求を受けたハイパーバイザ214は、LPAR213に割りあてられるWWNを移行先で割り当てられていたWWN(VfcWWN3、VfcWWN4)から、移行元で割り当てられていたWWN(VfcWWN1、VfcWWN2)に、変更する。
(S215)移行元Shadow LPAR113は、移行元のWWNを転送する(S212)と、移行先で仮Activateを行うまでに取得しておく必要がある構成情報(1203)の取得要求を、ハイパーバイザ114に出す。
(S216)移行元のハイパーバイザ114は、構成情報(1203)を取得する。
(S217)次に、構成情報を受け取った移行元Shadow LPAR113は、移行先Shadow LPAR213に、構成情報(1203)を転送する。
(S218)これを受け取った移行先Shadow LPAR213は、移行先ハイパーバイザ214に、構成情報(1203)の反映を要求する。
(S219)要求を受けたハイパーバイザ214は、構成情報(1203)を、ハイパーバイザ214に反映させる。
(S220)移行元Shadow LPAR113は、構成情報(1203)を転送後、移行先Shadow LPAR213に対し、論理デバイスを生成し、移行先LPAR212の論理CPUのリスタート要求がくるまで論理CPUをサスペンドさせておく仮Activate要求を、転送する。
(S221)仮Activate要求を受けたShadow LPAR213は、移行先のハイパーバイザ214に対し、仮Activate要求を行う。
(S222)仮Activate要求を受けたハイパーバイザ214は、移行先LPAR212の仮Activate処理を開始する。
(S223)移行先ハイパーバイザ214の仮Activate処理が完了すると、移行先LPAR212は仮Activate状態(論理CPUがリスタートを待ってサスペンドしている状態)となる。
(S224)仮Activate要求を転送した移行元Shadow LPAR113は、FC−HBA117のポートがログアウト(リンク2ログアウト)するように要求を出す。
(S225)FC−HBA117のログアウト要求を受けた移行元ハイパーバイザ114は、FC−HBA117のファームウェアに対し、リンク2ログアウト要求を出す。
(S226)FC−HBA117のファームウェアによりリンク2ログアウト処理が実行される。
(S227)ハイパーバイザ114からFC−HBA117のリンク2ログアウト要求の応答が返ってきたら、移行元Shadow LPAR113は、移行先のShadow LPAR213に、FC−HBA117のリンク2ログアウト完了報告を転送する。
(S228)FC−HBA117のログアウト完了報告を受けた移行先のShadow LPAR213は、移行先ハイパーバイザ214に対して、FC−HBA217のリンク2’ログイン要求を出す。
(S229)FC−HBA217のFCログイン要求を受けた移行先ハイパーバイザ214は、FC−HBA217のファームウェアに対してリンク2’ログイン処理要求を出す。
(S301)ログイン処理を受けたFC−HBA217のファームウェアは、FC−HBA217のリンク2’ログイン処理を実行する。
(S302)移行先でFC−HBA217のログイン処理の実行中、移行元Shadow LPAR(113)は、移行元のハイパーバイザ114に対し、LPAR112に割り当てられたデバイスの状態やメモリに関するデバイス・メモリ情報(1202)を取得するように要求する。
(S303)移行元のハイパーバイザ114は、デバイス・メモリ情報(1202)を取得する。
(S304)デバイス・メモリ情報(1202)を取得した移行元のShadow LPAR113は、移行先のShadow LPARに213に取得したデバイス・メモリ情報(1202)を転送する。
(S305)デバイス・メモリ情報(1202)を取得した移行先のShadow LPAR213は、ハイパーバイザ214にデバイス・メモリ情報(1202)の反映要求を行う。
(S306)反映要求を受けた移行先ハイパーバイザ214は、デバイス・メモリ情報(1202)の反映を行う。
(S307)デバイス・メモリ情報(1202)の反映後、FC−HBA217のファームウェアの応答が返っていない場合は、応答を待つ。そして、応答が返ってきた後、移行先ハイパーバイザ214は、FC−HBA217のリンク2’ログイン完了を移行先Shadow LPAR213に知らせる。
(S308)FC−HBA217のログイン完了を知った移行先Shadow LPAR213は、マルチパス制御部120に対して、移行元FC−HBA117とLU134とのパスをOnlineと認識させるため、移行元Shadow LPAR113にOnline要求を転送する。ただし、移行元FC−HBA117は、S226でリンク2ログアウトしており、物理的にはFC−HBA117とLU134とのパス(リンク2)は接続されていない。
(S309)移行先Shadow LPAR213から、FC−HBA117とLU134とのパスに関するOnline要求を受信した移行元Shadow LPAR113は、移行元ハイパーバイザ114に対し、FC−HBA117とLU134とのパスを、Onlineにするように要求する。これは、移行元のマルチパス制御部120が、移行先FC−HBA217に対応する移行元FC−HBA117とLU134とのパスがOnlineであることを認識していないと、マルチパス制御部120が移行されてなる移行先のマルチパス制御部220は、FC−HBA217とLUL134とのパスがOfflineであるとみなし、LU134に対してアクセスしてこないためである。
なお、マルチパス制御部120が移行されてなるマルチパス制御部220は、LPAR1がLPAR2へ移行する際に一緒に移行して、動作を継続する。マルチパス制御ソフトウェアはOSに組み込まれてディスクに存在し、メモリ上に展開される。このため、LPAR1のマルチパス制御部120は、メモリ転送が行われているS304や差分情報を転送しているS314の際に、LPAR2へ移動する。ただし、マルチパス制御部220が動き出すのは、移行先LPAR212の論理CPUがリスタートしてからとなる。
(S310)FC−HBA117とLU134とのパスに関するOnline要求を受けた移行元ハイパーバイザ114は、マルチパス制御部120がパスの監視を行いにきた際に、Online処理を行う。
(S311)S310のOnline処理後、FC−HBA117とLU134とのパスがOnlineとなる。(マルチパス制御部120は定期的にパスの状態を監視している。したがってOnline処理とは、この状態監視時に適切な応答を返す処理となる。)適切な応答が返った後に、マルチパス制御部120のフェイルバック機能により、FC−HBA117とLU134とのパスがOnlineとなる。ただし、移行元ではFC−HBA117は物理的にはログアウトしたままの状態である(同じWWNで、移行元と移行先が、両方ログインすることはできない)。
S310のOnline処理後、マルチパス制御部120からは、FC−HBA117とLU134とのパスがOnlineに見えるため、移行元がDeactivateするまでの間に、ディスクアクセスされる可能性がある。
このように、マルチパス制御部120の状態監視時に適切な応答返す処理、FC−HBA117とLU134とのパスのOnline後に、マルチパス制御部120がディスクアクセスしてきた際の処理については、図5、図6にて説明する。
(S312)移行元ハイパーバイザ114より、FC−HBA117とLU134とのパスに関するOnline要求の応答を受け取った移行元Shadow LPAR113は、移行元ハイパーバイザ114に対し、転送元のデバイス・メモリ情報1202の転送後に移行元LPARで変更が出てきた差分情報の取得要求を出す。
(S313〜S316)差分情報の取得要求を受けた移行元ハイパーバイザ114は、差分情報の量が一定以下になるまで、差分情報を取得する。差分情報を受け取った移行元Shadow LPAR113は、移行先Shadow LPAR213に転送する。差分情報を受け取った移行先Shadow LPAR213は、移行先ハイパーバイザ214に対し、差分情報の反映要求を行う。
移行先Shadow LPAR213から差分情報の反映要求を受けた移行先ハイパーバイザ114は、差分情報の反映を行う。移行元ハイパーバイザ114は、差分情報量が一定以下になったら移行元LPAR112に割り当てられた論理CPUをストップさせ、残りの差分情報を取得する。残りの差分情報を取得した移行元Shadow LPAR113は、取得した情報を移行先Shadow LPAR213に転送する。移行先ハイパーバイザ214は、残りの差分情報を反映させる。
なお、移行元LPAR112に割り当てられた論理CPUのストップの直前から、LU134とFC−HBA116とのパスを使用してきたディスクアクセス及び定期監視に対しては、LU134とFC−HBA116とのパスがOfflineであるとの応答を返し、マルチパス制御部120に対してはofflineと認識させる。
LU134とFC−HBA116とのパスをOfflineと認識させるには、例えばMMIOに値をセットし、ドライバに対し、割り込みをあげることにより、ドライバにOfflineであるとの応答を返してもらうことができる。
(S317)移行先ハイパーバイザ214から差分情報の反映完了通知を受けた移行先Shadow LPAR213は、移行先ハイパーバイザ214に対し、サスペンドさせておいた論理CPUをリスタートさせるように、移行先LPARのリスタート要求を出す。
(S318)リスタート要求を受けた移行先のハイパーバイザ214は、移行先LPAR212をリスタートさせる。
(S319)移行先LPAR212は、論理CPUがリスタートし、OSの動作を再開させる。
(S320)差分情報の転送後、移行元Shadow LPAR113は、FC−HBA116のポートがリンク1ログアウトするように要求を出す。
(S321)ログアウト要求を受けた移行元ハイパーバイザ114は、FC−HBA116のファームウェアに対し、リンク1ログアウト要求を出す。
(S322)ログアウト要求を受けたFC−HBA116のファームウェアは、リンク1ログアウト処理を実行する。
(S323)ハイパーバイザ114からログアウト要求の応答が返ってきたら、移行元Shadow LPAR113は、移行先のShadow LPAR213に、FC−HBA116のリンク1ログアウト完了報告を転送する。
(S324)FC−HBA116のログアウト完了報告を受けた移行先のShadow LPAR213は、移行先ハイパーバイザ214に対してFC−HBA216のリンク1’ログイン要求を出す。
(S325)FCログイン要求を受けた移行先ハイパーバイザ214は、FC−HBA216のファームウェアに対して、FC−HBA216のリンク1’ログイン処理要求を出す。
(S326)ログイン処理要求を受けたFC−HBA216のファームウェアは、リンク1’ログイン処理を実行する。マルチパス制御部220による定期監視とフェイルバックにより、ログイン完了後は、自動的にLU134とFC−HBA216とのパス(リンク1’)が、Online状態となる。
(S327)ログアウト完了報告後、移行元のShadow LPAR113は、移行元のハイパーバイザ114に、LPAR112のDeactivate要求を出す。
(S328)Deactivate要求を受けたハイパーバイザ114は、LPAR112をDeactivateさせる。
(S329)LPAR112は、Deactivateされる。
(S330)S325のログイン要求後、移行先Shadow LPAR213は、構成情報を保存し、保存完了後、転送元Shadow LPAR113に対して構成情報保存完了報告を行う。
(S331)移行先の構成情報保存完了報告を受けた移行元のShadow LPAR113は、ハイパーバイザ114に対して、移行元のWWNの変更要求を出す。
(S332)要求を受けたハイパーバイザ114は、移行元LPAR113に割り当てられるWWNを、元々移行先で割り当てられていたWWN(VfcWWN3、VfcWWN4)に変更する。
(S333)WWNの変更後、移行元のShadow LPARは、ハイパーバイザ114に対して、LPAR112のLPAR定義取り消し要求を出す。
(S334)要求を受けたハイパーバイザ114は、LPAR112の定義を取り消す。
(S335)LPAR112のLPAR定義が取り消されたことを知った移行元Shadow LPAR113は、移行先のShadow LPAR213に対して、LPAR定義取り消し完了報告を転送する。
(S336)LPAR定義取り完了報告を受けた移行先Shadow LPAR213は、転送元Shadow LPAR113に対し、LPAR定義取り消し完了報告を受信したことを知らせる。
(S337)移行先Shadow LPARからのLPAR定義取り消し完了報告を受信したことを知らされた移行元Shadow LPAR113は、構成情報を保存し、保存完了後に転送先Shadow LPAR213に対して、構成情報保存完了報告を転送する。
(S338)移行元Shadow LPAR113から構成情報保存完了報告を受けた移行先Shadow LPAR213は、転送元Shadow LPAR113に対し、構成情報保存完了報告を受信したことを知らせる。
(S339)移行元Shadow LPAR113に構成情報保存完了報告を受けたこと知らせたShadow LPAR213は、MMS102に対してMigration完了報告を行う。
(S340)移行先Shadow LPAR213が構成情報保存完了報告を受信したことを知った、移行元Shadow LPAR113は、MMS102に対してMigration完了報告を行う。
(S341)移行元および移行先のShdow LPARからMigration完了報告を受けたMMSは、Migrationを完了させる。
図4において、移行元LPAR112に接続されたFC−HBA116、FC−HBA117と、移行先LPAR212に接続されたFC−HBA216、FC−HBA217とLU134との物理的な接続(図4中の「物理」)及びマルチパス制御部120及び220から見えるパスの接続状態(図4中の「マルチパス制御部上」)の移り変わりを説明する。
T0(S201〜S224)は、初期状態である。初期状態では移行元のFC−HBA116、117にLU134が接続された状態である。
T1(S225〜S301の処理が終わるまで)は、移行開始後にFC−HBA117のファームウェアがログアウト処理を行い(S226)、移行先でログイン処理が終わるまでの期間であり、この時は移行元のFC−HBA116のみがLU134に接続された状態となる。
T2(S301の処理完了後〜S309)は、移行先でログイン処理が完了した後から、移行元ハイパーバイザ114がOnline処理を行う(S310)の前までの期間であり、この時は、移行元のFC−HBA116と移行先のFC−HBA217とが、LU134に接続された状態となる。ただし、移行先では論理CPUが動いていないため、マルチパス制御部120は動かないので、マルチパス制御部120上は×と記載した。
T3(S310〜S312)は、移行元ハイパーバイザ114が、LU134とFC−HBA117とのパスのOnline処理をしてから移行元の論理CPUをSTOPさせる直前に、LU134とFC−HBA116とのパス及びLU134とFC−HBA117とのパスに対して、Offline処理をするまでの期間である。移行後にLPAR212のマルチパス制御部220がFC−HBA217とLU134とのパスを使用してくるように、移行前にFC−HBA117とLU134とのパスがOnlineであるかのように見せる。ただし、物理的にはログアウトした状態である。T2の状態から、マルチパス制御部120上から見えるFC−HBA117とLU134とのパスの状態が、Onlineに変化している。
T4(S313〜S318)は、論理CPUをSTOPさせる直前に、LU134とFC−HBA116とのパスに対して、Offline処理をしてから移行先のLPARをリスタートとさせるまでの、期間である。T3の状態から、マルチパス制御部120上から見えるFC−HBA116とLU134とのパスの状態が、Offlineに変化している。
T5(S319〜S322)は、移行先LPAR212のリスタート後から、移行元のFC−HBA116のファームウェアがログアウト処理を行うまでの期間である。T4の状態から、移行先のマルチパス制御部220上から見えるFC−HBA217とLU134とのパスの状態が、Onlineに変化している。なお、LPAR1のマルチパス制御部120は移行されて、LPAR212のマルチパス制御部220となったので、移行元の「マルチパス制御部上」はT5以降×とした。
T6(S323〜S326の処理が完了するまで)は、移行元のFC−HBA116のファームウェアがログアウト処理を行った後、移行先でFC−HBA216のファームウェアがログイン処理を実行し、ログインを完了するまでの期間である。T5の状態から、移行元のFC−HBA116とLU134との物理的な接続が、Logoutに変化している。
T7(S326処理完了後)は、移行先のマルチパス制御部220の、フィエイルバック処理が行われるまでの期間である。T5の状態から、移行元のFC−HBA216とLU134との物理的な接続が変化し、FC−HBA216がログインしている。
T8は、移行先のマルチパス制御部220の、フィエイルバック処理後の期間である。移行先のFC−HBA216とLU134とのパスに関し、マルチパス制御部220の認識が、T7の状態からOnlineの状態に変化している。
図5において、図3のS310のOnline処理完了後に、OSがLU134に書き込もうとしてきた際の動きについて説明する。なお、図5、図6の「Src」は転送元、「Dst」は転送先を意味する。また、FWは、FC−HBAのファームウェアを意味する。また、ドライバはFC−HBAドライバであり、Hyperはハイパーバイザであり、ShadowはShadow LPARである。
(S501)移行元LPAR112のドライバ121は、FC−HBA117がDisk133とやりとりする際に必要な情報(アドレスやバイト数など。どのような情報が含まれるのかについては図7を参照。)や、そこへアクセスするためのアドレス、Writeするデータをメモリ上にセットし、FC−HBA117のファームウェアに対し、レジスタに値を書き込むことにより起動要求を出す。
(S502)FC−HBA117のファームウェアへの起動要求コマンドをトラップした移行元ハイパーバイザ114は、ドライバがメモリ上にセットした情報を、移行元Shadow LPAR113に渡す。
(S503)移行元Shadow LPAR113は、受け取った情報を、移行先Shadow LPAR213に転送する。
(S504)転送元Shadow LPARから情報を受け取ったShadow LPARは、移行先ハイパーバイザに対し、DMA(Direct Memory Access)要求を出す。
(S505)DMA要求を受けた移行先ハイパーバイザ214は、Shadow LPAR受け取った情報から図7の情報へアクセスするアドレスを調べ、図7の情報から書き込むデータのアドレスや読み込み/書き込みを調べた後、図7の情報やそのアドレス、書き込みデータを調べたメモリの位置にセットし、移行先FC−HBA217のファームウェアに対してレジスタに値を書き込むことにより起動要求を出す。
(S506)起動要求を受けた移行先FC−HBA217のファームウェアは、図7の情報を元にDisk133に対し、コマンドを投げる。
(S507)コマンドを受けたDisk133は、準備完了したことを伝える応答を、移行先FC−HBA217のファームウェアに返す。
(S508)この応答後移行元から転送されてきたデータが、Disk133のLU134に、書き込まれる。
(S509)LU134への書き込み完了後、Disk133から移行先FC−HBA217のファームウェアに対して、応答が返ってくる。
(S510)応答を受け取った移行先FC−HBA217のファームウェアは、移行先LPAR212のドライバ221に対して、応答を返す。
(S511)応答をトラップした移行先ハイパーバイザ214は、この応答及び応答のアドレスを、移行先Shadow LPAR213に渡す。
(S512)応答を受け取った移行先Shadow LPAR213は、応答及び応答のアドレスを、移行元Shadow LPAR113に転送する。
(S513)移行先からデータを受け取った移行元Shdow LPAR113は、移行元ハイパーバイザ114に対し、応答セット要求を出す。
(S514)要求を受けた移行元ハイパーバイザ114は、応答を指定されたアドレスにセットし、移行元ドライバ121に応答を通知する割り込みを上げる。S313で移行元FC−HBA117とLU134とのパスがonlineになってから、FC−HBA117とLU134とのパスを用いたディスクアクセスが続く間、書き込み要求の度に図5の処理が繰り返される。
図6において、図3のS310のFC−HBA117とLU134とのパスに関するOnline処理完了後に、OSがLU134の情報の読み込みを行ってきた際の動きについて説明する。
(S601)移行元LPAR112のドライバ121は、FC−HBA117がDisk133とやりとりする際に必要な情報(アドレスやバイト数など。どのような情報が含まれるのかについては図7を参照。)やそこへアクセスするためのアドレスをメモリ上にセットし、FC−HBA117のファームウェアに対し、レジスタに値を書き込むことにより起動要求を出す。
(S602)起動をトラップした移行元ハイパーバイザ114は、ドライバがメモリ上にセットした情報を移行元Shadow LPAR113に渡す。
(S603)移行元Shadow LPAR113は、受け取った情報を移行先Shadow LPAR213に転送する。
(S604)転送元Shadow LPARから情報を受け取ったShadow LPARは、移行先ハイパーバイザに対し、DMA要求を出す。
(S605)DMA要求を受けた移行先ハイパーバイザ214は、Shadow LPAR受け取った情報から図7の情報へアクセスするアドレスを調べ、図7の情報から読み込むデータのアドレスや読み込み/書き込みを調べた後、図7の情報やそのアドレスを調べたメモリの位置にセットし、FC−HBA217のファームウェアに対してレジスタに値を書き込むことにより起動要求を出す。
(S606)起動をかけられた移行先FC−HBA217のファームウェアは、図7の情報を元にDisk133に対し、コマンドを投げる。
(S607)LU134の情報が、図7で指定されたメモリ上にストアされる。
(S608)メモリへのストア完了後、Disk133から移行先FC−HBA217のファームウェアに対して、応答が返ってくる。
(S609)応答を受け取った移行先FC−HBA217のファームウェアは、移行先LPAR212のドライバ221に対して、応答を返す。
(S610)応答をトラップした移行先ハイパーバイザ214は、この応答及び応答のアドレス、読み込みデータを、移行先Shadow LPAR213に渡す。
(S611)読み込みデータ、応答そのアドレスを受け取った移行先Shadow LPAR213は、読み込みデータ、応答及び応答のアドレスを移行元Shadow LPAR113に、転送する。
(S612)移行先からデータを受け取った移行元Shdow LPAR113は、移行元ハイパーバイザ114に対し、読み込みデータセット要求を出す。
(S613)要求を受けた移行元ハイパーバイザ114は、読み込みデータ及び応答を指定されたアドレスにセットし、移行元のドライバ121に応答を通知する割り込みを上げる。S313で移行元FC−HBA117とLU134とのパスがonlineになってから、FC−HBA117とLU134とのパスを用いたディスクアクセスが続く間、読み込み要求の度に図6の処理が繰り返される。
図7において、移行元LPAR112のドライバ112が、FC−HBA117とDisk133がやりとりするようにメモリ上に設定する情報の内容を、説明する。
移行元LPAR112のドライバ112は、LU134に書き込み又は読み込みする際に、送信先のファイバチャネルのポートアドレス、LU番号、Diskへのコマンド、データ転送が行われるメモリアドレス、データ長、データの転送方向(Write/Read)等の情報を、メモリ上のアドレスで指定した領域に書き込む。
図8において、FC−HBA217のファームウェアが移行先LPAR112のOSドライバに対して転送後に返す応答の内容について、説明する。
FC−HBA117のファームウェアは、転送後、正常終了や異常検出のような状態情報、障害要因を示すエラー情報、障害要因の詳細を示すエラーコード等を、メモリ上のアドレスで指定した領域に、応答として返す。
図9において、移行先ハイパーバイザ214が、FC−HBA217のファームウェアにログイン要求する際の詳細な流れを示す。なお、図9は、図2のS229、図3のS301の処理を詳細に説明したものである。
(S901)移行先ハイパーバイザ214は、メモリ上にあるLPAR212のドライバ221とFC−HBA217のファームウェアとのWWNを通信する領域に、VfcWWN2をセットする。
(S902)移行先ハイパーバイザ214は、LPAR212のOSドライバからの要求をFC−HBA217のファームウェアにセットするメモリ上の領域に、FCスイッチ132へのログイン要求をセットする。
(S903)移行先ハイパーバイザ214は、定められたFCのMMIO(Memory Mapped Input/Output)領域に、ハイパーバイザ214が値を書き込むことで、FCスイッチ132へのログイン要求をFC−HBA217のファームウェアに知らせる。
(S904)要求を受けたFC−HBA217のファームウェアは、スイッチログインを実行する。
(S905)FC−HBA217のファームウェアは、スイッチログイン完了後、応答をメモリ上の応答領域にセットし、(S906)スイッチログインが完了したことを知らせる割り込みを発生させる。
(S907)割り込みにより完了を知った移行先ハイパーバイザ214は、FC−HBA217のファームウェアからの応答を調べ、エラー等が起こっていないことを確認する。
(S908)その後、移行先ハイパーバイザ214は、FCスイッチ132の先に接続されたLU134へのログインを行える状態になるのを待ち、FCスイッチ132への問い合わせ要求を前記FC−HBA217のファームウェアへの要求領域にセットする。
(S909)移行先ハイパーバイザ214は、MMIO領域の定められた領域に書き込むことで、問い合わせ要求をFC−HBA217のファームウェアに知らせる。
(S910)要求を受けたFC−HBA217のファームウェアは、スイッチ132への問い合わせ完了後、(S911)前記応答領域に応答をセットし、(S912)問い合わせが完了したことを知らせる割り込みを、発生させる。
(S913)割り込みにより完了を知ったハイパーバイザ214は、FC−HBA217のファームウェアからの応答を調べ、エラー等が起こっていないことを確認する。
(S914)移行先ハイパーバイザ214は、FCスイッチ132の先に接続されたLU134(ログインするターゲット)へのログインを行うためのターゲットログイン要求を、前記FC−HBA217のファームウェアへの要求領域にセットした後、(S915)MMIOの定められた領域に書き込むことでターゲットログイン要求をFC−HBA217に知らせる。
(S916)要求を受けたFC−HBA217のファームウェアはターゲットログイン処理完了後、(S917)前記応答領域に応答をセットし、(S918)ターゲットログインが完了したことを知らせる割り込みを発生させる。
(S919)割り込みにより完了を知ったハイパーバイザ214は、FC−HBA217のファームウェアからの応答を調べ、エラー等が起こっていないことを確認する。
図10において、前記ファームウェアへの要求領域に書き込む内容について説明する。該要求領域は、コマンド・サブコマンドにより、前記スイッチログイン要求及びスイッチ問い合わせ要求、ターゲットログイン要求を判断する。要求領域のその他の箇所は、各要求に必要な情報を、設定する。
図11において、前記ファームウェアへの応答領域に書き込む内容について、説明する。該応答領域はエラー情報、エラー番号、リトライ要求回数、前記コマンド、サブコマンドからなり、残りの箇所は前記コマンド、サブコマンド固有の情報が入る。
101・・・User Interface(UI)
102・・・Migration Mangement Server(MMS)
111、211・・・サーバモジュール
114、214・・・ハイパーバイザ
112、212・・・LPAR
113、213・・・Shadow LPAR
118、119、218、219・・・FC−HBA
116、117、216、217・・・論理FC−HBA
131、132・・・FC−Switch
133・・・ストレージ装置
134・・・LU

Claims (11)

  1. 論理ユニットを有する記憶装置と、複数の物理計算機と、前記物理計算機上でハイパーバイザの制御により動作する複数のLPARとを備える仮想計算機システムにおいて、
    前記仮想計算機システムは、
    第一のハイパーバイザの制御により動作する第一のLPAR及び第一のShadow LPARを有する第一の物理計算機と、
    第二のハイパーバイザの制御により動作する第二のLPAR及び第二のShadow LPARを有する第二の物理計算機とを備え、
    第一のパス制御部を有する前記第一のLPARを、前記第二の物理計算機に移行して、前記第二の物理計算機上で、第二のパス制御部を有する第二のLPARとして動作させるに際し、
    前記第一のShadow LPARは、前記第一のLPARが有する第一の論理HBAに識別子として割り当てられた第一のWWN及び前記第一のLPARが有する第二の論理HBAに識別子として割り当てられた第二のWWNを、前記第二のShadow LPARに転送し、
    前記第二のハイパーバイザは、前記第二のLPARが有する第三の論理HBAに識別子として割り当てられた第三のWWNを前記転送された第一のWWNに変更し、前記第二のLPARが有する第四の論理HBAに識別子として割り当てられた第四のWWNを前記転送された第二のWWNに変更し、
    前記第一のハイパーバイザは、前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログアウトさせ、前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオフラインとし、
    前記第二のハイパーバイザは、前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログインさせ、
    前記第一のShadow LPARは、前記第一のLPARの論理資源情報を、前記第二のShadow LPARへ転送し、
    前記第二のハイパーバイザは、転送された前記第一のLPARの論理資源情報を、前記第二のLPARに反映し、
    前記第一のハイパーバイザは、前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続の完了通知を受けて、前記第二のWWNを転送した前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインとし、
    前記第一のパス制御部は、前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインと認識し、
    前記第一のShadow LPARは、前記第一のLPARの論理資源情報の差分情報を、前記第二のShadow LPARへ転送し、
    前記第二のハイパーバイザは、転送された前記第一のLPARの論理資源情報の差分情報を、前記第二のLPARに反映し、
    前記第一のハイパーバイザは、前記第一の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオフラインとし、
    前記第二のハイパーバイザは、前記反映の完了通知を受けると、前記移行した前記第二のLPARの動作を開始させ、
    前記第二のLPARの動作開始により、前記第一のパス制御部は動作を停止し、
    前記第二のパス制御部は、前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインと認識し、
    前記第一のハイパーバイザは、前記第一の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログアウトさせることを特徴とする仮想計算機システム。
  2. 前記第一のハイパーバイザが、前記第一の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログアウトした後に、
    前記第二のハイパーバイザは、前記第三の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログインさせ、
    前記第二のパス制御部は、前記第三の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインと認識することを特徴とする請求項1記載の仮想計算機システム。
  3. OSが稼動した状態の前記第一のLPARの構成情報を前記第二の物理計算機に転送することにより、前記第一のLPARを前記第二の物理計算機に移行して、前記第二の物理計算機上で第二のLPARとして動作させることを特徴とする請求項1記載の仮想計算機システム。
  4. 前記第一のパス制御部は、前記論理ユニットと接続された前記第一の論理HBAのパス及び前記論理ユニットと接続された前記第二の論理HBAのパスのうち何れか一方を選択し、
    前記第二のパス制御部は、前記論理ユニットと接続された前記第三の論理HBAのパス及び前記論理ユニットと接続された前記第四の論理HBAのパスのうち何れか一方を選択し、
    前記第一のパス制御部は、論理資源の転送により、前記第二のLPARに移行して、移行先LPARの論理CPUがスタートした後に第二のパス制御部として動作することを特徴とする請求項1記載の仮想計算機システム。
  5. 前記第一のShadow LPARは、前記第一のLPARの移行時に前記第一のLPARの固有情報を送信し、
    前記第二のShadow LPARは、前記第一のLPARの移行時に前記第一のLPARの固有情報を受信することを特徴とする請求項1記載の仮想計算機システム。
  6. 前記第一のLPAR及び前記第二のLPARは、前記HBAと論理ユニットとの接続をログインさせるHBAドライバを有することを特徴とする請求項1記載の仮想計算機システム。
  7. 前記第2の物理計算機のFC−HBAのファームウェアにログイン要求を行う手段として該ファームウェアとドライバ間のインターフェイスを利用し、該ファームウェアとドライバとのメモリ上の通信領域にWWNを設定し、該ファームウェアに対するログインの契機となる書き込みをMMIO領域に行い、該ファームウェアとの通信領域を通じて前記FC−HBAが接続されるFC−SwitchへのログインおよびFC−Switchの先につながったディスクへのログイン処理を行うことを特徴とする請求項1記載の仮想計算機システム。
  8. 前記第一のハイパーバイザは、前記第一のLPARの論理資源情報及びその差分情報を、前記第二のハイパーバイザへ転送し、
    前記第二のハイパーバイザは、転送された前記第一のLPARの論理資源情報及びその差分情報を、前記第二のLPARに反映することを特徴とする請求項1記載の仮想計算機システム。
  9. 前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続がログインされ、且つ前記第二のWWNを転送した前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態がオンラインであって、稼動している前記OSが前記論理ユニットに書き込みをする場合、
    前記第一のハイパーバイザは、
    前記第一の物理計算機が有するFC−HBAのファームウエアに対する、前記第一のLPARのドライバからの起動要求コマンドをトラップし、
    前記第一のShadow LPARは、
    前記ドライバがセットした情報を前記第二のSHADOW LPARに転送し、
    前記第二のハイパーバイザは、前記転送された情報に基づいて、前記第二の物理計算機が有するFC−HBAのファームウエアに対して起動要求コマンドを送信し、
    前記第二の物理計算機が有するFC−HBAのファームウエアは、
    前記転送された情報に基づいて、前記論理ユニットに書き込みを行い、
    前記書き込み後の情報を前記第二のハイパーバイザに転送し、
    前記第二のShadow LPARは、前記転送された書き込み後の情報を、前記第一のShadow LPARに転送し、
    前記第一のハイパーバイザは、
    前記転送された書き込み後の情報に基づき、前記書き込みに対するFC−HBAファームウェアからの応答を指定されたメモリ上にセットし、
    前記セットしたことを前記第一のLPARのドライバに送信することを特徴とする請求項3記載の仮想計算機システム。
  10. 前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続がログインされ、且つ前記第二のWWNを転送した前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態がオンラインであって、稼動している前記OSが前記論理ユニットから読み出しをする場合、
    前記第一のハイパーバイザは、
    前記第一の物理計算機が有するFC−HBAのファームウエアに対する、前記第一のLPARのドライバからの起動要求コマンドをトラップし、
    前記第一のShadow LPARは、
    前記ドライバがセットした情報を前記第二のハイパーバイザに転送し、
    前記第二のハイパーバイザは、前記転送された情報に基づいて、前記第二の物理計算機が有するFC−HBAのファームウエアに対して起動要求コマンドを送信し、
    前記第二の物理計算機が有するFC−HBAのファームウエアは、
    前記転送された情報に基づいて、前記論理ユニットから読み出しを行い、
    前記第二のShadow LPARは、前記読み出された情報を含む読み出し後の情報を、前記第一のShadow LPARに転送し、
    前記第一のハイパーバイザは、
    前記転送された読み出し後の情報に基づき、前記読み出し情報及び読み出し対するFC−HBAファームウェアからの応答を指定されたメモリ上にセットし、
    前記セットしたことを前記第一のLPARのドライバに送信することを特徴とする請求項3記載の仮想計算機システム。
  11. 論理ユニットを有する記憶装置と、複数の物理計算機と、前記物理計算機上でハイパーバイザの制御により動作する複数のLPARとを備える仮想計算機システムにおける仮想計算機の移行方法であって、
    前記仮想計算機システムは、
    第一のハイパーバイザの制御により動作する第一のLPAR及び第一のShadow LPARを有する第一の物理計算機と、
    第二のハイパーバイザの制御により動作する第二のLPAR及び第二のShadow LPARを有する第二の物理計算機とを備え、
    第一のパス制御部を有する前記第一のLPARを、前記第二の物理計算機に移行して、前記第二の物理計算機上で、第二のパス制御部を有する第二のLPARとして動作させるに際し、
    前記第一のShadow LPARは、前記第一のLPARが有する第一の論理HBAに識別子として割り当てられた第一のWWN及び前記第一のLPARが有する第二の論理HBAに識別子として割り当てられた第二のWWNを、前記第二のShadow LPARに転送し、
    前記第二のハイパーバイザは、前記第二のLPARが有する第三の論理HBAに識別子として割り当てられた第三のWWNを前記転送された第一のWWNに変更し、前記第二のLPARが有する第四の論理HBAに識別子として割り当てられた第四のWWNを前記転送された第二のWWNに変更し、
    前記第一のハイパーバイザは、前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログアウトさせ、前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオフラインとし、
    前記第二のハイパーバイザは、前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログインさせ、
    前記第一のShadow LPARは、前記第一のLPARの論理資源情報を、前記第二のShadow LPARへ転送し、
    前記第二のハイパーバイザは、転送された前記第一のLPARの論理資源情報を、前記第二のLPARに反映し、
    前記第一のハイパーバイザは、前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続の完了通知を受けて、前記第二のWWNを転送した前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインとし、
    前記第一のパス制御部は、前記第二の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインと認識し、
    前記第一のShadow LPARは、前記第一のLPARの論理資源情報の差分情報を、前記第二のShadow LPARへ転送し、
    前記第二のハイパーバイザは、転送された前記第一のLPARの論理資源情報の差分情報を、前記第二のLPARに反映し、
    前記第一のハイパーバイザは、前記第一の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオフラインとし、
    前記第二のハイパーバイザは、前記反映の完了通知を受けると、前記移行した前記第二のLPARの動作を開始させ、
    前記第二のLPARの動作開始により、前記第一のパス制御部は動作を停止し、
    前記第二のパス制御部は、前記第二のWWNを有する前記第四の論理HBAと前記論理ユニットとの接続状態をオンラインと認識し、
    前記第一のハイパーバイザは、前記第一の論理HBAと前記論理ユニットとの接続をログアウトさせることを特徴とする仮想計算機の移行方法。
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