JP5462809B2 - ポリオールの調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一塩基性無機酸の可溶性塩を含有し、後処理工程を経ずに得ることができるポリオールを提供する。特に記載のない限り、本明細書における「ポリオール」という用語は、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオールの両方を意味する。また、本発明は、後処理工程を必要としない、本発明によるポリオールの製造方法と、ポリウレタン材料を調製するための該ポリオールの使用法を提供する。
軟質フォーム若しくは硬質フォームなどのポリウレタン材料、またはエラストマー等の固体材料を調製するために適当なポリマーは、一般的には、多官能性の出発化合物(すなわち、複数のツェレヴィチノフ活性水素原子を含有する多感応性出発化合物)に適当なアルキレンオキシドを重合させることにより得ることができる。これらの重合反応をおこなうための多様な方法が古くから知られており、これらのうちの一部の方法は相互に補完して使用されている。
一方で、ツェレヴィチノフ活性水素原子を含有する出発化合物へのアルキレンオキシドの塩基触媒の存在下での付加反応は、工業的に極めて重要である。他方で、この反応を行うために、複重金属シアニド化合物(「DMC触媒」)を使用する方法がその重要性を増している。例えば、米国特許第5470813号明細書、欧州特許出願公開第700949号明細書、同第743093号明細書、同第761708号明細書、国際特許出願公開第97/40086号明細書、同第98/16310号明細書および同第00/47649号明細書に記載されている高活性DMC触媒を使用することにより、極めて低い触媒濃度(25ppm以下)でポリエーテルポリオールを調製できるので、最終生成物からもはや触媒を分離する必要がない。しかしながら、これらの触媒は、短鎖ポリオールの調製、またはエチレンオキシド高含有ポリオールの調製に適していない。また、アミノ基含有出発化合物に基づくポリエーテルも、DMC触媒を用いて得ることができない。一方、古くから既知である塩基触媒、例えばアルカリ金属水酸化物に基づく塩基触媒を使用することで、短鎖を有するポリオールおよび/またはエチレンオキシド高含有ポリオール、ならびにアミノ基を含有するポリオールを問題なく調製できるが、一般に、分離を目的とする後処理工程によって、アルカリ性の粗製ポリマーから該触媒を除去しなければならない。ルイス酸によって触媒される適当な出発化合物へのアルキレンオキシドの付加反応は、副生成物を生成するのであまり重要ではない。
ツェレヴィチノフ活性水素原子を含有する出発化合物への、アルキレンオキシド(例えばエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド等)の塩基触媒の存在下での付加は、上述のようにして、アルカリ金属水酸化物の存在下で行われるが、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、またはN,N-ジメチルベンジルアミン、イミダゾール若しくはイミダゾール誘導体などのアミンを使用することもできる。アルキレンオキシドを付加した後に、ポリエーテル鎖上の重合活性中心を不活性化しなければならない。この不活性化は、種々の方法が使用できる。例えば、希薄鉱酸(硫酸またはリン酸など)を使用して中和させてもよい。硫酸の第二解離段階の濃度は、活性アルコラート基の加水分解によって形成されたアルカリ金属水酸化物をプロトン化するのに充分であるので、使用する硫酸1モル当り2molのアルコラート基が中和される。これに対して、リン酸は、中和されるべきアルコラート基の量に対して、等モル量で使用しなければならない。中和の間および/または水の留去中に形成される塩を、濾過法により分離しなければならない。蒸留法および濾過法は、長時間と多大のエネルギー消費を必要とする。さらに、例えば、鎖中にC-2単位(エチレンオキシド)を有するポリオールの場合、該方法を容易に再現できない。このため、濾過工程を必要とすることなく、しかも多くの場合は蒸留工程も必要とすることなく行なえる多くの方法が開発されている。硬質フォームに使用する短鎖ポリオールを後処理するために、乳酸などのヒドロキシカルボン酸による中和処理方法が国際特許出願公開第98/20061号明細書および米国特許出願公開第2004−167316号明細書に記載されている。このような方法は広く知られており、充分に確立された方法である。米国特許第4521548号明細書には、ギ酸との反応による類似した方法において、どのようにして重合活性中心を不活性化させるかについて記載されている。ヒドロキシカルボン酸またはギ酸で中和させた後に生成する金属カルボン酸塩は、ポリエーテルポリオール中に溶解して、透明な溶液をもたらす。しかしながら、これらの方法の欠点は、生成物中に残存する相対的に塩基性を示すカルボン酸塩の触媒活性であり、該触媒活性は、ポリウレタンの多くの用途に対して望ましくない。このため、特開平10−30023号公報および米国特許第4110268号明細書においては、芳香族スルホン酸または有機スルホン酸が中和に使用されており、これらのスルホン酸は、ポリエーテルポリオールに溶解する塩を同様に形成するが、該塩は比較的弱い塩基性を示し、比較的低い触媒活性によって区別される。該方法における決定的な欠点はスルホンの使用に伴うコストが高くなることである。独国特許公開第10024313号明細書に記載されるような、酸性の陽イオン交換体を用いる後処理工程は、溶媒の使用と蒸留による該溶媒の除去を必要とするので、同様に高コストを伴う。相分離法は、単に加水分解工程を必要とするが中和工程を必要とせず、例えば、国際特許出願公開第01/14456号明細書、特開平6−157743号公報、国際特許出願公開第96/20972号明細書および米国特許第3823145号明細書に記載されている。アルカリ性水相からポリエーテルポリオールを相分離することは、コアレッサーまたは遠心分離機を補助的に使用して行われる。また、ポリエーテル相と水相の密度差を増加させるために、多くの場合、溶媒を添加しなければならない。このような方法は、全てのポリエーテルポリオールに適さない。特に、該方法は、短鎖ポリエーテルポリオールまたはエチレンオキシド高含有ポリエーテルポリオールを調製する場合に有用でない。ポリエーテルエステル鎖とアルカリ性水相とを長時間接触させることはエステル結合の不可逆的な加水分解を引き起こすので、このような相分離法によって、ポリエーテルエステルポリオールの後処理工程も同様に行うことができない。溶媒の使用は費用がかかり、また、遠心分離機はメンテナンスに関する高い費用を要する。
アミンを触媒とするアルキレンオキシド付加反応の場合、ポリオール中に存在するアミンがポリウレタン材料の調製を妨げないのであれば、更なる後処理工程を省略できる。アミンによる触媒反応を介した場合、比較的低い当量を有するポリオールのみが得られ、このことの詳細は、例えばイオネスキュー等による「ウレタン科学とウレタン技術の発展」、1998年、第14巻、第151頁〜第218頁に記載されている
米国特許第5470813号明細書 欧州特許出願公開第700949号明細書 欧州特許出願公開第743093号明細書 欧州特許出願公開第761708号明細書 国際特許出願公開第97/40086号明細書 国際特許出願公開第98/16310号明細書 国際特許出願公開第00/47649号明細書 国際特許出願公開第98/20061号明細書 米国特許出願公開第2004−167316号明細書 米国特許第4521548号明細書 特開平10−30023号公報 米国特許第4110268号明細書 独国特許公開第10024313号明細書 国際特許出願公開第01/14456号明細書 特開平6−157743号公報 国際特許出願公開第96/20972号明細書 米国特許第3823145号明細書
イオネスキュー等「ウレタン科学とウレタン技術の発展」、1998年、第14巻、第151頁〜第218頁
従って、本発明の目的は、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物触媒、カルボン酸塩触媒または水素化物触媒の存在下で調製されるエチレンオキシド含有ポリオールの後処理方法であって、先行技術による方法における前述の欠点を有さない安価な該後処理方法を見出すことである。
該目的は、1種または複数種の一塩基性無機酸を添加して、粗製アルキレンオキシド付加生成物のアルカリ性重合活性中心を中和させることによって達成できる。ポリオールの調製のために計量して使用されるアルキレンオキシド混合物は、少なくとも10wt%のエチレンオキシド、好ましくは少なくとも20wt%のエチレンオキシド、特に好ましくは50wt%より多いエチレンオキシドを含有する。驚くべきことに、更なる後処理工程を必要としないこの方法を使用することで、塩基含有量が少なくて、完全に透明な生成物を得ることができる。一塩基性無機酸の代わりに、触媒を中和させるために充分量のリン酸(1モル/塩基1モル)または硫酸(0.5モル/塩基1モル)を使用する場合、アルカリ含有量が高い混濁した生成物が得られる。該方法は、長鎖および短鎖ポリエーテルポリオール、即ち、最終生成物のOH価が約20mgKOH/g〜約900mgKOH/gの範囲を示すポリオールに適用できる。ポリエーテル鎖の構造、すなわち使用するアルキレンオキシドの組成を、ポリオールの調製工程において同様に変化させることができる。
本発明による方法の詳細については、以下に記載される。
一般的に、ツェレヴィチノフ活性水素原子を含有する出発化合物が、最初に反応器内へ導入され、次いで触媒、すなわちアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物もしくはアルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属カルボン酸塩もしくはアルカリ土類金属カルボン酸塩、またはアルカリ土類金属水酸化物が添加される。アルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化カリウムが特に好ましく使用される。触媒は、水溶液または固体物として出発化合物に添加できる。最終生成物の重量を基準とする触媒濃度は、0.004wt%〜0.2wt%、好ましくは0.004wt%〜0.07wt%である。溶液の水および/またはツェレヴィチノフ活性水素原子と触媒との反応中に遊離する水は、アルキレンオキシドの計量供給を開始する前に、高温(好ましくは、反応温度)で真空条件下において除去できる。
0.05当量%〜50当量%のアルコキシレートを含有すると共に、ツェレヴィチノフ活性水素原子を含有する出発化合物のアルキレンオキシド付加生成物(「高分子量アルコキシレート」)を予め調製し、これを塩基触媒として使用してもよい。該触媒のアルコキシレート含有量は、触媒のアルキレンオキシド付加生成物内に元々存在した全てのツェレヴィチノフ活性水素原子における、脱プロトン化によって塩基により除去されたツェレヴィチノフ活性水素原子の含有量を意味するものと理解される。もちろん、使用される高分子量アルコキシレートの量は、先に記載したように、最終生成物の量に対して調整される触媒濃度に基づく。
まず、出発化合物を反応器内に導入し、次いで、不活性ガス雰囲気下、80〜180℃(好ましくは100〜170℃)の温度で、アルキレンオキシドと反応させる。使用する反応器システムの安全限界圧を超えないようにして、アルキレンオキシドを常套法で反応器内へ連続的に供給する。このような反応は、通常、10mbar〜10barの圧力範囲でおこなわれる。通常、アルキレンオキシドの計量供給工程が終了した後に、残存するアルキレンオキシドを反応させる後反応工程が続く。この後反応工程は、反応容器中で更なる圧力降下が検出されなくなったときに終了する。続いて、アルカリ性アルキレンオキシド付加生成物を、まず、水で加水分解してもよい。しかしながら、本発明による方法を実施するためには、この加水分解工程は必須条件ではない。該工程で使用する水の量は、アルカリ性アルキレンオキシド付加生成物の重量に基づいて15wt%までである。次いで、必要に応じて加水分解される粗製アルキレンオキシド付加生成物のアルカリ性重合活性中心の中和を、1種または複数種の一塩基性無機酸を添加して行う。加水分解および中和をおこなう温度は、広範囲内で変化させることができ、この場合の極限値は、中和に使用する容器の材料の耐腐食性またはポリオール組成によって規定される。例えばエステル基のような加水分解の影響を受け易い基が生成物中に存在する場合、中和は、例えば室温でおこなわれる。このような場合、事前の独立した加水分解工程を省略することが好ましい。中和を行う場合、希酸添加によって導入される痕跡量の水と加水分解の過剰水は、真空下で除去することができる。老化防止剤または酸化防止剤を、中和工程中または中和工程後に、生成物に添加することができる。例えば生成物の濾過処理のような更なる後処理工程は不要である。
適当なツェレヴィチノフ活性水素原子含有出発化合物は、通常、1〜8の官能価を示すが、ある場合においては35までの官能価を示す。これらの出発化合物のモル質量は、60g/mol〜1200g/molである。ヒドロキシ官能性出発化合物に加えて、アミノ官能性出発化合物も使用できる。ヒドロキシ官能性出発化合物の例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよび高級脂肪族モノオール、特に以下のものが含まれる:脂肪アルコール、フェノール、アルキル置換フェノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、ヒドロキノン、ピロカテコール、レゾルシノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ホルムアルデヒドとフェノール、メチロール基を含有するウレア若しくはメラミンの縮合物、およびマンニッヒ塩基。水素化デンプン加水分解生成物に基づく多官能性出発化合物も使用できる。このような化合物は、例えば、欧州特許出願公開第1525244号明細書に記載されている。アミノ基含有出発化合物の例としては以下のものが含まれる:アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、トルイジン異性体、ジアミノトルエン異性体、ジアミノジフェニルメタン異性体、ジアミノジフェニルメタンを導くホルムアルデヒドとアニリンの縮合で得られる比較的多くの核を含有する生成物。また、ポリオールと環状カルボン酸無水物の開環生成物も出発化合物として使用できる。一方の例としては以下のものが含まれる:無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸から得られる開環生成物。また、もう一方の例としては以下のものが含まれる:エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはソルビトールの開環生成物。勿論、種々の出発化合物の混合物を使用してもよい。
予め調製した、上述の出発化合物のアルキレンオキシド付加生成物、すなわち、20mgKOH/g〜1000mgKOH/g、好ましくは250mgKOH/g〜1000mgKOH/gのOH価を有するポリエーテルポリオールを、更に該方法に使用してもよい。予め調製した、アルキレンオキシド付加生成物の調製において使用されるアルキレンオキシド混合物は、少なくとも10wt%のエチレンオキシド、好ましくは20wt%のエチレンオキシド、特に好ましくは50wt%より多いエチレンオキシドを含有する。ポリエーテルエステルを調製するために、本発明による方法においては、出発化合物に加えて、6〜800mgKOH/gの範囲のOH価を有するポリエステルポリオールを使用してもよい。この目的に適するポリエステルポリオールを、例えば、2個〜12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸と2個〜12個(好ましくは2〜6個)の炭素原子を有する多価アルコール(好ましくはジオール)から、既知の方法で調製してもよい。
石油化学資源の欠乏と、エコバランスにおける化石原料の好ましくない評価を背景として、ポリウレタン工業に適したポリオールの調製において、再生可能な資源に由来する原料を使用することも益々重要となっている。本発明による方法は、次の点で、該ポリオールの調製に関して経済的に高い実現性のある方法を提供する。即ち、トリグリセリド、例えば大豆油、菜種油、パーム核油、パーム油、亜麻仁油、ヒマワリ油、亜麻仁油、ヒマワリ油、ニシン油、イワシ油、レスクエレラ油およびヒマシ油を、アルキレンオキシドの付加前または付加中に、最終生成物の重量に基づき10〜80wt%の量で反応系に添加できる。該油は得られるポリエーテルエステルポリオールの構造内へ完全に組み込まれるので、最終生成物においては、該油は検出されないか、極めて少量で検出されるだけである。
触媒として使用できる上記の高分子量アルコキシレートは、ツェレヴィチノフ活性水素原子を含有する出発化合物にアルキレンオキシドを付加させる独立した反応工程で調製される。一般的に、高分子量アルコキシレートを調製する場合、調製されるべき最終生成物の量に基づき0.1wt%〜1wt%のアルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ土類金属水酸化物(例えばKOH)を触媒として使用し、必要に応じて、反応混合物を真空下で脱水し、アルキレンオキシドの付加反応を、OH価が150mgKOH/g〜1200mgKOH/gに達するまで、100℃〜170℃において不活性ガス雰囲気下でおこなう。次いで、所望により、付加的なアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物の添加とその後の脱水によって、生成物中の上記アルコキシレートの含有量を0.05〜50当量%に調整する。この方法で調製された高分子量アルコキシレートは、不活性ガス雰囲気下において別個に貯蔵できる。アルカリ条件下の加水分解の影響を受けやすい出発物質を使用する場合、または長鎖ポリオールの調製における低分子量出発化合物の量が、反応開始時における反応混合物の充分な混合を保証するために充分でない場合、本発明による方法においては、高分子量アルコキシレートの使用が特に好ましい。さらに、比較的低分子量の出発化合物は、難溶性のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を生成する傾向がある。このような場合、上述の方法によって、出発化合物を高分子量アルコキシレートに事前に転化させることが同様に望ましい。一般的に、本発明による方法において使用される高分子量アルコキシレートの量は、本発明により調製されるべき最終生成物の重量に基づいて、0.004wt%〜0.2wt%、好ましくは0.004wt%〜0.07%wt%のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物の濃度に対応する。高分子量アルコキシレートは、勿論混合物として使用してもよい。
適当なアルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドまたは2,3−ブチレンオキシド、およびスチレンオキシドである。プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドが好ましく使用される。既に記載したように、エチレンオキシドの量は、計量供給されるアルキレンオキシドの合計量に基づいて、好ましくは少なくとも10wt%、特に好ましくは少なくとも20wt%、就中特に好ましくは50wt%より多い量である。前段落で記載した高分子量アルコキシレートを触媒として使用する場合、または出発混合物中の成分として前述の予め調製したアルキレンオキシドの付加生成物を使用する場合、これらの調製に使用されるエチレンオキシドの量も、エチレンオキシドの合計量の計算に含まれる。エチレンオキシドは、他のアルキレンオキシドとの混合状態で計量供給してもよく、あるいは初期ブロック、中間ブロックまたは末端ブロックなどのブロック状態で計量供給してもよい。エチレンオキシド末端ブロックを有する生成物は、例えば、成形フォーム用途に必要なイソシアネート反応性を生成物系に付与する第一級末端基の濃度を増加させることを特徴とする。
一般に、アルカリ性の粗製ポリオールは、20mgKOH/g〜1000mgKOH/g、好ましくは28mgKOH/g〜700mgKOH/gのOH価を有する。
アルカリ性の粗製ポリオールの後処理は、一塩基性無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸、硝酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、臭素酸、塩素酸、または過塩素酸などを添加することによって行われる。過塩素酸、ハロゲン化水素酸、硝酸が好ましい。中和は、反応温度で行うことができる。中和されるべき触媒量に対して、一塩基性無機酸を化学量論量で使用することが好ましい。また、加水分解の影響を受け易い官能基、例えばエステル基などが存在する場合、中和は充分に低い温度、例えば室温でおこなわれる。中和用酸と共に導入された水は真空下で除去することができる。他の後処理工程、例えば、生成物の濾過処理などは必要ない。
実際の中和に先行して、独立した加水分解工程を行ってもよいが、該工程は、本発明による方法においては必須条件ではない。このような加水分解工程における水の量は、アルカリ性のアルキレンオキシド付加生成物の重量に基づいて、15wt%までである。
本発明による方法によって得ることが出来るポリオールは、固体または発泡したポリウレタン材料およびポリウレタンエラストマーを調製するための出発成分として使用できる。ポリウレタン材料およびポリウレタンエラストマーは、イソシアヌレート、アロファネートおよびビウレット構造単位を含有してもよい。生成物が遊離のイソシアネート官能基を有するように、ヒドロキシル基に対するイソシアネート基のモル比を1よりも大きくすることによって、いわゆるイソシアネートプレポリマーを調製することも可能である。遊離のイソシアネート官能基は、実際の最終生成物を調製する間の1または複数の工程において、最初に反応する。
これらの材料を調製するために、本発明によるポリオールは、必要に応じて、更なるイソシアネート反応性成分と混合させた後、有機ポリイソシアネートと反応させてもよい。この場合、必要に応じて、触媒の存在下で発泡剤を存在させてもよく、また、他の添加剤、例えば気泡安定剤などを存在させてもよい。
使用した原料
大豆油:シグマ−アルドリッヒケミー社(ミュンヘン)製の大豆油(精製品、即ち、脱レシチン化し、中和し、脱色し、および蒸気でストリッピングしたもの)。
高分子量アルコキシレート1の調製:
1278.5gのトリメチロールプロパンと、21.7gの45wt%濃度KOH水溶液とを、窒素雰囲気下にて、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ導入した。オートクレーブを閉じ、撹拌速度を450rpmに設定し、混合物を107℃まで加熱した。圧力を100mbarまで下げ、653.4gのプロピレンオキシドを、オートクレーブ内へ3時間に亘り計量供給した。107℃で30分間に亘り後反応を行った後、混合物を真空中で30分間かけて充分に加熱した。室温まで冷却させた後、45.1gの45wt%KOH水溶液を窒素雰囲気下で添加した。混合物を107℃まで加熱し、10mbarの圧力に達するまで減圧して水を除去した。次いで、4063.6gのプロピレンオキシドを107℃で8.5時間に亘って計量供給し、120分間、後反応させた後、混合物を真空中で30分間かけて充分に加熱した。室温まで冷却した後、539.4gの45wt%KOH水溶液を窒素雰囲気下で添加した。混合物を107℃まで加熱し、10mbarの圧力に達するまで減圧して水を除去した。高分子量アルコキシレート1のアルカリ価は44.1mgKOH/gであり、OH価は260mgKOH/gであり、また、アルコキシレート含有量は17%である。
高分子量アルコキシレート2の調製:
3677.2gのグリセロールと、18.65gの45wt%濃度KOH水溶液とを、窒素雰囲気下にて、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ導入した。オートクレーブを閉じ、撹拌速度を450rpmに設定し、混合物を110℃まで加熱した。圧力を100mbarまで下げ、2313.7gのプロピレンオキシドを、オートクレーブ内へ4.6時間に亘り計量供給した。110℃で180分間に亘り後反応させた後、圧力を再び100mbarまでゆっくりと下げ、次いで、110℃の温度で10mbar未満の圧力に達するまで減圧して、最終的に混合物から水を除去した。高分子量アルコキシレート2のアルカリ価は1.4mgKOH/gであり、OH価は1121mgKOH/gであり、また、アルコキシレート含有量は0.125%である。
イルガノックス(登録商標)1076:
オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−1,4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
中和方法:
全ての実施例および比較例において、塩基(KOH)を100%中和するために必要とする正確な量の酸を使用した。即ち、本発明により使用される一塩基性無機酸の場合、KOH1モル当り1モルの該酸を使用する。また、KOH1モル当り1モルのリン酸若しくは0.5モルの硫酸を使用する。
実施例1(比較)
27.6gの高分子量アルコキシレート1と、1213.0gのトリメチロールプロパンとを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、1.5barの窒素で充填した。450rpmの速度で攪拌しながら、混合物を150℃まで加熱し、その後、4646.9gのエチレンオキシドを、同様に450rpmの攪拌速度に設定したオートクレーブ内へ13.2時間に亘り計量供給した。この計量供給を行う間、反応器の圧力が4barに到達すると同時に、混合物を25分間反応させ、窒素を放出させることにより該圧力を2.55barまで減少させた。その後エチレンオキシドの計量供給を再開した。エチレンオキシドの計量供給が終了した後、45分間に亘り後反応を継続した。混合物を真空下で30分間かけて充分に加熱し、その後室温まで冷却した。KOHに対して算出した触媒濃度は200ppmであった。
75gの蒸留水と、1.4571gの11.83%濃度硫酸と、1.038gのイルガノックス(登録商標)1076とを、936gの生成物に添加し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌した。その後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。得られた生成物は僅かに混濁していた。
実施例2(比較)
5.49gの高分子量アルコキシレート1と、243.7gのトリメチロールプロパンとを、2リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、700rpmの速度で攪拌しながら内容物を150℃まで加熱した。956.9gのエチレンオキシドを、同様に700rpmの攪拌速度に設定したオートクレーブ内へ6時間に亘り計量供給した。エチレンオキシドの計量供給工程が終盤に近づくにつれ、反応器の圧力が1.9barに到達した。エチレンオキシドの計量供給が終了した後、20分間に亘り後反応を継続した。混合物を真空下で30分間かけて充分に加熱した。KOHに対して算出した触媒濃度は200ppmであった。
56gの蒸留水と、5.9675gの3.293%濃度リン酸とを、556.5gの生成物へ80℃で添加し、混合物を80℃で1/2時間攪拌した。0.622gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。混濁した生成物を得た。
実施例3
13.56gの高分子量アルコキシレート1と、1215.2gのトリメチロールプロパンとを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、1.9barの窒素で充填した。450rpmの速度で攪拌しながら、混合物を150℃まで加熱し、次いで、4771.5gのエチレンオキシドを、同様に450rpmの攪拌速度に設定したオートクレーブ内へ10.8時間に亘り計量供給した。この計量供給を行う間、計量供給を3回中断して混合物を反応させ、窒素を放出させることにより該圧力を2.5barまで減少させ、その後エチレンオキシドの計量供給を再開した。エチレンオキシドの計量供給が終了した後、1時間に亘り後反応を継続した。真空下で30分間かけて充分に加熱した後、室温まで冷却し、中和の実施例(実施例3Aおよび3B)に使用するために混合物を2つに分けた。KOHに対して算出した触媒濃度は100ppmであった。
実施例3A(比較)
0.206gの85%濃度リン酸を、実施例3で生成した987.1gの生成物に、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで混合物を80℃で1時間攪拌した。0.495gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。僅かに混濁した生成物を得た。
実施例3B
1.818gの塩化水素酸(濃度1モル/kg)を、実施例3で生成した1023.1gの生成物に、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで混合物を80℃で1時間攪拌した。0.516gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例4
64.2gの高分子量アルコキシレート1と、1202.9gのトリメチロールプロパンとを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、1.5barの窒素で充填した。450rpmの速度で攪拌しながら、混合物を150℃まで加熱し、次いで、4733.3gのエチレンオキシドを、同様に450rpmの攪拌速度に設定したオートクレーブ内へ14.23時間に亘り計量供給した。この計量供給を行う間、反応器の圧力が4barに到達すると同時に、混合物を25分間反応させ、窒素を放出させることにより該圧力を2.55barまで減少させ、その後エチレンオキシドの計量供給を再開した。エチレンオキシドの計量供給が終了した後、31分間に亘り後反応を継続した。真空状態で30分間に亘る充分な加熱工程の後、室温まで冷却し、中和の実施例(実施例4A,4Bおよび4C)のために混合物を3つに分けた。KOHに対して算出した触媒濃度は470ppmであった。
実施例4A(比較)
169mlの蒸留水と5.813gの11.89%濃度硫酸とを、実施例4で生成した1683.8gの生成物に、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで混合物を80℃で1時間攪拌した。1.857gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。混濁した生成物を得た。
実施例4B
8.951gの20%濃度過塩素酸を、実施例4で生成した2127.8gの生成物に、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで混合物を80℃で1時間攪拌した。2.340gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例4C
17.91gの塩化水素酸(濃度1モル/kg)を、実施例4で生成した2130.4gの生成物に窒素雰囲気下80℃で添加し、次いで混合物を80℃で1時間攪拌した。2.349gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例5
1200gの高分子量アルコキシレート2と、79.8gのグリセロールとを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、450rpmの速度で攪拌しながら内容物を150℃まで加熱した。その後、該オートクレーブを2.7barの窒素で充填した。4721.6gのエチレンオキシドを、同様に450rpmの攪拌速度に設定したオートクレーブ内へ8.1時間に亘り計量供給した。この計量供給を行う間、計量供給を1回中断して混合物を反応させ、窒素を放出させることにより該圧力を2.5barまで減少させ、次いで、エチレンオキシドの計量供給を再開した。エチレンオキシドの計量供給が終了した後、1時間に亘り後反応を継続した。真空状態で30分間に亘る充分な加熱工程の後、室温まで冷却し、中和の実施例(実施例5A,5Bおよび5C)のために混合物を3つに分けた。KOHに対して算出した触媒濃度は280ppmであった。
実施例5A(比較)
3.196gの11.89%濃度硫酸を、実施例5で生成した1523.2gの生成物に、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで混合物を80℃で1時間攪拌した。0.750gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。僅かに混濁した生成物を得た。
実施例5B
7.407gの塩化水素酸(濃度1モル/kg)を、実施例5で生成した1461.8gの生成物に、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで混合物を80℃で1時間攪拌した。0.744gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例5C
3.463gの20.35%濃度過塩素酸を、実施例5で生成した1372.3gの生成物に、窒素雰囲気下80℃で添加し、次いで混合物を80℃で1時間攪拌した。0.705gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例6
325.5gのソルビトールと3.209gの44.82%濃度KOH水溶液とを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、内容物を、1分間当り50mlの窒素でストリッピングしながら、真空下、110℃で3時間に亘り、攪拌速度450rpmで攪拌した。450rpmの速度で攪拌しながら混合物を150℃まで加熱し、平均圧力が5barになるようにして、1135.1gのプロピレンオキシドを3.22時間に亘りオートクレーブ内へ計量供給した。後反応を2.45時間行った後、反応器内の圧力を窒素で2.7barに調整し、次いで4540.2gのエチレンオキシドを9.07時間に亘って計量供給した。この計量供給を行う間、反応器の圧力が5barに到達した時に計量供給を2回停止させ、その都度混合物を反応させ、窒素を放出させることにより該圧力を2.55barまで減少させ、その後アルキレンオキシドの計量供給を再開した。エチレンオキシドの計量供給が終了した後、1.5時間に亘り後反応を継続した。真空下で30分間かけて充分に加熱した後、混合物を室温まで冷却した。KOHに対して算出した触媒濃度は240ppmであった。5.300gの10.35%濃度硝酸を、2033.1gの生成物に80℃で添加し、次いで混合物を80℃で0.1時間攪拌した。1.018gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例7
821.9gのグリセロールと、1.609gの44.82%濃度KOH水溶液とを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、内容物を、1分間当り50mlの窒素でストリッピングしながら、真空下、110℃で3時間に亘り、攪拌速度450rpmで攪拌した。450rpmの速度で攪拌しながら混合物を150℃まで加熱し、平均圧力が5barになるようにして、4150.1gのプロピレンオキシドを11.7時間に亘りオートクレーブ内へ計量供給した。プロピレンオキシドの計量供給工程が終了した後に、後反応を3時間かけて行った。その後、2.5barの窒素で反応器を充填し、次いで1037.5gのエチレンオキシドを4.25時間に亘り計量供給した。エチレンオキシドの計量供給が終了した後、後反応を1.5時間かけて行った。真空下で30分間かけて充分に加熱した後、室温まで冷却し、中和の実施例(実施例7A,7Bおよび7C)のために混合物を3つに分けた。KOHに対して算出した触媒濃度は120ppmであった。
実施例7A
1.449の10.35%濃度硝酸を、実施例7で生成した1117.3gの生成物に、攪拌しながら、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで、混合物を80℃で1時間攪拌した。0.563gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例7B
136.3gの水を、実施例7で生成した1362.9gの生成物に、攪拌しながら、窒素雰囲気下、80℃で添加した後、1.4351gの20.35%濃度過塩素酸を添加し、次いで、混合物を80℃で1時間攪拌した。0.688gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例7C(比較)
1.002gの11.80%濃度硫酸を、実施例7で生成した1129.3gの生成物に、攪拌しながら、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで、混合物を80℃で1時間攪拌した。0.567gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。僅かに混濁した生成物を得た。
実施例8
820.7gのグリセロールと1.472gの44.82wt%濃度KOH水溶液とを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、内容物を、1分当り50mlの窒素でストリッピングしながら、真空下、110℃で3時間に亘り、攪拌速度450rpmで攪拌した。450rpmの速度で攪拌しながら混合物を150℃まで加熱し、次いで該オートクレーブを1.7barの窒素で充填した。3884.5gのエチレンオキシドと1289.2gのプロピレンオキシドの混合物を、150℃、450rpmの攪拌速度で、オートクレーブ内へ10.53時間に亘って計量供給した。この計量供給の間に、反応器の圧力が5barに到達した時に供給添加を2回停止させ、その都度混合物を反応させ、窒素を放出させることにより該圧力を1.7barまで減少させ、その後アルキレンオキシドの計量供給を再開した。アルキレンオキシドの計量供給工程が終了した後、3.25時間かけて後反応を継続した。真空下で30分間かけて充分に加熱した後、室温まで冷却し、中和の実施例(実施例8Aおよび8B)のために、得られた混合物を2つに分けた。KOHに対して算出した触媒濃度は110ppmであった。
実施例8A
2.589gの10.35%濃度硝酸を、実施例8で生成した2148.2gの生成物に、攪拌しながら、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで、混合物を80℃で1時間攪拌した。1.081gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例8B
1.3712gの20.35%濃度過塩素酸を、実施例8で生成した1295.1gの生成物に、攪拌しながら、窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで、混合物を80℃で1時間攪拌した。0.658gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例9
1817.6gのトリメチロールプロパンと、4.042gの44.8wt%濃度KOH水溶液とを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、内容物を、1分間当り50mlの窒素でストリッピングしながら、真空下、110℃で3時間に亘り、攪拌速度450rpmで攪拌した。次いで、混合物を150℃まで加熱し、4182.4gのプロピレンオキシドを、同様に450rpmの攪拌速度に設定したオートクレーブ内へ10.6時間に亘り計量供給した。該プロピレンオキシドの計量供給を1.1barの圧力下で開始し、該計量供給工程の間に圧力が4.95barに到達した。プロピレンオキシドの計量供給が終了した後、後反応を7時間に亘って継続した。真空下で30分間かけて充分に加熱した後、室温まで冷却し、中和の実施例(実施例9Aおよび9B)のために、得られた混合物を2つに分けた。触媒濃度(KOH)は300ppmであった。
実施例9A(比較)
7.930gの10.35%濃度硝酸を、実施例9で生成した2274gの生成物に窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで、混合物を80℃で1時間攪拌した。1.140gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。混濁した生成物を得た。
実施例9B(比較)
6.126gの20.35%濃度過塩素酸を、実施例9で生成した2332gの生成物に窒素雰囲気下、80℃で添加し、次いで、混合物を80℃で1時間攪拌した。1.160gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。混濁した生成物を得た。
実施例10
688.5gのソルビトールと、2.547gの44.82wt%濃度KOH水溶液とを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、内容物を、1分間当り50mlの窒素でストリッピングしながら、真空下、110℃で3時間に亘り、攪拌速度450rpmで攪拌した。3298.3gの大豆油を、窒素雰囲気下、約110℃で添加し、450rpmの速度で攪拌しながら、混合物を130℃まで加熱した。圧力を、窒素で2.5barに調整した。2021.5gのエチレンオキシドを、全圧が5barを越えないようにオートクレーブ内へ130℃で、7.15時間に亘り計量供給した。エチレンオキシドの計量供給が終了した後、後反応を5.95時間に亘り継続した。触媒濃度(KOH)は190ppmであった。真空下で30分間かけて充分に加熱した後、室温まで冷却し、中和の実施例(実施例10Aおよび10B)のために得られた混合物を2つに分けた。
実施例10A
7.425gの塩化水素酸(濃度1mol/kg)を、実施例10で生成した2162gの生成物に、窒素雰囲気下、40℃で添加し、混合物を40℃で1時間攪拌した。1.084gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例10B
3.154gの20.35%濃度過塩素酸を、実施例10で生成した1889gの生成物に、窒素雰囲気下、40℃で添加し、混合物を40℃で1時間攪拌した。0.945gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例11
820.9gのグリセロールと、1.742gの44.82wt%濃度KOH水溶液とを、10リットルの実験室用オートクレーブ内へ窒素雰囲気下で導入した。オートクレーブを閉じ、内容物を、1分間当り50mlの窒素でストリッピングしながら、真空下、150℃で3時間に亘り、攪拌速度450rpmで攪拌した。1035.9gのエチレンオキシドを、同様に450rpmの攪拌速度に設定したオートクレーブ内へ、2.67時間に亘り計量供給した。エチレンオキシドの添加を2.55barの窒素圧下で開始したところ、計量供給工程の間に4barの最大圧力に到達した。1.52時間の後反応の後、圧力を0.05barまで低下させた。4143.5gのプロピレンオキシドを、同様に150℃で10.25時間に亘り計量供給した。また、該工程の間に到達した反応器の最大圧力は、5barであった。プロピレンオキシドの計量供給が終了した後に、後反応を11時間に亘り継続した。真空下で30分間かけて充分に加熱した後、室温まで冷却し、中和の実施例(実施例11A、11Bおよび11C)のために、得られた混合物を3つに分けた。触媒濃度(KOH)は130ppmであった。
実施例11A
1.749gの20.35wt%濃度過塩素酸を、実施例11で生成した1516.3gの生成物に窒素雰囲気下、80℃で添加し、混合物を80℃で1時間攪拌した。0.76gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例11B
1.918gの10.35wt%濃度硝酸を、実施例11で生成した1352.7gの生成物に窒素雰囲気下、80℃で添加し、混合物を80℃で1時間攪拌した。0.682gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
実施例11C
3.03gの塩化水素酸(濃度1モル/kg)を、実施例11で生成した1277.6gの生成物に窒素雰囲気下、80℃で添加し、混合物を80℃で1時間攪拌した。0.646gのイルガノックス(登録商標)1076を添加した後、生成物を18mbarの条件下(水流ポンプ真空)で1時間かけて脱水し、次いで1mbarの条件下、110℃で3時間かけて脱水した。透明な生成物を得た。
表1は、実施例において調製したポリオールの分析データを要約したものである。
Figure 0005462809

Claims (2)

  1. アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物もしくはアルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属カルボン酸塩もしくはアルカリ土類金属カルボン酸塩、またはアルカリ土類金属水酸化物に基づく触媒が、最終生成物の重量に基づき0.004wt%〜0.2wt%の濃度で存在する条件下において、
    エチレンオキシドの含有量が少なくとも10wt%であるアルキレンオキシドを、ツェレヴィチノフ活性水素原子を含有する多官能性の出発化合物に該塩基触媒の存在下で付加させることにより、ポリオールを調製する方法であって、
    粗製アルキレンオキシド付加生成物のアルカリ性重合活性中心の中和を、一塩基性無機酸の添加によっておこない、
    生成した塩の分離を省略する、該方法。
  2. アルキレンオキシドを付加させる前または付加させる間に、最終生成物の重量に基づいて10〜80wt%のトリグリセリドを添加する請求項1に記載の方法。
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