JP5461998B2 - 生殖の医学および生物学のためのバイオマーカー - Google Patents

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Description

本発明は生殖の医学および生物学に関する。本発明は、特に体外受精後の、着床不全および満期妊娠の成功の予測マーカーに関する。
発明の背景
不妊症の診断および管理は、若年成人においてよく見られる健康上の懸念である。体外受精(IVF)技術の継続的な進歩は、不妊夫婦にとって難易度の高い生殖の選択肢である。体外受精は、それにもかかわらず、多子出産、子宮外妊娠、自然流産、および早期分娩のリスクを含む、女性におけるそれらの適応に対する欠点を表す臨床上の合併症のリスク増加に関連する。これらの臨床上のリスク、およびこれらの進歩した技術の高い経済コストを考慮すると、IVF処置は依然として不妊夫婦にとって利用が難しい。受精および着床に影響を与える機構のより良い理解によって、体外受精の成功に関連するパラメーターのより正確な見解が提供されてきたが、処置の開始前に、IVF後の妊娠問題を予測しうるバイオマーカーの探索が依然として主な課題である。胚着床または流産を予測するマーカーの大半が(Tong et al., 2004)IVF処置の開始後に起こり、このようにカウンセリングによって妊娠の失敗に関連するストレスおよび臨床問題を予測することが制限される。不妊女性がIVF処置後に生存可能な乳児を出産する可能性の予測は、このように、不妊夫婦の増加する要求に対する医療対応の最適化における主な問題である。
したがって、IVF処置を開始するための決定に先行する段階で、IVFに関連する流産および着床不全率および関連する臨床上の合併症の関与の予測因子として、不妊夫婦のカウンセリングを改善しうるマーカーが強く必要とされる。
胚着床は、着床するための十分な質を保持する胚の移植により成功する。胚の能力は、主に胚の形態および分裂の動態で評価される。胚盤胞の工程までの胚の培養は、いくつかの潜在的な利点を有し、とりわけ最も生存可能で、着床するための最高の可能性を有する胚の選択、同期化胚−子宮、複数の着床不全の場合における胚発生の能力を評価する可能性である。移植を良質(形態学的側面および発生速度で定義した質)の胚で実施した場合、後者を着床させて、妊娠を可能にすることが期待できる。子宮内膜内でのその着床を支持する一連のシグナルを放出するための胚の内因性能力の評価は、依然として評価することが難しい。
したがって、胚の質、その生存能力、および着床するためのその能力を評価するために有用となりうるマーカーが強く必要とされる。
発明の概要
本発明は、IVFの結果の非侵襲性な評価および予測を可能にするバイオマーカーを初めて提供する。その予後的な価値の他、このバイオマーカーの主な価値は、女性ホルモン前処置の開始前でのその投与量の可能性である。このバイオマーカーの使用によって、カウンセリングまたはIVF関連リスクの管理が改善され、ひいては不妊女性の健康管理のために結果的な利益を提供する。加えて、本発明者らは、不妊および妊娠合併症のマーカーとしてMICA(MHCクラスI鎖関連タンパク質A)を同定した。したがって、本発明は、生殖の医学および生物学におけるバイオマーカーとしてのMICAに関する。
第1の態様において、本発明は、サンプル中のMICAについてのインビトロアッセイを含む、体外受精(IVF)の結果を判断するための方法に関し、MICAレベルはIVFの結果を示し、特に着床不全率、IVFの失敗、および/または流産を示す。好ましくは、サンプルは:
− 移植胚を受ける女性からの、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、および腹腔鏡探索の場合(子宮内膜症、付着胎盤、感染性の続発症)は腹水のサンプル;
− 精液を提供する男性からの血液、血漿、血清、および精液のサンプル;卵母細胞を提供する女性からの、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、および腹腔鏡探索の場合(子宮内膜症、付着胎盤、感染性の続発症)は腹水のサンプル;および
− 胚上清または胚培養液のサンプル
からなる群より選択される。
第2の態様において、本発明は、サンプル中のMICAについてのインビトロアッセイを含む、IVFのための対象を選択するため、および、IVFの成功の確率を示すMICAレベルを有する対象を選択するための方法に関する。好ましくは、サンプルは、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、および腹腔鏡探索の場合(子宮内膜症、付着胎盤、感染性の続発症)は腹水のサンプルからなる群より選択される。
第3の態様において、本発明は、対象からの血液、血清、血漿、または精液サンプル中のMICAについてのインビトロアッセイを含む、精液または精子の質を判断するため、または、対象において男性不妊の確率を判断するための方法に関し、MICAレベルは精液または精子の質または男性不妊を示す。
第4の態様において、本発明は、胚培養液または上精中でのMICAについてのインビトロアッセイを含む、胚の質を判断するため、または、胚移植、体外受精、または着床のために適切な胚を選択するための方法に関し、MICAレベルは胚の質または胚移植、体外受精、もしくは着床のための胚の適切性を示す。
第5の態様において、本発明は、サンプル中のMICAについてのインビトロアッセイを含む、対象において不妊症の予後診断および流産、血管性妊娠病(VPD)、子癇前症(PE)、子癇前症に関連する、または、関連しない子宮内発育遅延(IUGR)、HELLP症候群、妊娠性脂肪症、妊娠性ネフロパシーまたは子宮内胎児死亡、自己免疫性病理に関連する妊娠病または不妊性を含む妊娠合併症の確率を判断するための方法に関し、MICAレベルは妊娠合併症の確率を示す。
好ましい態様において、サンプル中のMICAについてのアッセイの工程は:
− サンプル中の可溶性MICAタンパク質のアッセイ;
− MICAをコード化する無細胞核酸のアッセイ;および
− サンプル中に存在する抗MICA抗体のアッセイ
から選択される工程を含む。
最も好ましい態様において、サンプル中のMICAについてのアッセイの工程は、サンプルを抗MICA抗体、好ましくはモノクローナル抗体、より好ましくはSR99、SR104、およびSR116からなる群より選択される抗体と接触させることを含む。任意に、サンプル中の可溶性MICAについてのアッセイの工程は、ELISAアッセイ、好ましくはサンドイッチELISAアッセイにより実施できる。
第6の態様において、本発明は、生殖の医学および生物学における、抗MICA抗体、MICAをコード化する核酸に特異的な一連のプライマー、MICAをコード化する核酸に特異的なプローブ、およびMICタンパク質、好ましくはMICAタンパク質から選択される少なくとも1つのエレメントを含むキットのインビトロでの使用に関する。好ましくは、キットは、IVFのために適切な対象を選択するため、体外受精(IVF)の結果を判断するため、精液または精子の質を判断するため、IVFのために適切な精液または精子を選択するため、対象において男性不妊症の確率を判断するため、胚の質を判断するため、胚移植、体外受精、または着床のために適切な胚を選択するため、妊娠中に高い合併症リスクを有する対象、特に流産、血管性妊娠病、子癇前症、子癇前症に関連する、または、関連しない子宮内発育遅延(IUGR)、HELLP症候群、妊娠性脂肪症、妊娠性ネフロパシーまたは子宮内胎児死亡に感受性の高い対象を同定するために使用する。
好ましくは、抗MICA抗体は、好ましくはSR99、SR104、およびSR116からなる群より選択されるモノクローナル抗体である。任意に、キットは可溶性MICAタンパク質をさらに含む。
患者における平均sMIC血清レベルは、着床の成功およびIVF問題に応じて異なる。sMIC血清レベルの評価は、IVF志願者である170人の不妊女性においてIVF開始に先行するサイクルの卵胞期中に得られた。sMICレベルはng/mlである。ドットプロットは、sMIC陽性血液サンプルにおける中央値を、エラーバーは中央値の25−75四分位範囲を表す。GraphPad Prism Version 4 Softwareを使用してグラフを得た。群は、IVF後に着床に失敗した女性(IMP−)を、IVF後に着床の成功を経験した女性(IMP+)で表される。IMP+群を2群にさらに細分する:IVF後に乳児を出産する女性(BBaby)または着床の成功後に流産を経験する女性(MIS)。(着床不全または流産のいずれかの理由で)出産に失敗する女性におけるsMICの中央値もIMP−またはMISで表される。血液サンプルの採取時に妊娠していない、過去に少なくとも2回の妊娠の成功を経験した、妊娠可能な女性の対照ドナーの群もsMICについて評価した(Fert Ctl)。 正常妊娠を経験し、期間について対応させた女性(NP)を参照し、血管性妊娠病(VPD)を伴う女性のMIC+陽性サンプルにおいて、より高レベルのMICが見出される。血管性妊娠病は、子宮内発育遅延(IUGR)、子癇前症(PE)、および子宮内胎児死亡(IUFD)にさらに細分した。 (図3A)sMIC状態に依存する子癇前症群における1日当たりのタンパク尿の中央値および四分位範囲 sMIC陽性およびsMIC陰性の血漿の間の比較は、ノンパラメトリックなマンホイットニー検定を使用して実施した。(図3B)子癇前症患者からの子癇前症sMIC陽性群およびsMIC陰性血漿における両側性子宮拡張早期切痕(bilateral early diastolic uterine notch)の頻度。 (図3A)sMIC状態に依存する子癇前症群における1日当たりのタンパク尿の中央値および四分位範囲 sMIC陽性およびsMIC陰性の血漿の間の比較は、ノンパラメトリックなマンホイットニー検定を使用して実施した。(図3B)子癇前症患者からの子癇前症sMIC陽性群およびsMIC陰性血漿における両側性子宮拡張早期切痕(bilateral early diastolic uterine notch)の頻度。
発明の詳細な説明
本発明は、生殖の医学および生物学の分野におけるバイオマーカーの同定に基づく。実際に、これらは、MICAレベルを使用して、IVFの結果を予測でき、特にIVFの成功または失敗、胚着床の成功または失敗、および流産の確率を判断できた。加えて、このマーカーは、精液の受精能を評価し、最も生存能力の高い、着床の最高の確率を有する胚を選択するために有用である。このマーカーは妊娠合併症にも関連する。特に、それは、子宮内発育遅延(IUGR)、子宮内胎児死亡、妊娠病、自己免疫病理に関連する不妊症、妊娠性血管病、および子癇前症の確率を定義するために使用できる。
MICAは特許出願国際公開第98/19167号および国際公開第03/089616号において広範囲に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。MICAのためのUnigene ClusterはHs.549053であり、代表的な配列はEmbl Q9UDZ9中でよい。可溶性MICAは切断型タンパク質である。可溶性MICAは膜貫通ドメインおよび細胞質尾部を欠き、3つの細胞外ドメインを含む。
したがって、本発明は、サンプル中のMICAについてのインビトロアッセイを含む、体外受精(IVF)の結果を判断するための方法に関し、MICAレベルはIVFの結果を示す。方法は、サンプルを提供する前工程を含んでよい。
IVFの結果は、乳児の出生、着床不全、または流産でよい。
好ましい態様において、方法は、サンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイを含む。別の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。「無細胞」により、細胞中に含まれない核酸を意図する。追加の好ましい態様において、方法は間接的MICAアッセイを含み、サンプル中に存在する抗MICA抗体のアッセイを含む。
サンプルは対象から提供できる。
第1の態様において、対象は移植胚を受ける女性である。対象は卵母細胞提供者でもよい。好ましい態様において、サンプルは、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、および腹腔鏡探索の場合(子宮内膜症、付着胎盤、感染性の続発症)は腹水のサンプルからなる群より選択される。好ましい態様において、サンプルは、血液、血漿、または血清のサンプル、好ましくは血清サンプルである。
好ましくは、可溶性MICAレベルは、ホルモン前処置の開始前に測定する。第1の特定の態様において、ホルモン前処置の開始前に、血清サンプル中の2.45ng/mlを上回るMICAレベルがより高い着床不全率を示す。したがって、本発明は、対象が移植胚を受けることを意図する女性であって、可溶性MICAレベルがホルモン前処置の開始前に測定され、血清サンプル中の2.45ng/mlを上回るMICAレベルがより高い着床不全率を示す方法に関する。第2の特定の態様において、ホルモン前処置の開始前に、血清サンプル中の28ng/mlを上回るMICAレベルがIVFの失敗の高い確率を示す。したがって、本発明は、対象が移植胚を受けることを意図する女性であって、可溶性MICAレベルがホルモン前処置の開始前に測定され、血清サンプル中の28ng/mlを上回るMICAレベルがIVFの失敗の高い確率を示す方法に関する。第3の特定の態様において、ホルモン前処置の開始前に、血清サンプル中の6ng/mlを上回るMICAレベルが流産の高い確率を示す。したがって、本発明は、対象が移植胚を受けることを意図する女性であって、可溶性MICAレベルがホルモン前処置の開始前に測定され、血清サンプル中の6ng/mlを上回るMICAレベルが流産の高い確率を示す方法に関する。
可溶性MICAタンパク質のレベルは、着床後にも測定できる。したがって、第4の特定の態様において、着床後、血清サンプル中の3.2ng/mlを上回るMICAレベルが流産の高い確率を示す。したがって、本発明は、対象が移植胚を受ける女性であって、可溶性MICAタンパク質のレベルが着床後にも測定でき、血清サンプル中の3.2ng/mlを上回るMICAレベルが流産の高い確率を示す方法に関する。
第5の特定の態様において、低いMICAレベルはIVFの成功の高い確率を示す。特に、ホルモン前処置前に、28ng/ml未満、好ましくは6ng/ml未満、より好ましくは2.45ng/ml未満の血清サンプル中のMICAレベルが、IVFの成功、好ましくはIVFの成功の高い確率を示す。
したがって、本発明は、対象のサンプル中のMICAについてのインビトロアッセイおよびIVFの成功の確率を示すMICAレベルを有する対象を選択することを含む、IVFのために適切な対象を選択するための方法に関する。方法は、対象からのサンプルを提供する前工程を含んでよい。対象は、特に、NFのための志願者である女性である。サンプルは、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、および腹腔鏡探索の場合(子宮内膜症、付着胎盤、感染性の続発症)は腹水のサンプルからなる群より選択できる。好ましい態様において、サンプルは、血液、血漿、または血清のサンプル、好ましくは血清サンプルである。サンプルは直接的に使用できる、または、前処置にかけることができる。
IVFのために適切な対象を選択するための方法の好ましい態様において、方法はサンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイを含む。可溶性MICAレベルは、好ましくは、ホルモン前処置の開始前に測定される。例えば、28ng/ml未満、好ましくは6ng/ml未満、より好ましくは2.45ng/ml未満の血清サンプル中の可溶性MICAレベルは、IVFの成功の確率を示す。他の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。「無細胞」により、細胞中に含まれない核酸を意図する。追加の好ましい態様において、方法は間接的MICAアッセイを含み、サンプル中に存在する抗MICA抗体のアッセイを含む。サンプル中のMICAレベルは、好ましくは、ホルモン前処置の開始前に測定される。
第2の態様において、対象は、精液を提供する男性である。この態様において、サンプルは、血液、血漿、血清、および精液のサンプルからなる群より選択できる。新鮮な射精された精液、精子の受精能獲得のための調製後の新鮮な精液、凍結前または後の精巣上体精子、および凍結前または後の精巣の精子からなる群より選択できる。実際に、サンプル中のMICAの存在は、低い受精能を示す。好ましい態様において、方法は、サンプル中の可溶性MICAについてのアッセイを含む。別の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。
したがって、本発明は、精液を提供する男性の血液、血漿、血清、または精液のサンプル中のMICAレベルを測定することによる精液または精子の質を判断するための方法にも関する。方法は、対象からのサンプルを提供する前工程を含んでよい。好ましい態様において、方法は、サンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイを含む。別の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。特に、精液または精子の質を使用し、その受精能を判断する。好ましくは、サンプル中のMICAレベルは、精液または精子の質、ひいてはIVFの成功の確率を示す。好ましくは、MICAレベルが高いほど、精液または精子の質、ひいてはIVFの成功の確率は低い。
本発明は、さらに、精液を提供する男性の血液、血漿、血清、または精液のサンプル中のMICAレベルを測定することを含む、卵母細胞のIVFのために適切な精液または精子を選択するための方法に関する。方法は、対象からのサンプルを提供する前工程を含んでよい。実際に、MICAの存在は着床不全に関連してきた。好ましくは、最低のMICAレベルを示すサンプルをIVFのために選択する。好ましい態様において、方法は、サンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイを含む。別の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。
加えて、本発明は、対象からの血液、血漿、血清、または精液のサンプル中のMICAレベルを測定することを含む、対象において男性不妊の確率を判断するための方法に関する。方法は、対象からの血液、血漿、血清、または精液のサンプルを提供する前工程を含んでよい。実際に、MICAの存在は男性不妊に関連してきた。好ましい態様において、方法は、サンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイを含む。別の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。
第3の態様において、対象は、卵母細胞を提供する女性である。対象は受ける女性でもよい。実際に、MICAの存在は、卵母細胞、ひいては胚の質を評価するために利用でき、MICAの存在は生存および/または着床の低い確率を示す。好ましい態様において、サンプルは、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、および腹腔鏡探索の場合(子宮内膜症、付着胎盤、感染性の続発症)は腹水のサンプルからなる群より選択される。特に、サンプルは、卵胞液、例えば卵母細胞回収後の卵胞穿刺により得られる卵胞液でよい。この液は、HCGによる排卵誘発後の膣穿刺により提供できる。
サンプルは、胚上精または胚培養液からも提供できる。特定の態様において、上精または培養液は、移植すること、または、凍結することを目的とする胚に由来する。
サンプルは、直接的に使用でき、または、凍結、精製、加熱、濃縮、希釈などの前処置にかけてよい。
したがって、本発明は、胚の培養液または上精中のMICAレベルを測定することにより胚の質を判断するための方法にも関する。MICAレベルは、受精から少なくとも44〜46時間後、好ましくは、受精から60、70、80、または90時間後に測定する。好ましい態様において、方法は、サンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイを含む。別の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。特に、胚の質を使用して、胚の着床の成功の潜在能力を判断する。好ましくは、胚の培養液または上精中のMICAレベルは、胚の質、ひいては胚の着床の成功の確率を示す。好ましくは、MICAレベルが高いほど、胚の質、ひいては胚の着床の成功の確率は低い。
本発明は、胚移植、体外受精、または着床のために適切な胚を選択するための方法にも関し、方法は胚の培養液または上精中のMICAレベルを測定することを含む。特に、MICAレベルは、胚移植、体外受精、または着床のための胚の適切性を示す。好ましくは、培養液中で最低のMICAレベルを示す胚を、胚移植、体外受精、または着床のために選択する。実際に、MICAの存在は着床不全に関連してきた。好ましい態様において、方法は、サンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイを含む。別の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。
本発明は、さらに、本発明の方法で胚を選択すること、および、適合性のあるヒト子宮内に胚を移植することを含む、IVFの方法に関する。
別の局面において、本発明は、サンプル中のMICAについてのインビトロアッセイを含む、対象において流産、血管性妊娠病、子癇前症、子癇前症に関連する、または、関連しない血管性または非血管性の子宮内発育遅延(IUGR)、HELLP症候群、妊娠性脂肪症、妊娠性ネフロパシーまたは子宮内胎児死亡を含む妊娠合併症の確率を判断するための方法に関し、MICAレベルは、流産、血管性妊娠病、子癇前症、子癇前症に関連する、または、関連しない血管性または非血管性の子宮内発育遅延(IUGR)、HELLP症候群、妊娠性脂肪症、妊娠性ネフロパシーまたは子宮内胎児死亡を含む妊娠合併症の確率を示す。特に、本発明は、子癇前症の重症度を判断するために有用である。したがって、本発明は、サンプル中のMICAについてのインビトロアッセイを含む、対象において重度の子癇前症の確率を判断するための方法に関し、MICAレベルは重度の子癇前症の確率を示す。
方法は、サンプルを提供する前工程を含んでよい。
この方法において使用するサンプルは、血液、血漿、血清、胎盤、臍帯血、内皮細胞、および羊水のサンプルからなる群より選択できる。好ましい態様において、サンプルは、血液、血漿、または血清のサンプル、好ましくは血清サンプルである。サンプルは直接的に使用できる、または、前処置にかけることができる。
対象は、好ましくは、妊娠した女性または妊娠することを望む女性である。
好ましい態様において、方法は、サンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイを含む。別の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。追加の好ましい態様において、方法は間接的なMICAアッセイを含み、サンプル中に存在する抗MICA抗体のアッセイを含む。
好ましくは、可溶性MICAレベルは胚着床後に測定する。
好ましくは、例えば少なくとも0.3ng/ml、0.5ng/ml、0.75ng/ml、または1ng/mlの血清サンプル中の可溶性MICAの検出は、流産、血管性妊娠病、子癇前症、子癇前症に関連する、または、関連しない血管性または非血管性の子宮内発育遅延(IUGR)、HELLP症候群、妊娠性脂肪症、妊娠性ネフロパシーまたは子宮内胎児死亡を含む異常妊娠、より好ましくはVPD、子癇前症、血管性IUGR、IUFD、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される病理のより高い確率を示す。好ましくは、例えば少なくとも0.3ng/ml、0.5ng/ml、0.75ng/ml、または1ng/mlの血清サンプル中の可溶性MICAの検出も、重度の子癇前症、特に腎不全および/または胎盤機能不全の反映である両側性子宮拡張早期切痕を反映するタンパク尿に関連する子癇前症のより高い確率を示す。特定の態様において、2.5ng/mlまたは10ng/mlを上回る血清サンプル中の可溶性MICAレベルは、流産、血管性妊娠病、子癇前症、子癇前症に関連する、または、関連しない子宮内発育遅延(IUGR)、HELLP症候群、妊娠性脂肪症、妊娠性ネフロパシーまたは子宮内胎児死亡を含む異常妊娠のより高い確率を示す。
本発明は、サンプル中のMICAについてのインビトロアッセイを含む、対象において非血管性の子宮内発育遅延(IUGR)から血管性の子宮内発育遅延(IUGR)を識別するための方法にも関し、MICAレベルは血管性IUGRの確率を示す。好ましくは、サンプルは、血液、血漿、または血清のサンプル、好ましくは血清サンプルである。より好ましくは、好ましくは少なくとも0.3ng/ml、0.5ng/ml、0.75ng/ml、または1ng/mlのサンプル中の可溶性MICAの検出が、血管性IUGRを示す。好ましくは、可溶性MICAレベルは胚着床後に判断する。
上に示す通り、MICAをアッセイする工程は、サンプル中の可溶性MICAタンパク質のアッセイを含んでよい。好ましい態様において、体液サンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイの工程は、サンプルを抗MICA抗体と接触させることを含む。好ましい態様において、サンプル中の可溶性MICAについてのアッセイの工程は、ELISAアッセイ、好ましくはサンドイッチELISAアッセイにより実施できる。タンパク質、特に可溶性タンパク質の分析および定量化のためのELISA技術は、当業者に周知である。代わりの態様において、サンプル中の可溶性MICAについてのアッセイの工程は、抗体のマイクロビーズ(Luminex technology)への結合、ウエスタンブロット、ドットブロット、ラジオイムノアッセイ(RIA)、FACS分析、および当業者に周知の他のイムノアッセイ技術により実施する。
例えば、ELISAアッセイは以下の通りに実施できる:試験サンプルをポリスチレンマイクロタイタープレートのウェル上に固定する;抗MICA抗体をウェルに添加する;結合および非特異的結合を除去するための洗浄後、結合した抗MICA抗体を検出する。検出は、抗MICA抗体に特異的な検出可能な抗体の添加により達成できることが多い。例えば、それは二次抗体(例えば、ヤギからの抗マウスIgG抗体)のFc部分に対する三次抗体により検出できる。あるいは、抗MICA抗体を標識できる。
好ましくは、サンドイッチELISAアッセイは以下の通りに実施できる:抗MICA抗体をポリスチレンマイクロタイタープレートのウェル上に固定する;試験サンプルをウェルに添加する;結合および非特異的結合を除去するための洗浄後、結合したMICAを抗MICA二次抗体により検出する。検出は、抗MICA抗体に特異的な検出可能な抗体の添加により達成できることが多い。例えば、それは二次抗体(例えば、ヤギからの抗マウスIgG抗体)のFc部分に対する三次抗体により検出できる。あるいは、抗MICA二次抗体を標識できる。
本発明のおいて有用な抗MICA抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルでよい。抗体は、任意のクラス、好ましくはIgG1またはIgG2aでよい。それらは、MICA、特に可溶性MICAに特異的でよい。これらの抗体は、MICAの細胞外部分に結合できる。あるいは、それらはMICAおよびMICBの両方に結合できる。
抗体を調製および特性付けするための手段は、当技術分野において周知である(Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY (1988))。抗体のより具体的な例は以下である:国際公開第03/089616号における2C10、6D4、6G6、ならびに3H5、および、Hue et al. (2003)におけるSR99、SR104、ならびにSR116。好ましくは、抗MICA抗体は、好ましくはSR99、SR104、およびSR116からなる群より選択されるモノクローナル抗体である。
抗MICA抗体は標識できる。標識は、放射能、蛍光、化学発光、酵素、またはリガンドでよい。抗MICA抗体は非標識でもよく、標識される検出剤と併用できる。例えば、それらは抗MICA抗体(例えば、ヤギからの抗マウスIgG抗体)のFc部分に対する二次抗体により検出できる。
上に示した通り、MICAをアッセイする工程は、MICAをコード化する無細胞核酸のアッセイを含んでよい。MICAをコード化する核酸はRNAまたはDNAでよい。ホモサピエンスMICAをコード化するmRNAのGenbankエントリーは、NM_000247である。ホモサピエンスMICAのGeneIDは4276である。MICAをコード化するそのような無細胞核酸は体液サンプル中で遊離でき、および/または、循環マイクロ粒子、特に血液または血清のサンプル中に存在するマイクロ粒子中に含まれてよい。MICAをコード化する核酸は、当業者により周知の任意の手段によりアッセイできる。例えば、それは、リアルタイム定量的PCR、RT−PCRにより、適切なプライマーおよびプローブを使用することによるサザンブロットもしくはノーザンブロットまたはそれらの組み合わせによりアッセイできる。好ましい態様において、それは、定量的PCRまたはRT−PCRによりアッセイする。当業者は、適切なプライマー対を容易にデザインできる。例えば、SYBR Greenによる定量的RT−PCRによりMICA RNAをアッセイするために適切なプライマー対は以下でよい:MICA 970FおよびMICA 1127R。
Figure 0005461998
これらの技術を適用する前に、サンプルの核酸を精製または濃縮できる。MICAをコード化する核酸の検出は、特許出願国際公開第98/19167号において広範囲に記載されており、その開示は参照により本明細書によって組み入れられる。
上に示す通り、MICAをアッセイする工程は、サンプル中に存在する抗MICA抗体を含んでよい。例えば、抗MICA抗体は、MICAタンパク質、好ましくは組み換えMICAタンパク質を使用してELISAアッセイにより検出できる。そのようなMICAタンパク質を調製するための方法は、特許出願国際公開第98/19167号および国際公開第03/089616号において広範囲に記載されており、その開示は参照により本明細書によって組み入れられる。あるいは、サンプル中の抗MICA抗体をアッセイする工程は、MIC、好ましくはMICAのマイクロビーズ(Luminex technology)への結合により実施できる。市販キットLabscreen(One Lambda, ref LSMICA001)は、Luminexにより血清サンプル中の抗MIC抗体をアッセイするために有用である。抗MIC抗体のためのそのようなアッセイは、不妊に関連する自己免疫病理(セリアック病、APS・・・)における自己抗体アッセイのために有効になりうる。このアッセイは、免疫学的病因(子癇前症、習慣流産)を伴う妊娠性病理を有する女性の場合にも価値がある。
加えて、本発明は、対象からのサンプル中のMICAレベルを測定することを含む、自己免疫疾患または異常を患う対象において不妊の確率を判断するための方法に関し、MICAレベルは対象での不妊の確率を示す。任意に、方法は、対象からのサンプルを提供する前工程を含んでよい。サンプルは、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、卵胞液、腹腔鏡探索の場合は腹水、および精液からなる群より選択できる。好ましい態様において、方法は、サンプル中の可溶性MICAタンパク質についてのアッセイを含む。別の好ましい態様において、方法は、MICAをコード化する無細胞核酸についてのアッセイを含む。追加の好ましい態様において、方法は、サンプル中に存在する抗MICA抗体のアッセイを含む。
本発明は、生殖の医学および生物学における、抗MICA抗体、MICAをコード化する核酸に特異的な一連のプライマー、MICAをコード化する核酸に特異的なプローブ、およびMICAタンパク質からなる群より選択される少なくとも1つのエレメントを含むキットの使用にも関する。それは、抗MICA抗体、MICAをコード化する核酸に特異的な一連のプライマー、MICAをコード化する核酸に特異的なプローブ、およびMICAタンパク質からなる群より選択される少なくとも1つのエレメントを含む、生殖の医学および生物学のためのキットにも関する。MICAタンパク質は可溶性MICAでよい。キットは、説明書、任意の適切な陰性および陽性対照、標準タンパク質、および/または検出試薬をさらに含んでよい。
好ましい態様において、キットは抗MICA抗体を含む。キットは、可溶性MICタンパク質、好ましくはMICAタンパク質をさらに含んでよい。可溶性MICAは、切断型MICAの組み換え発現により産生できる。可溶性MICAは、細菌、酵母、哺乳動物、昆虫の細胞などの適切な宿主細胞から発現できる。精製を容易にするために、MycまたはHisタグなどのタグをコード配列中に含めてよい。そのような可溶性MICAは、陽性対照のために利用できる。組み換え可溶性MICA分子は、Hue et al., 2003 (p. 1910)において記載の通りに調製でき、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。キットは、任意にマイクロタイタープレートのウェル上に固定した抗MICA抗体を有するマイクロタイタープレートをさらに含んでよい。最後に、キットは、任意の適切な免疫検出試薬または溶剤を含んでよい。本発明は、特に、体外受精(IVF)の失敗、胚着床不全、流産、子宮内発育遅延、および子癇前症の確率のためのキットの使用にも関する。好ましくは、抗MICA抗体は、好ましくはSR99、SR104、およびSR116からなる群より選択されるモノクローナル抗体である。特定の態様において、キットはさらに可溶性MICAタンパク質を含む。
本発明は、IVFのために適切な対象を選択するため、体外受精(IVF)の結果を判断するため、精液または精子の質を判断するため、IVFのために適切な精液または精子を選択するため、対象において男性不妊の確率を判断するため、胚の質を判断するため、胚移植、体外受精、または着床のために適切な胚を選択するため、妊娠中に高い合併症リスクを有する対象、特に流産、血管性妊娠病、子癇前症、子癇前症に関連する、または、関連しない子宮内発育遅延(IUGR)、HELLP症候群、妊娠性脂肪症、妊娠性ネフロパシーまたは子宮内胎児死亡に感受性の高い対象を同定するため、子癇前症の重症度を判断するため、または非血管性の子宮内発育遅延(IUGR)から血管性の子宮内発育遅延(IUGR)を識別するため、および自己免疫疾患、特にセリアック病または抗リン脂質抗体症候群(APS)を有する対象において不妊症の確率を判断するための本発明のキットの使用にも関する。
本発明は、SR99、SR104、およびSR116からなる群より選択される少なくとも1つの抗MICA抗体を含む、可溶性MICAをアッセイするためのキットにも関する。好ましくは、キットは、2つの抗MICA抗体、特にSR99およびSR104を含む。任意に、2つの抗体の1つを標識する(例、ビオチン化抗体)。好ましい態様において、キットはサンドイッチELISAアッセイのために適切である。本発明は、さらに、本発明の方法におけるこのキットの使用に関する。
追加で、本発明の方法および使用のいずれか1つにおけるMICAのアッセイは、当技術分野において公知の他のマーカーのアッセイと組み合わせることができる。いくつかのマーカーの組み合わせによって、予測可能性をさらに増加できる。例えば、これらの追加マーカーは、HLA−Gならびにエンドグリン、PIGF、およびsFLT1などの血管新生マーカーからなる群において選択できる。これらの追加マーカーをアッセイするために、キットは、抗体、プライマー、HLA−G、エンドグリン、PIGFおよび/またはsFLT1抗体などの1または複数の追加マーカーに特異的なプローブ、HLA−G、エンドグリン、PIGFまたはsFLT1をコード化する核酸に特異的な一連のプライマー、および/またはHLA−G、エンドグリン、PIGFまたはsFLT1をコード化する核酸に特異的なプローブからなる群より選択される1または複数の追加エレメントを含んでよい。
本発明のさらなる局面および利点が、以下の実験の項において開示され、それらは説明と見なされるべきであり、本発明の範囲を限定しない。本明細書および実施例において引用する文献、特許、および特許出願を含む、すべての参考文献の内容は、すべて参照により本明細書に組み入れられる。
実施例
実施例1:可溶性MICの血清レベルは、体外受精後の着床不全および満期妊娠の成功の予測マーカーである。
子宮NK(uNK)は、胚着床部位で見出される主要なリンパ球系細胞集団であり、妊娠中期後に次第に消失する。母親において機能する自然免疫機構は、このように半同種異系胎児の許容性において強力な影響を有すると考えられる。特に、uNK受容体は父親の/トロホブラスのトリガンドを認識し、それによって母親の免疫系による胎児攻撃が防がれる。
通常は胎児母体接触面で発現する既知のNK阻害リガンドである可溶性HLA−Gの存在は、胚上精において、体外受精(IVF)後のより高い胚着床率と相関する(Fuzzi et al., 2002; Warner et al., 2004)。uNK上の母親のキラー免疫グロブリン受容体(KIR)と胎児HLA−Cの間の相互作用も生殖の成功に影響を及ぼす(Hiby et al., 2004; Parham, 2004; Wu et al., 2004)。加えて、uNK細胞は、着床および胎盤形成に有利となる血管新生因子およびサイトカインを分泌する(Ashkar et al., 2003; Coulam et al., 2003; Hanna et al., 2006; Ledee-Bataille et al., 2004; Moffett-King, 2002)。
したがって、発明者らは、uNK細胞の任意の機能障害が、このように着床および妊娠の成功を妨げるはずであると推定した。
sMICストレス誘導性MHCクラスI関連分子の発現の機能上の意味が、腫瘍学(Carbone et ai., 2005; Groh et al., 2005; Groh et al., 1998)および自己免疫(Hue et ai., 2004; Meresse et al., 2004)において広く探索されてきた。同種異系または自己細胞上でのストレス誘導性NKG2Dリガンド発現は、NK細胞の細胞毒性およびサイトカイン/ケモカインの産生を標的とすることが示されてきた(Andre et al., 2004; Lanier, 2005; Meresse et al., 2004; Raulet et al., 2003; Sutherland et al., 2002)。活性化および刺激の二重機構が、NKG2D受容体による可溶性MICの関与に関連付けられてきた。実際に、一部の癌患者の血清中の可溶型MIC(sMIC)の放出が、刺激性NKG2D受容体のエフェクターNKおよびTリンパ球における内在化を誘導することが示されており、このように、先天性および適応性の抗腫瘍免疫応答ならびに腫瘍増殖に有利となる逸脱機構の両方を損なう(Groh et al., 2002; Wu et al., 2004)。胎盤由来sMICによるNKG2Dのそのような下方制御も、妊娠中に母親の免疫応答を下方制御しうる免疫逸脱機構として近年示されてきた(Mincheva-Nilsson et al., 2006)。
しかし、sMICストレス誘導性MHCクラスI関連分子は、生殖不全に関して全く研究されてこなかった。初めて、発明者らは、体外受精(IVF)後に妊娠できない、または、生存能力のある乳児を産めない女性において血清sMICAを証明できるか否かについて研究した。
材料および方法
対象および方法
現地の倫理委員会により承認された今回の前向き試験は、マルセイユのLa Conception HospitalのCenter of Assisted Reproductive MedicineでIVFまたはICSIを受けた連続的な一連の不妊患者で実施された(2004年1月〜2005年10月)。170人の不妊女性のコホートは、すべてIVFのための志願者であり、所定の同意後に本試験のために募集された。臨床的適応症は、原因不明の不妊、男性不妊、および卵管要因であった。含まれた女性のいずれも過去の妊娠歴は有さなかった。IVFに先立つサイクルの卵胞期中に血漿サンプルを採取した。すべての患者が同様の刺激措置を受けた。卵巣刺激は、Gnrhアゴニストアナログでの下垂体の下方制御後に開始した組み換えFSH(Gonal F(登録商標), Serono Pharma, Paris, France; Puregon(登録商標), Organon France, Paris, France)を使用することにより実施した。完全な下垂体脱感作が、50pg/ml未満の低い血漿中エストラジオール、および卵巣嚢腫を除外するための超音波検査の両方により確認され、5mm未満の子宮内膜厚が確認された。少なくとも3個の卵胞の直径が16mmを超えた時にヒト絨毛膜性ゴナドトロピン10000UI(HCG)を投与した。卵母細胞の回収は、HCG投与から32〜34時間後に経腟超音波誘導および全身麻酔により実施した。黄体期は、胚移植日から天然プロゲステロンで支持した。胚移植は、卵母細胞の採取後2日目または3日目に実施した。胚移植から15日後に血清HCG測定を1回実施した。臨床上の妊娠は、胎児の心拍を伴う子宮内胎嚢が経腟超音波検査により検出された場合に定義した。
採取した卵母細胞は、血清代替サプリメントを加えた600μlの培養液を伴う4ウェルマルチディッシュ中で培養した。各ウェルは1から4個の卵母細胞を含んだ。IVFまたはICSI技術を精子注入のために使用した。卵母細胞の受精が倒立顕微鏡下で精液注入から16〜18時間後に観察され、受精率を算出した。胚は培養において48時間または72時間後に試験し、切断率を評価し、4個までの胚を移植のために選んだ。割球の数および断片化の量に従って、胚を工程分けした。使用した工程は:工程1(断片なし)、工程2(<20%)、工程3(20〜50%断片化)、工程4(>50%断片化)。
血漿中の可溶性MICレベルのELISAアッセイ
可溶性MICA分子の構築、発現、および精製:組み換え可溶性MICA分子をHue et al., 2003 (p. 1910)において記載の通りに調製しているが、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。
抗MICA mAbの産生:抗MICAモノクローナル抗体をHue et al., 2003 (p. 1910)において記載の通りに調製しているが、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。
ELISAによる可溶性MICAの検出:血清中の可溶性MICAを検出するために、2つの異なる抗MIC mAbをサンドイッチELISAにおいて使用した。高結合ポリスチレンプレート(Greiner; Sigma-Aldrich)を捕捉SR99 Ab(PBS中5μg/ml、100μl/ウェル)で、4℃で12時間コーティングし、PBS+0.05%Tween20で5回洗浄し、100μlの5%BSAの添加により22℃で1時間ブロッキングし、PBS−0.05%Tween20中で洗浄した。スタンダード(PBS−0.05%Tween20中の100μg/mlから0.1ng/mlの可溶性rMICAの連続希釈)および血清サンプル(100μl/ウェル)を次に室温で2時間添加した。5回の洗浄後、ビオチン化SR104検出Ab(PBS中150ng/ml、100μl/ウェル)を室温で1時間添加した。プレートを洗浄し、ストレプトアビジン抱合HRP(1/30,000;Amersham Pharmacia Biotech)と室温で20分間インキュベートし、洗浄し、テトラメチルベンジジン基質(Sigma-Aldrich)と37℃で15分間反応した。反応を0.5M H2SO4(50μl/ウェル)で停止した。吸光度を450nmで測定した。組み換え可溶性MICAタンパク質の検出閾値は0.1ng/mlであった。
統計分析
群間の差は、GraphPad Prism software version 4.0bを使用して、データが正規分布しているか否かに応じて、oneway ANOVA、スチューデントのt−検定、またはマンホイットニー順位和検定による統計的有意性について評価した。カイ二乗分析を使用して、様々な独立群間でのsMICの頻度を比較した。受信者動作特性曲線(ROC)分析を使用して、SMICA濃度のカットオフポイントおよびそれらの感度/特異性を分析した。測定したカットオフをさらに使用して、相対リスクおよびオッズ比を評価した。有意なp値は<0.05に設定した。
結果
より高いsMIC血清レベルが、IVF後に着床不全を経験する不妊女性において見出される。
含まれた患者170人の内、38人がIVF後に胚着床の成功を経験したが、その内の妊娠中の30人が期間終了時に生存可能な乳児を生み、着床の成功後に8の流産が起こった。3人の患者が8SAに、2人の患者が9SAに、2人の患者が6SAに、1人の患者が7SAに流産を経験した。病理報告(>8SAの喪失について実現)は、遺伝子喪失を支持しなかった。患者の特徴を表1においてまとめる。
血清sMICを記載の通りに(Hue et al., 2004)サンドイッチELISAを使用して測定した。IVFを経験した64人(38%)の患者が、検出可能なsMIC血清レベルを有していた(平均=15.28ng/ml、上下95%範囲=10.7〜19.9ng/ml)。
これらの群において正規化した場合にパラメーターがIVFの結果に関連するとの事実にもかかわらず(表1)、陽性患者における平均sMICレベルは、着床不全群と比較し、胚着床の成功を有する女性(中央値=2.5、25−75%パーセンタイル範囲:1.5−9.7)において有意に異なった(12.0,3−24.2,p<0.021)。発明者らは、このように、sMICレベルの値がsMIC陽性女性における着床不全の予測に有用となりうるか否かについてさらに研究した。彼らはこのように2.45ng/mlのカットオフ値を定義し、ROC分析によるリスク評価を可能にした(感度82、特異性50%)。sMIC>2.45は、着床不全に関連した(オッズ比:4.6,95%CI1.08−19.79,p=0.031)。>27.7ng/mlのsMIC血清レベルは常にIVF後の胚着床の欠如に関連した(図1)。
Figure 0005461998
sMIC血清レベルは、IVF後の期間終了時に生存可能な生まれた乳児を有するチャンスを予測する。
着床不全を予測することに加えて、発明者らは、さらに、増加したsMICレベルが生きた乳児の誕生としてのIVFの結果を予測できるか否かを前向きアッセイした。実際に、着床が成功であった後(女性38人)、8人の女性がIVF後に流産を経験し、30人が生存可能な乳児を出産した。陽性の場合、IVF前に観察された可溶性血清MIC値は、IVF後に流産または着床不全を経験した女性を参照し(中央値=11ng/ml,min−max:0.1−96ng/ml,図1)、IVF後に出産した女性の群において有意に低い(中央値=2ng/ml,min.−max.範囲:1−6ng/ml)ことが見出された。発明者らは、このように、流産または着床不全の代わりに妊娠の成功を達成する可能性を予測しうるsMICの値をさらに評価した。2.45ng/mlの同じカットオフを使用し(感度=82%および特異性=75%)、生存可能な乳児を有する可能性は、IVF前にsMIC血清レベルにより予測した場合により高く、2.45ng/mlの閾値よりも低かった(オッズ比=13.8,CI95%=2.03−118,p=0.002)。進行中の妊娠を達成した女性において観察されたsMICの最高値は、6ng/mlであった(図1)。
sMICの高値は、着床成功後の流産に関連する。
着床が成功した場合(38例)、sMIC陽性の女性の頻度は着床の成功との関係において有意に異ならなかったが(着床成功群における36%対着床不全群における38%)、sMIC陽性の頻度は、満期妊娠の成功を伴う群(26%)よりも、流産を経験した女性の群(75%)において高かった(p=0.03)。さらに、陽性の場合、IVF前のsMIC血清レベルの中央値は、妊娠の達成に成功した群(中央値=2.1,min.−max範囲1−6ng/ml)よりも、IVF後に流産を経験した群(中央値=9.7,min.−max.観察値=2.5−24ng/ml)においてより高いことが示された。発明者らは、このように、流産のリスクがsMIC血清レベルから予測できるか否かをさらに評価した。より高いsMIC血清レベルは、IVFの非存在下において、妊娠女性の総集団における流産の発生に関連しなかったが、発明者は、着床がIVF後に成功である場合、より高いsMICがIVF後に得られる妊娠中に発生する流産に関連することを示すことができた。実際に、>3.2ng/mlのsMIC血清レベルのカットオフ値を使用し(感度83%および特異性75%)、満期妊娠と比較した場合、sMICによって着床の成功後の流産を予測できた(オッズ比=35,p=0.026,95%CI1.74−703)。女性が>6ng/mlのsMIC血清レベルを有した場合、期間終了時に出産は観察されなかった。
考察
sMICが胚着床に影響を及ぼす機構は依然として不明である。ナチュラルキラー細胞は、それらがサイトカイン/ケモカイン/血管新生因子の産生およびトロホブラストモデリングを調節する主要な免疫パートナーを表すため、着床の早期工程で本質的な役割を果たす(Sargent et al., 2006)。sMICは、活性化NKG2D受容体のための多数のリガンドの1つであり、NKおよびCD8およびγδTリンパ球上で広く発現される。NKG2Dリガンド、とりわけ可溶性MICによる活性化NKG2D受容体の関与は、NK媒介性の細胞毒性活性、増殖、およびサイトカイン産生のための共刺激シグナルである(Andre et al., 2004; Bryceson et al., 2006; Raulet et al., 2003; Sutherland et al. , 2002; Upshaw et al., 2006)。あるいは、そのNKG2D受容体のsMIC誘導性内在化は、抗腫瘍NK細胞活性を下方制御する機構として記載されてきた(Wu et al., 2004)。胎盤由来の可溶性MICによるNKG2Dの下方制御は、近年、胎児の生存に有利となる免疫回避機構として示されてきた(Mincheva-Nilsson et al., 2006)。このように、NKG2D受容体とそのリガンドの間の相互作用に起因するuNK細胞のサイトカインレパートリーまたは溶解活性の調節は、着床環境に影響を及ぼし、IVF後の妊娠の成功に有害となりうる。
発明者らの主な知見は、このように、ストレス誘発性の免疫刺激MHCクラスI鎖関連分子が、着床および妊娠の失敗を経験する女性においてIVF前によく見られることである。2.45ng/mlを上回るsMICの血清レベルは、より高い着床不全率のマトリクスを予測し、>6ng/mlのsMIC血清レベルは進化中の満期妊娠を決してもたらさず、>28ng/mlのレベルは常にIVFの失敗に関連した。さらに、着床の成功後、>3.2ng/mlのsMICレベルを持つ女性ではIVF後に流産を経験するリスクが高い。IVFの失敗後に妊娠の成功を達成しない女性の血清中のsMICタンパク質レベルの増強に寄与しうる由来および不妊状態に関連する機構は、依然として未解明である。MIC発現細胞の膜からのsMICの放出には、メタロプロテイナーゼによる切断が含まれると報告されてきた(Waldhauer et al., 2006)。メタロプロテイナーゼ活性の変化が、再発性の着床不全を伴うIVF患者において報告されてきた(Shibahara et al., 2005)。可溶性MICを生成する機構およびIVF後の着床不全または妊娠喪失に関連する免疫機能に及ぼすsMICの影響のさらなる研究は、今日、探索が困難な問題である。セリアック病における本研究(Hue et al., 2004)の共著者により寄稿された通り、不妊症のより高い有病率が報告されており(Meloni et al., 1999)、sMICが自己および同種免疫過程のマーカーでもあるとの事実は、sMICが胎児胚を拒絶するための母親のより高い自己または同種反応の潜在能力の兆候となりうることを示す。
要するに、IVFの高い経済的および心理学的な意味を考慮すると、本研究は、seric sMICの定量化が、IVFの結果の非侵襲性評価および予測における適用を伴う新規パラメーターと見なされうるとの議論を提供する初めてのものである。その予後値の他、このバイオマーカーの主な値は、女性ホルモン前処置の開始前でのその投与量の可能性である。これらの特色は、このように、IVF関連リスクのカウンセリングまたは管理を改善し、ひいては不妊女性の健康管理のための結果的な利益を提供するはずである。
実施例2:可溶性MICは、血管性妊娠病を伴う女性の血漿中でより高頻度に見いだされる。
妊娠は、広範な血管新生および母親の免疫寛容の確立が胎児および胎盤の発生の成功を可能するという特有の状況を作り出す。トロホブラスト胎児細胞と母親の免疫細胞の間のクロストークによって、胎児での妊娠早期の胎盤発生、脈管形成、および免疫寛容が制御される。不適切な胎盤形成は、子癇前症(PE)、子宮内発育遅延(IUGR)、および再発性妊娠喪失を含む血管性妊娠病(VPD)を招き、それらは胎児母体の罹患および死亡の主要な原因を表す。子癇前症は、妊娠から20週後の高血圧およびタンパク尿を特徴とする。胎盤の血管新生反応(不完全ならせん動脈の再構築)がどの程度不適切な血管性妊娠病を招きうるかについての理解における最近の進歩にもかかわらず、それらの予後は依然として重篤であり、胎盤除去が依然として重篤の子癇前症および主な子宮内発育制限を管理するための唯一の処置である。
実施例2a
材料および方法
対象
可溶性MICの血漿レベルを、血管性子宮内発育遅延(IVGR)、子癇前症(PE)、または子宮内胎児死亡(IUFD)を含む血管性妊娠病(VPD)を経験した49人の女性において評価され、妊娠期間(平均29週間)について対応させた正常な進行中の妊娠を伴う53人の女性からの血漿の対照群と比較した。
方法
PEは、タンパク尿(300mg/24h超)に関連する、90mmHgを上回る拡張期動脈圧、および140mmHgを上回る収縮期血圧と定義した。加えて、母親および胎児の両方での有害結果のリスク増加に関連する、特にHELLP症候群(H=溶血;EL=肝酵素の上昇;およびLP=低い血小板数)(Weinstein et al., 2005)および腎不全を招く乏尿に関連する、母親の重度合併症が報告された。
血管性IUGRは、異常子宮としての「胎盤機能不全」の少なくとも1つの生物学的または超音波診断マーカーに関連する妊娠期間についての<2.5thパーセンタイルの超音波測定値、または臍動脈ドップラー(Chien et al., 2000)、または血漿中フィブロネクチンレベルの上昇(Ostlund et al., 2001)として定義された。血管性IUGR群の除外基準は、胎児における先天性奇形または染色体異常の存在、最近のサイトメガロウイルスまたはトキソプラズマ感染、外傷、妊娠中の薬物またはアルコールの乱用、および妊娠期間のわりに体格の小さな胎児であった。
IUFDは、超音波検査により、重度の成長遅延後に起こる、妊娠12週目に心臓活動のない、期間に応じた胎児の生体計測を伴う目に見える胎児と定義した。
結果
Figure 0005461998
図2に示す通り、MICのより高いレベルが、血管性妊娠病を伴う女性のMIC+陽性サンプルにおいて見出されている。
実施例2b
材料および方法
対象
インフォームドコンセントに続き、169人の女性が2年間(2004〜2006年)にわたり実施された試験において連続的に含まれた。
81人の患者が血管性妊娠病(VPD)を呈し、それをさらに3群に分割した:PEを伴う40人の患者、血管性IUGRを伴う23人の患者、子宮内胎児死亡(IUFD)を伴う18人の患者。PE、IUGR、IUFDは、実施例2aにおいて上に記載した通りに定義した。
25人の患者が孤立性の非血管性IUGRを呈し、4症例において胎児の染色体異数性、8症例において胎児の多発性奇形症候群、3症例において毒性または感染性の由来、および残りの10症例において妊娠期間のわりに小さな胎児に関連した。非血管性IUGRは、妊娠期間について<2.5thパーセンタイルの超音波測定値として診断され、フィブロネクチンレベル、子宮および臍動脈のドップラー速度は正常であった。
対照群は、定期的な婦人科検査で見られ、正常妊娠(NP)の結果を確認するために分娩まで追跡調査した63人の健常な妊娠女性から成った。正常妊娠を妊娠17から41週目の間に募集し、正常妊娠の期間とVPDを伴う患者のそれを対応させた。
血漿の採取
血管性妊娠病または孤立性IUGRの診断時、および、期間を対応させた正常妊娠の対照群での産科検査時に血液サンプルを採取した。サンプルを0.129mol/lクエン酸ナトリウム(3.8%)中に採取し、遠心分離し、標準手順に従って−80℃で保存した。
sMICA/BについてのキャプチャーELISA
先に記載した通りに(Hue et al., 2004)、サンドイッチ酵素結合免疫測定法を使用して血漿中の可溶性MIC濃度を測定した。各実験において標準物質として使用した組み換え可溶性MICAタンパク質の検出閾値は0.1ng/mlで、0.3ng/mlより高い血漿レベルを陽性と見なした。
統計
Prismソフトウェア(GraphPad 4.0b, GraphPad, San Diego, CA)により分析を実施し、ノンパラメトリックなクラスカル・ワリス検定、それに続く3またはそれ以上の連続変数を比較するためのDunn post−test、対応のない2群を比較するためのマンホイットニー検定、およびNKG2D発現およびCD107a脱顆粒アッセイ結果についてのウイルコクソンの順位検定を実施した。データは、分布に応じて、中央値[範囲]および平均値(SD)で表した。ピアソンカイ二乗による(およびn<5の場合、フィッシャーの正確検定による)クロス集計後にカテゴリー変数間の関連を試験した。相関関係をスピアマン検定により改善した。95%信頼区間(p<0.05)を有意と見なした。
経産回数、妊娠、収縮期および拡張期血圧、サンプリング時の妊娠期間、分娩の期間、および出生時の乳児の体重のパラメーターの多変量分析を実施し、血漿中の可溶性MICの検出に関連する独立マーカーを同定した。
結果
血管性妊娠病を伴う女性における血漿sMICの頻度増加
NP、VPD、または非血管性IUGRを伴う、期間を対応させた女性の3群においてsMICの血漿レベルを評価した。正常妊娠、VPDおよび非血管性IUGRの間に、年齢、妊娠回数、体格指数、およびサンプリング時の妊娠期間において有意差は見出されなかった。収縮期および拡張期血圧は、VPDを伴う女性において有意に高かった。予期した通り、乳児の出生時体重および分娩時の妊娠期間の中央値は、正常妊娠と比較し、VPDおよび非血管性IUGRを伴う群において有意に低かった(p<0.001)。これらの患者の主な臨床的および生物学的な特徴を表3においてまとめる。
Figure 0005461998
出生時の乳児の体重群間の比較は、ノンパラメトリックなクラスカル・ワリス検定、それに続くDunn post−testにより実施した。値は中央値[25−75四分位範囲]
*血管性妊娠病と他の群の間のp<0.001
§正常妊娠と他の群の間のp<0.001
NP群において、女性63人中1人のみが血漿中の低いsMICレベルを有した(0.5ng/ml)。しかし、この患者は全身性エリテマトーデスについて追跡調査され、正常な妊娠進化を伴ったことに注目する必要がある。非血管性IUGRを伴う女性25人中1人が検出可能なsMIC血漿レベルを有していた(1.63ng/ml)。対照的に、sMIC分子はVPD群における患者81人中26人(32%)において検出された(NPに関連してp<0.0001)。さらに、sMICレベルは、IUFD(2.18ng/ml、0.86−7.58、p<0.01)および血管性IUGR(1.63ng/ml、0.86−5.2、p<0.05)においてよりも、子癇前症患者(中央値、25−75四分位範囲:7.5ng/ml、1.37−32.69)において有意に高かった(表4)。
Figure 0005461998
血漿中sMICの存在によって重度の子癇前症のサブグループが同定される。
次に、母親の血漿中sMICの存在が、診断時の期間に応じて子癇前症の重症度を特性付けする臨床的、生物学的、または超音波的マーカー、収縮期または拡張期血圧、タンパク尿の定量化、尿酸およびフィブロネクチンの血漿レベル、臍動脈および子宮動脈のドップラー速度の波形解析、分娩期間、および乳児の出生時体重に関連するか否かを判断した(表3)。収縮期または拡張期の血圧、フィブロネクチンおよび尿酸レベルについて、sMIC陽性および陰性の患者の間の差はなかった。しかし、腎不全を反映する1日当たりのタンパク尿の中央値は、検出可能なsMICを伴わないPE女性においてよりもsMIC陽性血漿を伴うPE女性において有意に高かった(p=0.04、図3A)。経産回数、妊娠、収縮期および拡張期血圧、サンプリング時の妊娠期間、分娩の期間、および出生時の乳児の体重の多変量分析によって、タンパク尿がsMICの存在に独立して関連することがさらに確認された。加えて、PE時に実施した母親の子宮動脈のドップラー速度の超音波分析によって、胎盤不全の反映である両側性子宮拡張早期切痕がPEのsMIC陽性群においてより頻繁であることが示された(p=0.037、図3B)。sMIC血漿検出に関連する、PE患者における母親の重度合併症の頻度を次に試験した。sMIC陽性血漿を伴うPE女性9人中3人(33%)が、検出可能な血漿sMICを伴わないPE女性31人中1人(3.2%)と比較し、急性腎不全を伴う乏尿を呈した(p=0.03)。さらに、HELLP症候群の頻度は、sMIC陰性PE群(患者31人中1人、3.2%)と比較して、sMIC陽性PE群(患者9人中2人、22.2%)においてより上昇する傾向があった(p=0.1)。
血漿中のsMICの存在は血管性IUGRに関連する。
血漿sMICの存在がIUGRの血管由来に関連するか否かに取り組むために、発明者らは血管性および非血管性IUGRを伴う女性においてsMICレベルを比較した。血管性IUGRを伴う患者23人中9人(39%)が、非血管性IUGRを伴う25人中1人のみ(4%)と比較し、検出可能な血漿sMICを有した(OR=15.43 [1.763−135], p=0.0038)。このように、年齢、サンプリング時の期間、乳児の出生時体重、および分娩期間が2群間で異ならなかったが、母親の血漿中sMICの存在は血管性IUGRに有意に関連する。さらに、陽性sMIC血漿によってIUGRの血管病因が予測され、陽性予測値90%(特異性96%および感度39%)および陰性予測値63%であった。
考察
発明者らの結果は、可溶性MIC分子が、妊娠期間について対応させた正常妊娠を伴う女性よりも、血管性妊娠病を伴う女性からの血漿においてより頻繁に検出されることを示す。さらに、sMICの血漿レベルは子癇前症の重症度と相関し、血管性IUGRの特異的マーカーであると思われる。
子癇前症は、ヒトの妊娠に特有である原因不明の多臓器障害である。その中でも、先天性血栓欠損症はVPDの発生と関連付けられてきた。新規の炎症および血栓マーカーが、臨床応用なしに同定されてきた(Levine et al., 2006, Bretelle et al., 2003 and 2005)。さらに、高タンパク尿は、有害な母親および胎児の結果のリスク増加に関連する(Chan et al., 2005)。しかし、タンパク尿は単独で有害結果を予測せず、タンパク質分泌の閾値によって重度の子癇前症の合併症は予測できない可能性がある。最新技術において、PEの臨床データ関連マーカーは同定されていない。
発明者らの結果を考慮すると、母親の血漿中sMICの存在は、PEの重症度の新規の臨床関連マーカーを提供する。任意に、必要に応じて、子癇前症を予測するための感度レベルを増加するために、このパラメーターを他のパラメーターと併用することもできる。
母親の血漿中sMICの存在も、IUGR、多臓器由来の血管病の別のサブタイプに関連し、その予後は原因、重症度、および診断期間に依存する。胎盤形成異常に起因する胎盤不全は、血管性IUGRと呼ばれるIUGRの主な原因を構成する。大半の血管性IUGRがPEに関連しており、同じ生理病理学を共有する。対照的に、患者がそのような場合において妊娠中絶を要求しうるように、孤立性IUGRは、異常な神経学的結果に関連する重度の胎児感染症、異数性、または遺伝子症候群の超音波兆候のみを表しうる。血管性IUGRは、PE、母親の血管マーカー(フィブロネクチン、高尿酸レベル)、または子宮のドップラー速度測定波形の変化の存在下において容易に診断されることがある。しかし、最新技術において、非血管性IUGRから血管性IUGRを識別可能にする非侵襲性かつ特異的なマーカーが欠如していた。例えば、IUGRにおいて胎盤低酸素−虚血病変の予報において使用する子宮のドップラー速度測定の指標は、97%の感度について63%の特異性を示す。明らかなIUGR病因の非存在下において、無視できない率の未熟分娩および後期胎児喪失を伴う胎児の予後を判断するために、侵襲性の胎児探索が必要とされる。
発明者らの結果は、女性の血漿中でのsMIC検出によって、96%の特異性でIUGRの血管由来が予測可能になることを示す。したがって、IUGR診断時でのsMICの定量化は、特発性IUGRの管理を改善するための有用な非侵襲性ツールを構成する。
これらの結果は、女性の血漿中でのsMIC分子の定量化が、妊娠中の血管性合併症の切迫した発症を予測するための有用な非侵襲性ツールであることを示す。
実施例3:可溶性MICは、卵胞液、胚上精、精液および着床不全の場合における胚移植のために使用するカテーテルにおいて高頻度で見いだされる。
可溶性MICレベルは、卵胞液(FF)、移植胚上精(T胚)または未移植胚上精(UT)、IVFのために使用する(T)または使用しない(UT)精液、および胚移植のために使用するカテーテル(KT)において評価されてきた。可溶性MICの存在は、表5に示す通り、着床不全の場合においてより頻繁に観察されてきた。
Figure 0005461998
Figure 0005461998

Figure 0005461998

Claims (43)

  1. サンプル中のMICA(MHCクラスI鎖関連タンパク質A)をインビトロでアッセイすることを含む、体外受精(IVF)の結果を判断するための方法であって、MICAレベルが、着床不全率、IVFの失敗、および/または流産からなる群から選択されるIVFの結果を示す方法。
  2. サンプルが:
    移植胚を受ける女性からの、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、および腹腔鏡探索の場合(子宮内膜症、付着胎盤、感染性続発症)は腹水のサンプル;
    精液を提供する男性からの血液、血漿、血清、および精液のサンプル;
    卵母細胞を提供する女性からの、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、濾胞液および腹腔鏡探索の場合(子宮内膜症、付着胎盤、感染性続発症)は腹水のサンプル;および
    胚上清または胚培養液のサンプル
    からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  3. サンプルが、血液、血漿、または血清のサンプルである、請求項1または2記載の方法。
  4. サンプルが、血清サンプルである、請求項3記載の方法。
  5. 対象が、移植胚を受けることを意図する女性であって、可溶性MICAレベルが、ホルモン前処置の開始前に測定され、血清サンプル中の2.45ng/mlを上回るMICAレベルが、より高い着床不全率を示す、請求項記載の方法。
  6. 対象が、移植胚を受けることを意図する女性であって、可溶性MICAレベルが、ホルモン前処置の開始前に測定され、血清サンプル中の28ng/mlを上回るMICAレベルが、IVFの失敗の高い確率を示す、請求項記載の方法。
  7. 対象が、移植胚を受けることを意図する女性であって、可溶性MICAレベルがホルモン前処置の開始前に測定され、血清サンプル中の6ng/mlを上回るMICAレベルが、流産の高い確率を示す、請求項記載の方法。
  8. 対象が、移植胚を受ける女性であって、可溶性MICAタンパク質のレベルが、着床後にも測定でき、血清サンプル中の3.2ng/mlを上回るMICAレベルが、流産の高い確率を示す、請求項記載の方法。
  9. サンプル中のMICAについてインビトロでアッセイすること、および、IVFの成功の確率を示すMICAレベルを有する対象を選択することを含む、IVFのための対象を選択するための方法。
  10. サンプルが、血液、血漿、血清、子宮内膜生検、子宮液、腟および子宮頸管の分泌物、頸管粘液、ダグラス窩、および腹腔鏡探索の場合(子宮内膜症、付着胎盤、感染性続発症)は腹水のサンプルからなる群より選択される、請求項記載の方法。
  11. サンプルが、血液、血漿、または血清のサンプルである、請求項または10記載の方法。
  12. サンプルが、血清サンプルである、請求項11記載の方法。
  13. 可溶性MICAレベルが、ホルモン前処置の開始前に測定され、血清サンプル中の28ng/ml未満の可溶性MICAレベルが、IVFの成功の確率を示す、請求項10記載の方法。
  14. 可溶性MICAレベルが、6ng/ml未満である、請求項13記載の方法。
  15. 可溶性MICAレベルが、2.45ng/ml未満である、請求項13記載の方法。
  16. 対象からの血液、血清、血漿、または精液サンプル中のMICAについてインビトロでアッセイすることを含む、精液または精子の質を判断するため、または、対象における男性不妊の確率を判断するための方法であって、MICAレベルが、精液または精子の質または男性不妊を示す方法。
  17. 胚培養液または上中でのMICAについてインビトロでアッセイすることを含む、胚の質を判断するため、または、胚移植、体外受精、または着床のために適切な胚を選択するための方法であって、MICAレベルが、胚の質または胚移植、体外受精、もしくは着床のための胚の適切性を示す方法。
  18. サンプル中のMICAについてインビトロでアッセイすることを含む、対象における流産、血管性妊娠病(VPD)、子癇前症(PE)、子癇前症に関連するかまたは関連しない、血管性の子宮内発育遅延(IUGR)、HELLP症候群、妊娠性脂肪症、妊娠性ネフロパシーおよび子宮内胎児死亡(IUFD)からなる群から選択される妊娠合併症の確率を判断するための方法であって、MICAレベルが、妊娠合併症の確率を示す方法。
  19. サンプル中のMICAについてインビトロでアッセイすることを含む、対象における重度の子癇前症の確率を判断するための方法であって、MICAレベルが、重度の子癇前症の確率を示す方法。
  20. サンプルが、血液、血漿、血清、胎盤、臍帯血、内皮細胞および羊水のサンプルからなる群より選択される、請求項18または19記載の方法。
  21. サンプルが、血液、血漿または血清のサンプルである、請求項20記載の方法。
  22. サンプルが、血清のサンプルである、請求項21記載の方法。
  23. サンプル中の可溶性MICAの検出が、VPD、子癇前症、血管性IUGRおよび/またはIUFDのより高い確率を示す、請求項21記載の方法。
  24. サンプル中の可溶性MICAが、少なくとも0.3ng/mlである、請求項23記載の方法。
  25. サンプル中のMICAについてインビトロでアッセイすることを含む、対象における非血管性の子宮内発育遅延(IUGR)から血管性の子宮内発育遅延(IUGR)を識別するための方法であって、MICAレベルが、血管性IUGRの確率を示す方法。
  26. サンプルが、血液、血漿または血清のサンプルである、請求項25記載の方法。
  27. サンプルが、血清のサンプルである、請求項26記載の方法。
  28. サンプル中の可溶性MICAの検出が、血管性IUGRを示す、請求項27記載の方法。
  29. サンプル中の可溶性MICAが、少なくとも0.3ng/mlである、請求項28記載の方法。
  30. サンプル中のMICAについてアッセイする工程が、サンプルを抗MICA抗体と接触させることを含む、請求項1〜29のいずれか一項記載の方法。
  31. 抗MICA抗体が、モノクローナル抗MICA抗体である、請求項30記載の方法。
  32. サンプル中の可溶性MICAについてアッセイする工程が、ELISAアッセイにより実施される、請求項30または31記載の方法。
  33. ELISAアッセイが、サンドイッチELISAアッセイである、請求項32記載の方法。
  34. MICAのアッセイが、1または複数の追加マーカーのアッセイと組み合わされる、請求項1から33のいずれか一項記載の方法。
  35. 前記の追加マーカーが、HLA−Gおよび血管新生マーカーからなる群より選択される、請求項34記載の方法。
  36. 前記の血管新生マーカーが、エンドグリン、PIGFおよびsFLT1からなる群より選択される、請求項35記載の方法。
  37. IVFのために適切な対象を選択するため、着床不全率、IVFの失敗、および/または流産からなる群から選択される体外受精(IVF)の結果を判断するため、精液または精子の質を判断するため、IVFのために適切な精液または精子を選択するため、対象における男性不妊の確率を判断するため、胚の質を判断するため、胚移植、体外受精、または着床のために適切な胚を選択するため、流産、血管性妊娠病、子癇前症、子癇前症に関連するかまたは関連しない子宮内発育遅延(IUGR)、HELLP症候群、妊娠性脂肪症、妊娠性ネフロパシーおよび子宮内胎児死亡からなる群から選択される妊娠中に高い合併症リスクを有する対象を同定するため、子癇前症の重症度を判断するため、または非血管性の子宮内発育遅延(IUGR)から血管性の子宮内発育遅延(IUGR)を識別するための、生殖の医学および生物学における、抗MICA抗体、MICAをコード化する核酸に特異的な一セットのプライマー、MICAをコード化する核酸に特異的なプローブ、およびMICAタンパク質からなる群より選択される少なくとも1つのエレメントを含むキットの使用
  38. 抗MICA抗体が、モノクローナル抗体である、請求項37記載の使用。
  39. キットが、可溶性MICAタンパク質をさらに含む、請求項3738のいずれか一項記載の使用。
  40. キットが、抗体、プライマー、および1または複数の追加マーカーに特異的なプローブからなる群より選択される1または複数のエレメントをさらに含む、請求項37から39のいずれか一項記載の使用。
  41. 前記の追加マーカーが、HLA−Gおよび血管新生マーカーからなる群より選択される、請求項40記載の使用。
  42. 前記の血管新生マーカーが、エンドグリン、PIGFおよびsFLT1からなる群より選択される、請求項41記載の使用。
  43. 1または複数の追加マーカーをアッセイするための前記のエレメントが、HLA−G、エンドグリン、PIGFまたはsFLT1抗体、HLA−G、エンドグリン、PIGFまたはsFLT1をコード化する核酸に特異的な一セットのプライマー、およびHLA−G、エンドグリン、PIGFまたはsFLT1をコード化する核酸に特異的なプローブからなる群より選択される、請求項40から42のいずれか一項記載の使用。
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