JP5460981B2 - フォトマスク情報の取得方法、フォトマスクの品質表示方法、電子デバイスの製造支援方法、電子デバイスの製造方法及びフォトマスク製品 - Google Patents

フォトマスク情報の取得方法、フォトマスクの品質表示方法、電子デバイスの製造支援方法、電子デバイスの製造方法及びフォトマスク製品 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品の製造に使用されるフォトマスクについての情報を取得するフォトマスク情報の取得方法、フォトマスクの品質を表示するフォトマスクの品質表示方法、電子デバイスの製造を支援する電子デバイスの製造支援方法、電子デバイスの製造方法及びフォトマスク製品に関する。
なお、電子部品としては、フラット・パネル・ディスプレイ(FPD)装置に代表される表示装置製造用のフォトマスク、とりわけ、液晶ディスプレイ装置製造用、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)製造用、カラーフィルター(CF)製造用に有用なフォトマスク情報の取得方法、フォトマスクの品質を表示するフォトマスクの品質表示方法、これら電子デバイスの製造を支援する電子デバイスの製造支援方法及び電子デバイスの製造方法に関する。
現在、LCDの分野において、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFTと称する)を備えた液晶表示装置(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display:以下、TFT−LCDと称する)は、CRT(陰極線管)に比較して、薄型にしやすく消費電力が低いという利点から、現在商品化が急速に進んでいる。
TFT−LCDは、マトリックス状に配列された各画素にTFTが配列された構造のTFT基板と、各画素に対応して、レッド、グリーン、及びブルーの画素パターンが配列されたカラーフィルターが液晶相の介在の下に重ね合わされた概略構造を有する。TFT−LCDでは、製造工程数が多く、TFT基板だけでも5枚乃至6枚のフォトマスクを用いて製造されていた。
このような状況の下、TFT基板の製造を4枚のフォトマスクを用いて行う方法が提案されている。この方法は、遮光部と透光部と半透光部(グレートーン部)を有するフォトマスク(以下、グレートーンマスクという)を用いることにより、使用するマスク枚数を低減するというものである。ここで、半透光部とは、マスクを使用してパターンを被転写体に転写する際、透過する露光光の透過量を所定量低減させ、被転写体上のフォトレジスト膜の現像後の残膜量を所望の範囲に制御する部分をいい、そのような半透光部を、遮光部、透光部とともに備えているフォトマスクをグレートーンマスクという。
このグレートーンマスクを用いたTFT基板の製造工程としては、以下のものが例示される。ガラス基板上に、ゲート電極用金属膜が形成され、フォトマスクを用いたフォトリソプロセスによりゲート電極を形成する。その後、ゲート絶縁膜、第1半導体膜(a−Si)、第2半導体膜(N+a−Si)、ソースドレイン用金属膜及びポジ型フォトレジスト膜を形成する。次に、遮光部、透光部及び半透光部を有するグレートーンマスクを用いて、ポジ型フォトレジスト膜を露光し、現像することにより、TFTチャネル部及びソースドレイン形成領域と、データライン形成領域を覆い、かつ、チャネル部形成領域がソースドレイン形成領域よりも薄くなるように、第1レジストパターンを形成する。
次に、第1レジストパターンをマスクとして、ソースドレイン金属膜及び第2、第1半導体膜をエッチングする。次に、チャネル部形成領域の薄いレジスト膜を酸素によるアッシングにより除去し、第2レジストパターンを形成する。そして、第2レジストパターンをマスクとして、ソースドレイン用金属膜をエッチングし、ソース/ドレインを形成し、次いで、第2半導体膜をエッチングし、最後に残存した第2レジストパターンを剥離させる。
このような電子デバイスの製造に使用するフォトマスクの製造においては、完成したフォトマスクの評価を行うことにより、パターン形状や、半透過部に形成する膜の素材、または、膜厚についての評価を行い、この評価結果に基づいてパターン形状等の修正、変更を行って、次のフォトマスクを製造することにより、パターン形状、膜素材及び膜厚の適正化を図っている。
特許文献1には、微細パターンを有するグレートーンマスクの評価に際して、所定の光源を用いた顕微鏡によりフォトマスクの透過光画像を取得し、この透過光画像を画像処理ソフトウエアによりぼかす処理を施して、露光機の解像度相当の透過画像を得ることが記載されている。この技術は、このようにぼかした透過光画像に基づいて、レジスト膜にパターンが転写されるときのフォトマスクの透過率を予測するものである。
また、特許文献2には、フォトマスクの半透光部をスキャンして、透過率の閾値を求め、この閾値に基づいてフォトマスクを評価する技術が記載されている。
特開2004−309327公報 特開2003−307500公報
ところで、前述のようなフォトマスクを用いた電子デバイスの製造においては、例えば、i線〜g線に波長範囲を有する露光機を用い、被転写体上に設けられたレジスト膜に、フォトマスクを介して露光する工程が適用される。しかしながら、このような露光によって得られる、被転写体上のレジストパターン形状は必ずしも一定にはならない。例えば、露光機ごとに波長特性が異なり、さらに、露光機の照明の経時変化もあるので、同一のフォトマスクを用いても、これを透過する光強度のパターンは同一とは限らない。特に、該フォトマスクが、上記半透光部を有するグレートーンマスクである場合には、以下の問題がある。
まず、フォトマスクを使用して実際に露光する際の露光機の分光特性により、半透光部の透過率は異なったものとなる。これは、所定の材料による半透光性の膜を使用した場合に、該膜の透過率は、波長依存性をもつからである。さらに、露光機の光学系と、グレートーンマスク上に形成されたパターンの形状とにより、半透光部に生じる回折の影響度合いが異なるために、実際の透過率に差が生じる。これらの要因のため、半透光部を実際に透過する露光光の透過率(以下、透明基板の透過率を100%としたとき、半透光部を実際に透過する露光光の透過率を実効透過率という)は変動する。特に、チャネル部が微細化する傾向にあるTFTの製造においては、このような実効透過率の変動を看過することができないことが本発明者によって見出された。以下に説明する。
グレートーンマスクのグレートーン部の形成方法としては、露光光を所定量低減させて透過させる半透光性の膜(透明基板の露光光透過率を100%とするとき、例えば20%乃至60%の透過率を有する膜)を形成する方法がある。
グレートーンマスクにおいては、グレートーン部における透過光強度をIgとし、十分に広い白(透光)領域における透過光強度をIw、十分に広い黒(遮光)領域における透過光強度をIbとした場合に、以下の式で示される値を、グレートーン部の透過率とすることができる。
Transmittance(透過率)={Ig/(Iw−Ib)}×100(%)
ここで、Igは、上記半透光性の膜固有の透過率(パターン形状によらず、その膜と露光光によって決定する透過率)と考えることができるが、このような透過率の管理は、グレートーン部の面積が露光機の解像度に対して十分大きい場合、更に露光光の分光特性が一定である場合には、一定値をとるため、特に問題が生じない。しかしながら、グレートーン部の面積が微小になった場合には、回折の影響が無視できず、半透光部のパターン形状が一部未解像となる。このため、グレートーン部に隣接する遮光部、または、透光部の影響で、実際の露光時には、透過率は、半透光膜の固有の透過率とは異なる値となり、換言すれば、半透光膜固有の透過率を実効値として扱えない場合がある。
例えば、薄膜トランジスタ製造用のグレートーンマスクにおいては、チャネル部に相当する領域をグレートーン部とし、これを挟む形で隣接するソース及びドレインに相当する領域を遮光部で構成したグレートーンマスクが利用されている。このグレートーンマスクにおいては、チャネル部の面積(幅)が小さくになるに従い、隣接する遮光部との境界が、実際の露光条件下においてぼかされ(解像せず)、チャネル部の露光光の透過率は、半透光膜の固有の透過率よりも低くなる。特に、液晶表示装置製造用などの大型マスク用露光機は、半導体製造用のステッパと異なり、解像度が低いため、上記問題が顕著である。
更に、上記大型マスク用露光機においては、解像度より光量を確保するため、光源波長は、i線〜g線に渡るブロードな波長域をもつ。露光機の分光特性が異なれば、それに応じて解像度が異なるため、上記に変動要素が更に大きくなる。
最近の薄膜トランジスタ(TFT)においては、従来に比してチャネル部の幅を小さくすることによって液晶の動作速度を上げ、または、チャネル部の大きさを小さくすることによって液晶の明るさを増す等の技術が提案されている。このような薄膜トランジスタを製造するグレートーンマスクにおいては、半透光膜そのものの透過率のほかに、グレートーン部を形成したときに、実際の露光条件下で定義される「実効透過率」を考慮する必要が生じているといえる。
また、グレートーン部として、解像限界以下の寸法をもつ微細な遮光パターンを形成したグレートーンマスクにおいても、露光機の分光特性によって、微細パターンの解像度合いが異なるため、やはり実際の露光条件下における「実効透過率」を考慮する必要が見出された。
電子デバイスの製造においては、所定の寸法の線幅をもち、かつ、そのレジスト残膜値が所定範囲にあるレジストパターンを得る必要があり、これを実現しうるフォトマスクが必要となる。そこで、この仕様をもとに、フォトマスクの製造においては、所定の線幅であり、所定のレジスト残膜値を与えるであろう実効透過率の半透光部をもつフォトマスクを作製することが有利である。ここで、フォトマスクは、露光条件下で解像限界以下の線幅を持つパターンによって露光光の透過量を調整する微細パターンタイプのグレートーンマスク(微細パターン型グレートーンマスクという)でもよく、また、露光光の一部分を透過する半透光膜を用いて透過量を調整するハーフトーンタイプのグレートーンマスク(半透光膜型グレートーンマスクという)のいずれでもよい。
そして、本発明者らは、実際に電子デバイスの製造において使用される露光条件(特定の露光波長分布、特定の光学条件)において、特定のマスクパターン、特に、半透光膜部分の線幅など、狭い面積、細い部位をもつもの(例えば、幅が3ミクロン未満のパターン部位)を露光した結果をもって、そのフォトマスクを評価し、または、そのフォトマスクを用いて電子デバイスを製造する際の条件(レジストパターンの現像条件や、被加工膜のエッチング条件等)を判断することが有用であることを見出した。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、露光機の光学系による要因、光源の分光特性、レジストの現像特性などの諸要因を反映したフォトマスクの性能情報を得ることにより、所望の電子デバイスの製造を可能とするフォトマスク情報の取得方法、フォトマスクの品質表示方法、電子デバイスの製造支援方法、電子デバイスの製造方法及びフォトマスク製品を提供することを目的とする。
更には、電子デバイスを製造しようとするマスクユーザが、露光機を用いてフォトマスクの露光を行う際、被転写体上のレジスト膜に所望のレジストパターンを形成するためには、該フォトマスクが、実際に使用する露光機の露光条件下で発揮するフォトマスクの特性を知る必要がある。このように実際に適用する露光条件下で発揮されるフォトマスクの特性を、フォトマスク情報として、製品としてのフォトマスクと関連づけられて提供されれば、電子デバイスの製造上極めて有用である。このようなフォトマスク情報があれば、例えばマスクユーザは、自身の露光機を用いて安定に、所望のレジストパターンが製造できるか否か、または、自身の露光機を用いて露光する際の変動要素をどのように制御すれば、所望のレジストパターンが得やすいかを把握することができ、更には、露光によって生じやすい不良を予め把握し、予め設定した露光条件を変更を検討し、更には、露光以外の工程(例えばレジスト現像工程等)において、不良を解消する条件を検討することが可能となることを発明者らは見出した。
しかしながら、フォトマスクを製造するマスクメーカは、マスクユーザが使用する露光機を保有していないため、マスクユーザの所望するマスクの特性を、マスクメーカが的確に把握し、マスクユーザに提供することは容易ではない。
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明は、以下の構成のいずれか一を有するものである。
〔構成1〕
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、レジスト膜を、エッチング加工におけるマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなすことに用いる該フォトマスクについての情報を取得するフォトマスク情報の取得方法であって、露光条件に近似した露光条件を用いて、フォトマスク、または、フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、フォトマスク、または、テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいた透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成し、フォトマスク情報をフォトマスクに対応づけることを含むものである。
〔構成2〕
構成1を有するフォトマスク情報の取得方法において、被加工層は、液晶表示装置製造のために使用されることを特徴とするものである。
〔構成3〕
構成1を有するフォトマスク情報の取得方法において、半透光部は、透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の所定の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分を有することを特徴とするものである。
〔構成4〕
構成1を有するフォトマスク情報の取得方法において、半透光部は、透明基板上に、露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成した部分を有することを特徴とするものである。
〔構成5〕
構成3、または、構成4を有するフォトマスク情報の取得方法において、フォトマスク情報は、露光条件の変化に対する、半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするものである。
〔構成6〕
構成3を有するフォトマスク情報の取得方法において、フォトマスクは、半透光部に半透光膜を有し、フォトマスク情報は、半透光膜の膜厚、または、膜質の変化に対する半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするものである。
〔構成7〕
構成3、または、構成4を有するフォトマスク情報の取得方法において、フォトマスク情報は、パターン線幅の変化に対する半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするものである。
〔構成8〕
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、レジスト膜を、エッチング加工においてマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなすことに用いる該フォトマスクの品質を表示するフォトマスクの品質表示方法であって、露光条件に近似した露光条件を用いて、フォトマスク、または、フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、フォトマスク、または、テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいた透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、フォトマスク情報をフォトマスクに対応づける工程とを有することを特徴とするものである。
〔構成9〕
構成8を有するフォトマスクの品質表示方法において、被加工層は、液晶表示装置製造のために使用されることを特徴とするものである。
〔構成10〕
構成8を有するフォトマスクの品質表示方法において、半透光部は、透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の所定の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分を有することを特徴とするものである。
〔構成11〕
構成8を有するフォトマスクの品質表示方法において、半透光部は、透明基板上に、露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成した部分を有することを特徴とするものである。
〔構成12〕
構成10、または、構成11を有するフォトマスクの品質表示方法において、フォトマスク情報は、露光条件の変化に対する、半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするものである。
〔構成13〕
構成10を有するフォトマスクの品質表示方法において、フォトマスクは、半透光部に半透光膜を有し、フォトマスク情報は、半透光膜の膜厚、または、膜質の変化に対する半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするものである。
〔構成14〕
構成10、または、構成11を有するフォトマスクの品質表示方法において、フォトマスク情報は、パターン線幅の変化に対する、半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするものである。
〔構成15〕
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、レジスト膜を、エッチング加工においてマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなす工程を有する電子デバイスの製造を支援する電子デバイスの製造支援方法であって、露光条件に近似した露光条件を用いて、フォトマスク、または、フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、フォトマスク、または、テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいて透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、フォトマスク情報を、フォトマスクに対応づける工程とを有することを特徴とするものである。
〔構成16〕
構成15を有する電子デバイスの製造支援方法において、電子デバイスは、液晶表示装置であることを特徴とするものである。
〔構成17〕
構成15を有する電子デバイスの製造支援方法において、半透光部は、透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の所定の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分を有することを特徴とするものである。
〔構成18〕
構成15を有する電子デバイスの製造支援方法において、半透光部は、透明基板上に、露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成した部分を有することを特徴とするものである。
〔構成19〕
エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、レジスト膜を、エッチング加工におけるマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなす工程を含む、電子デバイスの製造方法において、構成1を有するフォトマスク情報の取得方法によるフォトマスク情報を基に、露光条件を決定し、決定した露光条件によりフォトマスクへの露光を行う工程を含むことを特徴とするものである。
〔構成20〕
構成19を有する電子デバイスの製造方法において、フォトマスク情報に基づき、レジスト膜の現像条件、または、エッチング加工におけるエッチング条件を決定することを特徴とするものである。
〔構成21〕
フォトマスク製品であって、構成1を有するフォトマスク情報の取得方法によるフォトマスク情報と、構成1におけるフォトマスクとを含むことを特徴とするものである。
本発明に係るフォトマスク情報の取得方法においては、露光条件に近似した露光条件を用い(すなわち、実際に用いる露光装置の露光条件を模した露光条件を再現できる露光手段を用いて)フォトマスクに露光を行い、このフォトマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいて透過光パターンデータを得て、該透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成するので、該フォトマスク情報によって露光機の光学系による要因、光源の分光特性、レジストの現像特性などの諸要因を反映したフォトマスク露光条件、被転写体の加工条件決定が可能となる。このとき、実際に露光に用いるフォトマスクを近似して作成したテストマスクを用いてもよい。
このフォトマスク情報の取得方法は、電子デバイス製造に使用されるフォトマスクに適用することができる。また、この電子デバイスとしては、液晶表示装置であるときに特に有用である。また、本発明において、半透光部は、半透光膜を透明基板上に形成したもの、及び、透明基板上に露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成したもののいずれであってもよい。
また、本発明においては、フォトマスク情報は、フォトマスクの半透光部の透過率に対する許容範囲の閾値を含むものとすることができる。
本発明に係るフォトマスクの品質表示方法においては、露光条件に近似した露光条件を用いてフォトマスクに露光を行い、このフォトマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいて透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、フォトマスク情報をこのフォトマスク情報に対応するフォトマスクに対応づける工程とを有するので、該フォトマスク情報によって、露光機の光学系による要因、光源の分光特性、レジストの現像特性などの諸要因を反映したフォトマスクの露光条件、被転写体の加工条件の決定が可能となる
このフォトマスクの品質表示方法は、電子デバイス製造に使用されるフォトマスクに適用することができる。また、この電子デバイスとしては、液晶表示装置であることとすることができる。また、本発明において、半透光部は、半透光膜を透明基板上に形成したもの、及び、透明基板上に露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成したもののいずれであってもよい。また、本発明においては、フォトマスク情報は、フォトマスクの半透光部の透過率に対する許容範囲の閾値を含むものとすることができる。
本発明に係る電子デバイスの製造支援方法においては、露光条件に近似した露光条件をを用いてフォトマスク(または、それに近似したテストマスク)に露光を行い、このフォトマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し取得された透過光パターンに基づいて透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、フォトマスク情報をこのフォトマスク情報に対応するフォトマスクに対応づける工程とを有するので、このように対応づけられた情報を電子デバイスの製造に供することにより、露光機の光学系による要因、光源の分光特性、レジストの現像特性などの諸要因を反映したフォトマスクの露光条件、被転写体の加工条件を決定することが可能となる。そして、電子デバイス製造時の条件決定が迅速に行え、歩留の高い生産条件を実現できる。
この電子デバイスの製造支援方法は、適用される電子デバイスとして、液晶表示装置であることとすることができる。また、本発明において、半透光部は、半透光膜を透明基板上に形成したもの、及び、透明基板上に露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成したもののいずれであってもよい。また、本発明においては、フォトマスク情報は、フォトマスクの半透光部の透過率に対する許容範囲の閾値を含むものとすることができる。
本発明に係る電子デバイスの製造方法においては、本発明に係るフォトマスク情報の取得方法により取得されたフォトマスク情報に基づいて電子デバイスを製造するので、露光機の光学系による要因、光源の分光特性、レジストの現像特性などの諸要因を反映したフォトマスクの露光条件、被転写体の加工条件を決定し、高効率、高歩留の電子デバイスの製造が可能となる。
また、この電子デバイスの製造方法において、フォトマスク情報に基づき、フォトマスクの露光条件、レジスト膜の現像条件、または、エッチング加工におけるエッチング条件を決定するようにすれば、露光機の光学系による要因、光源の分光特性、レジストの現像特性などの諸要因を反映した電子デバイスの製造が可能となる。
また、本発明のフォトマスク製品を、電子デバイスの製造に用いることにより、露光機の光学系による要因、光源の分光特性などの諸要因を反映した露光条件の決定が可能となる。更には、被転写体の加工(現像、エッチング)条件を選択、または、決定することが可能であり、製造歩留や、製造効率に寄与する。
以下、本発明を実施するための最良の実施の形態について説明する。
〔本発明に係るフォトマスク情報の取得方法の概要〕
本発明に係るフォトマスク情報の取得方法は、透明基板上に所定の転写パターンが形成されたフォトマスクを用いて被転写体(ガラス基板等に所望の膜が形成され、レジスト膜によって被覆されたもの)に対して露光装置を用いて露光を行うにあたり、露光装置における露光によって被転写体に実際に転写されるパターンを、撮像手段によって捉えたマスク透過光の光強度分布から予測できるフォトマスク情報を取得する方法である。
本発明のフォトマスク情報は媒体に収容されていることができ、媒体とは紙や、メモリなどの電子媒体を含む、情報記録媒体であれば制約はない。
より具体的には、露光装置における露光条件に近似した露光条件を作り出し、これによって、フォトマスク、または、それに近似するテストマスクを露光し、その透過光パターンから得たデータを含むフォトマスク情報を得る。そして該フォトマスク情報をフォトマスクと対応づける。
ここで対応づけるというのは、フォトマスク情報に、フォトマスクとの対応づけ情報を含ませる、または、フォトマスクに、フォトマスク情報との対応づけ情報を表示する、などの方法をとることができる。
露光条件が近似するとは、例えば、露光波長が近似することである。露光光が波長域を有するものである場合には、もっとも光強度の大きい露光波長が同一であることとすることができる。更に好ましくは、実際の露光波長と同様の波長域をもつ露光条件を選ぶことができる。また、露光条件が近似するとは、光学系が近似することも含む。例えば、結像系のNA(開口数)が略同一、または、σ(コヒーレンス)が略同一であることをいう。
ここでNAが略同一とは、実際の露光機のNAに対して、フォトマスク情報を得るために適用する光学系のNA±0.005である場合が例示される。σが略同一であるとは、実施の露光機のσにたいして±0.05の範囲であることが例示される。尚、結像系のみでなく、照明系のNAも略同一であることが好ましい。また、撮像系のNAが略同一であり、かつσがほぼ同一であるような光学系をそなえた露光条件を適用することができる。
なお、本発明においては、実際の露光条件に近似した露光条件下における、フォトマスクの透過光パターンデータを得るが、この近似した露光条件とは、露光波長、露光光学系のいずれかが近似されていればよい。より好ましくは、そのいずれもが近似していることである。
または、実際の露光にもっとも近似した条件を含み、複数の異なる条件を適用した場合の、それぞれの透過光パターンデータを含むフォトマスク情報とすることもできる。例えば、露光光強度や、分光特性を変化させた場合の透過光パターンデータを含むフォトマスク情報とすることも可能である。
本発明において、前記フォトマスクに近似するテストマスクとは、前記フォトマスクと同一の素材(透明基板、半透光膜を有する場合にはその材料や膜厚など)によってなり、前記フォトマスクに含まれた転写パターンに近似するパターンを含むものとすることができる。例えば、前記フォトマスクには、TFTのチャネル部に対応する、遮光部に挟まれた半透光部の転写パターンが含まれていた場合、同様な形状、同様な線幅の転写パターンが含まれているテストマスクがこれに該当する。
更に、前記フォトマスクがもつ半透光部に使用した半透膜に対して、膜厚や膜質(組成)を変化させたときの複数の透過率の変化を測定し、その情報をフォトマスク情報の一部として含ませることができる。
また、前記フォトマスクのパターンに対して、パターン線幅を一定の規則によって変化させ、そのときの透過率の変化を測定し、該情報をフォトマスク情報の一部として含ませることもできる。このようなフォトマスク情報は、半透光部に微細パターンを用いたものであれば、該微細パターンの線幅として、その変化による透過率変化を把握する上で有用である。一方、半透光部に半透光膜を用いたフォトマスクであれば、その半透光部自体の線幅の変化による透過率変化を把握する上で有用である。
本発明に適用できるテストマスクの例については、後述する。
本発明のフォトマスクにおいて、半透光部とは、露光光の一部を透過する部分である。この部分は、透明基板上に、半透光性の膜を形成したもの、または、露光条件下で解像限界以下の寸法の微細パターンを遮光性膜により形成したもの、更には、前記微細パターンを半透光性の膜で形成したもの、などが含まれる。更には、遮光部によって挟まれた、解像限界以下の寸法の透光部が、半透光部として機能する場合も含む。
本発明において、透過率パターンデータとは、撮像手段によって得られた透過光パターンを基に、または、得られた透過光パターンに他の情報を付加して形成されるデータをいう。
例えば、半透光部の領域の大きさ(遮光部によって挟まれた半透光部の幅など)の変化に対する、露光光の透過量変化に関するデータであってもよく、または、露光光の光量や波長の変化に対する、露光光の透過量変化に関するデータであってもよい。更には、実際にフォトマスクを用いてレジストパターンを形成する際のレジストの処理条件(現像条件など)を付加したデータであっても良い。
例えば、後述するように、図1のグラフに示すものであることもできる。
なお、本発明においては、前述したように、実際にフォトマスクの露光に適用する露光条件下において、半透光部における透過光の、透過部の透過光に対する割合を実効透過率と呼ぶことにする。半透光部において、実効透過率の分布がある場合には、便宜的に、そのピーク値を実効透過率とする。この数値は、該マスクを用いて被転写体上に形成した、レジストパターンの、当該部分のレジスト残膜値と相関する。
半透光部とは、前記露光条件下での透光部を透過する露光光の透過率を100%としたとき、それより小さい実効透過率(ゼロより大きい)を有する部分である。好ましくは、20〜60%の実効透過率を有する。これによって、該レジストパターンに、透光部、または、遮光部に対応する部分とは異なる厚みのレジスト残膜を与える。
ここで、膜固有の透過率は、透明基板上に形成したその膜が有する固有の透過率であり、露光光の波長、及び露光機の光学条件に対して十分に大きい面積の膜形成面の、露光光の入射量に対する透過光の量として規定される。すなわち、露光光の波長及び露光機の光学条件(照明系、撮像系のNA、σなど)が、光透過率に影響しない程度に、十分に大きい面積の膜形成面においては、該露光条件下における固有透過率と、実効透過率は等しくなる。
一方、例えば、膜の形成された半透光部の面積が小さければ、該半透光部に隣接する、他の部分(遮光部、透光部)の影響を受け、露光条件下における露光光に対する実効透過率は、膜固有の透過率とは異なる。
そして、本発明により取得されるフォトマスク情報においては、実際の露光機に近似する光学条件下で、撮像手段により得られたマスクの透過パターンの光強度分布に基づいて、被転写体上のレジストパターン、または、そのレジストパターンをマスクとして加工した被加工層パターン寸法の仕上がり値、フォトマスクの透過率の変動によるそれらの形状変動などを予測し、様々な解析、評価を行なうことができる。
特に、本発明においては、一対の平行な遮光部のエッジで挟まれた半透光部領域の中心における実効透過率に基づいて、該マスクの露光によって得られるレジストパターンにおける、該一対の平行な遮光部のエッジで挟まれた領域に対応する形状、該一対の平行な遮光部のエッジ間に対応する所定透過率閾値間隔または、残膜値を推定し、それによって、露光条件を決定することができる。更には、このフォトマスク情報を、露光後の被転写体に対する、現像やエッチングの条件を決定するために使用することもできる。
図1は、一対の平行な遮光部のエッジで挟まれた半透光部の中心における実効透過率とその変化を示すグラフである。図1に示すように、一対の平行な遮光部のエッジで挟まれた半透光部の幅を狭くすると、実効透過率は、低くなる。逆に、一対の平行な遮光部のエッジで挟まれた半透光部の幅を広くすると、実効透過率は、高くなる。従って、フォトマスクに対するテスト露光において、半透光部の実効透過率が所望の透過率よりも高い場合には、半透光部の幅(一対の平行な遮光部間の距離)を狭くする補正を行うことができるし、逆に、フォトマスクに対するテスト露光において、半透光部の実効透過率が所望の透過率よりも低い場合には、半透光部の幅(一対の平行な遮光部間の距離)を広くする補正を行うこともできる。一方、所定のフォトマスクについて、半透光部の線幅の面内ばらつきが存在する場合、図1を参照すれば、線幅の変動に由来して、実行透過率の変動がどの範囲内にあるかを、実際の露光に先駆けて知ることができる。更に、半透光部の幅と実効透過率との関係は、図1に示すように、露光条件によって変化する。従って、マスクユーザは、露光にさきがけて、露光条件の変化に対して、形成されるレジスト残膜を推定することができる。
また、ここで、半透光膜型グレートーンマスクの膜設計(半透光膜の膜厚、膜素材の決定)が変化すれば、実行透過率が変化するため、膜設計と実効透過率の相関を、本発明のフォトマスク情報に含ませることができる。
なお、このフォトマスク情報の取得方法によって取得されるフォトマスク情報は、最終製品であるフォトマスクのみならず、フォトマスクを製造する途中での中間体に関する情報をも含む。また、このフォトマスクには、半透光膜を用いたグレートーンマスクのみならず、微細パターンを用いたグレートーンマスクも含まれる。
本発明のフォトマスクは、以下のように作製されることができる。すなわち、透明基板上に半透光膜、及び遮光膜をこの順に積層されたフォトマスクブランクを用意し、該フォトマスクブランク上に、遮光部と半透光部に対応する領域のレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、露出した遮光膜をエッチングする。該レジストパターン若しくは遮光膜をマスクとして、露出している半透光膜をエッチングすることにより透光部を形成する。次に少なくとも遮光部としたい箇所を含む領域にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、露出した遮光膜をエッチングすることにより、半透光部及び遮光部を形成する。こうして、透明基板上に、半透光膜による半透光部、半透光膜と遮光膜の積層膜による遮光部、透光部を形成したフォトマスクを得ることができる。
また、本発明のフォトマスクは、以下のように作製されることもできる。すなわち、透明基板上に遮光膜が形成されたフォトマスクブランクを用意し、該フォトマスクブランク上に、遮光部に対応する領域のレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、露出した遮光膜をエッチングすることにより遮光膜パターンを形成する。次に、レジストパターンを除去後、基板の全面に半透光膜を成膜する。そして、半透光部(または、半透光部及び遮光部)に対応する領域にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして露出した半透光膜をエッチングすることにより、透光部及び半透光部を形成する。こうして、透明基板上に、半透光部、遮光膜と半透光膜の積層膜による遮光部、透光部を形成したフォトマスクを得ることができる。
また、以下のようにも作製される。すなわち、透明基板上に遮光膜が形成されたフォトマスクブランク上に、遮光部および透光部に対応する領域のレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、露出した遮光膜をエッチングすることにより、半透光部に対応する領域の透明基板を露出させる。次に、レジストパターンを除去後、基板の全面に半透光膜を成膜し、遮光部および半透光部に対応する領域にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、露出した半透光膜(並びに半透光膜及び遮光膜)をエッチングすることにより、透光部及び遮光部、並び半透光部を形成することもできる。
更に、上述のとおり、遮光膜の微細パターンによって透過率を調整した半透光部をもつグレートーンマスクとしても良い。
本発明において、品質表示とは、前記フォトマスクの付属情報として前記フォトマスク情報を添付すること、または、フォトマスクと前記フォトマスク情報の対応づけがなされた状態で、通信手段による伝達や掲示を行うことを含む。通信手段は、通信回線によるものでも、物理的な媒体によるものでもよい。
〔本発明において使用する情報取得手段の構成〕
このフォトマスク情報の取得方法においては、図2に示すような構成の検査装置を使用することができる。この検査装置においては、フォトマスク3は、マスク保持手段3aによって保持される。このマスク保持手段3aは、フォトマスク3の主平面を略鉛直とした状態で、このフォトマスクの下端部及び側縁部近傍を支持し、このフォトマスク3を傾斜させて固定して保持するようになっている。このマスク保持手段3aは、フォトマスク3として、大型(例えば、主平面が1220mm×1400mm、厚さ13mmのもの)、かつ、種々の大きさのフォトマスク3を保持できるようになっている。すなわち、このマスク保持手段3aにおいては、主平面を略鉛直とした状態のフォトマスク3の下端部を主に支持するので、フォトマスク3の大きさが異なっても、同一の支持部材によってフォトマスク3の下端部を支持することができる。
ここで、略鉛直とは、図2に示す鉛直からの角度θが10度程度以内であることを言う。鉛直からの角度θは、2度乃至10度の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは、4度乃至10度の範囲内である。
このように、フォトマスク3を傾斜させて支持するマスク保持手段3aを用いることにより、フォトマスク3を保持させる過程において、フォトマスク3を転倒させてしまうことを防止し、安定してフォトマスク3の保持、固定を行うことができる。さらに、フォトマスク3を完全に鉛直として保持することとすると、フォトマスク3の全重量が下端部に集中してしまい、フォトマスク3が損傷を被る可能性が増大する。フォトマスク3を傾斜させて支持するマスク保持手段3aを用いることにより、フォトマスク3の重量を複数の支持点に分散させ、フォトマスク3の損傷を防止することができる。
このように、この検査装置においては、フォトマスク3の主平面を上記のようにしてフォトマスク3を保持するので、検査装置の設置面積の増大が抑えられるとともに、フォトマスク上へのパーティクルの落下を抑止することができる。
そして、この検査装置は、所定波長の光束を発する光源1を有している。この光源1としては、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、UHPランプ(超高圧水銀ランプ)等を使用することができる。
そして、この検査装置は、光源1からの検査光をマスク保持手段3aにより保持されたフォトマスク3に導き照射する照明光学系2を有している。この照明光学系2は、開口数(NA)を可変とするため、絞り機構(開口絞り)2aを備えている。さらに、この照明光学系2は、フォトマスク3における検査光の照射範囲を調整するための視野絞り2bを備えていることが好ましい。この照明光学系2を経た検査光は、マスク保持手段3aにより保持されたフォトマスク3に照射される。
フォトマスク3に照射された検査光は、このフォトマスク3を透過して、対物レンズ系4に入射される。この対物レンズ系4は、絞り機構(開口絞り)4cを備えることにより、開口数(NA)が可変となされている。この対物レンズ系4は、例えば、フォトマスク3を透過した検査光が入射されこの光束に無限遠補正を加えて平行光とする第1群(シミュレータレンズ)4aと、この第1群を経た光束を結像させる第2群(結像レンズ)4bとを備えたものとすることができる。
この検査装置においては、照明光学系2の開口数と対物レンズ系4の開口数とがそれぞれ可変となっているので、照明光学系2の開口数の対物レンズ系4の開口数に対する比、すなわち、シグマ値(σ:コヒーレンス)を可変することができる。
対物レンズ系4を経た光束は、撮像手段(撮像素子)5により受光される。この撮像手段5は、フォトマスク3の像を撮像する。この撮像手段5としては、例えば、CCD等の撮像素子を用いることができる。
そして、この検査装置においては、撮像手段5によって得られた撮像画像についての画像処理、演算、所定の閾値との比較及び表示などを行う図示しない制御手段及び表示手段が設けられている。
また、この検査装置においては、所定の露光光を用いて得られた撮像画像、または、これに基づいて得られた光強度分布に対して、制御手段によって所定の演算を行い、他の露光光を用いた条件下での撮像画像、または、光強度分布を求めることができる。例えば、この検査装置においては、g線、h線及びi線の強度が同一である露光条件において光強度分布を得たとき、g線、h線及びi線の強度比が1:2:1の露光条件において露光した場合の光強度分布を求めることができる。これにより、この検査装置においては、露光装置に使用する照明光源の種類、個体差や露光装置に用いられている照明の経時変化による波長毎の強度変動も含めて、実際に用いる露光装置における露光条件を再現した評価を行うことが可能であり、また、所望のフォトレジストの残膜量を想定した場合に、これを達成できる最適な露光条件を簡便に求めることが可能である。
この検査装置を用いて行う本発明に係るフォトマスク情報の取得方法においては、照明光学系2と、対物レンズ系4及び撮像手段5とは、主平面を略鉛直として保持されたフォトマスク3(ここではテストマスク)を挟んで対峙する位置にそれぞれ配設され、両者の光軸を一致させた状態で、検査光の照射及び受光を行う。これら照明光学系2、対物レンズ系4及び撮像手段5は、図示しない移動操作手段によって移動操作可能に支持されている。この移動操作手段は、照明光学系2、対物レンズ系4及び撮像手段5を、それぞれの光軸を互いに一致させつつ、フォトマスク3の主平面に対して平行に移動させることができる。この検査装置においては、このような移動操作手段が設けられていることにより、大型のフォトマスクを検査する場合であっても、このフォトマスク3を主平面に平行な方向に移動させることなく、フォトマスク3の主平面の全面に亘る検査が可能であり、また、主平面上の所望の部位の選択的な検査が可能である。
そして、この検査装置においては、制御手段により、対物レンズ系4及び撮像手段5がそれぞれ光軸方向に移動操作可能となっており、これら対物レンズ系4及び撮像手段5を、互いに独立的に、フォトマスク3に対する相対距離を変化させることができる。この検査装置においては、対物レンズ系4及び撮像手段5が独立的に光軸方向に移動可能であることにより、フォトマスク3を用いて露光を行う露光装置に近い状態での撮像を行うことができる。また、対物レンズ系4のフォーカスをオフセットし、撮像手段5により、フォトマスク3のぼかされた像を撮像することも可能である。
そして、この検査装置の制御手段は、照明光学系2の視野絞り2a及び絞り機構2b、対物レンズ系4の絞り機構4c、移動操作手段を制御する。この制御手段は、この検査装置を用いたフォトマスクの製造方法において、対物レンズ系4の開口数(NA)及びシグマ値(照明光学系2の開口数の対物レンズ系4の開口数に対する比)を所定の値に維持した状態で、移動操作手段により、照明光学系2、対物レンズ系4及び撮像手段5を、これらの光軸を一致させた状態で、マスク保持手段により保持されたフォトマスク3の主平面に平行な方向に移動操作するとともに、対物レンズ系4及び撮像手段5を光軸方向について互いに独立に移動操作する。
〔本発明が対象とするフォトマスク〕
本発明に係るフォトマスク情報の取得方法が対象とするフォトマスクは、製品として完成したフォトマスクのみならず、フォトマスクを製造する途中での中間体をも含み、また、このフォトマスクの種類や用途には特に制限はない。
すなわち、透明基板の主表面に遮光部、透光部及び半透光部(グレートーン部)を有するグレートーンマスクを検査することが可能である。
なお、グレートーン部には、半透光膜が形成された半透光部と、露光条件での解像限界以下の微細パターンによってグレートーン部とするものの両方が含まれる。すなわち、グレートーンマスクには、グレートーン部に露光光の透過光量が100%より小さい(例えば40〜60%)半透光性の膜が成膜されたグレートーン部をもつフォトマスク(半透光膜型グレートーンマスク)と、露光条件下での解像限界以下の遮光性、または、半透光性の微細パターンを有することにより透過光量を低減するグレートーン部をもつフォトマスク(微細パターン型グレートーンマスク)との両方が含まれる。
〔グレートーンマスクについて〕
ここで、本発明に係るフォトマスクの検査装置において検査対象となるグレートーンマスクについて説明する。
TFTを備えた液晶表示デバイス(LiquidCrystalDisplay:以下、「LCD」という。)は、陰極線管(CRT)に比較して、薄型にしやすく消費電力が低いという利点から、現在、広く使用されるに至っている。LCDにおけるTFTは、マトリックス上に配列された各画素にTFTが配列された構造のTFT基板と、各画素に対応してレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)の画素パターンが配列されたカラーフィルタとが液晶相を介して重ね合わされた構造を有している。このようなLCDは、製造工程数が多く、TFT基板だけでも、5乃至6枚のフォトマスクを用いて製造されていた。
このような状況の下、TFT基板の製造を4枚のフォトマスクを用いて行う方法が提案されている。この方法は、遮光部、透光部及びグレートーン部を有するグレートーンマスクを用いることにより、使用するマスクの枚数を低減するものである。図3及び図4に、グレートーンマスクを用いたTFT基板の製造工程の一例を示す。
まず、図3中の(a)に示すように、ガラス基板201上に、ゲート電極用金属膜を形成し、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー工程によりゲート電極202を形成する。その後、ゲート絶縁膜203、第1半導体膜(a−Si)204、第2半導体膜(N+a−Si)205、ソースドレイン用金属膜206及びポジ型フォトレジスト膜207を形成する。
次に、図3中の(b)に示すように、遮光部101、透光部102及びグレートーン部103を有するグレートーンマスク100を用いて、ポジ型フォトレジスト膜207を露光し、現像して、第1レジストパターン207Aを形成する。この第1レジストパターン207Aは、TFTチャンネル部、ソースドレイン形成領域及びデータライン形成領域を覆い、かつ、TFTチャンネル部形成領域がソースドレイン形成領域よりも薄くなっている。
次に、図3中の(c)に示すように、第1レジストパターン207Aをマスクとして、ソースドレイン金属膜206、第2及び第1半導体膜205、204をエッチングする。次に、図4中の(a)に示すように、酸素によるアッシングによってレジスト膜207を全体的に減少させて、チャンネル部形成領域の薄いレジスト膜を除去し、第2レジストパターン207Bを形成する。その後、図4中の(b)に示すように、第2レジストパターン207Bをマスクとして、ソースドレイン用金属膜206をエッチングしてソース/ドレイン206A、206Bを形成し、次いで第2半導体膜205をエッチングする。最後に、図4中の(c)に示すように、残存した第2レジストパターン207Bを剥離させる。
ここで用いられるグレートーンマスク100は、図5に示すように、ソース/ドレインに対応する遮光部101A、101B、透光部102及びTFTチャンネル部に対応するグレートーン部103を有する。このグレートーン部103は、グレートーンマスク100を使用する大型LCD用露光装置の露光条件下で解像限界以下の微細パターンからなる遮光パターン103Aが形成された領域である。遮光部101A、101B及び遮光パターン103Aは、通常、ともにクロムやクロム化合物等の同じ材料からなる同じ厚さの膜から形成されている。このようなグレートーンマスクを使用する大型LCD用露光装置の解像限界は、ステッパ方式の露光装置で約3μm、ミラープロジェクション方式の露光装置で約4μmである。このため、グレートーン部103においては、透過部103Bのスペース幅及び遮光パターン103Aのライン幅のそれぞれを、露光装置の露光条件下の解像限界以下の、例えば、3μm未満とする。
このような微細パターンタイプのグレートーン部103の設計においては、遮光部101A、101Bと透光部102との中間的な半透光(グレートーン)効果を持たせるための微細パターンを、ライン・アンド・スペースタイプにするか、ドット(網点)タイプにするか、あるいはその他のパターンにするかという選択がある。また、ライン・アンド・スペースタイプの場合、線幅をどのくらいにするか、光が透過する部分と遮光される部分の比率、全体の透過率をどの程度に設計するかなど、を適宜設計することができる。
半透光膜タイプのグレートーンマスクは、例えば、以下のようにして製造することができる。ここでは、一例として、TFT基板のパターンを挙げて説明する。このパターンは、前述したように、TFT基板のソース及びドレインに対応するパターンからなる遮光部101と、TFT基板のチャネル部に対応するパターンからなるグレートーン部103と、これらパターンの周囲に形成される透光部102とで構成される。
まず、透明基板上に半透光膜及び遮光膜を順次形成したマスクブランクを準備し、このマスクブランク上にレジスト膜を形成する。次に、パターン描画を行って、現像することにより、パターンの遮光部及びグレートーン部に対応する領域にレジストパターンを形成する。次に、適当な方法でエッチングすることにより、レジストパターンが形成されていない透光部に対応する領域の遮光膜とその下層の半透光膜を除去し、パターンを形成する。
このようにして、透光部102が形成され、同時に、パターンの遮光部101とグレートーン部103に対応する領域の遮光パターンが形成される。そして、残存するレジストパターンを除去してから、再び、レジスト膜を基板上に形成し、パターン描画を行って、現像することにより、パターンの遮光部101に対応する領域にレジストパターンを形成する。
次に、適当なエッチングにより、レジストパターンの形成されていないグレートーン部103の領域の遮光膜のみを除去する。これにより、半透光膜のパターンによるグレートーン部103が形成され、同時に、遮光部101のパターンが形成される。
〔グレートーンマスクの情報取得方法について〕
前述のようなグレートーンマスクを用いてフォトマスク情報を取得するには、実際の露光条件を反映した条件下で透過光パターンデータを得ることが有用である。
グレートーンマスクにおいては、マスクに形成されたパターン形状が、このマスクを使用した露光によって被転写体上に形成されるレジスト膜厚やレジスト膜の形状に影響する。例えば、平面的なパターン形状の評価のみでなく、グレートーン部の光透過率が適切な範囲内にあるか、グレートーン部と遮光部の境界の光透過量の立ち上がり(シャープネス、または、ぼかし具合)がどのようであるかを評価する必要がある。
特に、微細パターンからなるグレートーン部を有するグレートーンマスクの場合には、フォトマスクを用いて実際に露光する時には、微細パターンが解像されずに、実質的に均一な透過率とみなされる程度に非解像の状態で使用される。この状態をマスクの製造過程において、または、出荷前の段階において、さらには、欠陥修正を行った段階において検査する必要がある。
本発明に係るフォトマスク情報の取得方法においては、グレートーン部を透過する露光光の量を低減しこの領域におけるフォトレジストのへの照射量を低減することによりフォトレジストの膜厚を選択的に変えるものであるようなグレートーンマスクの検査を、実際の露光条件を近似して、高精度で行い、実際の露光によって得られるフォトレジストのパターン形状を、高精度に予測することができる。
例えば、露光条件を変化させたときの、グレートーンマスクの透過光の透過光分布を図6に示す。
ここで、図6に示すパターンは、2つの遮光部(TFTにおける、ソース、ドレインに相当)と、それに隣接して中央部に設けられた半透光部(チャネルに相当)からなるパターンを示す。ここで、中央の半透光部には、露光機の改造限界を下回る線幅のパターン(水平方向に、微細透光部-微細遮光部-微細透光部が配列)によって形成している。
更に、ここでは、4段階の異なる解像度の光学系を用いて、透過光パターンを撮像したものであり、右にいくほど、解像度が低くなり、透過光パターン曲線のピークが低くなっている。この部分の濃度が、このグレートーンマスクを使用した場合のこの部分の「実効透過率」を示し、これによってグレートーン部により形成されるレジスト膜の残膜量が影響をうける。この4つの解像条件のうち、右にいくほど、実際の露光機の条件に近似している。
したがって、図6の下段に示すような透過光パターンデータによって、グレートーンマスクの露光に適用する露光条件と、それによって得られる、被転写体上のレジストパターンの形状の相関を把握することができる。
さらに、上記のような実際の露光条件下の非解像の状態において撮像画像を得たときに、必要により適切な演算を経て、チャネル部と、ソース、ドレイン部との境界部分のシャープネスを評価し、フォトレジストの立体形状を予測することも可能である。
この場合、例えば、解像限界以下の微細パターンからなる半透光部を有するフォトマスク3を検査装置に設置し、例えば、対物レンズ系4の開口数及びシグマ値(照明光学系2の開口数の対物レンズ系4の開口数に対する比)を、実際に用いる露光機と近似する所定の値とすることにより、撮像手段5における撮像面には、実際の露光によるパターン転写時と同様に、微細パターンの非解像な状態の像が得られる。そして、撮像された画像データを演算手段によって処理することにより、マスクパターンの透過光パターンを得ることができる。この透過光パターンから得られた透過光パターンデータを本発明のフォトマスク情報の一部とすることができる。更に、フォトマスク情報は、フォトマスクの半透光部の透過率に対する許容範囲の閾値を含むこともできる。
〔テストマスクについて〕
本発明に係るフォトマスク情報には、露光条件の変化(これは、パターンの線幅CDとの相関関係をもつ)、半透光膜の固有の透過率(膜厚、膜質に依存)の変化に応じた、半透光部の実効透過率の変化傾向を含ませることができる。このような情報は、例えば、図14のグラフのように表現することができる。ここでは、露光条件(露光量)や、半透光膜の固有の透過率を変化させ、これに対する、実効透過率の依存性をプロットしている。図14においては、横軸がチャネル部(半透光部)の線幅、縦軸が実効透過率を示す。複数の曲線はおのおの、異なった膜透過率についての、実効透過率を示している。
上記のように、フォトマスクに用いる半透光膜の固有の透過率変化や、パターンの形状(線幅など)による実効透過率の変化傾向やをフォトマスク情報に含ませるためには、あらかじめ図7に一例を示すような、テストマスク11を使用して、光透過パターンデータを得ることが可能である。本発明の、フォトマスクに近似するテストマスクとして、例えば以下のようなものを使用することができる。
このテストマスク11は、パターン形状の変化による、実効透過率の変化を把握することができるものである。前述の露光機を模した露光手段を使用したフォトマスク情報の取得方法において、複数のパターン形状による、透過光パターンを的確に、迅速に得るためのものである。これに加え、または、これに代えて、レジスト膜の分光感度や、撮像手段の分光感度特性など、露光装置との条件整合が不可能であるような因子も含めた条件についても、該テストマスクを用いて、被転写体への露光テストを行い、レジスト膜のパターニングを行うことを通して、複数の条件下におけるレジストパターン形状を傾向を把握すれば、フォトマスク情報に含ませることが可能である。
このテストマスク11においては、図7中の(a)に示すように、例えば、800mm×920mmの基板上に、同一のテストパターン12が、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにマトリクス状に配列されている。個々のテストパターン12は、図7中の(b)に示すように、X軸方向及びY軸方向に1列ずつ配列された単位パターン列13を有して形成されている。余剰の部分には、適宜他のテストパターンなどを配置してもよい。例えば、図7中の(b)では、周縁部に、位置基準マーク14、中央部に、一般的な解像度パターン15を配置した例である。
本発明のテストパターン12において、個々の単位パターン列13は、同一の単位パターンを複数配列させたものでもよいが、例えば、図8に示すように、後述する評価工程において有用な、それぞれ異なる単位パターン13−1を複数配列させたものであることが好ましい。ここでは、単位パターン13−1(ウェッジパターン)がX方向に21個配列され、それぞれの単位パターン13−1においてY方向に21段階(a〜u)に形状が変化されている例を示している。すなわち、各単位パターン列13は、X方向にもY方向にも、配列順に一定の規則に基づいて変化している。
個々の単位パターン13−1は、遮光膜によって形成されている。この単位パターン13−1は、図8中の(a)において「a〜u」で示すY軸方向について階段状に幅が変化している一対の遮光部81に挟まれた透光部に、遮光膜による縦線(遮光ライン)82が配されたラインアンドスペースのパターンとなっている。1つ1つの単位パターン13−1においては、両側の一対の遮光部81は、図8中の(a)において「1〜21」で示すX軸方向について同一であるが、中央の透光部に形成された遮光ライン82の線幅は、X軸方向について、「1〜21」に向けて、一定のピッチで細くなっている。
なお、個々の単位パターン13−1は、遮光膜及び半透光膜によって形成してもよい。この場合には、単位パターン13−1は、階段状に幅が変化している一対の遮光部に挟まれて、半透光膜が形成されたパターンとなる。すなわち、半透光膜が形成された領域は、一対の平行な遮光部のエッジで挟まれた領域(半透光部)となる。
このような単位パターン13−1を配列させることにより、図8中の(b)に示すように、遮光部81,81に挟まれたグレートーン部の透過率が漸次大きくなっていくマスクに近似させることができる。例えば、薄膜トランジスタにおけるチャネル部形成用のグレートーンマスクにおいて、グレートーン部の光透過率を漸次変化させた態様に近似させることができる。
一方、各単位パターン13−1において、Y方向については、「a〜u」にかけて、両側の遮光部81,81の線幅が漸次小さくなっている。これは、例えば、薄膜トランジスタにおけるチャネル部形成用のグレートーンマスクにおいて、図8中の(b)に示すように、チャネル部の幅が漸次大きくなってゆく態様に近似させることができる。なお、ここで、各単位パターン13−1における一対の遮光部81,81の線幅の変化ピッチは、中央の遮光ライン82の線幅の変化ピッチに等しくしておくことが、後述の理由で好ましい。
一方、このように配列した単位パターン列13は、斜め方向に観察、評価することにより、該マスクの線幅(CD)の変動による被転写体への転写の影響を評価することを可能にする。例えば、「a1、b2、c3…」という配列は、やはり一定の規則でパターン形状変化をしており、この規則は、中央の遮光ライン82が一定のピッチで細くなるとともに、両側の遮光部81,81の線幅も一定のピッチで細くなってゆく。これは、フォトマスク製造工程中の因子など、種々の理由によるフォトマスクのCD変動(線幅が所定量大きくなり、または、小さくなる)に近似させることができる。
したがって、このようなテストマスク11を使用する本発明に係るフォトマスクの製造方法を実施すると、検査装置で得られる光強度分布と、同一のテストマスクを用いて実際の露光を行って得られる被転写体上のレジストパターンとの相関を、各パターン形状の変化との関係において把握することが可能である。
さらに、図7中の(b)に示すように、2つの単位パターン列13は、テストマスク11において、X方向及びY方向に90°の角度をもって配列されている。これは、電子部品、例えば、液晶パネル、の製造時に生じ得るX方向及びY方向のパターンの解像度の不均一要因を評価することを可能とする。例えば、露光装置の走査方向とこれに垂直な方向とで、解像度に差異が生じていれば、このような解像度の差異の状態を評価することができる。
なお、ここでは、単位パターン13−1として、図8に示すように、階段状に幅が変化している一対の遮光部81,81に挟まれた透光部に遮光膜による遮光ライン82を配したラインアンドスペースのパターン(ウェッジパターン)を有するテストマスク11について説明したが、本発明におけるテストマスクは、これに限定されない。異なるテストパターンを、図9及び図10に例示する。図9示す単位パターン13−2は、正方形枠状の透光部と、この透光部内に形成された正方形枠状の遮光部とを有するものであり、一つの単位パターン13−2において、4方向についての評価を行うことができる。図10示す単位パターン13−3は、正八角形枠状の透光部と、この透光部内に形成された正八角形枠状の遮光部とを有するものであり、一つの単位パターン13−3において、8方向についての評価を行うことができる。
さらに、異なる態様として、図8のテストパターンの階段状に幅が変化している一対の遮光部81,81に挟まれた部分に半透光膜(透光部に対して所定量透過率を低減させる目的で設けられた膜)を成膜して、単位パターンとしてもよい。この場合には、このテストマスクを用いて、半透光膜が形成されたグレートーン部を有するグレートーンマスクの評価を行うことが可能となる。チャネル部に相当する部分に、半透光膜を配したTFT製造用グレートーンマスクを近似できる。
ここで、本発明に係るフォトマスク情報の取得方法においては、露光条件を変更しつつ、複数回の照射を行い、おのおのの照射によるテストマスクの撮像画像を得ることが好ましい。この複数の異なる条件によるテストマスクの透過光光強度分布データは、該テストマスクの実際の露光によるレジストパターンとの比較対照に供することにより、さらに、多くの情報を得ることが可能となる。例えば、所定量ずつ開口数(NA)を変化させながら照射を行う、あるいは、所定量ずつ、開口数(NA)、または、コヒーレンス(σ)を変化させながら照射を行うなどである。
こうして得られた透過光の光強度分布データは、データベースとして蓄積することができる。このデータベースの一部、または、全部を、フォトマスク情報とすることができる。
〔検査光の分光特性について(1)〕
ところで、この検査装置における光源1としては、実際に露光を行う露光装置における露光光と同一、または、略等しい波長分布を有する検査光を発するものを用いることが好ましい。
具体的には、この検査光は、図11中の(a)に示すように、少なくともg線(436nm)、h線(405nm)、または、i線(365nm)のいずれかを含んでおり、これら各波長成分を全て含み、または、これら各波長成分のうち任意の2以上が混合されているミックス光とすることもできる。通常、FPD製造用の大型マスクの露光に際しては、露光光として、これらの波長のミックス光を用いるため、この検査装置においても、所望の光強度割合でのミックス光を適用することによって、露光条件に近似する条件とすることができる。
そして、この検査光は、光学フィルタなどの波長選択フィルタ6を透過してフォトマスク3に照射されることにより、フォトマスク3上における各波長成分の混合比が調整される。この波長選択フィルタ6としては、図11中の(b)に示すように、所定の波長以下、または、所定の波長以上の光束をカットする特性を有するフィルタを使用することができる。
この検査装置においては、光源1から発せられる検査光の波長分布が露光装置における露光光の波長分布と同一、または、略等しいことによって、実際の露光条件を近似した露光条件とすることができる。
さらに、この検査装置においては、波長選択フィルタとして、図11中の(c)に示すように、光源1より発せられた主としてg線のみを透過させる特性を有する第1のフィルタと、光源1より発せられた主としてh線のみを透過させる特性を有する第2のフィルタと、光源1より発せられた主としてi線のみを透過させる特性を有する第3のフィルタとを選択的に使用することができる。
この場合においては、第1のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる光強度データdgと、第2のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる光強度データdhと、第3のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる光強度データdiとをそれぞれ求める。
そして、これら各光強度データdg,dh,diを、それぞれに所定の重み付けを行った後、加算することにより、g線、h線及びi線が所定の強度比で混合された光束をフォトマスク3に照射したときに得られる光強度データを算出することができる。
各光強度データdg,dh,diの重み付けは、例えば、この検査装置の光源1からの光束におけるg線、h線及びi線の強度比率が、〔1.00:1.20:1.30〕であって、露光装置の光源からの露光光におけるg線、h線及びi線の強度比率が、〔1.00:0.95:1.15〕であったとすると、dgに掛けるべき係数fgは、1.00、dhに掛けるべき係数fhは、0.95/1.20(=0.79)、diに掛けるべき係数fiは、1.15/1.30(=0.88)となる。
これらを加算したデータ、すなわち、〔fgdg+fhdh+fidi〕が、露光装置において露光光をフォトマスク3に照射したときに得られる光強度分布を示すデータとなる。なお、このような演算は、制御手段を演算手段として使用して、この制御手段により行うことができる。このような方法によって、実際の露光条件を近似した露光条件での、フォトマスクの透過光パターンを得ることも可能である。
〔検査光の分光特性について(2)〕
この検査装置における光源1が発する検査光が、露光装置における露光光と異なる波長分布を有していても、以下のようにして、露光装置における露光状態を近似した透過光パターンを得ることができる。
この検査装置においては、前述したように、波長選択フィルタとして、光源1より発せられた主としてg線のみを透過させる特性を有する第1のフィルタと、光源1より発せられた主としてh線のみを透過させる特性を有する第2のフィルタと、光源1より発せられた主としてi線のみを透過させる特性を有する第3のフィルタとを選択的に使用することができる。
そこで、テストマスク11を用いて、図12に示すように、第1のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる第1の基準強度データIg、第2のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる第2の基準強度データIh、第3のフィルタを使用したときに撮像手段5により得られる第3の基準強度データIiを求める。これら各基準データIg,Ih,Iiは、光源1の分光分布と、撮像手段5の分光感度分布と、各フィルタの分光透過率とが乗算された結果であり、さらに、この検査装置において光源1からの検査光が透過する各光学素子の分光透過率もが乗算された結果である。
光源1の分光分布、撮像手段5の分光感度分布及び各光学素子の分光透過率は、波長に対して一様ではない。そのため、ある転写パターンについて撮像される透過光パターンは、図12中の(a)に示すように、撮像に用いた各検査光(g線、h線、i線)の波長の違いにより、異なるパターンとなる。これらのパターンは、図12中の(b)に示すように、一定の閾値で切ったときに、大きさの異なるパターンとして認識される。
次に、第1乃至第3の基準強度データIg,Ih,Iiを互いに等しいレベルとする各基準強度データIg,Ih,Iiについての第1乃至第3の係数α,β,γを求めておく。すなわち、図12の(c)に示すように、第1の基準強度データIgに第1の係数αを乗じた結果と、第2の基準強度データIhに第1の係数βを乗じた結果と、第3の基準強度データIiに第1の係数γを乗じた結果とが等しいレベルとなるような各係数α,β,γを求める。ここで、等しいレベルであるとは、例えば、各基準強度データIg,Ih,Iiのピーク強度が互いに等しいことをいう。
この検査装置においては、各基準強度データIg,Ih,Iiを互いに等しいレベルとする第1乃至第3の係数α,β,γが予め求められており、これら係数α,β,γは、この検査装置を使用するユーザに把握されている。
そして、検査対象であるフォトマスクについて検査を行うときには、このフォトマスクについて、第1のフィルタを使用して撮像手段5により第1の光強度データJgを求め、第2のフィルタを使用して撮像手段5により第2の光強度データJhを求め、また、第3のフィルタを使用して撮像手段5により第3の光強度データJiを求める。
次に、第1の光強度データJgに第1の係数αを乗じ、第2の光強度データJhに第2の係数βを乗じ、第3の光強度データJiに第3の係数γを乗じることによって、光源1の分光分布、撮像手段5の分光感度分布及び検査装置の各光学素子の分光透過率による影響が補正され、当該フォトマスクを用いて被露光体であるレジストに露光したときの露光状態に対応した光強度データ〔αJg,βJh,γJi〕が求められる。
このような演算は、前述したように、制御手段を演算手段として使用して、この制御手段により行うことができる。
また、露光装置の分光特性、すなわち、露光装置の光源の分光分布及び露光装置の各光学素子の分光透過率が判っている場合には、これら分光特性に応じた係数u,v,wを定めておくことができる。この係数u,v,wとしては、例えば、g線の強度を1.0としたときのh線の強度(例えば、0.9104)及びi線の強度(例えば、1.0746)を求め、これらの合計が1となるようにした強度比(例えば、0.335:0.305:0.360)を使用することができる。
そして、これら露光装置の分光特性に応じた係数を、第1乃至第3の光強度データに対応させてさらに乗ずることにより、より正確に、この露光装置により当該フォトマスクを用いてレジストに露光したときの露光状態に対応した光強度データ〔uαJg,vβJh,wγJi〕を求めることができる。
さらに、レジストの分光感度特性(吸収スペクトル)が判っている場合には、この分光感度特性に応じた係数x,y,zを定めておくことができる。この係数x,y,zとしては、例えば、g線の吸収量を1.0としたときのh線の吸収量(例えば、1.6571)及びi線の吸収量(例えば、1.8812)を求め、これらの合計が1となるようにした吸収比(例えば、0.220:0.365:0.415)を使用することができる。
そして、この分光特性に応じた係数を、第1乃至第3の光強度データに対応させてさらに乗ずることにより、より正確に、この露光装置により当該フォトマスクを用いてレジストに露光したときの露光状態に対応した光強度データ〔xαJg,yβJh,zγJi〕(または、〔xuαJg,yvβJh,zwγJi〕)を求めることができる。このような演算も、制御手段を演算手段として使用して、この制御手段により行うことができる。
〔本発明に係るフォトマスクの品質表示方法〕
本発明に係るフォトマスクの品質表示方法は、前述のようにして取得されたフォトマスク情報を、このフォトマスク情報に対応するフォトマスクに対応づけるものである。対応づけに際しては、フォトマスクとフォトマスク情報に、該フォトマスク固有の識別情報を認識可能な形態で付すことができる。
このフォトマスクの品質表示方法においては、各フォトマスクについて、フォトマスク情報が対応づけられているため、このフォトマスクを用いて露光機による露光を行うにあたり、前述したように、露光条件を適切に設定することができ、また、露光後のレジストの現像条件、エッチング条件等を適切に設定することができる。
〔本発明に係る電子デバイスの製造支援方法〕
本発明に係る電子デバイスの製造支援方法は、図13に示すように、前述のようにして取得されたフォトマスク情報を、このフォトマスク情報に対応するフォトマスクに対応づけておくことにより、このフォトマスクを用いた電子デバイスの製造を支援するものである。
この一例を図13に示す。この電子デバイスの製造支援方法においては、st1において、フォトマスクのパターンデータ(CADデータ)を用意し、st2において、このパターンデータに基づいてフォトマスクの製造を行う。st3においては、製造されたフォトマスクの仕上がり評価を行う。ここまでは通常のマスク製造プロセスである。そして、図2に示すようなハードウエアシミュレータを用いて、該マスクの性能を確認し、その際、実際のマスクの露光条件を近似した条件を採用することを、発明者はさきに提案している。そして、マスク性能が確認されたら、出荷される。
一方、本発明においては、あらかじめフォトマスク情報を取得し、該フォトマスク情報を、フォトマスクと関係づけされた状態でフォトマスクユーザに提供し、これを通じて、フォトマスクを使用するフォトマスクユーザが電子デバイスを製造する工程を支援する。 フォトマスク情報の取得に際しては、例えば、図13のst4において、テストマスクを作成しておく。このテストマスクは、上記フォトマスクのパターンを参照し、上記フォトマスクの露光のシミュレーションになるように、近似したパターンを含ませるとともに、複数の線幅の半透光部を含ませる等の設計を行って作成したものである。ステップst5においては、前述した検査装置(シミュレータ)を用いて、上記フォトマスクの実際の露光条件に近似した条件を適用し、フォトマスクの透過光の透過光パターンを得る。好ましくは、複数の露光条件を適用した場合の、透過光パターンを得る。そして、該透過光パターンから、透過光パターンデータを生成する。
ここで、透過光パターンデータを得るために使用するマスクは、テストマスクのほか、上記フォトマスク自身とすることももちろん可能である。但し、その情報のみの場合には、線幅の変化による透過光パターンデータの変化を把握することはできない。
st6において、製造されたフォトマスクとこのフォトマスクに対応するフォトマスク情報とを対応づけて、電子デバイスの製造工程に送る、または、電子デバイスの製造工程に携わるマスクユーザに提供する。
上記のように本発明では、上記透過光パターンデータを、上記フォトマスクと関連づけされた状態で提供することにより、マスクユーザはこのマスクを露光に供したときに得られるであろうレジストパターンを予測することができ、また露光に適用する露光条件を決定することができる。
この電子デバイスの製造支援方法においては、各フォトマスクについて、フォトマスク情報が対応づけられているため、このフォトマスクを用いて露光機による露光を行うにあたり、前述したように、露光条件を適切に設定することができ、また、露光後のレジストの現像条件、エッチング条件等を適切に設定することができる。
また、フォトマスクの製造と、このフォトマスクを用いた電子デバイスの製造とが、異なる製造者によって行われる場合であっても、フォトマスクの製造者が本発明に係る電子デバイスの製造支援方法を実施することにより、電子デバイスの製造者は、フォトマスクの製造者から納品されたフォトマスクを用いて露光機による露光を行うにあたり、前述したように、露光条件を適切に設定することができ、また、露光後のレジストの現像条件、エッチング条件等を適切に設定することができるので、電子デバイスの製造を的確に行うことができる。
〔電子デバイスの製造方法〕
液晶表示装置等の電子デバイスを製造するにあたっては、一般的な公知の製造工程において、前述した本発明に係るフォトマスク情報を用いることにより適切な露光条件を決定することができ、また、露光によって得られるレジストパターンを予測することができる。このため、良好な電子デバイス(液晶表示装置など)を迅速に製造することができる。
これにより、電子部品に対する所望の性能を、歩留まりよく、短期間に、安定して得ることが可能となる。
一対の平行な遮光部のエッジで挟まれた半透光部の中心における実効透過率を示すグラフである。 本発明に係るフォトマスク情報の取得方法に使用する検査装置の構成を示す側面図である。 グレートーンマスクを用いたTFT基板の製造工程(前半)を示す断面図である。 グレートーンマスクを用いたTFT基板の製造工程(後半)を示す断面図である。 グレートーンマスクの構成を示す正面図である。 前記検査装置において得られた撮像データにおけるグレートーン部の状態を示す図である。 本発明に係るフォトマスク情報の取得方法に使用するテストマスクの構成を示す平面図である。 前記テストマスクにおける単位パターンを示す平面図である。 前記テストマスクにおける単位パターンの他の例を示す平面図である。 前記テストマスクにおける単位パターンのさらに他の例を示す平面図である。 (a)は、前記フォトマスクの検査装置における光源の分光特性を示すグラフであり、(b)は、前記フォトマスクの検査装置において使用する波長選択フィルタの分光特性を示すグラフであり、(c)は、前記フォトマスクの検査装置において使用する波長選択フィルタの分光特性の他の例を示すグラフである。 前記フォトマスクの検査装置における光源の分光特性、前記フォトマスクの撮像素子の分光感度分布及び各フィルタに対応して得られる基準強度データを示すグラフと、各基準強度データに対応する係数を乗じた状態を示すグラフである。 本発明に係る電子デバイスの製造支援方法における手順を示すフローチャートである。 チャネル部(半透光部)の線幅と実効透過率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 光源
2 照明光学系
3 フォトマスク
4 対物レンズ系
5 撮像手段
6 波長選択フィルタ
11 テストマスク
12 テストパターン
13 単位パターン

Claims (15)

  1. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工におけるマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなすことに用いる前記フォトマスクについての情報を取得するフォトマスク情報の取得方法であって、
    前記露光条件に近似した露光条件を用いて、前記フォトマスク、または、前記フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、前記フォトマスク、または、前記テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいた透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成し、
    前記フォトマスク情報を前記フォトマスクに対応づけることを含み、
    前記フォトマスクの半透光部は、前記透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分、または、透明基板上に、前記露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成した部分を有し、かつ、
    前記フォトマスク情報は、露光条件の変化に対する、前記半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするフォトマスク情報の取得方法。
  2. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工におけるマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなすことに用いる前記フォトマスクについての情報を取得するフォトマスク情報の取得方法であって、
    前記露光条件に近似した露光条件を用いて、前記フォトマスク、または、前記フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、前記フォトマスク、または、前記テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいた透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成し、
    前記フォトマスク情報を前記フォトマスクに対応づけることを含み、
    前記フォトマスクの半透光部は、前記透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分を有し、かつ、
    前記フォトマスク情報は、前記半透光膜の膜厚、または、膜質の変化に対する前記半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするフォトマスク情報の取得方法。
  3. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工におけるマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなすことに用いる前記フォトマスクについての情報を取得するフォトマスク情報の取得方法であって、
    前記露光条件に近似した露光条件を用いて、前記フォトマスク、または、前記フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、前記フォトマスク、または、前記テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいた透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成し、
    前記フォトマスク情報を前記フォトマスクに対応づけることを含み、
    前記フォトマスクの半透光部は、前記透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分、または、透明基板上に、前記露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成した部分を有し、かつ、
    前記フォトマスク情報は、パターン線幅の変化に対する前記半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするフォトマスク情報の取得方法。
  4. 前記被加工層は、液晶表示装置製造のために使用されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のフォトマスク情報の取得方法。
  5. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工においてマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなすことに用いる前記該フォトマスクの品質を表示するフォトマスクの品質表示方法であって、
    前記露光条件に近似した露光条件を用いて、前記フォトマスク、または、前記フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、前記フォトマスク、または、前記テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいた透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、
    前記フォトマスク情報を、前記フォトマスクに対応づける工程と、を有し、
    前記半透光部は、前記透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の所定の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分、または、透明基板上に、前記露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成した部分を有し、かつ、
    前記フォトマスク情報は、露光条件の変化に対する、前記半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするフォトマスクの品質表示方法。
  6. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工においてマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなすことに用いる前記該フォトマスクの品質を表示するフォトマスクの品質表示方法であって、
    前記露光条件に近似した露光条件を用いて、前記フォトマスク、または、前記フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、前記フォトマスク、または、前記テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいた透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、
    前記フォトマスク情報を、前記フォトマスクに対応づける工程と、を有し、
    前記半透光部は、前記透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の所定の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分を有し、かつ、
    前記フォトマスク情報は、前記半透光膜の膜厚、または、膜質の変化に対する前記半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするフォトマスクの品質表示方法。
  7. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工においてマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなすことに用いる前記該フォトマスクの品質を表示するフォトマスクの品質表示方法であって、
    前記露光条件に近似した露光条件を用いて、前記フォトマスク、または、前記フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、前記フォトマスク、または、前記テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいた透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、
    前記フォトマスク情報を、前記フォトマスクに対応づける工程と、を有し、
    前記半透光部は、前記透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の所定の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分、または、透明基板上に、前記露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成した部分を有し、かつ、
    前記フォトマスク情報は、パターン線幅の変化に対する、前記半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とするフォトマスクの品質表示方法。
  8. 前記被加工層は、液晶表示装置製造のために使用されることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載のフォトマスクの品質表示方法。
  9. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工においてマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなす工程を有する電子デバイスの製造を支援する電子デバイスの製造支援方法であって、
    前記露光条件に近似した露光条件を用いて、前記フォトマスク、または、前記フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、前記フォトマスク、または、前記テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいて透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、
    前記フォトマスク情報を、前記フォトマスクに対応づける工程と、を有し、
    前記半透光部は、前記透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の所定の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分、または、前記露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成した部分を有し、かつ、
    前記フォトマスク情報は、露光条件の変化に対する、前記半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とする電子デバイスの製造支援方法。
  10. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工においてマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなす工程を有する電子デバイスの製造を支援する電子デバイスの製造支援方法であって、
    前記露光条件に近似した露光条件を用いて、前記フォトマスク、または、前記フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、前記フォトマスク、または、前記テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいて透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、
    前記フォトマスク情報を、前記フォトマスクに対応づける工程と、を有し、
    前記フォトマスクの半透光部は、前記透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分を有し、かつ、
    前記フォトマスク情報は、前記半透光膜の膜厚、または、膜質の変化に対する前記半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とする、電子デバイスの製造支援方法。
  11. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工においてマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなす工程を有する電子デバイスの製造を支援する電子デバイスの製造支援方法であって、
    前記露光条件に近似した露光条件を用いて、前記フォトマスク、または、前記フォトマスクに近似するテストマスクに露光を行い、前記フォトマスク、または、前記テストマスクの透過光パターンを撮像手段により取得し、取得された透過光パターンに基づいて透過光パターンデータを含むフォトマスク情報を生成する工程と、
    前記フォトマスク情報を、前記フォトマスクに対応づける工程と、を有し、
    前記フォトマスクの半透光部は、前記透光部の露光光透過率を100%とするとき、100%未満の透過率を有する半透光膜を透明基板上に形成した部分、または、透明基板上に、前記露光条件下での解像限界以下の寸法の微細な遮光パターンを形成した部分を有し、かつ、
    前記フォトマスク情報は、パターン線幅の変化に対する前記半透光部の露光光透過率の変化傾向についての情報を含むことを特徴とする、電子デバイスの製造支援方法。
  12. 前記電子デバイスは、液晶表示装置であることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載の電子デバイスの製造支援方法。
  13. エッチング加工がなされる被加工層上に形成されたレジスト膜に対して、遮光部、透光部及び半透光部からなる所定の転写パターンを有するフォトマスクを用いて所定の露光条件下で露光を行い、前記レジスト膜を、前記エッチング加工におけるマスクとなるレジスト残膜量の異なる部位をもつレジストパターンとなす工程を含む、電子デバイスの製造方法において、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載のフォトマスク情報の取得方法によるフォトマスク情報を基に、露光条件を決定し、前記決定した露光条件により前記フォトマスクへの露光を行う工程を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  14. 前記フォトマスク情報に基づき、前記レジスト膜の現像条件、または、前記エッチング加工におけるエッチング条件を決定することを特徴とする請求項13記載の電子デバイスの製造方法。
  15. フォトマスクと、情報記録媒体に収容された前記フォトマスクについてのフォトマスク情報と、を含むフォトマスク製品であって、
    前記フォトマスク情報は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のフォトマスク情報の取得方法によるものであることを特徴とするフォトマスク製品。
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