JP5459497B2 - センターベアリングサポート - Google Patents
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Description
(1)本発明は、駆動系回転軸のシール部などに用いられるセンターベアリングサポートに関する。
(2)従来、駆動軸とオイルシールの間(潤滑部)にダストなどが噛み込んだままで駆動軸が回転すると異常発熱することがある。その熱で内部のグリス(潤滑油)が熱膨張し、外部へ吐き出されることで、内部のグリスが早期に枯渇し、潤滑性の低下、異音の発生などに結び付く要因となっている。
(3−1)オイルシール近傍に位置するグリス溜まりと繋がっているグリス溜まり(貯蔵部)を持ち、貯蔵部にあたる部分は走行時の風で空冷される構造。
(3−2)すなわち、オイルシール近傍に位置するグリス溜まりに加え、内環のフロント側にもグリス溜まり(貯蔵部)を設置する。
(3−3)貯蔵部はオイルシール近傍のグリス溜まりと繋がっている。
(3−4)貯蔵部は内環のフロント側、走行時に風が当たる部分に設置されており、空冷される。
(3−5)貯蔵部は、内環によって形成しても良く、また内環と別体の部品(別部品)によって形成しても良い。貯蔵部を別部品で形成する場合、別部品を内環の内周側に組み合わせ、内環に穴を設けて連通路を形成する。または別部品を内環の外周側に組み合わせ、打ち抜きの穴同士で連通路を形成する。別部品の材質としては、対グリス性、耐熱性、およびベアリング押さえとして機能する場合の強度などを考慮すると、内環と同じで、すなわち金属(SPCC等)の板材とするのが良い。
(5)また、比較例として貯蔵部をベアリング近傍に設けた場合には、すべてのグリスが回転体近傍に存在するため、異常発熱時は熱膨張が大きく、グリスが外へ吹き出しやすいが、本案では、貯蔵部が空冷されるため、異常発熱時、空冷されたグリスが残りやすい。
(6−1)外部異物がオイルシールのほうへ侵入しにくくするためには、オーバーハング(内環前縁)を延ばす、内環フロント側にゴムを廻し円周上の突起を設ける、内環にフロント側へ突起形状を設定する、オイルシール前段に別部品がせり出す形状にする、等が考えられる。
(6−2)貯蔵部内のグリスを円滑供給するためには、グリスが垂れていくように傾斜を付けると良い。また、以下の対策も考えられる。
(6−3)すなわち、構造上、貯蔵部のグリスがオイルシールへ自然と流れない場合には金属環を設定する。この金属環は、断面が円形または四角に面取りもしくはアールを施した形状で、貯蔵部を前後へスライドする構造となっている。車の加速時・減速時に金属環がスライドし、貯蔵部にあるグリスをオイルシール側へ掻き出す。
図1は、本発明の第一実施例に係るセンターベアリングサポート1の断面を示している。当該実施例に係るセンターベアリングサポート1は自動車等車両においてプロペラシャフト10を回転自在にかつ弾性的に支持するものであって、以下のように構成されている。
図2は、本発明の第二実施例に係るセンターベアリングサポート1の断面を示している。当該実施例に係るセンターベアリングサポート1においては、貯留空間11が、内環4とこの内環4の内周側に組み付けられた別体の環体15とによって形成されている。
図3は、本発明の第三実施例に係るセンターベアリングサポート1の断面を示している。当該実施例に係るセンターベアリングサポート1においては、貯留空間11が、内環4とこの内環4の外周側に組み付けられた別体の環体16によって形成されている。
上記各実施例において、貯留空間11からグリス溜まり9へグリスを円滑に供給する手段を講じる必要があるときには、圧力差や表面張力を利用したり、あるいはグリスが垂れてゆくように貯留空間11の内面に傾斜を付けたりすることが考えられるが、このほか、貯留空間11内に、当該空間11内で移動してグリスG’を流動させやすくする駒体を挿入することが考えられる。駒体は車両の加速時または減速時の慣性や車両走行時の振動などによって貯留空間11内で移動するもので、移動時にグリスG’を掻き出したり押し出したりする。
2 外環
3 ゴム状弾性体
3a ベロー部
4 内環
4a,4b,4d,4f 筒状部
4c,15b,16b 端面部
4e,4g 段差部
5 ベアリング
6 ベアリング押え環
7 ベアリング保持環
8 ダストシール
9 空間(グリス溜まり)
10 シャフト
11 補給グリス貯留空間(貯留空間)
12 グリス供給口
15,16 環体
15a,15c,16a,16c 円筒部
17 駒体
G,G’ グリス
Claims (5)
- ベロー部を備えるゴム状弾性体の内周側にベアリング保持環を設け、前記ベアリング保持環の内周側であって前記ベアリング保持環が保持するベアリングの前方にダストシールを設け、前記ベアリングおよびダストシール間の空間に潤滑用グリスを充填するセンターベアリングサポートにおいて、
前記ベアリングおよびダストシール間の空間へ潤滑用グリスを補給すべく補給グリスを貯留する補給グリス貯留空間を設け、
前記補給グリス貯留空間は、前記ベアリング保持環または/および前記ベアリング保持環に組み付けられる環体によって、前記ダストシールの外周側であって前記ベアリングの前方に設けられていることを特徴とするセンターベアリングサポート。 - 請求項1記載のセンターベアリングサポートにおいて、
前記補給グリス貯留空間に貯留する補給グリスを、車両走行時に発生する風により空冷することを特徴とするセンターベアリングサポート。 - 請求項1または2記載のセンターベアリングサポートにおいて、
前記ベアリング保持環または前記環体は、前記ダストシールを嵌合保持する筒状部または円筒部を有し、前記筒状部または円筒部の外周側に前記補給グリス貯留空間を有し、
前記筒状部または円筒部には、前記補給グリス貯留空間から前記ベアリングおよびダストシール間の空間へグリスを供給するためのグリス供給口が設けられていることを特徴とするセンターベアリングサポート。 - 請求項3記載のセンターベアリングサポートにおいて、
前記筒状部または円筒部は、これに前記ベアリングが突き当てられることにより、前記ベアリング保持環に対する前記ベアリングの軸方向位置決め手段を兼ねることを特徴とするセンターベアリングサポート。 - 請求項1ないし4の何れかに記載のセンターベアリングサポートにおいて、
前記補給グリス貯留空間には、当該空間内で移動して前記補給グリスを流動させやすくするための駒体が挿入されていることを特徴とするセンターベアリングサポート。
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