JP5458923B2 - 耐脆性破壊特性に優れた溶接継手 - Google Patents

耐脆性破壊特性に優れた溶接継手 Download PDF

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本発明は、耐脆性破壊特性に優れ、780MPa以上の引張強度を有する溶接継手に係り、一般的な大型溶接構造物の他、特に水圧鉄管として好適に用いることができる溶接継手に関する。
近年、溶接構造物の大型化の傾向が顕著になってきており、それに対応してこれら構造物に使用される鋼板への高強度化および厚肉化の要求が高まっている。例えば、揚水型発電所の水圧鉄管、海洋構造物のジャッキアップ型掘削リグのラック材等に厚肉の780MPa級高張力鋼材が使用されるに至っている。さらに現在は、880MPaを超える引張強さを有する高張力鋼材の供給が望まれるようになっている。厚鋼板の高強度化は、単に構造物の重量低減にとどまらず、溶接施工費用の大幅な低減をもたらすので、その要求には根強いものがある。しかし、このような高強度、高靭性、優れた耐脆性破壊特性および溶接性を具備した高張力鋼材の問題点は溶接熱影響部の破壊靭性にある。
非特許文献1には、水圧鉄管用鋼材として引張強度が950MPa級の高張力鋼を適用した際の溶接継手の破壊靭性について評価した例が示されている。この文献は、コンパクト試験片をマグ溶接またはサブマージアーク溶接して得た溶接継手について、CTOD試験を実施し、得られた限界CTOD値を破壊パラメータとして破壊靭性を調査したものである。しかしながら、この文献に示される様々な条件の溶接継手において、限界CTOD値が0.1mmを下回る例が示されており、最も低いもので0.06mm程度のものもある。この文献では、設計応力および許容欠陥寸法から導出される必要となる限界CTOD値は、0.05〜0.07mmとされており、その目標は一応満たすものの、溶接継手の破壊靭性の更なる向上が求められる。
このような問題に対し、母材の化学成分を調整することで、改善する試みが多数なされている。例えば、特許文献1には、TiおよびNの含有量を低減すると共に、AlとOの関係が式「Al/O≧1.12」を満たすこととして、溶融線近傍での焼入性の低下(硬さ低下)を防止し、優れた溶接熱影響部靭性を有する鋼を得ることが記載されている。また、特許文献2には、B含有量を極力低減、好ましくは皆無とし、必須元素として適量のNiを添加し、所定以上のCeq値になるような化学組成とすることにより、高張力鋼の溶接熱影響部(以下、「HAZ」ともいう。)の靭性を高めることが記載されている。
一方、軟質継手(溶接金属の硬度が母材の硬度より低い継手。)に関する検討も行われている。例えば、非特許文献2には、HT780を母材とした軟質継手の変形特性や破壊特性について検討されている。非特許文献3ではフュージョンライン(溶接金属に接するHAZ。以下、「FL」と呼ぶ。)にき裂を導入した3点曲げCTOD試験において軟質継手の限界CTOD値に及ぼす影響を実験的に調査した結果について示されている。軟質継手が破壊靭性値に有利であることが示されている。また、このことは、非特許文献4において、軟硬境界にあるき裂先端に生成する塑性変形場の非対称性という観点で説明されている。
特開2001−64747号公報 特開2001−214235号公報
Y.Nishiwaki, T.Maejima and K.Kubota, "Study for the application of high tensile steel(HT-100) to penstock", Journal of Construction Management and Engineering(VI), No.672(2001), P37-56. K.Satoh, M.Toyoda, K.Ukita, R.Shimoda, A.Nakamura and T.Matsuura, "Applicability of undermatching electrode to circumferential welded joint of HT80 penstock(2nd report)", J.JWS, Vol.47, No.10(1978), P697-704. M.Kocak and K.-H.Schwalbe, "Fracture of weld joints : Mis-match Effect", IIW Doc.X-F-003-94(1994) M.Toyoda, F.Minami, C.Ruggieri, C.Thaulow and M.Hauge, "Fracture property of HAZ-notched weld joint with mechanical mis-matching - Part1", Mis-Matching of Welds, ESIS 17,Mechanical Engineering Publications, London(1994), P399-415.
本発明は、引張強さ780MPa以上(特に950MPa以上)を有し、しかも、良好な耐脆性破壊発生特性を有する溶接継手を経済的に提供することを目的とする。良好な耐脆性破壊発生特性とは、具体的には、「BS7448−1991に準拠したCTOD試験において、FL位置における0℃での限界CTOD値が0.1mm以上であること」を意味する。
以後の説明において、溶接部は、“溶接金属”および“HAZ”により構成されるものとする。通常、HAZというときは“溶接金属に接するHAZ”を含むが、“溶接金属に接するHAZ”を“フュージョンライン(FL)”といって区別する場合がある。
FL位置のCTOD特性は前述のように溶接金属側ではなく、溶接熱影響部の靭性に支配されている。つまり、FL位置の破壊靭性を向上させる必要がある。
この課題を経済的な観点も考慮して解決する方法として、著者らは合金元素を添加するのではなく、軟質継手を利用することを基本とすることとした。ここで、前述の非特許文献1では、軟質継手を用いた場合の問題点として変形特性を挙げているに留まり、破壊特性については、軟質継手と変わりないとしており、積極的な検討がなされていない。また、実際にHT780を使用した場合の軟質継手の効果の定量性についてはいずれの文献にも示されていない。
そこで、本発明者らは、様々な組み合わせで実際に溶接継手を製作し、また仮想的な材料配置を前提としたFEM解析を多数実施し、下記の知見を得た。
(1)熱影響部の脆性破壊を対象とし、ワイブル応力概念を用いた応力解析(ワイブル応力解析)による検討を行った結果、溶接金属の引張強さを低減することで、限界CTOD値を向上させることができることが判った。また、等質材の限界CTOD値とワイブル応力の関係から、軟質度の効果の定量的評価が可能となった。
(2)また、軟質度を測るパラメータとして引張強さの比だけではなく、溶接金属の降伏比も重要なパラメータであることが判った。これは軟質継手の靭性向上のメカニズムが軟質側の先行降伏であることによると考えられる。この効果についても定量的評価を行った。
(3)さらに、溶接金属の加工硬化特性も限界CTOD値の向上に影響を及ぼすことが判った。加工硬化特性の指標として一様伸びを採用して定量的影響を把握した。
(4)これらの検討により熱影響部自身の破壊靭性は特別に優れたものを準備せずとも、目標であるFL位置における0℃での限界CTOD値を0.1mm以上とすることができる。つまり鋼材の化学成分設計は大きな余裕度を持ち、広い範囲の鋼材を用いることができる。
(5)さらに、軟質溶材を用いて高張力鋼を溶接接合することは溶接時の作業を極めて簡素化することが可能である。すなわち従来の等質材で必要であった予熱作業、パス間温度維持、後熱処理が場合によっては一切不要になり、継手製作時の経済性を顕著に向上させることができる。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、下記(A)〜(G)に示す溶接継手を要旨としている。
(A)質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.007%以下、S:0.002%以下及びAl:0.10%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有し、780MPa以上の引張強度を有する母材を溶接した溶接継手であって、下記(1)式を満足することを特徴とする耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
938+2000(σTW/σTB)≦3.05σTB・・・(1)
但し、(1)式中の各記号の意味は下記の通りである。
σTW:溶接金属のTS(MPa)
σTB:母材のTS(MPa)
(B)母材の化学組成が、Feの一部に代えて、更に、Cu:1.0%以下、Ni:3.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下及びB:0.005%以下のうちから選択される1種以上を含有することを特徴とする上記(A)に記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
(C)更に、下記(3)式を満足することを特徴とする上記(A)または(B)に記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
459+362(σ YW /σ TW )+2161(σ TW /σ TB )+6UELw≦2.95σ TB ・・・(3)
但し、(3)式中の各記号の意味は下記の通りである。
σ YW :溶接金属のYS(MPa)
σ TW :溶接金属のTS(MPa)
UELw:溶接金属の一様伸び(%)
σ TB :母材のTS(MPa)
(D)母材の化学組成が、Feの一部に代えて、更に、V:0.1%以下、Nb:0.1%以下、Ti:0.1%以下及びZr:0.05%以下のうちから選択される1種以上を含有することを特徴とする上記(C)に記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
(E)母材の化学組成が、Feの一部に代えて、更に、Ca:0.005%以下を含有することを特徴とする上記(C)または(D)に記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
(F)更に、下記(2)式を満足することを特徴とする上記(A)〜(E)のいずれかに記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
528+364(σYW/σTW)+2121(σTW/σTB)≦3.05σTB・・・(2)
但し、(2)式中の各記号の意味は下記の通りである。
σYW:溶接金属のYS(MPa)
σTW:溶接金属のTS(MPa)
σTB:母材のTS(MPa)
(G)予熱処理なしで溶接したことを特徴とする上記(A)〜(F)のいずれかに記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
本発明によれば、引張強さ780MPa以上の高張力鋼板を用いて製作される溶接継手において、脆性破壊抵抗を経済的に具備させることができ、産業上非常に有益である。
1.母材の化学組成
母材の化学成分については自由度が高いがあまりにもそれぞれの元素の含有量が極端な場合には、母材が基本的な特性を損なうことになるため、以下のように規定する。
C:0.01〜0.2%
Cは、鋼板の強度を確保するために添加される。その含有率が0.01%未満では焼入性不足となり、引張強さ780MPaを確保することが難しく、また靭性も十分ではない。一方、0.2%を超えると母材の靭性および脆性亀裂伝播停止性能が低下するだけでなく、HAZの硬さが上昇し、溶接低温割れ感受性が高くなる。従って、Cの含有率は、0.01〜0.2%とする。望ましい下限は0.03%であり、望ましい上限は0.12%である。
Si:0.01〜1.0%
Siは、脱酸作用を有する元素であり、最終脱酸におけるAlの歩留まり向上を目的として添加される。また、脱酸に働いた量を超えるSiは鋼中に残存し、鋼の強度上昇に寄与する。なお、本件明細書において、鋼中に含まれるSiとはマトリックスに固溶したSiを意味する。Si含有率が0.01%未満では必要とする強度を確保することができない。Si含有率が1.0%を超えると、母材およびHAZの靭性低下をもたらす。従って、Si含有率は、0.01〜1.0%とする。望ましい下限は0.05%であり、望ましい上限は0.2%である。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは、鋼板の焼入性を向上するので、強度を高める目的で添加される。その含有率が0.1%未満では、強度を確保することが困難である。一方、2.0%を超えると、母材およびHAZともに靭性が低下する。従って、Mnの含有率は、0.1〜2.0%とする。望ましい下限は0.7%であり、望ましい上限は1.6%である。
P:0.007%以下
Pは、不純物として鋼中に不可避的に存在する。0.007%を超えると、粒界に偏析して靭性を低下させるのみならず、溶接時に高温割れを招くため0.007%以下とする必要がある。Pは少ないほど好ましいため下限は特に規定しない。
S:0.002%以下
Sは、不純物として鋼中に不可避的に存在する。Sは、延伸したMnSが多量に生成したりして、母材およびHAZの機械的性質を劣化させるので、上限を0.002%とする。Sは少ないほど好ましいため下限は特に規定しない。
Al:0.10%以下
Alは、添加することができる。脱酸材として働いた量を超えるAlは、溶鋼中に残存したものであり、その余剰分が鋼材中に残存する。鋼材中に残存したAlは、Nと結合してAlNを形成するか、または固溶Alとなる。Alの含有率が0.10%を超えると、特にHAZにおいて靱性が劣化しやすくなる。これは、粗大なクラスター状のアルミナ系介在物粒子が形成されやすくなるためと考えられる。Alと同様にSiも脱酸材として作用するため、Siが脱酸材として十分に作用すれば、Alは添加しなくてもよい。このため、Alの下限は規定しない。したがって、Alの含有率は0.10%以下とする。望ましい下限は0.005%であり、望ましい上限は0.04%である。
母材の化学組成は、上記の各元素をそれぞれ規定される範囲で含み、残部はFeおよび不純物からなる。不純物とは、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
母材の化学組成は、Feの一部に代えて、以下に示す元素を含有するものであっても良い。
Cu:1.0%以下
Cuは、添加しなくても良いが、添加すれば、焼入性を向上させる効果がある。しかし、その含有率が1.0%を超えると、母材およびHAZの靭性を損なうだけでなく、熱間延性も大きく低下させるので、Cuを添加する場合には、その含有率を1.0%以下とする。添加する場合の含有率の望ましい下限は0.3%であり、望ましい下限は0.8%である。
Ni:3.0%以下
Niは、添加しなくても良いが、添加すれば、高強度厚肉鋼板の低温靭性および脆性破壊伝播停止性能ならびに溶接性の改善に有効な元素である。しかし、その含有率が3.0%を超えると効果が飽和してコストが上昇し、また、降伏強さが低下する場合が生ずる。従って、Niを添加する場合には、その含有率を3.0%以下とする。添加する場合の含有率の望ましい下限は0.2%であり、望ましい上限は1.8%である。
Cr:1.0%以下
Crは添加しなくても良いが、添加すれば、焼入性を向上させ、焼戻しの際の析出硬化によって強度と靭性を向上させる。しかし、その含有率が1.0%を超えると強度を過度に高め母材とHAZの靭性を損なう。従って、Crを添加する場合には、その含有率を1.0%以下とする。添加する場合の望ましい下限は0.05%であり、望ましい上限は1.0%である。
Mo:1.0%以下
Moは添加しなくても良いが、添加すれば、同じ量で比較してCrよりも焼入性向上効果および析出硬化が大きく、とくにBと共存した場合、焼入性向上効果が顕著に現れる。しかし、その含有率が1.0%を超えると表層部で“焼き”が入りすぎて表層部の靭性が劣化する。従って、Moを添加する場合には、その含有率を1.0%以下とする。添加する場合の望ましい下限は0.05%であり、望ましい上限は0.3%である。
B:0.005%以下
Bは添加しなくても良いが、添加すれば、焼入性を向上させて強度を高める作用がある。しかし、その含有率が0.005%を超えると、強度を高める効果が飽和するし、母材、HAZともに靱性劣化の傾向が著しくなる。したがって、Bを添加する場合には、その含有率を0.005%以下とする。添加する場合の望ましい下限は0.0005%であり、望ましい上限は0.003%である。
V:0.1%以下
Vは添加しなくても良いが、添加すれば、焼戻し時に析出して、析出硬化により焼戻し軟化抵抗を増加させるので、高温での焼戻しを可能とし、強度と靭性のバランスを向上させる。しかし、その含有量が0.1%を超えるとその効果が飽和する。従って、Vを添加する場合には、その含有率を0.1%以下とする。添加する場合の望ましい下限は0.02%であり、望ましい上限は0.08%である。
Nb:0.1%以下
Nbは添加しなくても良いが、微量に添加すれば、オーステナイトの低温域で微細なNb炭窒化物を形成することにより、オーステナイト粒を微細化し、微細なマルテンサイト組織を厚肉鋼板の表層部から中心部にわたって形成させるので、厚肉高張力鋼板の靭性、とりわけ表層部の低温靭性および脆性破壊伝播停止特性を向上させる。したがって、特に表層部のこれら性能を向上させる場合には添加することが望ましい。しかし、0.1%を超えると溶接時に溶接金属に横割れを発生させるだけでなく、母材の低温靭性および脆性破壊伝播停止特性をかえって低下させるので、添加する場合でもその含有率は0.1%以下とする。添加する場合の望ましい下限は0.003%である。また、溶接金属の横割れを防止して、上記の効果を安定して得るためには0.03%以下とするのが望ましい。
Ti:0.1%以下
Tiは添加しなくても良いが、微量に添加すれば、主に脱酸元素として有効である。また、Al、TiおよびMnからなる酸化物相を形成させる。しかし、0.1%を超えて含有させた場合には、形成される酸化物がTi酸化物またはTi−Al酸化物となって分散密度が低下し、特に小入熱溶接部熱影響部における組織を微細化する能力が失われる。このため、Tiを添加する場合には、その含有率は0.1%以下とする。添加する場合の望ましい下限は0.02%であり、望ましい上限は0.05%である。
Zr:0.05%以下
Zrは添加しなくても良いが、微量に添加すれば、鋼中で窒化物を微細分散析出し、強度を向上させる効果がある。しかし、0.05%を超えて含有させると粗大析出物を形成し、靭性を劣化させる。従って、Zrを添加する場合には、その含有率を0.05%以下とする。添加する場合の望ましい下限は0.01%であり、望ましい上限は0.02%である。
Ca:0.005%以下
Caは添加しなくても良いが、微量に添加すれば、鋼中のSと反応して溶鋼中で酸・硫化物(オキシサルファイド)を形成し、この酸・硫化物はMnSなどと異なって圧延加工で圧延方向に伸びることがなく圧延後も球状であるため、延伸した介在物の先端などを割れの起点とする溶接割れや水素誘起割れを抑制する作用がある。しかし、その含有率が0.005%を超えると靱性の劣化を招くことがある。したがって、Caを添加する場合には、その含有率を0.005%以下とする。添加する場合の望ましい下限は0.0005%であり、望ましい上限は0.002%である。
2.母材と溶接金属の関係
上述のように、溶接金属の引張強さを低減すると、熱影響部の脆性破壊は起こりづらくなり、限界CTOD値を向上させることができる。そこで、母材の引張強さとの関係から脆性破壊が起こりづらい溶接金属の最大引張強さを定量的に評価した。すなわち、母材の引張強さσTBおよび溶接金属と母材の引張強さの比σTW/σTBをパラメータとして、実験により回帰的に許容される溶接金属の最大引張強さを求めた。その結果、下記(1)式を得た。
938+2000(σTW/σTB)≦3.05σTB・・・(1)
但し、(1)式中の各記号の意味は下記の通りである。
σTW:溶接金属のTS(MPa)
σTB:母材のTS(MPa)
別の観点からは、任意の引張強さを有する母材に対し溶接金属の引張強さを(1)式を用いて評価することにより、脆性破壊が起こらないか否かを評価する評価方法としても使用することができる。
また、上述のように、軟質継手は軟質側である溶接金属が母材より先に降伏するので、継手靭性の向上を図ることができる。言い換えれば、母材より先に降伏した溶接金属が、塑性歪みを吸収することができる。したがって、(1)式で考慮した母材の引張強さの比σTW/σTBに加えて、溶接金属の降伏比σYW/σTWをパラメータとして、脆性破壊が起こりづらい溶接金属の最大引張強さを定量的に評価することが好ましい。そこで、母材の引張強さσTB、溶接金属と母材の引張強さの比σTW/σTBおよび溶接金属の降伏比σYW/σTWをパラメータとして、実験により回帰的に許容される溶接金属の引張強さσTWおよび溶接金属の降伏比σYW/σTWの関係を求めた。その結果、下記(2)式を得た。
528+364(σYW/σTW)+2121(σTW/σTB)≦3.05σTB・・・(2)
但し、(2)式中の各記号の意味は下記の通りである。
σYW:溶接金属のYS(MPa)
σTW:溶接金属のTS(MPa)
σTB:母材のTS(MPa)
別の観点からは、任意の引張強さを有する母材に対し溶接金属の引張強さおよび溶接金属の降伏比を(2)式を用いて評価することにより、脆性破壊が起こらないか否かを評価する評価方法としても使用することができる。
さらに、降伏比σYW/σTWだけではなく降伏後の溶接金属の伸びをパラメータとして使用すれば、より正確に定量評価することができる。降伏後の溶接金属の伸びは、すなわち溶接金属の加工硬化特性にかかるものであり、そのパラメータとして溶接金属の一様伸びUELwを採用して、実験により回帰的に許容される溶接金属の引張強さσTW、溶接金属の降伏比σYW/σTWおよび溶接金属の一様伸びUELwの関係を求めた。その結果、下記(3)式を得た。
459+362(σYW/σTW)+2161(σTW/σTB)+6UELw≦2.95σTB・・・(3)
但し、(3)式中の各記号の意味は下記の通りである。
σYW:溶接金属のYS(MPa)
σTW:溶接金属のTS(MPa)
UELw:溶接金属の一様伸び(%)
σTB:母材のTS(MPa)
別の観点からは、任意の引張強さを有する母材に対し溶接金属の引張強さ、溶接金属の降伏比および溶接金属の一様伸びを(3)式を用いて評価することにより、脆性破壊が起こらないか否かを評価する評価方法としても使用することができる。
なお、脆性破壊を避けるためには、上記の(1)式、または更に(2)式および/または(3)式を満足するように、溶接材料および母材を選定することが肝要である。その一方で、溶接金属の引張強さは、脆性破壊が起こらない限りにおいて高いことが好ましい。特に、溶接金属の引張強さは、下記(4)式を満足することが好ましい。
0.6 ≦(σTW/σTB)・・・(4)
3.製造方法
上述の組成を有する鋼材(母材)の製造方法には特に制約はなく、一般的な方法で製造することができる。ただし、極端な製造条件を採る場合には、鋼材自体の基本的な特性を損なうことになるため、以下に推奨条件を示す。
スラブ製造:連続鋳造方法で製造すればよい。
加熱温度:スラブ加熱温度が900℃未満ではオ−ステナイト化が不十分なため、後に圧延および熱処理条件を変化させても十分な特性改善が得られない。また、加熱温度が1200℃を超えるとオ−ステナイト粒が細粒化せず、鋼板の母材靭性は著しく低下する。したがって、圧延前のスラブ加熱温度は、900〜1200℃とする。
圧延温度:圧延仕上げ温度は、特に表層部の脆性破壊伝播停止性能を向上させるためにコントロールすることが望ましい場合がある。仕上げ温度を850〜700℃の温度域に限定することにより、表層部の組織を微細な未再結晶オ−ステナイトにすると共に、その後に行う直接焼入れの焼入開始温度を適度に低下させることにより表層部の焼きの入りすぎを防止し、脆性破壊伝播停止性能および靭性を向上させる。このような効果を十分得るためには未再結晶オーステナイト域の累積圧下率を25%以上とし、焼入開始温度を650〜800℃の範囲に制御することが望ましい。ここで、「未再結晶オーステナイト域の累積圧下率」とは、Nbを含む場合は975℃〜圧延仕上げ温度の温度域での全圧下率をいい、Nbを含まない場合は900℃〜圧延仕上げ温度の温度域での全圧下率をいう。仕上げ圧延後直接焼入れまでの間に、脱スケール、歪矯正、温度均一化加熱および焼入れ装置までの搬入などが挿入されてもよい。
焼戻し条件:焼戻しは、一般の焼戻しと同様に焼入れによって生じた歪を取り除き微細な炭化物を析出させることによって強度と靭性のバランスを改善させることを目的とする。ただし、700℃を超える温度域へ加熱すると、オーステナイトが不安定化し、再変態後の組織の靭性が損なわれるため焼戻し温度は700℃以下とする。
以上のような鋼材を母材として、溶接継手を製造する。以下の製造方法は一例に過ぎず、本発明の溶接継手が製造できれば、その方法は問わないが、溶接継手の溶接金属と母材が一定の関係を満足するため、溶接材料(溶接ワイヤ)は母材の組成などにあわせて選択する必要がある。
溶接材料の化学組成は、特に問わないが、例えば、C:0.02〜0.15%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.60〜1.60%、P:0.05%以下、S:0.05%以下、Cu:0〜0.50%、Ni:0〜4.0%、Cr:0〜0.80%、Mo:0〜1.0%、V:0〜0.02%、Nb:0〜0.04%、Ti:0〜0.05%、sol.Al:0〜0.02%、B:0〜0.002%、Ceqw:0.4〜0.78および残部Feおよび不純物からなる化学組成を採用できる。
特に、前掲の(1)式の関係を満たす溶接金属を得るためには、上記の化学組成を有し、且つ下記式から求められるCerwを0.4〜0.6の範囲とすることが好ましい。前掲の(2)式の関係を満たす溶接金属を得るためには、上記の化学組成を有し、且つ下記式から求められるCeqwを0.4〜0.6の範囲とすることが好ましい。前掲の(3)式の関係を満たす溶接金属を得るためには、上記の化学組成を有し、且つ下記式から求められるCeqwを0.4〜0.58の範囲とすることが好ましい。
Figure 0005458923
溶接継手を製造するに当たり、溶接方法はガスシールドアーク溶接を選択すればよい。この溶接法は、炭酸ガスのシールドガスを用いて行われることもあるが、100%炭酸ガスでなく、アルゴンなど不活性ガスの一部を炭酸ガスで置換したシールドガスを用いてもよい。シールドガスを用いる溶接では、溶接金属の組成と同じ組成を有する溶接ワイヤを用いればよいが、フラックスを含有させた複合ワイヤも用いることができる。これらの組合せは種々あるが、いずれを採用するかは施工条件に依存する。
表1および2に示す化学組成を有する鋼を180kg真空溶解炉にて溶製し、鋼塊を製造した。得られた鋼塊を、表3に示す条件で圧延および熱処理して、厚さ20〜75mmの鋼板を作製し、各鋼板から試験片を切り出し、引張試験(JISZ2241)およびシャルピー衝撃試験(JISZ2242)を行い、各鋼板の板厚の(1/4)t部における基礎的な機械的特性の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005458923
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表4に示すように、本発明で規定される化学組成の範囲にある鋼No.1〜35は、十分な引張特性と靭性を有していたが、本発明で規定される化学組成の範囲外の鋼No.36〜39は、靭性が不十分であった。
上記の各鋼板に対して、表5に示す条件でK型開先にてガスシールドアーク溶接(GMAW)を行い、得られた溶接継手を引張試験および破壊靭性試験に供した。試験結果を表6および7に示す。
Figure 0005458923
なお、引張試験は、溶接金属から切り出した平行部径が6mm、GLが25mmの平滑丸棒引張試験片にて評価を行い、破壊靭性試験は、BS7448−1991に規定されるCTOD試験を実施し、0℃における限界CTOD値を調査した。ノッチ位置は、ストレート側のフュージョンライン位置とした。目標値は限界CTOD値で0.1mmとし、より望ましい目標値は0.2mmとした。
Figure 0005458923
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表6および7に示すように、継手No.11は、本発明で規定される化学組成を満足する鋼板を用いたものであるが、(1)式を満足しないため、限界CTOD値が0.1mmを下回っていた。また、継手No.42〜45は、母材の化学組成が本発明で規定される範囲を外れるため、限界CTOD値が0.1mmを下回っていた。これに対し、本発明で規定される条件を満足する継手No.1〜10および12〜41は、いずれも良好な限界CTOD値を有していた。なお、(2)式および(3)式を満たす継手No.1〜10および14〜41は、(2)式および(3)式の両方または一方を満たさない継手No.12および13よりも限界CTOD値が高く、より望ましい目標値である0.2mmを上回っていた。
本発明によれば、引張強さ780MPa以上の高張力鋼板を用いて製作される溶接継手において、脆性破壊抵抗を経済的に具備させることができ、産業上非常に有益である。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.007%以下、S:0.002%以下及びAl:0.10%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなる化学組成を有し、780MPa以上の引張強度を有する母材を溶接した溶接継手であって、下記(1)式を満足することを特徴とする耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
    938+2000(σTW/σTB)≦3.05σTB・・・(1)
    但し、(1)式中の各記号の意味は下記の通りである。
    σTW:溶接金属のTS(MPa)
    σTB:母材のTS(MPa)
  2. 母材の化学組成が、Feの一部に代えて、更に、Cu:1.0%以下、Ni:3.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下及びB:0.005%以下のうちから選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
  3. 更に、下記(3)式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
    459+362(σ YW /σ TW )+2161(σ TW /σ TB )+6UELw≦2.95σ TB ・・・(3)
    但し、(3)式中の各記号の意味は下記の通りである。
    σ YW :溶接金属のYS(MPa)
    σ TW :溶接金属のTS(MPa)
    UELw:溶接金属の一様伸び(%)
    σ TB :母材のTS(MPa)
  4. 母材の化学組成が、Feの一部に代えて、更に、V:0.1%以下、Nb:0.1%以下、Ti:0.1%以下及びZr:0.05%以下のうちから選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の溶接継手。
  5. 母材の化学組成が、Feの一部に代えて、更に、Ca:0.005%以下を含有することを特徴とする請求項3または4に記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
  6. 更に、下記(2)式を満足することを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
    528+364(σYW/σTW)+2121(σTW/σTB)≦3.05σTB・・・(2)
    但し、(2)式中の各記号の意味は下記の通りである。
    σYW:溶接金属のYS(MPa)
    σTW:溶接金属のTS(MPa)
    σTB:母材のTS(MPa)
  7. 予熱処理なしで溶接したことを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の耐脆性破壊特性に優れた溶接継手。
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