JP5458818B2 - 熱機器 - Google Patents

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Description

この発明は、水管ボイラ,吸収式冷凍機の再生器などの熱機器に関する。
出願人は、酸化触媒を用いて、窒素酸化物および一酸化炭素の排出量を限りなく零に近い値まで低減、または許容範囲に低減するとともに、安定した有害物質低減効果を得る熱機器の研究開発を行い、その成果について特許出願を行った(特許文献1参照)。
一般的に、内部に燃焼空間を形成し、この燃焼空間と連通する開口部を備えた熱機器本体と、前記開口部に臨ませて取り付けられるバーナとを備える熱機器においては、熱機器本体とバーナとの接合面間において、熱機器本体内の燃焼空間から高温の燃焼ガスが熱機器本体外へ流出することを防止するためのシール手段を備える必要がある。
このシール手段としては、特許文献2に記載のように、熱機器本体とバーナとの接合面間であって前記開口部よりも外方位置に介在させたシール部材を備え、前記接合面間であってシール部材の燃焼空間側の周面に沿って気体導入領域を形成し、気体導入領域内の圧力を、燃焼空間内の圧力よりも高く設定することが、高温の燃焼ガスが熱機器本体外へ流出することを防止するために有効である。
このシール手段は、気体導入領域の外周側は前記シール部材の内周によって区画されるが、二つの態様が提案されている。すなわち、第一の態様は、気体導入領域の内周側を前記シール部材の内周囲に何らかの構成部材を配置する等して明確に規定する構成のものであり、第二の態様は、気体導入領域の内周側を明確に規定しない構成のものである(特許文献2の段落0007参照)。
特許第4123298号公報 特開平9−280549号公報
この出願の発明者は、特許文献1に記載のような熱機器の製品化のための更なる開発を行う過程において、第二の態様によるシール手段を用いて実験を行っていたところ、つぎの新たな課題を見出すに至った。すなわち、予混合バーナの空気比を検出するためのセンサの検出信号に基づき空気比調整手段により予混合バーナを設定空気比に制御する特許文献1のような熱機器において、第二の態様によるシール手段を用いると、前記気体が予混合バーナの燃焼火炎に接触して燃焼状態が不均一となり、触媒の一次側の一酸化炭素の発生量が部分的に増加する。その結果、触媒の二次側の一酸化炭素量が増加する(この現象は、触媒の性能劣化が進行すると顕著となる。)と、空気比調整手段は、センサ信号により空気比が増加する方向へ制御され、触媒の二次側の排出NOx量が増加して、所期の有害物質低減効果を発揮できないという課題である。この課題は、予想外のものであった。
この課題は、予混合バーナに接合される熱機器本体だけではなく、前記予混合バーナの周囲に配置され、前記燃焼空間内圧力よりも高圧の気体を供給することにより前記燃焼空間内のガスが前記燃焼空間外へ漏れることを防止するシール手段を備えた熱機器構成部材においても存在する。
この発明が解決しようとする課題は、予混合バーナの不均一な燃焼状態を防止し、所期
の有害物質低減効果を発揮させることができる熱機器を提供することである。
この発明は、前記課題を解決すべくなされたもので、請求項1に記載の発明は、内部に形成した燃焼空間と連通する開口部を備えた熱機器本体と、前記開口部に臨ませて取り付けられ、炭化水素含有の燃料を燃焼させて、炭化水素を含まず、酸素、窒素酸化物および一酸化炭素を含むガスを生成させる予混合バーナと、この予混合バーナにて生成されるガスから吸熱を行う吸熱手段と、この吸熱手段を通過後の前記ガスに含まれる一酸化炭素を酸素により酸化し窒素酸化物を一酸化炭素により還元する酸化触媒と、前記予混合バーナの空気比を検出するためのセンサと、このセンサの検出信号に基づき前記予混合バーナを設定空気比に調整して、一酸化炭素および窒素酸化物の排出量を低減するように制御する空気比調整手段とを備えるとともに、前記予混合バーナと接合されるか、または前記予混合バーナの周囲に配置され、前記燃焼空間内圧力よりも高圧の気体を供給することにより前記燃焼空間内のガスが前記燃焼空間外へ漏れることを防止するシール手段を備え、前記シール手段は、前記熱機器本体と前記予混合バーナとの接合面間であって前記開口部よりも外方位置に介在させた第一シール部材と、前記接合面間であって前記第一シール部材の前記燃焼空間側の周面に沿って形成され前記燃焼空間内の圧力よりも高い気体が導入される気体導入領域と、前記気体導入領域の内周側を区画する第二シール部材と、前記第二シール部材の内周側に、該第二シール部材の前記燃焼空間側を覆うように配置される断熱部材と、を備え、前記断熱部材は、前記燃焼空間のガスの輻射熱が前記第二シール部材に到達しないように遮熱することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、前記不均一燃焼防止手段により、前記気体により前記バーナの燃焼状態の不均一が生ずることが無くなり、予混合バーナの燃焼状態が不均一となることによる一酸化炭素の発生量の増加を防止でき、所期の安定した有害物質低減効果を実現できる。
の発明によれば、前記熱機器本体と前記予混合バーナとの接合部に設けたシール手段から前記燃焼空間へ前記気体が漏れることが防止されるので、前記気体が漏れることにより前記予混合バーナの燃焼状態が不均一となることが防止されて、一酸化炭素の発生量の増加を防止でき、所期の安定した有害物質低減効果を実現できるという効果を奏する。
の発明によれば、前記第一シール部材,前記気体導入領域の気体および前記第二シール部材により、前記燃焼空間から高温のガスが流出することを確実に防止することができるという効果を奏する。
の発明によれば、前記断熱部材により前記第二シール部材の劣化を抑えることができ、長期に亘り前記気体導入領域から気体が前記燃焼空間内へ漏れることを防止することができるという効果を奏する。
この発明によれば、予混合バーナの燃焼状態が不均一となることによる一酸化炭素の発生量の増加を防止でき、所期の有害物質低減効果を発揮させることができる。
本発明の熱機器の実施例1を示す正面図である。 図1の一点鎖線II部分の拡大断面による説明図である。 図2の一点鎖線III部分の拡大断面による説明図である。 ウインドボックス底板を燃焼空間側から見た要部拡大の説明図である。 同実施例1の空気比−NOx・CO特性を説明する図である。 同実施例1のセンサの出力特性を説明する図である。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態を説明する前に、この出願において使用する用語について説明する。「ガス」とは、予混合から酸化触媒(酸化・還元触媒と称することができる。以下。単に「触媒」と称することができる。)を通過し終わるまでのガスをいい、触媒を通過した後のガスを「排ガス」という。したがって、ガスは、燃焼反応中(燃焼過程)のガスと燃焼反応が完結したガスとを含み、燃焼ガスと称することができる。ここにおいて、前記触媒がガスの流れに沿って多段に設けられている場合、「ガス」は、最終段の触媒を通過し終わるまでのガスをいい、「排ガス」は、最終段の触媒を通過した後のガスをいう。
「触媒の一次側」とは、触媒に対し予混合が設けられている側であって、特に断らない限り、ガスがこの触媒を通過する直前をいい、「触媒の二次側」とは、触媒の一次側の反対側をいう。
また、「炭化水素を含まない」とは、燃焼反応の過程で全く炭化水素が生成されないことを意味するのではなく、燃焼反応の過程では、若干の炭化水素が生成されるが、燃焼反応が終了する段階,すなわち前記触媒に流入するガス中に窒素酸化物を還元する炭化水素が実質的に含まれていない(測定限界以下である)ことを意味している。
さらに、空気比mは、m=21/(21−[O])と定義する。ただし、 [O]は、触媒二次側の排ガス中の酸素濃度を表すが、空気比を求める際に用いる[O]は、酸素過剰領域では過剰酸素濃度を表し、燃料過剰領域では一酸化炭素などの未燃ガスを空気比m=1で燃焼させるのに必要な不足酸素濃度を負の値として表す。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、小型貫流ボイラなどの水管ボイラ,給湯器,吸収式冷凍機の再生器などの熱機器(燃焼装置または燃焼機器と称しても良い。)に適用される。
この発明の実施の形態の熱機器は、内部に燃焼空間を形成し、前記燃焼空間と連通する開口部を備えた熱機器本体と、前記開口部に臨ませて取り付けられ、炭化水素含有の燃料を燃焼させて、炭化水素を含まず、酸素,窒素酸化物および一酸化炭素を含むガスを生成させる予混合バーナと、この予混合バーナにて生成されるガスから吸熱を行う吸熱手段と、この吸熱手段を通過後の前記ガスに含まれる一酸化炭素を酸素により酸化し窒素酸化物を一酸化炭素により還元する酸化触媒と、前記予混合バーナの空気比を検出するためのセンサと、このセンサの検出信号に基づき前記予混合バーナを設定空気比に制御する空気比
調整手段とを備え、この空気比調整手段により前記空気比を前記設定空気比に調整して、一酸化炭素および窒素酸化物の排出量を低減するように構成される。
この熱機器は、特許文献1や特開2008−57954号公報に示されるものと同様であり、前記酸化触媒一次側のガス中の濃度の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比を、前記予混合バーナの空気比調整手段を用いて所定濃度比に調整することにより、窒素酸化物および一酸化炭素の排出量を限りなく零に近い値まで低減、または許容範囲に低減するとともに、安定した有害物質低減効果を得るように構成されている。
さらに、この実施の形態は、前記予混合バーナと接合されるか、または前記予混合バーナの周囲に配置され、前記燃焼空間内圧力よりも高圧の気体を供給することにより前記燃焼空間内のガスが前記燃焼空間外へ漏れることを防止するシール手段を備えた熱機器構成部材を備える。そして、前記シール手段は、前記気体により前記バーナの燃焼状態の不均一が生じることを防止する不均一燃焼防止手段を備える。
前記熱機器構成部材は、好ましくは、前記熱機器本体とされる。この場合、前記シール手段は、前記熱機器本体と前記予混合バーナとの接合面間に前記燃焼空間内圧力よりも高圧の気体を供給して前記接合面間をシールするものである。そして、不均一燃焼防止手段は、前記気体が前記燃焼空間内へ漏れないように構成されるものである。
前記シール手段へ供給される気体が前記燃焼空間内へ漏れると、前記予混合バーナの燃焼反応中のガス(燃焼火炎と称することができる。)に漏れた気体が接触し、部分的に燃焼火炎温度が低下するとともに、空気比が変化して、燃焼状態が不均一となる。その結果、想定外の多量の一酸化炭素が生成され、前記濃度比が変化する。前記触媒の二次側から排出される一酸化炭素の量が増加する。前記触媒二次側の一酸化炭素濃度が高くなると、前記センサがこれを検出して、前記空気比調整手段は、前記バーナの空気比が大きくなるように制御する。すると、前記触媒二次側の窒素酸化物濃度が増加し、所期の有害物質低減効果を実現できなくなる。この現象は、前記触媒の劣化が進行すると顕著になる。
これに対して、この実施の形態によれば、前記不均一燃焼防止手段の機能により、前記シール手段へ供給される気体が前記燃焼空間内へ漏れないので、燃焼状態の不均一化による一酸化炭素量の生成が防止されるので、係る不都合を防止できる。前記気体は、好ましくは、前記予混合バーナへ供給される燃焼用空気とするが、空気以外の気体とすることができる。
前記シール手段は、好ましくは、熱機器本体と予混合との接合面間であって前記開口部よりも外方位置に介在させた第一シール部材と、前記接合面間であって前記第一シール部材の前記燃焼空間側の周面に沿って形成され燃焼空間内の圧力よりも高い気体が導入される気体導入領域(気体導入室と称することができる。)と、前記気体導入領域の内周側を区画する第二シール部材とを含んで構成される。また、前記不均一燃焼防止手段は、前記気体導入領域へ供給される気体が前記燃焼空間内へ漏れることを防止する前記第二シール部材である。
前記シール手段は、さらに好ましくは、前記第二シール部材の内周側に遮熱用の断熱材を配置する。
前記第一シール部材および第二シール部材は、好ましくは、耐熱性の高いグランドパッキンにて構成されるが、これに限定されるものではない。
また、前記断熱材は、前記燃焼空間内の高温のガスの輻射熱から前記第二シール部材を
遮断する機能を有するものであればよく、通気性の部材,たとえば結晶質アルミナファイバーにて構成される。
ここで、この実施の形態の構成要素を説明する。前記予混合バーナは、好ましくは、ガス燃料を予混合燃焼させる全一次空気式の予混合バーナとする。しかしながら、予混合バーナ以外の部分予混合バーナとすることができる。
前記触媒は、前記ガス中に炭化水素が含まれない状態で効率良く前記窒素酸化物を還元する機能を有する触媒で、通気性を有する基材に触媒活性物質を担持した構成とし、構造は特定のものに限定されない。前記基材としては、ステンレスなどの金属,セラミックが用いられ、排ガスとの接触面積を広くするような表面処理が施される。触媒活性物質としては、一般的に白金が用いられるが、実施に応じて、白金に代表される貴金属(Ag,Au,Rh,Ru,Pt,Pd)または金属酸化物を用いることができる。
また、前記触媒は、前記吸熱手段の後流または前記吸熱手段の途中に設けられる。前記触媒を前記吸熱手段の途中に設ける場合は、複数の水管などの吸熱手段間の隙間に設けるか、前記吸熱手段を基材として、その表面に触媒活性物質を担持した構成とすることができる。
前記熱機器構成部材は、前記熱機器本体に限定されるものではなく、前記バーナの周囲に前記燃焼空間内へ先端が突出するように設けられるパイロットバーナとすることができる。この場合、従来のパイロットバーナのシール手段は、通常前記バーナ(メインバーナ)の点火が終了すると、パイロットバーナの燃焼を停止し、前記パイロットバーナ内へ燃焼用空気を供給することにより、前記燃焼空間内の高温ガスが前記燃焼空間外へ流出することを防止するものである。このシール手段において、前記不均一燃焼防止手段は、点火が終了してもパイロットバーナを燃焼させ続けることにより、前記気体により前記バーナの燃焼状態の不均一が生じないように構成される。
前記吸熱手段は、好ましくは、ボイラなどの缶体を構成する水管群とする。この吸熱手段の形態としては、前記予混合の直近に燃焼空間を殆ど有さず、燃焼空間内に水管群を配置した第一の態様と、前記予混合と水管群との間に燃焼空間を有する第二の態様とを含む。前記第一の態様では水管間の隙間で燃焼反応が進行する。前記水管群は、前記予混合からのガスと熱交換する複数の水管であるが、給湯器の水管のように1本の水管を蛇行させることで複数の水管を構成することができる。
前記センサは、酸素過剰領域では過剰酸素濃度を表し、燃料過剰領域では一酸化炭素等の未燃ガスを空気比m=1.0で燃焼させるのに必要な不足酸素濃度を負の値として表す酸素濃度計を好適に用いることができる。また、前記センサとしては、酸素濃度センサと一酸化炭素濃度センサとを組み合わせ、近似的に空気比を求めることもできる。
前記センサの取付位置は、好ましくは、前記触媒の二次側とするが、これに限定されるものではなく、前記触媒の一次側や、前記触媒の下流側に排熱回収器を設けた場合は、この下流側とすることができる。
前記空気比調整手段は、予め記憶した空気比制御プログラムに基づき、前記センサの検出値を入力して、フィードバック制御により、つぎの制御を行うように構成される。すなわち、前記空気比調整手段は、前記触媒一次側のガス中の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比Kを、前記バーナの空気比を変化させて燃焼させることにより生成したガスの、前記吸熱手段の全部または一部を通過後に一酸化炭素濃度および窒素酸化物濃度が変化する特性に基づき、調整0,調整1,調整2のいずれかに調整するように構成される。
前記調整0は、前記触媒二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする基準所定濃度比K0に調整するものである。前記調整1は、前記触媒二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするとともに一酸化炭素濃度を所定値以下とする第一所定濃度比K1に調整するものである。前記調整2は、前記触媒二次側の一酸化炭素濃度を実質的に零とするとともに窒素酸化物濃度を所定値以下とする第二所定濃度比K2に調整するものである。
そして、前記基準所定濃度比K0を判定する式を、次式(2)を満たす次式(1)とし、前記第一所定濃度比K1を前記基準所定濃度比K0より小さく、前記第二所定濃度比K2を前記基準所定濃度比K0より大きくする設定空気比に制御する。
([NOx]+2[O])/[CO]=K・・(1)
1.0≦K=K0≦2.0・・・・・・・・・・(2)
(式(1)において、[CO]、[NOx]および[O]はそれぞれ一酸化炭素濃度、窒素酸化物濃度および酸素濃度を示し、[O]>0の条件を満たす。)
ついで、この発明の熱機器を蒸気ボイラに適用した実施例を図面に従い説明する。図1は、本実施例1の蒸気ボイラの縦断面の説明図であり、図2は、図1の一点鎖線II部分の拡大断面による説明図であり、図3は、図2の要部IIIの拡大断面による説明図であり、図4は、ウインドボックス底板を燃焼空間側から見た要部拡大の説明図であり、図5は、同実施例1の空気比−NOx・CO特性を説明する図であり、図6は、同実施例1のセンサの出力特性を説明する図である。
前記蒸気ボイラ1は、特許文献1などで公知のボイラであって、予混合バーナ2と、この予混合バーナ2から生成されるガスの吸熱を行う吸熱手段としての伝熱管(水管)群3を含む缶体(熱機器本体に相当)4と、前記伝熱管群3通過後の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素をそれぞれ所定濃度比で含むガスが接触して通過し、一酸化炭素を酸化させるとともに窒素酸化物を還元させる酸化触媒5とを主要部として備えている。
また、前記蒸気ボイラ1は、前記予混合バーナ2へガス燃料を供給する燃料供給手段6と、前記予混合バーナ2へ燃焼空気を供給するとともに燃焼空気および燃料を予混合する燃焼空気供給手段7と、前記触媒5の下流において酸素濃度を検出するセンサ8と、このセンサ8などの信号を入力して前記燃料供給手段6および前記燃焼空気供給手段7などを制御するボイラ制御器としての制御器9とを主要部として備えている。前記予混合バーナ2は、平面状の燃焼面(予混合気の噴出面)を有する完全予混合式バーナである。
前記缶体4は、上部管寄せ10Aおよび下部管寄せ10Bを備え、この両管寄せ間に前記伝熱管群3を構成する複数の水管11,11,・・・を配置している。そして、前記缶体4の長手方向の両側部に一対の水管壁12,12を設け、この両水管壁12,12と前記上部管寄せ10Aおよび前記下部管寄せ10Bとの間に、伝熱管群3に前記予混合バーナ2からの高温ガス(燃焼火炎、燃焼ガスを含む。)が接触する燃焼空間13を形成している。前記燃焼空間13の一端には前記予混合バーナ2が設けられ、他端の排ガス出口14には排ガスが流通する煙道15が接続されている。この煙道15には、前記触媒5が設置されている。
前記煙道15は、図1に示すように、第一水平部分15A―第一垂直上昇部分15B−垂直下降部分15C−第二水平部分15D−第二垂直上昇部分15Eから構成している。前記第一垂直上昇部分15Bの通路断面積は、前記排ガス出口14の通路断面積より広くして、前記触媒5のガスが流通する断面積を広くとれるようにしている。
図2および図3を参照して、前記缶体4は、前記予混合バーナ2を取り付けるための固定部材16を有しており、この固定部材16には、前記予混合バーナ2によって前記燃焼空間13内に高温ガスを形成させるための第一開口部17を形成している。
図1を参照して、前記予混合バーナ2は、予混合気供給流路18の下流側にバーナエレメント19を備え、このバーナエレメント19に形成した多数の予混合気噴出孔(図示省略)から予混合気を噴出させて燃焼させるものである。この予混合気供給流路18は、筒形状のウインドボックス20によって画成されている。
再び、図2を参照して、前記ウインドボックス20の一側壁の底板21の下流側には、バーナエレメント取付用の第二開口部22を形成しており、この第二開口部22にバーナエレメント19を取り付けている。
前記バーナエレメント19は、支持枠23を介して前記第二開口部22に取り付けている。すなわち、前記支持枠23は、前記バーナエレメント19を保持する枠状部分23Aと、前記ウインドボックス20に前記バーナエレメント19を固定するためのフランジ状部分23Bとを備えている。符号24は、前記予混合気供給流路18内の予混合気が前記バーナエレメント19を通過することなく前記燃焼空間13内へバイパスして流れることを防止する環状のシール部材である。
前記缶体4の固定部材16と前記予混合バーナ2の底板21との接合面間に前記燃焼空間13圧力よりも高圧の気体を供給して前記接合面間をシールし、前記気体が前記燃焼空間13内へ漏れないように構成されるシール手段26を備えている。
図3を参照して、前記シール手段26は、前記缶体4と前記予混合バーナ2との接合面間をシールし前記第一開口部17よりも外方位置に介在させた第一シール部材27と、前記接合面間であって前記第一シール部材27の前記燃焼空間13側の周面に沿って形成され前記燃焼空間13内の圧力よりも高い圧力の空気が導入される空気導入領域28と、前記空気導入領域28の内周側を区画し、前記接合面間をシールする第二シール部材29と、前記第二シール部材29の内周側に前記燃焼空間13のガスの輻射熱が前記第二シール部材29に到達しないように遮熱する断熱部材30とから構成している。
前記第一シール部材27,前記空気導入領域28,前記第二シール部材29および前記断熱部材30は、前記接合面間において前記第一開口部17および前記第二開口部22を取り囲むように環状に形成されている。前記第一シール部材27および前記第二シール部材29は、弾力性を有する通気性を有しないグランドパッキンにて構成され、前記断熱部材30は、前記第一シール部材27および前記第二シール部材29よりも柔らかく、通気性を有する結晶質アルミナファイバーにて構成されている。
図4を参照して、前記第一シール部材27および前記第二シール部材29は、前記底板21に形成した第一溝部31および第二溝部32にそれぞれ嵌め込まれる。前記第一溝部31は、前記底板21と、前記底板21に固定した第一溝形成部材33と、この第一溝形成部材33に対して前記第一シール部材27の幅と等しいか若干狭い幅の間隔を存して固定される第二溝形成部材34とで構成される。また、前記第二溝部32は、前記底板21と、前記第二溝形成部材34と、この第二溝形成部材34に対して前記第二シール部材29の幅と等しいか若干狭い幅の間隔を存して固定される第三溝形成部材35とで構成される。
前記第一溝形成部材33,前記第二溝形成部材34および第三溝構成部材35は、鉄等
の金属にて構成され、溶接により金属製の前記底板21に固定され、シール性を高めるために、好ましくは連続的に構成する。しかしながら、製作を容易にするために複数の部材に分割して、不連続に形成できる。
特に、前記第二溝形成部材34は、図4に示すように、多数の部材に分割して不連続的に構成され、前記第一溝部31および前記第二溝部32に面しない溶接箇所36,36において溶接される。これは、前記第一溝部31および前記第二溝部32に面した箇所で溶接すると、前記第一シール部材27および前記第二シール部材29を前記第一溝部31および前記第二溝部32に嵌め込む際に、所定の位置に入らないなどの支障を来たす場合があるからである。前記第一溝形成部材33および前記第三溝構成部材35は、前記第一溝部31および前記第二溝部32に面しない箇所で溶接している。
前記予混合バーナ2は、つぎのようにして前記缶体4に取り付けられる。図2および図3を参照して、前記缶体4の固定部材16に所定個数のボルト37を取り付け、これら各ボルト37のそれぞれに、第一押え具38挿入し、これらの押え具38を前記予混合バーナ2の底板21の周辺に当接させた状態で前記各ボルト37のそれぞれにナット38をねじ込むことによって行っている。このナット38のねじ込みにより、前記第一シール部材27および前記第二シール部材29は、前記固定部材16および前記底板で挟まれて圧縮された状態となり、前記固定部材16および前記底板21との接触によるシール性を確保している。
符号40は、前記断熱部材30が脱落しないように固定する環状の第二押え具である。前記断熱部材30は、前記予混合バーナ2を取り付ける前に予め前記底板21に接着により固定され、前記予混合バーナ2を取り付けると、前記底板21と前記第二押え具40とで挟持されるように構成されている。
前記ウインドボックス20の側方には、前記底板21と、前記ウインドボックス20の側板41と、これらに固定される断面L字状の流路形成板42とで、空気導入流路43を形成している。この空気導入流路43は、前記燃料供給手段6の上流側において、前記ウインドボックス20の後記給気通路49(図1参照)と連通され、前記燃焼空気供給手段7により、前記ウインドボックス20経由で空気が導入される。
前記底板21と前記第二溝部形成部材34には、互いに連通する第一空気供給孔44および第二空気供給孔45をそれぞれ形成している。これら第一空気供給孔44および第二空気供給孔45を通して、前記空気導入流路43と前記空気導入領域28とを連通させている。前記空気導入領域28内の空気の圧力は、前記バーナエレメント19などの圧損により前記燃焼空間19内の圧力より高圧となっている。
ここで、窒素酸化物および一酸化炭素の排出量を限りなく零に近い値まで低減、または許容範囲に低減するとともに、安定した有害物質低減効果を得るための蒸気ボイラ1の構成について説明する。
図1を参照して、前記バーナ2,前伝熱管群3を含む前記バーナ2から前記触媒5に至る構成要素(特にバーナ1と水管群2がその主要部)は、前記触媒5の一次側のガスにおける濃度比Kを所定濃度比K0,K1に調整する機能をなすものである。すなわち、後述する空気比調整手段50により設定空気比に調整したとき、図5に示す空気比―NOx・CO特性が得られるように構成されている。この空気比―NOx・CO特性は、前記空気比調整手段50を制御して、空気比を変化して燃焼させた時に得られる前記触媒5の一次側の空気比―NOx・CO特性(以下、一次特性という。)である。そして、前記触媒5は、前記一次特性を有する前記ガスを前記触媒5に接触させることにより得られる前記触
媒5の二次側空気比―NOx・CO特性(以下、二次特性という。)を有している。前記一次特性は、前記バーナ2から前記触媒5に至る構成要素による前記濃度比特性であり、前記二次特性は、前記触媒5による特性である。前記一次特性は、前記設定空気比を1.0に調整したとき、前記触媒4の二次側のNOx濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする。
前記バーナ2および前記水管群3の濃度比特性に基づき、前記空気比調整手段50を用いて、下記調整0〜調整2のいずれかに調整することができる。
調整0:前記濃度比Kを前記触媒5二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする基準所定濃度比K0に調整する。
調整1:前記濃度比Kを前記触媒5二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするとともに一酸化炭素濃度を所定値以下とする第一所定濃度比K1に調整する。
調整2:前記濃度比Kを前記触媒5二次側の一酸化炭素濃度を実質的に零とするとともに窒素酸化物濃度を所定値以下とする第二所定濃度比K2に調整する。
そして、前記触媒5は、前記調整0を行うと、それぞれ前記触媒5二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とし、前記調整1を行うと前記触媒5二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするとともに一酸化炭素濃度を所定値以下とし、前記調整2を行うと前記触媒5二次側の一酸化炭素濃度を実質的に零とするとともに窒素酸化物濃度を所定値以下とする特性を有している。
ここで濃度比Kとは、前記触媒5一次側の一酸化炭素濃度、窒素酸化物濃度および酸素濃度の相互の関係を意味する。前記調整0における基準所定濃度比K0は、好ましくは、次式(1)の判定式にて判定され、好ましくは、次式(2)を満たし、前記第一所定濃度比K1を前記基準所定濃度比K0より小さく、前記第二所定濃度比K2を前記基準所定濃度比K0より大きくするように設定される。
([NOx]+2[O])/[CO]=K・・・(1)
1.0≦K=K0≦2.0・・・・・・・・・・(2)
(式(1)において、[CO]、[NOx]および[O]はそれぞれ一酸化炭素濃度、窒素酸化物濃度および酸素濃度を示し、[O]>0の条件を満たす。)
前記調整0の基準所定濃度比K0および前記調整1の第一所定濃度比K1は、次式(3)で包含して表現される。すなわち、式(3)を満たすと、前記触媒5二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とし、一酸化炭素濃度を実質的に零とするか、低減する。一酸化炭素濃度の低減を前記所定値以下とするには、前記濃度比Kの値がK0よりも小さい値となるように前記酸化触媒一次側の前記濃度比Kを調整し、前記第一所定濃度比K1とする。
([NOx]+2[O])/[CO]=K≦2.0 ・・・(3)
図5において、第一ライン(特性線)Eは、前記触媒5一次側のCO濃度を示し、第二ラインFは、同じく一次側のNOx濃度を示している。また、第三ラインJは、前記触媒5二次側のCO濃度を示し、空気比1.0以上でCO濃度が実質的に零となり、空気比が1.0より小さくなるに従い、濃度が急激に増加する特性を有している。また、第四ラインUは、前記触媒5二次側のNOx濃度を示し、空気比1.0以の所定の領域でNOx濃度が実質的に零となり、空気比が1.0を越えるに従い、実質的に零から濃度が増加し、やがて前記触媒5の一次側の濃度と等しくなる特性を有している。
前記触媒5は、前記水管群2を通過後の炭化水素を含まない前記ガスに含まれる一酸化炭素を酸化する(第一反応)とともに窒素酸化物を還元する(第二反応)機能を有し、本実施例1では、触媒活性物質を白金とした触媒を用いている。そして、前記ガスと前記触
媒5の触媒活性物質との接触により、主に一酸化炭素を酸化させる第一反応と窒素酸化物を一酸化炭素により還元させる第二反応とが生じると考えられる。前記第一反応は、酸素濃度により反応が進行するか、しないかが決定され、この触媒5においては、前記第一反応が前記第二反応に対して優位であると考えられる。
図1を参照して、前記燃料供給手段6は、ガス燃料供給管46と、このガス燃料供給管46に設けた燃料流量を調整する流量調整弁47とを含んで構成されている。前記流量調整弁47は、燃料供給量を高燃焼用流量と低燃焼用流量とに制御する機能を有する。
前記燃焼空気供給手段7は、送風機48と、この送風機48から前記予混合バーナ2へ燃焼空気を供給する給気通路49と、この給気通路49を流れる燃焼空気量を調整することで前記予混合バーナ2の空気比を調整する空気比調整手段50を含んで構成されている。前記給気通路49内へは、前記ガス燃料供給管46が燃料ガスを噴出するように接続されている。
前記空気比調整手段50は、前記給気通路49の開度(流路断面積)を調整する流量調整手段としてのダンパ51と、このダンパ51の開度位置を調整するためのダンパ位置調整装置30と、この位置調整装置52の作動を制御する前記制御器9とを含んで構成されている。前記空気比調整手段50は、前記送風機48の回転数をインバータにより制御するものとすることができる。
前記制御器9は、予め記憶した空気比制御プログラムにより、前記調整0を行う場合、前記センサ8の検出信号に基づき、前記予混合バーナ2の空気比が設定空気比となるように、かつこの設定空気比において前記触媒5の一次側の前記ガスの濃度比Kが式(2)を満たすように、前記ダンパ51を制御する。前記調整1,2については、説明を省略する。
前記センサ8として、排出酸素濃度の分解能が50ppmで応答時間2sec以下の応答性の良好なジルコニア式空燃比センサを用いている。このセンサ8の出力特性は、図6に示すように、出力Eが正側で酸素濃度に関係する出力となり、負側で一酸化炭素濃度等に関係する出力となる。すなわち、測定される酸素濃度(酸素過剰領域)および一酸化炭素濃度等(燃料過剰領域)から空気比mを算出し、この空気比mに対応した電流または電圧の出力を得ている。図6において、Q1は、酸素濃度検出帯を示し、Q2は、一酸化炭素濃度検出帯を示している。
前記空気比制御プログラムは、前記調整0を行う場合、具体的には、前記センサ8の出力信号に基づき、前記バーナ2の空気比mが基準設定空気比m0になるように制御するものである。
つぎに、以上の構成の前記蒸気ボイラ1の動作を説明する。今、基準設定空気比m0を1.0としている。まず、図1を参照して、蒸気ボイラ1の概略的動作について、前記送風機48から供給される燃焼空気(外気)は、前記ガス燃料供給管46から供給される燃料ガスと前記給気通路49内において予混合される。この予混合気は前記バーナエレメント19から前記缶体4内の前記燃焼空間13へ向けて噴出される。予混合気は、着火手段(図示しない)により着火され、燃焼する。
この燃焼に伴い生ずるガスは、上流側の水管群3と交叉して流れる際に冷却された後、下流側の水管群3と熱交換して吸熱されて約150〜350℃のガスとなる。このガスの濃度比Kは、前記空気比調整手段50により、基準設定空気比m0となるように制御される。その結果、前記触媒5の一次側において、図5のm0=1.0における炭化水素を含
まず、酸素,窒素酸化物および一酸化炭素を含んだ濃度比K0のガスが生成され、前記触媒5を通過する。この通過の際に、前記ガスが前記触媒5にて、処理され、窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度がほぼ零とされた後、排ガスとして前記煙道15から大気中へ排出される。
図2、3を参照して、この蒸気ボイラ1の運転時,すなわち前記予混合バーナ2の動作時には、前記ウインドボックス20内の高圧の空気が前記空気導入流路43を経て前記空気導入領域28に導入されている。その結果、前記底板21と前記固定部材16との接合面間は、前記第一シール部材27,前記空気導入領域28の空気および前記第二シール部材29によって三重にシールされている。
その結果、前記燃焼空間13内の高温のガスが前記接合面間を通して前記缶体4外へ流出して、火災の原因や作業者の火傷の原因になる虞を低減できる。
また、前記第二シール部材29のシール作用により、前記空気導入領域28内の空気が前記燃焼空間13内へ漏れ出ることが防止される。前記空気導入領域28から前記燃焼空間13へ空気が漏れ出すと、この空気により前記予混合バーナ2から噴出される燃焼反応中の高温のガス火炎と接触し、局部的な冷却と空気比の変化によりCOが生成されることになる。
このCOの生成について、第二シール部材29によるシール作用がない場合、シール作用がある場合について行った実験結果について説明する。
前記第二シール部材29によるシール作用がない場合の低燃焼時および高燃焼時の前記触媒5一次側のCO量をそれぞれPL1,PH1、前記第二シール部材29によるシール作用がある場合の低燃焼時および高燃焼時の前記触媒5一次側のCO量をそれぞれPL2,PH2とすると、PL1,PH1,PL2,PH2の値は、つぎの通りであった。
PL1=約2200(ppm)、PH1=約3700(ppm)
PL2=約1200(ppm)、PH2=約1700(ppm)
この実験の条件は、つぎの通りである。実験した蒸気ボイラ1は、SQ−800(三浦工業株式会社製)に相当するボイラで、蒸発量800kg/h,バーナは、全一次空気式バーナである。また、低燃焼時、高燃焼時の空気比,燃焼量,炉内圧力は、それぞれほぼ1.0,45.6m3 N/h,88mmAqであり、高燃焼時の空気比,燃焼量,炉内圧力は、それぞれほぼ1.0,22.8m3 N/h,22mmAqであった。さらに、センサ8は、ジルコニア式空燃比センサを用いた。また、前記触媒5の上流側のCO量の測定位置Sは、図1に示す前記前記触媒の上流側から見て触媒を4分割した一区画の中央部とした。
この実験結果によれば、前記シール作用がない場合、前記予混合バーナ2の高燃焼時および低燃焼時、それぞれ前記触媒5一次側におけるCO量が、低燃焼時:約1.8倍、高燃焼時:約2.2倍と大幅に増加している。このCOの増加は、前記触媒5の一次側における前記濃度比Kの不均一性を表す指標となると考えられている。
濃度比Kが不均一な状態で前記触媒5を通過すると、一酸化炭素が前記触媒5の二次側に漏れる。そうすると、前記センサ8によりCOが検出され、前記空気比調整手段50が空気比が1.0より高くなるように制御される。空気比が1.0より高くなるように制御されると、図5の第四ラインUから明らかなように、前記触媒5の二次側のNOx量が増加することになる。これは、所期の有害物質低減効果が得られないことを意味する。
これに対して、この実施例1では前記空気導入領域28から前記燃焼空間13内への空
気の漏れを防止しているので、空気が漏れ出すことによるCOの発生が防止され、前記触媒5の二次側から排出されるCO量を低減でき、所期の有害物質低減効果を得ることができる。
また、前記断熱部材30により前記燃焼空間13内の高温ガスからの輻射熱が前記第二シール部材29へ到達するのを遮断するので、前記第二シール部材29の劣化を抑えることができる。その結果、長期に亘り前記空気導入領域28から気体が前記燃焼空間13内へ漏れることを防止することができる。
1 蒸気ボイラ(熱機器)
2 予混合バーナ
4 缶体(熱機器本体)
5 酸化触媒
8 センサ
17 第一開口部(開口部)
26 シール手段
27 第一シール部材
28 空気導入領域(気体導入領域)
29 第二シール部材(不均一燃焼防止手段)
30 断熱部材
50 空気比調整手段

Claims (1)

  1. 内部に形成した燃焼空間と連通する開口部を備えた熱機器本体と、
    前記開口部に臨ませて取り付けられ、炭化水素含有の燃料を燃焼させて、炭化水素を含まず、酸素、窒素酸化物および一酸化炭素を含むガスを生成させる予混合バーナと、
    この予混合バーナにて生成されるガスから吸熱を行う吸熱手段と、
    この吸熱手段を通過後の前記ガスに含まれる一酸化炭素を酸素により酸化し窒素酸化物を一酸化炭素により還元する酸化触媒と、
    前記予混合バーナの空気比を検出するためのセンサと、
    このセンサの検出信号に基づき前記予混合バーナを設定空気比に調整して、一酸化炭素および窒素酸化物の排出量を低減するように制御する空気比調整手段とを備えるとともに、
    前記予混合バーナと接合されるか、または前記予混合バーナの周囲に配置され、前記燃焼空間内圧力よりも高圧の気体を供給することにより前記燃焼空間内のガスが前記燃焼空間外へ漏れることを防止するシール手段を備え、
    前記シール手段は、
    前記熱機器本体と前記予混合バーナとの接合面間であって前記開口部よりも外方位置に介在させた第一シール部材と、
    前記接合面間であって前記第一シール部材の前記燃焼空間側の周面に沿って形成され前記燃焼空間内の圧力よりも高い気体が導入される気体導入領域と、
    前記気体導入領域の内周側を区画する第二シール部材と、
    前記第二シール部材の内周側に、該第二シール部材の前記燃焼空間側を覆うように配置される断熱部材と、を備え、
    前記断熱部材は、前記燃焼空間のガスの輻射熱が前記第二シール部材に到達しないように遮熱することを特徴とする熱機器。
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