以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1に、本実施の形態に係る情報処理システム10の構成図を示す。
情報処理システム10は、複数のクライアントPC(Personal Computer)20、ファイルサーバ22、及びプリンタ24が通信回線26を介して接続されて構成されている。
なお、本実施の形態に係る情報処理システム10では、一例として2台のクライアントPC20が通信回線26に接続された状態で図示されているが、通信回線26に接続されているクライアントPC20は、1台又は3台以上でもよい。
また、本実施の形態に係る情報処理システム10では、通信回線として、有線LAN(Local Area Network)を用いているが、これに限らず、無線LAN等の他の通信回線を用いてもよい。
図2に、クライアントPC20の電気的構成を示す。
クライアントPC20は、クライアントPC20全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)30A、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)32A、各種プログラムや各種パラメータ、各種テーブル情報が予め記憶されたROM(Read Only Memory)34A、並びに通信回線26を介して他のクライアントPC20、ファイルサーバ22、及びプリンタ24と接続され、他のクライアントPC20、ファイルサーバ22、及びプリンタ24と各種情報の送受信を行う外部インタフェース36Aを備えている。
また、クライアントPC20は、画像情報の登録位置を示す登録位置情報、及び画像情報によって示される画像に重畳される透かし画像を示す透かし画像情報を含み、暗号化された暗号化情報、及び各種情報を記憶するHDD38A、キーボード及びマウスで構成され、ユーザからのクライアントPC20への指示を受け付ける操作部40、並びに各種情報を示す画像を表示するモニタ42を備えている。
また、CPU30A、RAM32A、ROM34A、外部インタフェース36A、HDD38A、操作部40、及びモニタ42は、システムバス44Aを介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU30Aは、RAM32A、ROM34A、及びHDD38Aへのアクセス、操作部40に対するユーザの操作状態の把握、モニタ42に対する制御、外部インタフェース36Aを介した他のクライアントPC20、ファイルサーバ22、及びプリンタ24との各種情報の送受信を各々行なう。
なお、本実施の形態に係るHDD38Aに記憶されている暗号化情報は、権限の無いユーザ、又は権限の無いクライアントPC20等では改変されないように設定されている。
また、暗号化情報に含まれる登録位置情報によって登録位置が示されている画像情報(ファイルサーバ22に登録されている。)は、管理を必要とする画像情報であり、例えば、社外秘の画像を示す画像情報、個人情報を含む画像を示す画像情報、著作権の所在を明示する必要のある画像を示す画像情報等である。そして、画像情報の登録位置を示す登録位置情報としては、例えば、画像情報が記憶されているファイルサーバ22の記憶部のフォルダの位置を示すアドレス、又は画像情報の場所を示すURL(Uniform Resource Locator)等を用いる。
また、暗号化情報に含まれる透かし画像情報により示される透かし画像は、画像情報により示される画像に重畳される画像であり、例えば、予め定められたパターンの地紋を表す画像、画像の取り扱いの注意事項を示す画像(例えば、「複写禁止」、又は「社外秘」等の文字が表示された画像)、画像情報の送信経路を示す画像、著作権者や作成者を示す画像等を用いる。
なお、上記重畳とは、登録位置に登録された画像情報により示される画像に対して、透かし画像を潜像として埋め込むことである。
また、本実施の形態に係る暗号化情報は、公開鍵による暗号化方式によって暗号化されており暗号化情報は暗号化した公開鍵を用いて復号化される。
なお、本実施の形態に係る暗号化情報を暗号化する方式として、上述したように公開鍵による暗号化方式以外に、例えば、共通鍵による暗号化方式であるAES(Advanced Encryption Standard)方式、DES(Data Encryption Standard)方式、又は他の暗号化方式を用いてもよい。
図3に、ファイルサーバ22の電気的構成を示す。
ファイルサーバ22は、ファイルサーバ22全体の動作を司るCPU30B、各種プログラムや各種パラメータ、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM32B、各種テーブル情報が予め記憶されたROM34B、並びに通信回線26を介して各クライアントPC20及びプリンタ24と接続され、各クライアントPC20及びプリンタ24と各種情報の送受信を行う外部インタフェース36B、並びに上述した登録位置情報により示される登録位置に画像情報を記憶すると共に、暗号化情報を復号化するために用いる公開鍵を示す情報等の各種情報を記憶するHDD38Bを備えている。
なお、本実施の形態に係るファイルサーバ22のHDD38Bに記憶されている登録位置に対応する画像情報は、権限の無いユーザ、又は権限の無いクライアントPC20等では改変されないように設定されている。
また、CPU30B、RAM32B、ROM34B、外部インタフェース36B、及びにHDD38Bは、システムバス44Bを介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU30Bは、RAM32B、ROM34B、及びHDD38Bへのアクセス、外部インタフェース36Bを介した各クライアントPC20、プリンタ24との各種情報の送受信を各々行なう。
図4に、プリンタ24の電気的構成を示す。
プリンタ24は、プリンタ24全体の動作を司るCPU30C、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM32C、各種プログラムや各種パラメータ、各種テーブル情報が予め記憶されたROM34C、通信回線26を介して各クライアントPC20及びファイルサーバ22と接続され、各クライアントPC20及びファイルサーバ22と各種情報の送受信を行う外部インタフェース36C、各種情報を記憶するHDD38C、ファイルサーバ22から送信された画像情報にファイルサーバ22から送信された透かし画像を重畳して出力する処理(以下、「重畳処理」という。)を実行する重畳部18、並びに画像情報に透かし画像が重畳された画像を記録用紙に印刷により形成する画像形成部46を備えている。
また、CPU30C、RAM32C、ROM34C、外部インタフェース36C、HDD38C、重畳部18、及び画像形成部46は、システムバス44Cを介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU30Cは、RAM32C、ROM34C、及びHDD38Cへのアクセス、外部インタフェース36Cを介した各クライアントPC20及びファイルサーバ22との各種情報の送受信、並びに重畳部18及び画像形成部46の制御を各々行なう。
なお、本実施の形態に係るプリンタ24は、記録用紙に画像を形成する方式として電子写真方式を用いるが、これに限らず、インクジェット方式等、他の方式を用いてもよい。
次に、本実施の形態に係る情報処理システム10の作用について説明する。
なお、本実施の形態に係る情報処理システム10では、暗号化情報に、暗号化情報に対応する画像情報の内容を示す情報が付加されている。例えば、暗号化情報に対応する画像情報が特定の個人の情報(例えば、社員情報や住民票等)を示している場合には、暗号化情報の名称(ファイル名)に上記個人名が付されている。この名称により、透かし画像情報を重畳する画像情報が確認される。
そして、本実施の形態に係る情報処理システム10は、クライアントPC20のモニタ42に図5に示される複数のボタンを有する選択画像60を表示し、選択画像60を介してユーザによって選択された暗号化情報に対応する画像に対して各種処理を実行する。
選択画像60は、クライアントPC20のHDD38Aに記憶されている暗号化情報のファイル名が表示された複数のファイル名ボタン62Aを有している。図5は、一例として3つの暗号化情報がHDD38Aに記憶されている場合を示しており、ファイル名ボタン62Aは、各暗号化情報に対応して3種類表示される。そして、処理の対象とされる暗号化情報は、当該暗号化情報のファイル名に対応するファイル名ボタン62Aがユーザによる操作部40の操作によって、カーソルが合わされて押圧されることで、選択される。
また、選択画像60は、選択された暗号化情報に対応する透かし画像が重畳された画像を記録用紙に形成(印刷)する処理(以下、「重畳画像形成処理」という。)を開始させる印刷ボタン62B、選択された暗号化情報を他のクライアントPC20に送信する処理(以下、「暗号化情報送信処理」という。)を開始させる送信ボタン62C、及び選択された暗号化情報に含まれる登録位置情報に対応する画像情報により示される画像をモニタ42に表示する処理(以下、「モニタ表示処理」という。)を開始させるモニタ表示ボタン62Dを有している。なお、暗号化情報にアクセス制限を設け、アクセス権限のないユーザ、又はアクセス権限のないクライアントPC20による上記各処理の実行を禁止させてもよい。
図6は、図5に示す選択画像60がモニタ42に表示された場合に、クライアントPC20のCPU30Aによって実行される暗号化情報送信プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは記憶媒体であるクライアントPC20のROM34Aの予め定められた領域に予め記憶されている。
まず、ステップ100では、ユーザによる操作部40の操作により、ファイル名ボタン62Aの何れかが押圧されることで暗号化情報が選択されるまで待ち状態となる。
暗号化情報が選択された場合には、次のステップ102で、印刷ボタン62Bが押圧されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ104へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ108へ移行する。
ステップ104では、ステップ100で選択されたファイル名ボタン62Aに対応する暗号化情報をHDD38Aから読み出すことにより取得する。
次のステップ106では、プリンタ24に重畳画像形成処理を実行させるための印刷指示情報と共に、ステップ104の処理によって取得した暗号化情報を、外部インタフェース36Aを介してファイルサーバ22へ送信し、本プログラムを終了する。
ステップ108では、送信ボタン62Cが押圧されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ110へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ118へ移行する。
次のステップ110では、暗号化情報を送信する他のクライアントPC20を選択するための、通信回線26を介して接続されている他のクライアントPC20の一覧を示す画像をモニタ42に表示する。
次のステップ112では、暗号化情報を送信する送信先の他のクライアントPC20がユーザによって選択されるまで待ち状態となる。
送信先の他のクライアントPC20が選択されると、次のステップ114では、ステップ100で選択されたファイル名ボタン62Aに対応する暗号化情報をHDD38Aから読み出すことにより取得する。
次のステップ116では、ステップ114の処理によって取得した暗号化情報を、ステップ112で選択された他のクライアントPC20に外部インタフェース36Aを介して送信し、本プログラムを終了する。なお、暗号化情報を受信した他のクライアントPC20は、受信した暗号化情報を自身のHDD38Aに記憶する。
ステップ118では、モニタ表示ボタン62Dが押圧されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ120へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ102へ戻る。
次のステップ120では、ステップ100で選択されたファイル名ボタン62Aに対応する暗号化情報をHDD38Aから読み出すことにより取得する。
次のステップ122では、ステップ120の処理によって取得した暗号化情報と共に、この暗号化情報に対応する画像情報により示される画像のモニタ42への表示を実行させるための表示指示情報を、外部インタフェース36Aを介してファイルサーバ22へ送信する。
次のステップ124では、ファイルサーバ22によって実行される後述する画像情報送信プログラム(図9参照)によって、ファイルサーバ22に送信した暗号化情報に対応する画像情報を外部インタフェース36Aを介して受信するまで待ち状態となる。
次のステップ126では、上記受信した画像情報により示される画像をモニタ42に表示させ、本プログラムを終了する。
図7は、ファイルサーバ22の外部インタフェース36BがクライアントPC20から送信された印刷指示情報と共に暗号化情報を受信した場合に、ファイルサーバ22のCPU30Bによって実行される重畳指示送信プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは記憶媒体であるファイルサーバ22のROM34Bの予め定められた領域に予め記憶されている。
まず、ステップ200では、受信した暗号化情報に対応する公開鍵をHDD38Bから読み出し、読み出した公開鍵を用いて暗号化情報を復号化する。
次のステップ202では、ステップ200の処理によって復号化された登録位置情報により示される登録位置に登録された画像情報を、HDD38Bから読み出すことにより取得する。
次のステップ204では、ステップ200の処理によって復号化された透かし画像情報、ステップ202の処理によって取得した画像情報、及び取得した画像情報に復号化した透かし画像情報を重畳して出力する指示を示す重畳指示情報を、外部インタフェース36Bを介してプリンタ24へ送信し、本プログラムを終了する。
図8は、プリンタ24の外部インタフェース36Cが、ファイルサーバ22から送信された重畳指示情報、画像情報、及び透かし画像情報を受信した場合に、プリンタ24のCPU30Cによって実行される重畳プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは記憶媒体であるプリンタ24のROM34Cの予め定められた領域に予め記憶されている。
まず、ステップ300では、HDD38Cに画像情報、及び透かし画像情報を記憶する。
ステップ302では、重畳指示情報に基づいて、ステップ300の処理によってHDD38Cに記憶した画像情報に透かし画像情報を重畳した重畳済み画像情報を生成するように重畳部18を制御する。重畳部18では、画像情報と透かし画像情報とを重畳し、重畳済み画像情報を生成する。
重畳済み画像情報を受信すると、次のステップ304では、重畳部18から、重畳済み画像情報の生成が終了したことを示す終了情報を受信するまで待ち状態となる。
次のステップ306では、重畳済み画像情報を画像形成部46へ送信し、本プログラムを終了する。なお、画像形成部46は、重畳済み画像情報を受信すると、重畳済み画像情報により示される画像を記録媒体に形成する。
図9は、ファイルサーバ22の外部インタフェース36BがクライアントPC20から送信された表示指示情報と共に暗号化情報を受信した場合に、ファイルサーバ22のCPU30Bによって実行される表示画像情報送信プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは記憶媒体であるファイルサーバ22のROM34Bの予め定められた領域に予め記憶されている。
まず、ステップ400では、受信した暗号化情報に対応する公開鍵をHDD38Bから読み出し、読み出した公開鍵を用いて暗号化情報を復号化する。
次のステップ402では、ステップ400の処理によって復号化された登録位置情報により示される登録位置に登録された画像情報を、HDD38Bから読み出すことにより取得する。
次のステップ404では、ステップ402の処理によって取得した画像情報を、外部インタフェース36Bを介して暗号化情報を送信したクライアントPC20へ送信し、本プログラムを終了する。
図10に、本実施の形態に係る情報処理システム10の機能ブロック図を示す。
同図に示すように、情報処理システム10は、暗号化情報が記憶されている記憶部12A、画像情報を記憶している記憶部12B、暗号化情報を復号化する復号化部14、復号化部14で復号化された登録位置情報によって示される登録位置に登録された画像情報を取得し、取得した画像情報に復号化部14によって復号化された透かし画像情報を重畳して出力する重畳処理を指示する指示部16、及び指示部16からの指示に基づいて重畳処理を実行する重畳部18を備えている。
なお、本実施の形態に係る情報処理システム10では、記憶部12AがクライアントPC20のHDD38A、記憶部12Bがファイルサーバ22のHDD38B、復号化部14がファイルサーバ22のCPU30Bによって実行される重畳指示送信プログラムのステップ200による処理、及び指示部16がファイルサーバ22のCPU30Bによって実行される重畳指示送信プログラムのステップ204による処理に対応している。
(第2の実施の形態)
次の本第2の実施の形態では、暗号化情報に、暗号化情報を出力する情報出力処理が指示される毎に追加される情報出力処理に関する追跡情報を追加する場合について説明する。
なお、本第2の実施の形態に係る情報処理システム10の構成、クライアントPC20、ファイルサーバ22、及びプリンタ24の電気的構成は、第1の実施の形態(図1から図4参照。)と同様であるので説明を省略するが、クライアントPC20のHDD38Aには、暗号化情報に対する情報出力処理が指示される毎に追加される情報出力処理に関する追跡情報とを含み暗号化された追跡暗号化情報、追跡暗号化情報を復号化するための公開鍵、及び追跡暗号化情報を暗号化するための公開鍵が記憶されている。
なお、本第2の実施の形態に係る追跡暗号化情報は、登録位置情報及び透かし画像情報が暗号化されて暗号化情報とされた後に、追跡情報を含んで更に暗号化されることによって、多重に暗号化されている。
追跡情報は、暗号化情報に対する情報出力処理が実行される毎に変化する動的な情報であり、暗号化情報に対する情報出力処理は、第1の実施の形態で説明した重畳画像形成処理、暗号化情報送信処理、モニタ表示処理等である。
なお、重畳画像形成処理が実行された場合に暗号化情報に追加される追跡情報としては、例えば、重畳画像形成処理の実行指示をしたクライアントPC20を示す情報(例えば、クライアントPC20のIP(Internet Protocol)、クライアントPC20を使用しているユーザ名等)、重畳画像形成処理の実行指示をした日時を示す情報、重畳画像形成処理の実行指示がされた回数を示す情報等を用いる。
また、暗号化情報送信処理が実行された場合に追跡情報に暗号化情報に追加される追跡情報としては、例えば、暗号化情報の送信先、すなわち暗号化情報が記憶されているクライアントPC20を示す情報アドレス、暗号化情報送信処理が実行された日時を示す情報、暗号化情報送信処理が実行された回数を示す情報等を用いる。
また、モニタ表示処理が実行された場合に暗号化情報に追加される追跡情報としては、例えば、モニタ表示処理の実行指示をしたクライアントPC20を示す情報、モニタ表示処理が実行された日時を示す情報、モニタ表示処理が実行された回数を示す情報等を用いる。
また、本第2の実施の形態では、暗号化された登録位置情報及び暗号化された透かし画像情報に追跡情報を含んで暗号化する方式として、公開鍵による暗号化方式以外に、例えば、共通鍵による暗号化方式であるAES(Advanced Encryption Standard)方式、DES(Data Encryption Standard)方式、他の暗号化方式を用いてもよい。
次に、本第2の実施の形態に係る情報処理システム10の作用について説明する。
なお、追跡暗号化情報の名称(ファイル名)としては、追跡暗号化情報に含まれている暗号化情報の名称が付されている。そして、本第2の実施の形態に係る選択画像60のファイル名ボタン62Aには、クライアントPC20のHDD38Aに記憶されている追跡暗号化情報のファイル名が表示されている。
図11は、図5に示す選択画像60がモニタ42に表示された場合に、クライアントPC20のCPU30Aによって実行される追跡情報追加プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは記憶媒体であるクライアントPC20のROM34Aの予め定められた領域に予め記憶されている。
ステップ500では、ユーザによる操作部40の操作により、情報出力処理の指示がされるまで待ち状態となる。情報出力処理の指示がされた場合とは、印刷ボタン62Bが押圧された場合、送信ボタン62Cが押圧され、追跡暗号化情報を送信する送信先のクライアントPC20が選択された場合、又はモニタ表示ボタン62Dが押圧された場合である。
情報出力処理の指示があった場合は、ステップ502では、追跡情報を追加する設定がされているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ504へ移行する一方、否定判定となった場合は本プログラムを終了する。
なお、上記設定は、予め権限のあるユーザによって設定されている。また、設定の内容として、例えば、印刷ボタン62B、送信ボタン62C、及びモニタ表示ボタン62Dが押圧された場合に追跡情報を追加する設定や、印刷ボタン62B及びモニタ表示ボタン62Dが押圧された場合に追跡情報を追加する設定等、各ボタン毎に設定の有無を変更してもよい。なお、印刷ボタン62B及びモニタ表示ボタン62Dが押圧された場合に追跡情報を追加する設定がされている場合は、ユーザによって追跡暗号化情報に対応する画像情報の内容が確認されることなく、追跡暗号化情報を他のクライアントPC20に送信した場合等、単に追跡暗号化情報を記憶したに過ぎないクライアントPC20に関する情報は、追跡情報に追加されないことを示している。
次のステップ504では、選択画像60においてファイル名ボタン62Aが押圧されることで、選択された追跡暗号化情報がHDD38Aに登録されているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ506へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ516へ移行する。
ステップ506では、情報出力処理の対象となる暗号化情報が含まれている、上記選択された追跡暗号化情報を読み出す。
次のステップ508では、ステップ506の処理によって読み出した追跡暗号化情報を復号化する。なお、本第2の実施の形態では、暗号化された追跡情報を復号化する一方、暗号化された登録位置情報及び暗号化された透かし画像情報は復号化しない。
次のステップ510では、ステップ508の処理によって復号化した追跡情報に指示された情報出力処理に関する新たな情報を追加する。
次のステップ512では、暗号化情報と共に上記追跡情報を公開鍵を用いて再び暗号化し、多重に暗号化された追跡暗号化情報とする。
次のステップ514では、ステップ512の処理によって暗号化した追跡暗号化情報をHDD38Aに更新記憶し、本プログラムを終了する。
一方、ステップ502で否定判定となった場合とは、すなわち、押圧されたファイル名ボタン62Aに対応して追跡暗号化情報の代わりに暗号化情報が登録されている場合であり、この場合にはステップ516で、押圧されたファイル名ボタン62Aに対応する暗号化情報を読み出す。
次のステップ518では、情報出力処理に関する追跡情報を生成する。
次のステップ520では、上記追跡情報と共に、ステップ516の処理によって読み出した暗号化情報を公開鍵を用いて暗号化し、追跡暗号化情報とする。
次のステップ522では、ステップ516で読み出した暗号化情報が記憶されていた場所に、上記追跡暗号化情報を更新記憶し、本プログラムを終了する。
そして、クライアントPC20は、本プログラムが終了した後に、選択された追跡暗号化情報に対して、指示のあった情報出力処理を実行する。すなわち、印刷ボタン62Bが押圧されている場合は、ファイルサーバ22へ印刷指示情報と共に追跡暗号化情報を送信し、送信ボタン62Cが押圧されている場合は、選択されている他のクライアントPC20へ追跡暗号化情報を送信し、モニタ表示ボタン62Dが押圧されている場合は、ファイルサーバ22へ表示指示情報と共に追跡暗号化情報を送信する。
なお、送信ボタン62Cが押圧された場合は、追跡暗号化情報の送信元であるクライアントコンピュータ22で上記追跡情報追加プログラムを実行せずに、追跡暗号化情報が送信先のクライアントPC20に送信された後に、当該送信先のクライアントPC20によって上記追跡情報追加プログラムを実行してもよい。
次に、本第2の実施の形態に係る重畳画像形成処理を実行する場合の処理の流れを説明する。
図12は、ファイルサーバ22の外部インタフェース36BがクライアントPC20から送信された印刷指示情報と共に追跡暗号化情報を受信した場合に、ファイルサーバ22のCPU30Bによって実行される重畳指示送信プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは記憶媒体であるファイルサーバ22のROM34Bの予め定められた領域に予め記憶されている。
まず、ステップ200’では、受信した追跡暗号化情報の復号化を実行する。本第2の実施の形態では、受信した追跡暗号化情報に対応する公開鍵を用いて追跡情報を復号化した後に、暗号化されている登録位置情報及び透かし画像情報に対応する公開鍵を用いて、登録位置情報及び透かし画像情報を復号化する。
次のステップ202’では、ステップ200’の処理によって復号化された登録位置情報により示される登録位置に登録された画像情報を読み出すことにより取得する。
次のステップ204’では、ステップ200’の処理によって復号化された透かし画像情報及び復号化された追跡情報、ステップ202’の処理によって取得した画像情報、並びに重畳指示情報を、外部インタフェース36Bを介してプリンタ24へ送信し、本プログラムを終了する。
また、本第2の実施の形態に係るプリンタ24のCPU30Cによって実行される重畳プログラムの処理の流れは、図8に示すフローチャートと同様であるので説明を省略するが、本第2の実施の形態に係る情報処理システム10では、透かし画像情報に基づいた画像、及び追跡情報に基づいた画像を、透かし画像として対応する画像情報に重畳する。すなわち、透かし画像情報に基づいた画像は、追跡暗号化情報が記憶されているクライアントPC20、及び日時等によって変化しない静的な透かし画像であり、追跡情報に基づいた画像は、追跡暗号化情報が記憶されているクライアントPC20、及び日時等によって変化する動的な透かし画像である。
より具体的には、追跡情報のうち、例えば、追跡暗号化情報が記憶されているクライアントPC20を使用しているユーザ名、重畳画像形成処理の実行指示がされた日時等が、動的な透かし画像として対応する画像情報に重畳される。なお、何れの追跡情報を動的な透かし画像とするかは、予めユーザにより設定されている。
図13に、本第2の実施の形態に係る情報処理システム10の機能ブロック図を示す。なお、同図における図10と同一の構成部分については図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。本第2の実施の形態に係る情報処理システム10は、記憶部12Aに追跡暗号化情報を記憶している。そして、追跡暗号化情報を復号化し、追跡情報に情報出力処理に関する新たな情報を追加した後に、復号化された追跡暗号化情報を暗号化する追跡情報追加部70を備えている。なお、本第2の実施の形態に係る情報処理システム10では、追跡情報追加部70がクライアントPC20のCPU30Aによって実行される追跡情報追加プログラムによる処理に対応している。
以上、本発明を上記各実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施の形態に記載の範囲には限定されない。
例えば、上記各実施の形態では、暗号化情報を他のクライアントPC20に送信する際には、図5に示す画像を介して送信する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、暗号化情報又は追跡暗号化情報を他のクライアントPC20に電子メールを介して送信する形態等としてもよい。
また、上記第2の実施の形態では、モニタ表示処理において、ファイルサーバ22のHDD38Bに記憶されている画像情報により示される画像をモニタ42に表示させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、モニタ42に表示される画像として、記録用紙に画像として形成した場合に、ユーザによる視認が困難な程度な低解像度の画像情報を表示させる形態としてもよい。
この形態の場合、ファイルサーバ22のHDD38には、登録されている画像情報に対応した上記低解像度の画像情報が記憶され、この低解像度の画像情報により示される画像をモニタ42に表示する形態、又は、ファイルサーバ22がHDD38Bに記憶されている画像情報に基づいて上記低解像度の画像情報を生成し、生成した低解像度の画像情報により示される画像をモニタ42に表示する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、情報処理システム10が、クライアントPC20、ファイルサーバ22、プリンタ24が通信回線26を介して接続されて構成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図14に示すように、情報処理システム10が、クライアントPC20、プリンタ24が通信回線26を介して接続されて構成されている形態としてもよい。この形態の場合、クライアントPC20のHDD38Aに暗号化情報に対応する画像情報が記憶され、プリンタ24に復号化部14及び指示部16が備えられる。
また、上記各実施の形態に係る各プログラムは、各々ROM34A,34B,34Cに予め記憶しておく形態の他、HDD38A,38B,38Cに予め記憶しておく形態、コンピュータで読み取れる記憶媒体に格納された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等に適用される。