JP5458684B2 - 構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、摩擦攪拌接合を利用した構造体の製造方法に関する。
金属部材同士を接合する方法として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。摩擦攪拌接合とは、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合部の金属を塑性流動させることで金属部材同士を固相接合させるものである。
この摩擦攪拌接合を用いて、金属部材同士を接合する発明が数多く提案されている。特許文献1には、金属製の枠状を呈する枠部材の上端に蓋板を配置して、蓋板の上面側から回転ツールを押し込んで枠部材と蓋板との一部を塑性流動化させて一体化する技術が開示されている。
図15は、従来の構造体の製造方法を段階的に示した要部断面図であって、対向する枠部材及び蓋板の端部を示す。図15の(a)に示すように、従来の構造体の製造方法は、まず、枠部材101aの端部及び蓋板101bの端部に段部102,102を形成し、段部102,102同士を突き合わせて、図15の(b)に示すように、突合部J1を形成する。そして、回転ツールを蓋板101b側から押し込んで突合部J1に対して摩擦攪拌接合を行うことで一体化することができる。突合部J1には、塑性流動した金属部材が硬化して塑性化領域Wが形成される。
特開平11−300481号公報(図1)
従来の構造体の製造方法によると、摩擦攪拌接合によって塑性化領域Wが熱収縮するため、蓋板101bが反ってしまうという問題があった。また、熱収縮に起因して、枠部材101aの内面及び蓋板101bの内面で構成された内隅部に欠損(Kissing Bond)Eが形成される可能性があった。従来の製造方法で形成された構造体は、構造上の問題はないが、接合部の水密性及び気密性を高めるための対策が必要になる場合がある。
ここで、例えば、枠部材101aの内面及び蓋板101bの内面で形成された内隅部から摩擦攪拌接合を行えば、水密性及び気密性を高めることができると考えられる。しかし、前記内隅部から摩擦攪拌接合をする場合など、接合する金属部材同士の突き合わせの形態によっては、摩擦攪拌装置の取り合い等により回転ツールを適切に可動させることが困難となり接合作業が煩雑になるという問題があった。
このような観点から、本発明は、枠部材と蓋板とを摩擦攪拌接合により一体化し、接合部分の気密性及び水密性を高めることが可能な構造体の製造方法を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するために本発明は、枠状を呈する金属製の枠部材に金属製の蓋板を固定して形成された構造体の製造方法であって、前記枠部材の裏面側に開口する開口の内周縁に、段部底面とこの段部底面から立ち上がる段部側面とを備えた段部を形成する段部形成工程と、前記枠部材の裏面側の開口を覆うように前記段部に前記蓋板を配置する蓋板配置工程と、前記段部の段部側面と前記蓋板の側面とを突き合わせて形成された突合部に対して前記枠部材の裏面側及び前記蓋板の外面側から回転ツールを挿入し前記開口周りに前記回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合によって前記枠部材に前記蓋板を固定する蓋板固定工程と、前記枠部材の内面と前記蓋板の内面とによって構成される内隅部を溶接金属で覆う内隅部溶接工程と、を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、構造体の内隅部側及び外側から蓋板に入熱され、蓋板の外面側及び内面側のそれぞれにおいて熱収縮が発生するため、蓋板の反りを是正することができる。また、内隅部を溶接金属で覆うことにより、構造体の内側に現れる突合部を密閉することができるため気密性及び水密性を高めることができる。また、内隅部溶接工程によれば、構造体の内隅部に摩擦攪拌接合を施す場合と比べて、容易に作業を行うことができるため、作業効率を高めることができる。内隅部溶接工程及び蓋板固定工程は、どちらを先に行ってもよいが、内隅部溶接工程を先に行うと、枠部材と蓋板とを仮付けした状態で蓋板固定工程を行うことができるため、作業効率を高めることができる。一方、蓋板固定工程を先に行うと、構造体の内隅部に欠損が形成された場合であっても、内隅部溶接工程によって当該欠損を補修することができる。
また、かかる製造方法によれば、蓋板の位置決めを容易に行うことができる。
また、前記内隅部に対して予め凹溝を形成し、前記内隅部溶接工程では、前記凹溝に溶接金属を充填することが好ましい。かかる製造方法によれば、凹溝に溶接金属を充填することで溶接作業を容易に行うことができる。
また、前記蓋板固定工程では、前記回転ツールを前記突合部に沿って一周させて塑性化領域を形成した後、一周目の前記塑性化領域の始端部に沿って前記回転ツールを移動させて、塑性化領域の一部を重複させることが好ましい。かかる製造方法によれば、接合部分の気密性及び水密性をより高めることができる。
また、前記蓋板固定工程では、前記回転ツールを前記開口に対して右回りに移動させるときは前記回転ツールを右回転させ、前記回転ツールを前記開口に対して左回りに移動させるときは前記回転ツールを左回転させることが好ましい。
ここで、摩擦攪拌接合によって形成された塑性化領域のうち、シアー側(被接合部に対する回転ツールの外周の相対速さが、回転ツールの外周における接線速度の大きさに移動速度の大きさを加算した値となる側)は、メタルが強く攪拌されて高温軟化し、バリとなって排出され易いと考えられる。このため、シアー側はメタルが不足するので、トンネル状空洞欠陥が形成される可能性がある。しかし、本発明によれば、仮に塑性化領域内に接合欠陥が形成されたとしても構造体の中空部から離間した部位に形成されるため好ましい。
また、前記蓋板固定工程では、前記回転ツールよりも小型の回転ツールを用いて前記突合部に対して摩擦攪拌接合を行って前記枠部材に前記蓋板を予め仮付けする仮接合工程を行うことが好ましい。かかる製造方法によれば、蓋板が移動しないため摩擦攪拌作業を容易に行うことができる。
また、前記枠部材を摩擦攪拌接合によって形成する枠部材形成工程をさらに含み、前記枠部材形成工程では、枠状を呈するように複数の金属部材を突き合わせる突合工程と、前記突合工程で形成された金属部材同士の突き合わせ部に対して前記金属部材の表面側及び裏面側からそれぞれ回転ツールを挿入して摩擦攪拌接合を行う接合工程と、前記金属部材の外周面に現れる前記突き合わせ部に対して前記金属部材の外周面側から回転ツールを挿入して摩擦攪拌接合を行う接合工程と、を含むことが好ましい。
また、前記枠部材を摩擦攪拌接合によって形成する枠部材形成工程をさらに含み、前記枠部材形成工程では、枠状を呈するように複数の金属部材を突き合わせる突合工程と、前記突合工程で形成された金属部材同士の突き合わせ部に対して前記金属部材の表面側及び裏面側からそれぞれ回転ツールを挿入して摩擦攪拌接合を行う接合工程と、前記金属部材の外周面に現れる前記突き合わせ部を溶接金属で覆う外面溶接工程と、を含むことが好ましい。
かかる製造方法によれば、枠部材の突合部が塑性化領域又は溶接金属で密閉されるため気密性及び水密性の高い枠部材を形成することができる。
また、前記外面溶接工程を行う前に、前記金属部材の外周面に現れる前記突き合わせ部に対して予め凹溝を形成し、前記外面溶接工程では、前記凹溝に対して溶接金属を充填することが好ましい。かかる製造方法によれば、溶接作業を容易に行うことができる。
また、前記枠部材の隣り合う内面同士によって構成される内隅部を溶接金属で覆うことが好ましい。また、この内隅部に予め凹溝を形成することが好ましい。かかる製造方法によれば、枠部材の気密性及び水密性をさらに高めることができるとともに、溶接作業を容易に行うことができる。
本発明に係る構造体の製造方法は、作業が容易であるとともに接合部分の気密性および水密性を高めることができるといった優れた効果を発揮する。
第一実施形態に係る構造体を示した斜視図であって、(a)は表面側、(b)は裏面側から見た図である。 (a)は、仮接合用回転ツールを示した側面図、(b)は、本接合用回転ツールを示した側面図である。 第一実施形態に係る構造体の製造方法を示した図であって、(a)は、突合工程を示した斜視図、(b)は、タブ材配置工程を示した平面図である。 第一実施形態に係る構造体の製造方法を示した図であって、(a)は、表面接合工程を示した平面図、(b)は、表面接合工程及び裏面接合工程後を示した斜視図である。 第一実施形態に係る構造体の製造方法の外面接合工程を示した平面図である。 図5のI−I断面図であって、(a)は、接合前、(b)は接合後を示す。 第一実施形態に係る構造体の製造方法の抜け穴補修工程を示した平面図である。 第一実施形態に係る構造体の製造方法の抜け穴補修工程を示した断面図である。 第一実施形態に係る構造体の製造方法の段部形成工程及び蓋板配置工程を示した斜視図である。 第一実施形態に係る構造体の製造方法の蓋板固定工程を段階的に示した平面図である。 第一実施形態に係る構造体の製造方法の蓋板固定工程を示した断面図である。 第一変形例を示した図であって、(a)は、斜視図、(b)は断面図である。 第二変形例を示した平面図であって、(a)は、切欠き部を形成した図、(b)は、溶接を行った図である。 第三変形例を示した斜視図であって、(a)は、凹溝形成工程、(b)は、外面溶接工程を示す。 従来の構造体の製造方法を段階的に示した要部断面図であって、対向する枠部材及び蓋板の端部を示す。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本発明に係る構造体の製造方法によって製造された構造体の構成を説明する。
図1の(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係る構造体1は、枠状を呈する枠部材2と、枠部材2の裏面16側の開口を覆う蓋板3とを有する。枠部材2の一方側の開口が蓋板3によって塞がれている。枠部材2は、四つの金属部材2a,2b,2c,2dの端部同士がそれぞれ突き合わされており、摩擦攪拌接合によって一体形成されている。蓋板3は、板状を呈する金属部材である。図1の(b)に示すように、蓋板3の外面32は、枠部材2の裏面16と面一に形成されている。枠部材2と蓋板3は、枠部材2と蓋板3との突合部J5に形成された塑性化領域W5によって接合されている。
次に、構造体の製造方法について詳細に説明する。本実形態に係る構造体の製造方法は、(1)枠部材形成工程、(2)段部形成工程、(3)蓋板配置工程、(4)蓋板固定工程、(5)内隅部溶接工程を行う。
まず、図を参照して、仮接合工程で用いる小型の回転ツール(以下、「仮接合用回転ツールF」という。)及び本接合工程で用いる大型の回転ツール(以下、「本接合用回転ツールG」という。)を詳細に説明する。
図2の(a)に示す仮接合用回転ツールFは、工具鋼など枠部材2よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部F1と、このショルダ部F1の下端面F11に突設された攪拌ピン(プローブ)F2とを備えて構成されている。仮接合用回転ツールFの寸法・形状は、枠部材2の材質や厚さ等に応じて設定すればよいが、少なくとも、後記する本接合用回転ツールG(図2の(b)参照)よりも小型にする。このようにすると、本接合よりも小さな負荷で仮接合を行うことが可能となるので、仮接合時に摩擦攪拌装置に掛かる負荷を低減することが可能となり、さらには、仮接合用回転ツールFの移動速度(送り速度)を本接合用回転ツールGの移動速度よりも高速にすることも可能になるので、仮接合に要する作業時間やコストを低減することが可能となる。
ショルダ部F1の下端面F11は、塑性流動化した金属を押えて周囲への飛散を防止する役割を担う部位であり、本実施形態では、凹面状に成形されている。ショルダ部F1の外径Xの大きさに特に制限はないが、本実施形態では、本接合用回転ツールGのショルダ部G1の外径Yよりも小さくなっている。
攪拌ピンF2は、ショルダ部F1の下端面F11の中央から垂下しており、本実施形態では、先細りの円錐台状に成形されている。また、攪拌ピンF2の周面には、螺旋状に刻設された攪拌翼が形成されている。攪拌ピンF2の外径の大きさに特に制限はないが、本実施形態では、最大外径(上端径)Xが本接合用回転ツールGの攪拌ピンG2の最大外径(上端径)Yよりも小さく、かつ、最小外径(下端径)Xが攪拌ピンG2の最小外径(下端径)Yよりも小さい。攪拌ピンF2の長さLは、枠部材2の厚さに応じて適宜設定すればよいが、少なくとも、本接合用回転ツールGの攪拌ピンG2の長さLよりも小さくすることが望ましい。
図2の(b)に示す本接合用回転ツールGは、工具鋼など枠部材2よりも硬質の金属材料からなり、円柱状を呈するショルダ部G1と、このショルダ部G1の下端面G11に突設された攪拌ピン(プローブ)G2とを備えて構成されている。
ショルダ部G1の下端面G11は、仮接合用回転ツールFと同様に、凹面状に成形されている。攪拌ピンG2は、ショルダ部G1の下端面G11の中央から垂下しており、本実施形態では、先細りの円錐台状に成形されている。また、攪拌ピンG2の周面には、螺旋状に刻設された攪拌翼が形成されている。攪拌ピンG2の長さLは、枠部材2の厚さに応じて適宜設定すればよい。
(1)枠部材形成工程
枠部材形成工程では、図3及び図4に示すように、枠状を呈する枠部材を形成する。枠部材形成工程では、突合工程、タブ材配置工程、本接合工程を行う。
突合工程では、図3の(a)及び(b)に示すように、金属部材2a,2b,2c,2dの端部同士を突き合わせる。金属部材2a,2b,2c,2dは、直方体を呈する部材であって、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金など摩擦攪拌可能な金属材料からなる。本実施形態では、各金属部材を、同一組成の金属材料で形成している。各金属部材の板厚は、同一の厚さとなっている。
突合工程では、図3の(a)及び(b)に示すように、金属部材2aの内面12aの両端に金属部材2cの端面15c及び金属部材2dの端面14dをそれぞれ突き合わせる。各突き合わせ部分には、それぞれ突合部J1、突合部J4が形成される。金属部材2aの端面14aと金属部材2cの外面13cとを面一に形成する。また、金属部材2aの端面15aと金属部材2dの外面13dとを面一に形成する。
また、突合工程では、金属部材2bの内面12bの両端に金属部材2cの端面14c及び金属部材2dの端面15dをそれぞれ突き合わせる。各突き合わせ部分には、それぞれ突合部J2、突合部J3が形成される。金属部材2bの端面15bと金属部材2cの外面13cとを面一に形成する。また、金属部材2dの端面14bと金属部材2dの外面13dとを面一に形成する。
また、突合工程では、金属部材2a,2b,2c,2dの表面11a,11b,11c,11dを面一に形成する。また、金属部材2a,2b,2c,2dの裏面16a,16b,16c,16dを面一に形成する。内面12a,12b,12c,12dのうち隣り合う二面で構成される角部を内隅部とする。突合工程によって枠状に形成された部材を被接合金属部材10とする。
被接合金属部材10のうち、四つの表面(11a,11b,11c,11d)で構成される面を表面11、四つの内面(12a,12b,12c,12d)で構成される面を内周面12、四つの外面(13a,13b,13c,13d)及び4つの端面(14a,15a,14b,15b)で構成される面を外周面13、四つの裏面(16a,16b,16c,16d)で構成される面を裏面16とする。被接合金属部材10は、表面11側及び裏面16側にそれぞれ開口している。
タブ材配置工程では、図3の(b)に示すように、被接合金属部材10に現れる突合部J1乃至J4にそれぞれ一対のタブ材を配置する。突合部J1の両脇には、タブ材21,22を添設する。タブ材21,22は、直方体を呈し被接合金属部材10と同等の組成からなる。タブ材21,22の表面及び裏面は、被接合金属部材10の表面11及び裏面16と面一に形成されている。タブ材22は、金属部材2aの内面12aと金属部材2cの内面12cとにそれぞれ当接されている。被接合金属部材10とタブ材21,22は溶接により接合されている。タブ材は、後記する摩擦攪拌作業において、その開始位置及び終了位置が設定される部材である。なお、タブ材の形状や個数は本実施形態に限定されるものではない。
本接合工程では、図4乃至図8に示すように、被接合金属部材10の各突合部に対して摩擦攪拌接合を行う。本接合工程では、被接合金属部材10の表面11側から摩擦攪拌接合を行う表面接合工程と、被接合金属部材10の裏面16側から摩擦攪拌接合を行う裏面接合工程と、被接合金属部材10の外周面13側から摩擦攪拌接合を行う外面接合工程とを行う。また、外面接合工程は、抜け穴補修工程を具備している。
表面接合工程では、図4の(a)に示すように、被接合金属部材10の表面11側から本接合用回転ツールGを挿入して、各突合部に対して摩擦攪拌接合を行う。例えば、突合部J1については、タブ材21の表面に開始位置SM1を設定し、タブ材22の表面に終了位置EM1を設定する。開始位置SM1に右回転させた本接合用回転ツールGを挿入した後、突合部J1に沿って本接合用回転ツールGを移動させ、終了位置EM1で本接合用回転ツールGを離脱させる。これにより、突合部J1には塑性化領域W1aが形成される。塑性化領域とは、回転ツールの摩擦熱によって加熱されて現に塑性化している状態と、回転ツールが通り過ぎて常温に戻った状態の両方を含むこととする。
同様に、突合部J2,J3,J4に対しても摩擦攪拌接合を行う。突合部J2,J3,J4にはそれぞれ塑性化領域W2a,W3a,W4aが形成される。
裏面接合工程では、図4の(b)に示すように、被接合金属部材10の表裏を反転させた後に、被接合金属部材10の裏面16側から本接合用回転ツールG(図2の(b)参照)を挿入して、各突合部J1乃至J4に対して摩擦攪拌接合を行う。裏面接合工程においては、被接合金属部材10の表裏を除いては表面接合工程と同等であるため詳細な説明は省略する。裏面接合工程によって、被接合金属部材10の裏面16に現れる各突合部J1,J2,J3,J4には塑性化領域W1b,W2b,W3b,W4bがそれぞれ形成される。
裏面接合工程が終了したら、被接合金属部材10からタブ材を除去する。図4の(b)に示すように、裏面接合工程が終了すると、突合部J1に形成された塑性化領域W1aと塑性化領域W1bの間には、摩擦攪拌されていない未塑性化領域が残存する。同様に、突合部J2乃至J4にも摩擦攪拌されない未塑性化領域がそれぞれ残存する。
外面接合工程では、被接合金属部材10の外周面13に現れる各突合部J1乃至J4に対して摩擦攪拌接合を行う。つまり、外周面13に残存する未塑性化領域に対して摩擦攪拌接合を行う。例えば、図5に示すように、突合部J1では、塑性化領域W1aと塑性化領域W1bの間に摩擦攪拌されていない未塑性化領域が残存している。つまり、突合部J1において、被接合金属部材10の内周面12から外周面13に連続する微細な隙間が存在する。外面接合工程では、当該隙間を摩擦攪拌接合で形成された塑性化領域で覆う。
図5に示すように、突合部J1から所定の距離離間した位置であって、外周面13上に開始位置SM2及び終了位置EM2をそれぞれ設定する。本実施形態では、開始位置SM2を塑性化領域W1b側、終了位置EM2を塑性化領域W1a側に設定したが、これに限定されるものではない。開始位置SM2に本接合用回転ツールGを挿入し、突合部J1方向に本接合用回転ツールGを移動させた後、塑性化領域W1bと本接合用回転ツールGとを接触させる。そして、突合部J1に沿って移動させて未塑性化領域を摩擦攪拌した後、塑性化領域W1aと本接合用回転ツールGとを接触させる。そして、終了位置EM2で本接合用回転ツールGを離脱させる。外面接合工程によって、外周面13には、塑性化領域W1cが形成される。
ここで、図6は、図5のI−I断面図であって、(a)は、接合前、(b)は接合後を示す。図6の(a)及び(b)に示すように、外面接合工程では、被接合金属部材10の外周面13上に終了位置EM2を設定しているので、摩擦攪拌終了後、終了位置EM2には抜け穴Q1が形成される。したがって、当該抜け穴Q1を塞ぐために本実施形態では、抜け穴補修工程を行う。
抜け穴補修工程は、外周接合工程で不可避的に形成される抜け穴Q1を塞ぐ工程である。抜け穴補修工程では、被接合金属部材10の外周面13に形成された抜き穴Q1に充填用金属部材Hを充填する充填用金属部材挿入工程(図6の(b)参照)と、被接合金属部材10と充填用金属部材Hの突合部J6に対して摩擦攪拌を行う補修接合工程と(図7参照)、補修接合工程において充填用金属部材Hの表面に形成された抜き穴Q2に溶接金属Kを充填する補修溶接工程と(図8参照)、を含むものである。
充填用金属部材挿入工程は、図6の(b)に示すように、外面接合工程において本接合用回転ツールGを離脱したときに、被接合金属部材10の外周面13に形成された抜き穴Q1に、抜き穴Q1と同形の充填用金属部材Hを挿入して、抜き穴Q1を埋める工程である。本実施形態では、被接合金属部材10と同一組成の金属材料で充填用金属部材Hを形成しているが、摩擦攪拌可能な金属材料であればよい。
補修接合工程は、図7に示すように、被接合金属部材10と充填用金属部材Hとの突合部J6に対して、仮接合用回転ツールF(図2(a)参照)を用いて摩擦攪拌接合を行うものである。補修接合工程では、被接合金属部材10と充填用金属部材Hとの継ぎ目上に設定された摩擦攪拌の開始位置s1に、仮接合用回転ツールF(図2(a)参照)の攪拌ピンF2を入り込ませ、被接合金属部材10と充填用金属部材Hとの継ぎ目に沿って、仮接合用回転ツールFを移動させることで、突合部J6の全周に亘って摩擦攪拌を行う。補修接合工程によって、塑性化領域w1が形成される。
本実施形態では、突合部J6の全周に亘って摩擦攪拌を行った後に、仮接合用回転ツールFを、充填用金属部材Hの表面の中心位置に設定された摩擦攪拌の終了位置e1(外面接合工程における摩擦攪拌の終了位置EM2)まで移動させ、仮接合用回転ツールFを終了位置e1から離脱させる。このように、終了位置e1で攪拌ピンF2を上方に離脱させると、終了位置e1に攪拌ピンF2と略同形の抜き穴Q2が形成される(図8参照)。
ここで、本実施形態では、被接合金属部材10と充填用金属部材Hとの突合部J6を摩擦攪拌するために、仮接合工程で用いる仮接合用回転ツールFを用いているが、被接合金属部材10と充填用金属部材Hとの継ぎ目に沿って、円周状に攪拌ピンを移動させることができる大きさであれば、他の回転ツールを用いてもよい。
補修溶接工程では、図8に示すように、充填用金属部材Hの表面に形成された抜き穴Q2内にMIG溶接等の肉盛溶接を行うことで、抜き穴Q2内に溶接金属Kを充填する。
なお、補修溶接工程は、MIG溶接に限定するものではなく、他の公知の溶接を行ってもよい。また、溶接材料は、被接合金属部材10と異なっていてもよいが、本実施形態では同一の材料を用いている。補修溶接工程では、抜き穴Q2に溶接金属Kを充填した後に、被接合金属部材10の外周面13よりも盛り上がっている部分の溶接金属Kを切除することが望ましい。
前記した外面接合工程を、突合部J2,J3,J4に対しても行って、被接合金属部材10の外周面13に残存する未塑性化領域を密閉する。以上の工程によって、枠部材2が形成される。
本接合工程は、本実施形態では前記したように構成したが、他の形態であってもよい。例えば、なお、各摩擦攪拌接合の開始位置には、本接合用回転ツールGの挿入時の摩擦抵抗を軽減するために下穴P1(図2の(b)参照)を形成してもよい。また、本接合用回転ツールGを用いて摩擦攪拌接合を行う前に、仮接合用回転ツールF(図2の(a)参照)を用いて各突合部に対して仮接合(仮接合工程)を行ってもよい。これにより、各金属部材を仮付けした状態で本接合工程を行うことができる。
また、表面接合工程で形成された塑性化領域と、裏面接合工程で形成された塑性化領域とが互いに重複する場合は、枠部材2の外周面13に未塑性化領域が残存しないため、外面接合工程を省略してもよい。
また、外面接合工程を行う前に、被接合金属部材10の表面11及び裏面16に一対のタブ材を添設して当該タブ材に摩擦攪拌の開始位置及び終了位置を設定してもよい。これによれば、抜け穴補修工程を省略することができる。
(2)段部形成工程
段部形成工程では、図9に示すように、枠部材2の裏面16側に開口する開口の内周縁に段部40を形成する。段部40は、蓋板3が隙間なく載置される形状で形成する。段部40は、段部底面41と段部底面41に対して垂直に立設する四つの段部側面42とを有する。段部底面41の幅は、本接合用回転ツールGの大きさを考慮して適宜設定すればよい。段部側面42の高さは、蓋板3の板厚と同等に形成する。
(3)蓋板配置工程
蓋板配置工程では、段部40に蓋板3を配置する。図9及び図10の(a)に示すように、段部40に蓋板3を配置すると、蓋板3の面31と、段部40の段部底面41とが突き合わされるとともに、蓋板3の四つの側面33と、段部40の四つの段部側面42とが突き合わされて突合部J5が形成される。突合部J5は、断面視L字状、平面視矩形を呈するように形成される。蓋板3の外面32と枠部材2の裏面16とは面一となる。段部40に蓋板3を配置した際に、蓋板3の内面31と、枠部材2の内周面12とで構成される角部を内隅部とする。
なお、本実施形態では段部40を形成したが、段部40は必ずしも形成する必要はない。例えば、枠部材2の内周面12と、蓋板3の四つの側面33とを突き合わせて突合部を形成してもよい。
(4)蓋板固定工程
蓋板固定工程では、突合部J5に対して摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、抜け穴の補修を行う抜け穴補修工程を行う。
本接合工程では、図10及び図11に示すように、蓋板3の外面32側から突合部J5に対して摩擦攪拌接合を行う。本接合工程では、図10の(a)に示すように、枠部材2の裏面16において、突合部J5の外側に、摩擦攪拌接合の開始位置SM3を設定する。本接合工程では、開始位置SM3に、右回転させた本接合用回転ツールGを挿入して、突合部J5に向けて本接合用回転ツールGを移動させた後、図10の(b)に示すように突合部J5に沿って移動させる。本接合工程では、図11に示すように、本接合用回転ツールGの軸心と裏面16に現れる突合部J5とが重なるように突合部J5に沿って移動させる。
本接合工程によって、突合部J5に沿って塑性化領域W5が形成される。本接合用回転ツールGを突合部J5に沿って一周させたら、摩擦攪拌の一週目の始端部51(図10の(a)参照)に沿ってさらに本接合用回転ツールGを移動させた後、図10の(b)に示すように、枠部材2の裏面16において、突合部J5の外側に設定された終了位置EM3で本接合用回転ツールGを離脱させる。
ここで、摩擦攪拌接合によって形成された塑性化領域のうち、シアー側(被接合部に対する回転ツールの外周の相対速さが、回転ツールの外周における接線速度の大きさに移動速度の大きさを加算した値となる側)は、メタルが強く攪拌されて高温軟化し、バリとなって排出され易いと考えられる。このため、シアー側はメタルが不足するので、トンネル状の空洞欠陥が形成される可能性がある。本接合工程では、本接合用回転ツールGを右回転させつつ、蓋板3を進行方向右側に位置した状態で、即ち、枠部材2の開口に対して右回りに移動させている。したがって、仮に空洞欠陥が発生したとしても枠部材2の中空部から離間した位置に形成される。
ちなみに、本接合用回転ツールGを左回転させる場合は、枠部材2の開口に対して左回りに移動させることが好ましい。
抜け穴補修工程では、終了位置EM3に残存する抜け穴(図示省略)を塞ぐ補修を行う。抜け穴補修工程は、前記した形態と同等であるため、詳細な説明は省略する。
なお、枠部材2の外周面13に当接するタブ材を用いて、当該タブ材に摩擦攪拌の開始位置及び終了位置を設定し、抜け穴が枠部材2に残存しないようにしてもよい。
また、図11を参照するように、本接合工程では、蓋板3の内面31と、段部底面41とが突き合わされた部分(重ね合わせ部分)に本接合用回転ツールGの軸心が位置するようにして摩擦攪拌接合を行ってもよい。また、本接合用回転ツールGを用いて本接合工程を行う前に、仮接合用回転ツールFを用いて突合部J5に対して仮接合工程を行ってもよい。
(5)内隅部溶接工程
内隅部溶接工程では、図1の(a)を参照するように、枠部材の内隅部に対して溶接を行う枠部材内隅部溶接工程と、枠部材と蓋板とで構成される内隅部に対して溶接を行う蓋板内隅部溶接工程とを実行する。
枠部材内隅部溶接工程では、枠部材2の内周面12の角部に形成された内隅部に溶接を行う。例えば、図1の(a)を参照するように、金属部材2aの内面12aと金属部材2cの内面12cとで構成された内隅部には、突合部J1が現れる。つまり、当該内隅部には、塑性化領域W1aと塑性化領域W1bの間に未塑性化領域が残存する。枠部材内隅部溶接工程では、未塑性化領域に対してMIG溶接等の肉盛溶接を行って溶接金属Tによって未塑性化領域を密閉する。溶接金属Tは、塑性化領域W1a,W1bに重複するように形成することが好ましい。同様に、突合部J2,J3,J4に係る内隅部に対しても肉盛溶接を行って未塑性化領域を溶接金属Tで覆う。
なお、枠部材内隅部溶接工程は、前記した枠部材形成工程の中で行ってもよい。また、前記した表面接合工程及び裏面接合工程で形成された塑性化領域によって内隅部が密閉されているような場合は枠部材内隅部溶接工程を省略してもよい。
蓋板内隅部溶接工程では、図1の(a)を参照するように、枠部材2の内周面12と蓋板3の内面31とで構成される内隅部に溶接を行う。本実施形態では、MIG溶接等の肉盛溶接を行って当該内隅部を溶接金属Tで覆う。蓋板内隅部溶接工程では、内周面12に沿って全周に亘って溶接を行う。
以上の工程を行うことで、図1の(a)及び(b)に示すように、構造体1が形成される。
以上説明した本実施形態に係る構造体の製造方法によれば、構造体1の内隅部(表面11側)から溶接工程、外側(裏面16側)から蓋板固定工程を行うことで、構造体1の内隅部及び外側で入熱され、蓋板3の外面32側及び内面31側のそれぞれにおいて熱収縮が発生するため、蓋板3の反りを是正することができる。また、内隅部を溶接金属で覆うことにより、構造体1の内側に現れる各突合部を密閉することができるため気密性及び水密性を高めることができる。
また、内隅部溶接工程によれば、構造体1の内隅部に摩擦攪拌接合を施す場合に比べて、比較的容易に作業を行うことができるため、作業効率を高めることができる。また、内隅部溶接工程及び蓋板固定工程は、どちらを先に行ってもよいが、本実施形態のように先に蓋板固定工程を行うことで、仮に枠部材2と蓋板3との内隅部に欠損が形成されたとしても内隅部溶接工程で当該欠損を補修することができる。一方、先に内隅部溶接工程を行えば、枠部材2に蓋板3を仮付けした状態で蓋板固定工程を行うことができる。
また、枠部材形成工程では、枠部材2の外周面13に現れる突合部J1乃至J4に対して外面接合工程を行うとともに、内周面12に現れる突合部J1乃至J4に対して枠部材内隅溶接工程を行うことで、各突合部J1乃至J4を確実に密閉することができる。これにより、構造体1の気密性及び水密性をより高めることができる。また、抜け穴補修工程を行うことで、構造体1に抜け穴が残存するのを防ぐことができる。
[第一変形例]
次に、本発明の第一変形例について説明する。第一変形例では、図12の(a)に示すように、枠部材2の段部底面41の内周縁に切欠き部60を形成する。切欠き部60は、断面視矩形を呈する切り欠きであって、溶接金属が充填される部位である。切欠き部60は、本実施形態では、断面視矩形を呈するが他の形状であってもよい。図12の(b)に示すように、枠部材2に蓋板3を配置することによって、切欠き部60と蓋板3の内面31とで凹溝61が形成される。凹溝61は、内周面12に沿って枠状に形成される。
前記した蓋板内隅部溶接工程では、凹溝61に対して肉盛溶接を行って溶接金属を充填させる。凹溝61から突出した溶接金属は、内周面12と面一になるように切削することが好ましい。第一変形例のように、凹溝61を形成することにより、凹溝61に溶接金属を充填することができるため溶接作業を容易に行うことができる。
[第二変形例]
次に、本発明の第二変形例について説明する。第二変形例では、図13の(a)に示すように、金属部材2cの内面12c,金属部材2dの内面12dの両端に切欠き部70,70をそれぞれ形成する。切欠き部70は、断面視矩形を呈する切り欠きであって、溶接金属が充填される部位である。切欠き部70は、本実施形態では、断面視矩形を呈するが他の形状であってもよい。金属部材2aの内面12aに、金属部材2c,2dの端部を突き合わせることにより、金属部材2aの内面12aと切欠き部70とで凹溝71,71が形成される。同様に、金属部材2bの内面12bに、金属部材2c,2dの端部を突き合わせることにより、金属部材2bの内面12bと切欠き部70とで凹溝71,71が形成される。つまり、枠部材2(被接合金属部材10)の内周面12の四つの内隅部にそれぞれ凹溝71が形成される。
枠部材内隅部溶接工程では、枠部材2の内周面12に形成された四つの凹溝71に対して肉盛溶接を行って、凹溝71に溶接金属Tを充填する。内周面12から突出した溶接金属Tは、内周面12と面一になるように切削することが好ましい。第二変形例のように、凹溝71に溶接金属Tを充填させることができるため溶接作業を容易に行うことができる。
[第三変形例]
次に、本発明の第三変形例について説明する。前記した第一実施形態では、被接合金属部材10(枠部材2)の外周面13に現れる未塑性化領域に対して摩擦攪拌接合による外面接合工程を行ったが、外面接合工程に代えて溶接による外面溶接工程を行ってもよい。
第三変形例に示す外面溶接工程では、図14の(a)及び(b)に示すように、凹溝形成工程と外面溶接工程を行う。凹溝形成工程では、枠部材2の外周面13において、突合部J1及びJ2に沿って裏面16から表面11に連続する凹溝80を形成する。凹溝80は、断面視矩形に形成しているが、他の形状であってもよい。凹溝80は、その両端が少なくとも塑性化領域W1b及び塑性化領域W1aに重複するように形成するのが好ましい。
外面溶接工程では、凹溝80に対して肉盛溶接を行って溶接金属Tを充填させる。枠部材2の表面11、裏面16及び外周面13から突出する溶接金属Tはそれぞれの面と平滑になるように切削するのが好ましい。このように、外周面13においては、摩擦攪拌接合に代えて、溶接を行って未塑性化領域を密閉してもよい。また、凹溝80を形成しつつ、当該凹溝80に溶接金属Tを充填させることで溶接作業を容易に行うことができる。なお、第三変形例においては、凹溝80を形成せずに各突合部に対して直接溶接を行ってもよい。
以上本発明の実施形態について説明したが本発明の趣旨に反しない範囲において適宜変更が可能である。例えば、本実施形態では、金属部材2a乃至2dを突き合わせて摩擦攪拌接合によって枠部材2を形成したが、枠部材2の製造方法を限定するものではない。例えば、枠部材2を鋳造により形成してもよい。また、本実施形態では、構造体1の外形及び開口が平面視矩形を呈するように形成したが、円、楕円、他の多角形状であってもよい。
1 構造体
2 枠部材
2a 金属部材
2b 金属部材
2c 金属部材
2d 金属部材
3 蓋板
10 被接合金属部材
40 段部
41 段部底面
42 段部側面
51 始端部
61 凹溝
71 凹溝
80 凹溝
J1 突合部
J2 突合部
J3 突合部
J4 突合部
J5 突合部
F 仮接合用回転ツール
G 本接合用回転ツール

Claims (10)

  1. 枠状を呈する金属製の枠部材に金属製の蓋板を固定して形成された構造体の製造方法であって、
    前記枠部材の裏面側に開口する開口の内周縁に、段部底面とこの段部底面から立ち上がる段部側面とを備えた段部を形成する段部形成工程と、
    前記枠部材の裏面側の開口を覆うように前記段部に前記蓋板を配置する蓋板配置工程と、
    前記段部の段部側面と前記蓋板の側面とを突き合わせて形成された突合部に対して前記枠部材の裏面側及び前記蓋板の外面側から回転ツールを挿入し前記開口周りに前記回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合によって前記枠部材に前記蓋板を固定する蓋板固定工程と、
    前記枠部材の内面と前記蓋板の内面とによって構成される内隅部を溶接金属で覆う内隅部溶接工程と、を含むことを特徴とする構造体の製造方法。
  2. 前記内隅部に対して予め凹溝を形成し、
    前記内隅部溶接工程では、前記凹溝に溶接金属を充填することを特徴とする請求項1に記載の構造体の製造方法。
  3. 前記蓋板固定工程では、前記回転ツールを前記突合部に沿って一周させて塑性化領域を形成した後、一周目の前記塑性化領域の始端部に沿って前記回転ツールを移動させて、塑性化領域の一部を重複させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の構造体の製造方法。
  4. 前記蓋板固定工程では、
    前記回転ツールを前記開口に対して右回りに移動させるときは前記回転ツールを右回転させ、
    前記回転ツールを前記開口に対して左回りに移動させるときは前記回転ツールを左回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  5. 前記蓋板固定工程では、前記回転ツールよりも小型の回転ツールを用いて前記突合部に対して摩擦攪拌接合を行って前記枠部材に前記蓋板を予め仮付けする仮接合工程を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  6. 前記枠部材を摩擦攪拌接合によって形成する枠部材形成工程をさらに含み、
    前記枠部材形成工程では、
    枠状を呈するように複数の金属部材を突き合わせる突合工程と、
    前記突合工程で形成された金属部材同士の突き合わせ部に対して前記金属部材の表面側及び裏面側からそれぞれ回転ツールを挿入して摩擦攪拌接合を行う接合工程と、
    前記金属部材の外周面に現れる前記突き合わせ部に対して前記金属部材の外周面側から回転ツールを挿入して摩擦攪拌接合を行う接合工程と、を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  7. 前記枠部材を摩擦攪拌接合によって形成する枠部材形成工程をさらに含み、
    前記枠部材形成工程では、
    枠状を呈するように複数の金属部材を突き合わせる突合工程と、
    前記突合工程で形成された金属部材同士の突き合わせ部に対して前記金属部材の表面側及び裏面側からそれぞれ回転ツールを挿入して摩擦攪拌接合を行う接合工程と、
    前記金属部材の外周面に現れる前記突き合わせ部を溶接金属で覆う外面溶接工程と、を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  8. 前記外面溶接工程を行う前に、前記金属部材の外周面に現れる前記突き合わせ部に対して予め凹溝を形成し、前記外面溶接工程では、前記凹溝に対して溶接金属を充填することを特徴とする請求項に記載の構造体の製造方法。
  9. 前記枠部材の隣り合う内面同士によって構成される内隅部を溶接金属で覆うことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
  10. 前記枠部材の隣り合う内面同士によって構成される内隅部に対して予め凹溝を形成し、この凹溝に対して溶接金属を充填することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
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