JP5457402B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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本発明は、上方に開口する箱状のバーナ本体の上面に燃焼板が装着され、燃料ガスと一次空気との予混合ガスを燃焼板に形成した多数の炎孔から噴出させて全一次燃焼させる全一次燃焼式バーナと、燃焼板の上方の燃焼空間を囲う燃焼筐とを備える燃焼装置に関する。
従来、この種の燃焼装置として、バーナ本体の上面に、燃焼板で覆われる開口部を囲うフランジ部を設け、このフランジ部上にパッキンを介して燃焼板の下面外縁部を載置し、燃焼板の上面外縁部を押え板で下方に押し付けることにより燃焼板をフランジ部に固定すると共に、フランジ部の外縁から上方にのびる立上り部を設けて、この立上り部で燃焼筐の下部を構成するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記従来例のものでは、バーナ本体と燃焼筐の下部とが一体化されることになる。燃焼筐は、燃焼板から噴出する予混合ガスの燃焼で生ずる燃焼ガスにより高温に加熱されるため、燃焼筐と一体化されたバーナ本体も燃焼筐からの熱伝導でかなり高温になる。ここで、バーナ本体には、ガスマニホールド等の付属品がガスケットを介して取付けられるが、バーナ本体が高温になることでガスケットの熱損を生ずることがある。
かかる不具合を解消するため、バーナ本体の上面のフランジ部を幅広に形成して、燃焼板の外縁よりも外側に張り出すフランジ部の部分に、バーナ本体とは別体の燃焼筐の下端部を固定することが考えられる。この場合、バーナ本体と燃焼筐との間のシール性及び遮熱性を確保するために、燃焼筐の下端部をフランジ部との間に燃焼筐用のパッキンを挟んだ状態でフランジ部に締結することが望まれる。然し、これでは、燃焼板用と燃焼筐用の2個のパッキンが必要になり、コストアップを招く。
実開平7−12713号公報(図1)
本発明は、以上の点に鑑み、バーナ本体とは別体の燃焼筐を、燃焼筐専用のパッキンを用いることなく、バーナ本体上面のフランジ部にシール性及び遮熱性を確保した状態で固定できるようにした低コストの燃焼装置を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、上方に開口する箱状のバーナ本体の上面に燃焼板が装着され、燃料ガスと一次空気との予混合ガスを燃焼板に形成した多数の炎孔から噴出させて全一次燃焼させる全一次燃焼式バーナと、燃焼板の上方の燃焼空間を囲うバーナ本体とは別体の燃焼筐とを備える燃焼装置であって、バーナ本体の上面に、燃焼板で覆われる開口部を囲うフランジ部が設けられ、このフランジ部上にパッキンを介して燃焼板の下面外縁部が載置され、燃焼板の上面外縁部を押え板で下方に押し付けることにより燃焼板がフランジ部に固定されるものにおいて、フランジ部は、燃焼板の下面外縁部がパッキンを介して載置される燃焼板固定部とその外側に張り出す燃焼筐固定部とを有し、パッキンは、燃焼板の下面外縁部に接する内側部分とその外側に張り出す外側部分とを有し、燃焼筐の下端部が、フランジ部の燃焼筐固定部との間にパッキンの外側部分を挟んだ状態で、燃焼筐固定部に締結されることを特徴とする。
本発明によれば、パッキンの内側部分と外側部分とが夫々燃焼板用パッキンと燃焼筐用パッキンとして機能する。そのため、バーナ本体とは別体の燃焼筐を、燃焼筐専用のパッキンを用いることなく、バーナ本体上面のフランジ部にシール性及び遮熱性を確保した状態で固定でき、コストダウンを図ることができる。
また、本発明においては、フランジ部に燃焼板と燃焼筐とを固定した状態で、パッキンの内側部分の圧縮代は、外側部分の圧縮代よりも小さいことが望ましい。これによれば、燃焼装置が搬送中に落下しても、圧縮代の小さなパッキンの内側部分が緩衝材として機能し、燃焼板が落下衝撃で割れることを防止できる。尚、パッキンの内側部分の圧縮代を小さくすることで、燃焼板とフランジ部との間のシール性が十分に確保できなくなる可能性がある。然し、圧縮代を大きくするパッキンの外側部分で燃焼筐とフランジ部との間のシール性が確保されるため、燃焼板とフランジ部との間から予混合ガスが万が一漏れたとしても、この予混合ガスは燃焼筐外に漏れることなく燃焼筐内で燃焼し、問題はない。
また、本発明においては、フランジ部に、燃焼板の外縁に当接する位置決め突起が複数突設され、パッキンに、これら位置決め突起が貫通する複数の位置決め孔が形成されることが望ましい。これによれば、各位置決め突起を各位置決め孔に貫通させることで、パッキンをフランジ部上に簡単に位置決めできると共に、各位置決め突起に燃焼板の外縁を当接させることで、燃焼板をパッキン上で簡単に位置決めでき、組立作業の作業性が向上する。
また、本発明においては、燃焼筐の下端部に、燃焼板用の押え板が一体に形成されることが望ましい。これによれば、部品点数を削減して、一層のコストダウンを図ることができる。
本発明の実施形態の燃焼装置の斜視図。 実施形態の燃焼装置の切断側面図。 図2のIII−III線で切断した切断正面図。 図3のIV−IV線で切断した切断平面図。 実施形態の燃焼装置の分解状態の斜視図。
図1〜図3を参照して、1は全一次燃焼式バーナを示している。このバーナ1は、バーナ本体2の上面に、多数の炎孔3aを形成したセラミックス製の燃焼板3を装着して構成されている。以下、バーナ1の幅方向を横方向、バーナ1の奥行き方向を前後方向として説明する。
バーナ本体2は、ダイキャスト品であって、上方に開口する箱形に形成されている。バーナ本体2の上面には、燃焼板3で覆われる開口部を囲うフランジ部21が設けられている。そして、フランジ部21上に、燃焼板3の下面外縁部をパッキン4を介して載置し、燃焼板3の上面外縁部を押え板5で下方に押し付けることにより、燃焼板3をフランジ部21に固定している。
バーナ本体2内には、燃焼板3の下面に面する分布室22と、分布室22の底壁221下の混合室23とが設けられている。また、混合室23の下側には、バーナ本体2の下面に取付けたケース61で囲われる給気室6が設けられている。給気室6の横方向一端にはファン62が接続されている。
分布室22の底壁221の後部には、分布室22と混合室23とを連通する開口部222が形成されている。また、分布室22は、仕切り板223により上下2つの空間に仕切られている。そして、混合室23から開口部222を介して分布室22の下部空間に流入した予混合ガスが仕切り板223に形成した多数の分布孔223aと分布室22の上部空間とを介して燃焼板3に導かれるようにしている。燃焼板3に導かれた予混合ガスは、炎孔3aから噴出して全一次燃焼する。
混合室23の前面は、バーナ本体2に一体の前壁231で閉塞されている。前壁231には、横方向の間隔を存して複数のノズル孔232が形成されている。また、前壁231の前面には、これらノズル孔232に連通するノズル通路233を前壁231との間に画成する仕切板71を介してガスマニホールド7が取り付けられている。仕切板71には、ガスマニホールド7内のガス通路72とノズル通路233とを連通する開口71aが形成されており、ガスマニホールド7には、開口71aを開閉する電磁弁73が取り付けられている。そして、電磁弁73を開弁させたときに、ノズル通路233に燃料ガスが供給され、各ノズル孔232から燃料ガスが噴射されるようにしている。尚、仕切板71の前後両面には、ガスマニホールド7との間及び前壁231との間のシール性を確保するガスケット74が装着されている。
混合室23の底面は、バーナ本体2とは別体の底板234で閉塞されている。底板234の前端部には、前壁231に通気空間を存して対向し、各ノズル孔232から噴出する燃料ガスが衝突する壁板235が曲成されている。また、混合室23の底面の通気空間に臨む部分には、給気室6に連通する空気導入口236が開設されている。そして、ファン62から給気室6に送風される空気が空気導入口236を介して通気空間に一次空気として供給され、壁板235に衝突して拡散する燃料ガスと一次空気とが混合室23で混合して予混合ガスが生成されるようにしている。
尚、本実施形態では、分布室22及び混合室23をバーナ本体2に一体の仕切り壁24で横方向に3分割し、実質的に3個のバーナを組合わせた構造にしている。また、燃焼板3を、比較的大きな分布室22を覆うものと、比較的小さな2つの分布室22,22を覆うものとに2分割している。更に、ガスマニホールド7に、3分割した混合室23に個々に燃料ガスを供給できるように、3個の電磁弁73を設けている。
また、本実施形態の燃焼装置は、燃焼板3の上方の燃焼空間を囲う燃焼筐8を備えている。燃焼筐8は、下部筺体81とその上端に連結される上部筺体82とで構成されている。下部筺体81の前板部には、ガラスを嵌め込んだ覗き窓83が設けられると共に、燃焼板3上に臨む点火プラグ84と熱電対85とフレームロッド86とが装着されている。また、上部筺体82には、被加熱物たる給湯用や暖房用の熱交換器87が収納されている。
ここで、バーナ本体2のフランジ部21の外縁に上方にのびる立上り部を形成し、この立上り部で下部筺体81を構成することも考えられる。然し、これでは、燃焼板3から噴出する予混合ガスの燃焼で生ずる燃焼ガスにより下部筺体81が高温に加熱されるため、下部筺体81と一体のバーナ本体2も下部筺体81からの熱伝導でかなり高温になる。その結果、上記ガスケット74の熱損を生ずることがある。
そこで、本実施形態では、下部筺体81をバーナ本体2とは別体として、下部筺体81の下端部をバーナ本体2のフランジ部21に固定するようにしている。以下、この点について、図2〜図5を参照して詳述する。尚、図4、図5では、燃焼板3の炎孔3aを省略している。
フランジ部21は、燃焼板3の下面外縁部がパッキン4を介して載置される燃焼板固定部211と、その外側に張り出す燃焼筐固定部212とを有し、燃焼板固定部211の上面の高さを燃焼筐固定部212の上面高さよりも低くした幅広の段付き形状に形成される。また、パッキン4は、燃焼板3の下面外縁部に接する内側部分41とその外側に張り出す外側部分42とを有し、内側部分41と外側部分42の上下両面が自由状態で夫々面一になる幅広の非段付き形状に形成される。
フランジ部21の燃焼筺固定部212には、複数のねじ孔213が形成されると共に、燃焼板3の外縁に当接する複数の位置決め突起214が突設されている。そして、パッキン4の外側部分42に、ねじ孔213に対応する複数の透孔43を形成すると共に、位置決め突起214が貫通する複数の位置決め孔44を形成している。また、フランジ部21の上面のねじ孔213の形成箇所には、上方に突出する筒状凸部213aが形成され、この凸部213aがパッキン4の透孔43に挿入されるようにしている。尚、凸部213aの突出高さは、パッキン4の自由状態での厚さよりも小さい。
下部筺体81の下端には、内曲げフランジ811が形成されている。そして、この内曲げフランジ811に、ねじ孔213に対応する複数の固定孔を形成すると共に、燃焼板用の押え板5を一体に形成している。尚、押え板5は、内曲げフランジ811の内縁から燃焼板3の板厚分だけ上方にのびる立上り部51と、立上り部51の上端から内方に屈曲する屈曲部52とを有しており、屈曲部52が燃焼板3の上面外縁部に当接する。また、下部筺体81の後板部の内側と横方向両側の側板部の内側とに位置する遮熱板88を設け、この遮熱板88の下端の内曲げフランジ881に、ねじ孔213に対応する複数の固定孔を形成している。
バーナ本体2に対する燃焼板3と下部筺体81の組付けに際しては、先ず、バーナ本体2のフランジ部21上にパッキン4をセットする。この際、各位置決め突起214を各位置決め孔44に貫通させることで、パッキン4をフランジ部21上に簡単に位置決めできる。次に、パッキン4上に燃焼板3をセットする。この際、燃焼板3の外縁を位置決め突起214に当接させることで、燃焼板3をその下面外縁部がパッキン4の内側部分41に着座するように簡単に位置決めできる。
次に、下部筺体81をその内曲げフランジ811がパッキン4の外側部分42に着座するようにセットし、更に、遮熱板88をその内曲げフランジ881が下部筺体81の内曲げフランジ811に着座するようにセットする。最後に、下部筺体81用の固定ねじ812を、下部筺体81及び遮熱板88の内曲げフランジ811,881に形成した固定孔を通してフランジ部21に形成したねじ孔213に螺入し、下部筺体81の内曲げフランジ811がねじ孔213の上端の凸部213aに当接するまで締め込む。
これによれば、下部筺体81の内曲げフランジ811が、フランジ部21の燃焼筐固定部212との間にパッキン4の外側部分42を挟んだ状態で、燃焼筐固定部212に締結される。更に、下部筺体81の内曲げフランジ811に一体の押え板5により燃焼板3の上面外縁部が下方に押し付けられ、燃焼板3が、フランジ部21の燃焼板固定部211との間にパッキン4の内側部分41を挟んだ状態で、燃焼板固定部211に固定される。従って、パッキン4の内側部分41と外側部分42とが夫々燃焼板用パッキンと燃焼筐用パッキンとして機能することになる。その結果、バーナ本体2とは別体の下部筺体81を、燃焼筐専用のパッキンを用いることなく、フランジ部21にシール性を確保した状態で固定でき、コストダウンを図ることができる。また、パッキン4の外側部分42は、高温になる下部筺体81からバーナ本体2への熱伝導を抑制する遮熱部材としても機能し、上記ガスケット74の熱損を確実に防止できる。
また、フランジ部21に燃焼板3と下部筺体81とを固定した状態で、パッキン4の外側部分42の圧縮代は、パッキン4の自由状態での厚さと凸部213aの突出高さとの差に等しくなる。ここで、本実施形態では、フランジ部21の燃焼板固定部211の上面高さが燃焼筐固定部212の上面高さより低いため、パッキン4の内側部分41の圧縮代は外側部分42の圧縮代よりも小さくなる。これによれば、燃焼装置が搬送中に落下しても、圧縮代の小さなパッキン4の内側部分41が緩衝材として機能し、燃焼板3が落下衝撃で割れることを防止できる。
尚、パッキン4の内側部分41の圧縮代を小さくすることで、燃焼板3とフランジ部21との間のシール性が十分に確保できなくなる可能性がある。然し、圧縮代を大きくするパッキン4の外側部分42で燃焼筐8とフランジ部21との間のシール性が確保される。そのため、燃焼板3とフランジ部21との間から予混合ガスが万が一漏れたとしても、この予混合ガスは燃焼筐8外に漏れることなく燃焼筐8内で燃焼し、安全上問題はない。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、フランジ部21の燃焼板固定部211の上面高さを燃焼筐固定部212の上面高さと同一とし、押え板5の上端の屈曲部52の高さを上記実施形態よりも高くして、パッキン4の内側部分41の圧縮代を外側部分42の圧縮代より小さくすることも可能である。
また、上記実施形態では、下部筺体81の内曲げフランジ811に押え板5を一体に形成しているが、下部筺体81とは別体の押え板5を下部筺体81の内曲げフランジ811と共にフランジ部21に共締めすることも可能である。然し、これでは、部品点数が増すため、部品点数を削減してコストダウンを図るには上記実施形態の方が有利である。また、上記実施形態では、燃焼筐8を下部筺体81と上部筺体82との2部材で構成しているが、下部筺体81と上部筺体82とを一体化することも可能である。
また、本発明では、バーナ本体2の上面に燃焼板3を装着して、燃焼板3の上方の燃焼空間を囲うように燃焼筐8を設けているが、上下方向は燃焼装置の使用時の方向を規定するものではなく、上下逆転させた姿勢、即ち、燃焼板3を下向きとして、その下方の燃焼空間を燃焼筐8で囲う姿勢で使用する燃焼装置も本発明の燃焼装置に含まれる。
1…全一次燃焼式バーナ、2…バーナ本体、21…フランジ部、211…燃焼板固定部、212…燃焼筐固定部、214…位置決め突起、3…燃焼板、3a…炎孔、4…パッキン、41…内側部分、42…外側部分、44…位置決め孔、5…押え板、8…燃焼筐、81…下部筺体、811…内曲げフランジ(燃焼筐の下端部)。









Claims (3)

  1. 上方に開口する箱状のバーナ本体の上面に燃焼板が装着され、燃料ガスと一次空気との予混合ガスを燃焼板に形成した多数の炎孔から噴出させて全一次燃焼させる全一次燃焼式バーナと、燃焼板の上方の燃焼空間を囲うバーナ本体とは別体の燃焼筐とを備える燃焼装置であって、
    バーナ本体の上面に、燃焼板で覆われる開口部を囲うフランジ部が設けられ、このフランジ部上にパッキンを介して燃焼板の下面外縁部が載置され、燃焼板の上面外縁部を押え板で下方に押し付けることにより燃焼板がフランジ部に固定されるものにおいて、
    フランジ部は、燃焼板の下面外縁部がパッキンを介して載置される燃焼板固定部とその外側に張り出す燃焼筐固定部とを有し、
    パッキンは、燃焼板の下面外縁部に接する内側部分とその外側に張り出す外側部分とを有し、
    燃焼筐の下端部が、フランジ部の燃焼筐固定部との間にパッキンの外側部分を挟んだ状態で、燃焼筐固定部に締結され
    フランジ部に燃焼板と燃焼筐とを固定した状態で、パッキンの内側部分の圧縮代は、外側部分の圧縮代よりも小さいことを特徴とする燃焼装置。
  2. 前記フランジ部に、前記燃焼板の外縁に当接する位置決め突起が複数突設され、前記パッキンに、これら位置決め突起が貫通する複数の位置決め孔が形成されることを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
  3. 前記燃焼筐の下端部に、前記押え板が一体に形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の燃焼装置。
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