JP5457266B2 - 光ドロップケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、配線系ケーブルからビルや一般住宅などの加入者宅内へ引き込み配線するために使用される光ドロップケーブルに係り、特に、耐蝉害特性に優れた被覆を備えた光ドロップケーブルに関する。
インターネットなどの通信サービスの普及に伴い、通信事業者から加入者宅までの全区間を光ファイバで結ぶFTTH(Fiber To The Home)が急速に拡大してきている。このようなFTTHにおいて、加入者宅近傍の光配線網は、電柱を用いた架空配線が一般的であり、電柱に架渉した配線ケーブルから光ドロップケーブルを用いて加入者宅に引き落とす方式が主に採用されている。
この光ドロップケーブルは、一般に、光ファイバ心線を挟んでその上下に抗張力体を配置し、さらにその上に支持線を配置し、これらの外周にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を一括押出被覆して外被を設けた構造を有する。このケーブルの支持線と抗張力体の間には、ケーブル部の支持線部からの分離を容易にするため、連結部(首部)が設けられ、また、ケーブル部の外被の両側面には、光ファイバ心線の取出しを容易にするため、引き裂き用ノッチが設けられている。
ところで、近時、上記光ドロップケーブルにおいては、セミによる被害が数多く報告されるようになり、その対策が緊急の課題となっている。被害は、主としてクマゼミによるもので、クマゼミが光ドロップケーブルに産卵管を突き刺して光ファイバを損傷させる結果、情報伝達に支障を生じさせているというものである。
そこで、クマゼミの産卵管による光ファイバの被害を防止するため、例えば、外被内に光ファイバ心線を保護する保護部材を埋設したり、引き裂き用ノッチの先端を光ファイバ心線の位置からずらし、万一、ノッチにクマゼミの産卵管が突き刺さっても光ファイバ心線を損傷させないようにするなど、ケーブル構造自体に様々な対策を施したものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。後者は、クマゼミの産卵管が引き裂き用ノッチに突き刺さりやすく、ノッチ先端の延長線上に光ファイバ心線が存在すると光ファイバが損傷するおそれが高いことから、ノッチ先端の位置をずらしてその危険性を低下させようとするものである。また、外被を、例えば特定の反発弾性率および耐摩耗性を有する樹脂で形成するなど、構造自体は変えず、外被材料を変えることにより防蝉性を付与したものも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、保護部材を埋設したものでは、光ファイバ心線の取り出し性が低下するうえ、部品数が多くなるため製造コストが高くなるおそれがある。また、ノッチの先端の位置をずらしたものは、クマゼミの産卵管による被害を防止する効果が必ずしも十分ではない。さらに、外被材料に特定の樹脂を用いたものも、防蝉効果と、機械的強度などの光ドロップケーブルに要求されるその他の特性を両立させる観点からは、十分に満足できるものではなかった。
特開2007−72380号公報 特開2008−203797号公報 特開2009−271538号公報
本発明は上記従来技術の課題に対処してなされたもので、構造が簡単で、部品数を増加させる必要がなく、しかも、優れた防蝉効果を有するとともに、機械的強度などの光ドロップケーブルに要求されるその他の特性も良好な光ドロップケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明の光ドロップケーブルは、光ファイバ心線と、この光ファイバ心線に間隔をおいて並行配置された抗張力体と、これらを一括被覆する外被とを備えた光ドロップケーブルであって、
前記外被は、(A)直鎖状低密度ポリエチレン40〜60質量%、(B)超高分子量ポリエチレン20〜40質量%、(C)接着性ポリマー10〜20質量%、および(D)エチレン・酢酸ビニル共重合体2〜8質量%からなるベース樹脂100質量部に対し、(E)水酸化マグネシウム40〜50質量部、および(F)赤燐系難燃剤5〜15質量部を含有する組成物により形成され、かつ引張強さが15MPa以上、伸びが300%以上であることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明の光ドロップケーブルは、請求項1記載の光ドロップケーブルにおいて、前記(B)成分は、0.960〜0.970g/cmの密度(ASTM D 1505)を有する超高分子量ポリエチレンであることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の光ドロップケーブルにおいて前記(F)成分は、10〜15μmの平均粒径(JIS R 1629)を有する赤燐系難燃剤であることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明の光ドロップケーブルは、光ファイバ心線と、この光ファイバ心線に間隔をおいて並行配置された抗張力体と、これらを一括被覆する外被とを備えたケーブル部と、前記ケーブル部を支持する支持線を備えた支持線部とを有する光ドロップケーブルであって、前記外被は、(A)直鎖状低密度ポリエチレン40〜60質量%、(B)超高分子量ポリエチレン20〜40質量%、(C)接着性ポリマー10〜20質量%、および(D)エチレン・酢酸ビニル共重合体2〜8質量%からなるベース樹脂100質量部に対し、(E)水酸化マグネシウム40〜50質量部、および(F)赤燐系難燃剤5〜15質量部を含有する組成物により形成され、かつ引張強さが15MPa以上、伸びが300%以上であることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項記載の光ドロップケーブルにおいて、防蝉用光ドロップケーブルであることを特徴とするものである。
本発明によれば、構造が簡単で、部品数を増加させる必要がなく、しかも、優れた防蝉効果を有するとともに、機械的強度などの光ドロップケーブルに要求されるその他の特性も良好な光ドロップケーブルが得られる。
本発明の一実施形態に係る光ドロップケーブルを示す断面図である。 本発明の光ドロップケーブルの一変形例を示す断面図である。 本発明の光ドロップケーブルの他の変形例を示す断面図である。 本発明の光ドロップケーブルの他の変形例を示す断面図である。 本発明の光ドロップケーブルの他の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、説明は図面に基づいて行うが、それらの図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。また、以下の説明において、同一もしくは略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の光ドロップケーブルの一実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の光ドロップケーブル101は、電柱間に架設した配線ケーブルからビルや一般住宅などの加入者宅内へ引き込み配線するために使用されるケーブルである。この光ドロップケーブル101は、ケーブル部10と支持線部20とこれらを連結する連結部30とから構成されている。
ケーブル部10は、1本の単心光ファイバ心線11と、この単心光ファイバ心線11の上方および下方にこれらの各中心がほぼ同一平面上に位置するように間隔をおいて並行に配置された鋼線、FRP(繊維強化プラスチック)などからなる抗張力体12a、12b(以下、単心光ファイバ心線11上方の抗張力体12aを第1の抗張力体、単心光ファイバ心線11下方の抗張力体12bを第2の抗張力体と称する。)と、これらの外側に一括して押出被覆された外被13とを備えている。
外被13は断面が略矩形状に形成され、その表面、光ファイバ心線11の左右両側の表面には、ケーブル端末処理などの際に光ファイバ心線11を取り出しやすくするため、一対の引き裂き用ノッチ14a、14bが設けられている。
一方、支持線部20は、鋼線などからなる支持線21と、その外周にケーブル部10の外被13および連結部30と一体に押出被覆された被覆22とから構成されている。被覆22は断面が円形状に形成されている。
そして、本実施形態においては、ケーブル部10の外被13、支持線部20の被覆22および連結部30が、(A)直鎖状低密度ポリエチレン40〜60質量%、(B)超高分子量ポリエチレン20〜40質量%、(C)接着性ポリマー10〜20質量%、および(D)エチレン・酢酸ビニル共重合体2〜8質量%からなるベース樹脂100質量部に対し、(E)水酸化マグネシウム40〜50質量部、および(F)赤燐系難燃剤5〜15質量部を含有する組成物により形成されている。
(A)成分の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、α−オレフィン(プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテンなど)をコモノマーとして直鎖状ポリマーに短鎖分岐を導入した、JIS K 7112に準拠して測定される密度が0.910〜0.925g/cmのポリエチレンである。具体的には、例えば密度(JIS K 7112)が0.917g/cm、メルトフローレート(MFR)(JIS K 7210;190℃、荷重2.16kg)が1.3g/10minのモアテック0138N((株)プライムポリマー製 商品名)などが使用される。(A)成分の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)成分の超高分子量ポリエチレンとしては、ASTM D 1505に準拠して測定される密度が0.960〜0.970g/cmの超高分子量高密度ポリエチレン(UMWHDPE)が適している。具体的には、例えば密度(ASTM D 1505)が0.967g/cmのリュブマーL4000、密度(ASTM D 1505)が0.969g/cmのリュブマーL3000、密度(ASTM D 1505)が0.966g/cmのリュブマーL5000(以上、いずれも三井化学(株)製 商品名)などが使用される。(B)成分の超高分子量ポリエチレンは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(C)成分の接着性ポリマーは、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性したもの、すなわち、ポリオレフィンに、例えばグラフト反応により不飽和カルボン酸またはその誘導体を導入したものである。ポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどのポリエチレンの他、エチレンに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどのビニルエステルを共重合させたエチレン・ビニルエステル共重合体;エチレンに、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸‐2‐エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルを共重合させたエチレン・アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
また、変性に用いられる不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、クロコン酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、前記不飽和カルボン酸のエステル、無水物、金属塩、アミド、イミドなどが挙げられる。不飽和カルボン酸の誘導体の具体例としては、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
(C)成分の接着性ポリマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。(C)成分の接着性ポリマーとしては、なかでも、ポリエチレンを不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性したものが好ましく、ポリエチレンをマレイン酸またはその誘導体で変性したものがより好ましい。ポリエチレンに無水マレイン酸を1〜10質量%程度、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物の存在下にグラフト重合させて得られる無水マレイン酸変性ポリエチレンは、(C)成分の接着性ポリマーとして特に好適である。このような無水マレイン酸変性ポリエチレンの市販品を具体的に例示すると、例えばアドテックスL6101M(日本ポリエチレン(株)製 商品名)が挙げられる。
(D)成分のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)としては、特に、MFR(JIS K 7210;190℃、荷重2.16kg)0.5〜30g/10min、密度(JIS K 7112)0.940〜0.970g/cm、VA含有量(JIS K 7192)25〜40質量%のものが好ましい。このようなエチレン・酢酸ビニル共重合体の市販品を具体的に例示すると、例えばエバフレックスEV180(三井・デュポンポリケミカル(株)製 商品名;VA含有量(JIS K 7192)約35質量%)が挙げられる。(D)成分のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
組成物のベース樹脂を構成する上記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の配合割合は、(A)成分の直鎖状低密度ポリエチレンが40〜60質量%、好ましくは45〜55質量%、(B)成分の超高分子量ポリエチレンが20〜40質量%、好ましくは25〜35質量%、(C)成分の接着性ポリマーが10〜20質量%、好ましくは12〜18質量%、(D)成分のエチレン・酢酸ビニル共重合体が2〜8質量%、好ましくは3〜7質量%である。(A)成分の直鎖状低密度ポリエチレンの割合が40質量%未満では、引張伸びが低下し、60質量%を超えると、機械的特性、特に引張強さおよび引張伸びが低下する。また、(B)成分の超高分子量ポリエチレンの割合が20質量%未満では、防蝉効果が低下し、40質量%を超えると、引張伸びが低下する。また、(C)成分の接着性ポリマーの割合が10質量%未満では、引張伸びが低下し、20質量%を超えると、引張強さが低下する。また、(D)成分のエチレン・酢酸ビニル共重合体の割合が2質量%未満では、耐寒性が低下し、8質量%を超えると、引張強さが低下する。
また、(E)成分の水酸化マグネシウムとしては、均一分散の観点から、特に、平均粒径(JIS R 1629)が1.0〜1.5μmのものが好ましい。この水酸化マグネシウムは、ステアリン酸などの高級脂肪酸やステアリン酸などの高級脂肪酸やシランカップリング剤によって表面処理が施されたものであってもよい。このような表面処理された水酸化マグネシウムを使用することにより、ベース樹脂と混練する際の分散性を高めることができる。(E)成分の水酸化マグネシウムとして使用される好ましい市販品としては、ステアリン酸で表面処理された平均粒径(JIS R 1629)が1.3μmのマグシーズN−6、ステアリン酸で表面処理された平均粒径(JIS R 1629)が1.1μmのマグシーズN−4(以上、いずれも神島化学工業(株)製 商品名)などが挙げられる。
(E)成分の水酸化マグネシウムの配合量は、前述したベース樹脂の構成成分である(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の合計量100質量部に対して40〜50質量部であり、好ましくは45〜50質量部である。配合量が40質量部未満では、難燃性が不十分となる。また、50質量部を超えると、機械的特性および耐寒性が低下する。
また、(F)成分の赤燐系難燃剤としては、均一分散の観点から、特に、平均粒径(JIS R 1629)が10〜15μmのものが好ましい。具体的には、ノーバレッド120UF、ノーバレッド120UFA、ノーバレッド280A、ノーバクエルW100(以上、いずれも燐化学工業(株)製 商品名)などが使用される。
この(F)成分の赤燐系難燃剤の配合量は、前述したベース樹脂の構成成分である(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の合計量100質量部に対して5〜15質量部であり、好ましくは8〜13質量部である。配合量が5質量部未満では難燃性が低下し、逆に15質量部を超えると、機械的特性が低下する。
組成物には、以上の各成分のほか、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、滑剤、着色剤、安定剤などの添加剤を配合することができる。例えば、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、例えばアデカスタブAO−60((株)ADEKA製 商品名)をベース樹脂100質量部に対し1〜3質量部配合することができる。
組成物は、上記各成分をバンバリーミキサー、タンブラー、加圧ニーダ、混練押出機、ミキシングローラなどの通常の混練機を用いて均一に混合(ドライブレンド)または混練することにより容易に調製することができる。そして、このように得られた組成物を、図1に示すように並列させた単心光ファイバ心線11、2本の抗張力体12a、12bおよび支持線21の外周に一括押出被覆することにより、ケーブル部10の外被13、支持線部20の被覆22および連結部30を形成することができる。
なお、組成物は、JIS K 7215に基づいて測定されるショアD硬度(以下、単にショアD硬度という)が50以上であることが好ましい。ショアD硬度が50未満であると、クマゼミなどの産卵管による被害を防止する効果が低下する。ショアD硬度は、55以上65以下であることがより好ましい。
本実施形態の光ドロップケーブル101において、単心光ファイバ心線11は、特に限定されるものではなく、光ファイバの外周にシリコーン樹脂や紫外線硬化型樹脂などを被覆したもの、その外周にさらにナイロン樹脂や着色剤配合の熱可塑性エラストマ、例えばポリブチレンナフタレート系熱可塑性エラストマやポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマなどを被覆したものなどが使用される。
また、第1および第2の抗張力体12a、12bを構成する材料としては、鋼線やFRPの他、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維などのアラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル系繊維、ナイロン繊維、これらの繊維をポリエステル−アクリレート樹脂などで収束し結着させた複合材などが挙げられる。
本実施形態の光ドロップケーブル101においては、外被13が上記したような特定の組成物で形成されているので、高い防蝉効果を有している。すなわち、万一、クマゼミなどの産卵管が第1および第2のノッチ14a、14bに挿入されることがあっても、その先端が外被13内部に深く突き刺さることはなく、光ファイバの損傷が防止される。
しかも、外被13は、機械的強度(引張強さ、伸びなど)をはじめ、可撓性、耐摩耗性、難燃性などの特性にも優れており、したがって、光ドロップケーブル101は、高い防蝉効果のみならず、この種の光ドロップケーブルに要求される特性も備えている。なお、外被13は、JIS C 3005に準拠して測定される引張強さが15MPa以上、同伸びが300%以上であることが好ましい。
また、本実施形態の光ドロップケーブル101においては、光ファイバ心線11を保護する保護部材などの新たな部材を必要とすることもないため、製品価格の上昇を招くこともない。
本発明は以上説明した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、図2に示す光ドロップケーブル102のように、図1に示す光ドロップケーブル101のケーブル部10のみで構成されていてもよい。
また、図1に示す光ドロップケーブル101では、外被13内に1本の単心光ファイバ心線11が埋設されているが、例えば図3に示す光ドロップケーブル103のように、複数本(図3の例では2本)の単心光ファイバテープ心線11が埋設されていてもよい。さらに、図4および図5に例示する光ドロップケーブル104、105のように、単心光ファイバ心線11に代えて、複数本の光ファイバ素線を並列させ、その外周に一括被覆を施した光ファイバテープ心線15が1枚または複数枚(図4の例では1枚、図5の例では2枚)埋設された構造であってもよい。この場合、光ファイバテープ心線15の配置方法は特に限定されるものではない。
また、抗張力体12a、12bの数や引き裂き用ノッチ14a、14bの形状や数などについても特に限定されるものではない。
これらの各光ドロップケーブル102〜105などにおいても、外被13が、高い耐蝉害性を有するとともに、機械的強度、可撓性、耐摩耗性、難燃性などにも優れる組成物により形成されているので、光ドロップケーブル101と同様、優れた防蝉効果を有するとともに、この種の光ドロップケーブルに要求されるその他の特性も備えている。
次に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜13、比較例1〜14
直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製 商品名 モアテック0138N)、超高分子量高密度ポリエチレン(三井化学(株)製 商品名 リュブマーL4000)、接着性ポリマーとして無水マレイン酸変性ポリエチレン(MAHPE)(日本ポリエチレン(株)製 商品名 アドテックスL6101M)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製 商品名 エバフレックスEV180)、低密度ポリエチレン、水酸化マグネシウム(神島化学工業(株)製 商品名 マグシーズN−6)、赤燐系難燃剤(燐化学工業(株)製 商品名 ノーバレッド120UF)、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤((株)ADEKA製 商品名 アデカスタブAO−60)、着色剤としてカーボンブラック(東海カーボン(株)製 商品名 カーボンシーストG116)、加工助剤として脂肪酸アミド(日本油脂(株)製 商品名 アルフローP−10)、および滑剤としてステアリン酸系滑剤(川研ファインケミカル(株)製 商品名 LE−5)を用い、表1乃至表4に示す配合で各成分を均一に混練して樹脂組成物を得た。
次いで、得られた樹脂組成物を用いて、図1に示す構造の光ドロップケーブルを製造した。まず、外径250μmの単心光ファイバテープ心線11と、2本の外径0.5mmのアラミドFRP(アラミド繊維強化プラスチック)からなる抗張力体12a、12bと、外径1.2mmの亜鉛めっき単鋼線からなる支持線21とを、図1に示すように並列させた状態で押出し機に導入し、その外周に上記樹脂組成物を一括押出被覆して、表面に引き裂き用ノッチ14a、14bを有する外被13を形成し、幅約2.0mm、高さ約5.8mmの光ドロップケーブルを製造した。
上記各実施例および各比較例で得られた光ドロップケーブルについて、下記に示す方法で各種特性を評価した。なお、機械的特性(引張強さ、伸びおよび硬さ(ショアD))は、ケーブルの製造とは別に各実施例および各比較例で得られた樹脂組成物をプレス機にて180℃×10分間、圧力20MPaの条件で加熱加圧成型して試験用シートを作製して測定した。
[引張強さおよび伸び]
JIS K 6251に準拠して測定した。
[硬さ(ショアD)]
JIS K 6253のタイプDデュロメータにより測定した。
[酸素指数]
JIS K 7201−2に準拠して測定した。
[脆化温度(クラック発生温度)]
JIS C 3005脆化試験に準拠して測定した。
[耐蝉害性]
クマゼミが出現する期間に光ドロップケーブルを屋外に30日間に亘って布設し、クマゼミの産卵管の侵入により生じた光ファイバの断線がないものを合格、断線があるものを不合格とした。
[難燃性]
JIS C 3521に規定される垂直トレイ燃焼試験を行い、着火後、上端(1800mm)まで燃焼せず自己消火した場合を合格、自己消火しなかった場合を不合格と判定した。
これらの結果を表1乃至表4の下欄に示す。
Figure 0005457266
Figure 0005457266
Figure 0005457266
Figure 0005457266
表1乃至表4から明らかなように、実施例では、外被はいずれも良好な機械的特性(引張強さ15MPa以上、伸び300%以上)、硬さを有していることが確認された。また、実施例の光ドロップケーブルは、耐蝉害性に著しく優れ、また、難燃性も良好であった。これに対し、比較例の光ドロップケーブルでは、機械的強度、耐寒性、耐蝉害性および難燃性のいずれかが劣っていた。
10…ケーブル部、11…単心光ファイバ心線、12a、12b…抗張力体(第1および第2の抗張力体)、13…外被、14a、14b…引き裂き用ノッチ(第1および第2のノッチ)、15…光ファイバテープ心線、20…支持線部、21…支持線、22…被覆、101〜105…光ドロップケーブル。

Claims (5)

  1. 光ファイバ心線と、この光ファイバ心線に間隔をおいて並行配置された抗張力体と、これらを一括被覆する外被とを備えた光ドロップケーブルであって、
    前記外被は、(A)直鎖状低密度ポリエチレン40〜60質量%、(B)超高分子量ポリエチレン20〜40質量%、(C)接着性ポリマー10〜20質量%、および(D)エチレン・酢酸ビニル共重合体2〜8質量%からなるベース樹脂100質量部に対し、(E)水酸化マグネシウム40〜50質量部、および(F)赤燐系難燃剤5〜15質量部を含有する組成物により形成され、かつ引張強さが15MPa以上、伸びが300%以上であることを特徴とする光ドロップケーブル。
  2. 前記(B)成分は、0.960〜0.970g/cmの密度(ASTM D 1505)を有する超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする請求項1記載の光ドロップケーブル。
  3. 前記(F)成分は、10〜15μmの平均粒径(JIS R 1629)を有する赤燐系難燃剤であることを特徴とする請求項1または2記載の光ドロップケーブル。
  4. 光ファイバ心線と、この光ファイバ心線に間隔をおいて並行配置された抗張力体と、これらを一括被覆する外被とを備えたケーブル部と、前記ケーブル部を支持する支持線を備えた支持線部とを有する光ドロップケーブルであって、
    前記外被は、(A)直鎖状低密度ポリエチレン40〜60質量%、(B)超高分子量ポリエチレン20〜40質量%、(C)接着性ポリマー10〜20質量%、および(D)エチレン・酢酸ビニル共重合体2〜8質量%からなるベース樹脂100質量部に対し、(E)水酸化マグネシウム40〜50質量部、および(F)赤燐系難燃剤5〜15質量部を含有する組成物により形成され、かつ引張強さが15MPa以上、伸びが300%以上であることを特徴とする光ドロップケーブル。
  5. 防蝉用光ドロップケーブルであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の光ドロップケーブル。
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