JP5456926B1 - 基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法 - Google Patents

基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通信端末から受信する無線信号とは周波数帯が異なる無線信号から周波数変換されて発生した干渉信号を抑圧することができる基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法を提供する。
【解決手段】所望信号と複数の干渉信号とを含む第1周波数帯の無線信号を受信しているときに、第1周波数帯の干渉信号に周波数変換される前の第2周波数帯の無線信号を受信し、その第2周波数帯の受信信号を周波数変換して第1周波数帯の参照信号を生成する。この参照信号と第1周波数帯の受信信号とに基づいて複数の干渉信号に対応する複数の干渉レプリカ信号を生成する。また、干渉信号を抑圧する処理を行う前の第1の受信信号の強度と干渉信号を抑圧する処理を行った後の第2の受信信号の強度との比較結果に基づいて、前記干渉信号の抑圧処理を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信端末と無線通信可能な基地局、並びに、その基地局を用いることができる干渉装置及び干渉抑圧方法に関するものである。
従来、通信端末から送信された無線信号を受信するときの受信信号に含まれる干渉信号を抑圧することにより、通信端末との間で良好な通信品質を得る基地局が知られている。例えば、既知信号(例えばCDMA方式におけるパイロットシンボル)から干渉レプリカ信号を生成し、生成した干渉レプリカ信号を受信信号から減算する基地局が知られている(例えば、特許文献1参照)。この基地局では、隣接する基地局からの干渉信号や、同じ基地局セル内に存在している受信希望対象以外の通信端末からの干渉信号を抑圧することができる。
上記従来の基地局で抑圧している干渉信号は、隣接する基地局からの干渉信号や同じ基地局セル内に存在している通信端末からの干渉信号のように、通信端末と基地局との無線通信ネットワークで送受信される無線信号である。そのため、前述の既知信号(例えばCDMA方式におけるパイロットシンボル)を用いて干渉信号の抑圧を行うことができると考えられる。しかしながら、基地局で受信する受信信号には、上記無線通信ネットワークで送受信される無線信号以外の予測が難しい他の干渉信号が含まれる場合がある。そこで、本願発明者が、このような他の干渉信号について調べたところ、以下に示すように、放送衛星から送信されている無線放送波に起因した干渉信号が存在することがわかった。図26において、通常、放送衛星90からの無線放送波dRFの周波数帯は11GHz帯であるので、通信端末80から送信された1.5GHz帯の無線信号xMSに干渉することはないと考えられる。ところが、放送衛星90からの放送波dRFをBS受信システム95で受信した受信信号(BS−RF信号)は、基本的にパラボラアンテナ96に搭載されている受信装置97に組み込まれている周波数変換装置(LNB:Low Noise Block Converter)で中間周波数(BS−IF)の信号に変換され(以下、LNBによって中間周波数(BS−IF)に変換された信号を「LNBによるBS−IF信号」という。)、同軸ケーブル98を介して、図示しない放送受信装置に伝送される。また、LNBによるBS−IF信号は、同軸ケーブル98の伝送損失や集合住宅で受信信号を分配するときの分配損失などが考慮され、そのアンテナ96の近くに設けられた増幅装置(ブースタ)99によって増幅される場合がある(以下、ブースタ99で増幅された信号を「ブースタによるBS−IF信号」という。)。LNBによるBS−IF信号やブースタによるBS−IF信号は、上記通信端末80から基地局100に送信される無線信号xMSと同じ1.5GHz帯やその近傍の1.4GHz帯にある。そのため、これらの装置97、99の電波遮蔽(シールド)が不足したり、同軸ケーブル98のコネクタとの接続ミスがあったりすると、周波数変換後の中間周波数の信号xBS−IFが電波として空間に漏洩し、その漏洩した電波が基地局100に受信されて干渉信号となることがわかった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、干渉抑圧効果の低下や干渉増大を引き起こす誤動作を回避しつつ、通信端末から受信する無線信号とは周波数帯が異なる無線信号から周波数変換されて発生した干渉信号を抑圧することができる基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法を提供することである。
本発明に係る基地局は、通信端末と無線通信可能な基地局であって、通信端末から送信された所望信号と該所望信号に干渉する複数の干渉信号とを含む第1周波数帯の無線信号を受信する第1受信手段と、前記所望信号と該所望信号に干渉する複数の干渉信号とを含む第1周波数帯の無線信号を受信しているときに、該第1周波数帯の干渉信号に周波数変換される前の第2周波数帯の無線信号を受信する第2受信手段と、前記第2周波数帯の受信信号を周波数変換して第1周波数帯の参照信号を生成する参照信号生成手段と、前記参照信号と前記第1周波数帯の受信信号とに基づいて、該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を検出し、検出された複数の干渉信号の少なくとも一部に対応する複数の干渉レプリカ信号を生成する干渉レプリカ信号生成手段と、前記複数の干渉信号に対応する複数の干渉レプリカ信号を前記第1周波数帯の受信信号から差し引くことにより該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を抑圧する干渉抑圧手段と、前記干渉信号を抑圧する処理を行う前の第1の受信信号の強度と前記干渉信号を抑圧する処理を行った後の第2の受信信号の強度とを測定する測定手段と、前記第1の受信信号の強度と前記第2の受信信号の強度との比較結果に基づいて、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止する制御手段と、を備える。
また、本発明に係る干渉抑圧装置は、通信端末から送信された所望信号と該所望信号に干渉する干渉信号とを含む第1周波数帯の受信信号から、該干渉信号に対応する干渉レプリカ信号を差し引くことにより、該第1周波数帯の受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧装置であって、前記所望信号と該所望信号に干渉する複数の干渉信号とを含む第1周波数帯の無線信号を受信しているときに、該第1周波数帯の干渉信号に周波数変換される前の第2周波数帯の無線信号を受信する無線受信装置から該第2周波数帯の無線信号が入力され、該第2周波数帯の受信信号を周波数変換して第1周波数帯の参照信号を生成する参照信号生成手段と、前記第1周波数帯の受信信号が入力され、前記参照信号と該第1周波数帯の受信信号とに基づいて、該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を検出し、検出された複数の干渉信号の少なくとも一部に対応する複数の干渉レプリカ信号を生成する干渉レプリカ信号生成手段と、前記複数の干渉信号に対応する複数の干渉レプリカ信号を前記第1周波数帯の受信信号から差し引くことにより該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を抑圧する干渉抑圧手段と、前記干渉信号を抑圧する処理を行う前の第1の受信信号の強度と前記干渉信号を抑圧する処理を行った後の第2の受信信号の強度とを測定する測定手段と、前記第1の受信信号の強度と前記第2の受信信号の強度との比較結果に基づいて、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止する制御手段と、を備える。
また、本発明に係る干渉抑圧方法は、通信端末から送信された所望信号と該所望信号に干渉する干渉信号とを含む第1周波数帯の受信信号から、該干渉信号に対応する干渉レプリカ信号を差し引くことにより、該第1周波数帯の受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧方法であって、前記所望信号と該所望信号に干渉する複数の干渉信号とを含む第1周波数帯の無線信号を受信しているときに、該第1周波数帯の干渉信号に周波数変換される前の第2周波数帯の無線信号を受信するステップと、前記第2周波数帯の受信信号を周波数変換して第1周波数帯の参照信号を生成するステップと、前記参照信号と前記第1周波数帯の受信信号とに基づいて、該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を検出し、検出された複数の干渉信号の少なくとも一部に対応する複数の干渉レプリカ信号を生成するステップと、前記複数の干渉レプリカ信号を前記第1周波数帯の受信信号から差し引くステップと、前記干渉信号を抑圧する処理を行う前の第1の受信信号の強度を測定するステップと、前記干渉信号を抑圧する処理を行った後の第2の受信信号の強度とを測定するステップと、前記第1の受信信号の強度と前記第2の受信信号の強度との比較結果に基づいて、前記干渉信号の抑圧処理を停止するステップと、を含む。
前記基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法それぞれによれば、第1周波数帯の無線信号を受信しているときに第2周波数帯の無線信号を同時に受信し、その第2周波数帯の受信信号を周波数変換して第1周波数帯の参照信号を生成し、生成した参照信号と前記第1周波数帯の受信信号とに基づいて、第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号それぞれに対応する複数の干渉レプリカ信号を生成することができる。この複数の干渉レプリカ信号を第1周波数帯の受信信号から差し引くことにより、第1周波数帯の受信信号に含まれる前記複数の干渉信号を抑圧することができる。
また、前記基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法それぞれによれば、前記干渉信号を抑圧する処理を行う前の第1の受信信号の強度と、前記干渉信号を抑圧する処理を行った後の第2の受信信号の強度との比較結果に基づいて、通信環境変動などに起因した干渉抑圧効果の低下や干渉増大を引き起こす誤動作が発生しているか否かを判断できる。そして、このような誤動作が発生していると判断したとき、前記干渉信号の抑圧処理を停止するので、上記干渉抑圧効果の低下や干渉増大を引き起こす誤動作を回避することができる。
前記基地局において、前記制御手段は、前記第2の受信信号の強度が前記第1の受信信号の強度以上になったとき、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止するように制御してもよい。また、前記干渉抑圧装置において、前記制御手段は、前記第2の受信信号の強度が前記第1の受信信号の強度以上になったとき、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止するように制御してもよい。また、前記干渉抑圧方法において、前記第2の受信信号の強度が前記第1の受信信号の強度以上になったとき、前記干渉信号の抑圧処理を停止してもよい。これらの基地局、干渉抑圧装置及び干渉抑圧方法それぞれによれば、上記干渉抑圧効果の低下や干渉増大を引き起こす誤動作をより確実に回避することができる。
前記基地局において、前記制御手段は、前記第1の受信信号が所定の閾値よりも小さいとき、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止するように制御してもよい。この基地局では、第1の受信信号の低下による干渉抑圧効果の低下や干渉増大を未然に防止できる。
また、前記基地局において、前記干渉レプリカ信号生成手段は、前記参照信号と前記第1周波数帯の受信信号とから算出できる前記干渉レプリカ信号の生成に必要な複数のパラメータそれぞれの値を算出し、前記複数のパラメータの算出値に基づいて前記干渉レプリカ信号を生成してもよい。この基地局では、参照信号と第1周波数帯の受信信号とから算出できる干渉レプリカ信号の生成に必要な複数のパラメータを用いることにより、干渉信号を抑圧するときに必要な干渉レプリカ信号の生成処理が簡易になる。
また、前記基地局において、前記干渉レプリカ信号の生成に用いられるパラメータは、前記干渉信号の周波数オフセット、遅延時間及び振幅であってもよい。この基地局では、干渉レプリカ信号の生成に、前記干渉信号の周波数オフセット、遅延時間及び振幅を用いることにより、干渉レプリカ信号を精度よく生成することができるので、所定のタイミングにおける干渉信号の抑圧処理の精度及び効率化を高めることができる。
また、前記基地局において、前記干渉レプリカ信号生成手段は、前記参照信号について複数組の周波数オフセット、遅延時間及び振幅を設定しながら該参照信号と前記第1周波数帯の受信信号との間の相関値を算出し、前記周波数オフセット、遅延時間及び振幅の複数の組み合わせそれぞれについて算出した相関値と予め設定した閾値とを比較することにより、前記干渉信号の周波数オフセット、遅延時間及び振幅を推定してもよい。この基地局では、参照信号について複数組の周波数オフセット、遅延時間及び振幅を設定しながら参照信号と第1周波数帯の受信信号との間の相関値を算出することにより、干渉信号の周波数オフセット、遅延時間及び振幅を精度よく推定することができる。また、前記相関値と予め設定した閾値と比較して干渉信号の周波数オフセット、遅延時間及び振幅を推定しているので、ノイズの影響を排除することができる。
また、前記基地局において、前記干渉レプリカ信号生成手段は、前記参照信号に前記周波数オフセット及び遅延時間を設定したオフセット参照信号と、前記振幅に相当するウェイトとに基づいて、前記干渉レプリカ信号を生成し、前記第1周波数帯の受信信号と前記干渉レプリカ信号との差分と、前記オフセット参照信号とに基づいて、前記ウェイトの差分を算出し、その差分を用いて該ウェイトを更新してもよい。この基地局では、干渉レプリカ信号を生成するときの処理の負荷を抑制しつつ、干渉レプリカ信号の生成の繰り返しに伴って干渉レプリカ信号の精度を高めていくことができる。
また、前記基地局において、前記パラメータの推定値を記憶する記憶手段を備え、前記干渉レプリカ信号生成手段は、前記記憶手段に記憶されている前記パラメータの値と前記第1周波数帯の参照信号とに基づいて、前記干渉レプリカ信号を生成してもよい。この基地局では、前記パラメータの推定値を再利用して干渉信号の抑圧を行うことができるので、より簡易な処理で干渉信号を抑圧することができる。
また、前記基地局において、前記記憶手段に記憶されている前記パラメータの推定値を所定のタイミングで繰り返し更新する更新手段を備え、前記更新のタイミングは変更可能であってもよい。この基地局では、干渉信号の発生源や伝達経路などの通信環境の変化に応じてパラメータの推定値を更新することができるので、経時における干渉信号の抑圧処理の精度を高めることができる。
また、前記基地局において、前記第1受信手段によって受信された受信信号の経路を、前記干渉抑圧手段による干渉信号の抑圧処理が行われる第1経路と、前記干渉抑圧手段による干渉信号の抑圧処理が行われない第2経路との間で切り替える受信経路切り替え手段を、備えてもよい。この基地局では、干渉抑圧手段が障害等で機能しなくなった場合に、干渉抑圧手段を経由させないで受信信号の処理を行うことができる。
特に、この基地局においては、前記参照信号の強度が閾値以下又は閾値未満になったときに、前記受信信号の経路を前記第1経路から前記第2経路に切り替えるように前記受信経路切り替え手段を制御する制御手段を備えてもよい。この基地局では、参照信号の強度不足に起因して干渉抑圧手段が正常に機能しなくなった場合に、干渉抑圧手段における干渉抑圧の精度低下を防止したり、不適切な干渉抑圧処理が行われるのを未然に防止したりすることができる。
また、前記基地局において、前記第1周波数帯の受信信号は、周波数オフセット、遅延時間及び振幅の少なくとも一つが互いに異なる複数の干渉信号を含むものであってもよい。この基地局では、周波数オフセット、遅延時間及び振幅の少なくとも一つがが互いに異なる複数の干渉信号が第1周波数帯の受信信号に含まれている場合でも、各干渉信号を確実に抑圧することができる。
また、前記基地局において、前記第1受信手段で受信される第1周波数帯の無線信号は、前記通信端末から送信された1.5GHz帯の無線信号であり、前記第2受信手段で受信される第2周波数帯の無線信号は、放送衛星から送信された11GHz帯の無線放送信号であってもよい。この基地局では、通信端末から受信する1.5GHz帯の無線信号とは周波数帯が異なる11GHz帯の無線放送信号から周波数変換された1.5GHz帯又は1.4GHz帯の干渉信号を抑圧することができる。
また、前記基地局において、前記第1受信手段で受信される第1周波数帯の無線信号に含まれる干渉信号は、無線放送信号を中間周波数の信号に変換する周波数変換装置及びその中間周波数の信号を増幅する増幅装置の少なくとも一方の装置から漏洩した漏洩信号であってもよい。この基地局では、無線放送波の受信信号を周波数変換した中間周波数の信号を増幅するブースタから漏洩した周波数変換後の信号による干渉信号を抑圧することができる。
本発明によれば、干渉抑圧効果の低下や干渉増大を引き起こす誤動作を回避しつつ、通信端末から受信する無線信号とは周波数帯が異なる無線信号から周波数変換されて発生した干渉信号を抑圧することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図。 (a)は干渉信号BS−IFが抑圧される前の受信信号xの周波数スペクトルを模式的に示す説明図。(b)は干渉信号BS−IFが抑圧された受信信号(出力信号)zの周波数スペクトルを模式的に示す説明図。 フェイルセーフ制御部を備えた干渉抑圧装置の要部構成の一構成例を示すブロック図。 フェイルセーフ制御部を備えた干渉抑圧装置の要部構成の他の構成例を示すブロック図。 フェイルセーフ制御部を備えた干渉抑圧装置の要部構成の更に他の構成例を示すブロック図。 フェイルセーフ制御部における制御例を示すフローチャート。 干渉抑圧処理部の一構成例を示すブロック図。 干渉抑圧処理部の他の構成例を示すブロック図。 干渉抑圧処理部における干渉抑圧処理の一例を示すブロック図。 (a)及び(b)はそれぞれ、振幅の大きさが閾値以上である複数のBS−IF干渉信号を例示する説明図。 干渉抑圧処理部における他の例に係る干渉抑圧処理の手順を示すフローチャート。 図11の干渉抑圧処理において振幅の大きさ順に並べたBS−IF干渉信号を示す説明図。 干渉抑圧処理部における更に他の干渉抑圧処理例における干渉信号の探索の様子を示す説明図。 干渉抑圧処理部における更に他に干渉抑圧処理例を示すブロック図。 干渉抑圧処理部における更に他の干渉抑圧処理例を示すブロック図。 比較例に係るBS−IF干渉信号のキャンセルの様子を示す説明図。 本実施形態の干渉抑圧処理によるBS−IF干渉信号のキャンセルの様子を示す説明図。 BS−IF干渉信号の逐次推定を行う推定処理部におけるデータ処理の一例を示すブロック図。 BS−IF干渉信号の逐次推定を行う推定処理部におけるデータ処理の他の例を示すブロック図。 本実施形態の干渉抑圧処理部における2段干渉抑圧処理の一例を示すブロック図。 本実施形態の干渉抑圧処理部における他の2段干渉抑圧処理の例を示すブロック図。 本実施形態の干渉抑圧処理部における更に他の2段干渉抑圧処理の例を示すブロック図。 本発明を適用可能な他の実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図。 本発明を適用可能な更に他の実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図。 本発明を適用可能な更に他の実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図。 従来の基地局における課題を説明するための説明図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の一実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図である。図1において、本実施形態に係る基地局10は、本体の基地局装置20と、干渉抑圧装置30と、通信端末としての移動機80から第1周波数帯(1.5GHz帯)の無線信号(電波)を受信する第1受信手段としての基地局アンテナ40と、基地局アンテナ40を送信及び受信に共用するための送受共用器(DUPlexer)50,51と、を備える。干渉抑圧装置30は、干渉抑圧手段としての後述の干渉抑圧処理部300と、干渉抑圧に用いる第2周波数帯(11GHz帯)の衛星放送BSの無線信号(電波)dRF(t)を受信するBS受信システム350と、を備える。
BS受信システム350は、所望信号である移動体通信信号xMSと複数のBSの受信機で発生するそのIF干渉信号(以下、「BS−IF干渉信号」という。)xBS−IFとを含む第1周波数帯(1.5GHz帯)の無線信号xを受信しているときに、その第1周波数帯の干渉信号に周波数変換される前の第2周波数帯(11GHz帯)の無線信号である衛星放送BSの無線信号(電波)dRF(t)を受信する第2受信手段として機能する。更に、BS受信システム350は、第2周波数帯の受信信号dRF(t)を周波数変換して第1周波数帯の参照信号d(t)を生成する参照信号生成手段としても機能する。BS受信システム350としては、例えば、図示のように、アンテナ本体であるパラボラアンテナ(以下「干渉抑圧用BSアンテナ」という。)351と、その干渉抑圧用BSアンテナ351に搭載されているBS−RF受信機352とを備えた、既存のBS受信システムを用いることができる。BS受信システム350のBS−RF受信機352は、第2周波数帯(11GHz帯)の受信信号dRF(t)を周波数変換して第1周波数帯(1.5GHz帯)の信号d(t)を生成するLNB(Low Noise Block Converter)を有する。BS−RF受信機352から出力された信号d(t)は同軸ケーブルを介して干渉抑圧装置30に送られる。以下、BS−RF受信機352で中間周波数BS−IFに周波数変換したBS−IF信号d(t)を、「BS−IF参照信号」または単に「参照信号」と称する。
基地局アンテナ40で受信された第1周波数帯の受信信号x(t)は、送受共用器50を経由して干渉抑圧装置30に送られて処理される。干渉抑圧装置30で処理された受信信号z(t)は、送受共用器51を経由して基地局装置20に送られる。また、基地局アンテナ40及び送受共用器50,51は、移動機80に対して移動体通信の無線信号を送信するときにも使用され、基地局装置20から出力された移動体通信の送信信号は、送受共用器51を経由して迂回経路52に送られた後、送受共用器50を経由して基地局アンテナ40に向けて送られる。
基地局アンテナ40で受信された第1周波数帯(1.5GHz帯)の受信信号xは、図2(a)に例示するように、移動機80から送信された所望信号である移動体通信信号xMSと複数のBS−IF干渉信号xBS−IFとを含む。この複数のBS−IF干渉信号xBS−IFはそれぞれ、家庭、オフィス、各種施設などに設置された衛星放送受信システムの中間周波数の漏れ電波に起因した信号である。衛星放送受信システムは、第2周波数帯(11GHz帯)の衛星放送BSの無線信号を受信するパラボラアンテナ(以下、「BSアンテナ」という。)と、BSアンテナで受信された衛星放送BSの第2周波数帯のBS受信信号dRF(t)を中間周波数に周波数変換するLNBと、周波数変換後の中間周波数の信号を増幅するようにBSアンテナの近くに設けられた増幅器(以下「BSブースタ」という。)とを備える。BSブースタは、第1周波数帯と同じ周波数となるBS−IF信号を増幅する。ここで、BSブースタの電波遮蔽(シールド)が不足したり、BSブースタと同軸ケーブルのコネクタとの接続ミスがあったりすると、BSブースタからBS−IF信号が電波として空間に漏洩する場合がある。各BSブースタから漏洩した電波はそれぞれ異なる伝送経路を経由するため、遅れ時間及び強度が互いに異なる複数の無線信号として基地局アンテナ40に到達する。また、BSアンテナが受信した無線信号(BS−RF信号)を中間周波数の信号(BS−IF信号)に変換する際、中間周波数に変換するための局部発信機の周波数偏差に起因する周波数オフセットを生じる。このように遅れ時間、強度及び周波数が互いに異なる複数の漏れ電波からなる無線信号が、第1周波数帯の受信信号xに含まれるBF−IF干渉信号xBS−IFとして基地局アンテナ40で受信される。
基地局アンテナ40で受信された第1周波数帯の受信信号xは、送受共用器50で増幅された後、干渉抑圧装置30に入力され、干渉抑圧装置30でBS−IF干渉信号xBS−IFが抑圧された受信信号z((図2(b)参照)が基地局装置20に入力される。
干渉抑圧装置30は、基地局アンテナ40で受信された第1周波数帯(1.5GHz帯)の受信信号xに含まれるBF−IF干渉信号xBS−IFを抑圧する処理を行う干渉抑圧処理部300を備える。干渉抑圧処理部300は、複数のBF−IF干渉信号xBS−IFのレプリカ(以下、「干渉レプリカ信号」という。)を第1周波数帯の受信信号xから差し引くことにより第1周波数帯の受信信号xに含まれる各BF−IF干渉信号xBS−IFを抑圧する干渉抑圧手段として機能する。この干渉抑圧処理部300は、受信信号に含まれる干渉信号をキャンセルするように機能するので、「干渉キャンセラ」とも呼ばれる。また、干渉抑圧処理部300は、BS受信システム350で生成した参照信号d(t)と、基地局アンテナ40で受信した第1周波数帯の受信信号x(t)とに基づいて、前記干渉レプリカ信号を生成する干渉レプリカ信号生成手段としても機能する。
なお、図1では、前記第2受信手段及び参照信号生成手段として、干渉抑圧用BSアンテナ351とLNB内蔵のBS−RF受信機352とを有する既存のBS受信システム350を用いた例について示しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、干渉抑圧用BSアンテナ351についてのみ既存のパラボラアンテナを用い、BS−RF受信機及び周波数変換器(LNB)については、高い周波数安定度を有する個別の装置を用いるように構成してもよい。また、干渉抑圧装置30は、既存のパラボラアンテナを含まないで、高い周波数安定度を有する個別の装置として構成したBS−RF受信機及び周波数変換器(LNB)を含むように構成してもよい。
本実施形態に係る基地局において、上記第1周波数帯の受信信号に含まれるBS−IF干渉信号として受信レベルの小さいBS−IF干渉信号だけが存在するような場合、BS−IF干渉信号を誤検出して、干渉抑圧効果が低下したり逆にBS−IF干渉信号を増大したりするおそれがある。
そこで、本実施形態に係る基地局では、干渉抑圧処理部300でBS−IF干渉信号を抑圧する処理を行う前の第1の受信信号(以下、「抑圧処理前信号」という。)の強度と、BS−IF干渉信号を抑圧する処理を行った後の第2の受信信号(以下、「抑圧処理後信号」という。)の強度との比較結果に基づいて、干渉抑圧処理部300の干渉抑圧動作を停止する制御手段としてのフェイルセーフ制御部330を備えている。
図3は、フェイルセーフ制御部330を備えた干渉抑圧装置30の要部構成の一構成例を示すブロック図である。
図3において、干渉抑圧処理部300は、BS−IF干渉信号を検出して干渉レプリカ信号を生成する、干渉抑圧処理部300の本体部分である干渉検出・レプリカ生成部340を備えている。受信信号x(t)は、ダウンコンバータ(DC)311で所定の周波数に周波数変換された後、アナログデジタルコンバータ(ADC)312により時間間隔ΔTでサンプリングされてデジタル信号からなる受信信号x(i)に変換される。また、参照信号d(t)は、ダウンコンバータ(DC)313で所定の周波数に周波数変換された後、アナログデジタルコンバータ(ADC)314により時間間隔ΔTでサンプリングされてデジタル信号からなる参照信号d(i)に変換される。ここで、iはサンプリングの順番を表す自然数である。干渉検出・レプリカ生成部340では、これらのデジタル信号からなる受信信号x(i)及び参照信号d(i)に基づいて、干渉レプリカ信号y(i)が生成される。減算処理部304では、干渉検出・レプリカ生成部340からフェイルセーフ制御部330の信号経路切り換えスイッチ335を介して供給された干渉レプリカ信号y(t)を、処理遅延部319で遅延処理された受信信号x’(i)から差し引く処理を行われ、BF−IF干渉信号が抑圧されたデジタル信号の受信信号z(i)が出力される。この受信信号z(i)は、デジタルアナログコンバータ(DAC)321でアナログ信号に変換された後、アップコンバータ(UC)322で第1周波数帯(1.5GHz帯)の所定周波数に周波数変換されることにより、アナログの出力信号z(t)として出力される。
図3において、フェイルセーフ制御部330は、制御装置(コントローラ)331と、抑圧処理前信号及び抑圧処理後信号それぞれの強度を測定する測定手段としての測定部332、333と、減算処理部334と、信号経路切り換えスイッチ335とを備える。制御装置331は、例えば、所定の制御プログラムが読み込まれて実行されるマイコンなどのコンピュータや、所定の論理回路などで構成された専用の集積回路素子などで構成される。減算処理部334は、干渉検出・レプリカ生成部340から供給された干渉レプリカ信号y(t)を、処理遅延部319で遅延処理された受信信号x’(i)から差し引く処理を行い、抑圧処理後信号として出力する。測定部332は、ADC314から出力された受信信号x(i)の電力を、抑圧処理前信号の電力として測定する。測定部333は、減算処理部334から出力された抑圧処理後信号の電力を測定する。制御装置331は、測定部332で測定された抑圧処理前信号の電力の測定結果と、測定部333で測定された抑圧処理後信号の電力の測定結果とに基づいて、干渉検出・レプリカ生成部340から減算処理部304への干渉レプリカ信号y(i)の供給経路をオン/オフするように制御する。例えば、制御装置331は、測定部333で測定された抑圧処理後信号の電力の測定値が、測定部332で測定された抑圧処理前信号の電力の測定値以上になったとき、信号経路切り換えスイッチ335を制御し、干渉検出・レプリカ生成部340から減算処理部304への干渉レプリカ信号y(i)の供給経路をオフにする。これにより、干渉抑圧処理部300による干渉抑圧動作が停止されるので、上記干渉抑圧効果の低下や干渉増大を引き起こす誤動作を回避することができる。なお、干渉抑圧動作が停止されたときは、処理遅延部319で遅延処理されたアナログの受信信号x’(t)が出力信号として出力される。
図4は、フェイルセーフ制御部330を備えた他の構成例に係る干渉抑圧装置30の要部構成を示すブロック図である。なお、前述の図3の構成と同様な部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
図4の干渉抑圧装置30では、干渉検出・レプリカ生成部340から出力されたデジタル信号の干渉レプリカ信号y(i)を、デジタルアナログコンバータ(DAC)321でアナログ信号に変換した後、アップコンバータ(UC)322で第1周波数帯(1.5GHz帯)の所定周波数に周波数変換している。このアナログ信号からなる干渉レプリカ信号y(t)を、干渉抑圧処理部300の減算処理部304に供給するとともに、フェイルセーフ制御部330の信号経路切り換えスイッチ335を介して減算処理部334に供給している。減算処理部304及び減算処理部334では、アナログ信号からなる干渉レプリカ信号y(t)を、処理遅延部319で遅延処理された受信信号x(t)から差し引く処理を行われる。
また、図4の干渉抑圧装置30において、測定部332は、入力信号である受信信号x(t)の電力を、抑圧処理前信号の電力として測定する。測定部333は、減算処理部334から出力された抑圧処理後信号の電力を測定する。制御装置331は、測定部332で測定された抑圧処理前信号の電力の測定結果と、測定部333で測定された抑圧処理後信号の電力の測定結果とに基づいて、干渉検出・レプリカ生成部340から減算処理部304へのアナログの干渉レプリカ信号y(t)の供給経路をオン/オフするように制御する。例えば、制御装置331は、測定部333で測定された抑圧処理後信号の電力の測定値が、測定部332で測定された抑圧処理前信号の電力の測定値以上になったとき、信号経路切り換えスイッチ335を制御し、干渉検出・レプリカ生成部340から減算処理部304への干渉レプリカ信号y(t)の供給経路をオフにする。これにより、干渉抑圧処理部300による干渉抑圧動作が停止されるので、上記干渉抑圧効果の低下や干渉増大を引き起こす誤動作を回避することができる。なお、干渉抑圧動作が停止されたときは、処理遅延部319で遅延処理されたアナログの受信信号x’(t)が出力信号として出力される。
図5は、フェイルセーフ制御部330を備えた更に他の構成例に係る干渉抑圧装置30の要部構成を示すブロック図である。なお、前述の図3及び図4の構成と同様な部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
図5の干渉抑圧装置30では、出力信号として出力するアナログの信号を、干渉抑圧処理部300から出力される抑圧処理後信号z(t)と、入力信号(受信信号)である抑圧処理前信号x(t)との間で切り換える信号経路切り換えスイッチ336を備えている。制御装置331は、測定部332で測定された抑圧処理前信号の電力の測定結果と、測定部333で測定された抑圧処理後信号の電力の測定結果とに基づいて、信号経路切り換えスイッチ336の入力側の信号経路を切り換えるように制御する。例えば、制御装置331は、測定部333で測定された抑圧処理後信号z(t)の電力の測定値が、測定部332で測定された抑圧処理前信号x(t)の電力の測定値以上になったとき、信号経路切り換えスイッチ336を制御し、抑圧処理前信号x(t)を出力する。これにより、干渉抑圧動作が停止され、上記干渉抑圧効果の低下や干渉増大を引き起こす誤動作を回避することができる。
なお、図3、図4及び図5の例では、抑圧処理前信号及び抑圧処理後信号それぞれの強度として電力を測定して互いに比較しているが、抑圧処理前信号及び抑圧処理後信号それぞれの振幅の絶対値を測定して互いに比較するようにしてもよい。
図6は、フェイルセーフ制御部330における制御例を示すフローチャートである。
図6において、まず、抑圧処理前信号の強度Γと抑圧処理後信号の強度Γとを測定し(S10)、抑圧処理前信号の強度Γと予め設定した閾値Γth1と比較する(S20)。ここで、抑圧処理前信号の強度Γが閾値Γth1以上の場合(S20でYES)は、更に、抑圧処理前信号の強度Γと抑圧処理後信号の強度Γとを比較する(S30)。ここで、抑圧処理前信号の強度Γが抑圧処理後信号の強度Γ以上の場合は、上記干渉抑圧処理を適切に実行できると判断し、干渉抑圧処理を継続する(S40)。
一方、上記抑圧処理前信号の強度Γが閾値Γth1よりも小さい場合(S20でNO)は、BS−IF干渉信号の誤検出や上記干渉抑圧処理の誤動作が発生する可能性が高いと判断し、上記干渉抑圧処理を停止する(S50)。また、抑圧処理後信号の強度Γが抑圧処理前信号の強度Γよりも大きい場合は、BS−IF干渉信号の誤検出や上記干渉抑圧処理の誤動作が発生していると判断し、上記干渉抑圧処理を停止する(S50)。
なお、図3〜図6のフェイルセーフ制御において、上記干渉抑圧動作を停止するのは、抑圧処理後信号の強度(電力又は振幅の絶対値)の測定値が抑圧処理前信号の強度の測定値以上になったときでもよいし、抑圧処理後信号の強度の測定値が抑圧処理前信号の強度の測定値よりも大きくなったときであってもよい。また、上記干渉抑圧動作を停止するのは、抑圧処理後信号の強度の測定値が、抑圧処理前信号の強度の測定値に所定のマージン設定用の補正値αを加算した値以上になったときでもよいし、抑圧処理後信号の強度の測定値が抑圧処理前信号の強度の測定値に上記補正値αを加算した値よりも大きくなったときであってもよい。また、上記干渉抑圧動作を停止するのは、抑圧処理後信号の強度の測定値が、抑圧処理前信号の強度の測定値から所定のマージン設定用の補正値βを減算した値以上になったときでもよいし、抑圧処理後信号の強度の測定値が抑圧処理前信号の強度の測定値から上記補正値βを減算した値よりも大きくなったときであってもよい。
また、図3〜図6のフェイルセーフ制御において、上記停止した干渉抑圧処理は、その後に、抑圧処理後信号の強度が抑圧処理前信号の強度よりも小さくなったタイミングや、圧処理後信号の強度が抑圧処理前信号の強度以下になったタイミングに再開するように制御してもよい。上記停止した干渉抑圧処理は、その干渉抑圧処理を停止したときから予め所定の時間が経過したタイミングに自動的に再開するように制御してもよい。
次に、本発明を適用可能な干渉抑圧処理部300について説明する。
図7は、本発明を適用可能な干渉抑圧処理部300の一構成例を示すブロック図である。図7の干渉抑圧処理部300は、パラメータ値推定部301と、パラメータ値記憶部302と、干渉レプリカ信号生成部303と、減算処理部304とを備える。
パラメータ値推定部301は、所定タイミングに、基地局アンテナ40で受信された第1周波数帯(1.5GHz帯又は1.4GHz帯)の受信信号である入力信号x(t)と、干渉抑圧用BSアンテナ351で受信された第2周波数帯(11GHz帯)の受信信号dRF(t)が周波数変換された第1周波数帯(1.5GHz帯)の参照信号d(t)とに基づいて、受信信号x(t)に含まれるBF−IF干渉信号xBS−IFに対応する干渉レプリカ信号の生成に用いられるパラメータの値を推定する。この推定対象のパラメータは、例えば、前記参照信号d(t)に対するBF−IF干渉信号xBS−IFの遅延時間、振幅や周波数オフセットなどである。
パラメータ値記憶部302は、パラメータ値推定部301で推定されたパラメータの推定値を、その後の複数の干渉抑圧処理に使用できるように、次回のパラメータ値の推定及び更新を行うまで記憶しておくものである。
干渉レプリカ信号生成部303は、パラメータ値記憶部302に記憶されているパラメータの値と第1周波数帯(1.5GHz帯)の参照信号d(t)とに基づいて、受信信号x(t)に含まれるBF−IF干渉信号xBS−IFに対応する干渉レプリカ信号y(t)を生成する。
減算処理部304は、干渉レプリカ信号生成部303で生成された干渉レプリカ信号y(t)を、第1周波数帯(1.5GHz帯)の受信信号である入力信号x(t)から差し引く処理を行う。この減算処理部304の減算処理によってBF−IF干渉信号xBS−IFが抑圧された第1周波数帯の受信信号が出力信号z(t)として基地局装置20に出力される。
図7の干渉抑圧処理部300では、パラメータ値推定部301で推定されたパラメータの推定値を、パラメータ値記憶部302に記憶しておくので、その後の複数の干渉抑圧処理に連続して使用できる。従って、パラメータ値推定部301によるパラメータ値の推定処理の回数を必要最小限に抑えることができ、干渉抑圧処理部300の信号処理量を大幅に削減できる。
ところで、パラメータの推定値は時間を経ても大きく変わらない場合がある。例えば、干渉抑圧処理部300を再起動するような場合、パラメータの推定値は再起動前から大きく変わらないので、パラメータ値記憶部302に記憶していたパラメータ推定値又はその周辺の値をその後の干渉抑圧処理に使用するようにしてもよい。
図8は、干渉抑圧処理部300の他の構成例を示すブロック図である。図8の干渉抑圧処理部300は、図7の構成例とは異なり、パラメータの逐次更新を行うように構成され、パラメータ値推定部301で推定されたパラメータの推定値を次回のパラメータ値の推定及び更新を行うまで記憶しておくパラメータ値記憶部302を備えていない。
パラメータ値推定部301は、所定タイミングに、基地局アンテナ40で受信された第1周波数帯(1.5GHz帯)の受信信号である入力信号x(t)と、干渉抑圧用BSアンテナ351で受信された第2周波数帯(11GHz帯)の受信信号が周波数変換された第1周波数帯(1.5GHz帯)の参照信号d(t)とに基づいて、受信信号xに含まれるBF−IF干渉信号xBS−IFに対応する干渉レプリカ信号の生成に用いられるパラメータの値を推定する。
干渉レプリカ信号生成部303は、パラメータ値推定部301で推定されたパラメータの値と第1周波数帯(1.5GHz帯)の参照信号d(t)とに基づいて、受信信号x(t)に含まれるBF−IF干渉信号xBS−IFに対応する干渉レプリカ信号y(t)を生成する。
減算処理部304は、干渉レプリカ信号生成部303で生成された干渉レプリカ信号y(t)を、第1周波数帯(1.5GHz帯)の受信信号である入力信号x(t)から差し引く処理を行う。この減算処理部304の減算処理によってBF−IF干渉信号xBS−IFが抑圧された第1周波数帯の受信信号が出力信号z(t)として基地局装置20に出力される。
図8の干渉抑圧処理部300では、パラメータ値推定部301で推定されたパラメータの推定値を、パラメータ値記憶部に記憶しないで、そのパラメータ値の推定に用いた移動体通信信号xそのものに対する干渉抑圧処理に使用できるので、干渉抑圧の精度が高くなる。また、移動体通信信号x(t)を受信している時間帯、干渉信号の発生源である家庭等のBSブースタ91、BSブースタ91と基地局10との間におけるBF−IF干渉信号xBS−IFの伝送特性などが変化した場合に、その変化に速やかに対応できる。
次に、本実施形態に係る干渉抑圧処理部300におけるより具体的な干渉抑圧処理例について説明する。
〔干渉抑圧処理例1〕
図9は、干渉抑圧処理部300における干渉抑圧処理の一例を示すブロック図である。本干渉抑圧処理例1では、BS−IF干渉信号を含む移動体通信信号を第1周波数帯(1.5GHz帯)から所定の周波数帯(ベースバンド)に周波数変換(ダウンコンバート)し、その変換後の周波数帯でBS−IF干渉信号のレプリカである干渉レプリカ信号を生成し、干渉レプリカを生成するための遅延時間を処理遅延で補償した上記受信した移動体通信信号から生成した干渉レプリカ信号を差し引いた後、元の第1周波数(1.5GHz帯)に周波数変換(アップコンバート)して出力する。
前記干渉レプリカ信号を生成するためには、受信信号に含まれる複数のBS−IF干渉信号それぞれの周波数オフセットfoffset、遅延時間τ、位相を含む振幅である複素振幅を推定する必要がある。特に、BS−IF干渉信号の周波数オフセットfoffsetの値はBS−IF干渉信号の発生源であるBSブースタ(BS受信機)ごとに大きくばらついている。そのため、周波数オフセットfoffsetの値の高精度な推定及びその補正は非常に重要である。
そこで、図9の干渉抑制処理では、まず、BS−IF干渉信号の周波数オフセットfoffsetと遅延時間τと複素振幅とを推定する。今、基地局10で受信した移動体通信信号とBS−IF干渉信号とを含む受信信号を、時間tの関数としてx(t)とおく。受信信号x(t)は、ダウンコンバータ(DC)311で所定の周波数に周波数変換された後、アナログデジタルコンバータ(ADC)312により時間間隔ΔTでサンプリングされてデジタル信号からなる受信信号x(i)に変換される。ここで、iはサンプリングの順番を表す自然数である。また、サンプリングの時間間隔ΔTは一般に無線信号のシンボル長(=1/無線伝送帯域幅)の1/2または1/4程度の時間を設定すれば十分である。
一方、基地局10に設けられた干渉抑圧用BSアンテナ351で受信した第2周波数帯(11GHz帯)のBS受信信号dRF(t)を周波数変換した第1周波数帯(1.5GHz帯)のBS−IF信号を、時間tの関数として参照信号d(t)とおく。参照信号d(t)は、ダウンコンバータ(DC)313で所定の周波数に周波数変換された後、アナログデジタルコンバータ(ADC)314により時間間隔ΔTでサンプリングされてデジタル信号からなる参照信号d(i)に変換される。ここで、iはサンプリングの順番を表す自然数である。
推定処理部315では、参照信号d(i)を基に周波数オフセットしたBS−IF干渉信号を検出する。そのために、まず、受信した参照信号d(i)に対して、周波数オフセット量foffsetを周波数間隔Δfで離散化した値だけ周波数オフセットした参照信号をdoff(i,m)とおくと、doff(i,m)は次式(1)で表せる。ここで、式(1)中の「j」は虚数(√−1)を表し、「m」はΔfで離散化した周波数オフセットの順番を表す自然数である。また、「mΔf」は離散化した周波数オフセット量である。
Figure 0005456926
次に、推定処理部315では、周波数オフセットした参照信号doff(i,m)と受信信号x0(i)との相関を取ることにより、BS−IF干渉信号を検出する。今、nだけ時間をずらした参照信号をdoff(i−n,m)とおく。受信信号x(i)と参照信号doff(i−n,m)との相関計算値をr(n,m)とおくと、r(n,m)は次式(2)で表せる(図10参照)。ここで、式(2)中の「」は複素共役を表し、「N」は相関計算に用いるデータ数である。
Figure 0005456926
今、nの範囲をNmin〜Nmaxとし、mの範囲をMmin〜Mmaxとすると、推定処理部315では、(Nmax−Nmin+1)×(Mmax−Mmin+1)通りの相関計算が行われる。そして、推定処理部315では、計算した相関値r(n,m)の大きさ|r(n,m)|を予め設定している閾値Lthと比較し、次式(3)に示すように閾値Lth以上あるr(n,m)をBS−IF干渉信号の複素振幅とする。
Figure 0005456926
今、閾値Lth以上となった複数のBS−IF干渉信号の数をKmaxとし、その複数のBS−IF干渉信号の大きさを大きい順番に並べ、k番目の大きさとなるBS−IF干渉信号の複素振幅をr(n、m)とおく。この場合、r(n、m)がk番目のBS−IF干渉信号の複素振幅となり、次に示す3つの要素を持つ。
遅延時間τ:nΔT
周波数オフセットfoffset:mΔf
振幅:r(n、m
図10(a)及び(b)はそれぞれ、振幅の大きさが閾値Lth以上である複数のBS−IF干渉信号を例示する説明図である。図10では、周波数オフセット及び遅延時間の座標空間において、振幅がr(n、m)、r(n、m)、r(n、m)、r(n、m)、r(n、m)、r(n、m)で表された、閾値Lth以上の振幅を有する6個のBS−IF干渉信号が例示されている。
干渉レプリカ信号生成部316、317で生成されるk番目のBS−IF干渉信号をynk,mk(i)とおくと、ynk,mk(i)は参照信号d(i)を用いて次式(4)で表される。このBS−IF干渉信号ynk,mk(i)が、受信信号x(i)に含まれるBS−IF干渉信号に対応する干渉レプリカ信号である。
Figure 0005456926
但し、上記式(4)中のh(n,m)式は、複素振幅r(n,m)を用いて次式(5)で表される。
Figure 0005456926
次に、加算処理部318では、1〜Kmaxの全てのBS−IF干渉信号(干渉レプリカ信号)ynk,mk(i)が加算される。減算処理部320では、加算処理部318で加算された全てのBS−IF干渉信号(干渉レプリカ信号)ynk,mk(i)が、処理遅延部319で遅延処理された受信信号x(i)から差し引かれることにより、基地局装置20に対して出力するデジタル信号からなる出力信号z(i)を得ることができる。この出力信号z(i)は次式(6)で表される。
Figure 0005456926
減算処理部320から出力された出力信号z(i)は、デジタルアナログコンバータ(DAC)321でアナログ信号に変換された後、アップコンバータ(UC)322で第1周波数帯(1.5GHz帯)の所定周波数に周波数変換されることにより、基地局装置20に対して出力される出力信号z(t)となる。
〔干渉抑圧処理例2〕
図11は、干渉抑圧処理部300における他の干渉抑圧処理例の手順を示すフローチャートである。本干渉抑圧処理例2では、推定処理部315における相関計算処理によって検出された複数のBS−IF干渉信号から、前述の式(3)に示すように振幅の大きさ|r(n、m)|が閾値Lth以上であるBS−IF干渉信号を選択する(ステップ101)。ここで、振幅の大きさ|r(n、m)|が閾値以上となったBS−IF干渉信号の数Kmaxが大きい場合、信号処理能力により、その選択されたBS−IF干渉信号のすべてについて干渉抑圧処理を実行できない場合がある。そこで、本干渉抑圧処理例2では、図12に示すように、|r(n、m)|≧Lthを満たすように選択された複数のBS−IF干渉信号の振幅の大きさ|r(n、m)|を降順に並べ(ステップ102)、その|r(n、m)|が大きい順番で所要の数Kneed(≦Kmax)分だけBS−IF干渉信号を更に選択する(ステップ103)。このように選択された所要の数KneedのBS−IF干渉信号についてのみ干渉レプリカ信号を生成して干渉抑圧処理を実行する(ステップ104)。
本干渉抑圧処理例2では、相関計算処理の結果に基づいて検出したBS−IF干渉信号をその振幅の大きさ順に並べて、大きい順に所要の数のBS−IF干渉信号についてのみ干渉抑圧処理を実行することにより、信号処理能力を考慮して最適なBS−IF干渉信号をキャンセルすることが可能となり、BS−IF干渉信号キャンセルの効率化を図ることができる。
なお、本干渉抑圧処理例2の他の処理については、上記干渉抑圧処理例1と同様であるので、説明を省略する。
〔干渉抑圧処理例3〕
本干渉抑圧処理例3は、干渉抑圧処理部300における干渉抑圧処理におけるBS−IF干渉信号の探索の高速化を図るものである。なお、本干渉抑圧処理例3における処理のうち前述の干渉抑圧処理例1と同様な部分については説明を省略する。
本干渉抑圧処理例3において、周波数オフセット量foffsetの最大範囲をfwideとすると、周波数間隔Δfで離散化して探索する場合、Nmax=fwide/Δfが探索回数となる。また、遅延時間の最大範囲をTwideとすると、時間間隔ΔTで離散化して探索する場合、Mmax=Twide/ΔTが探索回数となる。従って、Nmax×Mmaxが総探索回数となる。
また、一回当たりの相関計算の処理時間は、その計算に用いるデータ数Nに比例する。従って、Nmax×Mmax×Nの計算が必要となる。Nmax、Mmax、Nを大きくすればする程、BS−IF干渉信号の検出精度は向上する。しかし、その分、処理時間が増大し、処理遅延が大きくなる。その結果、BS−IF干渉信号の検出が遅くなる。
そこで、本干渉抑圧処理例3では、まず、次に示すように周波数間隔Δf、時間間隔ΔT、相関計算のデータ数Nを複数設定する。そして、それらの値を適応的に変える。
周波数間隔:Δf=Δf、Δf、−−−。但し、(Δf>Δf>−−−−)
時間間隔:ΔT=ΔT、ΔT、−−−。但し、(ΔT>Δf>−−−−)
相関計算のデータ数:N=Ns1、Ns2、−−−。但し、(Ns1< Ns2<−−−−)
ここで、周波数間隔Δf、及び時間間隔ΔTを大きく設定し、相関計算のデータ数Nを少なく設定する。具体的には、周波数間隔をΔf、時間間隔ΔT、相関計算のデータ数をNs1と設定して、相関値を計算し、その振幅を閾値Lthと比較して、次式(7)及び(8)に示すように閾値Lth以上となった場合には、そのn、mの値にBS−IF干渉信号があると仮判定し、そのときの周波数オフセット値nΔf、遅延時間mΔTを記録する。
Figure 0005456926
Figure 0005456926
次に、図13及び次式(9)、(10)に示すように、記録した周波数オフセット値nΔf、遅延時間mΔTの周辺をΔfより小さい周波数間隔Δf、ΔTより小さい時間間隔ΔT、またNs1より大きい相関計算のデータ数Ns2で、相関値を計算する。
Figure 0005456926
Figure 0005456926
但し、上記式(9)、(10)中のn、mは、次式(11)に示すように記録した周波数オフセット値nΔf、遅延時間mΔTの近辺領域に限定する。
Figure 0005456926
ここで、Δf、ΔTは、探索範囲を限定するための周波数オフセット幅、遅延時間幅にそれぞれ相当する。このように探索範囲を限定することで、処理時間を短縮できる。また、一層小さい周波数間隔Δf、一層小さい時間間隔ΔTで探索することで、精度の高い周波数オフセット値、遅延時間が推定できること、並びに相関計算のデータ数Ns2を大きくすることから、精度の高い振幅r(n、m)を推定できる。その結果、BS−IF干渉信号のキャンセル効果が増大できる。
以上のように、本干渉抑圧処理例3では、精度の高いBS−IF干渉信号を高速に探索することができるとともに処理量の削減を図ることができる。なお、干渉抑圧処理例3の説明では2通りの探索範囲限定の方法について示したが、3通り、4通りと同様の方法で探索範囲を限定することで、更なる処理時間を短縮と精度の高いr(n、m)の推定ができる。
〔干渉抑圧処理例4〕
図14は、干渉抑圧処理部300における更に他の干渉抑圧処理例を示すブロック図である。なお、前述の干渉抑圧処理例1(図9参照)と同様な処理については説明を省略する。
前述の干渉抑圧処理例1では基地局10で受信したBS−IF干渉信号を含む受信信号x(t)を周波数変換(ダウンコンバート)して、低い周波数帯で処理を行っている。具体的には、低い周波数帯でBS−IF干渉信号をキャンセルした後、元々の移動体通信の周波数帯(第1周波数帯:1.5GHz帯)に周波数変換(アップコンバート)して出力している。
干渉抑圧処理例4では、BS−IF干渉信号を含む受信信号x0(t)は周波数変換しないで増幅器323で増幅し、BS−IF干渉信号のレプリカである干渉レプリカ信号y(i)を低い周波数帯で生成している。そして、その干渉レプリカ信号y(i)を周波数変換(アップコンバート)して干渉レプリカ信号y(t)を生成し、そのアップコンバートした干渉レプリカ信号y(t)を用いて、移動体通信の周波数帯(第1周波数帯:1.5GHz帯)でBS−IF干渉信号をキャンセルしている。本干渉抑圧処理例4によれば、例えば推定処理部315や干渉レプリカ信号生成部が障害等で機能しなくなっても、基地局アンテナ40で受信した受信信号x(t)を基地局装置20に出力することができる。
〔干渉抑圧処理例5〕
図15は、干渉抑圧処理部300における更に他の干渉抑圧処理例を示すブロック図である。なお、前述の干渉抑圧処理例1(図9参照)と同様な処理については説明を省略する。
実施例5では、前述の干渉抑圧処理例1と同様に基地局10に設置した干渉抑圧用BSアンテナ351により第2周波数帯(11GHz帯)のBS受信信号dRF(t)を受信し、それをBS−IF干渉信号と同じ周波数に周波数変換して参照信号d(t)を生成している。この参照信号d(t)を基に基地局10で受信した複数のBS−IF干渉信号のレプリカである干渉レプリカ信号y(t)を作成し、その干渉レプリカ信号y(t)を受信信号x(t)に逆相で加算してBS−IF干渉信号をキャンセルしている。
特に、本干渉抑圧処理例5では、ウェイト計算部(推定処理部)324において、以下に示すように干渉レプリカ信号y(t)を作成するためのウェイトwを逐次計算する。なお、ここで用いているウェイトは、干渉レプリカ信号y(t)を生成するときに参照信号に掛ける重み係数であり、干渉抑圧処理例1における複素振幅hに相当する。
先ず、ウェイト計算部324では、参照信号d(i)を基に周波数オフセットしたBS−IF干渉信号を検出する必要がある。そのために、まず、受信した参照信号d(i)に対して、周波数オフセット量foffsetを周波数間隔Δfで離散化した値だけ周波数オフセットした参照信号をdoff(i,m)とおくと、doff(i,m)は次式(12)で表せる。ここで、式(12)中の「j」は虚数(√−1)を表し、「m」はΔfで離散化した周波数オフセットの順番を表す自然数である。また、「mΔf」は離散化した周波数オフセット量である。また、サンプリングの時間間隔ΔTは一般に無線信号のシンボル長(=1/無線伝送帯域幅)の1/2または1/4程度の時間を設定すれば十分である。
Figure 0005456926
先ず、干渉レプリカ信号を作成するためのウェイトの生成方法を説明する。今、干渉レプリカ信号を作成するためのウェイトをw(n,m)とおくと、BS−IF干渉信号のレプリカである干渉レプリカ信号y(i)はウェイトw(n,m)、参照信号doff(i,m)を用いて次式(13)で与えられる。尚、n、mは式(2)と同じ変数である。
Figure 0005456926
次に、ウェイトw(n,m)の更新について説明する。受信信号x(i)から干渉レプリカ信号y(i)を差し引いた信号に対して、次式(14)に示す演算を施すことによりウェイトの差分Δw(n,m)を算出する。なお、式(14)中の「」は複素共役を表し、「N」はウェイトの差分Δwの計算に用いるデータ数である。
Figure 0005456926
そして、現在のウェイトw(n,m)に対してその差分Δw(n,m)を補正したウェイトw(n,m)は次式(15)で与えられる。
Figure 0005456926
ところで、干渉抑圧処理例5では先ずBS−IF干渉信号の有無を判断し、「有」と判断された場合はそのウェイトを逐次更新する。ここでは、BS−IF干渉信号の有無の判断について説明する。
今、一例としてウェイトの初期値を次式(16)で与える。
Figure 0005456926
そして、ウェイトの差分Δw(n,m)を計算するとウェイトの差分Δw(n,m)は次式(17)のようになる。
Figure 0005456926
従って、次のウェイトw(n,m)は初期のウェイトがw(n,m)=0であることから、次式(18)となる。
Figure 0005456926
ウェイト計算部324では、参照信号d(i)を基に周波数オフセットしたBS−IF干渉信号を式(18)のウェイトにより検出する。
前述の干渉抑圧処理例1と同様に、nの範囲をNmin〜Nmaxとし、mの範囲をMmin〜Mmaxとすると、ウェイト計算部324では、(Nmax−Nmin+1)×(Mmax−Mmin+1)通りの相関計算が行われる。そして、計算したウェイトw(n,m)の大きさ|w(n,m)|を予め設定している閾値Lthと比較し、閾値Lth以上あるw(n,m)をBS−IF干渉信号の複素振幅とすると同時に、(nΔT,mΔf)の位置にBS−IF干渉信号があるものと判断する。
なお、前述の干渉抑圧処理例3と同様な制御を行えば、信号処理能力を考慮して最適なBS−IF干渉信号をキャンセルすることが可能となり、BS−IF干渉信号キャンセルの効率化を図ることができる。
ところで、閾値Lth以上となったBS−IF干渉信号の数をKmaxとする。それを順番に並べたk番目のBS−IF干渉信号のウェイトをw(n,m)とおく。k番目のBS−IF干渉信号は次の要素を持つ。
遅延時間τ:nΔT
周波数オフセットfoffset:mΔf
ウェイト(振幅相当):w(n,m
そして、干渉ありと判断されたKmax個のBS−IF干渉信号に対して、次式(19)に示すように逐次BS−IF干渉信号のレプリカである干渉レプリカ信号y(i)を生成し、受信信号x(i)から差し引く。
Figure 0005456926
出力信号z(i)は次式(20)で表される。
Figure 0005456926
前述の干渉抑圧処理例2と同様に、|w(n、m)|を降順に並べ、その|w(n、m)|が大きい順番に所要の数Kneed(≦Kmax)分だけBS−IF干渉信号を選択し、選択された所要の数KneedのBS−IF干渉信号についてのみ干渉レプリカ信号を生成して干渉抑圧処理を実行する。これにより干渉抑圧処理を大幅に低下させることなく信号処理量を削減できる。
次に、上記干渉抑圧処理例1〜4に適用可能な推定処理部315の構成例について説明する。
推定処理部315における周波数オフセット、遅延時間オフセットの推定では複数のBS−IF干渉信号を一括して検出し、それに対する干渉レプリカを作成する方法がある。しかしながら、この方法では、BS−IF干渉信号の数が多い場合、ある一つのBS−IF干渉信号を検出する場合に、残りの他のBS−IF干渉信号が干渉源となり、BS−IF干渉の検出精度が劣化するおそれがある。
今、基地局10で受信した時間間隔ΔTでサンプリングしたBS−IF干渉信号をb(iΔT)、所望信号である移動体通信信号(携帯電話信号)をw(iΔT)、それらを加算した受信信号をx(i)とおくと、受信信号x(i)は次式(21)で表される。式中のn(i)は受信機雑音である。
Figure 0005456926
ここで、k番目のBS−IF干渉信号の振幅を算出するための相関r(n,m)を計算すると、次式(22)が得られる。
Figure 0005456926
ここで、nは移動体通信信号の相関計算後の残留雑音、nh,jはj番目のBS−IF干渉信号の相関計算後の残留雑音、nは受信機雑音の相関計算後の残留雑音である。上記式(13)に示すように、BS−IF干渉信号の数が多い場合には、BS−IF干渉信号の残留雑音が大きくなり、BS−IF干渉信号の推定精度が低下する。特に、図16に例示するように、複数のBS−IF干渉信号のうち強度(受信電力P)が小さいBS−IF干渉信号(図中のP2,P3)の信号対雑音比の値(SINR,SINR)は、強度(受信電力P)が大きなBS−IF干渉信号(図中のP1)の影響を受けて小さくなり、BS−IF干渉信号の推定精度が低下しやすい。
そこで、本実施形態では、BS−IF干渉信号の推定精度を改善するために、一括でBS−IF干渉信号を検出するかわりに、図17に示すようにBS−IF干渉信号の大きい順に干渉をキャンセルし、キャンセル後の信号から次に大きいBS−IF干渉信号を逐次推定するという、BS−IF干渉信号の逐次推定を行っている。このようにBS−IF干渉信号を強度(電力)が大きい順番に逐次キャンセルすることで、BS−IF干渉信号の検出時の信号対雑音比(SINR)を改善できる。これにより、BS−IF干渉信号の検出精度が大幅に向上するので、BS−IF干渉信号の推定精度を改善することができる。
図18は、上記BS−IF干渉信号の逐次推定を行う推定処理部315におけるデータ処理の一例を示すブロック図である。なお、図18において、k番目のBS−IF干渉信号ynk,mk(i)の生成に用いられるh(n,m)の(n,m)は記憶装置337に記憶されており、各処理ブロック338(1)〜338(Kmax)で用いることができるようになっている。
先ず、周波数オフセットした参照信号doff(i,n,m)と受信信号x(i)との相関を取ることにより、BS−IF干渉信号を検出する。今、受信信号x(i)と参照信号doff(i,n,m)の相関計算値をr(n,m)とおくと、r(n,m)は次式(23)で表せる。
Figure 0005456926
ここで、所定の閾値以上となったBS−IF干渉信号の数をKmaxとする。そして、閾値以上のBS−IF干渉信号を強度(電力又は振幅)の大きさの降順に並べて、k番目となるBS−IF干渉信号をr(n、m)とおく。図18の例では、BS−IF干渉信号を強度が大きい順に逐次キャンセルする。
先ず、図18の処理ブロック338(1)において、1番目の相関値r(n、m)を検出する。1番目の干渉信号レプリカ信号yn1,m1は、1番目の相関値r(n、m)を用いて、次式(24)のように表せる。
Figure 0005456926
次に、上記式(24)で表される1番目の干渉信号レプリカ信号yn1,m1を用いて、受信信号x(i)から1番目のBS−IF干渉信号をキャンセルする。ここで、1番目のBS−IF干渉信号をキャンセルした中間信号をz(i)とおくと、その中間信号z(i)は次式(25)となる。この中間信号z(i)は、受信信号x(i)と比べて、下記の式(26)で示す電力分だけ電力が低減する。
Figure 0005456926

Figure 0005456926
次に、図18の処理ブロック338(2)において、受信信号x(i)の代わりに上記中間信号z(i)を用いて、次式(27)で表される2番目のBS−IF干渉信号の相関値r(n、m)を検出する。
Figure 0005456926
一方、上記中間信号z(i)を用いずに受信信号x(i)をそのまま用いて2番目のBS−IF干渉信号の相関値r(n、m)を検出した場合は、次式(28)のようになる。
Figure 0005456926
上記(27)式と(28)式とを比較すると、本実施形態の方法で検出した(27)式で示す2番目のBS−IF干渉信号の相関値は、(28)式の相関値に比べて、nh,3だけ雑音が軽減していることがわかる。
同様に、3番目、4番目、・・・、のBS−IF干渉信号の相関値を求めることができる。
図18の処理ブロック338(k)に示すk番目のBS−IF干渉信号の相関値r(n、m)は、次式(29)で表され、中間信号zk−1(i)を用いずに受信信号x(i)をそのまま用いて検出した相関値に比べて、次式(30)に示す値の分だけ雑音を軽減できる。
Figure 0005456926

Figure 0005456926
従って、上記kが大きくなる程、相関値r(n、m)の雑音を小さくできることから、受信信号x(i)に基づきBS−IF干渉信号の相関値r(n、m)を一括して検出する方法に比べて、kの大きいBS−IF干渉信号レプリカを高い精度で推定できる。
ここで、k番目のBS−IF干渉信号の相関値をr(n、m)とおく。この場合、r(n、m)がk番目のBS−IF干渉信号の振幅となり、次の要素を持つ。
遅延時間τ:nΔT
周波数オフセットfoffset: mΔf
振幅:r(n、m
k番目のBS−IF干渉信号をynk,mk(i)とおくと、ynk,mk(i)は参照信号d(i)を用いて次式(31)で表せる。但し、式(31)中のh(n,m)は、次式(32)で表される。
Figure 0005456926

Figure 0005456926
同様にして、図18中の処理ブロック338(Kmax)に示すように、上記所定の閾値以上となった最後のBS−IF干渉信号の相関値r(nKmax、mKmax)について検出し、Kmax番目のBS−IF干渉信号ynKmax、mKmax(i)を得る。
次に、例えば前述の図9に示したように、1〜Kmax番目の全てのBS−IF干渉信号を加算して受信信号x(i)から差し引く。差し引いた信号をz(i)とおくと、z(i)は次式(33)で表せる。
Figure 0005456926
この信号z(i)をD/A変換し、元々の周波数にアップコンバートした信号z(t)を出力する。
なお、前述の図14に示す干渉抑圧処理部300の場合は、1〜Kmax番目の全てのBS−IF干渉信号を加算し多後、D/A変換し、元々の周波数にアップコンバートした干渉レプリカ信号y(t)を、遅延処理後の受信信号x(t)から差し引く。
図19は、上記BS−IF干渉信号の逐次推定を行う推定処理部315におけるデータ処理の他の例を示すブロック図である。なお、図19において、k番目のBS−IF干渉信号ynk,mk(i)の生成に用いられるh(n,m)の(n,m)は記憶装置337に記憶されており、各処理ブロック339(1)〜339(Kmax)で用いることができるようになっている。
前述の図18の処理例では、受信信号に含まれる複数のBS−IF干渉信号を信号強度の降順に1信号づつキャンセルし、キャンセル後の受信信号(中間信号)からBS−IF干渉信号を推定する。このように1信号毎にBS−IF干渉信号を逐次推定すると、処理遅延が増大するおそれがある。
そこで、図19の処理例では、受信信号に含まれる複数のBS−IF干渉信号の一部を構成する複数のBS−IF干渉信号を同時に推定し、信号処理の負荷を軽減する。
ここで、同時に推定するBS−IF干渉信号の数をq個とすると、図19の処理ブロック339(1)で検出される、信号強度の降順で1〜q番目のBS−IF干渉信号の相関値(干渉レプリカ信号)は、次式(34)で与えられる。
Figure 0005456926
次に、受信信号x(i)から降順の1〜q番目のBS−IF干渉信号をキャンセルする。1〜q番目のBS−IF干渉信号をキャンセルした中間信号をz(i)とおくと、z(i)は次式(35)となる。
Figure 0005456926
次に、図19の処理ブロック339(q+1)に示すように、上記中間信号z(i)に基づいて、降順のq+1〜2q番目のBS−IF干渉信号の相関値を検出し、その相関値を用いて干渉レプリカ信号を作成する。q+1〜2q番目のBS−IF干渉信号の相関値は次式(36)で与えられ、この相関値を用いてq+1〜2q番目の干渉レプリカ信号を作成することができる。
Figure 0005456926
このq+1〜2q番目のBS−IF干渉信号の相関値(干渉レプリカ信号)は、上記中間信号z(i)を用いずに受信信号x(i)をそのまま用いて検出した相関値に比べて、次式(37)に示す値の分だけ雑音を軽減できる。
Figure 0005456926

同様にして、図19の処理ブロック339(nq+1)に示すように、2q+1〜3q、3q+1〜4q、・・・、nq+1〜(n+1)q、・・・、と、逐次q個ごとにBS−IF干渉信号の相関値を検出し、干渉レプリカ信号を作成する。
降順のk=n・q+l番目のBS−IF干渉信号の相関値(干渉レプリカ信号)は、次式(38)で与えられる。このk=n・q+l番目のBS−IF干渉信号の相関値(干渉レプリカ信号)は、上記中間信号z2q(i)を用いずに受信信号x(i)をそのまま用いて検出した相関値に比べて、次式(39)に示す値の分だけ雑音を軽減できる。
Figure 0005456926

Figure 0005456926
なお、図19のデータ処理例においてq=1と設定すると、前述の図18のデータ処理例と同等である。また、図19のデータ処理例においてq=Kmaxと設定すると、上記中間信号を用いずに受信信号x(i)をそのまま用いて相関値を検出して干渉レプリカ信号を作成する方式と同等となる。
図19の例では、q個(q≠1)ずつ相関値を検出して干渉レプリカ信号を同時に生成することから、q=1と比べて計算処理遅延を削減することが可能となる。
次に、本実施形態に係る干渉抑圧処理部300における2段干渉抑圧処理について説明する。本実施形態に係る干渉抑圧処理部300では、複数のBF−IF干渉信号xBS−IFに対して干渉レプリカ信号の生成とその干渉レプリカ信号を用いた干渉信号の抑圧とを2回連続して実行する2段干渉抑圧処理方式を採用することもできる。
図20は、本実施形態の干渉抑圧処理部315における2段干渉抑圧処理の一例を示すブロック図である。図20の例は、前述の図9に示す干渉抑圧処理ブロックを2段設けた例である。なお、各干渉抑圧処理ブロック300A,300Bにおける基本的な処理内容(BS−IF干渉信号の検出、干渉レプリカ信号の生成、及びその干渉レプリカ信号を用いたBS−IF干渉信号のキャンセル処理)は、前述の図9における処理と同様であるので、説明を省略する。
図20の干渉抑圧処理部315では、基地局アンテナ40で受信された第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれる強度が閾値以上の複数のBS−IF干渉信号を検出し、その検出された複数のBS−IF干渉信号の強度(電力又は振幅)が大きい順番に所定個数のBS−IF干渉信号ごとに各干渉抑圧処理ブロック300A,300Bで連続的に処理する。例えば、干渉抑圧処理ブロック300A,300Bの一台当たりのBS−IF干渉信号の最大キャンセル数がq個(例えば10〜20個)の場合、次のように処理する。
まず、1段目の干渉抑圧処理ブロック300Aにおいて、第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれる複数のBS−IF干渉信号を検出する。そして、その検出された複数のBS−IF干渉信号のうち強度が大きいq個のBS−IF干渉信号について、干渉レプリカ信号の生成、及びその干渉レプリカ信号を用いたBS−IF干渉信号のキャンセル処理を実行し、キャンセル処理後の受信信号z(i)を出力する。
次に、2段目の干渉抑圧処理ブロック300Bにおいて、上記キャンセル処理後の受信信号zq(i)に含まれる複数のBS−IF干渉信号を検出する。そして、その検出された複数のBS−IF干渉信号のうち強度が大きいq個のBS−IF干渉信号について、干渉レプリカ信号の生成、及びその干渉レプリカ信号を用いたBS−IF干渉信号のキャンセル処理を実行し、キャンセル処理後の出力信号z(i)を出力する。
次に、2段目の干渉抑圧処理ブロック300Bから出力された出力信号z(i)は、デジタルアナログコンバータ(DAC)321でアナログ信号に変換された後、アップコンバータ(UC)322で第1周波数帯(1.5GHz帯)の所定周波数に周波数変換されることにより、基地局装置20に対して出力される出力信号z(t)となる。
以上の2段干渉抑圧処理により、合計2q個のBS−IF干渉信号に対して、q個(q≠1)ごとに干渉レプリカ信号を同時に生成し、その干渉レプリカ信号を用いてq個のBS−IF干渉信号ごとにキャンセルすることができる。従って、第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれる複数のBS−IF干渉信号の数が多い場合ニアに対して一括して干渉レプリカ信号の生成及びキャンセル処理を行う場合に比較して、各BS−IF干渉信号に対応する干渉レプリカ信号を精度よく生成できるため、各BS−IF干渉信号を確実に抑圧することができる。特に、第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれるBS−IF干渉信号の数が多い場合(例えば、数十個以上のBS−IF干渉信号の場合)に効果的である。
図21は、本実施形態の干渉抑圧処理部315における他の例に係る2段干渉抑圧処理を示すブロック図である。図21の例は、前述の図14に示す干渉抑圧処理ブロックを2段設けた例である。なお、各干渉抑圧処理ブロック300A,300Bにおける基本的な処理内容(BS−IF干渉信号の検出、干渉レプリカ信号の生成、及びその干渉レプリカ信号を用いたBS−IF干渉信号のキャンセル処理)は、前述の図14における処理と同様であるので、説明を省略する。
図21の干渉抑圧処理部315では、基地局アンテナ40で受信された第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれる強度が閾値以上の複数のBS−IF干渉信号を検出し、その検出された複数のBS−IF干渉信号の強度(電力又は振幅)が大きい順番に所定個数のBS−IF干渉信号ごとに各干渉抑圧処理ブロック300A,300Bで連続的に処理する。例えば、干渉抑圧処理ブロック300A,300Bの一台当たりのBS−IF干渉信号の最大キャンセル数がq個(例えば10〜20個)の場合、次のように処理する。
図21の干渉抑圧処理部315では、図20の場合とは異なり、干渉抑圧処理ブロック300A,300Bごとに、ダウンコンバータ(DC)311による周波数変換、アナログデジタルコンバータ(ADC)312によるAD変換、デジタルアナログコンバータ(DAC)321によるDA変換及びアップコンバータ(UC)322による周波数変換を行っている。
まず、1段目の干渉抑圧処理ブロック300Aにおいて、アナログの第1周波数帯の受信信号x(t)をデジタルの受信信号x(i)に変換した後、その受信信号x(i)に含まれる複数のBS−IF干渉信号を検出する。そして、その検出された複数のBS−IF干渉信号のうち強度が大きいq個のBS−IF干渉信号について、干渉レプリカ信号の生成、及びその干渉レプリカ信号を用いたBS−IF干渉信号のキャンセル処理を実行し、第1周波数帯(1.5GHz帯)の所定周波数に周波数変換されたキャンセル処理後のアナログの受信信号z(t)を出力する。
次に、2段目の干渉抑圧処理ブロック300Bにおいて、上記キャンセル処理後の受信信号zq(t)をデジタルの受信信号zq(i)に変換した後、その受信信号zq(i)に含まれる複数のBS−IF干渉信号を検出する。そして、その検出された複数のBS−IF干渉信号のうち強度が大きいq個のBS−IF干渉信号について、干渉レプリカ信号の生成、及びその干渉レプリカ信号を用いたBS−IF干渉信号のキャンセル処理を実行し、第1周波数帯(1.5GHz帯)の所定周波数に周波数変換されたキャンセル処理後の出力信号z(t)を出力する。
以上の2段干渉抑圧処理により、図20の場合と同様に、合計2q個のBS−IF干渉信号に対して、q個(q≠1)ごとに干渉レプリカ信号を同時に生成し、その干渉レプリカ信号を用いてq個のBS−IF干渉信号ごとにキャンセルすることができる。従って、第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれる複数のBS−IF干渉信号の数が多い場合ニアに対して一括して干渉レプリカ信号の生成及びキャンセル処理を行う場合に比較して、各BS−IF干渉信号に対応する干渉レプリカ信号を精度よく生成できるため、各BS−IF干渉信号を確実に抑圧することができる。特に、第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれるBS−IF干渉信号の数が多い場合(例えば、数十個以上のBS−IF干渉信号の場合)に効果的である。
図22は、本実施形態の干渉抑圧処理部315における更に他の例に係る2段干渉抑圧処理の一例を示すブロック図である。図22の例は、前述の図15に示す干渉抑圧処理ブロックを2段設けた例である。なお、各干渉抑圧処理ブロック300A,300Bにおける基本的な処理内容(BS−IF干渉信号の検出、干渉レプリカ信号の生成、及びその干渉レプリカ信号を用いたBS−IF干渉信号のキャンセル処理)は、前述の図15における処理と同様であるので、説明を省略する。
図22の干渉抑圧処理部315では、基地局アンテナ40で受信された第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれる強度が閾値以上の複数のBS−IF干渉信号を検出し、その検出された複数のBS−IF干渉信号の強度(電力又は振幅)が大きい順番に所定個数のBS−IF干渉信号ごとに各干渉抑圧処理ブロック300A,300Bで連続的に処理する。例えば、干渉抑圧処理ブロック300A,300Bの一台当たりのBS−IF干渉信号の最大キャンセル数がq個(例えば10〜20個)の場合、次のように処理する。
図22の干渉抑圧処理部315では、図20の場合とは異なり、図15で示したようにウェイトwを用いて干渉レプリカ信号y(t)を作成している。
まず、1段目の干渉抑圧処理ブロック300Aにおいて、第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれる複数のBS−IF干渉信号を検出する。そして、その検出された複数のBS−IF干渉信号のうち強度が大きいq個のBS−IF干渉信号について、ウェイトwを用いた干渉レプリカ信号の生成、及びその干渉レプリカ信号を用いたBS−IF干渉信号のキャンセル処理を実行し、キャンセル処理後の受信信号z(i)を出力する。
次に、2段目の干渉抑圧処理ブロック300Bにおいて、上記キャンセル処理後の受信信号zq(i)に含まれる複数のBS−IF干渉信号を検出する。そして、その検出された複数のBS−IF干渉信号のうち強度が大きいq個のBS−IF干渉信号について、ウェイトwを用いた干渉レプリカ信号の生成、及びその干渉レプリカ信号を用いたBS−IF干渉信号のキャンセル処理を実行し、キャンセル処理後の出力信号z(i)を出力する。
次に、2段目の干渉抑圧処理ブロック300Bから出力された出力信号z(i)は、デジタルアナログコンバータ(DAC)321でアナログ信号に変換された後、アップコンバータ(UC)322で第1周波数帯(1.5GHz帯)の所定周波数に周波数変換されることにより、基地局装置20に対して出力される出力信号z(t)となる。
以上の2段干渉抑圧処理により、図20の場合と同様に、合計2q個のBS−IF干渉信号に対して、q個(q≠1)ごとに干渉レプリカ信号を同時に生成し、その干渉レプリカ信号を用いてq個のBS−IF干渉信号ごとにキャンセルすることができる。従って、第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれる複数のBS−IF干渉信号の数が多い場合ニアに対して一括して干渉レプリカ信号の生成及びキャンセル処理を行う場合に比較して、各BS−IF干渉信号に対応する干渉レプリカ信号を精度よく生成できるため、各BS−IF干渉信号を確実に抑圧することができる。特に、第1周波数帯の受信信号x(t)に含まれるBS−IF干渉信号の数が多い場合(例えば、数十個以上のBS−IF干渉信号の場合)に効果的である。
なお、上記図20〜図22の例では、干渉抑圧処理ブロックが2段の場合について説明したが、本発明は、干渉抑圧処理ブロックが3段以上の場合にも適用できる。
〔実施形態2〕
図23は、本発明を適用可能な他の実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図である。なお、本実施形態の基地局の構成のうち、前述の図1〜8で示した構成と同様な部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。また、図23において前述のフェイルセーフ制御部330の図示を省略しているが、図23の実施形態においても前述のフェイルセーフ制御部330を適用することができる。
本実施形態の基地局10は、2本の基地局アンテナ40(#1)、40(#2)でダイバシチ受信する場合の構成例である。図23において、基地局アンテナ40(#1)、40(#2)で受信する信号をそれぞれx(t)、x’(t)としている。また、干渉抑圧装置30を構成している第1干渉抑圧処理部(BS−IF干渉キャンセラ)300(#1)及び第2干渉抑圧処理部(BS−IF干渉キャンセラ)300(#2)は全く同じ構成である。また、基地局10に設置した干渉抑圧用BSアンテナ351で受信したBS放送のRF信号dRF(t)をBS−IF干渉信号と同じ周波数に周波数変換して参照信号d(t)を生成している。そして、生成した参照信号d(t)を2分岐して、基地局アンテナ40(#1)、40(#2)毎に設けられた第1干渉抑圧処理部300(#1)及び第2干渉抑圧処理部300(#2)それぞれに入力している。
なお、図23中の第1干渉抑圧処理部300(#1)及び第2干渉抑圧処理部300(#2)それぞれにおける干渉抑圧処理は、前述の干渉抑圧処理例1〜5に例示した何れの干渉抑圧処理でも構わない。また、基地局装置20から移動機に対して通信を行う場合は、送受共用器(DUP:Duplexer)50、51で信号経路を切り替えることにより、基地局アンテナ40(#1)から移動体通信信号を送信することができる。
〔実施形態3〕
図24は、本発明を適用可能な更に他の実施形態に係る基地局の全体構成の一例を示す概略構成図である。なお、本実施形態の基地局の構成のうち、前述の図1〜8で示した構成と同様な部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。また、図24において前述のフェイルセーフ制御部330の図示を省略しているが、図24の実施形態においても前述のフェイルセーフ制御部330を適用することができる。
本実施形態の基地局10は、図24の実施形態と同様に、2本の基地局アンテナ40(#1)、40(#2)でダイバシチ受信する場合の構成例である。図24において、基地局アンテナ40(#1)、40(#2)で受信する信号をそれぞれx(t)、x’(t)としている。また、干渉抑圧装置30を構成している第1干渉抑圧処理部(BS−IF干渉キャンセラ)300(#1)及び第2干渉抑圧処理部(BS−IF干渉キャンセラ)300(#2)は全く同じ構成である。また、基地局アンテナ40(#1)、40(#2)毎に、受信信号x(t)、x’(t)を直接通過させるスイッチ70、71が設けられている。スイッチ70は、受信信号x(t)の経路を、第1干渉抑圧処理部300(#1)による干渉信号の抑圧処理が行われる第1経路と、第1干渉抑圧処理部300(#1)による干渉信号の抑圧処理が行われない第2経路との間で切り替える受信経路切り替え手段として機能する。また同様に、スイッチ71は、受信信号x’(t)の経路を、第2干渉抑圧処理部300(#2)による干渉信号の抑圧処理が行われる第1経路と、第2干渉抑圧処理部300(#2)による干渉信号の抑圧処理が行われない第2経路との間で切り替える受信経路切り替え手段として機能する。第1干渉抑圧処理部300(#1)及び第2干渉抑圧処理部300(#2)が障害等で機能しなくなった場合、制御手段としての制御装置74は、受信信号x(t)、x’(t)を直接通過させるようにスイッチ70、71を切り替える制御を行うことにより、受信信号x(t)、x’(t)それぞれを、各干渉抑圧処理部300(#1)、300(#2)を経由させずに、基地局装置20に対して直接出力することができる。
また、制御装置74は、参照信号d(t)の強度(例えば、参照信号の電力又はSNR:Signal to Noise Ratio)が閾値以下又は閾値未満になったときに、各受信信号x(t)、x'(t)の経路を前記第1経路から前記第2経路に切り替えるようにスイッチ70、71を切り替える制御を行ってもよい。この制御により、参照信号d(t)の強度不足に起因して第1干渉抑圧処理部300(#1)及び第2干渉抑圧処理部300(#2)が正常に機能しなくなった場合に、各干渉抑圧処理部300(#1)、300(#2)における干渉抑圧の精度低下を防止したり、不適切な干渉抑圧処理が行われるのを未然に防止したりすることができる。
本実施形態において、障害等で第1干渉抑圧処理部300(#1)及び第2干渉抑圧処理部300(#2)が障害等で同時に機能しなくなった場合は、次のような復旧アルゴリズムで復旧することができる。第1干渉抑圧処理部300(#1)及び第2干渉抑圧処理部300(#2)に障害が同時に発生した場合、制御装置74は受信信号x(t)、x’(t)を直接通過させるようにスイッチ70、71を切り替える。これにより、基地局装置20への通信は確保できる。次に、制御装置74は第1干渉抑圧処理部300(#1)及び第2干渉抑圧処理部300(#2)の両方をリセットするなどして機能回復を試みる。そして、スイッチ70、71のどちらか一方のスイッチを切り替えることにより、複数の干渉抑圧処理部のいずれか(例えば、第1干渉抑圧処理部300(#1))からの信号が基地局装置20側に出力されるように制御し、状態を監視する。この監視は基地局装置20内で行うことができる。状態が回復できているようであれば、その干渉抑圧処理部からの信号が基地局装置20側に出力されるようにスイッチを切り替えたままとする。次に、もう一方のスイッチを、複数の干渉抑圧処理部のもう一方(例えば、第2干渉抑圧処理部300(#2))からの信号が基地局装置20側に出力されるよう制御し、状態を監視する。状態が回復できているようであれば、その干渉抑圧処理部からの信号が基地局装置20側に出力されるようにスイッチを切り替えたままとする。この制御により、ダイバシチ受信の両方が同時に断となることを回避することができ、基地局の信頼性の向上が図れる。
なお、図24中の第1干渉抑圧処理部300(#1)及び第2干渉抑圧処理部300(#2)それぞれにおける干渉抑圧処理は、前述の干渉抑圧処理例1〜5に例示した何れの干渉抑圧処理でも構わない。また、基地局装置20から移動機に対して通信を行う場合は、送受共用器50、51で信号経路を切り替えることにより、基地局アンテナ40(#1)から移動体通信信号を送信することができる。
なお、上記図1〜図8、図23及び図24の各実施形態では、干渉抑圧処理部300等を有する干渉抑圧装置30を基地局装置20とは別に設けた例について説明したが、干渉抑圧処理部300等を基地局装置20内に組み込んで構成してもよい。
図25は、本発明を適用可能な更に他の実施形態に係る基地局であり、干渉抑圧装置30を基地局装置20内に組み込んだ基地局の全体構成の一例を示す概略構成図である。なお、本実施形態の基地局の構成のうち、前述の図1〜8で示した構成と同様な部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。また、図25において前述のフェイルセーフ制御部330の図示を省略しているが、図25の実施形態においても前述のフェイルセーフ制御部330を適用することができる
図25において、基地局10に設けられた基地局装置20は、受信装置200及び送信装置210を備えるとともに、前述の干渉抑圧装置30が組み込まれている。干渉抑圧装置30から出力される干渉抑圧処理済みの受信信号z(t)は受信装置200に送られる。また、送信装置210から出力される移動体通信信号は、送受共用器50を経由して基地局アンテナ40に送られ、移動機に向けて送信される。
以上、上記各実施形態によれば、第1周波数帯(1.5GHz帯)の受信信号xに含まれる複数のBS−IF干渉信号xBS−IFに対応する干渉レプリカ信号をそれぞれ生成し、この干渉レプリカ信号を第1周波数帯の受信信号xから差し引くことにより第1周波数帯の受信信号xに含まれる複数のBS−IF干渉信号xBS−IFを抑圧することができる。従って、移動機80から受信する無線信号とは周波数帯が異なる第2周波数帯(11GHz帯)の無線信号から周波数変換されて発生した第1周波数帯(1.5GHz帯)の複数のBS−IF干渉信号xBS−IFを抑圧することができる。
なお、上記各実施形態では、第1周波数帯が1.5GHz帯であり、第2周波数帯がBS放送の11GHz帯であり、家庭などに設置されたBSブースタ91から漏洩した漏れ電波からなる無線信号が干渉信号となっている場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、本発明は、第1周波数帯の干渉信号の元になっている周波数変換前の第2周波数帯の無線信号を基地局10で受信可能であれば、同様に適用することができ、同様な効果が得られるものである。
更に干渉レプリカ信号の推定及び生成に関しても、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、最小2乗平均(LMS:Least Mean Square)アルゴリズム、再帰最小2乗(RLS:Recursive Least Square)アルゴリズム、MUSIC(Multiple Signal Classification)等の超高分解能アルゴリズム、更に2次元LMSアルゴリズムなども同様に適用することができて、同様以上の効果が得られる場合もある。
10 基地局
20 基地局装置
30 干渉抑圧装置
40 基地局アンテナ
50,51 送受共用器
70,71 スイッチ
74 制御装置
80 移動機
300 干渉抑圧処理部
300A 1段目の干渉抑圧処理ブロック
300B 2段目の干渉抑圧処理ブロック
301 パラメータ値推定部
302 パラメータ値記憶部
303 干渉レプリカ信号生成部
304 減算処理部
315 推定処理部
330 フェイルセーフ制御部
331 制御装置(コントローラ)
332、333 測定部
334 減算処理部
335 信号経路切り換えスイッチ
340 干渉検出・レプリカ生成部
350 BS受信システム
351 干渉抑圧用BSアンテナ(パラボラアンテナ)
352 BS−RF受信機
特開2001−267942号公報

Claims (18)

  1. 通信端末と無線通信可能な基地局であって、
    通信端末から送信された所望信号と該所望信号に干渉する複数の干渉信号とを含む第1周波数帯の無線信号を受信する第1受信手段と、
    前記所望信号と前記複数の干渉信号とを含む第1周波数帯の無線信号を受信しているときに、該第1周波数帯の干渉信号に周波数変換される前の第2周波数帯の無線信号を受信する第2受信手段と、
    前記第2周波数帯の受信信号を周波数変換して第1周波数帯の参照信号を生成する参照信号生成手段と、
    前記参照信号と前記第1周波数帯の受信信号とに基づいて、該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を検出し、検出された複数の干渉信号の少なくとも一部に対応する複数の干渉レプリカ信号を生成する干渉レプリカ信号生成手段と、
    前記複数の干渉信号に対応する複数の干渉レプリカ信号を前記第1周波数帯の受信信号から差し引くことにより該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を抑圧する干渉抑圧手段と、
    前記干渉信号を抑圧する処理を行う前の第1の受信信号の強度と前記干渉信号を抑圧する処理を行った後の第2の受信信号の強度とを測定する測定手段と、
    前記第1の受信信号の強度と前記第2の受信信号の強度との比較結果に基づいて、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする基地局。
  2. 請求項1の基地局において、
    前記制御手段は、前記第2の受信信号の強度が前記第1の受信信号の強度以上になったとき、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止することを特徴とする基地局。
  3. 請求項1又は2の基地局において、
    前記制御手段は、前記第1の受信信号が所定の閾値よりも小さいとき、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止することを特徴とする基地局。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの基地局において、
    前記干渉レプリカ信号生成手段は、前記参照信号と前記第1周波数帯の受信信号とから算出できる前記干渉レプリカ信号の生成に必要な複数のパラメータそれぞれの値を算出し、前記複数のパラメータの算出値に基づいて前記干渉レプリカ信号を生成することを特徴とする基地局。
  5. 請求項4の基地局において、
    前記干渉レプリカ信号の生成に用いられるパラメータは、前記干渉信号の周波数オフセット、遅延時間及び振幅であることを特徴とする基地局。
  6. 請求項5の基地局において、
    前記干渉レプリカ信号生成手段は、
    前記参照信号について複数組の周波数オフセット、遅延時間及び振幅を設定しながら該参照信号と前記第1周波数帯の受信信号との間の相関値を算出し、
    前記周波数オフセット、遅延時間及び振幅の複数の組み合わせそれぞれについて算出した相関値と予め設定した閾値とを比較することにより、前記干渉信号の周波数オフセット、遅延時間及び振幅を推定することを特徴とする基地局。
  7. 請求項5の基地局において、
    前記干渉レプリカ信号生成手段は、
    前記参照信号に前記周波数オフセット及び遅延時間を設定したオフセット参照信号と、前記振幅に相当するウェイトとに基づいて、前記干渉レプリカ信号を生成し、
    前記第1周波数帯の受信信号と前記干渉レプリカ信号との差分と、前記オフセット参照信号とに基づいて、前記ウェイトの差分を算出し、その差分を用いて該ウェイトを更新することを特徴とする基地局。
  8. 請求項4乃至7のいずれかの基地局において、
    前記パラメータの推定値を記憶する記憶手段を備え、
    前記干渉レプリカ信号生成手段は、前記記憶手段に記憶されている前記パラメータの値と前記第1周波数帯の参照信号とに基づいて、前記干渉レプリカ信号を生成することを特徴とする基地局。
  9. 請求項8の基地局において、
    前記記憶手段に記憶されている前記パラメータの推定値を所定のタイミングで繰り返し更新する更新手段を備え、
    前記更新のタイミングは変更可能なことを特徴とする基地局。
  10. 請求項1乃至9のいずれかの基地局において、
    前記第1受信手段によって受信された受信信号の経路を、前記干渉抑圧手段による干渉信号の抑圧処理が行われる第1経路と、前記干渉抑圧手段による干渉信号の抑圧処理が行われない第2経路との間で切り替える受信経路切り替え手段を、備えたことを特徴とする基地局。
  11. 請求項10の基地局において、
    前記参照信号の強度が閾値以下又は閾値未満になったときに、前記受信信号の経路を前記第1経路から前記第2経路に切り替えるように前記受信経路切り替え手段を制御する制御手段を、備えたことを特徴とする基地局。
  12. 請求項1乃至11のいずれかの基地局において、
    前記第1周波数帯の受信信号は、周波数オフセット、遅延時間及び振幅の少なくとも一つが互いに異なる複数の干渉信号を含むことを特徴とする基地局。
  13. 請求項1乃至12のいずれかの基地局において、
    前記第1受信手段で受信される第1周波数帯の無線信号は、前記通信端末から送信された1.5GHz帯の無線信号であり、
    前記第2受信手段で受信される第2周波数帯の無線信号は、放送衛星から送信された11GHz帯の無線放送信号である
    ことを特徴とする基地局。
  14. 請求項1乃至13のいずれかの基地局において、
    前記第1受信手段で受信される第1周波数帯の無線信号に含まれる干渉信号は、無線放送信号を中間周波数の信号に変換する周波数変換装置及びその中間周波数の信号を増幅する増幅装置の少なくとも一方の装置から漏洩した漏洩信号であることを特徴とする基地局。
  15. 通信端末から送信された所望信号と該所望信号に干渉する干渉信号とを含む第1周波数帯の受信信号から、該干渉信号に対応する干渉レプリカ信号を差し引くことにより、該第1周波数帯の受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧装置であって、
    前記所望信号と該所望信号に干渉する複数の干渉信号とを含む第1周波数帯の無線信号を受信しているときに、該第1周波数帯の干渉信号に周波数変換される前の第2周波数帯の無線信号を受信する無線受信装置から該第2周波数帯の無線信号が入力され、該第2周波数帯の受信信号を周波数変換して第1周波数帯の参照信号を生成する参照信号生成手段と、
    前記第1周波数帯の受信信号が入力され、前記参照信号と該第1周波数帯の受信信号とに基づいて、該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を検出し、検出された複数の干渉信号の少なくとも一部に対応する複数の干渉レプリカ信号を生成する干渉レプリカ信号生成手段と、前記複数の干渉信号に対応する複数の干渉レプリカ信号を前記第1周波数帯の受信信号から差し引くことにより該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を抑圧する干渉抑圧手段と、
    前記干渉信号を抑圧する処理を行う前の第1の受信信号の強度と前記干渉信号を抑圧する処理を行った後の第2の受信信号の強度とを測定する測定手段と、
    前記第1の受信信号の強度と前記第2の受信信号の強度との比較結果に基づいて、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする干渉抑圧装置。
  16. 請求項15の干渉抑圧装置において、
    前記制御手段は、前記第2の受信信号の強度が前記第1の受信信号の強度以上になったとき、前記干渉抑圧手段の干渉抑圧動作を停止することを特徴とする干渉抑圧装置
  17. 通信端末から送信された所望信号と該所望信号に干渉する干渉信号とを含む第1周波数帯の受信信号から、該干渉信号に対応する干渉レプリカ信号を差し引くことにより、該第1周波数帯の受信信号に含まれる干渉信号を抑圧する干渉抑圧方法であって、
    前記所望信号と該所望信号に干渉する複数の干渉信号とを含む第1周波数帯の無線信号を受信しているときに、該第1周波数帯の干渉信号に周波数変換される前の第2周波数帯の無線信号を受信するステップと、
    前記第2周波数帯の受信信号を周波数変換して第1周波数帯の参照信号を生成するステップと、
    前記参照信号と前記第1周波数帯の受信信号とに基づいて、該第1周波数帯の受信信号に含まれる複数の干渉信号を検出し、検出された複数の干渉信号の少なくとも一部に対応する複数の干渉レプリカ信号を生成するステップと、
    前記複数の干渉レプリカ信号を前記第1周波数帯の受信信号から差し引くステップと、
    前記干渉信号を抑圧する処理を行う前の第1の受信信号の強度を測定するステップと、
    前記干渉信号を抑圧する処理を行った後の第2の受信信号の強度とを測定するステップと、
    前記第1の受信信号の強度と前記第2の受信信号の強度との比較結果に基づいて、前記干渉信号の抑圧処理を停止するステップと、
    を含むことを特徴とする干渉抑圧方法。
  18. 請求項17の干渉抑圧方法において、
    前記第2の受信信号の強度が前記第1の受信信号の強度以上になったとき、前記干渉信号の抑圧処理を停止することを特徴とする干渉抑圧方法。
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