JP5455247B2 - 無線通信端末、ネットワークにおける通信方法及び通信用プログラム - Google Patents

無線通信端末、ネットワークにおける通信方法及び通信用プログラム Download PDF

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本発明は、ネットワークにおける混雑時間帯を推定・回避して通信可能とする無線通信端末及びネットワークにおける通信方法に関する。
複数の無線通信端末が接続されたネットワークにおけるトラヒック制御に関しては、無線通信端末が自身で空きリソース(リソースの「すきま」)を見つけ出して通信を行う方法が提案されている。
例えば特許文献1には、全てのデータトラヒックに無線リソースを割り当てるのではなく、無線リソースに余裕がある場合に限って、全くリアルタイム性を要求しないデータトラヒックに対して無線リソースを割り当てることで、無線リソースを合理的に活用する技術が開示されている。
また、本発明者らは、無線通信端末自身が1日のうちの混雑時間帯を自律的に判断して、同時間帯を回避して通信を行う方法についての提案を行った(特許文献2)。
この技術では、「混雑度」を測定する「時間粒度」について、例えば、1日を24分割した1時間単位、6分割した4時間単位等で混雑度を考える必要性から、「時間粒度」を予め指定しておく必要があった。
特開2010−226342 特願2010−184931
しかしながら、経験則上、「混雑している時間帯」には、通信場所に応じて様々な粒度があると考えられる。日々のトラヒックパターンが明確で変化が少なく、短い時間粒度(例えば1時間)で観測した方が良い場所もあれば、「午後の3時間は混んでいる」等、大まかな時間単位で観測した方がトラヒックパターンの特徴を捉えることができる場所もある。
本発明者らは、ネットワークでの通信において、自律的に混雑度を推定しながら制御を行う上で、混雑度を考える時間粒度は重要な要素であることに着目し、本発明を提案するに至った。
本発明は上記実情に鑑みて提案されたものであり、混雑度を測定するための適切な時間粒度を求めることができる無線通信端末、及び、この無線通信端末を用いることで混雑時間帯を回避して行う通信方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明は、ネットワークに接続される無線通信端末であって、前記ネットワークにおける通信の混雑度に関連する指標を定期的に取得する指標取得手段と、前記指標取得手段で取得した1日分の指標と、前日に取得した1日分の指標との相関の強さを計算して、混雑度を考慮するのに適した時間粒度を算出する時間粒度設定手段と、前記時間粒度設定手段で算出した時間粒度について前日の結果と比較して時間粒度を調整する時間粒度調整手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項2は、請求項1の無線通信端末において、前記時間粒度設定手段及び前記時間粒度調整手段の計算結果に基づいて前記ネットワークの混雑時間帯を回避して通信を行う通信機能を備えたことを特徴としている。
請求項3は、複数の端末が接続されたネットワークにおける通信方法において、
前記端末からネックワークの混雑度に関連する指標を定期的に取得する手順と、
前日に取得した1日分の指標との相関の強さを計算して、混雑度を考慮するのに適した時間粒度を算出する手順と、
算出した前記時間粒度について前日の結果と比較して時間粒度を調整する手順と、
前記時間粒度における混雑時間帯を回避して通信する手順と
を備えたことを特徴としている。
請求項4は、請求項3に記載のネットワークにおける通信方法の各手順をコンピュータに実行させる通信用プログラムであることを特徴としている。
本発明の無線通信端末によれば、無線通信端末自身で測定した混雑度に関連する指標をもとに、混雑度を測定するための適切な時間粒度を自律的に計算することができる。
また、この計算結果に基づいてネットワークにおける混雑時間帯を回避して通信を行うことができる。
本発明の無線通信端末の実施形態の一例を示すブロック図である。 時間粒度設定手段において、時間粒度を粗くして最適な時間粒度を得るための処理手順を示すフローチャートである。 時間粒度調整手段において、時間粒度を細かくして最適な時間粒度の調整を行うための処理手順を示すフローチャートである。 時間粒度を1時間とした場合の平均通信速度を示すグラフである。 時間粒度を1.5時間とした場合の平均通信速度を示すグラフである。 時間粒度を3時間とした場合の平均通信速度を示すグラフである。
本発明の無線通信端末及び無線通信端末を使用したネットワークにおける通信方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明のネットワークにおける通信方法は、マシン間通信(M2M通信)を構成する無線通信端末に対して、通信用プログラムが格納された記録媒体やインターネットを介してソフトウエアのダウンロードによりインストールすることで構築される。
無線通信端末は、基本プログラムや各種の基本デバイスが記憶されたROMと、プログラムを実行するCPUと、このCPUにワークエリアを提供するRAMとを主要な構成とする一般的なコンピュータを備えて構成されている。
本発明のネットワークにおける通信方法を無線通信端末に実行させるための通信用プログラムは、例えばインターネットを介して無線通信端末のシリアル/パラレルインターフェースから入力されてROMに予め記憶されている。
次に、本発明の通信方法を実現させるための無線通信端末1の主要構成について、図1を参照しながら説明する。
無線通信端末1は、ネットワークに接続可能に構成され、ネットワークを介して外部との間でデータの送受信を行う送受信部2と、取得したデータに基づいて各種演算処理及び制御処理が行われる演算制御部3と、演算処理結果のデータを記録する記録部4を備えて構成されている。
演算制御部3は、ネットワークにおける通信の混雑度に関連する指標を定期的に取得する指標取得手段5と、混雑度を考慮するのに適した時間粒度を算出する時間粒度設定手段6と、時間粒度の調整を行う時間粒度調整手段7を備える。
指標取得手段5は、ネットワークにおける通信の混雑度に関連する指標として、例えば、実際に測定パケットを送出して得られたスループット、遅延、干渉レベル等を定期的に取得する。混雑度は、測定開始日をd0とし、日di(i=0,1,…)において、予め設定した短い時間間隔Δt(例えば10分間隔)で各指標を測定し、記録部4に記録する。
時間粒度設定手段6は、当日に取得した1日分の指標と、前日に取得した1日分の指標との相関の強さを計算して、混雑度を考慮するのに適した時間粒度を算出する。
時間粒度調整手段7は、毎日、時間粒度設定手段6で算出した時間粒度について前日の結果と比較して時間粒度の調整を行う。
演算制御部3における具体的な処理手順について、図2及び図3のフローチャートを参照しながら説明する。
日をdi(i=0,1,…)と表し、測定開始日をd0とする。
そして、日d1の終了時点(d1→d2への遷移タイミング)で図2のフローチャートに示す処理が行われる。
無線通信端末1の指標取得手段5は、日d0においては、短い時間間隔Δt(例えば10分間隔)で特定場所における混雑度が測定され(ステップ10)、日d1においては、短い時間間隔Δtで同じ特定場所における混雑度が測定されている(ステップ11)。特定場所とは、ある範囲内に位置する領域を意味している。混雑度は、実際に測定パケットを送出して得られたスループットや遅延、特定場所の干渉レベル等で表現される。
時間粒度設定手段6においては、先ず、測定開始日(d0)における時間間隔Δtで測定された混雑度について、予め設定された値から選択された時間粒度Tiに変換する(ステップ12)。時間粒度は、1日を複数個の測定点で分割する時間単位で設定されている。例えば、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間(最大の時間粒度)のように段階的に設定され、小さい値から大きな値の順に選択するようになっている。
測定開始日において変換される時間粒度Tiは、予め設定された最小の時間粒度(例えば1時間)が選択される。すなわち、時間間隔Δtが10分であれば、測定された6個の値の平均が時間粒度1時間分に変換される。
次に、選択された時間粒度Tiが、予め設定された時間粒度Tmaxより大きいかを判断する(ステップ13)。時間粒度Tmaxは、時間粒度を必要以上に粗くすることは測定点が少なくなって好ましくないため、1日の内に複数の測定点における混雑度データを得るためには、例えば、3点の測定点が得られる8時間を時間粒度の最大値Tmaxに設定している。
時間粒度Tiが時間粒度Tmaxより大きい場合は、当該時間粒度が求めるべき時間粒度であると判断する(ステップ19)。
時間粒度Tiが時間粒度Tmaxより小さい場合は、ステップ12で選択された時間粒度Tiによるd0(測定開始日)における1日の時系列データを作成するとともに(ステップ14)、時間粒度Tiによるd1(測定開始日の翌日)における1日の時系列データを作成する(ステップ15)。
続いて、2つの時系列データから相関係数Rを算出する(ステップ16)。
相関係数Rは、時間粒度が例えば1時間である場合、各時系列データをそれぞれX[i](i=1,2,…,24)、Y[i](i=1,2,…,24)として、数1を計算することで算出される。
次に、算出した相関係数Rが予め設定した閾値Rthより大きいかを判断し(ステップ17)、大きい場合は、当該時間粒度Tiが求めるべき時間粒度であると判断する(ステップ19)。
小さい場合は、時間粒度Tiを一つ上の段階(i+1)とし(ステップ18)、一つの上の段階の時間粒度Ti+1により変換し(ステップ12)、上述の処理が繰り返して行われる。
すなわち、図2のフローチャートの処理を実行することで、2日分のデータの相関係数が閾値Rthを超えるまで時間粒度を1段階ずつ粗くして、初めてRthを超えた時間粒度を「1日の傾向を捉えている最適な時間粒度」とする。
次に、図2のフローチャートで求めた時間粒度は、時間粒度調整手段7において、毎日、図3のフローチャートにより見直す処理が行われる。
この処理では、既に取得して記憶部4に記憶されている当日のデータ(日dj)及び前日のデータ(日dj-1)をそれぞれ呼び出す(ステップ20及びステップ21)。呼び出したデータについて、前日に算出した最適な時間粒度(1日の傾向を捉えている最適な時間粒度)で変換して前日及び当日の時系列データをそれぞれ作成する(ステップ22)。
2つの時系列データから数1により相関係数Rを算出する(ステップ23)。
算出した相関係数Rが予め設定した閾値Rthより大きいかを判断し(ステップ24)、大きい場合は、当該時間粒度Tiについて1つ下の段階(i-1)に細かくし(ステップ25)、一つの下の段階の時間粒度Ti-1により変換された前日及び当日の時系列データをそれぞれ作成する(ステップ22)。
小さい場合は、ステップ22で変換されている時間粒度Tiより1段階粗い時間粒度Ti+1が、予め設定された時間粒度Tmaxより大きいかを判断する(ステップ26)。
時間粒度Ti+1が時間粒度Tmaxより小さい場合は、当該時間粒度Ti+1が求めるべき時間粒度(日dj+1での時間粒度)であると判断する(ステップ27)。時間粒度Ti+1が時間粒度Tmax以上である場合は、ステップ22で変換されている時間粒度Tiが求めるべき時間粒度(日dj+1での時間粒度)であると判断する(ステップ28)。
図3のフローチャートの処理を実行することで、時間粒度を細かくする場合は、相関係数Rが閾値Rthを下回る直前の時間粒度が最適な時間粒度となる。
そして、図2及び図3の処理が毎日繰り返して行われることで、間隔Δt(例えば10分間隔)で測定される混雑度について、前日の結果と比較して適切な時間粒度を調整することができる。
次に、演算制御部3の時間粒度設定手段6において、図2のフローチャートによる処理を行った例について、具体的な数値例を用いて説明する。
ある特定の場所において携帯電話網を利用したデータ通信を行った場合の通信速度を10分毎に2日分取得したデータを例として使用する。本例では、「1日の傾向を捉えることが可能な相関係数の閾値Rthについて、例えば0.4に設定している。
時間粒度を1時間とし、1つの点を1時間平均(6つのデータの平均)で表示した場合の時系列データを図4に示す。図4における実線が1日目(測定開始日(d0))の時系列データであり、点線が2日目(測定開始日(d1))の時系列データである。
図4において、実線データをX[i](i=1,2,…,24)、点線データをY[i](i=1,2,…,24)とすると、X[i]とY[i]の相関係数Rは、0.172となり、1日の傾向を把握するのは難しいと判断できる。なお、相関係数は、前述した数1の式により計算される値であり、0.4(閾値Rth)以上であればデータ同士の相関があると考える。
本発明の処理(図2のフローチャート)では、2日分のデータの相関係数が閾値Rthを超えるまで時間粒度を粗くして、初めてRthを超えた時間粒度を「1日の傾向を捉えている最適な時間粒度」とする。
時間粒度を1時間より粗い1.5時間(時間粒度の単位は、予め運用者が段階的に設定する)とし、図4の基となる各データについて、1.5時間平均で通信速度をみた場合の時系列データを図5に示す。図5における実線が1日目(測定開始日(d0))の時系列データであり、点線が2日目(測定開始日(d1))の時系列データであり、両者の相関係数Rは数1の式から-0.068となり、ほぼ無相関に近いことが解る。
それに対して、時間粒度を3時間とし、3時間平均で通信速度をみた場合の時系列データを図6に示す。図6における実線が1日目(測定開始日(d0))の時系列データであり、点線が2日目(測定開始日(d1))の時系列データであり、両者の相関係数Rは数1の式から0.435となり、0.4(閾値Rth)を上回り、両データセットで比較的強い相関を持つようになった。
すなわち、上記データを取得した場所(通信速度の測定場所)では、3時間程度の平均速度で観測すれば1日の傾向を良く捉えることが可能であることが分かる。
そして、無線通信端末1において、上述したように自身で測定した混雑度に関連するデータをもとに、混雑時間帯を推定・回避して通信する機能を持たせることができる。その結果、無線通信端末1が混雑度を測定するための適切な時間粒度を自律的に計算した上で、この計算結果に基づく混雑時間帯を回避する通信を行う機能を送受信部2が有するように構成すれば、ネットワークにおいて混雑していない時間帯を見つけて通信を行うことが可能になる。
なお、上述の例では、同じ種類の時系列データ(ある特定の場所における通信速度の1日の推移)を例として使用したが、2つの時系列データの種類が異なる場合、例えば、「ある特定の場所における通信速度」と「その場所における干渉量」などを混雑度として取得し、これらの値で適正な時間粒度を算出するようにしてもよい。
上述した構成の無線通信端末によれば、地理的条件によって異なる「混雑している時間帯」の適切な時間スケール(時間粒度)が求められるため、「空いている時間帯にのみ通信を行う」という制御を行う場合に、「空いている時間帯」を正確に把握できるので、装置の信頼性の向上を図ることができる。
例えば、トラヒックのパターンが毎日ほぼ不変であり、1時間毎の特徴が顕著であるような場所では、1時間毎の混雑度を考慮した方が制御の精度が向上する。逆に、数時間単位の緩やかな傾向しかないような場所では、1時間単位で混雑度を考慮するのは逆効果となり、数時間の単位で混雑度を考慮するべきことを認識することができる。
1…無線通信端末、 2…送受信部、 3…演算制御部、 4…記録部、 5…指標取得手段、 6…時間粒度設定手段、 7…時間粒度調整手段。

Claims (4)

  1. ネットワークに接続される無線通信端末であって、
    前記ネットワークにおける通信の混雑度に関連する指標を定期的に取得する指標取得手段と、
    前記指標取得手段で取得した1日分の指標と、前日に取得した1日分の指標との相関の強さを計算して、混雑度を考慮するのに適した時間粒度を算出する時間粒度設定手段と、
    前記時間粒度設定手段で算出した時間粒度について前日の結果と比較して時間粒度を調整する時間粒度調整手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信端末。
  2. 前記時間粒度設定手段及び前記時間粒度調整手段の計算結果に基づいて前記ネットワークの混雑時間帯を回避して通信を行う通信機能を備えた請求項1に記載の無線通信端末。
  3. 複数の端末が接続されたネットワークにおける通信方法において、
    前記端末からネックワークの混雑度に関連する指標を定期的に取得する手順と、
    前日に取得した1日分の指標との相関の強さを計算して、混雑度を考慮するのに適した時間粒度を算出する手順と、
    算出した前記時間粒度について前日の結果と比較して時間粒度を調整する手順と、
    前記時間粒度における混雑時間帯を回避して通信する手順と
    を備えたことを特徴とするネットワークにおける通信方法。
  4. 請求項3に記載のネットワークにおける通信方法の各手順をコンピュータに実行させるための通信用プログラム。
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