以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、遊技機には、例えば、パチンコ遊技機、アレンジボール機又は雀球遊技機等があるが、本発明の実施の形態1では、一例として、パチンコ遊技機に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の一実施の形態である遊技機の遊技盤100に係る構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10を備えた遊技盤100の構成を模式的に示す正面図である。
図1に例示されるように、本実施の形態において、遊技機は、入賞装置、風車、障害釘等の遊技部品が配置された遊技領域101を有する遊技盤100を備えて構成されている。
遊技盤100は、遊技機を遊技場に設置する際、設置面に対して略垂直に立設するようにして図示しない遊技盤保持枠に固定されている。すなわち、遊技盤100の表面(以下、遊技面102という。)は、図示しない透過部材を介して遊技者に対面するように配置されている。
本実施の形態において、遊技盤100は、木材等を用いて平板状に形成され、上述したように、遊技面102に入賞装置、風車、障害釘等の遊技部品を配設してなる遊技領域101を有して構成されている。
遊技面102には、図示しない発射装置により発射された遊技球を遊技領域101に案内する役目を果たし、遊技領域101を囲うように、遊技面102に対して垂直に起立して配置された帯状の外ガイドレール103が設けられている。
外ガイドレール103は、遊技面102を正面視すると左側下方から右側上方にかけて遊技領域101を囲うように配置されている。具体的には、外ガイドレール103の一端103aが、遊技面102を正面視すると左側下方に配置され、他端103bが、遊技面102の右側上方に配置されている。そして、外ガイドレール103は、外ガイドレール103を可撓させて一端103aから他端103bまで円弧を描くように湾曲して配置されている。
本実施の形態において、外ガイドレール103の材質は、プラスチック製素材を用いて形成されている。なお、外ガイドレール103の材質は、プラスチック製素材に限定されず、例えば、金属性素材等を用いて形成しても良い。
外ガイドレール103の他端103bの近傍には、遊技面102を飾りつける飾り部材104が配置されている。この飾り部材104は、遊技面10aを正面視すると上方から下方に向かって遊技面102に対して垂直に起立する起立面104aを有して構成されている。
飾り部材104の起立面104aは、この起立面104aの上方に位置する外ガイドレール103の他端103bに連設して配置されている。そして、飾り部材104の起立面104aの高さは、外ガイドレール103の起立高さと同じ高さで形成されている。すなわち、飾り部材104の起立面104aは、外ガイドレール103と同様に、遊技領域101を囲うように配置されている。
飾り部材104の下方には、遊技状況を表示する表示装置105が配置されている。表示装置105は、遊技面102から突出して配置されており、遊技面102を正面視すると右側から中心側に向けて下方に傾斜させた直線状の傾斜面106を有して構成されている。
表示装置105の傾斜面106は、この傾斜面106の他端106aが、遊技面102を正面視すると傾斜面106の右側に位置する表示装置105の飾り部材104の図示しない他端に連設して配置されている。
一方、傾斜面106の一端106bが、後述する内ガイドレール107の一端107aに連接して配置されている。そして、傾斜面106の高さは、起立面104aの起立高さと同じ高さで形成されている。すなわち、傾斜面106は、起立面104aと同様に、遊技領域101を囲うように配置されている。
なお、本実施の形態において、表示装置105の位置については、遊技面102を正面視すると右側下方に配置されているが、この位置に限定されず、例えば、中央下方等に配置しても良い。この場合、表示装置105の傾斜面106の代わりに、第2の飾り部材を設け、この第2の飾り部材は、表示装置105と同様に、傾斜面を有して構成されている。
また、遊技面102には、外ガイドレール103と共に、図示しない発射装置により発射された遊技球を遊技領域101に案内する役目を果たし、外ガイドレール103と同様に、遊技領域101を囲うように、遊技面102に対して垂直に起立して配置された帯状の内ガイドレール107が設けられている。
本実施の形態において、内ガイドレール107の材質も、内ガイドレール107の材質と同様に、プラスチック製素材を用いて形成されている。なお、内ガイドレール107の材質も、プラスチック製素材に限定されず、例えば、金属性素材等を用いて形成しても良い。
内ガイドレール107は、遊技面102を正面視すると、外ガイドレール103の内側に配置され、中央下方から左側上方にかけて遊技領域101を囲うように配置されている。具体的には、内ガイドレール107の一端107aが、遊技面102を正面視すると中央下方に配置され、他端107bが遊技面102の左側上方に配置されている。そして、内ガイドレール107は、内ガイドレール107を可撓させて一端107aから他端107bまで円弧を描くように湾曲して配置されている。
内ガイドレール107は、上述したように、内ガイドレール107の一端107aが、遊技領域101を正面視すると中央下方に配置されているが、この一端107aは、遊技面102の軸よりも右側に配置されており、一端107aから遊技面102の軸に向かって下方に傾斜しながら時計回り方向に緩やかに湾曲して配置されている。
すなわち、内ガイドレール107は、遊技面102の軸上において、最も下方に位置すると共に、この位置から他端107bに向かって上方に傾斜しながら時計回り方向に緩やかに湾曲して配置されている。
このように、外ガイドレール103の内側に内ガイドレール107が配置され、これら外ガイドレール103及び内ガイドレール107は、所定の間隔を保って互いに対向して配置されている。そして、外ガイドレール103及び内ガイドレール107の間には、遊技球が通過可能なガイド通路108が区画されている。
ガイド通路108は、上述したように、外ガイドレール103及び内ガイドレール107の間に区画されている。そして、ガイド通路108は、図示しない接続通路を介して図示しない発射装置に連接されている。
すなわち、ガイド通路108は、発射装置により発射された遊技球が接続通路を通過した後、ガイド通路108を通過することで、遊技球が遊技面102の左側下方から左側上方に向かって飛び出すように区画されている。
このように、遊技面102には、外ガイドレール103、飾り部材104、表示装置105、内ガイドレール107が連続して、互いに連接して配置されることで、ガイド通路108及び遊技領域101が隣接した状態で囲繞形成されている。
遊技領域101には、遊技の演出を行う演出装置が配置されている。具体的には、遊技領域101の中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる図示しない液晶表示装置が配置されている。
そして、液晶表示装置の周辺には、液晶表示装置を囲うように複数の演出用役物装置が配置されている。以下、液晶表示装置の左方に配置された演出用役物装置10について図2〜図4を用いて説明する。
図2は、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10の構成を模式的に示す斜視図であり、図3は、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10について内部構造を模式的に示す斜視図であり、図4は、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10について分解した状態を模式的に示す分解斜視図である。
図2、図3及び図4に例示されるように、本実施の形態の演出用役物装置10は、演出に用いられ、軸周り方向に回転する軸部を有する可動演出部と、軸部を回転させる駆動部とを備えて構成されている。可動演出部は、軸部の一部である複数の軸部材20と、複数の軸部材20の軸方向両端に交互に組み付けて配置され、軸部材20と一体に回転する複数のカム体30と、複数のカム体30の夫々に対応して配置され、カム体30の回転に起因して揺動する複数の装飾部材40とを具備して構成されている。
そして、演出用役物装置10は、これら軸部材20、カム体30、装飾部材40及びモータ50を収容するケース体11を備えて構成されている。ケース体11は、遊技盤100の遊技面102に当接して配置されている。
このケース体11には、ケース体11に対して突出するとともに、互いに対向して配置され、後述する軸部材20及びカム体30を軸支する軸支ピン16を回動自在に係止めする対向板13,14が設けられている。具体的には、対向板13,14には、軸支ピン16を係止めするための切り欠き13a,14aが形成されており、この切り欠き13a,14aに軸支ピン16を挿入することで、軸支ピン16が回動自在に回転するように係止めされている。また、ケース体11には、ケース体11に装飾部材40を保持するためのピン45を挿嵌させる複数の孔15が形成されている。
そして、ケース体11の下方には、軸部材20及びカム体30を回転駆動させるためのモータ50が配置されている。モータ50の上方には、このモータ50を保護するモータケース51が配置されている。このモータケース51の上面には、モータ50の駆動軸に設けられた第1のギア52と、第1のギア52に咬合して配置された第2のギア53とが設けられている。
第2のギア53には、最下部のカム体30に組み付けられた第3のギア54が咬合して配置されている。すなわち、モータ50の駆動に起因して第1のギア52、第2のギア53及び第3のギア54が連動して軸部材20及びカム体30を軸周り方向に回転する役目を果たしている。
また、これら軸部材20、カム体30、装飾部材40及びモータ50の前面には、軸部材20、カム体30を覆うように前ケース12が配置されている。すなわち、前ケース12は、軸部材20及びカム体30を保護する役目を果たしている。
ケース体11の幅方向略中央には、ケース体11の上下方向に沿って交互に組み付けられた複数の軸部材20及びカム体30が配置されている。そして、ケース体11の右方には、複数の装飾部材40が配置されている。
複数の装飾部材40は、上述したように、各カム体30の夫々に対応して配置されている。具体的には、各装飾部材40は、主たる構成として装飾部品である提灯41を備えて構成されている。
提灯41の下方端には、提灯41の下方に垂下して配置され、提灯41を上下方向上で維持するための重り部材45が設けられている。また、提灯41の下方端には、提灯41の上下方向に対して略直交方向に向かって延設して配置され、カム体30の起立壁37に載置されるステップ42が設けられている。ステップ42は、上述したように、起立壁37に載置され、カム体30の回転に起因して上下動する。すなわち、重り部材45は、カム体30の回転に起因してステップ42が上下動する際、提灯41を上下方向上で維持しているため、提灯41を揺動させる役目を果たしている。
次に、本実施の形態の演出用役物装置10の軸部材20について図5A〜図5Cを用いて説明する。図5Aは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10の軸部材20の構成を模式的に示す側面図であり、図5Bは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10の軸部材20の構成を模式的に示す平面図であり、図5Cは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10の軸部材20の構成を模式的に示す底面図である。
図5A、図5B及び図5Cに例示されるように、本実施の形態の軸部材20は、遊技盤100に設置する際、遊技盤100の上下方向に沿って延設して配置され、上下方向を軸として軸周り方向に回転する円筒状の本体部21により構成されている。
そして、本体部21の一端には、後述するカム体30の第1の凹部35(第1の被嵌合部)に組み付けられる第1の凸部22(第1の嵌合部)が形成されている。また、本体部21の他端には、後述するカム体30の第2の凹部34(第2の被嵌合部)に組み付けられる第2の凸部23(第2の嵌合部)が形成されている。
本実施の形態では、第1の凸部22と第2の凸部23とが本体部21の軸方向両端面で互いに異なる位置に配置されている。具体的には、第1の凸部22及び第2の凸部23は、本体部21の軸方向に対して直交方向に沿って形成されている。すなわち、図5Bに例示されるように、第1の凸部22は、軸部材20を上方から平面視すると、上下方向に沿って延設して形成されている。一方、図5Cに例示されるように、第2の凸部23は、軸部材20を下方から平面視すると第1の凸部22に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されている。
なお、本実施の形態では、第2の凸部23が第1の凸部22に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されているが、第1の凸部22に対して異なる角度であれば、30°に限定されない。
このように、第1の凸部22と第2の凸部23とが互いに異なる角度で形成されることで、後述するように、第1の凸部22及び第2の凸部23をカム体30の第1の凹部35及び第2の凹部34に組み付ける際、各カム体30の回転輪32に形成された起立壁37の起立高さを異なる位置で位置決めして組み付けることができる。
また、本実施の形態の各軸部材20は、全て同じ形状で形成されているため、より容易に大量生産することが可能になり、生産性を向上させることができる。
次に、本実施の形態の演出用役物装置10のカム体30について図6A〜図6Eを用いて説明する。図6Aは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10のカム体30の第1面の構成を模式的に示す斜視図であり、図6Bは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10のカム体30の第2面の構成を模式的に示す斜視図であり、図6Cは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10のカム体30の構成を模式的に示す平面図であり、図6Dは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10のカム体30の構成を模式的に示す底面図であり、図6Eは、図6Cにおける線I−I´を模式的に示す断面図である。
図6A、図6B、図6C、図6D及び図6Eに例示されるように、本実施の形態のカム体30は、遊技盤100に設置する際、遊技盤100の上下方向に沿って延設して配置され、上下方向を軸として軸周り方向に回転する円筒状の回転軸31と、この回転軸31に一体に形成された回転輪32とを有して構成されている。
回転軸31の一端には、軸部材20の第1の凸部22(第1の嵌合部)に組み付けられる第1の凹部35(第1の被嵌合部)が形成されている。また、回転軸31の他端には、軸部材20の第2の凸部23(第2の嵌合部)に組み付けられる第2の凹部34(第2の被嵌合部)が形成されている。
本実施の形態では、第2の凹部34と第1の凹部35とが回転軸31の軸方向両端面で互いに異なる位置に配置されている。すなわち、図6Cに例示されるように、第2の凹部34は、カム体30を上方から平面視すると左右方向に沿って延設して形成されている。一方、図6Dに例示されるように、第1の凹部35は、カム体30を下方から平面視すると第2の凹部34に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されている。
なお、本実施の形態では、第1の凹部35が第2の凹部34に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されているが、第2の凹部34に対して異なる角度であれば30°に限定されない。
また、本実施の形態では、軸部材20の第1の凸部22と第2の凸部23とが本体部21に対して互いに異なる直交方向に沿って形成されており、カム体30の第2の凹部34と第1の凹部35とが回転軸31に対して互いに異なる直交方向に沿って形成されているが、例えば、軸部材20の第1の凸部22及び第2の凸部23を本体部21に対して互いに異なる直交方向に沿って形成し、カム体30の第2の凹部34及び第1の凹部35を回転軸31に対して同じ直交方向に沿って形成しても良い。また、軸部材20の第1の凸部22及び第2の凸部23を本体部21に対して同じ直交方向に沿って形成し、カム体30の第2の凹部34及び第1の凹部35を回転軸31に対して互いに異なる直交方向に沿って延設して形成しても良い。
本実施の形態の回転輪32は、略円盤形状をなして形成されている。そして、回転輪32の外周縁には、一方向に向かって起立する起立壁37が形成されている。起立壁37は、外周縁上で異なる高さで形成されている。
起立壁37には、上述したように、装飾部材40に設けられたステップ42が載置されている。すなわち、起立壁37は、回転輪32を回転させることで、ステップ42を上下動させるように、外周縁上で異なる高さで形成されている。
このように、第2の凹部34と第1の凹部35とが互いに異なる角度で形成されることで、第2の凹部34及び第1の凹部35を軸部材20の第1の凸部22及び第2の凸部23に組み付ける際、各カム体30の回転輪32に形成された起立壁37の起立高さを異なる位置で位置決めして組み付けることができる。
また、本実施の形態の各カム体30は、全て同じ形状で形成されているため、より容易に大量生産することが可能になり、生産性を向上させることができる。
(変形例1)
次に、本実施の形態の演出用役物装置10の軸部材の変形例1について図7A〜図7Cを用いて説明する。図7Aは、本発明の一実施の形態の変形例1である演出用役物装置10の軸部材70の構成を模式的に示す側面図であり、図7Bは、本発明の一実施の形態の変形例1である演出用役物装置10の軸部材70の構成を模式的に示す平面図であり、図7Cは、本発明の一実施の形態の変形例1である演出用役物装置10の軸部材70の構成を模式的に示す底面図である。
本変形例の軸部材70は、上述の軸部材20に対して、カム体80に組み付けられる第1の嵌合ピン72(第1の嵌合部)及び第2の嵌合ピン73(第2の嵌合部)の形状が異なり、他の構成は同様である。したがって、上述の軸部材20と同一又は相当する部分については、その説明を省略する。
図7A、図7B及び図7Cに例示されるように、本変形例の軸部材70の本体部71の一端には、後述するカム体80の第1の嵌合孔85(第1の被嵌合部)に組み付けられる第1の嵌合ピン72(第1の嵌合部)が形成されている。また、本体部71の他端には、後述するカム体80の第2の嵌合孔84(第2の被嵌合部)に組み付けられる第2の嵌合ピン73(第2の嵌合部)が形成されている。
本変形例では、第1の嵌合ピン72と第2の嵌合ピン73とが本体部71の軸方向両端面で互いに異なる位置に配置されている。すなわち、図7Bに例示されるように、第1の嵌合ピン72は、軸部材70を上方から平面視すると、右上方に配置されている。一方、図7Cに例示されるように、第2の嵌合ピン73は、軸部材71を下方から平面視すると、左上方に配置されている。
このように、第1の嵌合ピン72と第2の嵌合ピン73とが本体部71の軸方向両端面で互いに異なる位置に配置されることで、第1の嵌合ピン72及び第2の嵌合ピン73をカム体80の第1の嵌合孔85及び第2の嵌合孔84に組み付ける際、各カム体80の回転輪82に形成された起立壁87の起立高さを異なる位置で位置決めして組み付けることができる。
次に、本実施の形態の演出用役物装置10のカム体80の変形例1について図8A〜図8Dを用いて説明する。図8Aは、本発明の一実施の形態の変形例1である演出用役物装置10のカム体80の第1面の構成を模式的に示す斜視図であり、図8Bは、本発明の一実施の形態の変形例1である演出用役物装置10のカム体80の第2面の構成を模式的に示す斜視図であり、図8Cは、本発明の一実施の形態の変形例1である演出用役物装置10のカム体80の構成を模式的に示す平面図であり、図8Dは、本発明の一実施の形態の変形例1である演出用役物装置10のカム体80の構成を模式的に示す底面図である。
図8A、図8B、図8C及び図8Dに例示されるように、本変形例のカム体80の回転軸81の一端には、軸部材70の第1の嵌合ピン72(第1の嵌合部)に組み付けられる第1の嵌合孔85(第1の被嵌合部)が形成されている。また、回転軸81の他端には、軸部材70の第2の嵌合ピン73(第2の嵌合部)に組み付けられる第2の嵌合孔84(第2の被嵌合部)が形成されている。
本実施の形態では、第1の嵌合孔85と第2の嵌合孔84とが回転軸81の軸方向両端面で互いに異なる位置に配置されている。すなわち、図8Cに例示されるように、第2の嵌合孔84は、カム体を上方から平面視すると左下方に配置されている。一方、図8Dに例示されるように、第1の嵌合孔85は、カム体を下方から平面視すると右下方に配置されている。
このように、第1の嵌合孔85と第2の嵌合孔84とが軸方向両端面で互いに異なる位置に配置されることで、第1の嵌合孔85及び第2の嵌合孔84を軸部材70の第1の嵌合ピン72及び第2の嵌合ピン73に組み付ける際、各カム体80の回転輪82に形成された起立壁87の起立高さを異なる位置で位置決めして組み付けることができる。
(変形例2)
次に、本実施の形態の演出用役物装置10の軸部材及びカム体の変形例2について図9A〜図9Dを用いて説明する。図9Aは、本発明の一実施の形態の変形例2である演出用役物装置10のカム軸体90の第1面の構成を模式的に示す斜視図であり、図9Bは、本発明の一実施の形態の変形例2である演出用役物装置10のカム軸体90の第2面の構成を模式的に示す斜視図であり、図9Cは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10の変形例2であるカム軸体90の構成を模式的に示す平面図であり、図9Dは、本発明の一実施の形態の変形例2である演出用役物装置10のカム軸体90の構成を模式的に示す底面図である。
本変形例のカム軸体90は、上述の軸部材20及びカム体30に対して、一体に形成された点が異なり、他の点は同様である。したがって、上述の軸部材20及びカム体30と同一又は相当する部分については、その説明を省略する。
図9A、図9B、図9C及び図9Dに例示されるように、本変形例のカム軸体90は、遊技盤100に設置する際、遊技盤100の上下方向に沿って延設して配置され、上下方向を軸として軸周り方向に回転する円筒状の軸部91と、この軸部91に一体に形成された回転輪92とを有して構成されている。
軸部91の軸方向両端には、軸方向両端面で互いに異なる位置に配置された凹部93(嵌合部)及び凸部94(被嵌合部)が形成されている。すなわち、図9Cに例示されるように、凹部93は、カム軸体90を上方から平面視すると左右方向に沿って延設して形成されている。一方、図9Dに例示されるように、凸部94は、カム軸体90を下方から平面視すると凹部93に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されている。
なお、本実施の形態では、凸部94が凹部93に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されているが、凹部93と凸部94とが互いに異なる角度であれば30°に限定されない。
このように、凹部93と凸部94とが互いに異なる角度で形成されることで、各カム軸体90を組み付ける際、各カム軸体90の回転輪92に形成された起立壁97の起立高さを異なる位置で位置決めして組み付けることができる。
また、本実施の形態の各カム軸体90は、全て同じ形状で形成されているため、より容易に大量生産することが可能になり、生産性を向上させることができる。
次に、本実施の形態の演出用役物装置10の軸部材20及びカム体30の組み付け工程について図10A〜図10Dを用いて説明する。図10Aは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置10の軸部材20及びカム体30について分解した状態を模式的に示す側面図であり、図10Bは、図10Aにおける線II−II´を模式的に示す平面図であり、図10Cは、図10Aにおける線III−III´を模式的に示す平面図であり、図10Dは、図10Aにおける線IV−IV´を模式的に示す平面図である。
図10Aに例示されるように、本実施の形態の演出用役物装置10は、軸支ピン16を軸にして軸部材20とカム体30とを上下方向に沿って交互に組み付けて構成されている。そして、軸部材20の第2の凸部23は、上述したように、第1の凸部22に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されている。また、カム体30の第1の凹部35も、第2の凹部34に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されている。
図10Bに例示されるように、最頂部に位置するカム体30の第2の凹部34は、カム体30を上方から平面視すると90°方向に向けて配置されている。そして、最頂部に位置するカム体30の第1の凹部35は、この第1の凹部35が第2の凹部34に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されているため、カム体30を下方から平面視すると60°方向に向けて配置されている。
この最頂部に位置するカム体30の第1の凹部35に組み付けられた軸部材20は、軸部材20を上方から平面視すると60°方向に向けて配置されている。そして、この軸部材20は、第2の凸部23が第1の凸部22に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されているため、軸部材20を下方から平面視すると30°方向に向けて配置されている。
図10Cに例示されるように、カム体30の第2の凹部34は、カム体30を上方から平面視すると30°方向に向けて配置されている。そして、カム体30の第1の凹部35は、この第1の凹部35が第2の凹部34に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されているため、カム体30を下方から平面視すると0°方向に向けて配置されている。
カム体30の第1の凹部35に組み付けられた軸部材20は、軸部材20を上方から平面視すると0°方向に向けて配置されている。そして、軸部材20は、第2の凸部23が第1の凸部22に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されているため、軸部材20を下方から平面視すると−30°方向に向けて配置されている。
図10Dに例示されるように、カム体30の第2の凹部34は、カム体30を上方から平面視すると−30°方向に向けて配置されている。そして、カム体30の第1の凹部35は、この第1の凹部35が第2の凹部34に対して30°傾けた方向に沿って延設して形成されているため、カム体30を下方から平面視すると−60°方向に向けて配置されている。
このように、本実施の形態では、軸部材20とカム体30とを組み付ける際、カム体30の組み付け角度を設定することなく、軸部材20とカム体30とを単に組み付けるだけで、図10A〜図10Dに例示されるように、各カム体30の起立壁37の高さを、夫々、異なる位置で位置決めして組み付けることができる。
以下、本実施の形態の演出用役物装置10を用いた動作の工程の一例について図11A〜図11Cを参照しながら説明する。図11Aは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置の第1の動作を模式的に示す側面図であり、図11Bは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置の第2の動作を模式的に示す側面図であり、図11Cは、本発明の一実施の形態である演出用役物装置の第3の動作を模式的に示す側面図である。
図11A、図11B及び図11Cに例示されるように、本実施の形態の演出用役物装置10の軸部材20及びカム体30は、モータ50の駆動に起因して、軸部材20及びカム体30の上下方向を軸として軸周り方向に回転する。
軸部材20及びカム体30が回転することで、カム体30の起立壁37に載置された装飾部材40のステップ42を上下動させるとともに、装飾部材40を揺動させる。このとき、軸部材20とカム体30とが、各カム体30の起立壁37を、夫々、異なる位置で位置決めされて組み付けられているので、各装飾部材40も、夫々、異なるタイミングで揺動させることができる。
よって、本実施の形態の演出用役物装置10によれば、カム体30を組み付ける際、カム体30の取り付け角度を設定することなく、各装飾部材40を異なるタイミングで揺動させることができる。