以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる充電式電池装置の構成を示すものである。この充電式電池装置は、入出力端子10,11と、リチウムイオン電池パック(LIB-P)100と、電圧検出部(Det.VLIB)110と、電圧検出部(Det.VP1)120と、電流検出部(Det.IP)130と、スイッチ(SW1)140と、DC/DCコンバータ(4.2V出力)150と、スイッチ(SW4)160と、ダイオード170と、SCiB(Super Charge ion Battery)(登録商標)200と、電圧検出部(Det.VP2)210と、スイッチ(SW2)220と、DC/DCコンバータ(2.8V出力)230と、電流検出部(Det.ISC)240と、電圧検出部(Det.VSC)250と、スイッチ(SW3)260と、DC/DCコンバータ(2.8V入力/4.2V出力)270と、制御部400と、温度検出部300,301とを備えている。
入出力端子10,11は、商用交流電源などから直流電力を得る充電器(AC/DCアダプタ)を接続して電力の供給を受けたり、電子機器に電力を供給するための端子である。入出力端子10は、プラス端子であり、入出力端子11は、マイナス端子である。
リチウムイオン電池パック(LIB-P)100は、リチウムイオン電池を搭載した二次電池である。
電圧検出部(Det.VLIB)110は、リチウムイオン電池パック100の出力電圧VLIBを検出し、制御部400に通知する。
電圧検出部(Det.VP1)120は、入出力端子10から供給される電力の電圧VP1を検出し、制御部400に通知する。
電流検出部(Det.IP)130は、入出力端子10から供給される電力の電流IPを検出し、制御部400に通知する。
スイッチ(SW1)140は、電流検出部130を介して、入出力端子10とDC/DCコンバータ150の入力端を接続するためのスイッチであり、制御部400によって制御される。
DC/DCコンバータ(4.2V出力)150は、スイッチ140を介して入出力端子10から供給される直流電力の電圧を、4.2Vの直流電力に変圧するものであり、この4.2Vの直流電力をリチウムイオン電池パック100のプラス端子に供給する。
スイッチ(SW4)160は、リチウムイオン電池パック100のプラス端子とダイオード170のアノード端を接続するためのスイッチであり、制御部400によって制御され、リチウムイオン電池パック100の電力を入出力端子10から出力する場合にだけ、短絡される。
ダイオード170は、アノード端がリチウムイオン電池パック100のプラス端子に接続され、カソード端が入出力端子10に接続されて、リチウムイオン電池パック100の電力を入出力端子10から出力する。
SCiB(Super Charge ion Battery)200は、リチウムイオン電池パック100に比べて、短時間で多くの電力を充電可能なリチウムイオン電池である。また、以下の説明では、リチウムイオン電池パック100に比べて、出力電圧が低く、またエネルギー密度が低いために、容量が小さいものを想定する。
電圧検出部(Det.VP2)210は、SCiB200に与えられる電力の電圧VP2を検出し、制御部400に通知する。
スイッチ(SW2)220は、電流検出部130を介して、入出力端子10とDC/DCコンバータ230の入力端を接続するためのスイッチであり、制御部400によって制御される。
DC/DCコンバータ(2.8V出力)230は、スイッチ220を介して入出力端子10から供給される直流電力の電圧を、2.8Vの直流電力に変圧するものであり、この2.8Vの直流電力をSCiB200のプラス端子に供給する。
電流検出部(Det.ISC)240は、SCiB200から供給される電力の電流ISCを検出し、制御部400に通知する。
電圧検出部(Det.VSC)250は、SCiB200から供給される電力の電圧VSCを検出し、制御部400に通知する。
スイッチ(SW3)260は、電流検出部240を介して、SCiB200のプラス端子とDC/DCコンバータ270の入力端を接続するためのスイッチであり、制御部400によって制御される。
DC/DCコンバータ(2.8V入力/4.2V出力)270は、スイッチ260を介してSCiB200から供給される直流電力の電圧(2.8V)を、4.2Vの直流電力に変圧(昇圧)するものであり、この4.2Vの直流電力をリチウムイオン電池パック100のプラス端子に供給する。
温度検出部300は、リチウムイオン電池パック100の温度を検出し、制御部400に通知する。同様に、温度検出部301は、SCiB200の温度を検出し、制御部400に通知する。
制御部400は、当該充電式電池装置の各部を統括して制御するものであって、電圧検出部110の検出結果に基づいて、入出力端子10,11に充電器が接続されているか否かを判断し、充電器が接続されてことを検出した場合には、図2に示す処理を実行し、一方、上記充電器が接続されていない場合には、図3に示す処理を実行する。
また制御部400は、リチウムイオン電池パック100またはSCiB200に対して断続的な充電を行い、充電を休止する間に各電池の温度と出力電圧の検出を監視することで、過充電による電池寿命の短縮化を防止するとともに、安全性を確保する。以下の説明では、単に充電として記すが、充電を行う場合には、制御部400の制御により、上述したような電池温度と出力電圧の監視を行いながら、充電を断続的に行っているものとする。
次に、上記構成の充電式電池装置の動作について説明する。
図2を参照して、入出力端子10,11に充電器を接続している場合の動作について説明する。図2に示す処理は、制御部400が行うものであって、電圧検出部120が所定の電圧を検出した場合に、入出力端子10,11に充電器が接続されたものと判断し、開始される。
まず、ステップ2aにおいて制御部400は、電圧検出部110が検出した電圧VLIBが、予め設定された閾値電圧値Vth1以上であるか否かを判定する。すなわち、リチウムイオン電池パック100の出力電圧VLIBが閾値電圧値Vth1以上であり、十分な電力をリチウムイオン電池パック100が蓄え、充電が不要な状態にあるか否かを判断する。閾値電圧値Vth1は、リチウムイオン電池パック100の性能を考慮し、例えば過充電による二次電池寿命の短縮化や安全性に配慮した値に設定される。
ここで、電圧VLIBが閾値電圧値Vth1以上である場合には、ステップ2bに移行し、一方、電圧VLIBが閾値電圧値Vth1未満の場合には、引き続きステップ2aにて、電圧検出部120が検出した電圧VLIBの値を監視する。
ステップ2bにおいて制御部400は、電圧検出部120が検出した電圧VP1が、予め設定された閾値電圧値Vth2以上であるか否かを判定する。すなわち、充電器から供給される電力の電圧VP1が閾値電圧値Vth2以上であるか否かを判断する。ここで、電圧VP1が閾値電圧値Vth2以上である場合には、ステップ2cに移行し、一方、電圧VP1が閾値電圧値Vth2未満の場合には、ステップ2mに移行する。
ステップ2cにおいて制御部400は、スイッチ140をONにし、充電器から供給される電力をDC/DCコンバータ150および電圧検出部210に与え、ステップ2dに移行する。これによりDC/DCコンバータ150は、スイッチ140を介して供給される直流電力の電圧を、4.2Vの直流電力に変圧し、これをリチウムイオン電池パック100のプラス端子に供給して、リチウムイオン電池パック100を充電する。
ステップ2dにおいて制御部400は、電圧検出部210が検出した電圧VP2が、予め設定された閾値電圧値Vth3以上であるか否かを判定する。すなわち、DC/DCコンバータ150によってリチウムイオン電池パック100を充電している際に、DC/DCコンバータ230に与えられる電圧VP2を検出し、上記充電器にSCiB200を充電する余力があるか否かを判断する。ここで、電圧VP2が閾値電圧値Vth3以上である場合には、ステップ2eに移行し、一方、電圧VP2が閾値電圧値Vth3未満の場合には、ステップ2hに移行する。
ステップ2eにおいて制御部400は、スイッチ220をONにし、充電器から供給される電力をDC/DCコンバータ230に与え、ステップ2fに移行する。これによりDC/DCコンバータ230は、スイッチ220を介して供給される直流電力の電圧を、2.8Vの直流電力に変圧し、これをSCiB200のプラス端子に供給して、SCiB200を充電する。
ステップ2fにおいて制御部400は、電流検出部130が検出した電流IPが、予め設定された閾値電流値Ith1+Ith2以下であるか否かを判定する。ここで、閾値電流値Ith1は、リチウムイオン電池パック100の充電が完了したことを確認するための閾値であり、同様に、閾値電流値Ith2は、SCiB200の充電が完了したことを確認するための閾値である。
すなわち、ステップ2fでは、リチウムイオン電池パック100およびSCiB200の充電が完了したことを確認する。ここで、電流IPが閾値電流値Ith1+Ith2より大きい場合には、再びステップ2fに移行して電流IPの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流IPが閾値電流値Ith1+Ith2以下の場合には、ステップ2gに移行する。
ステップ2gにおいて制御部400は、リチウムイオン電池パック100およびSCiB200の充電が完了したことより、スイッチ140およびスイッチ220をOFFにし、これにより充電器からDC/DCコンバータ150およびDC/DCコンバータ230への電力供給を停止し、ステップ2aに移行する。ステップ2aでは、自然放電などにより、リチウムイオン電池パック100の充電電力が低下したか否かを監視する。
一方、ステップ2hにおいて制御部400は、電流検出部130が検出した電流IPが、閾値電流値Ith1以下であるか否かを判定する。すなわち、ステップ2hでは、リチウムイオン電池パック100の充電が完了したことを確認する。ここで、電流IPが閾値電流値Ith1より大きい場合には、再びステップ2hに移行して電流IPの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流IPが閾値電流値Ith1以下の場合には、ステップ2iに移行する。
ステップ2iにおいて制御部400は、リチウムイオン電池パック100の充電が完了したことより、スイッチ140をOFFにし、これにより充電器からDC/DCコンバータ150への電力供給を停止し、ステップ2jに移行する。
ステップ2jにおいて制御部400は、スイッチ220をONにし、充電器から供給される電力をDC/DCコンバータ230に与え、ステップ2kに移行する。これによりDC/DCコンバータ230は、スイッチ220を介して供給される直流電力の電圧を、2.8Vの直流電力に変圧し、これをSCiB200のプラス端子に供給して、SCiB200を充電する。
ステップ2kにおいて制御部400は、電流検出部130が検出した電流IPが、閾値電流値Ith2以下であるか否かを判定する。すなわち、ステップ2kでは、SCiB200の充電が完了したことを確認する。ここで、電流IPが閾値電流値Ith2より大きい場合には、再びステップ2kに移行して電流IPの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流IPが閾値電流値Ith2以下の場合には、ステップ2lに移行する。
ステップ2lにおいて制御部400は、SCiB200の充電が完了したことより、スイッチ220をOFFにし、これにより充電器からDC/DCコンバータ230への電力供給を停止し、ステップ2aに移行する。
一方、ステップ2mにおいて制御部400は、電圧検出部250が検出した電圧VSCが、予め設定された閾値電圧値Vth4以上であるか否かを判定する。すなわち、SCiB200がリチウムイオン電池パック100を充電することができる電力を蓄えているか否かを判断する。ここで、電圧VSCが閾値電圧値Vth4以上である場合には、ステップ2nに移行し、一方、電圧VSCが閾値電圧値Vth4未満の場合には、ステップ2gに移行する。
ステップ2nにおいて制御部400は、スイッチ260をONにし、SCiB200が蓄える電力をDC/DCコンバータ270に与え、ステップ2oに移行する。これによりDC/DCコンバータ270は、スイッチ260を介して供給される直流電力の電圧2.8Vを、4.2Vの直流電力に変圧し、これをリチウムイオン電池パック100のプラス端子に供給して、リチウムイオン電池パック100を充電する。
ステップ2oにおいて制御部400は、電流検出部240が検出した電流ISCが、予め設定された閾値電流値Ith3以下であるか否かを判定する。ここで、閾値電流値Ith3は、リチウムイオン電池パック100の充電が完了した、もしくはSCiB200による充電が行えなくなったことを確認するための閾値である。すなわち、ステップ2oでは、SCiB200によるリチウムイオン電池パック100の充電を完了する。ここで、電流ISCが閾値電流値Ith3より大きい場合には、再びステップ2oに移行して電流ISCの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流ISCが閾値電流値Ith3以下の場合には、ステップ2pに移行する。
ステップ2pにおいて制御部400は、SCiB200によるリチウムイオン電池パック100の充電が完了したことより、スイッチ260をOFFにし、これによりSCiB200からDC/DCコンバータ270への電力供給を停止し、ステップ2qに移行する。
ステップ2qにおいて制御部400は、電圧検出部120(もしくは210)が検出した電圧VP1(もしくは電圧VP2)が、予め設定された閾値電圧値Vth5以上であるか否かを判定する。すなわち、充電器から供給される電力の電圧VP1(もしくは電圧VP2)が、SCiB200を充電する能力があるか否かを判断する。ここで、電圧VP1(もしくは電圧VP2)が閾値電圧値Vth5以上である場合には、ステップ2jに移行し、一方、電圧VP1(もしくは電圧VP2)が閾値電圧値Vth5未満の場合には、当該処理を終了する。
次に、図3を参照して、入出力端子10,11に充電器を接続していない場合の動作について説明する。図3に示す処理は、制御部400が行うものであって、電圧検出部120が所定の電圧を検出しない場合に、入出力端子10,11に充電器が接続されていないものと判断し、開始される。
まず、ステップ3aにおいて制御部400は、電圧検出部110が検出した電圧VLIBが、予め設定された閾値電圧値Vth1以上であるか否かを判定する。すなわち、リチウムイオン電池パック100の出力電圧VLIBが閾値電圧値Vth1以上であり、十分な電力をリチウムイオン電池パック100が蓄え、充電が不要な状態にあるか否かを判断する。
ここで、電圧VLIBが閾値電圧値Vth1以上である場合には、ステップ3bに移行し、一方、電圧VLIBが閾値電圧値Vth1未満の場合には、引き続きステップ3aにて、電圧検出部120が検出した電圧VLIBの値を監視する。すなわち、自然放電などにより、リチウムイオン電池パック100が蓄える電力が低下したかを監視する。
ステップ3bにおいて制御部400は、電圧検出部250が検出した電圧VSCが、予め設定された閾値電圧値Vth4以上であるか否かを判定する。すなわち、SCiB200がリチウムイオン電池パック100を充電することができる電力を蓄えているか否かを判断する。ここで、電圧VSCが閾値電圧値Vth4以上である場合には、ステップ3cに移行し、一方、電圧VSCが閾値電圧値Vth4未満の場合には、当該処理を終了する。
ステップ3cにおいて制御部400は、スイッチ260をONにし、SCiB200が蓄える電力をDC/DCコンバータ270に与え、ステップ3dに移行する。これによりDC/DCコンバータ270は、スイッチ260を介して供給される直流電力の電圧を、4.2Vの直流電力に変圧し、これをリチウムイオン電池パック100のプラス端子に供給して、リチウムイオン電池パック100を充電する。
ステップ3dにおいて制御部400は、電流検出部240が検出した電流ISCが、予め設定された閾値電流値Ith3以下であるか否かを判定する。ここで、閾値電流値Ith3は、リチウムイオン電池パック100の充電が完了した、もしくはSCiB200による充電が行えなくなったことを確認するための閾値である。すなわち、ステップ3dでは、SCiB200によるリチウムイオン電池パック100の充電を完了する。ここで、電流ISCが閾値電流値Ith3より大きい場合には、再びステップ3dに移行して電流ISCの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流ISCが閾値電流値Ith3以下の場合には、ステップ3eに移行する。
ステップ3eにおいて制御部400は、SCiB200によるリチウムイオン電池パック100の充電が完了したことより、スイッチ260をOFFにし、これによりSCiB200からDC/DCコンバータ270への電力供給を停止し、当該処理を終了する。
以上のように、上記構成の充電式電池装置では、リチウムイオン電池パック100と、リチウムイオン電池パック100より急速充電が可能なSCiB200を並列に接続して備え、リチウムイオン電池パック100の出力電圧や温度を監視しながら充電を行い、充電の必要が生じたリチウムイオン電池パック100に対して充電器による充電が行えない場合には、SCiB200によって充電を行うようにしている。
したがって、上記構成の充電式電池装置によれば、リチウムイオン電池パック100の出力電圧や温度を監視しながら充電を行うことで、二次電池の寿命や安全性への配慮し、また急速充電が可能なSCiB200を併用し、リチウムイオン電池パック100を充電するようにしているので、充電時間を短縮化することができる。
また、上記構成の充電式電池装置では、接続された充電器がリチウムイオン電池パック100を充電しながら、SCiB200を充電する能力が有る場合には、リチウムイオン電池パック100の充電に並行して、SCiB200についても充電するようにしている。このため、リチウムイオン電池パック100の充電が完了する前に、充電器を取り外しても、リチウムイオン電池パック100よりも早く充電が完了するSCiB200に蓄えられた電力で、リチウムイオン電池パック100を充電することができるので、充電器に接続する時間が短くても、リチウムイオン電池パック100に対して、ある程度の充電を行うことができる。
そしてまた、接続された充電器がリチウムイオン電池パック100を充電しながら、SCiB200を充電する能力が無い場合には、リチウムイオン電池パック100の充電完了後に、SCiB200を充電するようにしている。このため、充電器を取り外した後、リチウムイオン電池パック100に充電の必要が生じた場合に、SCiB200に蓄えた電力によりリチウムイオン電池パック100を充電することができる。
さらに、上記構成の充電式電池装置では、接続された充電器がリチウムイオン電池パック100を充電する能力は無いが、SCiB200を充電する能力が有る場合には、リチウムイオン電池パック100の充電は行わず、SCiB200について充電するようにしている。このため、リチウムイオン電池パック100よりも早く充電が完了するSCiB200に蓄えられた電力で、リチウムイオン電池パック100を充電することができるので、充電器に接続する時間を短くても、リチウムイオン電池パック100に対して、ある程度の充電を行うことができる。
(第2の実施形態)
図3は、この発明の第2の実施形態に係わる充電式電池装置の構成を示すものである。この充電式電池装置は、入出力端子10,11と、リチウムイオン電池パック(LIB-P)100と、電圧検出部(Det.VLIB)110と、電圧検出部(Det.VP1)120と、電流検出部(Det.IP)130と、スイッチ(SW1)140と、DC/DCコンバータ(4.2V出力)150と、スイッチ(SW4)160と、ダイオード170と、SCiB(Super Charge ion Battery)(登録商標)200,201と、電圧検出部(Det.VP2)210と、スイッチ(SW2)220と、DC/DCコンバータ(5.6V出力)230aと、電流検出部(Det.ISC)240と、電圧検出部(Det.VSC)250と、スイッチ(SW3)260と、DC/DCコンバータ(5.6V入力/4.2V出力)270aと、制御部400と、温度検出部300,301とを備えている。
なお、図1に示した第1の実施形態に係わる充電式電池装置と同様の構成には、同じ番号を付している。そして、以下の説明では、第1の実施形態の充電式電池装置と異なる点を中心に説明する。
すなわち、第2の実施形態に係わる充電式電池装置は、第1の実施形態に係わる充電式電池装置に比して、DC/DCコンバータ230に代わってDC/DCコンバータ230aを採用し、またSCiB200に加えてSCiB(登録商標)201を直列に接続し、さらにDC/DCコンバータ270に代わって、トランジスタ271および電圧制御部272を備える。また制御部400に代わって、制御部400aを備える。
DC/DCコンバータ230aは、スイッチ220を介して入出力端子10から供給される直流電力の電圧を、5.6Vの直流電力に変圧するものであり、この5.6Vの直流電力をSCiB200のプラス端子に供給する。
トランジスタ271は、エミッタにスイッチ260を介してSCiB200,201から供給される直流電力の電圧(5.6V)が与えられ、コレクタ出力を電圧制御部272およびリチウムイオン電池パック100のプラス端子に供給する。またベースには、電圧制御部272の出力が与えられる。
電圧制御部272は、トランジスタ271のベース−コレクタ間の電流を制御して、コレクタ出力が4.0Vとなるように降圧する。第1の実施形態のような4.2Vではなく、4.0Vとしたのは、リチウムイオン電池パック100に対する供給を常に4.2Vに維持することで、リチウムイオン電池パック100が劣化してしまうことに配慮したものである。
また、温度検出部301は、SCiB200およびSCiB201の温度を検出し、制御部400aに通知する。
制御部400aは、当該充電式電池装置の各部を統括して制御するものであって、電圧検出部110の検出結果に基づいて、入出力端子10,11に充電器が接続されているか否かを判断し、充電器が接続されてことを検出した場合には、図5に示す処理を実行し、一方、上記充電器が接続されていない場合には、図6に示す処理を実行する。
また制御部400aは、リチウムイオン電池パック100またはSCiB200,201に対して断続的な充電を行い、充電を休止する間に各電池の温度と出力電圧の検出を監視することで、過充電による電池寿命の短縮化を防止するとともに、安全性を確保する。以下の説明では、単に充電として記すが、充電を行う場合には、制御部400aの制御により、上述したような電池温度と出力電圧の監視を行いながら、充電を断続的に行っているものとする。
次に、上記構成の充電式電池装置の動作について説明する。
図5を参照して、入出力端子10,11に充電器を接続している場合の動作について説明する。図5に示す処理は、制御部400が行うものであって、電圧検出部120が所定の電圧を検出した場合に、入出力端子10,11に充電器が接続されたものと判断し、開始される。
まず、ステップ5aにおいて制御部400は、電圧検出部110が検出した電圧VLIBが、予め設定された閾値電圧値Vth1以上であるか否かを判定する。すなわち、リチウムイオン電池パック100の出力電圧VLIBが閾値電圧値Vth1以上であり、十分な電力をリチウムイオン電池パック100が蓄え、充電が不要な状態にあるか否かを判断する。閾値電圧値Vth1は、リチウムイオン電池パック100の性能を考慮し、例えば過充電による二次電池寿命の短縮化や安全性に配慮した値に設定される。
ここで、電圧VLIBが閾値電圧値Vth1以上である場合には、ステップ5bに移行し、一方、電圧VLIBが閾値電圧値Vth1未満の場合には、引き続きステップ5aにて、電圧検出部120が検出した電圧VLIBの値を監視する。すなわち、自然放電などにより、リチウムイオン電池パック100が蓄える電力が低下したかを監視する。
ステップ5bにおいて制御部400は、電圧検出部120が検出した電圧VP1が、予め設定された閾値電圧値Vth2以上であるか否かを判定する。すなわち、充電器から供給される電力の電圧VP1が閾値電圧値Vth2以上であるか否かを判断する。ここで、電圧VP1が閾値電圧値Vth2以上である場合には、ステップ5cに移行し、一方、電圧VP1が閾値電圧値Vth2未満の場合には、ステップ5mに移行する。
ステップ5cにおいて制御部400は、スイッチ140をONにし、充電器から供給される電力をDC/DCコンバータ150および電圧検出部210に与え、ステップ5dに移行する。これによりDC/DCコンバータ150は、スイッチ140を介して供給される直流電力の電圧を、4.2Vの直流電力に変圧し、これをリチウムイオン電池パック100のプラス端子に供給して、リチウムイオン電池パック100を充電する。
ステップ5dにおいて制御部400は、電圧検出部210が検出した電圧VP2が、予め設定された閾値電圧値Vth3以上であるか否かを判定する。すなわち、DC/DCコンバータ150によってリチウムイオン電池パック100を充電している際に、DC/DCコンバータ230に与えられる電圧VP2を検出し、上記充電器にSCiB200を充電する余力があるか否かを判断する。ここで、電圧VP2が閾値電圧値Vth6以上である場合には、ステップ5eに移行し、一方、電圧VP2が閾値電圧値Vth6未満の場合には、ステップ5hに移行する。
ステップ5eにおいて制御部400は、スイッチ220をONにし、充電器から供給される電力をDC/DCコンバータ230aに与え、ステップ5fに移行する。これによりDC/DCコンバータ230aは、スイッチ220を介して供給される直流電力の電圧を、5.6Vの直流電力に変圧し、これをSCiB200のプラス端子に供給して、SCiB200およびSCiB201を充電する。
ステップ5fにおいて制御部400は、電流検出部130が検出した電流IPが、予め設定された閾値電流値Ith1+Ith2以下であるか否かを判定する。ここで、閾値電流値Ith1は、リチウムイオン電池パック100の充電が完了したことを確認するための閾値であり、同様に、閾値電流値Ith2は、SCiB200およびSCiB201の充電が完了したことを確認するための閾値である。
すなわち、ステップ5fでは、リチウムイオン電池パック100およびSCiB200,201の充電が完了したことを確認する。ここで、電流IPが閾値電流値Ith1+Ith2より大きい場合には、再びステップ5fに移行して電流IPの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流IPが閾値電流値Ith1+Ith2以下の場合には、ステップ5gに移行する。
ステップ5gにおいて制御部400は、リチウムイオン電池パック100およびSCiB200,201の充電が完了したことより、スイッチ140およびスイッチ220をOFFにし、これにより充電器からDC/DCコンバータ150およびDC/DCコンバータ230への電力供給を停止し、ステップ5aに移行する。ステップ5aでは、自然放電などにより、リチウムイオン電池パック100の充電電力が低下したか否かを監視する。
一方、ステップ5hにおいて制御部400は、電流検出部130が検出した電流IPが、閾値電流値Ith1以下であるか否かを判定する。すなわち、ステップ5hでは、リチウムイオン電池パック100の充電が完了したことを確認する。ここで、電流IPが閾値電流値Ith1より大きい場合には、再びステップ5hに移行して電流IPの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流IPが閾値電流値Ith1以下の場合には、ステップ5iに移行する。
ステップ5iにおいて制御部400は、リチウムイオン電池パック100の充電が完了したことより、スイッチ140をOFFにし、これにより充電器からDC/DCコンバータ150への電力供給を停止し、ステップ5jに移行する。
ステップ5jにおいて制御部400は、スイッチ220をONにし、充電器から供給される電力をDC/DCコンバータ230aに与え、ステップ5kに移行する。これによりDC/DCコンバータ230aは、スイッチ220を介して供給される直流電力の電圧を、5.6Vの直流電力に変圧し、これをSCiB200のプラス端子に供給して、SCiB200およびSCiB201を充電する。
ステップ5kにおいて制御部400は、電流検出部130が検出した電流IPが、閾値電流値Ith2以下であるか否かを判定する。すなわち、ステップ5kでは、SCiB200およびSCiB201の充電が完了したことを確認する。ここで、電流IPが閾値電流値Ith2より大きい場合には、再びステップ5kに移行して電流IPの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流IPが閾値電流値Ith2以下の場合には、ステップ5lに移行する。
ステップ5lにおいて制御部400は、SCiB200およびSCiB201の充電が完了したことより、スイッチ220をOFFにし、これにより充電器からDC/DCコンバータ230aへの電力供給を停止し、ステップ5aに移行する。
一方、ステップ5mにおいて制御部400は、電圧検出部250が検出した電圧VSCが、予め設定された閾値電圧値Vth7以上であるか否かを判定する。すなわち、SCiB200およびSCiB201がリチウムイオン電池パック100を充電することができる電力を蓄えているか否かを判断する。ここで、電圧VSCが閾値電圧値Vth7以上である場合には、ステップ5nに移行し、一方、電圧VSCが閾値電圧値Vth7未満の場合には、ステップ5gに移行する。
ステップ5nにおいて制御部400は、スイッチ260をONにし、SCiB200およびSCiB201が蓄える電力をトランジスタ271のエミッタに与え、ステップ5oに移行する。これによりトランジスタ271および電圧制御部272は、スイッチ260を介して供給される直流電力の電圧5.6Vを、4.0Vの直流電力に変圧し、これをリチウムイオン電池パック100のプラス端子に供給して、リチウムイオン電池パック100を充電する。
ステップ5oにおいて制御部400は、電流検出部240が検出した電流ISCが、予め設定された閾値電流値Ith3以下であるか否かを判定する。ここで、閾値電流値Ith3は、リチウムイオン電池パック100の充電が完了した、もしくはSCiB200およびSCiB201による充電が行えなくなったことを確認するための閾値である。すなわち、ステップ5oでは、SCiB200およびSCiB201によるリチウムイオン電池パック100の充電を完了する。ここで、電流ISCが閾値電流値Ith3より大きい場合には、再びステップ5oに移行して電流ISCの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流ISCが閾値電流値Ith3以下の場合には、ステップ5pに移行する。
ステップ5pにおいて制御部400は、SCiB200およびSCiB201によるリチウムイオン電池パック100の充電が完了したことより、スイッチ260をOFFにし、これによりSCiB200およびSCiB201からトランジスタ271への電力供給を停止し、ステップ5qに移行する。
ステップ5qにおいて制御部400は、電圧検出部120(もしくは210)が検出した電圧VP1(もしくは電圧VP2)が、予め設定された閾値電圧値Vth5以上であるか否かを判定する。すなわち、充電器から供給される電力の電圧VP1(もしくは電圧VP2)が、SCiB200およびSCiB201を充電する能力があるか否かを判断する。ここで、電圧VP1(もしくは電圧VP2)が閾値電圧値Vth5以上である場合には、ステップ5jに移行し、一方、電圧VP1(もしくは電圧VP2)が閾値電圧値Vth5未満の場合には、当該処理を終了する。
次に、図6を参照して、入出力端子10,11に充電器を接続していない場合の動作について説明する。図6に示す処理は、制御部400が行うものであって、電圧検出部120が所定の電圧を検出しない場合に、入出力端子10,11に充電器が接続されていないものと判断し、開始される。
まず、ステップ6aにおいて制御部400は、電圧検出部110が検出した電圧VLIBが、予め設定された閾値電圧値Vth1以上であるか否かを判定する。すなわち、リチウムイオン電池パック100の出力電圧VLIBが閾値電圧値Vth1以上であり、十分な電力をリチウムイオン電池パック100が蓄え、充電が不要な状態にあるか否かを判断する。
ここで、電圧VLIBが閾値電圧値Vth1以上である場合には、ステップ6bに移行し、一方、電圧VLIBが閾値電圧値Vth1未満の場合には、引き続きステップ6aにて、電圧検出部120が検出した電圧VLIBの値を監視する。
ステップ6bにおいて制御部400は、電圧検出部250が検出した電圧VSCが、予め設定された閾値電圧値Vth4以上であるか否かを判定する。すなわち、SCiB200およびSCiB201がリチウムイオン電池パック100を充電することができる電力を蓄えているか否かを判断する。ここで、電圧VSCが閾値電圧値Vth7以上である場合には、ステップ6cに移行し、一方、電圧VSCが閾値電圧値Vth7未満の場合には、当該処理を終了する。
ステップ6cにおいて制御部400は、スイッチ260をONにし、SCiB200およびSCiB201が蓄える電力をトランジスタ271のエミッタに与え、ステップ6dに移行する。これによりトランジスタ271および電圧制御部272は、スイッチ260を介して供給される直流電力の電圧5.6Vを、4.0Vの直流電力に変圧し、これをリチウムイオン電池パック100のプラス端子に供給して、リチウムイオン電池パック100を充電する。
ステップ6dにおいて制御部400は、電流検出部240が検出した電流ISCが、予め設定された閾値電流値Ith3以下であるか否かを判定する。ここで、閾値電流値Ith3は、リチウムイオン電池パック100の充電が完了した、もしくはSCiB200およびSCiB201による充電が行えなくなったことを確認するための閾値である。すなわち、ステップ6dでは、SCiB200およびSCiB201によるリチウムイオン電池パック100の充電を完了する。ここで、電流ISCが閾値電流値Ith3より大きい場合には、再びステップ6dに移行して電流ISCの監視を継続し、これにより充電が継続される。一方、電流ISCが閾値電流値Ith3以下の場合には、ステップ6eに移行する。
ステップ6eにおいて制御部400は、SCiB200およびSCiB201によるリチウムイオン電池パック100の充電が完了したことより、スイッチ260をOFFにし、これによりSCiB200およびSCiB201からトランジスタ271への電力供給を停止し、当該処理を終了する。
以上のように、上記構成の充電式電池装置では、リチウムイオン電池パック100と、リチウムイオン電池パック100より急速充電が可能なSCiB200およびSCiB201を並列に接続して備え、リチウムイオン電池パック100の出力電圧や温度を監視しながら充電を行い、充電の必要が生じたリチウムイオン電池パック100に対して充電器による充電が行えない場合には、SCiB200およびSCiB201によって充電を行うようにしている。
したがって、上記構成の充電式電池装置によれば、リチウムイオン電池パック100の出力電圧や温度を監視しながら充電を行うことで、二次電池の寿命や安全性への配慮し、また急速充電が可能なSCiB200およびSCiB201を併用し、リチウムイオン電池パック100を充電するようにしているので、充電時間を短縮化することができる。
また、上記構成の充電式電池装置では、接続された充電器がリチウムイオン電池パック100を充電しながら、SCiB200およびSCiB201を充電する能力が有る場合には、リチウムイオン電池パック100の充電に並行して、SCiB200およびSCiB201についても充電するようにしている。このため、リチウムイオン電池パック100の充電が完了する前に、充電器を取り外しても、リチウムイオン電池パック100よりも早く充電が完了するSCiB200およびSCiB201に蓄えられた電力で、リチウムイオン電池パック100を充電することができるので、充電器に接続する時間が短くても、リチウムイオン電池パック100に対して、ある程度の充電を行うことができる。
そしてまた、接続された充電器がリチウムイオン電池パック100を充電しながら、SCiB200およびSCiB201を充電する能力が無い場合には、リチウムイオン電池パック100の充電完了後に、SCiB200およびSCiB201を充電するようにしている。このため、充電器を取り外した後、リチウムイオン電池パック100に充電の必要が生じた場合に、SCiB200およびSCiB201に蓄えた電力によりリチウムイオン電池パック100を充電することができる。
さらに、上記構成の充電式電池装置では、接続された充電器がリチウムイオン電池パック100を充電する能力は無いが、SCiB200およびSCiB201を充電する能力が有る場合には、リチウムイオン電池パック100の充電は行わず、SCiB200およびSCiB201について充電するようにしている。このため、リチウムイオン電池パック100よりも早く充電が完了するSCiB200およびSCiB201に蓄えられた電力で、リチウムイオン電池パック100を充電することができるので、充電器に接続する時間を短くても、リチウムイオン電池パック100に対して、ある程度の充電を行うことができる。
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
その一例として例えば、上記実施の形態では、制御部400は、スイッチ220よりもスイッチ140を先にONにすることで(ステップ2cおよびステップ5c)、リチウムイオン電池パック100の充電を、SCiB200(およびSCiB201)の充電よりも優先して行うようにしたが、これに代わって、制御部400は、スイッチ140よりもスイッチ220を先にONにすることで、SCiB200(およびSCiB201)の充電を、リチウムイオン電池パック100の充電よりも優先して行うようにしてもよい。
すなわち、ステップ2cおよびステップ5cでスイッチ220をONにし、ステップ2e、2jおよびステップ5e、5jでスイッチ140をONにするようにしてもよい。これによれば、SCiB200(およびSCiB201)が、リチウムイオン電池パック100よりも優先的に充電されるので、短時間だけ充電器を接続した場合でも、SCiB200(およびSCiB201)については充電を完了することができ、後の制御(図3あるいは図6)により、リチウムイオン電池パック100の充電を行うことができる。
また上記実施の形態では、リチウムイオン電池パック100よりも短時間で充電が行える二次電池の例として、SCiB(Super Charge ion Battery)を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではない。またリチウムイオン電池パック100に限定されるものでもない。
すなわち、単位時間あたりに充電できる電力が相対的に異なる2つの二次電池であればよい。そして、2つの二次電池のうち、相対的に充電に要する時間がかかり、蓄えられる電力量の大きな二次電池を、リチウムイオン電池パック100の代わりに用い、一方、相対的に充電に要する時間が短く、蓄えられる電力量が小さな二次電池を、SCiB200の代わりに用いれば、同様の効果を奏する。
また充電電圧の例として、4.2V、4.0V、2.8V、5.6Vなどを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、採用する二次電池に合わせて、好適する電圧を適宜設定するようにしてもよい。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。