JP5451628B2 - プロテインホスファターゼ阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なプロテインホスファターゼ阻害剤及びこれを含有する医薬に関する。
プロテインホスファターゼはリン酸化タンパク質を脱リン酸化する酵素であり、生体内で糖代謝、平滑筋収縮、細胞周期、DNA複製、転写、翻訳、細胞接着、細胞活性化・分化などの制御、生体の免疫系や神経系の維持に作用しているといわれている。従って、プロテインホスファターゼ阻害剤は種々の医薬になる可能性があることから広く探索されている。プロテインホスファターゼの中でもセリン/スレオニンホスファターゼ(Ser/Thrホスファターゼ)は、化学的性質及び遺伝子構造よりPP1、PP2A、PP2B、PP2C(PPM1)ファミリーの4種に分類されている。このPPM1ファミリーは、特にDNA修復機構、ストレス応答、シグナル伝達、細胞増殖などの細胞機能の制御に関与していることから、特にその阻害剤の開発は注目されている。
PPM1ファミリーに属するPPM1D(Protein Phosphatase Magnesium‐Dependent 1、 Delta)は、紫外線や電磁線などによりDNAにダメージを受けると、がん抑制タンパク質p53依存的な誘導を受け、細胞内で増加するホスファターゼである。PPM1Dは、乳がんを含めた複数のがん細胞で過剰発現していることが報告されており(非特許文献1)、発がんとPPM1Dの関係が注目されている。一方、PPM1Dは生体内において恒常的に発現していること、また、ノックアウトマウスを用いた研究からPPM1Dが発がんのみならず精子形成や老化、免疫応答にも関与していることが示唆されている(非特許文献2)。
このように、プロテインホスファターゼの一部、例えばPPM1Dは発がんその他において重要な役割をしているにもかかわらず、その機能や阻害剤についてはほとんど明らかにされていない。
Nat. Genet., 31, 210−215, 2002 Mol. Cell. Biol., 22, 1094−1105, 2002
本発明の目的は、新たなプロテインホスファターゼ阻害剤を提供することにある。
そこで本発明者は、医薬として投与する際の経口投与可能性、免疫原性等の点を考慮し、低分子化合物を合成してプロテインホスファターゼ阻害活性を評価したところ、下記一般式(1)で表されるケイ素化合物が、優れたプロテインホスファターゼ阻害活性、特にPPM1D阻害活性を有し、その阻害活性は類似のホスファターゼであるPPM1A(p38依存的なホスファターゼ)に対する阻害活性に比べてPPM1D選択性が高く、かつ癌細胞内で阻害効果を発揮し、また優れたがん細胞増殖抑制効果を発揮することから、悪性腫瘍治療薬として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式(1)
(式中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基を示し;Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜36の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環式基を示し;nは0又は1の数を示す)
で表されるケイ素化合物又はその塩を有効成分とするプロテインホスファターゼ阻害剤を提供するものである。
また、本発明は、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する医薬を提供するものである。
また、本願発明は、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の、プロテインホスファターゼ阻害剤製造のための使用を提供するものである。
また、本願発明は、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の、医薬の製造のための使用を提供するものである。
また、本願発明は、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を投与する、プロテインホスファターゼ阻害方法を提供するものである。
また、本願発明は、上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を投与する、悪性腫瘍の治療方法を提供するものである。
本発明の一般式(1)で表される化合物(以下、本発明化合物(1)ともいう)又はその塩は、がん抑制遺伝子であるp53依存的なホスファターゼであるPPM1Dを選択的に阻害すること及びがん細胞の増殖を抑制することから、悪性腫瘍治療薬に代表される医薬として有用である。また本発明化合物(1)又はその塩は低分子化合物であることから、免疫原性等の問題がなく、かつ投与ルートも制限されないため、医薬として有用である。
2種のPPM1DアイソフォームPPM1D605とPPM1D430の種々の臓器における発現量を示す図である。 ADR(Adriamycin)刺激(+)後の、乳がん由来MCF7細胞に対する実施例1の化合物(化合物(1))の効果を示す図である。(−)はADR刺激していないもの。(上段:p53の15位Serのリン酸化、下段:p53総タンパク量、*バーは47.5kDaのマーカー。) UV(15J/m)刺激(+)後の、乳がん由来MCF7細胞における実施例1の化合物(化合物1)及び実施例5の化合物(化合物2)の効果を示す図である。(−)はUV刺激していないもの。(上段:p53の15位Serのリン酸化、下段:actinによるタンパク質量の比較) 乳がん由来MCF7細胞に対して実施例1の化合物(化合物1)を添加後3日経過したときの効果を顕微鏡で観察した図である。右側は左黒枠の拡大図である。 乳がん由来MCF7細胞の細胞増殖における実施例1の化合物(化合物1)の効果を示す図である。化合物添加後1日および3日経過したときの細胞数を計測した。
一般式(1)中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基が挙げられる。当該炭化水素基としては、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基が挙げられ、さらに直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アラルキル基、又は芳香族炭化水素基が好ましい。さらに、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、あるいはC6-10アリール−C1-6アルキル基が好ましい。より詳細には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。また、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が好ましい。さらに、ベンジル基、フェネチル基等のフェニル−C1-4アルキル基が好ましい。これらのシリル基上の置換基R1、R2及びR3は、同一でも異なっていてもよい。
(R1)(R2)(R3)Si−の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ(n−プロピル)シリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ(n−ブチル)シリル基、トリ(sec−ブチル)シリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる。
一般式(1)中、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜36の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環式基を示す。ここで、炭素数3〜36の炭化水素基としては、直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素いずれでもよく、また飽和でも不飽和でもよい。より好ましくは、炭素数3〜24の直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基である。
当該炭化水素基の例としては、C3−C24アルキル基、C3-24アルケニル基、C3-24アルキニル基、C3−C24環状構造を有する飽和又は不飽和炭化水素基が挙げられる。C3−C24アルキル基の例としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のC3−C6アルキル基が好ましい。C3-24アルケニル基としては、1−プロペン−1−イル基、2−プロペン−1−イル基、イソプロペニル基、1−ブテン−1−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、1−ブテン−2−イル基、2−ブテン−2−イル基、3−ブテン−2−イル基等のC3−C8アルケニル基が好ましい。C3-24アルキニル基としては、プロピニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、オクチニル基等のC3−C8アルキニル基が好ましい。
3−C24環状構造を有する飽和又は不飽和炭化水素基としては、例えば、5又は6員環状の飽和又は不飽和の炭化水素を1〜3個有する環状構造を有する炭化水素基が挙げられる。
これらの炭化水素基には、ヒドロキシ基、ニトリル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換スルホニル基、ハロゲン原子、トリ置換シリル基及びトリ置換シリルオキシ基から選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよい。ここで、アルコキシ基及びアルキルチオ基の炭素数は1〜6が好ましい。アルコキシカルボニル基の炭素数は2〜7が好ましい。またトリ置換シリル基又はトリ置換シリルオキシ基としては、前記の(R1)(R2)(R3)Si-(O)n−基が好ましい。置換スルホニル基としては、メタンスルホニル基等のC1-4アルカンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等が挙げられる。これらの置換基は1〜4個有していてもよい。
Xで表される複素環式基としては、窒素原子又は酸素原子を含む5又は6員の複素環式基が挙げられ、具体的にはピロリル基、ピロリジニル基、ピリジル基、フラニル基、テトラヒドロフラニル基、ピラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
当該複素環には、アリール基、アラルキル基、アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アシルオキシ基及びアラルキルオキシ基から選ばれる1〜5個の置換基を有していてもよい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。アルキルアミノ基としてはメチルアミノ基、エチルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルアミノ基が挙げられる。アルケニルアミノ基としては、プロペニルアミノ基、2−メチレン−プロピルアミノ基等が挙げられる。アシルオキシ基としてはアセトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。アラルキルオキシ基としてはベンジルオキシ基等が挙げられる。
本発明化合物(1)の好ましい例を挙げれば、次の式(2)〜(8)で表されるものが挙げられる。
(式中、R4及びR5は同一又は相異って水素原子又は(R1)(R2)(R3)Si−を示し、その少なくとも一方は(R1)(R2)(R3)Si−であり;
6は水素原子を示すか、R8のヒドロキシ基と一緒になって−O−(エーテル結合)を形成してもよく;
7は水素原子を示し、R8はヒドロキシ基を示すか、R7とR8が一緒になってオキソ基(=O)を形成してもよい。)
本発明化合物(2)には不斉炭素原子が複数存在するため複数の光学活性体又はそれらの混合物の状態で存在し得る。好ましい本発明化合物(2)の立体構造を示せば、次のとおりである。
(式中、R4、R5、R6及びR8は前記と同じ)
(式中、R9はヒドロキシメチル基、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基を示し、R1、R2及びR3は前記と同じ)
式(3)の化合物のうち、好ましい立体構造を示せば次のとおりである。
(式中、R1、R2、R3及びR9は前記と同じ)
(式中、Arはアリール基(例えばフェニル基)を示し、R1、R2及びR3は前記と同じ)
本発明化合物(1)は、塩を形成してもよく、その塩を形成する酸又は塩基としては、塩酸、硫酸などの鉱酸;酢酸、コハク酸、クエン酸等の有機酸;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属等が挙げられる。また、本発明化合物(1)は、水和物等の形態であってもよい。
本発明化合物(1)は、構造中に(R1)(R2)(R3)Si(O)n−を有する点に特徴があり、この構造を有さない化合物にはプロテインホスファターゼ阻害効果、特にPPM1D阻害効果がほとんどない。
本発明化合物(1)は、例えば次の反応式に従って製造することができる。
(式中、Zは脱離基を示し、Mは金属原子を示し、R1、R2、R3及びXは前記と同じ)
脱離基Zを有するケイ素化合物((R1)(R2)(R3)Si-Z)と、アルコール又はフェノール(HO-X)を塩基の共存下で反応させ、(R1)(R2)(R3)Si-OXを得る。又は、脱離基Zを有するケイ素化合物((R1)(R2)(R3)Si-Z)と、有機金属化合物(M-X)を反応させ、(R1)(R2)(R3)Si-Xを得る。
式中、脱離基Zとしては、特に制限されないが、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、アリールスルホン酸基又は過塩素酸基等が挙げられる。塩基としては、トリアルキルアミン、ジアルキルアリールアミン、水素化ナトリウム、メチルリチウム、又はn−ブチルリチウム等が挙げられる。Mは金属イオン、望ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はマグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。
上記の如くして得られた本発明化合物(1)又はその塩は、がん細胞増殖抑制作用及びプロテインホスファターゼ阻害活性、特に強いPPM1D阻害活性を有する。さらにその阻害活性は、細胞内(特に癌細胞内)のPPM1Dに対しても作用する。また、PPM1Dはがん抑制遺伝子であるp53依存的な誘導を受けることが知られている。一方、PPM1Aは、PPM1Dと同じSer/Thrホスファターゼであるが、p38依存的であるといわれている。本発明化合物(1)は、PPM1Aに対してほとんど作用せず、PPM1D特異的に阻害するという特徴を有する。従って、本発明化合物(1)又はその塩は、悪性腫瘍治療薬として有用である。
さらにまた、本発明化合物(1)は、低分子化合物であることから、免疫原性がなく、かつ経口投与も可能であることから、安全性及びコンプライアンス上も、ヒトを含む哺乳類に対する医薬として有用である。
本発明化合物(1)又はその塩を医薬組成物に含有せしめる場合、必要に応じて薬学的に許容される担体と配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能である。該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等が挙げられるが、経口剤が好ましい。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
薬学的に許容される担体としては、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が用いられる。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、安定化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦形剤、必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明化合物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。
注射剤を調製する場合は、本発明化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。
坐剤を調製する場合は、本発明化合物に当業界において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を加えた後、常法により製造することができる。
軟膏剤を調製する場合は、本発明化合物に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。
貼付剤を調製する場合は、通常の支持体に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。
前記の各製剤中の本発明化合物の含有量は、患者の症状、その剤形等により一定ではないが、一般に経口剤では約0.05〜1000mg、注射剤では約0.01〜500mg、坐剤では約1〜1000mg程度である。
また、これらの製剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人(体重60kg)1日あたり約0.05〜5000mg程度であり、0.1〜1000mgが好ましく、これを1日1回又は2〜3回程度に分けて投与するのが好ましい。
本発明化合物を含有する医薬を投与することにより治療できる疾病としては、悪性腫瘍が挙げられ、例えば、頭頚部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨・軟部肉腫、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍等が挙げられる。
後記実施例に示すように、本発明者はヒトPPM1Dに430残基からなる選択的スプライシングバリアントPPM1D430が存在することをmRNAおよびタンパク質レベルで同定し、PPM1D430が白血球および精巣に特異的に発現していることを明らかにしている(図1)。
なお、図1中、PPM1D605は従来PPM1Dと表示されていたものであり、新規アイソフォームであるPPM1D430との混同を避けるため、ここではPPM1D605と表示する。PPM1D欠損マウスでは抗原刺激に対するB細胞及びT細胞の免疫応答の減衰が観察されることから(非特許文献2)、PPM1D阻害剤は免疫抑制剤として有用であり、本発明化合物は臓器移植などにおける免疫抑制剤としても有用である。
さらにPPM1Dはエストロゲン受容体やプロゲステロン受容体などを活性化することが知られていることから(J.Biol.Chem., 281,7089−7101, (2005))、本発明化合物は抗ホルモン薬としても有用である。
以下に実施例、試験例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
実施例1
5mLの試験管に化合物1a(11.5mg, 21.3μmol)(Miyashita, M. et al. Science 2004, 305, 495.;Yoshimura, F. et al. Chem. Eur. J. 2009, 15, 6626)を入れアルゴンで置換した後、乾燥ジクロロメタン(0.21mL)に溶かした。0℃に冷却した後、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0Mヘキサン溶液, 107μL, 0.107mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0Mヘキサン溶液, 107μL, 0.107mmol)を加え、さらに3.5時間撹拌した。酢酸エチル(0.1mL)をゆっくり加え反応を停止した。酢酸エチルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液と酒石酸ナトリムカリウム四水和物を加え、白色沈殿が消失するまで激しく撹拌した。酢酸エチルとジクロロメタンで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。除媒後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル=7/1-5/1)で精製すると、化合物1が無色結晶(10.5mg, 91%)で得られた。
化合物1:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 0.09(3H, s), 0.13(3H, s), 0.59(6H, q, J=7.5Hz), 0.92(9H, s), 0.96(9H, t, J=8.0Hz), 1.03(3H, s), 1.11(3H, d, J=6.9Hz), 1.32(3H, s), 1.25-1.42(4H, m), 1.45-1.68(6H, m), 1.77-1.83(1H, m), 1.95-2.08(3H, m), 3.72-3.76(1H, m), 3.72(1H, d, J=12.0Hz), 3.98(1H, d, J=11.5Hz), 4.10(1H, quintet, J=4.0Hz), 4.54(1H, brs).
実施例2
100mLの二口ナス型フラスコにラクトン(1.0g, 1.88mmol)(Miyashita, M. et al.Science 2004, 305, 495.)を入れ、アルゴンで置換した後、乾燥トルエン(18mL)を加えた。-78℃に冷却した後、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.01Mトルエン溶液, 1.86mL, 1.88mmol)を加えた後、-78℃で2時間撹拌した。酢酸エチルを-78℃でゆっくり加え反応を停止した。水と酒石酸ナトリムカリウム四水和物を加え、白色沈殿が消失するまで室温で激しく撹拌した。酢酸エチルで抽出した後、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥した。除媒後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル=9/1-4/1-3/1)で精製すると、化合物1aが無色油状物(608.5mg, 60%)として得られ、原料のラクトンが313.7mg(0.584mmol, 31%)回収された。回収したラクトンに対して同様の操作を2回繰り返すと、化合物1aがさらに250.9 mg(25%)得られた。
実施例3
5mLの試験管に化合物1(4.0mg, 7.4μmol)を入れテトラヒドロフラン(0.15mL)に溶かした。炭酸カリウム(2.0mg, 15μmol), 塩化テトラブチルアンモニウム(4.1mg, 15μmol), 七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(9.1mg, 7.4μmol)及び過酸化水素水(35%, 37μL)を順に加えた。室温で1分間撹拌した後、50℃で2.5時間撹拌した。室温に冷却した後、水で希釈した。酢酸エチルとジクロロメタンで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。除媒後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製すると、化合物1bが無色油状物(3.8mg, 95%)として得られた。
化合物1b:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 0.13(3H, s), 0.17(3H, s), 0.55-0.63(6H, m), 0.94(9H, s), 0.97(9H, t, J=8.0Hz), 1.12(3H, s), 1.12(3H, d, J=7.5Hz), 1.17(3H, s), 1.27-1.42(2H, m), 1.50-1.71(7H, m), 1.97-2.07(1H, m), 2.04(1H, d, J=14.9Hz), 2.12(1H, d, J=13.8Hz), 2.40(1H, d, J=14.9Hz), 2.64(1H, d, J=14.3Hz), 3.54(1H, d, J=12.0Hz), 3.58(1H, d, J=12.0Hz), 3.75-3.80(1H, m), 4.48(1H, d, J=1.8Hz).
実施例4
5mLの試験管にラクトン(6.3mg, 11.7μmol)(Miyashita, M. et al. Science 2004, 305, 495.)を入れアルゴン置換した後、乾燥テトラヒドロフラン(0.1mL)で溶かし0℃に冷却した。フッ化テトラブチルアンモニウム(1.0Mテトラヒロドフラン溶液, 23.5μL, 23.5μmol)を加え、室温で2時間撹拌した。フッ化テトラブチルアンモニウム(1.0Mテトラヒロドフラン溶液, 8μL, 8μmol)を加え、室温でさらに1.5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、除媒した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル=8/1-2/1)で精製すると、アルコールAが無色油状物(5.5mg)として得られた。得られたアルコールA(5.5mg)を5mLの試験管に入れアルゴン置換した後、乾燥ジエチルエーテル(0.12mL)に溶かし0℃に冷却した。水素化ジイソブチルアルミニウム(1.02Mヘキサン溶液, 57μL, 58.5μmol)を加えた後、室温で2.5時間撹拌した。酢酸エチル(30μL)を0℃でゆっくり加え反応を停止した。酢酸エチルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液と酒石酸ナトリムカリウム四水和物を加え、白色沈殿が消失するまで激しく撹拌した。酢酸エチルで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。除媒後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製すると、化合物1dが無色結晶(3.8mg, 76% for 2steps)で得られた。
化合物1d:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 0.11(3H, s), 0.13(3H, s), 0.92(9H, s), 1.02(3H, s), 1.15(3H, d, J=7.5 Hz), 1.19(1H, s), 1.23-1.29(1H, m), 1.35(3H, s), 1.36-1.41(3H, m), 1.50-1.55(1H, m), 1.65-1.85(7H, m), 2.03-2.10(2H, m), 3.69(1H, d, J=11.5Hz), 3.79(1H, brs), 4.04(1H, d, J=11.5Hz), 4.11(1H, quintet, J=4.0Hz), 4.57(1H, brs).
実施例5
化合物2bの合成:既知化合物2a(2.91g, 17.6mmol)とジヨードメタン(3.0mL, 37.8mL)をテトラヒドロフラン(80mL)に溶かし、-78℃に冷却した。メチルリチウム(1.04Mジエチルエーテル溶液, 42.3mL, 44.0mmol)を加えた後、-78℃で20分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8:1)で精製すると、化合物2c(2.12g, 59%)が得られた。
化合物2cの合成:ジイソプロピルアミン(2.9mL, 28.0mmol)とブチルリチウム(1.59Mヘキサン溶液, 14.6mL, 23.2mmol)から調整したリチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン溶液(22mL)を-78℃に冷却した後、化合物2b(2.08g, 11.6mmol)のテトラヒドロフラン(36mL)-ヘキサメチルホスホラミド(16mL, 93.0mmol)混合溶液を加えた。0℃で2時間撹拌した後、クロロトリイソプロピルシラン(6.2mL, 29.0mmol)を加えた。室温で30分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。ヘキサンで抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50:1)で精製すると、化合物2c(3.51g, 89%)が得られた。
化合物2の合成:化合物2c(3.60g, 10.6mmol)をジクロロメタン(53mL)に溶かし、-78℃で水素化ジイソブチルアルミニウム(0.98Mヘキサン溶液, 21.6mL, 21.2mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、テトラヒドロフランと10%酒石酸水溶液を加えて反応を停止した。40℃で20分間撹拌した後、ヘキサンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。粗生成物のアルデヒドはそのまま次の反応に用いた。ジエチルホスホノ酢酸エチル(6.3mL, 31.7mmol)のテトラヒドロフラン溶液(16mL)に0℃で水素化ナトリウム(936.6mg, 21.2mmol)を加え撹拌した(以下溶液Aとする)。得られたアルデヒド(10.6mmol)のテトラヒドロフラン溶液に、溶液Aを0℃で加えた。室温で20分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。ヘキサンで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=18:1)で精製すると、化合物2(3.93g, 71% for 2steps)が得られた。
化合物2:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 6.96(1H, d, J=16.0Hz), 5.86(1H, d, J=16.0Hz), 4.18(2H, m), 3.53(2H, d, J=6.3Hz), 2.27(1H, t, J=6.3Hz), 1.72(2H, m), 1.60-1.50(2H, m), 1.43(1H, m), 1.27(3H, t, J=9.8Hz), 1.10-1.04(24H, m), 0.94(3H, s), 0.74(3H, s).
実施例6
化合物3bの合成:α-スタニルエーテル38g(7.09g, 16.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)にブチルリチウム(2.64Mヘキサン溶液, 5.7mL, 15.0mmol)を-78℃で加えた。-78℃で20分間撹拌した後、-100℃に冷却した。この溶液に、既知化合物3a(1.66g, 10mmol)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)を-100℃で加えた。混合物を1時間かけて-78℃に昇温した後、-78℃でさらに1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、粗生成物をヘキサン-酢酸エチルから再結晶すると、化合物3b(2.02g, 63%)が得られた。
化合物3cの合成:化合物3b(2.02g, 6.36mmol)をピリジン(12.7mL)に溶かした後、0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(5.7mL, 15mL)を加えた後、室温で2時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物のメシラートはそのまま次の反応に用いた。得られたメシラート(6.36mmol)をジクロロメタン(30mL)-リン酸緩衝溶液(pH7, 10mL)混合溶媒に溶かした後、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(5.11g, 22.5mmol)を加えた。室温で3時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物のアルコールはそのまま次の反応に用いた。得られたアルコール(6.36mmol)をメタノール(32mL)に溶かし、炭酸カリウム(4.41g, 31.9mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム(123.3mg, 3.26mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物にアセトンを加えた後、濾過した。濃縮した後、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル=10:1)で精製すると、化合物3c(1.00g, 88% for 3steps)が得られた。
化合物3dの合成:ジイソプロピルアミン(1.8mL, 12.8mmol)とブチルリチウム(2.6Mヘキサン溶液, 4.2mL, 10.7mmol)から調整したリチウムジイソプロピルアミドのテトラヒドロフラン溶液(10mL)を-78℃に冷却した後、化合物3c(959.9mg, 5.35mmol)のテトラヒドロフラン(17mL)-ヘキサメチルホスホラミド(7.5mL, 42.8mmol)混合溶液を加えた。室温で14時間撹拌した後、クロロトリイソプロピルシラン(2.9mL, 13.5mmol)を加えた。室温で30分間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。ヘキサンで抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30:1)で精製すると、化合物3d(915.5mg, 92%)が得られた。
化合物3fの合成:化合物3d(1.60g, 4.78mmol)をジクロロメタン(24mL)に溶かし、-78℃で水素化ジイソブチルアルミニウム(0.97Mヘキサン溶液, 9.9mL, 9.56mmol)を加えた。0℃で2時間撹拌した後、テトラヒドロフランと10%酒石酸水溶液を加えて反応を停止した。室温で1.5時間撹拌した後、ヘキサンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。粗生成物のアルデヒドはそのまま次の反応に用いた。ジエチルホスホノ酢酸エチル(3.8mL, 19.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に0℃で水素化ナトリウム(661.7mg, 27.6mmol)を加え撹拌した(以下溶液Aとする)。得られたアルデヒド(4.78mmol)のテトラヒドロフラン溶液に、溶液Aを0℃で加えた。室温で45分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。ヘキサンで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50:1)で精製すると、化合物3f(1.39g, 76% for 2steps)が得られた。
化合物3の合成:化合物3f(1.35g, 3.30mmol)のジクロロメタン(16.5mL)溶液に水素化ジイソブチルアルミニウム(0.97Mヘキサン溶液, 10.2mL, 9.90mmol)を-78℃で加えた。混合物を1.5時間かけて室温に昇温した後、室温で10分間撹拌した。飽和酒石酸ナトリムカリウム水溶液を加えて反応を停止した。ヘキサンで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル=30:1)で精製すると、化合物3(1.02g, 85%)が得られた。
化合物3:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 5.73(2H, m), 4.13(2H, t, J=5.7Hz), 3.94(1H, dd, J=10.3, 4.6Hz), 3.86(1H, dd, J=10.3, 4.0Hz), 1.71-1.61(2H, m), 1.54(2H, m), 1.28(2H, m), 1.11-1.01(21H, m), 0.92(3H, s), 0.89(3H, s), 0.66(3H, s).
実施例7
化合物4(62mg, 0.20mmol)をトルエン(10mL)に溶かし、0℃に冷却した。水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0Mトルエン溶液, 0.40mL, 0.40mmol)を加えた後、0℃で15分間撹拌した。メタノール(1.0mL)を加えて反応を停止した後、空気中100℃で3時間撹拌した。反応溶液に、シリカゲル(2.5g)-水(0.8mL)から調整したスラリー状シリカゲルを加えた後、混合物を室温で45分間撹拌した。次いで無水硫酸マグネシウム(33mg)と炭酸カリウム(33mg)を加えた後、混合物を室温で90分間撹拌した。セライトを用いて濾過した後、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル=98.5:1.5)で精製すると、化合物5(51mg, 82%)が得られた。
化合物5:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 8.77(s, 1H), 8.04(dt, J=8.0, 1.7Hz, 2H), 7.85(dd, J=8.0, 1.7Hz, 1H), 7.73(d, J=8.0Hz, 1H), 7.48(td, J=8.0, 1.7Hz, 2H), 7.42(tt, J=8.0, 1.7Hz, 1H), 1.45(sept, J=7.4Hz, 3H), 1.11(d, J=7.4 Hz, 18H).
実施例8
化合物4Bの合成:ブチルリチウム(2.77Mヘキサン溶液, 78mL, 217mmol)と1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(49mL, 234mmol)から調整したリチウムヘキサメチルジシラジドのテトラヒドロフラン溶液(125mL)に3-メトキシアクリロニトリル(E/Z=5:1, 17mL, 200mmol)を-78℃でゆっくり加えた。その後、トリフルオロメタンスルホン酸トリイソプロピルシリル(45mL, 167mmol)のテトラヒドロフラン溶液(84mL)を、カニュラーを用いてゆっくり加えた。-78℃で1時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。ジエチルエーテルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製すると、化合物4B(32.0g, 80% based on TIPSOTf)がE/Z=24:76の分離不可能な混合物で得られた。得られた化合物4BのE/Z=24:76の混合物(32.0g, 134mmol)をヘキサンに溶かし、空気中室温で4時間32Wの低圧水銀ランプを照射した。濃縮した後、残渣を-30℃でヘキサンから再結晶すると、化合物4B(E-only, 16.6g, 42%)が単一の異性体として得られた。
化合物5Cの合成:アルゴン雰囲気下、撹拌しながら、切削片状マグネシウム(4.38g, 180mmol)のジエチルエーテル溶液(25mL)にクロロメチルトリメチルシラン(21mL, 150mmol)のジエチルエーテル溶液(100mL)を穏やかな還流を保ちつつゆっくりと滴下した。この溶液にトルエン(125mL)を加えた後、90℃に加熱してジエチルエーテルを除媒した。2時間加熱後室温に冷却した(以下、溶液Aとする)。アルゴン雰囲気下、化合物4B(E-体, 16.3g, 68mmol)をトルエン(272mL)に溶かし、溶液Aを室温で加えた後、90℃に加熱した。90℃で15.5時間撹拌した後、室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。ヘキサンで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=97/3)で精製すると、化合物4C(16.0g, 74%)が得られた。
化合物4の合成:化合物4C(709.6mg, 2.4mmol)をジエチルエーテル(6.0mL)に溶かし、-30℃に冷却した。ブチルリチウム(1.63Mヘキサン溶液, 1.41mL, 2.3mmol)を加えた後、-30℃で1時間撹拌した。混合物を-78℃に冷却した後、ベンズアルデヒド(0.203mL, 2.0mmol)のジエチルエーテル溶液(4.0mL)を加えた。-78℃で1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止した。ジエチルエーテルで抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、粗生成物を-30℃でヘキサンから再結晶すると、化合物4(233.4mg, 37%)が単一の異性体として得られた。
化合物4:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 7.54-7.53(m, 2H), 7.41-7.32(m, 4H), 7.08(d, J=10.9Hz, 1H), 6.91(d, J=15.5Hz, 1H), 1.34(sept, J=7.4Hz, 3H), 1.14(d, J=7.4Hz, 18H).
実施例9
試験管にアルデヒド(0.1mmol)と(S)-(Z)-アリルシラン(33.1mg, 0.15mmol)を入れアルゴン置換した後、乾燥プロピオニトリル(0.5mL)に溶かし0℃で撹拌した。この溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.36mg, 0.2mmol)をゆっくり加えた後、0℃で20分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、除媒した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製すると、化合物6が66%の収率で得られた。
化合物6:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 7.54-7.21(10H, m), 5.02(1H, dd, J=6.3, 4.0Hz), 4.95(1H, dd, J=6.9, 4.0Hz), 4.78(1H, d, J=8.6Hz), 4.47(1H, d, J=12.0Hz), 4.42(1H, d, J=12.0 Hz), 4.10(1H, ddd, J=12.6, 8.6, 4.0Hz), 3.93(1H, dd, J=11.5, 4.6Hz), 3.37-3.18(4H, m), 2.45(1H, d, J=6.9Hz), 2.19-2.07(1H, m), 2.07-1.89(2H, m), 2.02(3H, s), 1.99(3H, s), 1.72(1H, dq, J=14.9, 7.4Hz), 1.66(1H, dq, J=14.9, 7.4Hz), 1.47(1H, ddd, J=12.6, 12.6, 4.6Hz), 0.96(3H, d, J=6.9Hz), 0.94(6H, d, J=6.9Hz), 0.87(3H, d, J=6.9Hz), 0.78(3H, d, J=7.4Hz), 0.73(3H, d, J=6.9Hz), 0.34(3H, s), 0.21(3H, s).
実施例10
化合物7:後記の実施例11の化合物8Aから化合物8の合成法と同様にして、市販の1-ペンチン-5-オールから得た5-(トリイソプロピルシリル)-1-ペンチンを、文献法(J. R. Granja et al. Journal of Organic Chemistry, 2005, 70, 8281-8290)により化合物7に変換した。
無色油状物:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 1.00-1.15(21H, m), 1.68-1.81(2H, m), 2.28-2.40(2H, m), 3.73-3.78(2H, m), 4.24(2H, dt, J=5.2, 2.3Hz).
実施例11
化合物8Aの合成:市販のメチルチオメチルp-トリルスルホン(11.3g, 52.1mmol)をテトラヒドロフラン(350mL)に溶解させ、-78℃でブチルリチウム(2.64Mヘキサン溶液、21mL, 55.4mmol)を加えた。1.5時間攪拌した後、ヨウ化メチル(6.5mL, 104mmol)を加えた。0℃で30分間攪拌した後、塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水、次いで水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下で除媒した。ヘキサン-エタノールで再結晶を行うと、化合物8Aを得た。収率56%。得られた化合物8Aには約5%の原料と約5%のジメチル化体が含まれていた。
化合物8Bの合成:化合物8A(1.93g, 8.37mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(8.4mL)に溶解させ、パラホルムアルデヒド(756mg, 25.2mmol)、炭酸セシウム(140mg, 0.43mmol)を加え、50℃で30分間加熱した。塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下で除媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=30%〜50%)で精製し、化合物8Bを得た。収率80%。
化合物8の合成:化合物8B(1.75g, 6.71mmol)のジクロロメタン溶液(34mL)にトリエチルアミン(3.5mL, 20mmol)を加え、0℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸トリイソプロピルシリル(2.7mL, 10mmol)を1分間かけて滴下した後、0℃で3時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下で除媒した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2%〜10%)で精製し化合物8を得た。得られた化合物8はTIPSOHとの混合物で、モル比は約55:45であった。
化合物8:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 7.83(d, J=8.6Hz, 3H), 7.32(d, J=8.6Hz, 3H), 4.10(s, 3H), 2.45(s, 3H), 2.28(s, 3H), 1.56(s, 3H), 1.07-1.00(m, 21H).
参考例1
ポリプロピレン製の5mL試験管に化合物1(5.5mg, 10.2μmol)を入れアルゴンで置換した後、乾燥テトラヒドロフラン(0.3mL)に溶かし、0℃に冷却した。フッ化水素-ピリジン(0.15mL)をポリプロピレン製のシリンジを用いて加えた後、室温で1.5時間撹拌した。0℃でメトキシトリメチルシラン(約1.5mL)を反応溶液のpHが7になるまで1時間かけてゆっくり加えた。反応溶液を濃縮した後、高減圧下乾燥した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, クロロホルム/メタノール=9/1)で精製すると、化合物1cが無色結晶(3.2mg, >99%)で得られた。
化合物1c:1H-NMR(500MHz, CD3OD) δ 1.10(3H, s), 1.18(3H, d, J=7.5Hz), 1.37(3H, s), 1.31-1.48(5H, m), 1.55-1.82(7H, m), 1.88-1.95(1H, m), 2.00-2.09(1H, m), 3.22(1H, d, J=12.1Hz), 3.79(brd, J=2.3Hz), 4.08(1H, quintet, J=4.0Hz), 4.41(1H, s), 4.64(1H, d, J=12.0Hz).
参考例2
アルゴン置換したフラスコに乾燥1,2,4-トリクロロベンゼン(22mL)を入れ、240℃に加熱した。これにジエン(10.7g, 21.8mmol)(Miyashita, M. et al. Science 2004, 305, 495.)の1,2,4-トリクロロベンゼン溶液(22mL)を1時間かけてゆっくり滴下した。240℃で0.5時間撹拌した後、室温に冷却した。反応溶液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1-3/1)で精製し、環化体を得た。
得られた環化体(21.8mmol)をフラスコに入れ、アルゴン置換した後乾燥テトラヒドロフラン(33mL)に溶かした。0℃に冷却した後、70%フッ化水素-ピリジン(4.4mL)を加えた。室温で3時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止した。酢酸エチルで抽出した後、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、除媒した。粗生成物をヘキサン-酢酸エチルから再結晶するとエキソ体(4.4g, 51% for 2steps)が無色結晶で得られた。母液を濃縮した後、ヘキサン-酢酸エチルから再結晶すると化合物9が無色結晶で得られた。
化合物9:1H-NMR(270MHz, CDCl3) δ 1.13(d, J=7.4Hz, 3H), 1.20(dd, J=12.7, 4.6Hz, 1H), 1.28(s, 3H), 1.38(s, 3H), 1.61-2.25(m, 8H), 2.11(s, 3H), 2.23(d, J=3.8, 11.7Hz, 1H), 2.50(d, J=14.7Hz, 1H), 2.59(bt, J=12.6Hz, 1H), 3.18(s, 1H), 3.24(d, J=14.7Hz, 1H), 3.65(s, 3H), 4.94-4.95(m, 1H).
参考例3
室温で、化合物10(3.9g, 9.5mmol)にフッ化テトラブチルアンモニウム(1.0Mテトラヒドロフラン溶液, 14mL, 14.0mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、水を加えて反応を停止した。酢酸エチルで抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、除媒した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=18:1)で精製すると、化合物11(2.15g, 90%)が得られた。
化合物11:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 6.97(1H, d, J=16.0Hz), 5.82(1H, d, J=16.0Hz), 4.17(2H, q, J=7.4Hz), 3.50(2H, d , J=6.3Hz), 2.27(1H, t, J=6.3Hz), 1.72(2H, m), 1.60-1.50(2H, m), 1.46(1H, m), 1.29(3H, t, J=7.4Hz), 1.06(3H, s), 0.97(3H, s), 0.74(3H, s).
参考例4
化合物12(506.4mg, 2.0mmol)とセレノシアン酸2-ニトロフェニル(727.2mg, 3.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に0℃でブチルホスフィン(0.75mL, 3.0mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=18:1)で濾過した。粗生成物のセレニドはそのまま次の反応に用いた。得られたセレニド(2.0mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)にm-クロロ過安息香酸(75%, 599.7mg, 2.6mmol)を加え、室温で15分間撹拌した。2-メチル-2-ブテン(0.22mL, 2.0mmol)を加えた後、室温で10分間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジエチルエーテルを加えた。濃縮した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。粗生成物のセレノキシドはそのまま次の反応に用いた。得られたセレノキシド(2.0mmol)のトルエン溶液(13mL)に炭酸カルシウム(1.25g, 12.5mmol)を加えた後、80℃で1時間撹拌した。ヘキサンを加えた後、セライトで濾過した。濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30:1)で精製すると、オレフィン(273.2mg, 58% for 3steps)が得られた。得られたオレフィン(484.6mg, 2.07mmol)をテトラヒドロフラン(7mL)に溶かし、-78℃で水素化ジイソブチルアルミニウム(6mL, 6.2mmol)を加えた。-78℃で30分間撹拌した後、飽和酒石酸水溶液を加えて反応を停止した。酢酸エチルで抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル=15:1)で精製すると、化合物13(353.6mg, 89%)が得られた。
化合物12:1H-NMR(500MHz, CDCl3) δ 5.74(2H, m), 4.36(2H, d, J=7.4Hz), 4.16(2H, m), 1.77(1H, m), 1.63(2H, m), 1.55(1H, m), 1.29(1H, brs), 0.97(3H, s), 0.95(3H, s), 0.76(3H, s).
試験例1
本発明化合物(1)のPPM1D阻害活性を測定した。
(方法)
PPM1Dタンパク質(Protein ID:O15297/cDNA ID:U70385)は触媒ドメイン(1位から420位)をコードしたcDNAをpColdI ベクター(TaKaRa社)に導入し、Hisタグ融合タンパク質として大腸菌を用いて発現させた。精製はBD−TALON樹脂(CLONTECH社)を用いた金属アフィニティークロマトグラフィーによって行い、溶出バッファー(150mM Imidazole, PBS(pH7.5), 500mM NaCl, 10% glycerol, 0.2% ethanol, 1mM 2−mercaptoethanol)を用いて目的タンパク質の溶出を行った。溶出されたPPM1Dタンパク質は透析バッファー(50mM Tris−HCl(pH7.5), 0.1mM EGTA, 0.02% 2−mercaptoethanol)に対して16時間透析した後、50%グリセロールストック(酵素濃度1 μM)として−80℃で保存した。
PPM1Dに対する化合物の阻害効果について解析する際、上記の方法で発現・精製した酵素を用いた。また、基質にはFmoc固相法によって化学合成したp53の15位リン酸化Ser含有ペプチド(Ac−Val−Glu−Pro−Pro−Leu−Ser(P)−Gln−Glu−Thr−Phe−Ser−Asp−Leu−Trp−NH:Ser(P)はリン酸化Serを示す)を用いた。精製したp53リン酸化ペプチドをHOに溶解させ400μMの基質原溶液を調整した。実施例1の被験化合物(阻害剤)は予めエタノール(EtOH)で40mMの濃度で溶解させ、続いてジメチルスルホキシド(DMSO)で希釈し、濃度4mMの阻害剤原溶液を調節した。他の阻害剤はジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、濃度4 mMの阻害剤原溶液を調節した。阻害剤と基質の混合溶液30μL(66.7μM リン酸化ペプチド基質、66.7μM阻害剤、1.7%DMSO(実施例1の場合は1.5% DMSO、0.2% EtOH)、13mM Tris−HCl(pH8.0))を30℃で保温し、4℃の酵素と金属イオンの混合液20μL(10nM PPM1D, 125mM Tris−HCl(pH7.5), 0.25mM EGTA, 0.05% 2−mercaptoethanol, 75mM MgCl)を加え、30℃で10分間インキュベートすることによりPPM1Dに対する阻害活性を測定した。BIOMOL GREEN試薬(Biomol社)100μLを反応液に加えることにより酵素反応を停止し、30分後に620nmの吸光度を測定することでPPM1Dによって遊離したリン酸を検出した。PPM1Dにおける阻害効果は、阻害剤を含まないDMSO添加時の遊離リン酸量に対して、阻害剤添加による遊離リン酸の減少量を620nmの吸光度を測定することにより解析した。
(結果)
得られた結果を表1に示す。
試験例2
PPM1D阻害活性を測定し、本発明化合物(1)のPPM1D阻害活性の選択性を検討した。表2に実施例1の化合物〔化合物1〕及び実施例5の化合物〔化合物2〕の結果を示す。
(方法)
阻害剤の酵素選択性を解析するため、PPM1Dと同じPPM1ファミリーに属するPPM1Aへの阻害効果を解析し、PPM1Dに対する阻害効果と比較した。PPM1A(Protein ID:P35813/cDNA ID:S87759)の全長(382残基)をコードしたcDNAをpColdIベクターに導入し、PPM1Dと同様にして大腸菌の系を用いて発現・精製した。精製したPPM1A 16 nMに対して阻害活性測定を行った。PPM1Aに対する基質はp38リン酸化ペプチドアナログ(Ac−Asp−Asp−Glu−Nle−Thr(P)−Gly−Tyr(P)−Val−Ala−Thr−Arg−NH:Thr(P)はリン酸化Thr、Tyr(P)はリン酸化Tyr、NleはNorleucineを示す)を用いた。
阻害剤と基質の混合溶液30μL(66.7μM リン酸化ペプチド基質、各濃度阻害剤、1.7% DMSO(実施例1の被験化合物の場合は1.5% DMSO、0.2% EtOH)、13mM Tris−HCl(pH8.0))を30℃で保温し、4℃の酵素と金属イオンの混合液20μL(40nM PPM1A, 125mM Tris−HCl(pH7.5), 0.25mM EGTA, 0.05% 2−mercaptoethanol, 25mM MnCl)を加え、30℃で10分間インキュベートすることによりPPM1Aに対する阻害活性を測定した。
また、Ser/Thrホスファターゼファミリー間における阻害剤の酵素選択性を解析するため、PPPファミリーに属するPP2A(Protein ID:P67775/cDNA ID:X12649)への阻害効果を解析した。PP2AはPromega社より購入した。PP2Aに対する基質はp38リン酸化ペプチドアナログ(Ac−Thr−Asp−Asp−Glu−Met−Thr(P)−Gly−Tyr−Val−Ala−Thr−NH:Thr(P)はリン酸化Thrを示す)を用いた。阻害剤と基質の混合溶液30μL(333.3μM リン酸化ペプチド基質、各濃度阻害剤、1.7%DMSO(実施例1の場合は1.5% DMSO、0.2% EtOH)、13mM Tris−HCl(pH8.0))を30℃で保温し、4℃の酵素と金属イオンの混合液20μL(25mU PP2A, 125mM Tris−HCl(pH7.5), 0.25mM EGTA, 0.05% 2−mercaptoethanol, 75mM MgCl)を加え、30℃で10分間インキュベートすることによりPP2Aに対する阻害活性を測定した。
各阻害剤最終濃度(0, 0.1, 0.2, 0.4, 1, 2, 4, 10, 40μM)におけるPPM1A、PP2A、PPM1Dの阻害活性を各濃度に対して3回測定し、酵素活性を50%阻害する阻害剤濃度(IC50値)を決定した。
阻害剤原溶液は溶媒(DMSO、(実施例1の被験化合物を用いた場合は90% DMSO、10% EtOH))で希釈し、各濃度の阻害剤溶液を調製した。
酵素活性測定における他の条件は試験例1と同様である。
PPM1DおよびPPM1A、PP2Aに対する阻害剤のIC50値を比較することにより阻害剤の酵素選択性を解析した。
また、阻害剤の阻害定数(Ki)および阻害形式の測定については以下のように行った。
PPM1Dに対する化合物の阻害定数および阻害形式について解析する際、試験例1に示す方法で発現・精製した酵素を用いた。また、基質にはp53の15位リン酸化ペプチドアナログ(Ac−Val−Glu−Pro−Pro−Leu−Ser(P)−Gln−Glu−Thr−Phe−Ser−Asp−Leu−Trp−NH:Ser(P)はリン酸化Serを示す)を用いた。阻害剤と基質の混合溶液30 μL(各濃度リン酸化ペプチド基質、各濃度阻害剤、1.7% DMSO(実施例1の場合は1.5% DMSO、0.2% EtOH)、13mM Tris−HCl(pH8.0))を30℃で保温し、4℃の酵素と金属イオンの混合液20μL(10nM PPM1D, 125mM Tris−HCl(pH7.5), 0.25mM EGTA, 0.05% 2−mercaptoethanol, 75mM MgCl)を加え、30℃で10分間インキュベートすることによりPPM1Dに対する阻害活性を測定した。
各リン酸化ペプチド基質濃度(5, 10, 20, 40μM)、各阻害剤最終濃度(0, 0.3, 0.4, 0.6μM(実施例1の化合物〔化合物1〕)または0, 0.4, 1, 2μM(実施例5の化合物〔化合物2〕)で各リン酸化ペプチド基質濃度、阻害濃度におけるPPM1D活性を測定した。BIOMOL GREEN試薬(Biomol社)50μLを反応液に加えることにより酵素反応を停止し、30分後に620 nmの吸光度を測定することでPPM1Dによって遊離したリン酸を検出した。
これらの結果から、Ki(μM)を算出した。
(結果)
本発明化合物のPPM1D選択性評価について、実施例1の化合物〔化合物1〕を用いて行った結果、PPM1Dに対するIC50値:0.43±0.04μM、PPM1Aに対するIC50値:21±1.7μMであった。
更に、実施例1の化合物〔化合物1〕及び実施例5の化合物〔化合物2〕を用いて行った結果を表2に示す。
このように、本発明化合物のPPM1D阻害活性は、極めて選択性が高かった。
試験例3
癌抑制タンパク質p53はDNAダメージによって活性化、安定化し、細胞周期停止やアポトーシスに関与する多数のタンパク質の発現を誘導することで、細胞の癌化を防いでいる。p53はリン酸化によって活性化し、特に15位Serのリン酸化はp53の活性化、安定化に重要な役割を果たしていることが報告されている。
PPM1Dはp53の15位リン酸化Serを脱リン酸化することが知られており、スクリーニングの結果得られたPPM1D阻害剤の中で、実施例1の化合物〔化合物1〕又は実施例5の化合物〔化合物2〕を、MCF7細胞(乳癌由来の細胞、PPM1D過剰発現)に添加し、細胞内における阻害剤の効果を測定した。
(方法1)
MCF7細胞をADR(Adriamycin:別名Doxorubicin)刺激し、実施例1の化合物〔化合物1〕(10μM)を加え、12h後のp53の15位Serのリン酸化を観察することで、細胞内における化合物1のPPM1D阻害活性を測定した。なお、コントロールとしてADR刺激をしないものを(−)として同様に行った。
抗p53ポリクローナル抗体であるFL393を用いたIPでp53の濃縮を行い、p53 15位リン酸化SerをWestern Blottingにより検出した。
(方法2)
MCF7細胞にUV照射し(15J/m)、実施例1の化合物〔化合物1〕又は実施例5の化合物〔化合物2〕(10μM)を加え、24h後のp53の15位Serのリン酸化を観察することで、細胞内における実施例1の化合物〔化合物1〕又は実施例5の化合物〔化合物2〕のPPM1D阻害活性を測定した。p53の15位リン酸化Ser量の変化はWestern Blottingにより検出した。1次抗体として抗リン酸化p53(Ser15)マウスモノクノーナル抗体16−G8(Cell Signaling社)を用い、2次抗体として抗マウスIgG−HRP抗体(GE ヘルスケア バイオサイエンス社)を用いた。なお、コントロールとしてUV刺激をしないものを(−)として同様に行った。p53 15位リン酸化Serを上記方法1と同様にして検出した。
(結果)
本発明化合物(1)を加えることでリン酸化p53の大きな増加が見られ、p53の活性化が示された(図2及び3)。
試験例4
本発明化合物(1)のがん細胞に対する効果を確認した。
(方法)
1.1×10個の乳がん由来MCF7細胞(ATCCから購入)を、DMEM培地(10%FBS, 2mM Glutamine, 100nM penicillin/streptomycin)を用いて、5% CO,37℃条件下で10cm dishにて18時間培養した後に、PPM1D阻害剤(化合物1:40μM,0.06% DMSO,0.12% EtOH/Mock:0.06% DMSO,0.12% EtOH)を添加した。阻害剤添加72時間後にBIOREVO BZ−8000(キーエンス社)を用いて細胞の透過像を観察した。その後、5mlのPBS(8.1mM NaHPO,2.68mM KCl,1.47mM KHPO,137mM NaCl,pH7.5)で2回細胞を洗い、0.25% Trypsin/EDTA溶液(GIBCO社)を用いて細胞を回収し、トリパンブルーを加えた後にヘモサイトメーターを用いて細胞数を測定した。
(結果)
本発明化合物(1)は、がん細胞の増殖抑制作用を有することが示された(図4及び5)。

Claims (8)

  1. 式(2)
    (式中、R4及びR5は同一又は相異って水素原子又は(R1)(R2)(R3)Si−を示し、その少なくとも一方は(R1)(R2)(R3)Si−であり;
    1 、R 2 びR 3 は同一又は異なって、炭素数1〜12の炭化水素基を示し;
    6は水素原子を示すか、R8のヒドロキシ基と一緒になって−O−(エーテル結合)を形成してもよく;
    7は水素原子を示し、R8はヒドロキシ基を示すか、R7とR8が一緒になってオキソ基(=O)を形成してもよい。)
    で表されるケイ素化合物又はその塩。
  2. 前記ケイ素化合物が、次式(2−1)、(2−2)又は(2−3)
    (式中、R 4 、R 5 、R 6 及びR 8 は前記と同じ)
    で表されるケイ素化合物である請求項1記載のケイ素化合物又はその塩。
  3. 1 、R 2 及びR 3 が、同一又は異なって、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、又はC 6-10 アリール−C 1-6 アルキル基である請求項1又は2記載のケイ素化合物又はその塩。
  4. (R 1 )(R 2 )(R 3 )Si−が、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ(n−プロピル)シリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ(n−ブチル)シリル基、トリ(sec−ブチル)シリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、又はtert−ブチルジフェニルシリル基である請求項1〜3のいずれか1項記載のケイ素化合物又はその塩。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のケイ素化合物又はその塩を含有する医薬。
  6. 悪性腫瘍治療薬である請求項5記載の医薬。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項記載のケイ素化合物又はその塩を含有するプロティンホスファターゼ阻害剤。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項記載のケイ素化合物又はその塩を含有するPPM1D阻害剤。
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