JP5451245B2 - 切断ブレード - Google Patents
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すなわち、特許文献1の複合砥石のように、無機質繊維群が砥石体の長手方向に沿って配置されている場合、この長手方向に沿う方向の機械的強度はある程度確保されるものの、長手方向に交差する方向の機械的強度は充分に確保できない。このように、機械的強度が向きにより安定しない構成では、切断ブレードのように、回転駆動によって被切断材に切断加工を施すものには適用できなかった。
すなわち本発明は、砥粒が樹脂相に分散されてなる円形薄板状の基材と、前記基材の外周縁部に形成された切刃と、を有し、前記基材が軸周りに回転されるとともに、前記切刃で被切断材を切断加工する切断ブレードであって、前記基材の厚さ方向の中央部には、前記樹脂相以上の強度を有する網状部材を含む第1クロス層が形成され、前記基材の厚さ方向の端面には、前記樹脂相以上の硬度を有する網状部材を含む第2クロス層が、前記切刃に対応して形成され、前記第1クロス層の網状部材の目開きが、前記砥粒の平均粒径以上に設定され、前記第2クロス層の網状部材の目開きが、前記砥粒の平均粒径以上に設定されていることを特徴とする。
また、本発明に係る切断ブレードにおいて、前記第1クロス層の厚さ寸法T1の、前記基材の厚さ寸法Tに対する比(T1/T)が、1/10〜1/3.3の範囲内に設定されていることとしてもよい。
また、本発明に係る切断ブレードにおいて、前記第1クロス層の硬度が、前記樹脂相の硬度以上とされ、前記第1クロス層の硬度の、前記樹脂相の硬度に対する比(第1クロス層の硬度/樹脂相の硬度)が、1.014〜1.4の範囲内に設定されていることとしてもよい。
また、基材1の樹脂相のロックウェル硬さは、50〜70HRCの範囲内に設定されている。
まず、図4(a)に示すように、第1クロス層4となるガラスクロス4Aと、第2クロス層5となるガラスクロス5Aと、樹脂相となるシート部材11と、を用意する。尚、ガラスクロス5A及びシート部材11は、夫々一対ずつ用意する。
すなわち、まず、シート部材11の原料となる粉状又は粒状の熱硬化性樹脂(樹脂材料)に、前述の平均粒径に設定されたダイヤモンド砥粒3からなるダイヤモンド粉末、及び、有機溶剤を混ぜて泥漿(スラリー)を作り、このスラリー内にダイヤモンド砥粒3が均一に分散されるように混合する。
次いで、このスラリーを、ドクターブレード法を用いて厚さ調整し、フィルム状に成形する。
このようにして、切断ブレード10が製造される。
例えば、本実施形態では、砥粒としてダイヤモンド砥粒3を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、ダイヤモンド砥粒3以外のcBN砥粒等を用いても構わない。
また、ガラスクロス4A、5Aが同一部材からなることとして説明したが、ガラスクロス4A、5Aは、互いに材質、目開き等が異なる別部材同士であってもよい。
また、ガラスクロス4A、5Aの網目が、矩形状又は正方形状に夫々形成されていることとしたが、それ以外の多角形状や円形状等に夫々形成されていても構わない。
実施例1として、基材1の直径(外径)は58mm、取付孔2の内径は40mm、基材1の厚さ寸法Tが300μmに設定された切断ブレード10を用意した。
原料には、基材1の樹脂相となる樹脂材料として、フェノール樹脂(昭和高分子株式会社製:BRP5417)を用い、ダイヤモンド砥粒3として、平均粒径62μm(粒度#230)に設定されたダイヤモンド粉末を用いた。そして、フェノール樹脂とダイヤモンド粉末とが、体積比でフェノール樹脂:ダイヤモンド粉末=3:1となるように秤量し、これらに有機溶剤としてIPA(イソプロパノール)溶媒7mlを加え前記フェノール樹脂を溶解させた。このようにして、樹脂材料、ダイヤモンド砥粒3及び有機溶剤からなるスラリーを作製し、該スラリー内においてダイヤモンド砥粒3が均一に分散するように混合した。
最後に、この円板体の内外周に研削・研磨加工を施して、基材1の形状を得た。
また、これらの結果に対する評価を、ダイヤモンド砥粒3の平均粒径、ガラスクロス4A、5Aの目開きの設定とともに、表3として示す。
また、実施例2として、ガラスクロス4Aに目開き100μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き80μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例3として、ガラスクロス4Aに目開き100μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き60μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例4として、ガラスクロス4Aに目開き100μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き40μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、実施例5として、ガラスクロス4Aに目開き80μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き100μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、実施例6として、ガラスクロス4Aに目開き80μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き80μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例7として、ガラスクロス4Aに目開き80μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き60μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例8として、ガラスクロス4Aに目開き80μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き40μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例9として、ガラスクロス4Aに目開き60μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き100μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例10として、ガラスクロス4Aに目開き60μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き80μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例11として、ガラスクロス4Aに目開き60μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き60μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例12として、ガラスクロス4Aに目開き60μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き40μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例13として、ガラスクロス4Aに目開き40μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き100μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例14として、ガラスクロス4Aに目開き40μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き80μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例15として、ガラスクロス4Aに目開き40μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き60μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、参考例16として、ガラスクロス4Aに目開き40μmのガラスクロス素材を用い、ガラスクロス5Aに目開き40μmのガラスクロス素材を用いて切断ブレード10を製造した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
一方、比較例1として、ガラスクロス4A、5Aを用いずに切断ブレードを製造した。すなわち、基材の樹脂相にダイヤモンド砥粒3を分散させた公知のレジンボンド砥石からなる切断ブレードを用意した。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
また、比較例2として、ガラスクロス4A、5Aを用いる代わりに、前記特許文献1(特開2000−263448号公報)に記載された無機質繊維(グラスファイバー)を基材の樹脂相内に分散させた切断ブレードを用意した。すなわち、基材のグラスファイバーが、所定の方向を向くように樹脂相内に並列に配置されたものを用いた。それ以外は実施例1と同様の条件として、前述の各試験を行った。
一方、比較例1、2では、切断長:1000mの時点における刃痩せが30μmを超えて、切断後のチップの品質が確保できなかった。
一方、参考例13〜16及び比較例1、2では、切断長:1000mの時点における前記偏摩耗量が4μmを超えることがわかった。
1A 切刃
3 ダイヤモンド砥粒(砥粒)
4 第1クロス層
4A ガラスクロス(網状部材)
5 第2クロス層
5A ガラスクロス(網状部材)
10 切断ブレード
O 中心軸(軸)
T 基材の厚さ寸法
T1 第1クロス層の厚さ寸法
Claims (4)
- 砥粒が樹脂相に分散されてなる円形薄板状の基材と、前記基材の外周縁部に形成された切刃と、を有し、
前記基材が軸周りに回転されるとともに、前記切刃で被切断材を切断加工する切断ブレードであって、
前記基材の厚さ方向の中央部には、前記樹脂相以上の強度を有する網状部材を含む第1クロス層が形成され、
前記基材の厚さ方向の端面には、前記樹脂相以上の硬度を有する網状部材を含む第2クロス層が、前記切刃に対応して形成され、
前記第1クロス層の網状部材の目開きが、前記砥粒の平均粒径以上に設定され、
前記第2クロス層の網状部材の目開きが、前記砥粒の平均粒径以上に設定されていることを特徴とする切断ブレード。 - 請求項1に記載の切断ブレードであって、
前記第1、第2クロス層が、ガラスクロスからなることを特徴とする切断ブレード。 - 請求項1又は2に記載の切断ブレードであって、
前記第1クロス層の厚さ寸法T1の、前記基材の厚さ寸法Tに対する比(T1/T)が、1/10〜1/3.3の範囲内に設定されていることを特徴とする切断ブレード。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の切断ブレードであって、
前記第1クロス層の硬度が、前記樹脂相の硬度以上とされ、
前記第1クロス層の硬度の、前記樹脂相の硬度に対する比(第1クロス層の硬度/樹脂相の硬度)が、1.014〜1.4の範囲内に設定されていることを特徴とする切断ブレード。
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