JP2010029961A - 研磨ロールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小片砥石の飛散がなく、研磨加工時の騒音の小さい円筒状砥石研磨ロールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面に固着される複数の砥石片16が、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って軸心方向に互いに隣接する複数の長方形領域R内に、所定の間隙を隔てて縦方向および横方向に配列された複数の矩形砥石片16aと、所定の長方形領域Rの短辺とその所定の長方形領域Rに隣接する他の長方形領域Rn+1の長辺の一部と前記半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面の周方向端縁との間の三角形領域S内に配置された三角形砥石片16bとから構成されている。三角形砥石片16bは、矩形砥石片16aでは覆われない三角形領域Sを十分に覆うことができ、しかも矩形砥石片16aよりも大きいので、研磨中の飛散や、研磨中の騒音が抑制される。
【選択図】図3

Description

本発明は、外周面に多数の砥石片が固着された研磨ロール、およびその製造方法に関するものである。
たとえば、プリント配線基板の表面を平坦に研削或いは研磨することが行われている。例えば、プリント配線基板を所謂ビルドアップ法等を用いて製造するに際して、その中間工程において、基板の半製品の表面を研磨して平坦化することが行われている。その一例として、スルーホール内に樹脂を埋め込んだ際には、半製品の両面に盛り上がりが生じ、また、層間絶縁層を形成した際には、その表面になだらかな凹凸が生じるため、これらが生じたまま更に絶縁層や導体層を積層すると、導体配線の短絡や断線が生じ得ることから、これらの凸部分を研削或いは研磨することにより除去する平坦化処理が行われる。
従来、そのような基板半製品の平坦化処理は、例えば、研磨ベルト、不織布ロール、不織布バフ、円筒状砥石(砥石ロール、筒状砥石とも言う)等が用いられていたが、近年のプリント配線基板の一層の多層化に伴い、基板自体やスルーホールの穴埋め用樹脂等の基板構成材料が硬質化する傾向にある。そのため、比較的高い研削力が要求される基板の所期レベリングや表面の穴埋め用樹脂等の除去には、円筒状砥石が好ましいものと考えられている。
上記の円筒状砥石は、例えば特許文献1或いは特許文献2に示されるように、円筒状芯材の外周面に軟質の弾性材料層を介して、スリット状の間隙を隔てて配列された多数の砥石片を固着して構成されたものである。このような円筒状砥石によれば、研磨ベルトに比較して砥粒の早期の磨耗や脱落に起因する研削力の低下が生じ難いので、均一な研削延いては平坦化が容易である。また、不織布ロール、不織布バフ等を用いた場合に比較して、研削圧を高くした場合にも研磨面(すなわち不織布繊維の先端の包絡面)が基板表面形状に倣って変形させられ難いので、高い研削力が得られると共に基板表面の一層の平坦化が可能になる。しかも、弾性体材料層上に固着された砥石片は基板表面に倣って僅かに変形させられるため、高弾性率の支持体で砥石片が支持されている場合等に比較して基板に十分になじみ、基板表面のスクラッチが生じ難く、平滑な表面が得られる利点がある。
ところで、上記特許文献1および2に示されるような研磨ロールにおいて、半割状の一対の半割研磨ロール本体から構成し、研磨機の回転軸に対して着脱容易とした研磨ロールが提案されている。たとえば、特許文献3に記載された研磨ロールがそれである。
特開2001−315064号公報 特開2004−337986号公報 特開平05−285855号公報
ところで、上記のように、スリット状の間隙を隔てて配列された多数の砥石片が弾性材料層を介して外周面に固着された研磨ロールを半割り状態とすると、半割り接合部に小片砥石が形成されることが避けられない。このため、研磨中にその小片砥石が飛散したり、研磨面にスクラッチを発生させたりする問題があった。これに対して、その小片砥石を研磨ロールの外周面から予め取り除いて研磨すると、研磨加工時に発生する騒音が大きくなるなどの欠点があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、小片砥石の飛散がなく、研磨加工時の騒音の小さい円筒状砥石研磨ロールおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の研磨ロールの要旨とするところは、(a)軸心を通る平面を境にして2分割された一対の半割研磨ロール本体が相互に組み合わされた状態で固定されることにより構成され、複数の砥石片が弾性材料層を介して外周面に固着された研磨ロールであって、(b)前記半割研磨ロール本体の外周面において、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って長手方向両端部の一対の角のうちの一方が該半割研磨ロール本体の外周面の周方向端縁に近接し、且つ軸心方向に互いに隣接する複数の長方形領域内に、所定の間隙を隔てて縦方向および横方向に配列された複数の矩形砥石片と、(c)所定の長方形領域の短辺と該所定の長方形領域に隣接する他の長方形領域の長辺の一部と前記半割研磨ロール本体の外周面の周方向端縁との間の三角形領域内に配置された三角形砥石片とを、含むことにある。
また、請求項2に係る発明の研磨ロールの製造方法の要旨とするところは、(a)軸心を通る平面を境にして2分割された一対の半割研磨ロール本体が相互に組み合わされた状態で固定されることにより構成され、複数の砥石片が弾性材料層を介して外周面に固着された研磨ロールの製造方法であって、(b)互いに組み合わされることにより円筒状を成す一対の芯材の外周面に、弾性材料層を固着する弾性材料層固着工程と、(c)長方形の弾性シート上にスリット状の間隙を隔てて複数の矩形砥石片が固着された矩形砥石シートと、裏面に弾性シートが固着された三角形砥石とを、それぞれ複数用意する工程と、(d)前記一対の芯材の弾性材料層上において、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って長手方向両端部の一対の角のうちの一方が該半割研磨ロール本体の外周面の周方向端縁に近接し、且つ軸心方向に互いに隣接する複数の長方形領域をそれぞれ形成するように、前記矩形砥石シートを貼り着ける矩形砥石シート貼着工程と、(e)前記一対の芯材の弾性材料層上において、前記長方形領域のうちの所定の長方形領域の短辺と該所定の長方形領域に隣接する他の長方形領域の長辺の一部と前記芯材の弾性材料層の周方向端縁との間の三角形領域内に、前記三角形砥石を貼り着ける三角形砥石片貼着工程とを、含むことにある。
また、請求項3に係る発明の研磨ロールの製造方法の要旨とするところは、(f)前記矩形砥石シート貼着工程および前記三角形砥石片貼着工程に先立って、前記一対の芯材の外周面に固着された弾性材料層の表面のうち、周方向の端部に、前記三角形砥石の周方向寸法に対応する幅寸法の平坦面を加工する平坦面加工工程を、さらに含むことにある。
請求項1に係る研磨ロールによれば、研磨ロールの外周面に弾性材料層を介して固着される複数の砥石片が、半割研磨ロール本体の外周面において、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って長手方向両端部の一対の角のうちの一方が該半割研磨ロール本体の外周面の周方向端縁に近接し、且つ軸心方向に互いに隣接する複数の長方形領域内に、所定の間隙を隔てて縦方向および横方向に配列された複数の矩形砥石片と、所定の長方形領域の短辺と該所定の長方形領域に隣接する他の長方形領域の長辺の一部と前記半割研磨ロール本体の外周面の周方向端縁との間の三角形領域内に配置された三角形砥石片とから構成されていることから、三角形砥石片は矩形砥石よりも大きいので、研磨中に飛散することが防止される。また、三角形砥石片は、半割研磨ロール本体の外周面において矩形砥石では覆われない三角形領域を十分に覆うことができるので、研磨中の騒音が好適に抑制される。
また、請求項2に係る発明の研磨ロールの製造方法によれば、(b)互いに組み合わされることにより円筒状を成す一対の芯材の外周面に、弾性材料層を固着する弾性材料層固着工程と、(c)長方形の弾性シート上にスリット状の間隙を隔てて複数の矩形砥石片が固着された矩形砥石シートと、裏面に弾性シートが固着された三角形砥石とを、それぞれ複数用意する工程と、(d)前記一対の芯材の弾性材料層上において、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って長手方向両端部の一対の角のうちの一方が該半割研磨ロール本体の外周面の周方向端縁に近接し、且つ軸心方向に互いに隣接する複数の長方形領域をそれぞれ形成するように、前記矩形砥石シートを貼り着ける矩形砥石シート貼着工程と、(e)前記一対の芯材の弾性材料層上において、前記長方形領域のうちの所定の長方形領域の短辺と該所定の長方形領域に隣接する他の長方形領域の長辺の一部と前記芯材の弾性材料層の周方向端縁との間の三角形領域内に、前記三角形砥石を貼り着ける三角形砥石片貼着工程とが、含まれることから、三角形砥石片は矩形砥石よりも大きいので、研磨中に飛散することが防止される。また、三角形砥石片は、半割研磨ロール本体の外周面において矩形砥石では覆われない三角形領域を十分に覆うことができるので、研磨中の騒音が好適に抑制される。
また、請求項3に係る発明の研磨ロールの製造方法によれば、前記矩形砥石シート貼着工程および前記三角形砥石片貼着工程に先立って、前記一対の芯材の外周面に固着された弾性材料層の表面のうち、周方向の端部に、前記三角形砥石の周方向寸法に対応する幅寸法の平坦面を加工する平坦面加工工程を、さらに含むことから、三角形砥石片の貼着面の面圧が均一とされて接着強度が高められる。
ここで、好適には、前記砥石片は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のレジノイドボンドにより砥粒が結合されたレジノイド砥石、ガラス質のビトリファイドボンドにより砥粒が結合されたビトリファイド砥石から構成される。
また、前記砥粒は、円筒状砥石の用途に応じて適宜選択されるものであるが、例えば、炭化珪素や酸化アルミニウム等の一般砥粒、或いは、CBN(立方晶窒化硼素)やダイヤモンド等の超砥粒で構成される。また、その粒度も用途に応じて適宜選択されるものであり、例えば、#80程度の粗研削用のものから#4000程度の仕上げ研磨用のものの範囲内の砥粒で構成される。
また、好適には、前記砥石片は、30乃至75(体積%)の範囲内の気孔率を備えるとともに、50(μm)以上の気孔径を有する大径気孔と、0.3乃至30(μm)の気孔径を有する小径気孔とを備えたフェノール樹脂を結合剤とするレジノイド砥石である。このようにすれば、十分な容積の気孔と、チップポケットして機能するような比較的大径の大径気孔と、熱硬化性樹脂を好適に脱落させる比較的小径の気孔径を有する小径連通気孔とが備えられる。一層好適には、大径気孔は0.1〜2.0(mm)の範囲内の気孔径を有し、小径気孔は1(μm)程度の気孔径を有するものである。
また、好適には、前記砥石片は、1乃至8(GPa)の範囲のヤング率を有するものである。このようにすれば、弾性率が十分に小さい値に留められるため、例えばプリント配線基板のような軟らかい被研削材の研削加工に一層好適である。
また、好適には、前記弾性材料層の主要部には、ゴム硬度50〜80度程度のクロロプレン系合成ゴム(CR)やニトリルゴム系合成ゴム(NBR)等が好適に用いられる。
また、好適には、前記一対の芯材は、鋳造或いは金属焼結により形成された金属製芯材である。この金属製芯材は、たとえばアルミニウム合金等の軽合金、鋼、或いは合金鋼から構成される。
また、好適には、前記砥石片は、前記一対の金属製芯材を覆う前記高分子樹脂発泡体層と弾性シートとを介してその金属製芯材の外周面に固着されたものである。
また、好適には、前記研磨ロールは、プリント配線基板あるいは、自動車部品(クラッチプレート)等の表面研磨に用いられるものである。上述したように、本発明の円筒状砥石は耐水性が高く且つ軟らかい被研削材の研削加工に好適に用い得ることから、プリント配線基板の製造過程において層間絶縁体層の平坦化等に用いた場合には、スクラッチの発生を抑制しつつ、長期間に亘って使用することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の研磨ロール10の全体を示す斜視図である。図において、研磨ロール10は、回転軸11に固定される高剛性の円筒状の芯材12と、その芯材12の外周面に比較的軟質の弾性材料層14を介して多数の砥石片16が略隙間なく固着されることにより構成されている。この研磨ロール10は、軸心を通る平面を境にして2分割された一対の半割研磨ロール本体10aおよび10bが、相互に組み合わされた状態でボルト13により固定されることにより構成されている。
上記の芯材12は、図2に示すように、一対の半割芯材12aおよび12bが、相互に組み合わされた状態で回転軸11を貫通するボルト13により相互に固定されることにより、円筒状の中空構造とされている。これら半割芯材12aおよび12bは、たとえばアルミニウムダイキャスト法により成形されたアルミニウム合金や、金属粉体から金属焼結された鋼或いは合金鋼から構成された比較的硬質のものであり、例えば、100mm程度の外径と、600mm程度の長さ寸法とを備えている。
また、上記の弾性材料層14は、芯材12の外周面に接着されたゴム硬度50〜80度程度のクロロプレン系合成ゴム(CR)やニトリルゴム系合成ゴム(NBR)等から成る弾性体層18とゴムシート20とから構成されている。この弾性体層18は、例えば研磨ロール10の半径方向に砥石片16が押圧された際に弾性的に凹まされることにより、プリント配線基板等の被研削材表面の凹凸に倣ってその砥石16を相対変位可能に支持して僅かに弾性的に変形させるために設けられている。上記弾性体層18は例えば20mm程度の厚みを備えている。
図3に詳しく示すように、上記の多数の砥石片16は、略一様な寸法および形状を備えたものであって、各々が矩形、例えば一辺が8〜12mm程度の略正方形の平面形状と8〜10mm程度の厚さ寸法とを有する矩形砥石片16aと、その矩形砥石片16aよりも大きい長さを有する直角三角形状の三角形砥石片16bとから構成されている。本実施例の三角形砥石片16bは、上記矩形砥石片16aの一辺の4倍乃至5倍程度の底辺と、上記矩形砥石片16aの一辺よりやや大きい高さと、斜辺とを備えている。
また、上記の多数の砥石片16(矩形砥石片16a)は、例えば8〜25°のリード角、好適には20°程度のリード角で傾斜するつる巻き線に沿って配列させられており、研磨ロール10の外周面の略全面に一辺10mmの升目で区切られた格子模様が形成されている。なお、矩形砥石片16aの相互間、および矩形砥石片16aと三角形砥石片16bとの間には、例えば1.0〜2.0(mm) 程度のスリット状の僅かな隙間が設けられており、矩形砥石片16aの相互間、および矩形砥石片16aと三角形砥石片16bとの間は、相互に接していない。この隙間は、矩形砥石片16aの相互間、および矩形砥石片16aと三角形砥石片16bとの間において研削加工中の相対移動を容易とするとともに、研削加工中に切り粉の排出を容易にするためのものである。
図3にも示すように、上記研磨ロール10の外周面には、一対の半割研磨ロール本体10aおよび10bの合わせ面Fを示す2本の分割線Lが現れており、この分割線Lが半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面の周方向端縁を示している。一方の分割線Lと他方の分割線Lとの間が半割研磨ロール本体10aの外周面であり、他方の分割線Lと一方の分割線Lとの間が半割研磨ロール本体10bの外周面である。半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面において、矩形砥石片16aおよび三角形砥石片16bは同様に配置されているので、以下では半割研磨ロール本体10aに付いて説明する。
半割研磨ロール本体10aにおいて、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って長手方向両端部の一対の角のうちの一方が半割研磨ロール本体10aの外周面の周方向端縁に近接し、且つ軸心方向に互いに隣接する複数の長方形領域R (n=1、2、・・・)、すなわち図3において鎖状斜線で示す領域が設定されており、その長方形領域Rおいて、複数個の矩形砥石片16aが、所定の間隙を隔てて縦方向および横方向にそれぞれ配列された状態で固着されている。図3の実施例では、理解を容易とするために、横方向(幅方向)に4個が配列される例が示されている。
また、上記半割研磨ロール本体10aの外周面において、長方形領域Rの短辺と、その長方形領域Rに隣接する他の長方形領域Rn+1の長辺の一部と、半割研磨ロール本体10aの外周面の周方向の端縁を示す分割線Lとに囲まれた三角形領域Sが設定されており、その三角形領域S内にはそれと同様の形状である直角三角形状を有する単一の三角形砥石片16bが固着されている。これにより、半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面が、矩形砥石片16aおよび三角形砥石片16bによって覆われている。
図4は、上記の砥石片16の表面を拡大して示す図である。砥石片16は、多数の砥粒22が網目構造のフェノール樹脂結合剤24により相互に結合させられたものであり、その砥石組織内には、微小連通気孔26と独立気孔28とが形成されている。なお、この網目構造は砥石片16の厚み方向においても同様に連続させられた三次元網目構造である。そのフェノール樹脂結合剤24の網と網との間に形成される空間が微小連通気孔26であり、フェノール樹脂結合剤24の網目構造が三次元的に広がっていることから、この微小連通気孔26も三次元的に相互に連通させられている。また、独立気孔28は、上記微小連通気孔26よりも十分に大きく、且つ相互に互いに独立して組織中に略均一に分散して存在している。そのため、砥石片16は、例えば70%程度のフェノール樹脂砥石としては著しく高い気孔率を備えており、その弾性率は、ヤング率で3.3GPa(=340kgf/mm)程度の低い値である。
以上のように構成された研磨ロール10は、例えば、図5に示される工程を経て製造される。先ず、芯材成形工程P1では、たとえばアルミダイキャストにより成形されたアルミニウム合金製の一対の半割芯材12aおよび12bが用意される。この芯材成形工程P1では、必要に応じて、一対の半割芯材12aおよび12bの外周面等が機械加工により仕上げられる。次いで、弾性体層形成工程P2では、一対の半割芯材12aおよび12bの外周面に、たとえばゴム硬度50〜80度程度の所定厚みのクロロプレン系合成ゴム(CR)やニトリルゴム系合成ゴム(NBR)等がそれぞれ接着されることにより、所定厚みの弾性体層18が形成される。
続く平坦面加工工程P3では、上記一対の半割芯材12aおよび12bの外周面に固着された弾性体層18の表面のうち、周方向の端部すなわち分割線Lとそれから所定距離離隔してそれに平行な線との間の領域Kに、図6に示すように、三角形砥石片16bの貼着面との面圧を均一とするために三角形砥石16bの周方向寸法に対応する幅寸法の平坦面を形成する加工が施される。
一方、砥石シート製造工程P4乃至P6において、たとえば図7に示す矩形砥石片16aが縦方向および横方向に配列された砥石シート36が製造される。すなわち、混合・成形・硬化工程P4では、砥粒、フェノール樹脂水溶液、およびその硬化剤が攪拌混合機中に投入され、必要な場合には界面活性剤および相分離調整剤も投入されて所定時間攪拌・混合される。次いで、このようにして得られた流動性混合物が矩形砥石片16aよりも十分に大きい寸法の鋳込み型内に流し込まれた後、所定時間放置することにより、或いは、型内に流し込んだ流動性混合物を所定の温度に加熱することにより、流動性混合物中のフェノール樹脂が硬化されて板状砥石が成形される。このとき、フェノール樹脂は三次元網目形状に硬化し、この硬化したフェノール樹脂が結合剤として働き、砥粒が相互に結合される。また、攪拌時の気泡に由来する互いに独立した多数の独立気孔が形成されて多孔質の硬化成形体が得られる。そして、その硬化成形体が乾燥されてその硬化成形体中の水分が除去されると、三次元網目構造間を満たしていた水が空気に置換されて無数の微小連通気孔が形成され、この微小連通気孔によっても多孔質化される。
続く切断工程P5では、上記多孔質砥石から成る板状砥石に切断加工が施されることにより、矩形砥石片16aと同じ厚みの複数枚の小板状砥石に分割される。次いで、切込み・ゴムシート接着・分割工程P6では、上記小板状砥石の表面側から格子状に切込みが入れられるとともに、そのシート状砥石の裏面に1mm程度の厚みのゴムシート20が接着され、更に、上記の切込みで形成された溝に沿って分割されることにより多数の矩形砥石片16aがゴムシートのような弾性シート20に貼り付けられた、図7に示す砥石シート36が得られる。この砥石シート36は、例えば全体が幅寸法50mm程度、長さ寸法150mm程度、厚さ寸法10mm程度の薄板形状を成すものであって、その裏面すなわち弾性体18側の一面には、例えば厚さ寸法が1(mm)程度の共通の弾性シート20が接着されることにより、複数個の矩形砥石片16aが微小な相対変位可能に独立に支持されている。上記砥石シート36は前記長方形領域Rと略同様の大きさに形成されている。
また、上記砥石シート製造工程P4乃至P6に平行して、三角形砥石製造工程P7乃至P9が実行されて三角形砥石片16bが製造される。すなわち、混合・成形・硬化工程P7では、上記混合・成形・硬化工程P4と同様にして板状砥石が成形される。次いで、切断工程P8では、上記切断工程P5と同様にして小板状砥石に分割される。そして、切込み・ゴムシート接着・分割工程P9では、小板状砥石の裏面に1mm程度の厚みのゴムシート20が接着され、次いで表面側から三角形状に切込みが入れられることにより、ゴムシートのような弾性シート20が裏面に貼り付けられた多数の三角形砥石片16bが得られる。図8は、1つの小板状砥石から分割された三角形砥石片16bを示している。この三角形砥石片16bは、前記三角形領域Sと略同様の大きさに形成されている。
砥石片接着工程P10では、半割芯材12aおよび12bの外周面において、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って長手方向両端部の一対の角のうちの一方が半割研磨ロール本体10aの外周面の周方向端縁に近接し、且つ軸心方向に互いに隣接するように設定された複数の長方形領域R毎に、砥石シート36が接着剤により貼り着けられる(矩形砥石シート貼着工程)とともに、上記半割研磨ロール本体10aの外周面において、長方形領域Rの短辺と、その長方形領域Rに隣接する他の長方形領域Rn+1の長辺の一部と、半割研磨ロール本体10aの外周面の周方向の端縁を示す分割線Lとに囲まれることにより設定された三角形領域S内に、三角形砥石片16bが接着剤により貼り着けられる(三角形砥石片貼着工程)。これら砥石シート36および三角形砥石片16bの接着は、接着剤が硬化するまで比較的小さな面圧荷重が付与される。
そして、外径仕上工程P11では、全体の直径寸法が例えば150mmφ程度に研削加工によって径寸法が仕上げられるとともに、端面仕上工程P12において、端面仕上げのために、例えば軸心方向の両端部の形状が揃えられるように切断することにより、前記の円筒状砥石10が得られる。
以下、上記のように製造された研磨ロール10は、搬送コンベア上で連続回転させられるとともに、その搬送コンベア上を連続的に搬送される銅張り積層板であるプリント基板に所定の荷重で接触させられ、そのプリント基板の銅箔を研磨するために用いられる。
上述のように、本実施例の製造工程により得られた研磨ロール10によれば、研磨ロール10の外周面に弾性材料層14を介して固着される複数の砥石片16が、半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面において、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って長手方向両端部の一対の角のうちの一方がその半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面の周方向端縁に近接し、且つ軸心方向に互いに隣接する複数の長方形領域R内に、所定の間隙を隔てて縦方向および横方向に配列された複数の矩形砥石片16aと、所定の長方形領域Rの短辺とその所定の長方形領域Rに隣接する他の長方形領域Rn+1の長辺の一部と前記半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面の周方向端縁との間の三角形領域S内に配置された三角形砥石片16bとから構成されていることから、三角形砥石片16bは矩形砥石片16aよりも大きいので、研磨中に飛散することが防止される。また、三角形砥石片16bは、半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面において矩形砥石片16aでは覆われない三角形領域Sを十分に覆うことができるので、研磨中の騒音が好適に抑制される。
因みに、図9は、三角形砥石片16bを用いないで、矩形砥石片16aが所定のリード角に沿った弦捲線に沿って半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面に貼り付けられた場合の従来の研磨ロールを示している。この場合には、分割線Lと矩形砥石片16aとの間に斜線示す小領域hが形成され、その小領域h内に矩形砥石片16aの小片が貼り付けられることにより構成されるので、研磨中において、その矩形砥石片16aの小片が飛散して研磨面が傷着けられることが避けられなかった。また、矩形砥石片16aの小片が飛散した後の小領域hや、もともと矩形砥石片16aの小片を貼りつけることができない極めて小さい小領域hの存在によって、半割研磨ロール本体10aおよび10bの外周面が十分に覆われない状態では、研磨中の騒音が大きくなり、作業環境が劣化するという問題があったのである。
また、本実施例の研磨ロールの製造方法によれば、前記砥石片接着工程P10に先立って、一対の半割芯材12aおよび12bの外周面に固着された弾性材料層18の表面のうち、周方向の端部すなわち分割線Lとそれから所定距離離隔してそれに平行な線との間の領域Kに、図6に示すように、三角形砥石片16bの周方向寸法に対応する幅寸法の平坦面を加工する平坦面加工工程P3を、さらに含むことから、三角形砥石片16bの貼着面の面圧が均一とされて接着強度が高められる。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は上記実施例とは別の態様においても実施できる。
また、前述の実施例では、弾性体層18は、1枚の合成ゴムシート帯が一対の半割芯材12aおよび12bの外周面へ巻き着けられた状態で接着された後に、分割されてもよい。
また、前述の実施例においては、矩形砥石片16aは正方形であったが長方形であってもよい。また、前述の三角形砥石片16bは、効果が得られる範囲で、たとえば矩形砥石片16aの1片よりも大きく2分割等に分割されたものであってもよい。
また、前述の実施例においては、砥石シート36をその裏面にゴムシート20を貼り付けた後に割ることによって多数の砥石片16が一体的に備えられた砥石シート36を製造し、これを弾性体層18の外周面に貼り付けることで円筒状部材の表面に多数の砥石片16を容易に固着していたが、個々に分割された砥石片16を弾性体層18の外周面に直接貼り付けても差し支えない。その場合は、ゴムシート20は用いられなくとも良い。
また、砥石片接着工程P10において、矩形砥石片16aが配列された砥石シート36を接着するための矩形砥石シート貼着工程と三角形砥石片16bを接着するための三角形砥石片貼着工程とは、いずれが先に行われてもよい。
以上に説明したものはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
本発明が適用された一例の方法により製造された研磨ロールの全体を示す斜視図である。 図1の研磨ロールの芯材の構成を一部を切り欠いて説明する図である。 図1の研磨ロールの外周面のうち、分割線L付近における矩形砥石片および三角形砥石片の配置構成を示す工程図である。 図1の研磨ロールにおける砥石片内の構成を説明する図である。 図1の研磨ロールの製造工程を説明する図である。 図5の製造工程のうち、平坦面加工工程により平坦に加工された領域を示す図である。 図3の製造工程のうち、切込み・ゴムシート接着・分割工程により小板状砥石より得られた砥石シートを示す斜視図である。 図3の製造工程のうち、切込み・ゴムシート接着・分割工程により小板状砥石より得られた三角形砥石片を示す斜視図である。 従来の研磨ロールの矩形砥石片の配置構成を示す、図3に対応する図である。
符号の説明
10:研磨ロール
10a、10b:半割研磨ロール本体
12:芯材
12a、12b:半割芯材
14:弾性材料層
16:砥石片
16a:矩形砥石片
16b:三角形砥石片
18:弾性体層
20:ゴムシート
:長方形領域
S:三角形領域

Claims (3)

  1. 軸心を通る平面を境にして2分割された一対の半割研磨ロール本体が相互に組み合わされた状態で固定されることにより構成され、複数の砥石片が弾性材料層を介して外周面に固着された研磨ロールであって、
    前記半割研磨ロール本体の外周面において、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って長手方向両端部の一対の角のうちの一方が該半割研磨ロール本体の外周面の周方向端縁に近接し、且つ軸心方向に互いに隣接する複数の長方形領域内に、所定の間隙を隔てて縦方向および横方向に配列された複数の矩形砥石片と、
    所定の長方形領域の短辺と該所定の長方形領域に隣接する他の長方形領域の長辺の一部と前記半割研磨ロール本体の外周面の周方向端縁との間の三角形領域内に配置された三角形砥石片と
    を、含むことを特徴とする研磨ロール。
  2. 軸心を通る平面を境にして2分割された一対の半割研磨ロール本体が相互に組み合わされた状態で固定されることにより構成され、複数の砥石片が弾性材料層を介して外周面に固着された研磨ロールの製造方法であって、
    互いに組み合わされることにより円筒状を成す一対の芯材の外周面に、弾性材料層を固着する弾性材料層固着工程と、
    長方形の弾性シート上にスリット状の間隙を隔てて複数の矩形砥石片が固着された矩形砥石シートと、裏面に弾性シートが固着された三角形砥石とを、それぞれ複数用意する工程と、
    前記一対の芯材の弾性材料層上において、所定のリード角を有するつる巻き線に沿って長手方向両端部の一対の角のうちの一方が該半割研磨ロール本体の外周面の周方向端縁に近接し、且つ軸心方向に互いに隣接する複数の長方形領域をそれぞれ形成するように、前記矩形砥石シートを貼り着ける矩形砥石シート貼着工程と、
    前記一対の芯材の弾性材料層上において、前記長方形領域のうちの所定の長方形領域の短辺と該所定の長方形領域に隣接する他の長方形領域の長辺の一部と前記芯材の弾性材料層の周方向端縁との間の三角形領域内に、前記三角形砥石を貼り着ける三角形砥石片貼着工程と
    を、含むことを特徴とする研磨ロールの製造方法。
  3. 前記矩形砥石シート貼着工程および前記三角形砥石片貼着工程に先立って、前記一対の芯材の外周面に固着された弾性材料層の表面のうち、周方向の端部に、前記三角形砥石の周方向寸法に対応する幅寸法の平坦面を加工する平坦面加工工程を、さらに含むこと特徴とする請求項2の研磨ロールの製造方法。
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