JP5449514B1 - 手延機先端の高さ調整方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】手延機20の撓みにより手延機先端部21の下面部が前記回転ローラ27の上面の送り出しライン29より下がったとき、手延機先端部21の基端部に連結された手延機本体部22との連結部のヒンジ部23を支点として油圧ジャッキ24により手延機先端部21を送り出しライン29より上まで持ち上げ、持ち上げたままこの手延機先端部21の下面が前記回転ローラ27に到達させ、到達したら移送を停止して前記回転ローラ27を支点として油圧ジャッキ24により手延機先端部21と手延機本体部22の連結部を持ち上げて手延機20を略一直線にして手延機20を回転ローラ27の上で移送させる。
【選択図】図1
Description
このような場合、図10に示すような方法が提案されている(特許文献1)。この特許文献1によれば、図10(a)に示すように、手延機10が手延機先端部11と手延機本体部15からなるものにおいて、手延機先端部11と手延機本体部15の連結部における下端部をヒンジ部16で結合し、V字形の隙間を設けた上端部間に油圧ジャッキ17を配置し、手延機先端部11の下端面には複数個のローラ18を取り付けておき、油圧ジャッキ17によって手延機先端部11が撓み分を予め上向きに傾けた状態で移送する。そして、手延機先端部11の先端のローラ18aが橋脚12の上面に達したらローラ18aによって橋脚12の上を転がしながら移送する。
(1)手延機先端部11の下面のローラ18が橋脚12の上面を転がりながら移送しなければならないので、橋脚12の上面が水平で障害物がないことが要求され、橋脚12の上面にゴム沓、ジャッキ仮設架台などが据え付けられている場合に移送することができない。
(2)橋脚12の幅が狭いときには、手延機先端部11の下面のローラ18を小さな間隔で多数個取り付けておかなければならない。
(3)手延機先端部11の最先端のローラ18aが橋脚12に乗り上がったときは、手延機先端部11は傾斜したままであるから、ローラ18aに大きな力がかかり、ローラ18aの円滑な移送ができないばかりか、ローラ18aの破損の恐れがある。
前記手延機20の手延機先端部21を橋脚25の近くまで移送する工程と、(図1(a))
前記手延機20の撓みにより手延機先端部21の下面部が前記回転ローラ27の上面の送り出しライン29より下がったとき、手延機先端部21の基端部に連結された手延機本体部22との連結部のヒンジ部23を支点としてジャッキ24により手延機先端部21を送り出しライン29より上まで持ち上げる工程と、(図1(b))
手延機先端部21の先端を持ち上げたままこの手延機先端部21の下面が前記回転ローラ27に到達するまで移送する工程と、(図1(c))
手延機先端部21の下面が前記回転ローラ27に到達したら移送を停止して前記回転ローラ27を支点としてジャッキ24により手延機先端部21と手延機本体部22の連結部を持ち上げて手延機20を略一直線にする工程と、(図1(d))
手延機20が略一直線になったら手延機20を回転ローラ27の上で移送させる工程と
からなることを特徴とする。
前記手延機の手延機先端部を橋脚の近くまで移送する工程と、
前記手延機の撓みにより手延機先端部の下面部が前記回転ローラの上面の送り出しラインより下がったとき、手延機先端部の基端部に連結された手延機本体部との連結部のヒンジ部を支点としてジャッキにより手延機先端部を送り出しラインより上まで持ち上げる工程と、
手延機先端部の先端を持ち上げたままこの手延機先端部の下面が前記回転ローラに到達するまで移送する工程と、
手延機先端部の下面が前記回転ローラに到達したら移送を停止して前記回転ローラを支点としてジャッキにより手延機先端部と手延機本体部の連結部を持ち上げて手延機を略一直線にする工程と、
手延機が略一直線になったら手延機を回転ローラの上で移送させる工程と
からなるので、以下の効果を有する。
(1)橋脚の上面に障害物があっても、橋脚の上面にゴム沓、ジャッキ仮設架台などが据え付けられている場合であっても、回転ローラが送り出しライン上にあれば円滑に移送することができる。
(2)橋脚の幅が狭くても安定した移送が可能である。
(3)手延機先端部の下面にローラは不要であり、手延機先端部は傾斜したまま移送することがなく、回転ローラにかかる力は小さくて済む。
(4)手延機先端部は、その下面における回転ローラとの接触面(支点)での移動が、手延機先端部が水平になるまでの首振りに伴う極めてわずかな距離であり、回転ローラには、手延機先端部が傾斜している状態での移送に伴う力はほとんどかかることがなく、手延機の鉛直荷重のみとなり、無駄な力が作用することがない。
(1)2台ずつの油圧ジャッキで加力するので、連結枠と連結枠の偏心を軽減できる。
(2)作用する荷重を2台分に分散可能なため、ブラケット等の設備が簡素化できる。
(3)装置全体の全長を短くすることができる。
前記手延機20の手延機先端部21を橋脚25の近くまで移送する工程と、
前記手延機20の撓みにより手延機先端部21の下面部が前記回転ローラ27の上面の送り出しライン29より下がったとき、手延機先端部21の基端部に連結された手延機本体部22との連結部のヒンジ部23を支点としてジャッキ24により手延機先端部21を送り出しライン29より上まで持ち上げる工程と、
手延機先端部21の先端を持ち上げたままこの手延機先端部21の下面が前記回転ローラ27に到達するまで移送する工程と、
手延機先端部21の下面が前記回転ローラ27に到達したら移送を停止して前記回転ローラ27を支点としてジャッキ24により手延機先端部21と手延機本体部22の連結部を持ち上げて手延機20を略一直線にする工程と、
手延機20が略一直線になったら手延機20を回転ローラ27の上で移送させる工程と
さらに必要に応じて
手延機20を回転ローラ27の上で移送させた後で、橋脚25の上の送り出しライン29と同一面に設置したエンドレス滑り装置28で手延機20を移送する工程を含む。
図1(a)において、手延機20は、手延機先端部21と手延機本体部22で構成されている。これらの手延機先端部21と手延機本体部22は、ヒンジ部23を支点としてジャッキ24の伸縮により、手延機先端部21の先端が上向きに回動自在に設けられ、また、手延機先端部21の先端が上向きになっている状態で、手延機先端部21の最先端の下面を支点として手延機先端部21の基端部が手延機本体部22と一体に持ち上がるように回動自在に設けられている。なお、ジャッキ24は、油圧駆動に限られず、空気圧駆動、機械式駆動であってもよいが、以下では油圧ジャッキを例とする。
さらに詳しくは、図2ないし図5に示すように、手延機先端部21の基端部と手延機本体部22の先端部に、それぞれ連結枠30と連結枠31が連結されている。前記手延機先端部21側の連結枠30は、上枠32と下枠34と立枠36と横上枠43と横下枠44と補強枠38とで箱状に組み立てられ、また、前記手延機本体部22側の連結枠31は、上枠33と下枠35と立枠37と横上枠43と横下枠44と補強枠39とで箱状に組み立てられている。
図4及び図5に示すように、前記手延機先端部21側の左右の下枠34の内側と外側には、それぞれピストンロッド24bの一端部が回動自在に連結され、前記手延機本体部22側の左右の下枠35の内側と外側には、それぞれ油圧シリンダ24aの一端部が回動自在に連結され、これらの油圧シリンダ24aとピストンロッド24bとで油圧ジャッキ24を構成している。
また、図3に示すように、手延機先端部21と手延機本体部22に連結されたそれぞれの連結枠30と連結枠31が密着しているときには、前記連結枠30の左右の下枠34には、後方に伸びた延長枠41がそれぞれ一体に連結され、この延長枠41と連結枠31の左右の下枠35の先端部に、固定ピン42が着脱自在に挿入されている。この固定ピンが挿入されているときには、左右の油圧ジャッキ24への油圧を解除してフリーの状態とすることができる。
具体的には、重量物である橋桁が2主鈑桁であったり、4主鈑桁であったりする場合には、橋桁の幅に応じて連結枠30と連結枠31のそれぞれの幅が対応するように横上枠43と横下枠44と補強枠38、39の長さのものに置き換える。
また、重量物である橋桁の左右がそれぞれ2箱桁で、その間を4〜8mの梁で連結されているような場合には、左右の箱桁の先端にそれぞれ本発明の手延機20が連結される。
その他、重量物である橋桁の重量や構造に応じて1台または複数台の手延機20が連結される。
以下の説明では、製作ヤード(図示せず)で重量物である橋桁に1台の手延機20を連結して移送する例について記載しているが、2台以上の手延機20を連結して移送する場合には、手延機先端の高さ調整のタイミングを合わせることが必要になるが、個々の手延機20の動作は同様である。
図1(a)において、橋脚25の上面には、仮設支持台26を介在して回転ローラ27とエンドレス滑り装置28が送り出しライン29と同一高さに据え付けられる。この回転ローラ27とエンドレス滑り装置28の上面を通る高さが前記製作ヤードと略同一高さの送り出しライン29になるように仮設支持台26で調整される。
この状態で、油圧ジャッキ24を縮めて手延機先端部21と手延機本体部22に連結された連結枠30と連結枠31を密着させ、ヒンジ部23と固定ピン42で固定して手延機20を一直線状態で製作ヤードから送り出しライン29に沿って送り出す。手延機20は、その撓みにより、橋脚25の直前では、手延機先端部21の下面が送り出しライン29より下がった状態となる。その時の下がった距離をhとする。
(1)2台ずつの油圧ジャッキ24で加力するので、連結枠30と連結枠31の偏心を軽減できる。
(2)作用する荷重を2台分に分散可能なため、ブラケット等の設備が簡素化できる。
(3)装置全体の全長を短くすることができる。
前記実施例1では、橋桁の幅や構造等に応じて連結枠30と連結枠31のそれぞれの幅が対応できるように、横上枠43と横下枠44と補強枠38、39の長さの異なるものとボルトなどで置き換えるようにしたが、橋桁の幅が一定のものにだけ使用する場合には、溶接などにより固定的に製作してもよい。
しかし、図6に示すように、手延機先端部21と手延機本体部22の端面にV字形の隙間を設け、手延機20の手延機先端部21と手延機本体部22が下端でヒンジ部23により連結され、上端に油圧ジャッキ24を設けた構成とすることもできる。この場合には、油圧ジャッキ24の油圧系統などに何らかの不具合が生じると、手延機先端部21が垂れ下がる恐れがある。
Claims (6)
- 細長の重量物を移送するために前記重量物の先端に連結され、移送中に撓んだ手延機を、橋脚の上面に設けた回転ローラと略同一面の送り出しラインまで持ち上げる手延機先端の高さ調整方法において、
前記手延機の手延機先端部を橋脚の近くまで移送する工程と、
前記手延機の撓みにより手延機先端部の下面部が前記回転ローラの上面の送り出しラインより下がったとき、手延機先端部の基端部に連結された手延機本体部との連結部のヒンジ部を支点としてジャッキにより手延機先端部を送り出しラインより上まで持ち上げる工程と、
手延機先端部の先端を持ち上げたままこの手延機先端部の下面が前記回転ローラに到達するまで移送する工程と、
手延機先端部の下面が前記回転ローラに到達したら移送を停止して前記回転ローラを支点としてジャッキにより手延機先端部と手延機本体部の連結部を持ち上げて手延機を略一直線にする工程と、
手延機が略一直線になったら手延機を回転ローラの上で移送させる工程と
からなることを特徴とする手延機先端の高さ調整方法。 - 手延機先端部と手延機本体部の連結部は、互いに密着しているとき略一直線をなし、この密着部の上端をヒンジ部で連結し、下端部をジャッキと着脱自在の固定ピンで連結したことを特徴とする請求項1記載の手延機先端の高さ調整方法。
- 手延機を回転ローラの上で移送させた後で、橋脚の上の送り出しラインと同一面に設置したエンドレス滑り装置で手延機を移送する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の手延機先端の高さ調整方法。
- 細長の重量物を移送するために前記重量物の先端に連結され、移送中に撓んだ手延機を、橋脚の上面に設けた回転ローラと略同一面の送り出しラインまで持ち上げる手延機先端の高さ調整装置において、前記手延機は、連結部分で垂直方向に距離を置いたヒンジ部とジャッキで互いに連結された手延機先端部と手延機本体部からなり、前記橋脚の上面には、送り出しラインと略同一面に回転ローラとエンドレス滑り装置を設置し、前記手延機先端部と手延機本体部は、前記橋脚の近くまで移送された前記手延機先端部が送り出しラインより下がったとき、前記ヒンジ部を支点として前記手延機先端部がジャッキにより持ち上がり、前記手延機先端部が持ち上がった状態での前記手延機先端部の下面と回転ローラとの接触点を支点として手延機先端部の基端部が前記手延機本体部と略一直線になるようにヒンジ部を支点としてジャッキにより持ち上がるように回転自在に設けられていることを特徴とする手延機先端の高さ調整装置。
- 手延機先端部と手延機本体部は、手延機先端部側の連結枠と手延機本体部側の連結枠が互いに密着したとき略一直線をなし、密着面の上端をヒンジ部で連結し、下端を着脱自在の固定ピンとジャッキで連結したことを特徴とする請求項4記載の手延機先端の高さ調整装置。
- 手延機先端部側の連結枠と手延機本体部側の連結枠の下端を連結するジャッキは、前記手延機先端部の連結枠と前記手延機本体部の連結枠における左右の下枠の内側と外側にそれぞれ1台ずつ2台を設置したことを特徴とする請求項5記載の手延機先端の高さ調整装置。
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