以下、本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1〜図3を参照して、本実施形態に係る印字装置1の概略構成について説明する。印字装置1は、テープ状の印字媒体(例えば、後述するフィルムテープ59)の幅方向に、行単位でキャラクタ(文字、記号及び数字等)を印字可能であり、任意の行数のキャラクタを1つのブロックとして、複数のブロックを印字媒体の長手方向に印字することが可能である。本実施形態の説明では、図1及び図2の右上側、左下側、右下側、左上側、上側、下側を、それぞれ、印字装置1の後側、前側、右側、左側、上側、下側とする。
図1に示すように、印字装置1の上面には、キャラクタを入力するためのキーボード3が設けられている。キーボード3の後側(紙面右上側)には、電源キー、決定キー、印字キー等を含む機能キー群4が設けられている。以下の説明では、機能キー群4とキーボード3とを総称する場合、入力部91という。機能キー群4の後側には、入力したキャラクタ等を表示するためのディスプレイ5が設けられている。印字装置1の上面の後部には、開閉可能なカバー6が設けられている。カバー6は、カバー6の後端部の左右方向を支点として開閉自在である。印字装置1の左後角には、カットされた印字済みテープ50(図4参照)を受けるテープトレイ7が設けられている。
図2〜図3に示すように、ディスプレイ5の後側には、カセット装着部8が形成されている。カセット装着部8には、テープカセット30が上下方向に着脱される。カセット装着部8には、リボン巻取軸9が立設されている。リボン巻取軸9は、リボンスプール42から引き出されて文字等の印字に使用された後のインクリボン60を巻取る。リボン巻取軸9の左前方には、正面視で略矩形状のヘッドホルダ74が立設されている。ヘッドホルダ74の前面には、フィルムテープ59に文字等を印字するサーマルヘッド10が取り付けられている。ヘッドホルダ74の左方には、テープ駆動軸11が立設されている。
カセット装着部8の前側には、可動搬送ローラ14とプラテンローラ15とを備えたローラホルダ18が配設されている。ローラホルダ18は、板部13によって被覆されている。ローラホルダ18は、ホルダ軸181を中心に回動可能に軸支されている。可動搬送ローラ14及びプラテンローラ15は、それぞれテープ駆動ローラ46及びサーマルヘッド10に対向する位置に配置されている。
カバー6が下方に閉じられると、ローラホルダ18は後方に回動し、図3に示す印字位置に移動する。印字位置では、プラテンローラ15がサーマルヘッド10に圧接され、且つ、可動搬送ローラ14がテープ駆動ローラ46に圧接されている。ローラホルダ18が印字位置にある場合、印字装置1は、カセット装着部8に装着されたテープカセット30を用いた印字動作が可能となる。カバー6が上方に開かれると、ローラホルダ18は前方に回動し、サーマルヘッド10及びテープ駆動ローラ46から離間する。この場合、カセット装着部8にテープカセット30を着脱自在となる。
次に、図3から図4を参照して、本実施形態に係るテープカセット30の構造について説明する。本実施形態のテープカセット30は、感熱タイプ、レセプタータイプ、ラミネートタイプ等、各種のテープ種類に実装可能な汎用カセットを、ラミネートタイプに実装している。本実施形態の説明では、図4の左上側、右下側、右上側、左下側、上側、下側を、それぞれ、テープカセット30の後側、前側、右側、左側、上側、下側とする。
図4に示すように、テープカセット30は、全体としては平面視で丸みを帯びた角部を有する略直方体状(箱型)の筐体であるカセットケース31を有している。カセットケース31は、下ケース31Bと上ケース31Aとを有する。図3に示すように、カセットケース31内の左側後部には、巻回された両面粘着テープ58が配置されている。右側後部には、巻回された透明なフィルムテープ59が配置されている。右側前部には、リボンスプール42に巻回されたインクリボン60が配置されている。
カセットケース31内における両面粘着テープ58とリボンスプール42との間には、リボン巻取スプール44が回転可能に配置されている。リボン巻取スプール44は、リボンスプール42からインクリボン60を引き出すとともに、文字等の印字に使用されたインクリボン60を巻き取る。
図4に示すように、カセットケース31の前部のうち、テープカセット30右側から左方に延びる部位をアーム部34という。アーム部34の先端部には、開口34Aが形成されている。フィルムテープ59とインクリボン60とは、開口34Aで重ね合わされて搬送される。
アーム部34の後側には、カセットケース31を上下方向に貫通する平面視略長方形状の空間であるヘッド挿入部39が設けられている。ヘッド挿入部39には、印字装置1のサーマルヘッド10(図3参照)を支持するヘッドホルダ74が挿入される。サーマルヘッド10は、インクリボン60を使用してフィルムテープ59への印字を行う。
図3に示すように、ヘッド挿入部39の下流側にはテープ駆動軸11(図3参照)によって回転駆動されるテープ駆動ローラ46が回転可能に軸支されている。テープ駆動ローラ46は、対向する可動搬送ローラ14と協働して、フィルムテープ59を引き出し、両面粘着テープ58を引き出し、フィルムテープ59の印字面に両面粘着テープ58をガイドして接着させる。接着されたフィルムテープ59と両面粘着テープ58は、テープ排出口49から排出され、印字済みテープ50となる。
図5を参照して、印字装置1の電気的構成について説明する。図5に示すように、印字装置1は、各機器を制御するCPU401、ROM402、CGROM403、及びRAM404を備えている。ROM402、CGROM403、及びRAM404は、CPU401に電気的に接続されている。
ROM402は、プログラム記憶領域4021及び余白データテーブル記憶領域4022を少なくとも備えている。プログラム記憶領域4021には、CPU401が印字装置1を制御するために実行する各種プログラムが記憶されている。余白データテーブル記憶領域4022には、後述する余白データテーブル81が記憶されている。RAM404は、キャラクタデータテーブル記憶領域4041、指定座標データテーブル記憶領域4042、印字データ記憶領域4043、及び部分データ記憶領域4044を少なくとも備えている。キャラクタデータテーブル記憶領域4041には、後述するキャラクタデータテーブル82が記憶される。指定座標データテーブル記憶領域4042には、後述する指定座標データテーブル83が記憶される。印字データ記憶領域4043には、後述する印字データが記憶される。部分データ記憶領域4044には、後述する部分データが記憶される。CGROM403には、キャラクタを表示手段に表示させるためのサイズの情報であるサイズ情報や、キャラクタを印字するための印字用ドットパターンデータが記憶されている。
印字装置1は、入力部91、液晶駆動回路(LCDC)405、及び駆動回路406、407、408、409を備えている。入力部91、液晶駆動回路(LCDC)405、及び駆動回路406、407、408、409は、CPU401に電気的に接続されている。駆動回路406は、サーマルヘッド10を駆動するための電子回路である。駆動回路407は、リボン巻取軸9及びテープ駆動軸11を回転させるテープ送りモータ24を駆動するための電子回路である。駆動回路408は、印字済みテープ50を切断する移動刃(図示外)を動作させるカッターモータ25を駆動するための電子回路である。駆動回路409は、ディスプレイ5の上面に設けられた透明なタッチパネル26を駆動するための電子回路である。タッチパネル26は、ユーザがディスプレイ5上の座標を指定するための装置である。ユーザは、タッチペンや指先でタッチパネル26に触れることで、ディスプレイ5上の座標を指定することができる。液晶駆動回路(LCDC)405は、ディスプレイ5に表示データを出力するためのビデオRAM(図示外)を有する。
図6及び図7を参照して、印字データの一例と、印字データに基づいてディスプレイ5に表示される画像の一例を説明する。本実施形態の説明では、図6の左側、右側、上側、下側を、それぞれ、ディスプレイ5の左側、右側、上側、下側とする。
図6に示す画像を画像92という。画像92は、ユーザによって入力部91の各種キーが押下され、キャラクタデータ等が入力されることでディスプレイ5に表示される。画像92では、キャラクタ「NAME」が1行で表示されている。キャラクタ「NAME」の右側には、キャラクタ「TEL1 TEL2 FAX1」と、キャラクタ「TEL3 FAX2 FAX3」と、キャラクタ「TEL4 FAX4」とが3行で表示されている。また、これらのキャラクタを囲むテープ枠93が表示されている。テープ枠93とキャラクタとの位置関係は、印字済みテープ50が作成される際の印字済みテープ50の外枠と、印字済みテープ50に印字されるキャラクタとの位置関係に対応する。このため、ユーザは、ディスプレイ5の画像92を確認することで、作成される印字済みテープ50の外観を確認することができる。
画像92は、ユーザが入力部91を介して、図7に示す「NAME●TEL1□TEL2□FAX1▲TEL3□FAX2□FAX3▲TEL4□FAX4」とデータを入力した場合に表示される。このデータを印字データ90という。つまり、画像92は、印字データ90に基づいて、ディスプレイ5に表示されている。印字データ90は、印字装置1が印字を行う場合に使用されるデータである。
印字データ90は、キャラクタデータ、スペースデータ、行データ、ブロックデータ、改行データ、及び改ブロックデータを含む。キャラクタデータは、個々のアルファベット、記号、及び数字等のキャラクタのデータである。スペースデータは、ユーザが入力部91に含まれるスペースキーを押下した場合のスペースを示すデータであり、図7では「□」で表している。改行データは、複数の行データ相互間の区切り位置を示すデータであり、図7では「▲」で表わしている。改ブロックデータは、複数のブロックデータ相互間の区切り位置を示すデータであり、図7では「●」で表している。
行データは、1行を構成するキャラクタデータを含むデータである。図7において、印字データ90に含まれる行データは、「NAME」(以下、行データ901という。)、「TEL1□TEL2□FAX1」(以下、行データ902という。)、「TEL3□FAX2□FAX3」(以下、行データ903という。)、及び「TEL4□FAX4」(以下、行データ904という。)である。ブロックデータは、ブロックを構成する1または複数の行データを含むデータである。図7において、印字データ90に含まれるブロックデータは、「NAME●」(以下、ブロックデータ905という。)、及び「TEL1□TEL2□FAX1▲TEL3□FAX2□FAX3▲TEL4□FAX4」(以下、ブロックデータ906という。)である。
改行データ「▲」が入力されると、行データが上下方向に配置される。改ブロックデータ「●」が入力されると、左右方向にブロックが配置される。図6では、「NAME」が1つのブロック(以下、「ブロック94」という。)であり、ブロック94の右側の「TEL1 TEL2 FAX1」と、「TEL3 FAX2 FAX3」と、「TEL4 FAX4」との3行が1つのブロック(以下、「ブロック95」という。)である。つまり、ブロック94は、ブロックデータ905に基づくブロックであり、ブロック95は、ブロックデータ906に基づくブロックである。
ブロックが設定されると、ブロック毎に印字を行ったり、ブロック毎に所定の設定(例えば、キャラクタの色、大きさ、イタリック体、及び書式などの設定)を行ったりすることができる。また、ブロックの中の各行の先頭のキャラクタの位置が、上下方向に揃うため、情報を整理し易くなる。なお、図6では、説明のため、ブロック毎の区切りを、点線で表しているが、実際には、点線は、ディスプレイ5に表示されていない。なお、ブロック毎の区切りを表す点線に相当する部分を、点線や実線でディスプレイ5に表示してもよい。
改行データが入力されると、ディスプレイ5上のキャラクタのサイズが調整される。図6に示すように、1行で表示されるブロック94のキャラクタのサイズは、3行で表示されるブロック95のキャラクタのサイズより大きくなっている。なお、これらのキャラクタのサイズは、予めCGROM403に記憶されている。
図6における一番外側の枠は、ディスプレイ5の外枠である。本実施形態では、ディスプレイ5の左下の座標(X,Y)が、座標(0,0)であるとする。座標は、ディスプレイ5のピクセルの個数に対応しているとする。例えば、座標(10,20)のディスプレイ5上の位置は、ディスプレイ5の左端から10ピクセル分右側、且つ、ディスプレイ5の下端から20ピクセル分上側の位置である。
図8を参照して、余白データテーブル81について説明する。余白データテーブル81には、余白種類とX幅とが対応付けられて記憶されている。X幅とは、ディスプレイ5のX方向(左右方向)の幅であり、ピクセルで表されている。図8に示すように、余白データテーブル81には、余白種類「スペース余白」とX幅「9」が対応付けられ、余白種類「キャラクタ間余白」とX幅「3」とが対応付けられ、余白種類「改ブロック余白」とX幅「15」とが対応付けられている。
スペース余白は、スペースデータ「□」が入力された場合の余白であり、X方向に9ピクセルの余白が設けられることになる。キャラクタ間余白は、キャラクタ相互間の余白であり、X方向に3ピクセルの余白が設けられることになる。改ブロック余白は、改ブロックデータ「●」が入力された場合の余白であり、ブロック相互間のキャラクタの間に、X方向に15ピクセルの余白が設けられることになる。
図9を参照して、キャラクタデータテーブル82について説明する。図9では、一例として、図7に示す印字データ90をユーザが入力した場合に作成されるキャラクタデータテーブル82を示している。
図9に示すように、キャラクタデータテーブル82には、キャラクタデータ、X幅、及びY幅が対応付けられている。キャラクタデータは、ユーザによって入力されたキャラクタのデータである。本実施形態では、「NAME●TEL1□TEL2□FAX1▲TEL3□FAX2□FAX3▲TEL4□FAX4」と入力されているので、これらのキャラクタデータが登録されている。なお、スペースデータ「□」、改ブロックデータ「●」及び改行データ「▲」は、キャラクタデータとは異なるが、キャラクタデータと同様に記憶されている。
図9に示すように、キャラクタデータ「N」、X幅「14」、及びY幅「26」が対応付けられている。その他のキャラクタについても、図9に示すように、キャラクタデータ、X幅、及びY幅が対応付けられている。なお、「−」は、データが記憶されていないことを示している。
Y幅は、ディスプレイ5のY方向(上下方向)の幅であり、ピクセルで表されている。ディスプレイ5に表示されるキャラクタデータに基づくキャラクタの大きさは、X幅とY幅で表わされる。本実施形態では、キャラクタデータのX幅及びY幅をサイズ情報という。このサイズ情報は、キャラクタ毎にCGROM403に記憶されている情報である。
図6〜図9を参照して、図6に示す画像92の作成過程について説明する。ユーザは、入力部91を介してキャラクタデータ等を入力する。なお、以下の説明において、キャラクタデータテーブル82にキャラクタデータ、スペースデータ、改行データ、改ブロックデータ等のデータが登録される場合、印字データ記憶領域4043にも、データが記憶され、印字データ90が作成されるとする。
ユーザが先頭のキャラクタデータ「N」を入力すると、CPU401によって、先頭のキャラクタデータ「N」が取得される。先頭のキャラクタデータ「N」が取得されると、ディスプレイ5に先頭のキャラクタが表示される場合の座標である先頭座標が決定される。なお、本実施形態では、先頭座標が予め所定の座標に設定されているとする。所定の座標は、(30,30)であるとする。先頭座標は、先頭のキャラクタの左下の座標であるとする。
キャラクタデータ「N」に対応付けられて、X幅「14」、及びY幅「26」がキャラクタデータテーブル82(図9参照)に記憶される。なお、サイズ情報であるX幅「14」とY幅「26」とは、予めCGROM403に記憶されていたサイズ情報である。そして、キャラクタデータ「N」に基づいて、キャラクタ「N」がディスプレイ5に表示される。キャラクタ「N」の表示位置は、「N」の左下の座標が先頭座標(30,30)となる位置である。
次いで、キャラクタデータ「A」が取得されると、キャラクタデータ「A」に対応付けられて、X幅「16」、及びY幅「26」がキャラクタデータテーブル82(図9参照)に記憶される。そして、キャラクタデータに基づいて、キャラクタ「A」がディスプレイ5に表示される。キャラクタ「A」の表示位置の左下の座標は、先頭座標(30,30)に対して、キャラクタデータテーブル82におけるキャラクタデータ「N」のX幅「14」と、余白データテーブル81におけるキャラクタ間余白のX幅「3」が加算され、(47,30)となる(図6参照)。
同様に、キャラクタデータ「M」及び「E」が、キャラクタデータテーブル82に記憶され、ディスプレイ5に表示される。改ブロックデータ「●」が取得されると、余白データテーブル81の改ブロック余白のX幅「15」に相当する余白が、右方向に設けられる。そして、「TEL1□TEL2□FAX1▲TEL3□FAX2□FAX3▲TEL4□FAX4」がさらに取得され、キャラクタデータテーブル82に記憶され、ディスプレイ5に表示される。この場合、改行データ「▲」が2つ取得されているので、3行になる。このため、キャラクタのサイズ情報と配置位置が調整される。詳細には、取得された改行データが2つの場合、3行で表示される場合のサイズ情報がCGROM403から取得され、キャラクタデータテーブル82に記憶される。3行の場合の各キャラクタの左下の座標のうち、Y座標は予め定められている。本実施形態では1行目のY座標が「55」、2行目のY座標が「36」、3行目のY座標が「17」と定められているとする。このため、例えば、キャラクタ「TEL1」の「T」の左下の座標は、(111,55)となり、キャラクタ「TEL3」の「T」の左下の座標は、(111,36)となる(図6参照)。また、キャラクタ「TEL4」の「T」の左下の座標は(111,17)となる(図6参照)。なお、3行になってもキャラクタ間余白は、X幅「3」で固定である。
以上のようにして、図6に示す画像92がディスプレイ5に表示される。また、キャラクタデータテーブル82(図9参照)が作成される。
図10及び図11を参照し、印字装置1のCPU401によるメイン処理について説明する。メイン処理では、印字データ90に含まれる1つのブロックデータが2つのブロックデータに分割され、ディスプレイ5に表示されるブロックが分割される。そして、分割されたブロックを含むキャラクタが印字される。ユーザは、ディスプレイ5に表示されているキャラクタ相互間の位置のうち、ブロックを2つに分割するための位置を指定するために、タッチペンを使用してタッチパネル26上に一続きの軌跡を描く。メイン処理は、図6に示す画像92の入力が完了することを契機に開始される。以下の説明では、図6に示す画像92において、ブロック95を2つのブロックに分割する場合を例示しながら説明する。
まず、入力された印字データ90に基づいて、画像92(図6参照)がディスプレイ5に表示される(S11)。次いで、指定座標取得処理が実行される(S12)。
図12を参照して、指定座標取得処理について説明する。指定座標取得処理は、指定座標を取得し、指定座標に基づく軌跡を表示する処理である。指定座標とは、ユーザによってタッチパネル26を介して指定された、ディスプレイ5上の座標である。
指定座標取得処理では、まず、指定座標が取得される(S41)。なお、ステップS41では、ユーザが座標を指定していない場合には、指定座標は取得されない。次いで、指定座標の取得が開始されたか否かが判断される(S42)。ステップS41で指定座標が取得されれば、指定座標の取得が開始されたと判断される(S42:YES)。
指定座標の取得が開始されていない場合(S42:NO)、処理はステップS41に戻る。指定座標の取得が開始された場合(S42:YES)、ステップS41で取得された指定座標が、指定座標データテーブル83に記憶される(S43)。指定座標データテーブル83とは、指定座標が記憶されたデータテーブルである。例えば、ステップS42で指定座標(196、73)が取得された場合、図13に示すように、指定座標(196,73)が指定座標データテーブル83に記憶される(S43)。
次いで、新たに指定座標が取得される(S44)。次いで、指定座標が移動したか否かが判断される(S45)。ステップS45では、ステップS44で新たに取得された指定座標と、ステップS43またはステップS46(後述)において、ステップS44が実行される直前に指定座標データテーブル83に記憶された指定座標とが比較される。そして、指定座標が異なっていれば、指定座標が移動したと判断され、指定座標が同じならば、指定座標は移動していないと判断される。また、ユーザがタッチペンをディスプレイ5から離間させたために、指定座標がステップS44で取得されなくなった場合も、指定座標が移動していないと判断される。
指定座標が移動した場合(S45:YES)、ステップS44で取得された指定座標が、指定座標データテーブル83に記憶される(S46)。次いで、ディスプレイ5に軌跡96が表示される(S47)。軌跡96は、ユーザが指定した指定座標が示す軌跡である(図15参照)。ステップS47では、指定座標データテーブル83に記憶されている指定座標を線で結ぶことによって、ディスプレイ5に軌跡96が表示される。次いで、処理はステップS44に戻る。
指定座標が移動していない場合(S45:NO)、指定座標の取得が終了されたか否かが判断される(S48)。ステップS48の処理では、ユーザが、タッチペンをディスプレイ5から離間させ、タッチパネル26を介して入力される指定座標が取得されなくなれば、指定座標の取得が終了されたと判断される。指定座標の取得が終了されていない場合(S48:NO)、処理はステップS44に戻る。指定座標の取得が終了された場合(S48:YES)、メイン処理に戻る。以下の説明では、図12のステップS43及びS46によって、指定座標データテーブル83には、図14に示す指定座標が記憶されたとする。また、図14に示す指定座標データテーブル83の指定座標に基づいて、ステップS47で表示される軌跡96を図15に示す。
なお、図14には、一部の指定座標の具体的な数値(指定座標(196,73)、(195,62)、(152,43)、(152,24)、(146,13))のみを表しているが、実際には、軌跡96に対応する指定座標が全て記憶されている。また、図14の指定座標は、図15に示す(196,73)、(195,62)、(152,43)、(152,24)、(146,13)の位置に対応する。
図10に示すように、指定座標取得処理(S12)が実行された後、全てのキャラクタのキャラクタ領域が算出され、キャラクタデータテーブル82に記憶される(S13)。キャラクタ領域とは、キャラクタが位置するディスプレイ5上の領域である。ステップS13でキャラクタ領域が算出される際には、先頭座標と余白データテーブル81(図8参照)とキャラクタデータテーブル82(図9参照)とが参照される。
例えば、キャラクタ「TEL2」のうち、「2」のキャラクタ領域は、以下のように算出される。まず、キャラクタ「2」の左下の座標が算出される。RAM404に記憶されている先頭座標は(30,30)である。また、X方向において、先頭座標からからキャラクタ「2」までの間には、キャラクタ「N」、キャラクタ間余白、キャラクタ「A」、キャラクタ間余白、キャラクタ「M」、キャラクタ間余白、キャラクタ「E」、改ブロック余白、キャラクタ「T」、キャラクタ間余白、キャラクタ「E」、キャラクタ間余白、キャラクタ「L」、キャラクタ間余白、キャラクタ「1」、スペース余白、キャラクタ「T」、キャラクタ間余白、キャラクタ「E」、キャラクタ間余白、キャラクタ「L」、及びキャラクタ間余白が存在している。そして、これらのX幅の合計は、「154」である。この合計値は、余白データテーブル81(図8参照)と、キャラクタデータテーブル82(図9参照)とのX幅を使用して算出することができる。このため、キャラクタ「2」の左下のX座標は、先頭座標のX「30」と、X幅「154」の合計である「184」である。また、前述したように、3行で表示されている1行目のY座標が「55」であるので、キャラクタ「2」の左下の座標は(184,55)である(図6参照)。
そして、キャラクタ「2」のサイズ情報は、X幅「7」、Y幅「13」であるので(図9参照)、これらを左下の座標(184,55)にそれぞれ加算することで、キャラクタ「2」の右上の座標(191,68)が算出される。このため、キャラクタ「2」のキャラクタ領域は、(184,55)〜(191,68)の範囲の四角形となる。同様に、各キャラクタについて、キャラクタ領域が算出される。図16に示すように、算出されたキャラクタ領域は、キャラクタデータテーブル82に記憶される(S13)。
次いで、指定位置が取得される(S14)。指定位置とは、ユーザによって指定される1つのブロックを2つのブロックに分割するためのキャラクタ相互間の位置である。図15に示すように、ユーザが描いた軌跡96は、キャラクタ「TEL2」の「2」とキャラクタ「FAX1」の「F」との間、キャラクタ「TEL3」の「3」とキャラクタ「FAX2」の「F」との間、キャラクタ「TEL4」の「4」とキャラクタ「FAX4」の「F」との間を通っている。このため、指定位置は、これらキャラクタ相互間の位置である。
具体的には、ステップS14では、ステップS13で算出されてキャラクタデータテーブル82(図16参照)に記憶されたキャラクタ領域と、軌跡96を描くための指定座標データテーブル83(図14参照)に記憶された指定座標とが参照される。そして、軌跡96が通過するキャラクタ相互間の位置が特定されることで、指定位置が取得される(S14)。例えば、指定座標データテーブル83には、指定座標(195,62)が記憶されている。そして、キャラクタデータテーブル82に記憶されているキャラクタ領域において、指定座標(195,62)は、キャラクタ「TEL2」の「2」と、キャラクタ「FAX1」の「F」との間に位置する。このため、軌跡96が、キャラクタ「TEL2」の「2」と、キャラクタ「FAX1」の「F」との間を通っている。よって、キャラクタ「TEL2」の「2」と、キャラクタ「FAX1」の「F」との間の位置が指定位置として取得される(S14)。他の指定位置も同様の処理によって取得される。
次いで、ステップS12で取得された指定位置に対応する行データ上の位置である分割位置が特定される(S15)。ステップS15では、図7に示すように、印字データ90において分割位置907〜909が特定される。分割位置907は、キャラクタ「TEL2」の「2」とキャラクタ「FAX1」の「F」との間である。分割位置908は、キャラクタ「TEL3」の「3」とキャラクタ「FAX2」の「F」との間である。分割位置909は、キャラクタ「TEL4」の「4」とキャラクタ「FAX4」の「F」との間である。なお、分割位置907〜909に相当する位置には、スペースデータ「□」が存在している。
次いで、ステップS15で分割位置が指定された行データを含むブロックデータにおける行データの数が変数Lに設定される(S16)。言い換えると、分割されるブロックの行数が変数Lに設定される。例えば、図7に示すように、ブロックデータ906には、行データ902〜904が含まれる。このため、変数Lは、「3」と設定される。なお、変数LはRAM404に記憶される(後述する変数Nも同様)。
次いで、変数Lが「1」であるか否かが判断される(S17)。変数Lが「1」である場合とは、分割されるブロックの行数が「1」である場合である。変数Lが「1」である場合(S17:YES)、分割位置に改ブロックデータが追加される(S18)。1行で構成されたブロックが、左右方向に2つのブロックに分割される。S19が実行された後、後述するS30が実行される。
分割されるブロックの行数が複数ある場合、変数Lが「1」ではないと判断され(S17:NO)、部分データ記憶領域4044に記憶されている種々のデータが消去される(S19)。つまり、部分データ記憶領域4044が初期化される。次いで、変数Nが「1」に設定される(S20)。次いで、部分データが特定される(S21)。部分データは、複数の行データ毎の分割位置の直後のキャラクタデータから、当該直後のキャラクタデータより後側のデータにおいて、印字データの最後のキャラクタデータ、改行データ、及び改ブロックデータのうち、最初に存在するデータまでのデータである。例えば、図7において、分割位置907の直後のキャラクタデータは、「FAX1」の「F」である。また、当該「F」の後側において、印字データの最後のキャラクタデータ、改行データ、及び改ブロックデータのうち、最初に存在するデータは、「FAX1」の「1」と、「TEL3」の「T」との間の改行データ「▲」である。よって、「FAX1▲」が部分データ910として特定される(図7参照)。同様に、部分データ911,912が特定される。図7に示すように、部分データ911は「FAX2□FAX3▲」であり、部分データ912は「FAX4」である。
次いで、印字データ90から、N行目の部分データが切り取られる(S22)。変数Nが「1」の場合、1行目の部分データ910「FAX1▲」(図7参照)が切り取られる。これによって、図17に示すように、印字データ90が「NAME●TEL1□TEL2□TEL3□FAX2□FAX3▲TEL4□FAX4」となる。
次いで、ステップS22で切り取られた部分データ910が部分データ記憶領域4044に記憶される(S23)。変数Nが「1」の場合、図17に示すように、ステップS22で切り取られた部分データ910「FAX1▲」が部分データ記憶領域4044に記憶される。なお、図17では、印字データ記憶領域4043に記憶されている印字データ90を紙面の左側に示し、印字データ90の右側に、部分データ記憶領域4044に記憶されたデータを示している(後述する図18〜図22も同様)。
次いで、変数Nが変数Lと等しいか否かが判断される(S24)。変数Nが変数Lと等しくない場合(S24:NO)、N行目の行データの分割位置に、改行データが入力される(S25)。以下の説明では、ステップS25で入力される改行データを改行データ915という。変数Nが「1」の場合、1行目の行データ902の分割位置907(図7参照)に改行データ915「▲」が入力される。これによって、図18に示すように、印字データ90が「NAME●TEL1□TEL2▲TEL3□FAX2□FAX3▲TEL4□FAX4」となる。ここで、分割位置907には、スペースデータ「□」が存在していたが、スペースデータ「□」に代えて、改行データ915「▲」が入力される。なお、スペースデータ「□」を残したまま、改行データ915「▲」を入力するようにしてもよい。
次いで、変数Nがインクリメントされ、1増加される(S26)。次いで、処理はステップS22に戻る。変数Nが「2」の場合、2行目の部分データ911「FAX2□FAX3▲」(図7参照)が、印字データ90から切り取られる。これによって、図19に示すように、印字データ90が「NAME●TEL1□TEL2▲TEL3□TEL4□FAX4」となる(S22)。そして、ステップS22で切り取られた部分データ911が部分データ記憶領域4044に追加記憶される(S23)。これによって、部分データ記憶領域4044に記憶されているデータ「FAX1▲」(図18参照)が、図19に示すように、「FAX1▲FAX2□FAX3▲」に更新される。次いで、変数N「2」が、変数L「3」と等しくないと判断され(S24:NO)、2行目の行データ903の分割位置908(図7参照)に改行データ915「▲」が入力される。これによって、図20に示すように、印字データ90が「NAME●TEL1□TEL2▲TEL3▲TEL4□FAX4」となる(S25)。
変数Nが「3」の場合、3行目の部分データ912「FAX4」(図7参照)が、印字データ90から切り取られる。これによって、図21に示すように、印字データ90が「NAME●TEL1□TEL2▲TEL3▲TEL4□」となる(S22)、そして、図21に示すように、部分データ記憶領域4044に記憶されているデータ「FAX1▲FAX2□FAX3▲」が、「FAX1▲FAX2□FAX3▲FAX4」に更新される(S23)。次いで、変数N「3」が、変数L「3」と等しいと判断される(S24:YES)。
変数Nが変数Lと等しい場合(S24:YES)、N行目の行データの分割位置に、改ブロックデータが入力される(S27)。つまり、ステップS15で分割位置が特定された行データのうち、最終行の行データの分割位置に、改ブロックデータが入力される。なお、前述したステップS25では、ステップS15で分割位置が特定された行データのうち、最終行以外の行データの分割位置に、改行データが入力されている。以下の説明では、ステップS27で入力される改ブロックデータを、改ブロックデータ916という。
変数Nが「3」の場合、最終行である3行目の行データ904の分割位置909(図7参照)に、改ブロックデータ916「●」が入力される。これによって、図22に示すように、印字データ90が、「NAME●TEL1□TEL2▲TEL3▲TEL4●」となる(S27)。ここで、分割位置909には、スペースデータ「□」が存在していたが、スペースデータ「□」に代えて、改ブロックデータ916「●」が入力される。なお、スペースデータ「□」を残したまま、改ブロックデータ916「●」を入力するようにしてもよい。
次いで、部分データ記憶領域4044に記憶されているデータが、ステップS27で入力された改ブロックデータ916の後に挿入される(S28)。これによって、図23に示すように、印字データ90が、「NAME●TEL1□TEL2▲TEL3▲TEL4●FAX1▲FAX2□FAX3▲FAX4」となる。ステップS27で入力された改ブロックデータ916「●」の後に挿入された「FAX1▲FAX2□FAX3▲FAX4」のうち、「FAX1▲」は1行目の部分データ910である(図7参照)。「FAX2□FAX3▲」は2行目の部分データ911である。「FAX4」は3行目の部分データ912である。言い換えると、「FAX1▲FAX2□FAX3▲FAX4」は、1行目の部分データから順に並んだデータである。つまり、ステップS22、S23、及びS28によって、各部分データ910〜912が、ステップS27で入力される改ブロックデータの後に、一行目の部分データから順に並ぶように移動されている。
図23の印字データ90において、「TEL1□TEL2▲TEL3□TEL4●」を第一ブロックデータ917という。第一ブロックデータ917は、ステップS25で入力された改行データ915と、ステップS27で入力された改ブロックデータ916とを含む。さらに、第一ブロックデータ917は、ステップS15で分割位置907〜909が特定された複数の行データ902〜904に含まれる全てのキャラクタデータのうち、各行において、データの並び順が分割位置907〜909より前のキャラクタデータを全て含む。すなわち、第一ブロックデータ917は、行データ902において分割位置907より前のキャラクタデータ「TEL1」及び「TEL2」と、行データ903において分割位置908より前のキャラクタデータ「TEL3」と、行データ904において分割位置909より前のキャラクタデータ「TEL4」とを含む。
また、図23の印字データ90において、「FAX1▲FAX2□FAX3▲FAX4」を第二ブロックデータ918という。第二ブロックデータ918は、ステップS22、S23、及びS28で移動された部分データ910〜912で構成される。第二ブロックデータ918は、ステップS15で分割位置907〜909が特定された複数の行データ902〜904に含まれる全てのキャラクタデータのうち、データの並び順が分割位置907〜909より後のキャラクタデータを全て含む。すなわち、第二ブロックデータ918は、行データ902において分割位置907より後のキャラクタデータ「FAX1」と、行データ903において分割位置908より後のキャラクタデータ「FAX2」及び「FAX3」と、行データ904において分割位置909より後のキャラクタデータ「FAX4」とを含む。
図7及び図23に示すように、1つのブロックデータ906(図7参照)が、ステップS27で入力された改ブロックデータ916を区切り位置として、第一ブロックデータ917及び第二ブロックデータ918の2つのブロックデータに分割されている。
図11に示すように、ステップS28が実行された後、部分データ記憶領域4044に記憶されているデータが消去される(S29)。すなわち、部分データ記憶領域4044に記憶されているデータ「FAX1▲FAX2□FAX3▲FAX4」(図22参照)が消去される。なお、ステップS29で部分データ記憶領域に記憶されているデータが消去されるため、図23では、部分データ記憶領域4044のデータを示していない。
次いで、印字データ90に基づいて、ディスプレイ5にキャラクタが表示される(S30)。つまり、ディスプレイ5に表示されているキャラクタが更新される。ステップS30によって、印字データ90(図23参照)に基づいて、図24に示すように、キャラクタが表示される。図24に示すように、ブロック95(図6参照)が、第一ブロックデータ917に基づく第一ブロック951と、第二ブロックデータ918に基づく第二ブロック952とに分割されている。なお、第一ブロック951は、「TEL1」、「TEL2」、「TEL3」、及び「TEL4」を含む複数行のブロックである。第二ブロック952は、「FAX1」、「FAX2」、「FAX3」、及び「FAX4」を含む複数行のブロックである。
次いで、印字実行の指示が入力されたか否かが判断される(S31)。ユーザは、入力部91の印字キーを押下することで、印字実行の指示を入力する。印字実行の指示が入力されていない場合(S31:NO)、処理はステップS31に戻る。
印字実行の指示が入力された場合(S31:YES)、印字が実行され、印字済みテープ50が作成される(S32)。これによって、図24に示す画像92の表示に対応するキャラクタが印刷された印字済みテープ50が作成される。次いで、メイン処理が終了される。
以上説明したように、本実施形態における処理が実行される。ユーザによって指定される指定位置が取得された場合(S14)、行データ上の分割位置が指定される(S15)。そして、自動で、改行データの入力(S25)、改ブロックデータの入力(S27)、及び部分データの移動(S22、S23、及びS28)が行われ、1つのブロックデータ906(図7参照)が、第一ブロックデータ917と第二ブロックデータ918と(図23参照)に分割される。よって、ユーザがキャラクタデータ、改行データ、及び改ブロックデータ等の各種データの削除や再入力を行って、1つのブロックデータ906を2つのブロックデータ917,918に分割する必要がない。よって、ユーザが意図する位置で、容易に1つのブロック95(図6参照)を2つのブロック951,952(図25参照)に分割することができる。
また、ユーザが、タッチパネル26を使用して、ディスプレイ5上の座標を指定するだけで、1つのブロック95が2つのブロック951,952に分割される。このため、ユーザの利便性が向上する。
また、ユーザは、タッチパネル26を使用して、一回の操作で軌跡96(図15参照)を描くことで、指定位置を指定することができる。そして、ユーザによって指定された指定位置で1つのブロック95が2つのブロック951,952に分割される。ユーザは、一回の操作で指定位置を指定することができるので、指定位置を指定するために複数回の操作を行う必要がなく、ユーザの利便性が向上する。
上記実施形態において、フィルムテープ59が本発明の「印字媒体」に相当し、図10のステップS11の処理を行うCPU401が本発明の「表示制御手段」に相当する。図10のステップS14の処理を行うCPU401が本発明の「指定位置取得手段」に相当し、図10のステップS15の処理を行うCPU401が本発明の「分割位置特定手段」に相当する。図11のステップS22、S23、S25、S27、及びS28の処理を行うCPU401が本発明の「ブロック分割手段」に相当し、図11のステップS25の処理を行うCPU401が本発明の「改行データ入力手段」に相当する。図11のステップS27の処理を行うCPU401が本発明の「改ブロックデータ入力手段」に相当し、図11のステップS22、S23、及びS28の処理を行うCPU401が本発明の「部分データ移動手段」に相当する。タッチパネル26が本発明の「座標指定手段」に相当し、図10のステップS11の処理が本発明の制御プログラムにおける「表示制御ステップ」に相当する。図10のステップS14の処理が本発明の制御プログラムにおける「指定位置取得ステップ」に相当し、図10のステップS15の処理が本発明の制御プログラムにおける「分割位置特定ステップ」に相当する。図11のステップS22、S23、S25、S27、及びS28の処理が本発明の制御プログラムにおける「ブロック分割ステップ」に相当し、CPU401が本発明の制御プログラムを印字装置1に実行させる「コントローラ」に相当する。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、ステップS13(図10参照)で、先頭座標と余白データテーブル81とキャラクタデータテーブル82とが参照されて、キャラクタ領域が算出されていたが、これに限定されない。例えば、キャラクタ間余白、スペース余白、及び改ブロック余白に相当する余白のサイズを、キャラクタデータのサイズ情報に含めてもよい。先頭座標とサイズ情報とに基づいて、個々のキャラクタのキャラクタ領域を算出できる。
また、余白データテーブル81(図8参照)に示すように、スペース余白、キャラクタ間余白、改ブロック余白は、所定のピクセルに固定されていたが、これに限定されない。例えば、キャラクタのサイズなどによって、余白の値が変動するようにしてもよい。
また、先頭座標が予め所定の座標に設定されていたが、これに限定されない。例えば、先頭座標は、キャラクタの数や大きさによって変動するようにしてもよい。
また、ユーザが指定座標を入力する際には、タッチパネル26が使用されていたが、これに限定されない。例えば、ユーザは、マウスなどのポインティングデバイスを使用したり、ディスプレイ5に表示されるカーソルを、入力部91を介して操作したりすることで、指定座標を入力してもよい。
また、S14で、キャラクタ領域と指定座標とが参照されて、指定位置が取得されていたが、指定位置の取得の方法は、これに限定されない。例えば、キャラクタの中心の座標と指定座標とを参照して、2つのキャラクタの中心の間を軌跡が通った場合に、そのキャラクタ相互間の位置を指定位置として取得してもよい。
また、ステップS14で、軌跡96が通過するキャラクタ相互間の位置が特定されることで、指定位置が取得されていた。これによって、ユーザは一回の操作で指定位置を指定することができたが、これに限定されない。例えば、複数回の操作で指定位置を指定するようにしてもよい。例えば、ユーザがディスプレイ5に表示されるカーソルを、キャラクタ「TEL1」の「1」とキャラクタ「FAX1」の「F」との間に移動させて選択したことを検出した場合に、その位置を指定位置として取得する。同様に、ユーザがカーソルを移動させ、キャラクタ「TEL3」の「3」とキャラクタ「FAX2」の「F」との間、キャラクタ「TEL4」の「4」とキャラクタ「FAX4」の「F」との間をそれぞれ選択したことを検出した場合に、その位置を指定位置として取得する。そして、ユーザによって入力部91の決定キーが押下された場合に、取得された指定位置を確定し、ステップS15以降の処理を行ってもよい。
また、ステップS22、S23、及びS28によって、各部分データ910〜912が、ステップS27で入力される改ブロックデータの後に、一行目の部分データから順に並ぶように移動されていたが、これに限定されない。例えば、ステップS23で一旦部分データを記憶することなく、ステップS22で切り取った部分データを、ステップS27で改ブロックデータが入力されることが予定されている位置の後に、一行目の部分データから順に並ぶように移動させてもよい。
また、上述の実施形態の例示では、分割されるブロックは、ブロック95であった。すなわち、複数のブロックのうち、最後のブロックが分割されていたが、これに限定されない。例えば、複数のブロックの最初のブロックや、最初のブロックと最後のブロックとの間のブロックが、分割されてもよい。最初のブロックと最後のブロックとの間のブロックが分割される場合について説明する。
図25は、印字データ「NAME●FAX:222▲E−MAIL:XXX▲ADDRESS:YYY●TEL1▲TEL2▲TEL3」に基づいて表示された画像100である。画像100のうち、「NAME」をブロック97といい、「FAX:222」、「E−MAIL:XXX」、「ADDRESS:YYY」の3行をブロック98という。また、「TEL1」、「TEL2」、及び「TEL3」の3行をブロック99という。この場合、ブロック98は、最初のブロック97と、最後のブロック99との間のブロックである。ブロック98を分割する場合、上述の処理(図10〜図12参照)を行うことによって分割できる。
以下の説明では、ステップS12(図10参照)によって、指定座標が取得されて、図25に示す軌跡101がディスプレイ5に表示されたとする。この場合、ステップS21で特定される部分データは、「222▲」、「XXX▲」、及び「YYY●」である。そして、ステップS22〜S28が実行されることによって、印字データは、「NAME●FAX:▲E−MAIL:▲ADDRESS:●222▲XXX▲YYY●TEL1▲TEL2▲TEL3」となる。この印字データのうち、「ADDRESS:●」の改ブロックデータ「●」が、ステップS27で入力された改ブロックデータである。そして、この改ブロックデータの後に、部分データ「222▲」、「XXX▲」、及び「YYY●」が1行目から順に並ぶように挿入されている。また、「FAX:▲E−MAIL:▲ADDRESS:●」が第一ブロックデータであり、「222▲XXX▲YYY●」が第二ブロックデータである。
そして、ステップS30では、ディスプレイ5に、図26に示す画像100が表示される。図26に示すように、図25の軌跡101の位置で、ブロック98が分割され、第一ブロック981と第二ブロック982が表示されている。そして、印字実行の指示が入力されると(S31:YES)、印字が実行されて、図26に示すキャラクタが印字された印字済みテープ50が作成される。
以上の実施形態では、印字装置1において、1つのブロックデータが2つのブロックデータに分割されるように、印字データが編集されていた。しかし、これに限定されない。例えば、印字装置1とは異なる他の装置(以下、印字データ編集装置という。)が、1つのブロックデータを2つのブロックデータに分割するように、印字データを編集してもよい。そして、印字データ編集装置において編集された印字データを用いて、印字装置1が、1つのブロックが2つのブロックに分割されたキャラクタを印字してもよい。以下、印字データ編集装置が印字データを編集する場合について説明する。
図27に印字データ編集装置の一例である携帯端末500を示す。携帯端末500は、例えば、PSTN(Public Switched Telephone Networks)網やインターネット網等の通信網を介して、他の機器と、通話やデータの送受信などの通信を行うことが可能な端末である。
図27に示すように、携帯端末500は、下部(図27の紙面下側)に入力部591を備え、入力部591の上側にディスプレイ55を備えている。図28の電気的構成に示すように、携帯端末500は、CPU501を備えている。CPU501には、ROM502、RAM504、入力部591、液晶駆動回路(LCDC)505、及び駆動回路509が電気的に接続されている。液晶駆動回路(LCDC)505には、ディスプレイ55が電気的に接続され、駆動回路509には、ディスプレイ55の上面に設けられた透明なタッチパネル56が電気的に接続されている。ROM502は、プログラム記憶領域5021及び余白データテーブル5022を少なくとも備えている。RAM504は、キャラクタデータテーブル記憶領域5041、指定座標データテーブル記憶領域5042、印字データ記憶領域5043、及び部分データ記憶領域5044を少なくとも備えている。
携帯端末500の構成502,504,505,55,509,56は、それぞれ、図5に示す印字装置1の構成402,404,405,5,409,26と同様の機能を有する。また、携帯端末500の記憶領域5022,5041,5042,5043,5044には、それぞれ、図5に示す印字装置1の記憶領域4022,4041,4042,4043,4044と同様のデータが記憶される。プログラム記憶領域5021には、CPU501が携帯端末500を制御するために実行する各種プログラムが記憶されている。また、ユーザは、入力部591もしくはタッチパネル56を介して、携帯端末500に種々の指示を与えたり、キャラクタデータ、改行データ、及び改ブロックデータ等を入力したりすることができる。
CPU501には、通信制御回路511,513及びメモリカードスロット515が電気的に接続されている。通信制御回路511には、アンテナ512が電気的に接続されている。CPU501は、通信制御回路511を制御し、アンテナ512を使用して、PSTN網やインターネット網等を介して他の機器と通信を行うことができる。通信制御回路513には、赤外線通信部514が電気的に接続されている。CPU501は、通信制御回路513を制御して、赤外線通信部514を介して、他の機器と赤外線通信を行うことができる。メモリカードスロット515には、メモリカード516が着脱可能である。CPU501は、メモリカードスロット515に装着されたメモリカード516に種々のデータを記憶することができる。
CPU501には、フラッシュメモリ517が電気的に接続されている。例えば、後述する編集メイン処理(図29参照)のプログラムデータを含むアプリケーションが、インターネット上のサーバに登録されており、携帯端末500がサーバからアプリケーションをダウンロードした場合、アプリケーションは、フラッシュメモリ517に記憶される。この場合、CPU501は、フラッシュメモリ517に記憶されたアプリケーションに含まれるプログラムデータに従って編集メイン処理を実行する。なお、印字装置1のCGROM403(図5参照)に記憶されていたサイズ情報や、印字用ドットバターンデータは、アプリケーションに含まれてもよいし、ROM502に予め記憶されていてもよい。CPU501は、サイズ情報等を使用して、例えば、キャラクタデータテーブル82を作成する。
図29を参照し、携帯端末500のCPU501による編集メイン処理について説明する。編集メイン処理では、印字データに含まれる1つのブロックデータが2つのブロックデータに分割され、ディスプレイ5に表示されるブロックが分割される。編集メイン処理は、図6に示す画像92の入力が完了することを契機に開始される。なお、以下の処理では、図6等に示す画像92等は、携帯端末500のディスプレイ55に表示され、ユーザは、タッチパネル56を介して、指定座標や各種指示を入力する。
図29に示すように、編集メイン処理では、ステップS11〜S30の処理が行われる。ステップS11〜S30の処理は、図10及び図11に示す印字装置1のステップS11〜S30の処理と同様である。このため、詳細の説明は省略する。つまり、印字装置1において実行されていたステップS11〜S30の処理が、携帯端末500で実行されている。これによって、ステップS11で表示された図6の画像92のブロック95に対して、図15の軌跡96がユーザによって描かれた場合(S12)、ブロック95が、図24に示すように第一ブロック951と第二ブロック952との2つのブロックに分割されて表示される(S30)。つまり、ステップS11〜S30(図29参照)の処理によって、印字データ90が、「NAME●TEL1□TEL2□FAX1▲TEL3□FAX2□FAX3▲TEL4□FAX4」(図7参照)から「NAME●TEL1□TEL2▲TEL3▲TEL4●FAX1▲FAX2□FAX3▲FAX4」(図23参照)に編集される。
以上のように編集された印字データ90は、印字装置1に移動される。そして、印字装置1では、印字データ90に基づいて印字が実行される。印字データ90を印字装置1に移動させる方法は、一例として、以下のような方法がある。印字装置1に赤外線通信部を設け、携帯端末500の赤外線通信部514との間で赤外線通信を行うことで、印字データ90を印字装置1に移動させる方法。印字装置1にメモリカード516を装着可能なメモリカードスロットを設け、携帯端末500が編集後の印字データ90をメモリカード516に記憶し、そのメモリカード516を印字装置1のメモリカードスロットに装着することで、印字データ90を印字装置1に移動させる方法。印字装置1にアンテナを設け、携帯端末500との間でPSTN網やインターネット網などの通信網を介して通信を行うことで、印字データ90を印字装置1に移動させる方法。
以上説明したように、携帯端末500において編集メイン処理が実行される。この場合、ユーザがキャラクタデータ、改行データ、及び改ブロックデータ等の各種データの削除や再入力を行って、1つのブロックデータ906を2つのブロックデータ917,918に分割する必要がない。よって、ユーザは、携帯端末500を使用して、ユーザが意図する位置で、容易に1つのブロック95(図6参照)を2つのブロック951,952(図24参照)に分割することができる。また、この効果の他にも、印字装置1がメイン処理(図10及び図11参照)を実行する場合と同様の効果を得ることができる。
なお、携帯端末500が処理を実行する本実施形態において、ディスプレイ55が本発明の「表示手段」に相当し、図29のステップS11の処理が本発明の編集プログラムにおける「表示制御ステップ」に相当する。図29のステップS14の処理が本発明の編集プログラムにおける「指定位置取得ステップ」に相当し、図29のステップS15の処理が本発明の編集プログラムにおける「分割位置特定ステップ」に相当する。図29のステップS22、S23、S25、S27、及びS28の処理が本発明の編集プログラムにおける「ブロック分割ステップ」に相当し、CPU501が本発明の編集プログラムを印字データ編集装置に実行させる「コントローラ」に相当する。
なお、印字データ編集装置の一例として、携帯端末500について説明したが、印字データ編集装置の例はこれに限定されない。例えば、印字データ装置は、パーソナルコンピュータや種々の情報端末等であってもよい。