JP5446058B2 - 光散乱用熱収縮性フィルム - Google Patents
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Description
従来光異方散乱フィルムとしては、例えば主成分である樹脂の海成分中に非相溶の糸引き状の島成分を樹脂やフィラーによって形成するもの、同様に樹脂中に細長い空洞を形成するもの、またフィルム表面に筋状の凹凸を機械的又は他の方法で形成するもの等が知られている。そしてこれらは使用する時点で最初から寸法安定性に優れ、安定した散乱性能を有した製品として供給されるものである。
該熱収縮性フィルムの原料としては、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリアミド等収縮性を有するものであれば何れも用いられる。とくにポリエステルを用いる場合、構成するグリコール成分としてネオペンチルグリコール及び/又はシクロヘキサンジメタノールを含むことが望ましい。
本発明の光散乱用熱収縮性フィルムに対する光散乱源の付与方法としては、特開2003−004913を参考として、例えば主成分である樹脂の海成分中に非相溶の糸引き状の島成分を樹脂やフィラーによって形成する方法、同様に樹脂中に細長い空洞を形成する方法、またフィルム表面に筋状の凹凸を機械的に形成する方法、押し出し時又はその後の工程中でロールの接触により腑形加工を行う方法、非収縮層との積層体の収縮に伴う皺を利用する方法、精細な印刷による方法、蒸着による方法等いずれの方法を用いても良い。
ポリエステル樹脂を原料に用いた場合、ポリエステル固有の耐熱性を有し、自然収縮による経時変形がなく、工業材料用途にも好適である。
携帯形光電比色計(柴田化学機器工業社製、COLORIMETER MODEL C−2)を用い、サンプルホルダーを外し、受光用フォトダイオードの入力線を切り離す。可視光用ブルーセンシティブフォトダイオード(BS120)のセンサー面が、5mmφの比色計の入射光絞りの中心から入射光軸の出射側に対し仰角60度、距離21mmとなる位置に取り付け、その信号出力を比色計のフォトダイオード入力を切り離したあとに接続する。漏光を完全に除去した後測定に移る。入射光(白色光)を遮断した状態にてゼロ調整ダイアルにてメーターの0%をあわせる。比色計の5mmφ入射光絞りの上に試料フィルムを1〜10枚(標準2〜5枚)、切り出した方向を揃え重ねて固定する。このとき光軸とセンサーの中心を含む平面に試料フィルムのMD方向が垂直となるようにする。入射光を当て、100%調整ダイアルにてメーターの100%をあわせる。次に試料フィルムを入射光絞りを中心に90度まわし、光軸とセンサーの中心を含む平面に試料フィルムのTD方向が垂直になるようにし、メーターを読む(a%)。さらに同じ向きにフィルムを90度まわしては100%あわせ、a%読みを5回繰り返す。最後にフィルムを取り外し、入射光を当てメーターを読む(B%)。5回のa%読みの平均をA%とすると、等方性評価値:Iは
I=(A−B)/(100−B)
で表される。異方性が大きい程Iは0に近い値をとる。異方性が小さい程Iは1に近い値をとる。この評価法を行う場合、光学的に等価であって感度が類似するものであれば機器の選択は上記に限定されない。
(2)最大熱収縮率
フィルムが収縮する方向を長辺とし、幅15mmとなるように切り出す。この長辺方向に200mmの間隔に標線を記す。この試料に100℃〜150℃の熱風を1分間当てて加熱し、標線間の距離の変化量を測る。この変化量の元の長さに対する100分率を熱収縮率(%)とする。
前述の欧州特許EP210646Bに準じ、フィルムを、収縮する方向と直交する方向を長辺として幅15mmとなるように切り出す。この長辺方向に200mmの間隔に標線を記す。これらの50℃から5℃ピッチで150℃までの各温度用の試料に各温度の熱風を1分間当てて加熱し、標線間の距離の変化量を測る。この変化量の元の長さに対する100分率を熱収縮率(%)とする。これより収縮温度〜収縮率のグラフを作成し、55℃〜105℃の温度域に極小値を有するかどうかを判定する。
前述の欧州特許EP0271928B(特開昭64−4325)に準じ、熱収縮応力を求める為にテンシロンを使用し、幅20mm、長さ150mm、の試料片を採取してそのフィルムに100mm、の標線を記し、100mmよりも小さく、50mmより大きい任意の寸法(L1)に設定した上下チャックに試料片を装着し、100℃の熱風中で処理し、フィルムを収縮させた。このときの残留収縮応力を求め次式により応力を求めた。
残留収縮応力=収縮力/断面積
又、そのときの収縮率は次式により算出した。
収縮率=(100−L1)/100×100(%)
一方、引張応力は前記残留収縮応力の測定において50%熱収縮させた後に、チャック間距離が50mmより大きく、100mm以下の任意のチャック間距離L2に戻す為に要する引張力を求め次式により引張応力を求めた。
引張応力=引張力/断面積
再伸長率=(L2−50)/50×100(%)
上記の残留収縮応力と収縮率、並びに引張応力と再伸長率の両関係を示すグラフより求めた交点に相当する収縮率を交点収縮率と定義する。
PET:20wt%、ネオペンチルグリコール30mol%共重合PET:70wt%、アジピン酸30mol%共重合PET:10wt%を原料として280℃で溶融押出しして厚さ180μmの未延伸シートを得た。該未延伸シートを、ロール延伸機を用い主収縮方向と直角方向に80℃にて1.3倍延伸し、続いてテンター型延伸機を用い130℃で予熱し、延伸域の90%までを85℃、残りの部分を70℃にて延伸し同温度で2秒熱固定を行った。さらに付加的に主収縮方向に65℃で2%延伸を行い、主収縮方向の総延伸倍率を4.5倍とした。得られたフィルムを前述の測定方法で測定したところ、最大熱収縮率は67%の値を示した。又、55℃〜105℃に主収縮方向と直角方向の収縮率の極小値を有し、交点収縮率が17%であった。
得られた積層熱収縮性フイルムを、収縮方向に50℃から150℃まで温度差があるオーブンにて加熱する。結果50℃で加熱した部分は散乱が見られず、150℃で加熱収縮した部分は異方性散乱が見られた。両者の間で等方性評価値の減少は0.5である。
(実施例2)
PET:20wt%、ネオペンチルグリコール30mol%共重合PET:70wt%、アジピン酸30mol%共重合PET:10wt%からなるポリエステル組成物100重量部に対し、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてブタンジオール95mol%、ポリテトラメチレングリコール(分子量1000)5mol%からなる共重合PBT(還元粘度1.33dl/g)を20重量部の割合で混合したものを原料として280℃で溶融押出しして厚さ180μmの未延伸シートを得た。このときのダイリップでのせん断速度は400sec-1であった。該未延伸シートを、ロール延伸機を用い主収縮方向と直角方向に80℃にて1.3倍延伸し、続いてテンター型延伸機を用い130℃で予熱し、延伸域の90%までを85℃、残りの部分を70℃にて延伸し同温度で2秒熱固定を行った。さらに付加的に主収縮方向に65℃で2%延伸を行い、主収縮方向の総延伸倍率を4.5倍とした。得られたフィルムを前述の測定方法で測定したところ、最大熱収縮率は60%の値を示した。又、55℃〜105℃に主収縮方向と直角方向の収縮率の極小値を有し、交点収縮率が15%であった。
得られた熱収縮フイルムを、収縮方向に50℃から150℃まで温度差があるオーブンにて加熱する。結果50℃で加熱した部分は等方性評価値0.6の散乱が見られた、150℃で加熱収縮した部分は異方性散乱の増加が見られた。両者の間で等方性評価値の減少は0.3である。
(比較例1)
実施例2において、ロール延伸機を用い主収縮方向と直角方向に80℃にて3.0倍延伸し、続いてテンター型延伸機を用い130℃で予熱し、80℃にて3.0倍延伸し、150℃の温度で5秒間熱固定を行った。最大熱収縮率は2%の値を示した。又、55℃〜105℃に主収縮方向と直角方向の収縮率の極小値を示さず、交点収縮率が1%であった。
得られたフイルムを、収縮方向に50℃から150℃まで温度差があるオーブンにて加熱する。結果50℃で加熱した部分は等方性評価値0.7の散乱が見られた、150℃で加熱収縮した部分は異方性散乱の増加が見られた。両者の間で等方性評価値の減少は0である。
Claims (5)
- フィルムの主収縮方向における最大熱収縮率が、100℃〜150℃の温度域において30%以上であり、熱収縮によって異方性散乱性を発現、増加し、加熱収縮により光散乱の度合いが変化し、熱収縮後の等方性評価値の減少量が0.1以上であることを特徴とする光散乱用熱収縮性フィルム。
ここで、等方性評価は、以下の通りである。
携帯形光電比色計(柴田化学機器工業社製、COLORIMETER MODEL C−2)を用い、サンプルホルダーを外し、受光用フォトダイオードの入力線を切り離す。可視光用ブルーセンシティブフォトダイオード(BS120)のセンサー面が、5mmφの比色計の入射光絞りの中心から入射光軸の出射側に対し仰角60度、距離21mmとなる位置に取り付け、その信号出力を比色計のフォトダイオード入力を切り離したあとに接続する。漏光を完全に除去した後測定に移る。入射光(白色光)を遮断した状態にてゼロ調整ダイアルにてメーターの0%をあわせる。比色計の5mmφ入射光絞りの上に試料フィルムを1〜10枚(標準2〜5枚)、切り出した方向を揃え重ねて固定する。このとき光軸とセンサーの中心を含む平面に試料フィルムのMD方向が垂直となるようにする。入射光を当て、100%調整ダイアルにてメーターの100%をあわせる。次に試料フィルムを入射光絞りを中心に90度まわし、光軸とセンサーの中心を含む平面に試料フィルムのTD方向が垂直になるようにし、メーターを読む(a%)。さらに同じ向きにフィルムを90度まわしては100%あわせ、a%読みを5回繰り返す。最後にフィルムを取り外し、入射光を当てメーターを読む(B%)。5回のa%読みの平均をA%とすると、等方性評価値:Iは
I=(A−B)/(100−B)
で表される。
また、熱収縮後の等方性評価値の減少量は、フィルムを50℃で加熱した部分と150℃で加熱した部分の等方性評価値の間の減少量である。
- 主収縮方向と直交方向の熱収縮率が、55℃〜105℃の温度域において極小値を有することを特徴とする請求項1に記載の光散乱用熱収縮性フィルム。
- フィルムの交点収縮率が2%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光散乱用熱収縮性フィルム。
- 光散乱源が主収縮方向に直交する方向に細長い構造であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光散乱用熱収縮性フィルム。
- 熱収縮性フィルムを構成する主たる原料がポリエステルであり、ポリエステルを構成するグリコール成分としてネオペンチルグリコール及び/又はシクロヘキサンジメタノールを含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の光散乱用熱収縮性ポリエステル系フィルム。
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