JP5444703B2 - 工作機械用制御装置および工作機械用制御方法 - Google Patents

工作機械用制御装置および工作機械用制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、工作機械(周辺機器を含む)を制御する工作機械用制御装置および工作機械用制御方法に関する。
一般的な工作機械には、当該工作機械を構成し動作可能な部品,部材,治具,工具,センサ等のような部位(「パーツ」とも呼ぶ。以下同様である。)を制御するための工作機械用制御装置が備えられる。この工作機械用制御装置は、数値制御を行う数値制御装置とともに、入力機器や表示機器等を備えた操作盤を設けている。
従来では、工作機械を構成する部位のいずれかに異常が発生すると、その異常部位を容易に把握できるように表示機器に表示する機能を持たせている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の技術によれば、現場において誰でも異常部位を分かり易くするために、工作機械の三次元形状モデルを用いたシミュレート表示によって異常部位を表示する。
特開2006−85328号公報
しかし、特許文献1の技術では、工作機械を構成する部位のいずれかに異常が発生した場合には、その異常部位を表示機器に表示するのに必要な異常表示情報を登録する作業を予め行わなければならない。この作業では、異常部位によっては視点(つまり操作者が異常部位を見る位置)との間に干渉物が存在する可能性がある。三次元形状モデルを用いたシミュレート表示であっても工作機械と同期させてほぼ同一の態様で表示するので、干渉物が邪魔して異常部位の状態を認識(確認)することができない。そのため、操作者(作業者や登録者等)は、干渉物が無い状態を創り出して登録しなければならない。異常発生の可能性がある部位は多く存在するため、登録作業に時間と労力を要していた。
また、異常が発生した場合は、三次元形状モデルの表示に重ねて、異常個所の近傍に、異常内容や対処手順等を示す異常情報を表示するが、三次元形状モデルでは、個々の部品を識別し易くするため等の目的で、敢えて種々の色彩を用いている。このため、偶然にも、異常情報の色彩と当該異常情報の表示個所における三次元形状モデルの色彩とが同系色となった場合は、異常情報が読みにくくなる。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、異常部位の表示を行うための登録作業について従来よりも時間と労力を軽減できる工作機械用制御装置および工作機械用制御方法を提供することを目的とする。
(1)課題を解決するための手段(以下では単に「解決手段」と呼ぶ。)1は、工作機械を制御する制御手段と、当該制御手段から出力される通信信号を受けて工作機械の動作に同期させて工作機械の三次元形状モデルをシミュレート動作させるシミュレート手段と、シミュレート動作させている工作機械の三次元形状モデルを表示するモデル表示手段と、前記通信信号に基づいて異常が発生した異常部位を識別する識別手段と、前記異常部位を強調して表示する強調表示手段と、前記異常部位に関する異常情報を表示する異常情報表示手段とを備えた工作機械用制御装置において、前記異常部位と現在設定されている視点との間に干渉物が存在するか否かを判断する干渉物判断手段と、前記干渉物判断手段によって干渉物があると判断された場合には干渉率が最小となる視点を捜索する視点捜索手段と、前記視点捜索手段によって捜索された視点に位置を変更する視点変更手段と、前記視点変更手段によって変更された視点について干渉率が許容値を超える場合には当該干渉率が許容値以下となるように干渉物の表示形態を変更して表示し干渉率が許容値以下の場合には干渉物をそのまま表示する干渉物表示変更手段とを有することを要旨とする。
なお、「表示形態」には、例えば色彩(透明や半透明を含むものとする。以下同様である。),表示位置,拡大縮小率,線種,塗りつぶしパターン等が該当する。「許容値」は、工作機械全体に対して一律の値で設定してもよく、部位ごとに応じた適正値を設定してもよく、値がゼロであるか否かを問わない。
解決手段1によれば、干渉物判断手段によって干渉物があると判断されると、視点捜索手段が干渉率が最小となる視点を捜索し、視点変更手段が捜索された視点に位置を変更する。そして、干渉物表示変更手段は干渉率が許容値を超えれば当該干渉率が許容値以下となるように干渉物の表示形態を変更して表示する。このように識別手段によって異常部位が識別されると、当該異常部位を視点から見たときに干渉する干渉物が無いに等しい状態を自動的に作り出す。したがって、操作者は作り出された状態を登録するだけでよいので、異常部位の表示を行うための登録作業について従来よりも時間と労力を軽減することができる。
(2)解決手段2は、解決手段1に記載した工作機械用制御装置であって、前記干渉物判断手段は、前記異常部位と視点との間の距離に基づいて前記異常部位から視点に向かって徐々に径が大きくなるように設定した仮想円錐筒または仮想多角錐筒の内部と干渉する干渉物を判断し、前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒は、前記異常部位と視点との間の距離が大きくなるに従って、前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の頂点を通る中心線と斜辺とのなす角度である傾斜角度が小さくなるように設定されている。
そして、前記視点捜索手段は、前記異常部位を中心として、前記異常部位から視点までの距離を保ったまま前記異常部位に対する前記視点の角度を変化させることで前記異常部位に対する前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の角度を変化させて捜索する角度捜索機能と、前記異常部位から視点までの角度を保ったまま前記異常部位から視点までの距離を変化させることで前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の長さと前記傾斜角度を変化させて捜索する距離捜索機能とのうちで一方または双方の機能を用いて捜索を行うことを要旨とする。
解決手段2によれば、角度捜索機能は角度(仰角または俯角,方位角)のみを変化させて干渉率が最小となる視点を捜索し、距離捜索機能は距離のみを変化させて干渉率が最小となる視点を捜索する。視点捜索手段は角度捜索機能と距離捜索機能との一方または双方を作用させるので、干渉率が最小となる視点を確実に特定することができる。
(3)解決手段3は、解決手段1または2に記載した工作機械用制御装置であって、前記異常情報表示手段によって表示される前記異常情報と、前記モデル表示手段によって表示される三次元形状モデルとが同系色となるような三次元形状モデルが存在するか否かを判断する同系色判断手段と、前記同系色判断手段によって同系色の三次元形状モデルが存在すると判断された場合には前記異常情報と三次元形状モデルとが識別可能となるように前記異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方の表示形態を変更して表示し、同系色の三次元形状モデルが存在しないと判断された場合にはそのまま表示する重複表示回避手段とを有することを要旨とする。
解決手段3によれば、同系色判断手段によって同系色の三次元形状モデルが存在するときは、重複表示回避手段が異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方の表示形態を変更して表示する。この変更表示によって、異常情報と三次元形状モデルとが識別可能となるので、異常情報の内容や異常部位の形状等を的確に把握できる。
(4)解決手段4は、解決手段3に記載した工作機械用制御装置であって、前記重複表示回避手段は、前記同系色判断手段によって同系色の三次元形状モデルが存在すると判断された場合には、前記異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方について、色彩および表示位置のうちで一方または双方を変更することを要旨とする。
解決手段4によれば、重複表示回避手段は色彩および表示位置のうちで一方または双方を変更するので、異常情報と三次元形状モデルとが識別し易くなる。
(5)解決手段5は、工作機械用制御方法であって、工作機械を制御する制御手段と、当該制御手段から出力される通信信号を受けて工作機械の動作に同期させて工作機械の三次元形状モデルをシミュレート動作させるシミュレート手段と、シミュレート動作させている工作機械の三次元形状モデルを表示するモデル表示手段と、前記通信信号に基づいて異常が発生した異常部位を識別する識別手段と、前記異常部位を強調して表示する強調表示手段と、前記異常部位に関する異常情報を表示する異常情報表示手段とを備え、前記異常部位と現在設定されている視点との間に干渉物が存在するか否かを判断する干渉物判断工程と、前記干渉物判断工程によって干渉物があると判断された場合には干渉率が最小となる視点を捜索する視点捜索工程と、前記視点捜索工程によって捜索された視点に位置を変更する視点変更工程と、前記視点変更工程によって変更された視点について干渉率が許容値を超える場合には当該干渉率が許容値以下となるように干渉物の表示形態を変更して表示し干渉率が許容値以下の場合には干渉物をそのまま表示する干渉物表示変更工程とを有することを要旨とする。
解決手段5によれば、解決手段1と同様に、識別手段によって異常部位が識別されると、当該異常部位を視点から見たときに干渉する干渉物が無いに等しい状態を自動的に作り出す。したがって、操作者は作り出された状態を登録するだけでよいので、異常部位の表示を行うための登録作業について従来よりも時間と労力を軽減することができる。
(6)解決手段6は、解決手段5に記載した工作機械用制御方法であって、前記干渉物判断工程では、前記異常部位と視点との間の距離に基づいて前記異常部位から視点に向かって徐々に径が大きくなるように設定した仮想円錐筒または仮想多角錐筒の内部と干渉する干渉物を判断し、前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒は、前記異常部位と視点との間の距離が大きくなるに従って、前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の頂点を通る中心線と斜辺とのなす角度である傾斜角度が小さくなるように設定されている。
そして、前記視点捜索工程では、前記異常部位を中心として、前記異常部位から視点までの距離を保ったまま前記異常部位に対する前記視点の角度を変化させることで前記異常部位に対する前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の角度を変化させて捜索する角度捜索機能と、前記異常部位から視点までの角度を保ったまま前記異常部位から視点までの距離を変化させることで前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の長さと前記傾斜角度を変化させて捜索する距離捜索機能とのうちで一方または双方の機能を用いて捜索を行うことを要旨とする。
解決手段6によれば、解決手段2と同様に、角度捜索機能および距離捜索機能のうちで一方または双方を作用させて視点を捜索するので、確実に視点を特定することができる。
(7)解決手段7は、解決手段5または6に記載した工作機械用制御方法であって、前記異常情報表示手段によって表示される前記異常情報と、前記モデル表示手段によって表示される三次元形状モデルとが同系色となるような三次元形状モデルが存在するか否かを判断する同系色判断工程と、前記同系色判断工程によって同系色の三次元形状モデルが存在すると判断された場合には前記異常情報と三次元形状モデルとが識別可能となるように前記異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方の表示形態を変更して表示し、同系色の三次元形状モデルが存在しないと判断された場合にはそのまま表示する重複表示回避工程とを有することを要旨とする。
解決手段7によれば、解決手段3と同様に、異常情報と三次元形状モデルとが識別可能となるので、異常情報の内容や異常部位の形状等を的確に把握できる。
(8)解決手段8は、解決手段7に記載した工作機械用制御方法であって、前記重複表示回避工程では、前記同系色判断工程によって同系色の三次元形状モデルが存在すると判断された場合には、前記異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方について、色彩および表示位置のうちで一方または双方を変更することを要旨とする。
解決手段8によれば、解決手段4と同様に、色彩および表示位置のうちで一方または双方を変更するので、異常情報と三次元形状モデルとが識別し易くなる。
本発明によれば、操作者は作り出された状態を登録するだけでよいので、異常部位の表示を行うための登録作業について従来よりも時間と労力を軽減することができる。
本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下では特に明示しない限り、単に「工作機械」と記載した場合は、工作機械本体のみならず、当該工作機械本体の周辺に設けられた周辺機器を含めた全体を指す。また、上下左右等の方向をいう場合には図面の記載に従う。
まず、図1には工作機械用制御装置の構成例をブロック図で表す。工作機械用制御装置10には、例えばコンピュータ(パーソナルコンピュータを含む)を適用し、記憶装置12や工作機械の動作を制御する工作機械制御手段13(請求項の「制御手段」に相当する)などを備える。その他、工作機械本体30との間で信号の入出力を行うためのインターフェースボード(例えばNCボード等)や、周辺機器31との間で信号の入出力を行うためのインターフェースボード(例えばPLCボード等)、工作機械の三次元形状モデルをシミュレートして表示するシミュレートプログラムおよびその関連データなどを備える。
図1に表す工作機械用制御装置10には、総合管理手段11,記憶装置12,工作機械制御手段13,シミュレート手段14,モデル表示手段15,識別手段16,強調表示手段17,異常情報表示手段18,干渉物判断手段19,視点捜索手段20,視点変更手段21,干渉物表示変更手段22,同系色判断手段23,重複表示回避手段24,異常表示登録手段25などを有する。このうち工作機械制御手段13は、工作機械の本体を制御する工作機械本体制御手段13aや、周辺機器31を制御する周辺機器制御手段13bなどを有する。これらの手段については、例えば工作機械の三次元形状モデルを表示機器32に表示する場合にはシミュレート手段14とモデル表示手段15とが連携する等のように、二以上の手段が連携して実行する場合がある。
総合管理手段11は、工作機械用制御装置10の全体を管理する。具体的には、第1に入力機器33からの信号に基づいて、工作機械を予め決められたシーケンスに従って動作の制御信号を工作機械制御手段13に出力する。第2に、工作機械から入力された各種の検出信号(例えばエンコーダやリミットスイッチ等から出力される信号)を受けて、動作工程を総合的に管理する。第3に、シミュレート手段14,モデル表示手段15,識別手段16,強調表示手段17,異常情報表示手段18,干渉物判断手段19,視点捜索手段20,視点変更手段21,干渉物表示変更手段22,同系色判断手段23,重複表示回避手段24,異常表示登録手段25などを総合的に管理する。その他、工作機械本体30に備えた異常検出器(例えば温度センサ,気圧センサ,リミットセンサ等)によって異常が検出されると、周辺機器制御手段13bから警報ランプ等を点灯させたり、工作機械本体制御手段13aを通じて工作機械本体30の動作を停止させるなどの制御を行う。
例えばハードディスク装置や光磁気ディスク装置等のような記録媒体を用いる記憶装置12には、上述したシミュレートプログラムおよびその関連データや、下記(1)と(2)のデータを含めて、各種の制御プログラムやその関連データ等が予め記憶される。
(1)工作機械を複数のパーツ(部位)からなる三次元形状モデルで構成する場合には、パーツごとに識別データ(例えばIDや固有名称等),三次元形状データ,三次元座標データなどのようなの静的パーツデータである。パーツは、工作機械を構成する部品,部材,治具,工具,センサ等である。以下で単に「三次元形状モデル」という場合には、複数のパーツについて全部または一部のパーツをいう場合を含むものとする。
(2)工作機械が動作している際に検出される検出信号に各パーツを対応させる場合には、当該パーツの識別データや検出信号に応じた三次元座標データなどのような動的パーツデータである。
シミュレート手段14は、予め記憶装置12に記憶されている各パーツの三次元形状データ及び三次元座標データと、工作機械への制御信号及び工作機械からの検出信号とに基づいて、工作機械の三次元形状モデルを作成し、当該三次元形状モデルを用いたシミュレート動作を行う。また、入力機器33を通じて操作者から入力される指示に基づいて、三次元形状モデルの視点位置や拡大縮小率を変更する機能も有する。モデル表示手段15は、シミュレート手段14によってシミュレート動作させている工作機械の三次元形状モデルを後述する表示機器32で表示可能な信号に変換して出力する。
識別手段16は、工作機械から入力される通信信号(上述した検出信号を含む)に基づいて異常が発生した異常部位を識別する。異常が発生したか否かは、例えば部位ごとに設定された閾値等のデータを満たすか否かで判断する。識別手段16によって識別された異常部位は、強調表示手段17によって強調して表示機器32に表示され、異常情報表示手段18によって異常情報が表示機器32に表示される。
「強調」して表示する形態は任意である。例えば、近隣の部位と異なる色彩に変えたり、点滅表示したり、拡大縮小したり、線種を変えたり、塗りつぶしパターンを変える等が該当する。「異常情報」は異常部位に関する内容であって、名称や型番等のように異常部位を特定するための部位特定情報や、異常発生の原因(原因の可能性等を含む)、発生時の作業環境(例えば温度,気圧,湿度等)などが該当する。なお、復旧を短時間で行えるように、例えば使用時間,工具寿命,注意点,交換手順,連絡先等のような復旧情報を併せて表示するのが望ましい。
干渉物判断手段19は、異常部位と現在設定されている視点(特に明示しない限り、以下では単に「視点」と呼ぶ。)との間に干渉物が存在するか否かを判断する。二点間(本例では異常部位と視点との間)に干渉物が存在するか否かを判断する技術は周知であるので、本明細書では説明を省略する。「干渉物」には、異常部位を除いた工作機械の構成部位や、加工や組み立て等に際して用いられる部材などが該当する。
視点捜索手段20は、干渉物判断手段19によって干渉物があると判断された場合に干渉率が最小となる視点を捜索し、干渉物はないと判断された場合には現在設定されている視点をそのまま用いる。視点の捜索は、異常部位を中心として、視点までの距離を保ったまま角度を変化させて捜索する角度捜索機能と、視点までの角度を保ったまま距離を変化させて捜索する距離捜索機能とのうちで一方または双方の機能を用いる。なお、視点やその具体的な捜索方法については後述する(図3,図4等を参照)。
視点捜索手段20によって捜索された視点は、視点変更手段21によって新たな視点として設定(すなわち変更)される。
視点変更手段21によって視点が変更された場合には、干渉物表示変更手段22が干渉率が許容値を超える場合には当該干渉率が許容値以下となるように干渉物の表示形態を変更して表示し、干渉率が許容値以下の場合には干渉物をそのまま表示する。「干渉率」は、基準量(面積や体積等)に対して干渉物が占める占有量の比率で求める。干渉率に関する「許容値」は任意に設定可能であり、工作機械全体に対して一律の値で設定してもよく、部位ごとに応じた適正値を設定してもよく、値がゼロであるか否かを問わない。「表示形態」には、例えば色彩,表示位置,拡大縮小率,線種,塗りつぶしパターン等のように干渉物を表示する任意の形態が該当する。表示形態の変更は異常部位が見易くなる任意の変更を適用でき、一の形態または二以上を組み合わせた形態について変更する。
同系色判断手段23は、異常情報表示手段18によって表示される異常情報と、モデル表示手段15によって表示される三次元形状モデルとが同系色となるような三次元形状モデルが存在するか否かを判断する。異常情報の表示形態は任意であって、情報内容をそのまま画面上に表示してもよく、所定の表示領域内に表示してもよい。「同系色」は、同一色のみならず、例えば塗り分けても境界がはっきりしない等のような近似色を含む。
重複表示回避手段24は、上述した同系色判断手段23によって同系色の三次元形状モデルが存在すると判断された場合には、異常情報と三次元形状モデルとが識別可能となるように異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方の表示形態に変更して表示する。表示形態の変更は色彩の変更や表示位置の変更等が該当するが、本例では色彩の変更(すなわち異系色への変更)を適用する。「異系色」は同系色を除く色彩であって、塗り分けると境界が明確になる色が望ましい。一方、同系色の三次元形状モデルが存在しないと判断された場合には、現在の色彩のまま表示する。
異常表示登録手段25は、操作者が入力機器33を用いて所要の操作を行うことにより、異常表示情報を記憶装置12に記憶する。「異常表示情報」は異常部位を操作者に分かり易く表示するための内容であって、具体的には表示機器32に現在表示されている情報や内容等が該当する。なお図1の構成例に従う場合には、異常表示情報は総合管理手段11を通じて記憶装置12に記憶される。
工作機械本体30には、加工や組み立て等に用いる任意の工作機械本体を適用することができる。ワーク(例えば車両用のクランクシャフト等)を研削したり超仕上げを行う工作機械などが該当する。周辺機器31は工作機械本体30の周辺に備えられる機器であって、例えば安全装置,非常停止スイッチ,警報ランプ等が該当する。表示機器32は、例えば液晶表示器,EL表示器,プラズマ表示器,CRTなどを用いる。入力機器33は工作機械用制御装置10に対して指示やデータ等を入力する機能を有する任意の機器を適用でき、例えばタッチパネル,タブレット,キーボード,マウス等が該当する。なお、表示機器32と入力機器33とを一体化させて操作盤を構成してもよい。
上述したように構成された工作機械用制御装置10において、工作機械の作動中に異常が発生してから当該異常に関する異常表示情報を登録するまでの過程について、図2〜図8を参照しながら説明する。ここで、図2には異常表示登録処理の手続き例をフローチャートで表し、図3には視点捜索処理の手続き例をフローチャートで表す。図4には、異常部位,視点および円錐筒(仮想円錐筒に相当)についての関係を斜視図で表す。図5には、表示機器に表示した画面の一例を表す。図6と図7は図4を上から見た平面図であって、図6には円錐筒を回転させる例を表し、図7には距離を伸縮する例を表す。図8には、視点位置の変更後に表示機器に表示した画面の一例を表す。
なお、図2および図3に表す処理とは別個に、シミュレート手段14によって工作機械の動作に同期させて工作機械の三次元形状モデルをシミュレート動作させ、モデル表示手段15によってシミュレート動作させている工作機械の三次元形状モデルを表示機器32に表示する処理が実行される。これらの処理については周知の技術であるので図示および説明を省略する。
まず図2において、工作機械を構成する部位のいずれかに異常が発生したか否かを判別する〔ステップS10〕。具体的には、識別手段16が工作機械から入力される通信信号に基づいて異常が発生した異常部位を識別する。異常部位が無い場合には識別できず(NO)、そのまま異常表示登録処理を終える。
もし異常部位が機内に存在する場合には(YES;機内)、視点から異常部位を見通し易くするためにカバー等を透視する〔ステップS11〕。「機内」には機体内のほか、筐体内や箱内等を含む。「カバー等」には、カバーのほかに筐体や箱等を含む。「透視」には、カバー等の一時的移動や、透明化(半透明化を含む)などが該当する。
カバー等を透視した後、あるいはステップS10で異常部位が機外に存在する場合には(YES;機外)、異常部位と視点との間の距離に基づいて円錐筒(すなわち円錐形)を求める〔ステップS12〕。異常部位を表示機器32に表示するにあたって、当該異常部位の大きさは予め記憶装置12に記憶されているので、所定位置(例えば画面中央部)に所定の大きさで表示するには適切な比率で拡大縮小する必要がある。この比率に従って上記距離(h)が一義的に定まり、円錐筒の頂点を通る中心線と斜辺とのなす角度(θ)は次の式1に従って求められる。なお、係数(k)は一定の値であるが、一般的には各部位の構造や形状は様々であるために部位ごとに適切な値を設定する。
角度(θ)×距離(h)=係数(k)…(式1)
図4の例では、異常部位40と視点44とは距離hだけ離れており、視点44を視点面43の中心に位置させ、かつ角度θからなる円錐筒41を形成している。視点面43は半径rからなる円形状であって、実際に操作者が工作機械本体30で部位を見る際の窓領域を模式化している。また、異常部位40と視点44との間には干渉物45が位置し、この位置にある面を干渉面42と仮定している。異常部位40は強調表示手段17によって強調して表示されるが、図4以降では便宜的に線種を太線にして表す。
図4のような状態において、シミュレート手段14およびモデル表示手段15が工作機械の三次元形状モデルを表示機器32に表示すると、図5に表すような画面表示になる。この画面表示は、視点44(視点面43)から異常部位40を見た状態の一例であって、干渉物45や視点面43のほかに、異常情報表示領域46等も併せて表示している。異常情報表示領域46は表示機器32の表示領域の一部を占め、異常情報表示手段18によって異常部位40に関する異常情報が表示される。
なお、図5に表す斜線ハッチのように、干渉物45の一部が干渉面42に入って干渉しており、異常情報表示領域46の一部が視点面43内に入り込むだけでなく異常部位40の一部が見えにくくなっている。
図2に戻って、ステップS12で円錐筒を求めた後、干渉物判断手段19によって異常部位と視点との間に干渉物が存在するか否かを判断する〔ステップS13〕。異常部位と視点とを結ぶ線を中心線とし、当該中心線よりも左側で干渉しているか、右側で干渉しているかで処理を分ける(ステップS14,S15)。ステップS14,S15はいずれも視点捜索処理を実行するが、円錐筒を回転させる方向が逆になるだけに過ぎない。説明を簡単にするために、以下ではステップS14の左側で干渉した例について説明する。
図3に表した手続き例の視点捜索処理では、まず角度捜索機能を実行する。具体的には、上記ステップS12で求めた円錐筒を方位角方向に所定角度(例えば5°や10°等)ずつ回転させてゆく〔ステップS30〕。図6の例に従えば、干渉物45は中心線よりも左側に位置するので、円錐筒41を中心として左回り(矢印D2方向)に回転させる。なお図示しないが、ステップS15の場合は干渉物45が中心線よりも右側に位置するので、円錐筒41を中心として右回り(矢印D2方向とは逆方向)に回転させればよい。この場合、視点は視点位置44aから視点位置44bに移動する。円錐筒41について、図6では回転前の状態を実線で表し、回転後の状態を二点鎖線で表す。干渉物45が円錐筒41内に干渉しなくなるのは、円錐筒41を角度φ(上記所定角度と同じか、もしくはその複数倍)だけ回転させた位置である。
ステップS30で行った回転の合計角度が一回転(すなわち360°)未満ならば(ステップS31でNO)、回転後の位置で干渉物の干渉率を求める〔ステップS32〕。干渉率は基準量に対する占有量の比率であるので、図5の例では次式のようになる。
干渉率=[占有量(干渉物45について斜線ハッチで表す部分の面積)/基準量(干渉面42の面積)]×100

もしステップS32で求めた干渉率が許容値(例えば0%,10%,15%等)を超えれば(ステップS33でNO)、上述したステップS30〜S32を繰り返す。一方、ステップS32で求めた干渉率が許容値以下ならば(ステップS33でYES)、そのまま視点捜索処理を終える。
ステップS30〜S33を繰り返しても干渉率が許容値以下にならず、ステップS30で行った回転の合計角度が一回転を超えると(ステップS31でYES)、距離捜索機能を実行する。具体的には、視点の位置を伸縮方向(矢印D4方向)に所定距離(例えば10mmや20mm等)ずつ移動させて距離を伸縮してゆく〔ステップS34〕。図7の例に従えば、円錐筒41内に入り込んだ干渉物45を回避するために、円錐筒41の角度を小さくするべく距離(h)を伸ばす。具体的には、伸張前の距離(ha)から伸張後の距離(hb)に伸ばすと、視点は視点位置44aから視点位置44cに移動する。円錐筒41について、図7では伸張前の状態を実線で表し、伸張後の状態を二点鎖線で表す。このように干渉物45が円錐筒41内に入り込む場合は距離を伸ばせばよく、逆に干渉物45が円錐筒41から離れている場合は図示する距離(hc)のように元よりも縮めればよい。
図3に戻って、ステップS34で行った伸縮が所定距離の範囲内ならば(ステップS35でNO)、ステップS33で距離を伸縮した後の状態で干渉物の干渉率を求める〔ステップS36〕。所定距離の範囲は予め設定しておく値であって、操作者が異常部位を認識することができる距離の範囲である。例えば工作機械本体30から数メートル以上離れた位置等は、異常部位が小さ過ぎて認識できないので所定距離の範囲外となる。
もしステップS36で求めた干渉率が許容値を超えれば(ステップS37でNO)、上述したステップS34〜S36を繰り返す。一方、ステップS34で求めた干渉率が許容値以下ならば(ステップS37でYES)、視点捜索処理を終える。なお、ステップS34〜S37を繰り返しても干渉率が許容値以下にならず、ステップS34で行った伸縮が所定距離の範囲外になると(ステップS31でYES)、最小の干渉率となった距離を設定したうえで視点捜索処理を終える。
視点捜索処理を終えると再び図2に戻って、ステップS14,S15で干渉率が許容値以下(すなわち干渉率が最小)となる視点の位置を捜索した後、当該視点を視点変更手段21によって新たな視点として設定(すなわち変更)するとともに〔ステップS16〕、必要に応じてシミュレート手段14およびモデル表示手段15によって新たな視点から見た表示の形態を干渉物表示変更手段22が変更する〔ステップS17〕。
ステップS17では、例えば円錐筒41を一回転させても、距離(h)を所定距離の範囲内で変化させても、干渉率が許容値以下となる視点を捜索できずに視点捜索処理を終える場合がある。この場合には、後述する表示形態の変更を行う。
一方、干渉率が許容値以下となる視点を捜索できた場合は、表示形態を変更せずに表示してもよく、さらに見通し良くするべく後述する表示形態の変更を行ってもよい。
なお、表示形態を変更する対象は干渉を解消できれば任意であり、通常は干渉物45であるが、円錐筒41や異常情報表示領域46等であってもよい。
表示形態の変更について図5および図8を参照して説明する。図5に表す例の表示形態では、干渉物45や異常情報表示領域46の存在によって円錐筒41や異常部位40の一部が見えにくくなっている。一方、干渉率が許容値以下となる視点を捜索できても、干渉物45が邪魔して異常部位40を透視しにくいこともある。そこで、干渉物表示変更手段22は次に示す変更例のように表示形態を変更する。
(変更例1)例えば図8(A)に表すように、異常部位40,円錐筒41および干渉物45の表示位置を変えずに、干渉物45のみを透明化または半透明化して表示する。
(変更例2)円錐筒41および干渉物45のうちで一方または双方について、干渉が生じなくなる方向に移動させる。例えば、図5に表すように円錐筒41を例えば矢印D2方向に移動させ、干渉物45を例えば矢印D1方向に移動させる。干渉が生じないような位置に移動させた後の表示例を図8(B)に表す。
(変更例3)上記変更例1,2とは別個に、異常部位40,円錐筒41および干渉物45の位置関係に応じて、干渉が生じないように異常情報表示領域46の大きさや形状等を変更(縮小)する。変更後の一例を図8(A)や図8(B)に表す。
ステップS17で表示形態を変えても、異常情報表示領域46(異常情報)および異常部位40(三次元形状モデル)の表示色が同系色であれば識別しにくい場合があり得る。同系色判断手段23によって異常情報表示領域46と異常部位40とが同系色と判断された場合には(ステップS18でYES)、重複表示回避手段24によって異常部位40および異常情報表示領域46の表示色のうちで一方または双方を異系色に変更して表示し〔ステップS19〕、操作者が入力機器33を用いて所要の操作を行うことにより異常表示登録手段25が異常表示情報を記憶装置12に登録(記憶)して〔ステップS20〕、異常表示登録処理を終える。一方、ステップS18で異系色と判断された場合には(NO)、操作者が入力機器33を用いて所要の操作を行うことにより異常表示情報を記憶装置12に登録して〔ステップS20〕、異常表示登録処理を終える。
上述した実施の形態によれば、以下に表す各効果を得ることができる。
(1)干渉物判断手段19によって干渉物45があると判断されると(図2のステップS13を参照)、視点捜索手段20が干渉率が最小となる視点44を捜索し(図2のステップS14,S15を参照)、捜索された視点44に視点変更手段21が位置を変更する(図2のステップS16を参照)。そして、干渉物表示変更手段22は干渉率が許容値を超えれば干渉率が許容値以下となるように表示形態を変更して表示する(図2のステップS17を参照)。このように識別手段16によって異常部位40が識別されると、異常部位40を視点44から見たときに干渉する干渉物45が無いに等しい状態を自動的に作り出す(図8を参照)。したがって、操作者は作り出された状態を登録するだけでよいので(図2のステップS20を参照)、異常部位40の表示を行うための登録作業について従来よりも時間と労力を軽減することができる。
(2)視点捜索手段20の角度捜索機能は、円錐筒41の角度を方位角方向に変化させて干渉率が最小となる視点44を捜索する(図3のステップS30〜S33および図6を参照)。同じく距離捜索機能は距離hのみを変化させて干渉率が最小となる視点44を捜索する(図3のステップS34〜S37および図7を参照)。視点捜索手段20は角度捜索機能と距離捜索機能との一方または双方を作用させるので、干渉率が最小となる視点44を確実に特定することができる。
(3)同系色判断手段23によって異常情報表示領域46(異常情報)と同系色の異常部位40(三次元形状モデル)が存在すると判断されると(図2のステップS18を参照)、重複表示回避手段24が異常情報表示領域46および異常部位40のうちで一方または双方を異系色に変更して表示する(図2のステップS19を参照)。この変更表示によって、異常情報表示領域46と異常部位40とが明確に識別可能となるので、異常情報表示領域46の内容や異常部位40の形状等を的確に把握することができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
(1)上述した実施の形態では、視点捜索手段20の角度捜索機能として、円錐筒41の角度を方位角方向のみに変化させて(仰角・俯角は変化させないで)、干渉率が最小となる視点44を捜索する構成とした(図3のステップS30〜S33および図6を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、円錐筒41の角度を仰角・俯角方向のみに変化させて(方位角は変化させないで)、あるいは円錐筒41の角度を方位角方向および仰角・俯角方向の双方で変化させて、干渉率が最小となる視点44を捜索する構成としてもよい。上方や下方から円錐筒41を見れば干渉物45が干渉しなくなる場合もある。よって、干渉率が最小となる視点44を確実に特定することができる。
図9に表す例では、円錐筒41の頂点を通る中心線の上方に干渉物45が存在するので、干渉を無くすには円錐筒41を中心として俯角方向に右回り(矢印D5方向)に回転させればよい。図示しないが、逆に円錐筒41の頂点を通る中心線の下方に干渉物45が存在する場合には、仰角方向に左回り(矢印D5方向とは反対方向)に回転させればよい。図9では回転前の状態を実線で表し、回転後の状態を二点鎖線で表す。回転前と回転後とのなす俯角が角度ψのときに干渉が解消され、視点は回転前の視点位置44aから回転後の視点位置44dに移動する。
(2)上述した実施の形態では、異常情報表示領域46(異常情報)と異常部位40(三次元形状モデル)とが同系色の場合には、重複表示回避手段24が異常情報表示領域46および異常部位40のうちで一方または双方を異系色に変更して表示する構成とした(図2のステップS19を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方について、識別可能となるような表示位置に変更する(言い換えれば移動させる)構成としてもよい。この場合でも、異常情報と三次元形状モデルとが識別し易くなる。
(3)上述した実施の形態における視点捜索処理では、角度捜索機能を実行して干渉率が許容値以下にならないとき(図3のステップS30〜S33を参照)、距離捜索機能を実行する構成とした(図3のステップS34〜S37を参照)。この形態に代えて、距離捜索機能を実行して干渉率が許容値以下にならないとき、角度捜索機能を実行する構成としてもよい。あるいは、角度捜索機能と距離捜索機能とを交互に実行しながら(言い換えれば方位角方向と仰角・俯角方向とで交互に回転させながら)、干渉率が許容値以下にならない視点を捜索する構成としてもよい。いずれの構成にせよ、角度捜索機能と距離捜索機能との一方または双方を作用させるので、干渉率が最小となる視点44を確実に特定することができる。
(4)上述した実施の形態では、干渉物表示変更手段22は変更例1〜3のような表示形態の変更によって異常部位40を見やすくする構成とした(図2のステップS17を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、三次元形状モデルの線種や塗りつぶしパターン等を変更したり、あるいは干渉物45の一部(図5の例では斜線ハッチした部位)を欠落させるような表示形態の変更を行うことで、異常部位40を見やすくする構成としてもよい。いずれの構成にせよ、異常部位40を視点44から見たときに干渉する干渉物45が無いに等しい状態を自動的に作り出すので、異常部位40の表示を行うための登録作業について従来よりも時間と労力を軽減することができる。
(5)上述した実施の形態では、角度(θ),距離(h)および係数(k)の関係を式1に規定した。角度(θ)は円錐筒の頂点を通る中心線と斜辺とのなす角度であるが、円錐筒の頂点にかかる立体角(τ)を用いて算出式を規定してもよい。この場合の算出式は次の式2のようになる。係数(m)は、立体角(τ)に対応させた値になる点を除いて、係数(k)と同様である。立体角(τ)を用いた場合でも角度(θ)に代わるだけであるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
立体角(τ)×距離(h)=係数(m)…(式2)
(6)上述した実施の形態では、異常部位40と視点44との間の距離hに基づいて円錐筒(すなわち円錐形)を求めた(図2のステップS12および図4を参照)。この形態に代えて、多角錐筒(多角錐形)(仮想多角錐筒に相当)や球(球形;楕円形を含む)などのような他の形状を求める構成としてもよい。工作機械や部位の種類等に応じて適切な形状を適用することにより、異常部位40がより見やすい視点を捜索することができる。
工作機械用制御装置の構成例を模式的に表すブロック図である。 異常表示登録処理を表すフローチャート図である。 視点捜索処理を表すフローチャート図である。 異常部位,視点および円錐筒についての関係を説明する斜視図である。 表示機器に表示した画面の一例を表す図である。 円錐筒を方位角方向に回転させて視点の捜索する例を表す平面図である。 距離を伸縮させて視点の捜索する例を表す平面図である。 視点位置の変更後に表示機器に表示した画面の一例を表す図である。 円錐筒を仰角方向等に回転させて視点の捜索する例を表す平面図である。
10 工作機械用制御装置
11 総合管理手段
12 記憶装置
13 工作機械制御手段
13a 工作機械本体制御手段
13b 周辺機器制御手段
14 シミュレート手段
15 モデル表示手段
16 識別手段
17 強調表示手段
18 異常情報表示手段
19 干渉物判断手段
20 視点捜索手段
21 視点変更手段
22 干渉物表示変更手段
23 同系色判断手段
24 重複表示回避手段
25 異常表示登録手段
30 工作機械本体
31 周辺機器
32 表示機器
33 入力機器
40 異常部位
41 円錐筒(円錐形)
42 干渉面
43 視点面
44 視点
44a,44b,44c,44d 視点位置
45 干渉物
46 異常情報表示領域
h(ha,hb,hc) 距離
r 半径
k 係数
θ,φ,ψ 角度

Claims (8)

  1. 工作機械を制御する制御手段と、当該制御手段から出力される通信信号を受けて工作機械の動作に同期させて工作機械の三次元形状モデルをシミュレート動作させるシミュレート手段と、シミュレート動作させている工作機械の三次元形状モデルを表示するモデル表示手段と、前記通信信号に基づいて異常が発生した異常部位を識別する識別手段と、前記異常部位を強調して表示する強調表示手段と、前記異常部位に関する異常情報を表示する異常情報表示手段とを備えた工作機械用制御装置において、
    前記異常部位と現在設定されている視点との間に干渉物が存在するか否かを判断する干渉物判断手段と、
    前記干渉物判断手段によって干渉物があると判断された場合には、干渉率が最小となる視点を捜索する視点捜索手段と、
    前記視点捜索手段によって捜索された視点に位置を変更する視点変更手段と、
    前記視点変更手段によって変更された視点について、干渉率が許容値を超える場合には当該干渉率が許容値以下となるように干渉物の表示形態を変更して表示し、干渉率が許容値以下の場合には干渉物をそのまま表示する干渉物表示変更手段とを有する工作機械用制御装置。
  2. 請求項1に記載した工作機械用制御装置であって、
    前記干渉物判断手段は、前記異常部位と視点との間の距離に基づいて前記異常部位から視点に向かって徐々に径が大きくなるように設定した仮想円錐筒または仮想多角錐筒の内部と干渉する干渉物を判断し、
    前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒は、前記異常部位と視点との間の距離が大きくなるに従って、前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の頂点を通る中心線と斜辺とのなす角度である傾斜角度が小さくなるように設定されており、
    前記視点捜索手段は、前記異常部位を中心として、前記異常部位から視点までの距離を保ったまま前記異常部位に対する前記視点の角度を変化させることで前記異常部位に対する前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の角度を変化させて捜索する角度捜索機能と、前記異常部位から視点までの角度を保ったまま前記異常部位から視点までの距離を変化させることで前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の長さと前記傾斜角度を変化させて捜索する距離捜索機能とのうちで一方または双方の機能を用いて捜索を行う工作機械用制御装置。
  3. 請求項1または2に記載した工作機械用制御装置であって、
    前記異常情報表示手段によって表示される前記異常情報と、前記モデル表示手段によって表示される三次元形状モデルとが同系色となるような三次元形状モデルが存在するか否かを判断する同系色判断手段と、
    前記同系色判断手段によって同系色の三次元形状モデルが存在すると判断された場合には前記異常情報と三次元形状モデルとが識別可能となるように前記異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方の表示形態を変更して表示し、同系色の三次元形状モデルが存在しないと判断された場合にはそのまま表示する重複表示回避手段とを有する工作機械用制御装置。
  4. 請求項3に記載した工作機械用制御装置であって、
    前記重複表示回避手段は、前記同系色判断手段によって同系色の三次元形状モデルが存在すると判断された場合には、前記異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方について、色彩および表示位置のうちで一方または双方を変更する工作機械用制御装置。
  5. 工作機械を制御する制御手段と、当該制御手段から出力される通信信号を受けて工作機械の動作に同期させて工作機械の三次元形状モデルをシミュレート動作させるシミュレート手段と、シミュレート動作させている工作機械の三次元形状モデルを表示するモデル表示手段と、前記通信信号に基づいて異常が発生した異常部位を識別する識別手段と、前記異常部位を強調して表示する強調表示手段と、前記異常部位に関する異常情報を表示する異常情報表示手段とを備え、
    前記異常部位と現在設定されている視点との間に干渉物が存在するか否かを判断する干渉物判断工程と、
    前記干渉物判断工程によって干渉物があると判断された場合には、干渉率が最小となる視点を捜索する視点捜索工程と、
    前記視点捜索工程によって捜索された視点に位置を変更する視点変更工程と、
    前記視点変更工程によって変更された視点について、干渉率が許容値を超える場合には当該干渉率が許容値以下となるように干渉物の表示形態を変更して表示し、干渉率が許容値以下の場合には干渉物をそのまま表示する干渉物表示変更工程とを有する工作機械用制御方法。
  6. 請求項5に記載した工作機械用制御方法であって、
    前記干渉物判断工程では、前記異常部位と視点との間の距離に基づいて前記異常部位から視点に向かって徐々に径が大きくなるように設定した仮想円錐筒または仮想多角錐筒の内部と干渉する干渉物を判断し、
    前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒は、前記異常部位と視点との間の距離が大きくなるに従って、前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の頂点を通る中心線と斜辺とのなす角度である傾斜角度が小さくなるように設定されており、
    前記視点捜索工程では、前記異常部位を中心として、前記異常部位から視点までの距離を保ったまま前記異常部位に対する前記視点の角度を変化させることで前記異常部位に対する前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の角度を変化させて捜索する角度捜索機能と、前記異常部位から視点までの角度を保ったまま前記異常部位から視点までの距離を変化させることで前記仮想円錐筒または前記仮想多角錐筒の長さと前記傾斜角度を変化させて捜索する距離捜索機能とのうちで一方または双方の機能を用いて捜索を行う工作機械用制御方法。
  7. 請求項5または6に記載した工作機械用制御方法であって、
    前記異常情報表示手段によって表示される前記異常情報と、前記モデル表示手段によって表示される三次元形状モデルとが同系色となるような三次元形状モデルが存在するか否かを判断する同系色判断工程と、
    前記同系色判断工程によって同系色の三次元形状モデルが存在すると判断された場合には前記異常情報と三次元形状モデルとが識別可能となるように前記異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方の表示形態を変更して表示し、同系色の三次元形状モデルが存在しないと判断された場合にはそのまま表示する重複表示回避工程とを有する工作機械用制御方法。
  8. 請求項7に記載した工作機械用制御方法であって、
    前記重複表示回避工程では、前記同系色判断工程によって同系色の三次元形状モデルが存在すると判断された場合には、前記異常情報および三次元形状モデルのうちで一方または双方について、色彩および表示位置のうちで一方または双方を変更する工作機械用制御方法。
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