JP5444614B2 - 艶消粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は粘着テープ表面が視認されるパンチングシートのような開口した部材の固定に有用な、表面の光反射やテカリの少ない艶消粘着テープに関する。
粘着剤を介して外装材を被着体に固定する手法は、該被着体に簡便に所望の意匠性を付与する手法として広く利用されている。例えば、貫通孔のような開口部を有するパンチングシートに粘着層が設けられた化粧シートは、テレビや音響機器のスピーカーなどの外装材として汎用されている。
このような化粧シートは、パンチングシートに設けられた粘着剤層表面が、パンチングシートの貫通孔から視認されるため、粘着剤層表面が光の反射を防ぎ、テカリを生じにくいものである必要がある。
パンチングシートに積層して音響製品等に使用される光の反射を低減した接着層を有するテープとしては、例えば、表面ツヤ消しを施した熱活性接着剤層を有する接着テープ(特許文献1)や、表面に十点平均粗さが10〜50μmの凹凸を設けた接着テープ(特許文献2)、あるいは、表面の表面に凹凸を設けて光沢度を10%以下とした接着テープ(特許文献3)などが開示されている。
しかし、これら接着テープは感熱型の接着剤を使用しているため、パンチングシートと積層する際に加熱工程が必要であるため工程上の効率が低い。また、パンチングシートが加熱工程において溶融や軟化、収縮等の寸法変化などが生じない素材に限定される上、パンチングシート上の装飾も加熱工程で変形が生じないような加工や印刷を行う必要があった。
これに対し、加熱工程の不要な粘着剤を使用した粘着剤層を有するテープとしては、エンボス加工を有する剥離紙により、つや消し加工された粘着剤層を有する両面粘着テープが開示されている(特許文献4)。しかし、従来の粘着テープに使用されていたつや消しの粘着剤層は、光沢度計測定による光沢度は低減されていたが、目視によればギラツキが目立つものもあり、ギラツキの更なる抑制による意匠性の向上が望まれていた。
実開平7−42287 特開平7−305038 特開平10−292160 特開平9−157612
本発明が解決しようとする課題は、光沢度が低く、目視によるギラツキを抑制した艶消粘着テープを提供することにある。また、被着体への接着性及び追従性に優れ、経時によっても光沢度が低下しにくい艶消粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、粘着テープの粘着剤層表面の光沢度と、微細な表面形状とを調整することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は凹凸表面を有する粘着剤層が設けられた粘着テープであって、前記粘着剤層が暗色の粘着剤層であり、前記凹凸表面が、中心線平均表面粗さRaが0.5〜2.5μmの粗面に、最大深さが20〜60μm、最大幅が30〜200μmの孔が一定周期で相互に離間して配列した表面である艶消粘着テープを提供するものである。
本発明の艶消粘着テープは、粘着剤層表面の光沢度を低くすると共に、表面形状を一定の微細な凹凸形状とすることで、光の反射によるギラツキを低減できるため意匠性に優れる。このため、外観の意匠性が購買に影響を与えるテレビやステレオをはじめとする各種家電製品や音響機器のスピーカーなどの外装材として用いられる多数の穴が設けられたパンチングシートをはじめ、下層の表面が視認される部材の固定用として極めて有用である。
[粘着剤層]
本発明の艶消粘着テープは、凹凸表面を有する暗色の粘着剤層を有する。当該凹凸表面は、中心線平均表面粗さRaが0.5〜2.5μmの粗面を有し、当該粗面に最大深さが20〜60μmおよび最大幅が30〜200μmの孔が、一定周期で相互に離間して配列した表面である。本発明の艶消粘着テープは、当該表面形状を有することにより、通常光沢を有する粘着剤表面においても光沢度が低く、かつギラツキが視認されにくい粘着テープとすることができる。
粘着剤層のベース面となる粗面は、中心線平均表面粗さRaが0.5〜2.5μmであり、0.5〜2μmであることが好ましい。中心線平均表面粗さRa等の表面粗さ・表面形状は、共焦点レーザを使用した非接触式表面粗さ測定器により測定が可能である。本発明における数値は、レーザー光源としてバイオレットレーザ(408nm)を使用した、KEYENCE製「カラー3Dレーザ顕微鏡・VK−9500」にて、JISB0601に規定される中心線平均表面粗さRaにより規定される値である。なお、孔が設けられた粘着剤層表面の当該粗面の中心線平均表面粗さを測定する際には、粗面に形成される孔のうねりの影響を受けない部分の中心線平均表面粗さを測定することで容易に測定される。また、当該中心線平均表面粗さRa等の表面形状測定に際しては、面粗さ観測時には1〜50μm四方、線粗さ観測時には1〜50μm程度のいずれかの測定を行い、少なくとも2〜10個の測定結果の平均を取ることが好ましい。
当該粗面に形成される孔は、粘着剤層を貫通する孔であると当該孔から下地の基材が視認され、意匠性の低下を招くおそれがあるため、粘着剤層を貫通しない孔とすることが好ましい。当該孔の形状は特に制限されず、粘着剤表面から垂直方向に観察した際の形状が、正方形、長方形、台形、五角形、六角形等の角のある形状であっても、円形形状であってもよい。深さ方向への形状も特に制限されず、底面へ向かって順に狭まっていく形状であっても、孔の最上部と底面とが略同一面積となるような形状であっても良い。これら形状のなかでも、孔底部に一定の面積を有する形状であることが好ましく、孔が円筒形状のものや直方体形状のものが作成が容易であるため好ましい。
粗面に形成される孔の最大深さは20〜60μm、好ましくは30〜50μmである。上記粗面に当該大きさの孔が設けられることにより、上記粗面の微細凹凸による光散乱効果と、当該孔による大きな凹凸による光散乱効果を効果的に生じさせ、粘着剤層表面のテカリを好適に抑制できる。なお、当該孔の最大深さは、近接する孔間の中心点間を結ぶ線粗さ曲線において、孔のうねりの影響を受けない荒さ曲線部の平均線からの深さをいう。例えば、千鳥配列及び並列配列の場合は近接する2〜4つの孔との孔間において、中心点間を結ぶ粗さ曲線を測定し、これに基づく平均線の平均を基準とした深さである。
粗面に形成される孔の最大幅は30〜200μm、好ましくは50〜150μm、より好ましくは70〜120μmである。当該最大幅は、粘着剤表面から垂直方向に観察した際の孔の幅をいい、その形状が円形状であればその直径、正方形や長方形等の多角形状であれば、頂点間を結ぶ最長となる対角線の距離、などの当該形状において最大となる距離を最大幅として測定する。
粗面に形成される孔は、一定周期で相互に離間して粗面上に配列して設けられることで、視認による粘着剤層表面のギラツキを好適に抑制できる。当該周期構造は、孔の形状や大きさによって適宜調整すれば良いが、近接する孔間の中心点間距離が40〜300μmとなる周期で配列することが好ましく、60〜200μmとなる周期で配列することがより好ましい。80〜180μmとなる周期で配列することが特に好ましい。当該中心点間距離は、粘着剤表面から垂直方向に観察した際の孔の形状において、円形状である場合にはその中点、正方形や長方形等の多角形状であればその重心等の重心となる点を中心点として測定すればよい。
粗面に形成される孔の近接する孔との孔間距離は、特に制限されないが、粗面の光散乱効果、および、ベース面と孔との高さの相違による光散乱効果を好適に生じさせるために孔間距離が10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることが更に好ましく、30μm以上であることが特に好ましい。なお、上記各測定においてベースとなる粗面と孔との境界が明瞭でない場合には、孔周囲の粗面の上記平均線から最大深さの5%程度の高さとなる部位を境界として定めればよい。
また、孔の周期配列は、一定周期で相互に離間した配列であれば特に制限されないが、並列配列や千鳥配列であることが好ましい。
前記ベースとなる粗面と当該粗面に設けられた孔とをあわせた凹凸表面の中心線平均表面粗さRaは、5〜10μmであることが好ましく、5〜8μmであることが更に好ましい。当該中心線平均表面粗さRaも上記と同様に求められる。また、当該凹凸表面の最大高さRmaxは、20〜80μmであることが好ましく、30〜60μmであることが特に好ましい。
粘着剤層は、その光沢度を抑制するために、暗色の粘着剤層とする。暗色としては、光沢度を低くでき、粘着剤層表面のギラツキを低減できる色であれば、黒色、茶色、濃紺等の各種暗色であって良いが、光沢度を抑制しやすいため黒色であることが好ましい。
また、凹凸表面を有する粘着剤層の凹凸表面の光沢度が、15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下とすることが更に好ましい。光沢度の抑制により、粘着剤層表面の光の反射を抑制し、パンチングシート等の粘着剤層表面が視認可能な部材との貼り合わせにおいても光の反射を低減でき、意匠性の低下を防止できる。
凹凸表面を有する粘着剤層は、アクリル共重合体と架橋剤とを含有するアクリル系粘着剤組成物からなるものを好ましく使用できる。
凹凸表面を有する粘着剤層に使用するアクリル系粘着剤組成物(以下、アクリル系粘着剤組成物(a)と称する。)のアクリル共重合体はn−ブチルアクリレートを主モノマー成分とすることにより、パンチングシートとの優れた接着性を有する。n−ブチルアクリレート以外のモノマー成分としては、各種モノマーを使用でき、例えば、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中から1種または2種以上用いられる。
また、カルボキシル基含有モノマーを併用することが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等を使用することができ、なかでも、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
さらに、水酸基含有モノマーを併用することも好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等を使用することができ、なかでも、2−ヒドロキシエチルアクリレート又は4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
アクリル系粘着剤組成物(a)に使用するアクリル系共重合体の好ましい配合としては、全モノマー成分100質量部中、n−ブチルアクリレートの含有量は90〜97質量部であることが好ましい。また、カルボキシル基含有モノマーを使用する場合には、その含有量が1〜6質量部とすることが好ましく、水酸基含有モノマーを使用する場合には、その含有量が0.05〜0.3質量部であることが好ましい。
アクリル系粘着剤組成物(a)中に架橋剤を含有させることで、粘着剤層の架橋系を調整し、良好な耐反発性や光沢度の低下抑制、あるいは粘着剤の浸み出し防止等の効果を実現できる。使用する架橋剤は、イソシアネート系架橋剤又はエポキシ架橋剤であることが好ましい。
イソシアネート系架橋剤としては、トルエンジイソシアネート付加物を好ましく使用できる。ここでトルエンジイソシアネート付加物とは、分子中にトルエンジイソシアネート誘導体を含むものを指す。具体的には、例えば、コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)等が挙げられる。
また、エポキシ架橋剤としては、例えば三菱瓦斯化学社製テトラッドXやテトラッドC、あるいは、総研化学社製のE−05Xなどが例示できる。
架橋剤の含有量は、粘着剤層のゲル分率や粘着力を好適に調整できれば特に制限されないが、イソシアネート系架橋剤の場合には、アクリル共重合体100質量部に対して、2.5〜5質量部であることが好ましく、2.5〜4質量部であることが特に好ましい。エポキシ架橋剤を使用する場合には、アクリル共重合体100質量部に対して、0.01〜0.05質量部であることが好ましく、0.013〜0.04質量部であることが更に好ましく、0.016〜0.037質量部であることが特に好ましい。
粘着剤層のゲル分率は、イソシアネート系架橋剤の場合には、40〜80%であることが好ましく、45〜70%であることが更に好ましい。この場合、粘着付与樹脂を併用することで粘着力を向上させることができるため好ましい。一方、エポキシ架橋剤の場合には、50〜80%であることが好ましく、60〜70%であることが更に好ましい。粘着剤層のゲル分率を上記範囲とすることにより、好適に凹凸表面を保持し、優れたギラツキ防止効果を長期保持できると共に、パンチングシートとの好適な接着性に貢献できる。なお、ゲル分率は、養生後の両面粘着シートの組成物をトルエン中に浸漬し、24時間放置後に残った不溶分の乾燥後の質量を測定し、元の質量に対する百分率で表される。
アクリル系粘着剤組成物(a)に粘着付与樹脂を使用する場合には、例えば、ロジンやロジンのエステル化物等のロジン系樹脂、ジテルペン重合体やα−ピネン−フェノール共重合体等のテルペン系樹脂、脂肪族系(C5系)や芳香族系(C9)等の石油樹脂、その他にもスチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の粘着付与樹脂を使用できる。中でも、粘着付与樹脂100質量部中に、重合ロジン及び水添ロジンが75〜85質量部と、石油樹脂が15〜25質量部含有されているものが好ましい。また、重合ロジン及び水添ロジンは、等量ずつ含有されていることが好ましく、粘着付与樹脂100質量部中に、重合ロジンが40質量部、水添ロジンが40質量部、石油樹脂が20質量部含有されているものが特に好ましい。具体的な重合ロジンとしては、例えば、リカロジンPCJ(商品名、理化ハーキュレス株式会社製)が挙げられる。具体的な水添ロジンとしては、例えば、スーパーエステルA100(商品名、荒川化学工業株式会社製)が挙げられる。具体的な石油樹脂としては、例えば、FTR−6100(商品名、三井化学株式会社製)が挙げられる。このような好ましい組成の粘着付与樹脂を用いることで、両面粘着シートの被着体への追従性がより良好となる。
粘着付与樹脂は、アクリル系粘着剤組成物(a)中のアクリル共重合体100質量部に対して20〜35質量部含有することが好ましい。
粘着剤層を暗色とし、光沢度を抑えるために、アクリル系粘着剤組成物(a)には着色剤を含有させる。当該着色剤としては、各種染料や顔料を使用できるが、カーボンブラックを使用することが好ましく、その使用量は、アクリル系粘着剤中のアクリル共重合体100質量部に対して0.5〜3質量部とすることが好ましく、0.66〜1.97質量部の範囲とすることが好ましい。
粘着剤層には、先に述べた成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、粘着剤に一般に用いられる各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散剤、充填剤、顔料、増粘剤、可塑剤、軟化剤、難燃剤等が含有されていても良い。
[艶消粘着テープ]
本発明の艶消粘着テープは、粘着剤層として上記凹凸表面を有する粘着剤層が設けられた粘着テープである。本発明の粘着テープの構成としては、片面に粘着剤層が設けられた粘着テープであっても、両面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープであっても良く、使用する用途に応じて適宜選択すればよい。各種家電製品や音響機器のスピーカーなどの外装材として用いられる多数の穴が設けられたパンチングシートを筐体に固定する場合などは、両面粘着シートを好適に使用できる。
本発明の艶消粘着テープには、基材が設けられていても、設けられていなくてもよい。基材が設けられていない構成のものは、薄型化に優位であり、基材が設けられた構成のものは、パンチングシートや被着体との再剥離性に優れるため好ましく使用できる。
使用する基材は、特に限定されないが、不織布などの繊維状の支持体は弾性が小さく、化粧シートの被着体への追従性、密着性等を低下させにくいため好ましく使用でき、例えば、例えば、パルプ、綿、麻、レーヨン等の材質からなるものが挙げられる。繊維状の支持体の目付けは、13〜20g/mであることが好ましい。
本発明の艶消粘着テープの厚さは、0.06〜0.18mmであることが好ましく、0.1〜0.15mmであることが更に好ましく、0.125〜0.14mmである事が特に好ましい。当該厚さの範囲とすることで、被着体との耐反発性や接着性を十分に確保できると共に優れたギラツキ防止効果や光沢度の抑制が可能となる。
本発明の艶消粘着テープが両面粘着テープである場合には、一方の粘着剤層を上記凹凸表面を有する艶消粘着剤層とし、他面の粘着剤層を平滑な粘着剤層とすることも好ましい。当該構成の両面粘着テープは、粘着剤層との貼り合わせにおいて粘着剤層表面が視認される部材と、視認されない部材とを固定する場合に有利である。
一方の面のみ凹凸表面を有する粘着剤層とした両面粘着テープとする場合には、他の凹凸表面を有さない粘着剤層は、各種部材と強固に接着する粘着剤層とすることが好ましい。当該凹凸を有さない粘着剤層は、凹凸表面を有する粘着剤層と同様に、アクリル共重合体と架橋剤とを含有するアクリル系粘着剤組成物からなるものを好ましく使用できる。
当該凹凸表面を有さない粘着剤層に使用するアクリル系粘着剤組成物(以下、アクリル系粘着剤組成物(b)と称する。)としては、その目的とする用途に応じて適宜選択すればよく、アクリル系粘着剤組成物(a)と同一の組成であっても異なる組成であっても良い。被着体との強固な接着力を確保する場合や、に高温環境下で重荷重を受けた際にセパレータに設けられた隙間やテープ端部からの粘着剤の浸み出しを防止する場合などは、下記の好ましい粘着剤組成とすると良い。
アクリル系粘着剤組成物(b)に使用するアクリル系共重合体の好ましい配合としては、全モノマー成分100質量部中、n−ブチルアクリレートの含有量は85〜97質量部であることが好ましく、90〜97質量部であることが更に好ましい。また、カルボキシル基含有モノマーを使用する場合には、その含有量が1〜6質量部とすることが好ましく、水酸基含有モノマーを使用する場合には、その含有量が0.05〜0.3質量部であることが好ましい。
アクリル系粘着剤組成物(b)中にもアクリル系粘着剤組成物(a)と同様に架橋剤を含有させることで、粘着剤層の架橋系を調整し、良好な耐反発性や粘着剤の浸み出し防止等の効果を実現できる。粘着剤層には、化粧シート流通時に剥離紙が設けられることがあるが、この剥離紙にスリット等が設けられている場合には、特に好適な粘着剤の浸み出し防止効果を付与することが求められる。
アクリル系粘着剤組成物(b)に使用する架橋剤としては、粘着剤層の架橋系を好適に調整できるものであれば特に制限されないが、イソシアネート系架橋剤が浸み出し防止特性を好適に調整できるため好ましく使用できる。アクリル系粘着剤(b)中にはイソシアネート系架橋剤を含有する際の含有量は、アクリル共重合体100質量部に対して、0.8〜3質量部であることが好ましい。
凹凸表面を有さない粘着剤層は、そのゲル分率が30〜55%であることが好ましく、35〜50%であることが更に好ましい。凹凸表面を有さない粘着剤層のゲル分率を上記範囲とすることで、被着体への好適な接着性及び追従性を有すると共に、シート端部やスリットを有する剥離紙を設けた場合のスリットからの粘着剤の浸み出しを抑制できる。
アクリル系粘着剤組成物(b)には粘着付与樹脂を併用することが好ましい。使用する粘着付与樹脂はアクリル系粘着剤組成物(a)と同様のものを使用でき、好ましく使用できる範囲も上記と同様である。粘着付与樹脂は、アクリル系粘着剤組成物(b)中のアクリル共重合体100質量部に対して20〜35質量部含有することが好ましい。これにより、被着体との優れた粘着力の粘着剤層を形成でき、両面粘着シートの粘着剤の浸み出しがより抑制される。
また基材が設けられている場合、(凹凸表面を有する粘着剤層の厚さ)/(凹凸表面を有さない粘着剤層の厚さ)で表される厚さの比が、60/40〜40/60であることが好ましく、55/45〜45/65であることがより好ましい。このような比率とすることで、被着体への追従性がより良好となる。
凹凸表面を有する粘着剤層は、例えば、ステンレス板に貼付し、長手方向に180°折り返して300mm/分の速度で引っ張り、前記、ステンレス板から剥がした時の接着力が12.0(N/20mm)以上であることが好ましい。また、凹凸表面を有さない粘着剤層の同様の接着力は、15.0(N/20mm)以上であることが好ましい。
なお、接着力の測定は以下のとおり行った。両面粘着シートを20mm幅に切断し、測定面と反対側の剥離紙を剥がし25μmPETフィルムを貼り合せておく。次いで測定面側の剥離紙を剥離して23℃、相対湿度50%の条件下で2kgローラー1往復の加圧により、被着体である厚さ2mmのステンレス板に貼付し1時間放置した。次いで、上記条件下で両面粘着シートを、長手方向に180°折り返し、300mm/分の速度で引っ張り、ステンレス板から剥がした時の接着力(N/20mm)を測定した。
[化粧シート]
本発明の化粧シートは、パンチングシートの一面に上記の艶消粘着テープが貼り付けられた化粧シートであり、パンチングシートの一面と、艶消粘着テープの凹凸表面を有する粘着剤層とが貼り付けられた構化を有する。艶消粘着テープが両面粘着テープの場合には、図1に示したように、パンチングシートと貼り付けられる凹凸表面を有する粘着剤層の他面に粘着剤層を有することから、化粧シートを被着体に容易に固定できる。
艶消粘着テープの凹凸表面を有する粘着剤層をパンチングシートに貼り付けることで、パンチングシートの貫通孔から視認される粘着剤層表面が、特定の凹凸を有する粘着剤層の表面となり、貫通孔からのテカリやギラツキを抑制できる。
(パンチングシート)
本発明に使用するパンチングシートは、多数の微細な貫通孔が設けられたシート状のものであれば特に限定されず、その材質として各種樹脂あるいは金属などを挙げることができる。なかでも被着体への追従性及びコスト等を考慮すると、樹脂製であることが好ましい。この場合の樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS、ポリカーボネート/ABS樹脂等を挙げることができ、特にポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート/ABSが好ましい。またこれら樹脂には必要に応じて、酸化防止剤あるいは帯電防止剤等の添加剤が含有されていても良い。
パンチングシートの貫通孔の形状は特に限定されず、表面から視認される形状としては円形、三角形、四角形、六角形等の任意の形状であってよいが、加工の容易さから円形であることが好ましい。また、その大きさは円形であればその直径が、各種角形であればその最大幅が0.3〜1.2mmであることが好ましい。また、開孔率は30〜50%であることが好ましい。これらの条件を満たすものは、貫通孔からの粘着剤の浸み出し防止効果が高くなる。
また、パンチングシート表面にはその意匠性を高めるために、各種表面処理が施されていてもよく、例えば、金属調となるように微細な凹凸形状を有する表面加工が施されていてもよい。
パンチングシートは、光沢度を調製するために、裏面に紗を設けた構成としてもよい。使用する紗は、両面粘着シートと積層した際に、好適にパンチングシートの貫通孔からの光反射を抑制できる目地のものであり、粘着力を大幅に低下させないものであれば良い。好適に使用できる例としては、例えばソニーケミカル製スピーカー用防塵ネット、SP7600などがある。
(剥離紙)
艶消粘着テープとして両面粘着テープを使用する場合には、パンチングシートと貼り付けられる粘着剤層の他面の粘着剤層表面に剥離紙層が設けられていてもよい。流通過程においては、剥離紙を有する構成のものを好ましく使用できる。剥離紙としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、上質紙、クラフト紙、グラシン紙及びクルパック紙のいずれかの上にポリエチレンをラミネートし、その上に離型処理を施したものや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂フィルム上に離型処理を施したもの等が挙げられる。これらの中でも、生産性、貼り作業性の点から、上質紙、クラフト紙、グラシン紙及びクルパック紙のいずれかの上にポリエチレンをラミネートし、その上に離型処理を施したものが好ましい。離型処理としては、従来公知のシリコーン処理、長鎖アルキル処理及びフッ素処理等を挙げることができるが、シリコーン処理が好ましい。剥離紙の厚さは0.05〜0.2mmであることが好ましい。
剥離紙には、作業性の観点からスリットが設けられていることが好ましい。スリットを設けることで、化粧シートを被着体へ固定する時に、一部の剥離紙を除去して、化粧シートを被着体に仮止めして、簡便かつ精密に位置あわせをしつつ化粧シートを被着体に固定することができる。スリットの数、形状およびサイズは、目的に応じて適宜選択すれば良い。そして、スリットは従来公知の方法で設ければ良い。
(被着体)
本発明の化粧シートにおいては、固定対象である被着体の材質は特に限定されないが、ポリスチレン、ABS、ポリプロピレン、PC/ABS等の樹脂類が好適である。
(化粧シートの形態)
本発明の化粧シートの形態は特に限定されるものではなく、例えば、枚葉、ロール状の製品形態であっても良い。
(化粧シートの製造方法)
本発明の化粧シートは、上記艶消粘着テープを作成し、これをパンチングシートと積層させることで形成できる。
艶消粘着テープを形成するためには、粘着剤組成物を調製して、これを塗布に用いれば良い。艶消粘着テープが両面粘着テープである場合の化粧シートの製造例を以下に示す。
従来公知の方法に従って、例えば、有機溶媒中で、所定の原料モノマーを所定量用いてアクリル系共重合体の合成を行う。有機溶媒としては、用いる配合成分が溶解し、架橋剤の官能基と反応しないものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン等を単独で、あるいは混合して使用することができる。これらのなかでも、酢酸エチル、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。次いで、得られたアクリル系共重合体溶液に所定量の粘着付与樹脂を添加し、均一に混合して粘着剤溶液を得る。さらに、得られた粘着剤溶液に対して、所定量の架橋剤を添加し撹拌処理することで、粘着剤組成物が得られる。該粘着剤組成物は必要に応じて、さらにトルエン、ヘキサン等の有機溶媒を用いて希釈して用いても良い。
また、脱トルエン化したアクリル系共重合体の合成を行う場合の有機溶媒としては、酢酸エチル、メチルエチルケトンを単独で、あるいは混合して使用することが好ましい。さらに、得られた粘着剤溶液に対して、所定量の脱トルエン化架橋剤を添加し撹拌処理することで、脱トルエン化した粘着剤組成物が得られる。該粘着剤組成物は必要に応じて、さらに酢酸エチル、メチルエチルケトン、ヘキサン等の有機溶媒を用いて希釈して用いても良い。これによりトルエン含有量が1μg/cm以下の艶消粘着テープを形成できる。
本発明に使用する艶消粘着テープは、パンチングシートと接する表面に凹凸を有する粘着剤層を有するが、当該粘着剤層は、表面がマット化された剥離紙や剥離フィルムなどのマットセパレータのマット面に粘着剤組成物を塗付し、乾燥させた後、マットセパレータを剥離することで形成できる。
ここで使用できるマットセパレータとしては、粘着剤層の表面に上記した凹凸形状を形成できるものであればよく、例えば、リンテック(株)製『WHKR―78FNR改』などがある。
両面に粘着剤層を有する艶消粘着テープの製造は、基材が設けられていない構造である場合には、例えば以下の方法が挙げられる。乾燥後に所定の厚さとなるように、粘着剤組成物をロールコーターやダイコーター等を用いてマットセパレータの離型処理面上に塗布後乾燥させ、同様に他の剥離紙の離型処理面に粘着剤組成物を塗付して乾燥させ、これらを粘着剤層があわさるよう積層することで製造できる。一方、両面粘着シートが、基材を芯材とする両面粘着テープ構造である場合には、粘着剤組成物を前記支持体内部まで含浸させるために、粘着剤組成物を前記支持体の一方の面に直接塗布し、有機溶剤を乾燥させ、内部まで粘着剤を含浸させた支持体上に所定の厚さの粘着剤層を形成する。その後、マットセパレータ上に別途形成した所定の厚さの粘着剤層を、支持体の粘着層が形成されていない面に積層し、基材両面に粘着剤層が設けられた両面粘着シートを製造できる。あるいは粘着剤組成物をマットセパレータ上に塗付して乾燥したものと、他の剥離紙上に塗布して乾燥したものを用意し、基材両面にそれぞれ熱ラミネートして貼り合わせて製造してもよい。
本発明の化粧シートは、上記のように得られた艶消粘着テープからマットセパレータを剥離し、マットセパレータを剥離して得られる粘着剤層をパンチングシートと貼り合せることで製造できる。この際、必要に応じて紗が積層されたパンチングシートの紗を積層した面に両面粘着シートを貼り合せてもよい。
本発明の化粧シートは、パンチングシートの貫通孔から視認される粘着剤層表面の光沢度を低くすると共に、光の反射によるギラツキを低減できるため優れた意匠性を有する。また、優れた接着性や形状追従性あるいは耐反発性を実現でき、粘着剤の浸み出し抑制も付与することができる。さらに、構成が簡便なので安価に製造することができる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<粘着剤組成物(a)の調製>
攪拌機、環流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器にブチルアクリレート93.4質量部、酢酸ビニル3質量部、アクリル酸3.5質量部及びヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを酢酸エチル50質量部、トルエン20質量部に溶解し、70℃で8時間重合して、アクリル共重合体溶液を得た。
上記のアクリル共重合体溶液に、アクリル共重合体100質量部に対し、リカロジンPCJ(商品名、理化ハーキュレス株式会社製)11.52質量部、スーパーエステルA100(商品名、荒川化学工業株式会社製)11.52質量部及びFTR−6100(商品名、三井化学株式会社製)5.76質量部を添加し、酢酸エチルで希釈混合して粘着剤溶液を得た。得られた粘着剤溶液に、アクリル共重合体100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製『バーノックNC−40』、固形分40質量%、酢酸エチル溶液)を固形分が3.0質量部、カーボンブラック系黒顔料ペースト(大日本インキ化学工業社製『DICTON・AR8555黒』、固形分49質量%)を固形分が2.0質量部となるよう添加し攪拌して粘着剤組成物(a)を調整した。
<粘着剤組成物(b)の調製>
上記で得られたアクリル共重合体溶液に、アクリル共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製『バーノックNC−40』、固形分40質量%、酢酸エチル溶液)を固形分が1.5質量部となるよう添加した以外は、粘着剤組成物(a)と同様にして、粘着剤組成物(b)を調整した。
<粘着剤組成物(c)の調製>
攪拌機、環流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器を用いて、ブチルアクリレート89.9質量部、アクリル酸10.0質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2,2―アゾビスイソニトリ0.03質量部とを、酢酸エチル63質量部とアセトン100質量部からなる混合溶媒に溶解した。次いで、65℃で6時間重合し、これに追加の2,2−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部と酢酸エチル45質量部を加え、さらに6時間重合を行い、質量平均分子量90万(ポリスチレン換算)のアクリル共重合体溶液を得た。このアクリル共重合体溶液に酢酸エチルを加えて、不揮発分30質量%のアクリル共重合体溶液を得た。
上記で得られたアクリル共重合体溶液に、アクリル共重合体100質量部に対して、エポキシ系架橋剤(総研化学社製「E−05X」、固形分0.5質量%)を、固形分が0.037質量部、カーボンブラック系黒顔料ペースト(大日本インキ化学工業社製『DICTON・AR8555黒』、固形分49質量%)を固形分が2.0質量部となるよう添加し攪拌して粘着剤組成物(c)を調整した。
<粘着剤組成物(d)の調製>
アクリル共重合体溶液に、アクリル共重合体100質量部に対して、エポキシ系架橋剤(総研化学社製「E−05X」、固形分0.5質量%)を、固形分が0.018質量部となるよう添加した以外は、粘着剤組成物(c)と同様にして、粘着剤組成物(d)を調整した。
(実施例1)
上記粘着剤組成物(a)を、上質紙の片面にマットポリエチレンラミネートし、離型処理した厚さ0.125mmの両面ポリエチレンラミネート剥離紙「WHKR―78FNR改」リンテック(株)製マットセパレーター上に、乾燥後の厚さが60μmとなるように塗工して、90℃で2分間乾燥させて粘着剤層(A)を作成した。上記粘着剤組成物(b)を、上質紙に両面ポリエチレンラミネートして離型処理した厚さ0.13mmの剥離紙「CW73チャPL(31)TP25」(リンテック(株)製)上に、乾燥後の厚さが65μmになるように塗工して、90℃で2分間乾燥して粘着剤層(B)を作成した。得られた粘着剤層(A)及び粘着剤層(B)を、パルプ、麻、レーヨン(日本大昭和板紙株式会社製)の混合材質からなる目付け17g/mの不織布にそれぞれ転写し、100℃の熱ロールで4kgf/cmの圧力をかけラミネートし、40℃のオーブンにて2日間エージングして両面粘着シート(1)を得た。得られた両面粘着シート(1)の粘着剤層(A)のゲル分率は55%、粘着剤層(B)のゲル分率は45%であった。
上記で得られた両面粘着シート(1)からマットセパレータを剥離して、露出した粘着剤層(A)の凹凸表面を、貫通孔の直径0.35mm、開孔率42%、厚さ0.4mmのポリスチレン製パンチングシート表面に貼り合せて化粧シート(1)を得た。
(実施例2)
実施例1において使用した粘着組成物(a)に代えて粘着組成物(c)を、粘着組成物(b)に代えて粘着組成物(d)を使用した以外は、実施例1と同様にして化粧シート(2)を得た。
(実施例3)
実施例1において使用したマットセパレーター「WHKR―78FNR改」に代えて、凸部が並列配列したエンボス加工を有し、当該エンボス加工が、近接する凸部間の中心点間距離が約140μm、周期紙面表面から観察した凸部形状が各辺とも約60μmの方形形状、側面から観察した凸部形状が最大高さ約40μmの台形形状であるポリプロピレンラミネート剥離紙を使用した以外は実施例1と同様にして、化粧シート(3)を得た。
(比較例1)
実施例1において使用したマットセパレーター「WHKR―78FNR改」に代えて、リンテック(株)製の艶表面セパレーター「KPP−78シロ(35―HO)」を使用した以外は実施例1と同様にして、化粧シート(H1)を得た。
(比較例2)
実施例1において使用したマットセパレーター「WHKR―78FNR改」に代えて、五洋紙工(株)製マットセパレーター「Iマット」を使用した以外は実施例1と同様にして、化粧シート(H2)を得た。
<試験方法>
得られた両面粘着シート、化粧シートについて下記の評価を行った。得られた結果を表1〜2に示す。
(1)光沢度測定
パンチングシートと貼り合せる前の粘着剤層(A)の凹凸表面を、60度鏡面光沢度、JISZ−8741に規定する方法で測定した。測定装置は、MINORUTA製「Multi−Gloss268」を使用した。また、高温試験後光沢度とは粘着剤層(A)の凹凸表面を、60℃中に30日間放置してから測定した。
(2)表面形状測定
パンチングシートと貼り合せる前の粘着剤層(A)の表面を、KEYENCE製「カラー3Dレーザ顕微鏡・VK−9500」を使用して、レンズ倍率は50倍、測定モードは超深度、ピッチは0.05μm、光学ズームは1.0倍で、任意の3箇所にて200×250μm四方の表面測定を行い、粗面の中心線平均表面粗さRa、孔の最大深さ、最大幅、中心点間距離を測定した。なお、粗面の中心線平均表面粗さRaについては、各表面測定回毎に、孔間の孔のうねりの影響を受けていない任意の3点につき50μm四方の面粗さ測定を行い、全測定の平均値を中心線平均表面粗さRaとして表中に示した。孔の最大深さ、最大幅、中心点間距離については、各表面測定において確認可能な全ての孔(2〜4個)について確認し、その平均値をそれぞれ表中に示した。また、孔の周期配列及び粘着剤層表面から視認される孔の形状をあわせて表中に示した。
(3)光反射度(目視)
20mm×90mmのサイズにカットした化粧シートのパンチングシート表面の貫通孔からのテカリやギラツキを、パンチングシート表面と垂直な方向から蛍光灯下で目視により観察した。当該目視観察の下記基準による評価を、5人の被験者を対象に行った。
5:テカリ、ギラツキが視認されない
4:テカリ、ギラツキがほとんど視認されない
3:テカリ、ギラツキが視認されるが、意匠性を損なうほどではない
2:テカリ、ギラツキが視認され、意匠性が若干損なわれる
1:テカリ、ギラツキが視認され、意匠性が大きく損なわれる
(4)反発性
20mm×180mmのサイズにカットした化粧シートから剥離紙を剥離して、被着体である厚さ2mm、幅25mm×長さ200mmのポリスチレンプレートの中央に固定した。次いで、化粧シートを固定した前記ポリスチレンプレートを、前記化粧シートが凸状となるように長手方向に沿って190mm長さで弓なり固定し、この状態を80℃で96時間維持した。そして96時間経過後のパンチングシート/化粧シート間の剥がれ、ポリスチレンプレートからの化粧シートの剥がれの有無を評価した。
反発性試験結果の評価基準は以下の通りである。
○:パンチングシート/化粧シート間の剥がれ、ポリスチレンプレートからの剥がれなし
×:パンチングシート/化粧シート間の剥がれ、又はポリスチレンプレートからの剥がれあり
(5)ポリスチレン接着力
化粧シートを20mm幅に切断し、剥離紙を剥離して、23℃、相対湿度50%の条件下で2kgローラー1往復の加圧により、被着体である厚さ2mmのポリスチレン(Pst)プレートに貼付し1時間放置した。次いで、上記条件下で化粧シートを、長手方向に180°折り返し、300mm/分の速度で引っ張り、Pstプレートから剥がした時の接着力(N/20mm)を測定した。
Figure 0005444614
<評価結果>
表1からも明らかなように、実施例1〜3は表面のテカリ、ギラツキもほとんど視認されずかつ、安定性が高いことが確認された。比較例1〜2は、いずれも表面のテカリ、ギラツキが視認され意匠性が損なわれることが確認された。以上の説明のように、本発明の粘着剤を有する両面粘着テープを備えた本発明の化粧シートは、従来品の化粧シートよりも、表面のテカリ、ギラツキがほとんど視認されなかった。また、表1から明らかなように、実施例1〜3化粧シートは被着体への追従性で優れたものであることが確認された。
本発明に係る化粧シートの一例を示す断面模式図である。
符号の説明
1 化粧シート
2 パンチングシート
3 両面粘着シート
4 剥離紙
31 粘着剤層
32 粘着剤層
33 支持体

Claims (9)

  1. 凹凸表面を有する粘着剤層が設けられた粘着テープであって、前記粘着剤層が暗色の粘着剤層であり、前記凹凸表面が、中心線平均表面粗さRaが0.5〜2.5μmの粗面に、最大深さが20〜60μm、最大幅が30〜200μmの孔が一定周期で相互に離間して配列した表面であり、前記凹凸表面の中心線平均表面粗さRaが5〜10μmであることを特徴とする艶消粘着テープ。
  2. 隣接する孔間の中心点間距離が40〜300μmである請求項1に記載の艶消粘着テープ。
  3. 前記凹凸表面の光沢度が15以下である請求項1又は2に記載の艶消粘着テープ。
  4. 前記粘着剤層が、n−ブチルアクリレートを主モノマー成分とするアクリル共重合体、粘着付与樹脂及びイソシアネート系架橋剤を含有するアクリル系粘着剤からなり、
    前記イソシアネート系架橋剤の含有量が、前記アクリル共重合体100質量部に対して2.5〜5質量部である請求項1〜のいずれかに記載の艶消粘着テープ。
  5. 粘着剤層が、n−ブチルアクリレートを主モノマー成分とするアクリル共重合体及びエポキシ系架橋剤を含有するアクリル系粘着剤からなり、
    前記エポキシ系架橋剤の含有量が、前記アクリル共重合体100質量部に対して0.001〜0.05質量部である請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 前記配列が並列配列又は千鳥配列である請求項1〜のいずれかに記載の艶消粘着テープ。
  7. 前記凹凸表面を有する粘着剤層の他面に凹凸表面を有さない粘着剤層が設けられた請求項1〜のいずれかに記載の艶消粘着テープ。
  8. パンチングシートの一面に、請求項1〜7のいずれかに記載の艶消粘着テープの凹凸表面を有する粘着剤層とが貼り付けられてなることを特徴とする化粧シート。
  9. 前記パンチングシートの厚さが0.2〜0.6mmであり、前記パンチングシートの有する貫通孔の直径が0.3〜1.2mmである請求項に記載の化粧シート。
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