JP5444113B2 - リニア誘導モータのリアクションプレート - Google Patents

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Description

本発明は、交通機関に採用されているリニア誘導モータの二次導体であるリアクションプレートに係り、特に鉄系金属母材と導電性非鉄金属材の複合導体で構成されるリニア誘導モータのリアクションプレートに関する。
一般に、交通機関に採用されているリニア誘導モータは、交通機関の車体側に一次側鉄心を設け、地上側に一次側鉄心に対向して二次導体となるリアクションプレートを敷設し、一次側鉄心の一次巻き線に可変周波数可変電圧の電源を給電し、移動磁界を発生させて、リアクションプレートとの間に推力を発生させるものである。リニア誘導モータの二次導体であるリアクションプレートは、厚板の鉄系金属母材に導電性非鉄金属材を接合して構成しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、渦電流の発生を抑え、磁気飽和を低減するために、交通機関の車体の進行方向に直交する方向に互いに絶縁した複数の鉄系金属を配置して鉄系金属母材を構成し、この鉄系金属母材の上部にキャップ式導電性非鉄金属材を配置した積層方式リアクションプレートがある(例えば、特許文献2参照)。
特開昭59−144362号公報 特公平4−32631号公報
ところで、リニア誘導モータは、交通機関の車体を駆動する推力を発生するが、一次側鉄心と二次側のリアクションプレート間にはその構造上、車体の推進には寄与しない推力よりも大きな吸引力も発生する。このため、リアクションプレートの構造は、この電磁力に耐えうるだけの堅牢性を保持した構造としなければならない。
上述した積層方式リアクションプレートの場合、積層構造とした鉄系金属母材はそれぞれ直接地上に固定されずに、リアクションプレート架台上に配置され、その凹部に鉄系金属母材を収納する形にキャップ式導電性非鉄金属材が載置され、リアクションプレート架台に導電性非鉄金属締結用ボルトによって固定されている。したがって、鉄系金属母材とキャップ式導電性非鉄金属材との接合強度が、爆着クラッドなどによってこれらを接合する厚板平板式リアクションプレートに比べると劣るという課題がある。
また、導電性非鉄金属締結用ボルトによって、リアクションプレートをリアクションプレート架台にねじ止めする構造であることから、ねじ止め箇所が増加し、作業量が増大し、締め忘れや緩み等の問題も発生しやすい。さらに、キャップ式導電性非鉄金属材は、両縁部に、導電性非鉄金属締結用ボルトを納めるスロット部を備えており、厚板平板式リアクションプレートと比較すると生産性の面で劣るという課題がある。このように、積層式リアクションプレートは、厚板平板式リアクションプレートに比べて、推力と力率は改善するものの、信頼性、堅牢性、生産性の点で課題がある。
本発明は、上記事項に基づいてなされたもので、その目的は、従来の厚板平板式リアクションプレートに関した推力と力率の向上を達成し、さらに、信頼性、堅牢性、生産性を確保したリアクションプレートを提供することにある。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、走行車両に供えられた一次側鉄心とともに、二次側導体として前記走行車両が進行する軌道上に設置されるリニア誘導モータのリアクションプレートにおいて、前記リニア誘導モータのリアクションプレートは、鉄系金属母材の上面と導電性非鉄金属材の下面とを接合した接合材により構成され、前記導電性非鉄金属材の上面が前記一次側鉄心に対向するように配置され、前記鉄系金属母材の上面には複数の切り込みが間隔をもって設けられ、前記鉄系金属母材の上面に設けられた複数の切り込みは、前記走行車両の進行方向に対して略直角方向の中央部付近において最も深く形成し、外縁に向かうに従って浅くなるように形成しているものとする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記鉄系金属母材の上面に設けられた複数の切り込みは、前記走行車両の進行方向と同じ方向で、かつ進行方向に直交する方向にそれぞれ平行に連続して設けられていることを特徴とする。
更に、第の発明は、第1又は第2の発明において、前記鉄系金属母材の上面に設けられた複数の切り込みは、前記走行車両の進行方向に対して略直角方向の中央部付近において切り込みの間隔を最も多く密になるように形成し、外縁に向かうに従って切り込みの間隔を少なく粗くなるように形成していることを特徴とする。
また、第の発明は、第1又は第2の発明において、前記導電性非鉄金属材における前記走行車両の進行方向に対して略直角方向の両端部が前記一次鉄心側と逆側に折り曲げて形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、リアクションプレートにおける表皮効果を低減するので、磁気飽和を緩和し、リニア誘導モータの推力と力率を向上させることができる。また、導電性非鉄金属と厚板の鉄系金属母材との接合が容易にできるので、信頼性、堅牢性、生産性を確保したリアクションプレートを提供することができる。
本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態を備えたリニア誘導モータ駆動の交通機関の構成を示す正面図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態における磁束の流れを示す側面図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態における磁束の流れを示す斜視図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態における渦電流の低減効果を示す斜視図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態における切り込み深さと推力との関係を示す特性図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第2の実施の形態における構造を示す斜視図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第3の実施の形態における構造を示す斜視図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第3の実施の形態における空隙の磁束密度の分布を示す模式図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第4の実施の形態における構造を示す斜視図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第5の実施の形態における構造を示す正面図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第5の実施の形態における構造を示す側面図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第5の実施の形態における渦電流の流れを示す斜視図である。 本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第6の実施の形態における構造を示す正面図である。
以下に、本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態を備えたリニア誘導モータ駆動の交通機関の構成を示す正面図である。
図1において、101は図示しない車体に搭載されていて一次巻線を励磁することで移動磁界、磁束を発生させるリニア誘導モータの一次鉄心、102はリニア誘導モータの一次鉄心に対向して地上側に敷設される厚板平板式のリアクションプレートを示す。
厚板平板式リアクションプレート102は、図1に示すように、図示しないリニア誘導モータ電車がその上部を走行する電車走行用レール107の間の中央部に、適当な長さのユニットとして紙面に垂直方向(X軸方向)に延設されていて、枕木108には、リアクションプレート締結用ボルト106により締結されている。厚板平板式リアクションプレート102は、導電性非鉄金属材103と鉄系金属母材109と鉄系金属母材(2)(架台)105とにより構成されていて、これらは、従来例と同様に、例えば爆着クラッドやカシメや溶接などにより互いに接合されている。
導電性非鉄金属材103は、渦電流の流れを促進するように、例えば銅やアルミニウムのような導電性の優れた金属により構成されている。また、導電性非鉄金属材103は、図1に示すように、車体に設けた一次巻線を有する一次鉄心101と空隙を隔てて対向するように厚板平板式リアクションプレート102の最上部に設置されている。
鉄系金属母材109は、厚板平板状の鉄系の強磁性体により構成され、一次鉄心101から空隙と導電性非鉄金属材103とを隔てて鉄系金属母材(2)(架台)105の上部に配置されている。鉄系金属母材109の上面である導電性非鉄金属材103と接合する面には、リニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)と同じ方向で、かつ進行方向と直交する方向に複数の切り込み91がそれぞれ間隔をもって平行に連続して形成されている。
次に、本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態の推力発生の原理について図2乃至図4を用いて説明する。図2は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態における磁束の流れを示す側面図、図3は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態における磁束の流れを示す斜視図、図4は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態における渦電流の低減効果を示す斜視図である。なお、図2乃至図4において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分又は相当する部分であるので、その部分の説明を省略する。
可変周波数可変電圧の電源をリニア誘導モータの一次鉄心101の一次巻線に給電することにより、一次鉄心101に移動磁界が発生し、一次鉄心101より交番磁束115が発生する。発生した交番磁束115は、図2に示すように、空隙と導電性非鉄金属材103を通過し、鉄系金属母材109を二次側のバックヨークとする磁気回路を流れる。鉄系金属母材109において、交番磁束115は鉄系金属母材109の内部に進入し、図3に示すように、リニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)へ通過して、一次鉄心101に戻る。これにより、導電性非鉄金属材103に渦電流が誘導され、この渦電流と交番磁束115との間に作用する電磁力によって、一次鉄心101が搭載された交通機関の車体に推力が発生する。本実施の形態においては、鉄系金属母材109における複数の切り込み91をリニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)にと同じ方向で、かつ進行方向と直交する方向にそれぞれ平行に連続して設けているため、複数の切り込み91が磁束115の流れを妨げることはない。
次に、図4を用いて鉄系金属母材109に流れる渦電流と磁束の関係を説明する。
厚板平板式リアクションプレート102に流れる渦電流の大部分は、導電率の高い金属で構成された導電性非鉄金属材103で発生し、上述した交番磁束115が通る磁路は、鉄系金属母材109が構成している。このため、導電性非鉄金属材103ではなく磁気回路として構成される鉄系金属母材109に渦電流116が発生すると、渦電流116の反作用すなわち表皮効果によりにより交番磁束115は鉄系金属母材109の内部まで浸透せずに、鉄系金属母材109の表面付近を通過することになる。その表皮深さδは以下の数式数1で表すことができる。
Figure 0005444113
ここで、πは円周率、fは渦電流の周波数、μは母材の透磁率、σは母材の導電率を表す。
表皮深さδが小さくなることにより、磁束の磁路断面積が小さくなり、磁気飽和が生ずることにより磁気的性能が劣化するという問題がある。
本発明の本実施の形態においては、鉄系金属母材109に複数の切り込み91を設けることにより、渦電流の流れを抑制している。図4に示すように,鉄系金属母材109に複数の切り込み91を設けることにより、進行方向に直交する方向(Z軸方向)への渦電流の流路を遮断することができ、従来例で生ずる大きな渦電流116のループを小さく分割することができる。この結果、渦電流による反作用磁界を低減できるので、磁束の鉄系金属母材109内部への浸透が促進できる。
すなわち、鉄系金属母材109に複数の切り込み91を設けることにより、数式数1で示した母材の導電率σを等価的に減少させることができ、表皮深さδが増大し、表皮効果が低減される。この結果、磁束の磁路面積が拡大することにより、磁気飽和が緩和し、推力が増大される。さらに、磁気飽和の緩和により漏れ磁束が低減され、リニア誘導モータの力率が向上する。
図5は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態における切り込み深さと推力との関係を示す特性図である。
この特性図は、電磁界解析による結果から得られたものであって、鉄系金属母材109に設けた切り込み91の深さを横軸として、縦軸に推力を示したものである。図5において、δは数式数1で示した表皮深さと等しい。この特性図から、例えば、推力を10%以上増加させるためには、約2.7δ以上の深さの切り込みを設ける必要があることが分かる。例えば、渦電流の周波数を3.5Hzとすると、数式数1から表皮深さδは約3.0mmと算出され、推力を10%以上増加させるには約8mm以上の切り込みを設ける必要があることが分かる。
上述した本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第1の実施の形態によれば、厚板平板式リアクションプレート102における表皮効果を低減するので、磁気飽和を緩和し、リニア誘導モータの推力と力率を向上させることができる。また、導電性非鉄金属103と厚板の鉄系金属母材109との接合が容易にできるので、信頼性、堅牢性、生産性を確保した厚板平板式リアクションプレート102を提供することができる。
図6は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第2の実施の形態における構造を示す斜視図である。なお、図6において、図1乃至図5に示す符号と同符号のものは同一部分又は相当する部分であるので、その部分の説明を省略する。
本実施の形態は、厚板平板式リアクションプレート102を構成する鉄系金属母材109にさらなる切り込み92を設けたものである。具体的には、第1の実施の形態で設けた鉄系金属母材109の上面のリニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)と同じ方向で、かつ進行方向と直交する方向にそれぞれ平行に連続する複数の切り込み91に加えて、これらの切り込み91と交差する部分に、リニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)に断続的な切り込み92を設けている。
このように2種類の切り込み91,92を設けることで、鉄系金属母材109に流れる渦電流の発生を、第1の実施の形態の場合よりも、さらに抑制することができる。すなわち、リニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)に形成された切り込み92は、図4に示した鉄系金属母材109に発生する渦電流116の流れをより効果的に遮断することが可能となり、図6に示すように、渦電流116のループをさらに小さくできる。このことから、鉄系金属母材109における表皮効果は著しく低減され、磁気飽和が緩和するため、リニア誘導モータの推力が増大する。また、磁気飽和の緩和により漏れ磁束が低減されることから、リニア誘導モータの力率も向上させることができる。
上述した本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。また、本実施の形態のようにリニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)の切り込み92を断続的に設けたので、図3に示したリニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)に通る磁束115の流れを切り込み92が遮断する可能性を最小限に留めることができる。
図7は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第3の実施の形態における構造を示す斜視図、図8は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第3の実施の形態における空隙の磁束密度の分布を示す模式図である。なお、図7及び図8において、図1乃至図6に示す符号と同符号のものは同一部分又は相当する部分であるので、その部分の説明を省略する。
本実施の形態は、厚板平板式リアクションプレート102を構成する鉄系金属母材109における複数の切り込み91の切り込み深さを変化させて設けたものである。具体的には、第1の実施の形態で設けた鉄系金属母材109の上面のリニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)に連続する切り込み91を、リニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)の中央部付近において最も深く形成し、外縁に向かうに従って浅くなるように形成している。
ところで、図8は、一次鉄心101とリアクションプレート102との間の空隙における磁束密度分布を模式的に示している。図8において、横軸はリニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)における位置を示し、縦軸は磁束密度の大きさを示す。図8において、破線にて示す特性が従来のリアクションプレートの構成によって得られるものであり、実線にて示す特性が本実施の形態のリアクションプレートの構成によって得られるものである。破線にて示す従来のリアクションプレートの構成では、リニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)の中央付近において磁束密度が低く、両方の縁付近で磁束密度が高い現象が見られた。この磁束密度の不均一性は、縁効果と呼ばれ、リニア誘導モータの特性に悪影響を及ぼすことが知られている。特に、縁効果により、一次鉄心101とリアクションプレート102との間に働く吸引力が増大するため、この吸引力の増大を考慮することが、リアクションプレートの信頼性や堅牢性を確保するためには必要であった。
本実施の形態では、切り込み91をリニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)の中央部付近において最も深く形成し、外縁に向かうに従って浅くなるように形成したので、一次鉄心101とリアクションプレート102との間の空隙における磁束密度分布の不均一性を緩和することができる。
上述した本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第3の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。また、本実施の形態では、鉄系金属母材109におけるリニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)の中央付近に設けた切り込み91を特に深くすることで、鉄系金属母材109のZ軸方向の中央付近の磁束の浸透深さを深くすることができる。これにより鉄系金属母材109のZ軸方向の中央付近の磁気飽和が緩和され、中央付近の磁束密度が増加し、空隙における磁束密度の不均一性を緩和することができる。この結果、縁効果が低減され、一次鉄心101とリアクションプレート102との間に働く吸引力が減少し、リアクションプレートの信頼性,堅牢性が増すことになる。
図9は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第4の実施の形態における構造を示す斜視図である。なお、図9において、図1乃至図8に示す符号と同符号のものは同一部分又は相当する部分であるので、その部分の説明を省略する。
本実施の形態は、厚板平板式リアクションプレート102を構成する鉄系金属母材109における複数の切り込み91のZ軸方向(リニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向)の間隙を変化させて設けたものである。具体的には、第1の実施の形態で設けた鉄系金属母材109の上面のリニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)に連続する切り込み91を、Z軸方向の中央部付近において切り込みの間隔を最も多く密になるように形成し、外縁に向かうに従って切り込みの間隔を少なく粗くなるように形成している。
上述した本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第4の実施の形態によれば、上述した第3の実施の形態と同様な効果を得ることができる。すなわち、鉄系金属母材109におけるリニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)の中央付近に設けた切り込み91の間隔を中央部付近において最も多く密になるように形成することで、鉄系金属母材109のZ軸方向の中央付近の磁束の浸透深さを深くすることができる。これにより鉄系金属母材109のZ軸方向の中央付近の磁気飽和が緩和され、中央付近の磁束密度が増加し、空隙における磁束密度の不均一性を緩和することができる。この結果、縁効果が低減され、一次鉄心101とリアクションプレート102との間に働く吸引力が減少し、リアクションプレートの信頼性,堅牢性が増すことになる。
図10は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第5の実施の形態における構造を示す正面図、図11は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第5の実施の形態における構造を示す側面図、図12は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第5の実施の形態における渦電流の流れを示す斜視図である。なお、図10乃至図12において、図1乃至図9に示す符号と同符号のものは同一部分又は相当する部分であるので、その部分の説明を省略する。
本実施の形態において、リアクションプレート102は、図10及び図11に示すように、リニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向))に延設されていて、導電性非鉄金属材113と鉄系金属母材109と連結部材4とにより構成されている。図示しない軌道等には、連結部材4の下部をリアクションプレート締結用ボルト106で締め付けることで締結している。
連結部材4は、図10及び図11に示すように鉄系金属の中空矩形構造であって、矩形の断面を有していて、上面に導電性非鉄金属材113と鉄系金属母材109とが装着される。
導電性非鉄金属材113は、渦電流の流れを促進するように、例えば銅やアルミニウムのような導電性の優れた金属により構成されていて、図10に示すように、車体に設けた一次巻線を有する一次鉄心101と空隙を隔てて対向するようにリアクションプレート102の最上部に設置されている。導電性非鉄金属材113は、リニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)の中央付近で対向する一次鉄心101側に凸形に突出するように形成した凸部1130と、両方の縁付近において一次鉄心101側と逆側に鉄系金属母材109の高さ分だけ折り曲げて形成した折り曲げ部1131と、折り曲げ部1131の外端側であって連結部材4の上面に沿うように折り曲げて形成した折り曲げ部1132とを備えている。導電性非鉄金属材113は、折り曲げ部1132において、導電性非鉄金属締結用ボルト114によって連結部材4と締結されている。
鉄系金属母材109は、厚板平板状の鉄系の強磁性体により構成され、一次鉄心101から空隙と導電性非鉄金属材113とを隔てて連結部材4の上部に配置されている。鉄系金属母材109の上面である導電性非鉄金属材113と接合する面には、リニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)に複数の切り込み91が形成されている。
図12に本実施の形態における導電性非鉄金属材113に流れる渦電流116の経路を簡易的に示す。第3の実施の形態で述べたように、一次鉄心101とリアクションプレート102との間の空隙における磁束密度の不均一性が現れる縁効果という現象が、リニア誘導モータの特性へ悪影響を及ぼす。縁効果を増大させる要因の一つが、渦電流116の進行方向(X軸方向)成分である。つまり、一次鉄心101とリアクションプレート102との間の空隙に近い位置を渦電流116の進行方向(X軸方向)成分が通過すると縁効果を増大させてしまう。
本実施の形態のように導電性非鉄金属材113を形成することにより、渦電流116の進行方向(X軸方向)成分は、導電性非鉄金属材113の折り曲げ部1131及び1132に集中するため、一次鉄心101とリアクションプレート102との間の空隙から離れた位置に渦電流116の進行方向(X軸方向)成分が現れる。この結果、渦電流116の進行方向(X軸方向)成分の空隙の磁束密度へ与える影響が小さくなり、縁効果が低減される。
上述した本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第5の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。また、縁効果を低減できるので、リニア誘導モータの特性を向上させることができる。さらに、特許文献2の従来技術と異なり、鉄系金属母材109が一体で構成されるため、比較的簡単な導電性非鉄金属材113と連結部材4の締結方法により、鉄系金属母材109の固定が可能となり、生産性を向上することができる。
図13は本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第6の実施の形態における構造を示す正面図である。なお、図13において、図1乃至図12に示す符号と同符号のものは同一部分又は相当する部分であるので、その部分の説明を省略する。
本実施の形態において、厚板平板式リアクションプレート102は、図13に示すように、リニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)に延設されていて、導電性非鉄金属材113と鉄系金属母材109と鉄系金属母材(2)(架台)105とにより構成されていて、これらは、従来例と同様に、例えば爆着クラッドやカシメや溶接などにより互いに接合されている。
導電性非鉄金属材113は、渦電流の流れを促進するように、例えば銅やアルミニウムのような導電性の優れた金属により構成されていて、図13に示すように、車体に設けた一次巻線を有する一次鉄心101と空隙を隔てて対向するようにリアクションプレート102の最上部に設置されている。導電性非鉄金属材113は、リニア誘導モータ電車の進行方向に対して略直角方向(Z軸方向)の中央付近で対向する一次鉄心101側に凸形に突出するように形成した凸部1130と、両方の縁付近において一次鉄心101側と逆側に鉄系金属母材109の高さ分だけ折り曲げて形成した折り曲げ部1131とを備えている。
鉄系金属母材109は、厚板平板状の鉄系の強磁性体により構成され、一次鉄心101から空隙と導電性非鉄金属材113とを隔てて鉄系金属母材(2)(架台)105の上部に配置されている。鉄系金属母材109の上面である導電性非鉄金属材113と接合する面には、リニア誘導モータ電車の進行方向(X軸方向)に複数の切り込み91が形成されている。
上述した本発明のリニア誘導モータのリアクションプレートの第6の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。また、導電性非鉄金属材113に折り曲げ部1131を設けることで、第5の実施の形態と同様に縁効果を低減することができる。また、導電性非鉄金属材113と鉄系金属母材109の接合が特許文献2の従来技術のものより頑強になるため、信頼性、堅牢性が向上する。
101 一次鉄心
102 リアクションプレート
103 導電性非鉄金属材
106 リアクションプレート締結用ボルト
107 電車走行用レール
108 枕木
109 鉄系金属母材
91 切り込み
92 切り込み

Claims (4)

  1. 走行車両に供えられた一次側鉄心とともに、二次側導体として前記走行車両が進行する軌道上に設置されるリニア誘導モータのリアクションプレートにおいて、
    前記リニア誘導モータのリアクションプレートは、鉄系金属母材の上面と導電性非鉄金属材の下面とを接合した接合材により構成され、
    前記導電性非鉄金属材の上面が前記一次側鉄心に対向するように配置され、
    前記鉄系金属母材の上面には複数の切り込みが間隔をもって設けられ、
    前記鉄系金属母材の上面に設けられた複数の切り込みは、前記走行車両の進行方向に対して略直角方向の中央部付近において最も深く形成し、外縁に向かうに従って浅くなるように形成している
    ことを特徴とするリニア誘導モータのリアクションプレート。
  2. 請求項1記載のリニア誘導モータのリアクションプレートにおいて、
    前記鉄系金属母材の上面に設けられた複数の切り込みは、前記走行車両の進行方向と同じ方向で、かつ進行方向に直交する方向にそれぞれ平行に連続して設けられている
    ことを特徴とするリニア誘導モータのリアクションプレート。
  3. 請求項1又は2に記載のリニア誘導モータのリアクションプレートにおいて、
    前記鉄系金属母材の上面に設けられた複数の切り込みは、前記走行車両の進行方向に対して略直角方向の中央部付近において切り込みの間隔を最も多く密になるように形成し、外縁に向かうに従って切り込みの間隔を少なく粗くなるように形成している
    ことを特徴とするリニア誘導モータのリアクションプレート。
  4. 請求項1又は2に記載のリニア誘導モータのリアクションプレートにおいて、
    前記導電性非鉄金属材における前記走行車両の進行方向に対して略直角方向の両端部が前記一次鉄心側と逆側に折り曲げて形成されている
    ことを特徴とするリニア誘導モータのリアクションプレート。
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