JP5443116B2 - 繊維強化プラスチック容器の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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本発明は、繊維強化プラスチック容器の製造方法及び製造装置の改良に関する。
従来から、水素ガス等の燃料を燃料電池に供給し、その電池で発電した電力により走行する車両が知られている。このような車両には、通常、燃料電池に用いられる燃料を高圧状態で収容する容器が搭載される。この容器は、強度の確保や軽量化等の観点から繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により成形される例がある。
下記引用文献1には、上述のようなFRP層が形成される耐圧容器の製造方法及び製造装置が記載されている。この製造方法としては、1本の繊維束に予め樹脂を含浸させ、この繊維束を中空円筒状のライナの外周に巻き付けて繊維層を成形するフィラメント・ワインディング(FW:Filament Winding)法が記載されている。また、下記引用文献1には、そのFW法を改良した方法であって、複数本の繊維束をライナの外周に巻き付けて繊維層を成形する方法が記載されている。FW法を改良した方法においては、複数本の繊維束をライナに巻き付けるため、1本の繊維束をライナに巻き付けるFW法に比べて容器の製造時間を短縮することができる。
特開2006−82276号公報
上記特許文献1のような製造方法においては、1本の繊維束をライナに巻き付けるFW法(以降、単給糸FW法という)に比べ、複数本の繊維束をライナに巻き付ける方法(以降、多給糸FW法という)の方が、容器の製造時間を短縮することができる。
しかしながら、多給糸FW法においては、繊維束の巻き付けの折り返し位置である、ライナの端部に設けられる口金部の領域に、繊維束が大量に折り重なってしまうため、その領域の繊維層の肉厚が単給糸FW法による肉厚に比べ大きくなってしまう。口金部の領域における繊維層の肉厚が増大すると、口金部を、その増大する肉厚を考慮してライナから軸方向に突出させなければならず、軸方向における溶器の長さが増大してしまう。容器を車両に搭載する場合、その搭載スペースは限られているため、容器の外形の大型化は問題となる。
単に、軸方向における溶器の大型化を抑制しようとすると、軸方向におけるライナの長さを小さくしなければならず、結果として容器容量が低下してしまうという問題がある。
また、軸方向における溶器の大型化を抑制しつつ、繊維束の巻き付けの折り返し位置における繊維層の肉厚の増大化を抑制しようとすると、ライナの胴部の両端に接続されるドーム部における繊維層の肉厚が減少してしまい、容器の耐圧性が低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、多給糸FW法を用いて、繊維の巻き付けの折り返し位置における繊維層の肉厚の増加を抑制するとともに、ライナのドーム部における繊維層の肉厚の減少を抑制することができる繊維強化プラスチック容器の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明の繊維強化プラスチック容器の製造方法は、胴部と、この胴部の両端に接続されるドーム部と、このドーム部の頂部に設けられた口金部とを有するライナの外周に繊維束を巻き付けて繊維層を成形し、この繊維層に含浸させた樹脂を硬化させて外殻を形成することにより容器を製造する繊維強化プラスチック容器の製造方法において、ライナに繊維束をガイドする第一の繊維束ガイドと、この第一の繊維束ガイドに対してライナの軸方向における角度が異なる第二の繊維束ガイドとを、ライナに間隔をあけてライナの周囲にそれぞれ配置するガイド配置ステップと、第一及び第二の繊維束ガイドの先端部を同一円周上に位置させて、胴部に繊維束を巻き付ける胴部巻き付けステップと、第一及び第二の繊維束ガイドの少なくとも一方のガイドの移動であって、そのガイドの軸方向における移動により、第一及び第二の繊維束ガイドの先端部を異なる円周上にそれぞれ位置させて、ドーム部に繊維束を巻き付けるドーム部巻き付けステップと、を有することを特徴とする。
また、ドーム部巻き付けステップにおけるガイドの移動は、ライナ側への第一及び第二の繊維束ガイドの移動を含むことができる。
また、ドーム部巻き付けステップにより一方のドーム部に繊維束を巻き付けた後、第一及び第二の繊維束ガイドの少なくとも一方を、ライナの軸を含む平面上に回動させるガイド回動ステップを有し、ガイド回動ステップは、ガイド回動ステップ前後の第一及び第二の繊維束ガイドの状態が、ライナの軸に直交する平面に対して対称になるようにガイドを回動させることができる。
また、第一の繊維束ガイドは、これの軸がライナの軸に対して直交するように配置され、ガイド回動ステップは、第二の繊維束ガイドのみを回動させることができる。
別の発明の繊維強化プラスチック容器の製造装置は、胴部と、この胴部の両端に接続されるドーム部と、このドーム部の頂部に設けられた口金部とを有するライナの外周に繊維束を巻き付けて繊維層を成形し、この繊維層に含浸させた樹脂を硬化させて外殻を形成することにより容器を製造する繊維強化プラスチック容器の製造装置において、ライナに間隔をあけてライナの周囲に設けられたリングユニットと、リングユニットに、周方向に間隔をあけて配置され、ライナに繊維束をガイドする繊維束ガイドと、繊維束ガイドを、これの軸方向に進退可能に移動させる移動部と、移動部を制御する制御部と、を有し、繊維束ガイドは、第一の繊維束ガイドと、この第一の繊維束ガイドに対してライナの軸方向における角度が異なる第二の繊維束ガイドとを含み、制御部は、胴部に繊維束を巻き付ける場合、第一及び第二の繊維束ガイドの先端部が同一円周上に位置するように移動部を制御し、ドーム部に繊維束を巻き付ける場合、第一及び第二の繊維束ガイドの先端部が異なる円周上にそれぞれ位置するように移動部を制御することを特徴とする。
また、制御部は、ドーム部に繊維束を巻き付ける場合、第一及び第二の繊維束ガイドをライナ側にそれぞれ移動させるように移動部を制御することができる。
また、第一及び第二の繊維束ガイドの少なくとも一方をライナの軸を含む各平面上で回動させる回動部を有し、制御部は、さらに、一方のドーム部に繊維束を巻き付けるときの第一及び第二の繊維束ガイドの状態と他方のドーム部におけるその状態とが、ライナの軸に直交する平面に対して対称となるように回動部を制御することができる。
また、第一の繊維束ガイドは、これの軸がライナの軸に対して直交するようにリングユニットに設けられ、制御部は、第二の繊維束ガイドのみを回動させるように回動部を制御することができる。
本発明の繊維強化プラスチック容器の製造方法及び製造装置によれば、多給糸FW法を用いて、繊維束の巻き付けの折り返し位置における繊維層の肉厚の増加を抑制するとともに、ライナのドーム部における繊維層の肉厚の減少を抑制することができ、それらの領域における繊維層の肉厚のムラを無くすことができる。その結果、製造時間が単給糸FW法より短いという利点を維持しながら、単給糸FW法と同程度の品質を確保することができる。
本実施形態における繊維強化プラスチック容器の製造装置の構成を示す図である。 図1のA方向から見た図である。 胴部繊巻き付けステップにおける繊維束ガイドの状態を示す図である。 一方のドーム部に対するドーム部巻き付けステップにおける繊維束ガイドの状態を示す図である。 他方のドーム部に対するドーム部巻き付けステップにおける繊維束ガイドの状態を示す図である。
以下、本発明に係る繊維強化プラスチック容器の製造装置及びその製造方法の実施形態について、図を用いて説明する。図1は、本実施形態における繊維強化プラスチック容器の製造装置(以降、単に製造装置と記す)10の構成を示す図であり、図2は、図1のA方向から見た図である。
製造装置10は、複数本の繊維束12をライナ14に巻き付ける多給糸FW法により、ライナ14の外周に繊維層を成形する装置である。製造装置10は、ライナ14に間隔をあけてライナ14の周囲に設けられたリングユニット16と、リングユニット16に配置され、ライナ14に繊維束12をガイドする繊維束ガイド18とを有する。
繊維束12は、複数の炭素繊維からなる炭素繊維束に熱可塑性樹脂を含ませて構成される。熱可塑性樹脂は、高密度ポリエチレン、ポリイミド等である。本実施形態においては、繊維束12の繊維が炭素繊維である場合について説明したが、これに限定されず、他の繊維、例えばガラス繊維であってもよい。また、本実施形態においては、繊維束12に熱可塑性樹脂が含まれる場合について説明したが、熱可塑性樹脂が含まれなくてもよい。繊維束12に熱可塑性樹脂が含まれない場合、ライナ14の外周に繊維層を成形するときに、その繊維層に熱可塑性樹脂を含ませればよい。
ライナ14は、硬質の材質からなり、例えば金属製または樹脂製である。ライナ14は、円筒状の胴部20と、胴部20の両端に接続されるドーム部22と、ドーム部22の頂部に設けられた口金部24とを有する。本実施形態におけるライナ14は、高圧ガスタンク用のライナである。
ライナ14の両端に位置する口金部24には、支持部(図示せず)がそれぞれ接続されている。支持部は、口金部24に対して着脱可能である。支持部は、ライナ14の軸26を中心に回転可能に、ライナ14を支持する。支持部には、駆動部(図示せず)が接続されており、この駆動部の動作により、ライナ14が軸26を中心に回転し、軸26方向に沿って移動する。
リングユニット16は、軸26と同軸の環状であり、その側面は、軸26に対して垂直である。本実施形態のリングユニット16は、所定に位置に固定されている。しかし、本発明は、この構成に限定されず、リングユニット16が軸26を中心に回転し、軸26方向に沿って移動するように構成されてもよい。すなわち、リングユニット16が、ライナ14に対して、軸26を中心に及び軸26方向に相対的に移動可能な構成であれば、ライナ14とリングユニット16のいずれか一方が移動しても、双方が移動してもよい。
繊維束ガイド18は、リングユニット16に、周方向に間隔をあけて複数配置される。この配置の詳細については後述する。また、繊維束ガイド18は、これの軸28(図3から5に示す)方向に進退可能に、例えばボールネジ機構(図示せず)を介してリングユニット16に支持される。本実施形態の繊維束ガイド18は、図2に示されるように、リングユニット16に20個配置されているが、本発明はこの個数に限定されず、20個より少なくても、または20個より多くてもよい。
また、装置10は、繊維束ガイド18を、これの軸28方向に移動させる移動部30と、移動部30を制御する制御部32とを有する。
移動部30は、1つの駆動源、例えば電動機を有し、この電動機の駆動により、ボールネジ機構をそれぞれ作動させて各繊維束ガイド18を移動させる。なお、本発明は、移動部30の駆動源が1個である場合に限定されず、複数個であってもよい。この場合、移動部30は、各繊維束ガイド18に対応する駆動源、例えばソレノイドをそれぞれ有し、それらの駆動源の駆動により、繊維束ガイド18を直接移動させることができる。
制御部32は、繊維束12が巻き付けられるライナ14の部位に基づいて移動部30を制御する。繊維束ガイド18が繊維束12をより正確にガイドするために、繊維束ガイド18の先端部34と繊維束12が巻き付けられるライナ14の外周面との距離を小さくする必要があるからである。
具体的には、制御部32は、繊維束12が巻き付けられる領域がドーム部22である場合、胴部20のときに比べ、繊維束ガイド18をライナ14側に移動させるよう移動部30を制御する。また、繊維束12が巻き付けられる領域がドーム部22である場合においては、制御部32は、繊維束12の巻き付け作業が口金部24に近づくにつれて繊維束ガイド18をライナ14側に徐々に移動させるよう移動部30を制御する。このような制御により、繊維束ガイド18の先端部34と繊維束12が巻き付けられるライナ14の外周面との距離を所定の範囲内に保つことができるので、ライナ14に繊維束12を正確にガイドすることができる。
本実施形態における装置10は、リングユニット16に、ライナ14の軸26に対する角度が異なる、言い換えればリングユニット16の側面に対する角度が異なるように配置された2種の繊維束ガイド18を有することを特徴とする。以降、この2種の繊維束ガイド18のうち、一方を第一の繊維束ガイド18a、他方を第二の繊維束ガイド18bと記す。第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bは、リングユニット16上に、例えば交互に配列される。
第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bの構成について図を用いて説明する。図3は、胴部20に繊維束12を巻き付けるときの繊維束ガイド18の状態を示す図であり、図4は、一方のドーム部22aに繊維束12を巻き付けるときの繊維束ガイド18の状態を示す図であり、図5は、他方のドーム部22bに繊維束12を巻き付けるときの繊維束ガイド18の状態を示す図である。これらの図は、一例として隣り合う第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bを挙げ、これらのガイドの状態を示す。
第一の繊維束ガイド18aは、これの軸28aがライナ14の軸26に対して直交するようにリングユニット16に設けられる。一方、第二の繊維束ガイド18bは、これの軸28bが第一の繊維束ガイド18aの軸28aに対して角度αで交わるようにリングユニット16に設けられる。
胴部20に繊維束12を巻き付ける場合、図3に示されるように、第一の繊維束ガイド18aの先端部34aと第二の繊維束ガイド18bの先端部34bとが、ライナ14の軸26を中心とした同一円周上に位置している。この構成により、第一の繊維束ガイド18aによりガイドされる繊維束12aと、第二の繊維束ガイド18bによりガイドされる繊維束12bとが、胴部20において並ぶように巻き付けられる。
そして、ドーム部22に繊維束12を巻き付ける場合、第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bが移動部30によってライナ14側に移動して、図4のような状態になる。すなわち、第一の繊維束ガイド18aの軸28aと第二の繊維束ガイド18bの軸28bとは角度αで交差しているので、移動部30により第一及び第二繊維束ガイド18a,18bがそれらの軸28a,28bに沿って移動すると、第一の繊維束ガイド18aの先端部34aと第二の繊維束ガイド18bの先端部34bとが、上述の同一円周上から異なる円周上にそれぞれ位置するようになる。
このように、先端部34a,34bの位置が異なる円周上になることにより、それらから給糸される繊維束12a,12bのルートがずれ、両繊維束12a,12bが、ドーム部22において間隔をあけて巻き付けられる。両繊維束12a,12bの間隔があくので、繊維束12の巻き付けの折り返し位置である口金部24の領域に、繊維束12aが巻き付けられるとき、繊維束12bはそれより胴部20側に巻き付けられる。したがって、巻き付けの折り返し動作を行なった場合、口金部24の領域に、繊維束12が大量に折り重なってしまうことを抑制することができ、その領域における肉厚を単給糸FW法による肉厚と同程度にすることができる。
また、本実施形態における装置10は、第二の繊維束ガイド18bを、ライナ14の軸26を含む平面上で回動させる回動部(図示せず)を有する。回動部は、1つの駆動源、例えば電動機を有し、この電動機の駆動により、各第二の繊維束ガイド18bを回動させる。なお、本発明は、回動部の駆動源が1個である場合に限定されず、複数個であってもよい。この場合、回動部は、各第二の繊維束ガイド18bに対応する駆動源をそれぞれ有し、それらの駆動源の駆動により、第二の繊維束ガイド18bを回動させることができる。
そして、制御部30は、この回動部を制御する機能を有する。すなわち、制御部30は、一方のドーム部22aに繊維束12を巻き付けるときの第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bの状態(図4参照)と、他方のドーム部22bにおけるその状態(図5参照)とが、ライナ14の軸26に直交する平面に対して対称となるように回動部を制御する。具体的には、制御部30は、第二の繊維束18bの回動により、第二の繊維束18bの軸28bが軸28aに対して角度αで再び交わるように回動部を制御する。これにより、図5に示されるように、他方のドーム部22bに繊維束12を巻き付ける場合であっても、図4に示される状態と同様、第一の繊維束ガイド18aの先端部34aと第二の繊維束ガイド18bの先端部34bとの位置を異なる円周上にすることができる。
次に、本実施形態における製造装置10の動作、すなわち製造方法について説明する。ここで、第一の繊維束ガイド18aは、これの軸28aがライナの軸26に対して直交するようにリングユニット16に配置され、第二の繊維束ガイド18bが、これの軸28bが軸28aに対して角度αで交わるようにリングユニット16に配置されているものとする。
まず、ライナ14を支持部に取り付ける。そして、繊維束ガイド18から給糸される繊維束12の先端をライナ14の所定位置、例えば胴部20にそれぞれ固定する。
次に、移動部30により、第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bの先端部34a,34bを同一円周上に位置するように、各ガイド18a,18bを移動させる。その後、駆動部によりライナ14を回転させるとともに、軸26方向、例えば図3に示される矢印B側に移動させる。この動作により、繊維束12が胴部20の外周にヘリカル状に巻き付けられる。
ライナ14の移動により繊維束12の巻き付け領域がドーム部22aになると、移動部30により、第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bをライナ側にそれぞれ移動させる。この移動により、第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bの先端部34a,34bが異なる円周上にそれぞれ位置する。
そして、繊維束12の巻き付け領域が口金部24になると、駆動部によりライナ14を、矢印Bに対して反対方向、すなわち図4に示される矢印C側に移動させる。このとき、繊維束12の巻き付けの折り返し位置には、第一の繊維束ガイド18aから給糸される繊維束12aしか巻き付けられないので、従来技術に比べ、折り返しに伴う繊維束12同士の重なりが半減される。
その後、ライナ14の移動により繊維束12の巻き付け領域が胴部20へ向かうにつれて、移動部30により、第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bの先端部34a,34bを同一円周上に位置するように、第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bをそれぞれ移動させる。
そして、繊維束12の巻き付け領域が胴部20になると、回動部により第二の繊維束ガイド18bを回動させる。なお、繊維束12の巻き付け領域がドーム部22bにおける製造装置10の動作は、ドーム部22aのそれと同様であるため、詳細な説明は省略する。
ライナ14を軸26方向において往復運動させることにより、所定数の層からなる樹脂層がライナ14の外周に成形される。そして、繊維束12の後端をライナ14に固定した後、その固定部において繊維束12を切断し、ライナ14を支持部から取り外し、所定温度で樹脂を硬化させる。これにより、強化繊維プラスチックの容器が形成される。
本実施形態における製造方法によれば、各先端部34a,34bをずらすことにより、繊維束12の巻き付けの折り返し位置には、第一の繊維束ガイド18aから給糸される繊維束12aしか巻き付けられないので、従来技術に比べ、折り返しに伴う繊維束12同士の重なりが低減される。したがって、口金部24近傍の繊維層の肉厚の増加を抑制するとともに、ドーム部22における繊維層の肉厚の減少を抑制することができ、それらの領域における繊維層の肉厚のムラを無くすことができる。その結果、製造時間が単給糸FW法より短いという利点を維持しながら、単給糸FW法と同程度の品質を確保することができる。
本実施形態においては、第一の繊維束ガイド18aが、これの軸28aがライナの軸26に対して直交するようにリングユニット16に設けられる場合ついて説明したが、この構成に限定されない。両繊維束ガイド18a,18bの移動により両先端部34a,34bが同一円周上に位置するとともに、異なる円周上にそれぞれ位置することができるのであれば、第一の繊維束ガイド18aが、第二の繊維束ガイド18bに対して軸26方向における角度が異なるように配置されていればよい。この場合、回転部は、回動前後において、両繊維束ガイド18a,18bの状態が、ライナ14の軸26に直交する平面に対して対称になるようにそれらのガイド18a,18bを回動させることが好適である。
本実施形態においては、移動部30が、繊維束12の巻き付け領域がドーム部22である場合、両繊維束ガイド18a,18bを移動させる場合について説明したが、この構成に限定されない。繊維束12の折り返し時において、両先端部34a,34bが異なる円周上にそれぞれ位置するのであれば、移動部30が、両繊維束ガイド18a,18bの一方のみを移動させてもよい。
本実施形態においては、繊維束ガイド18が、ライナ14の軸26に対する角度がそれぞれ異なる第一及び第二の繊維束ガイド18a,18bを有する場合について説明したが、この構成に限定されない。さらに、これらのガイド18a,18bとは、ライナ14の軸26に対する角度が異なる繊維束ガイドを有することができる。
10 繊維強化プラスチック容器の製造装置、12 繊維束、14 ライナ、16 リングユニット、18 繊維束ガイド、20 胴部、22ドーム部、24 口金部、26 ライナの軸、28 繊維束ガイドの軸、30 移動部、32 制御部、34 先端部。

Claims (8)

  1. 胴部と、この胴部の両端に接続されるドーム部と、このドーム部の頂部に設けられた口金部とを有するライナの外周に繊維束を巻き付けて繊維層を成形し、この繊維層に含浸させた樹脂を硬化させて外殻を形成することにより容器を製造する繊維強化プラスチック容器の製造方法において、
    ライナに繊維束をガイドする第一の繊維束ガイドと、この第一の繊維束ガイドに対してライナの軸方向における角度が異なる第二の繊維束ガイドとを、ライナに間隔をあけてライナの周囲にそれぞれ配置するガイド配置ステップと、
    第一及び第二の繊維束ガイドの先端部を同一円周上に位置させて、胴部に繊維束を巻き付ける胴部巻き付けステップと、
    第一及び第二の繊維束ガイドの少なくとも一方のガイドの移動であって、そのガイドの軸方向における移動により、第一及び第二の繊維束ガイドの先端部を異なる円周上にそれぞれ位置させて、ドーム部に繊維束を巻き付けるドーム部巻き付けステップと、
    を有することを特徴とする繊維強化プラスチック容器の製造方法。
  2. 請求項1に記載の繊維強化プラスチック容器の製造方法において、
    ドーム部巻き付けステップにおけるガイドの移動は、ライナ側への第一及び第二の繊維束ガイドの移動を含む、
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック容器の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック容器の製造方法において、
    ドーム部巻き付けステップにより一方のドーム部に繊維束を巻き付けた後、第一及び第二の繊維束ガイドの少なくとも一方を、ライナの軸を含む平面上に回動させるガイド回動ステップを有し、
    ガイド回動ステップは、ガイド回動ステップ前後の第一及び第二の繊維束ガイドの状態が、ライナの軸に直交する平面に対して対称になるようにガイドを回動させる、
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック容器の製造方法。
  4. 請求項に記載の繊維強化プラスチック容器の製造方法において、
    第一の繊維束ガイドは、これの軸がライナの軸に対して直交するように配置され、
    ガイド回動ステップは、第二の繊維束ガイドのみを回動させる、
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック容器の製造方法。
  5. 胴部と、この胴部の両端に接続されるドーム部と、このドーム部の頂部に設けられた口金部とを有するライナの外周に繊維束を巻き付けて繊維層を成形し、この繊維層に含浸させた樹脂を硬化させて外殻を形成することにより容器を製造する繊維強化プラスチック容器の製造装置において、
    ライナに間隔をあけてライナの周囲に設けられたリングユニットと、
    リングユニットに、周方向に間隔をあけて配置され、ライナに繊維束をガイドする繊維束ガイドと、
    繊維束ガイドを、これの軸方向に進退可能に移動させる移動部と、
    移動部を制御する制御部と、
    を有し、
    繊維束ガイドは、第一の繊維束ガイドと、この第一の繊維束ガイドに対してライナの軸方向における角度が異なる第二の繊維束ガイドとを含み、
    制御部は、胴部に繊維束を巻き付ける場合、第一及び第二の繊維束ガイドの先端部が同一円周上に位置するように移動部を制御し、ドーム部に繊維束を巻き付ける場合、第一及び第二の繊維束ガイドの先端部が異なる円周上にそれぞれ位置するように移動部を制御する、
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック容器の製造装置。
  6. 請求項に記載の繊維強化プラスチック容器の製造装置において、
    制御部は、ドーム部に繊維束を巻き付ける場合、第一及び第二の繊維束ガイドをライナ側にそれぞれ移動させるように移動部を制御する、
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック容器の製造装置。
  7. 請求項又はに記載の繊維強化プラスチック容器の製造装置において、
    第一及び第二の繊維束ガイドの少なくとも一方を、ライナの軸を含む各平面上で回動させる回動部を有し、
    制御部は、さらに、一方のドーム部に繊維束を巻き付けるときの第一及び第二の繊維束ガイドの状態と他方のドーム部におけるその状態とが、ライナの軸に直交する平面に対して対称となるように回動部を制御する、
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック容器の製造装置。
  8. 請求項に記載の繊維強化プラスチック容器の製造装置において、
    第一の繊維束ガイドは、これの軸がライナの軸に対して直交するようにリングユニットに設けられ、
    制御部は、第二の繊維束ガイドのみを回動させるように回動部を制御する、
    ことを特徴とする繊維強化プラスチック容器の製造装置。
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