JP5441708B2 - 低減されたニコチンデメチラーゼ活性を有するタバコ植物 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、2006年12月15日に提出された米国特許出願第11/611,782号の恩典を主張する。
1.技術分野
本発明は一般的に、低減されたニコチンデメチラーゼ活性を有するタバコ植物に関連する組成物および方法に向けられる。
2.背景情報
タバコ植物は、ニコチンをN-脱メチル化して、ノルニコチンを形成することが知られており、ノルニコチンは、乾燥させた葉における微生物の媒介によるN-ニトロソノルニコチン(以降、「NNN」)の形成のための前駆体として知られている副アルカロイドである。N-脱メチル化反応は、酵素ニコチンデメチラーゼ(NDM)によって触媒される。タバコにおいて、基質のニコチンから産物のノルニコチンへの変換を低減させる現在の方法は、商業的種子生産のために用いられる原種ロットから変換体植物(converter plants)を消失させるために選別を利用している。しかし、選別された種子から直接産生された種子は、なおも変換体(converters)を含有する。
本明細書において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子に変異を有する、またはニコチンデメチラーゼ遺伝子からの配列を含む二本鎖RNAを発現するタバコ植物、ハイブリッド、品種、および系統の産生に関連する組成物および方法を提供する。
本明細書において、タバコのハイブリッド、品種、および系統が提供される。タバコのハイブリッド、品種、または系統は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する植物を含みうる。ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する植物は、非変換体表現型(non-converter phenotype)を有することができ、そのような植物の子孫は、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を含む植物を含む対応するタバコのハイブリッド、品種、または系統の復帰変異率(reversion rate)と比較して、少なくとも2倍(たとえば、10倍〜1000倍、または2倍〜100倍)低減された復帰変異率を有しうる。タバコのハイブリッド、品種、または系統は、バーレー型、ダーク型、熱風乾燥型、またはオリエンタル型タバコとなりうる。タバコのハイブリッド、品種、または系統は、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)のハイブリッド、品種、または系統となりうる。品種は本質的に、
Figure 0005441708
に由来しうる。
同様に、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子を有する植物を含むタバコのハイブリッド、品種および系統も提供される。一定の態様において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座における変異対立遺伝子は、アミノ酸329位のトリプトファンが終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2;アミノ酸107位のプロリンがアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンからなる群より選択されるアミノ酸に置換されているSEQ ID NO:2;アミノ酸163位のイソロイシンがメチオニンに置換され、アミノ酸309位のリジンがグルタミン酸に置換され、アミノ酸353位のグリシンがシステインに置換され、およびアミノ酸452位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2;アミノ酸416位のグルタミンがロイシンに置換され、およびアミノ酸423位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2;アミノ酸163位のイソロイシンがメチオニンに置換され、アミノ酸309位のリジンがグルタミン酸に置換され、アミノ酸353位のグリシンがシステインに置換され、アミノ酸416位のグルタミンがロイシンに置換され、アミノ酸423位のセリンがプロリンに置換され、およびアミノ酸452位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2;アミノ酸配列が I163M、L309E、G353C、Q416L、S423P、およびS452Pからなる群より選択される三つの置換を含むSEQ ID NO:2;アミノ酸P107が欠失しているSEQ ID NO:2;I163、L309、G353、Q416、S423、およびS452からなる群より選択される少なくとも三つのアミノ酸が欠失しているSEQ ID NO:2;一つまたは二つのアミノ酸の挿入が、P107、I163、L309、G353、Q416、S423、およびS452からなる群より選択されるアミノ酸に隣接するSEQ ID NO:2;1位〜328位の任意の位置でのアミノ酸が終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2;ならびに330位〜457位の任意の位置でのアミノ酸が終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする。一つの特定の態様において、変異対立遺伝子は、アミノ酸107位のプロリンがロイシンに置換されているSEQ ID NO:2に記載される配列を含むアミノ酸配列をコードする。
他の態様において、変異対立遺伝子は、核酸+2021位のグアニンがアデニンに置換されているSEQ ID NO:1;核酸+2291位のグアニンがアデニンに置換されているSEQ ID NO:1;スプライスドナーがイントロンに挿入されているSEQ ID NO:1;およびスプライスアクセプターがイントロンに挿入されているSEQ ID NO:1からなる群より選択される核酸配列を含む。一つの特定の態様において、ハイブリッド、品種、または系統は、ニコチアナ・タバカムのハイブリッド、品種、または系統である。もう一つの態様において、品種は、本質的に
Figure 0005441708
に由来する。
一定の他の態様において、本発明は、タバコ植物を作製する方法に向けられる。特定の態様において、タバコ植物を作製する方法は、ニコチアナ種の細胞において変異誘発を誘導する段階、細胞から一つまたは複数の植物を得る段階、および少なくとも一つの変異を有するニコチンデメチラーゼ遺伝子を含有するそのような植物の少なくとも一つを同定する段階を含む。他の態様において、方法は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において少なくとも一つの変異を含有する植物を、第二のニコチアナ植物と交配させる段階、およびニコチンデメチラーゼ遺伝子変異を有する交配の子孫を選択する段階をさらに含む。一定の態様において、変異は、アミノ酸329位のトリプトファンが終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;アミノ酸107位のプロリンがアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンからなる群より選択されるアミノ酸に置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;アミノ酸163位のイソロイシンがメチオニンに置換され、アミノ酸309位のリジンがグルタミン酸に置換され、アミノ酸353位のグリシンがシステインに置換され、およびアミノ酸452位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;アミノ酸416位のグルタミンがロイシンに置換され、およびアミノ酸423位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;アミノ酸163位のイソロイシンがメチオニンに置換され、アミノ酸309位のリジンがグルタミン酸に置換され、アミノ酸353位のグリシンがシステインに置換され、アミノ酸416位のグルタミンがロイシンに置換され、アミノ酸423位のセリンがプロリンに置換され、およびアミノ酸452位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;I163M、L309E、G353C、Q416L、S423P、およびS452Pからなる群より選択される三つの置換を含むSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;アミノ酸P107が欠失しているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;I163、L309、G353、Q416、S423、およびS452からなる群より選択される少なくとも三つのアミノ酸が欠失しているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;一つまたは二つのアミノ酸の挿入が、P107、I163、L309、G353、Q416、S423、およびS452からなる群より選択されるアミノ酸に隣接するSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;1〜328位の任意の位置のアミノ酸が終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;330〜457位の任意の位置でのアミノ酸が、核酸+2021位のグアニンがアデニンに置換されているSEQ ID NO:1に記載の配列を含むニコチンデメチラーゼ遺伝子において終止コドンに置換されている、SEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;核酸+2291位のグアニンがアデニンに置換されているSEQ ID NO:1に記載の配列を含むニコチンデメチラーゼ遺伝子;スプライスドナーがイントロンに挿入されているSEQ ID NO:1に記載の配列を含むニコチンデメチラーゼ遺伝子;スプライスアクセプターがイントロンに挿入されているSEQ ID NO:1に記載の配列を含むニコチンデメチラーゼ遺伝子を含む。特定の態様において、ニコチアナ種の細胞において変異誘発を誘導する段階は種子において行われる。
いくつかの態様において、第二のタバコ植物は、耐病性;高収量;高いグレード指数(high grade index);乾燥性;乾燥品質;機械的収穫性;保持能(holding ability);葉の品質;高さ、植物の成熟(たとえば、早期成熟、早期から中期の成熟、中期成熟、中期から晩期の成熟、または晩期成熟);茎の大きさ(たとえば、小さい、中等度、または大きい茎);または植物あたりの葉の数(たとえば、少ない(5〜10枚)、中等度(たとえば、11〜15枚)、もしくは多数の葉(たとえば、16〜21枚))などの表現型形質を示す。なお他の態様において、方法にはさらに、自家受粉させる、またはハイブリッドもしくは雄性不稔性ハイブリッドの産生において用いることができる花粉ドナーを雄性不稔性花粉アクセプターに受粉させる段階が含まれる。雄性不稔性花粉アクセプター植物または花粉ドナー植物のいずれかは、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座において変異対立遺伝子を有する。いくつかの場合において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座における双方の対立遺伝子が、変異対立遺伝子である。
同様に本明細書において、乾燥させたタバコ材料が提供される。一定の態様において、乾燥タバコは、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する植物を含むハイブリッド、品種、または系統から作製される。他の態様において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有するタバコ植物は、非変換体表現型を有する。他の態様において、植物の子孫は、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を有する植物を含む対応するハイブリッド、品種、または系統と比較して低減された復帰変異率を有する。他の態様において、乾燥タバコは、ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片を含むRNAi構築物によって形質転換された植物を含むハイブリッド、品種、または系統から作製される。他の態様において、乾燥タバコは、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、およびSEQ ID NO:8からなる群より選択される核酸配列を含むRNAi構築物によって形質転換された植物を含むハイブリッド、品種、または系統から作製される。一定の態様において、乾燥タバコ材料は、熱風乾燥、空気乾燥、火力乾燥、および天日乾燥からなる群より選択される乾燥プロセスによって作製される。
同様に、タバコ製品が本明細書において提供される。一つの特定の態様において、タバコ製品は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子を有する植物を含むハイブリッド、品種、または系統から得られた乾燥タバコ材料を含む。他の態様において、乾燥タバコは、ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片を含むRNAi構築物によって形質転換された植物を含むハイブリッド、品種、または系統から作製される。他の態様において、乾燥タバコは、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、およびSEQ ID NO:8からなる群より選択される核酸配列を含むRNAi構築物によって形質転換された植物を含むハイブリッド、品種、または系統から作製される。一定の態様において、タバコ製品は、紙巻きタバコ、葉巻タバコ、パイプタバコ製品、無煙タバコ製品、フィルム、タブ、ゲル、成型部分(shaped part)、ロッドまたはフォーム(foam)である。
本明細書において、M1タバコ植物およびM1タバコ植物の子孫が提供される。M1タバコ植物は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子に関してヘテロ接合となりえて、植物の第一世代自家受粉子孫の少なくとも一部が非変換体表現型を示す子孫を産生しうる。M1タバコ植物の子孫は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で野生型対立遺伝子を含む対応するタバコ植物の子孫の復帰変異率より統計学的に有意に低い割合で変換体表現型(converter phenotype)へと復帰変異することができる。M1タバコ植物は、非変換体表現型を示すことができ、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で野生型対立遺伝子からなる対応するタバコ植物の子孫の復帰変異率より統計学的に有意に低い割合で変換体表現型へと復帰変異することができる子孫を産生することができる。一つの特定の態様において、植物または子孫は、本質的に
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に由来する。
同様に、本明細書において、その植物がニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片を含むRNAi構築物によって形質転換され、RNAi構築物を欠損する対照タバコのハイブリッド、品種、または系統の植物と比較して、ニコチンデメチラーゼ遺伝子の発現の減少を示す、タバコのハイブリッド、品種または系統が提供される。ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片は、長さが25〜500ヌクレオチドまたは100〜300ヌクレオチドとなりうる。タバコのハイブリッド、品種または系統は、バーレー型、ダーク型、熱風乾燥型、またはオリエンタル型タバコとなりうる。タバコのハイブリッド、品種、または系統は、ニコチアナ・タバカムのハイブリッド、品種、または系統となりうる。品種は本質的に、
Figure 0005441708
に由来しうる。ハイブリッド、品種、または系統は、ニコチアナ・タバカムのハイブリッド、品種、または系統となりうる。
同様に、本明細書において、その植物が、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、およびSEQ ID NO:8からなる群より選択される核酸配列を含むRNAi構築物によって形質転換され、RNAi構築物を欠損する対照タバコのハイブリッド、品種、または系統の植物と比較して、ニコチンデメチラーゼ遺伝子の発現の減少を示す、タバコのハイブリッド、品種、または系統が提供される。品種は、本質的に
Figure 0005441708
に由来しうる。
本明細書において、タバコ植物を作製する方法が提供される。方法は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片を含むRNAi構築物をニコチアナ植物の細胞に導入する段階、細胞から一つまたは複数の植物を得る段階、RNAi構築物を欠損する対応するタバコ植物と比較してニコチンデメチラーゼ遺伝子の発現の減少を示す植物の少なくとも一つを同定する段階を含む。方法はさらに、RNAi構築物を含有する植物を第二のニコチアナ植物と交配させる段階、およびRNAi構築物を欠損する対応するタバコ植物と比較してニコチンデメチラーゼ遺伝子の発現の減少を示す交配の子孫を選択する段階を含みうる。
一定の他の態様において、本発明は、タバコ植物を作製する方法に向けられる。特定の態様において、タバコ植物を作製する方法は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片を含むRNAi構築物により形質転換された植物を、第二のニコチアナ植物と交配させる段階;およびRNAi構築物を有するその交配の子孫を選択する段階を含む。
いくつかの態様において、第二のタバコ植物は、耐病性;高収量;高いグレード指数;乾燥性;乾燥品質;機械的収穫性;保持能;葉の品質;高さ、植物の成熟(たとえば、早期成熟、早期から中期の成熟、中期成熟、中期から晩期の成熟、または晩期成熟);茎の大きさ(たとえば、小さい、中等度、または大きい茎);または植物あたりの葉の数(たとえば、少ない(5〜10枚)、中等度(たとえば、11〜15枚)、もしくは多数の葉(たとえば、16〜21枚))などの表現型形質を示す。なお他の態様において、方法には、自家受粉させる、またはハイブリッドもしくは雄性不稔性ハイブリッドの産生において用いることができる花粉ドナーを雄性不稔性花粉アクセプターに受粉させる段階が含まれる。雄性不稔性花粉アクセプター植物または花粉ドナー植物のいずれかを、ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片を含むRNAi構築物によって形質転換する。
特に定義していなければ、本明細書において用いられる全ての科学技術用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書における記述と類似または同等の方法および材料を本発明の実践において用いることができるが、適した方法および材料を以下に記述する。本明細書において言及した全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる。矛盾する場合は、定義を含めて本発明が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は説明するために限られ、制限的ではないと意図される。
本発明の一つまたは複数の態様の詳細を以下の添付の図面および詳細な説明において記載する。本発明の他の特色、目的、および長所は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかとなる。
[請求項101]
非変換体表現型(non-converter phenotype)を示す、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する植物を含む、タバコのハイブリッド、品種、または系統であって、前記植物の子孫が、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を有する植物を含む対応するタバコのハイブリッド、品種、または系統の復帰変異率(reversion rate)と比較して少なくとも2倍低減されている復帰変異率を有する、タバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項102]
ハイブリッド、品種、または系統が、バーレー型タバコ植物を含む、請求項101記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項103]
子孫が、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を含む植物を含む対応するタバコのハイブリッド、品種、または系統の復帰変異率と比較して10倍〜1000倍低減された復帰変異率を有する、請求項102記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項104]
ハイブリッド、品種、または系統が、ダーク型タバコ植物を含む、請求項101記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項105]
子孫が、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を含む植物を含む対応するタバコのハイブリッド、品種、または系統の復帰変異率と比較して2倍〜100倍低減された復帰変異率を有する、請求項104記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項106]
ハイブリッド、品種、または系統が、熱風乾燥型タバコ植物を含む、請求項101記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項107]
子孫が、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を含む植物を含む対応するタバコのハイブリッド、品種、または系統の復帰変異率と比較して2倍〜100倍低減された世代あたりの割合で変換体表現型(converter phenotype)に復帰変異する、請求項106記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項108]
ハイブリッド、品種、または系統が、オリエンタル型タバコ植物を含む、請求項101記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項109]
子孫が、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を含む植物を含む対応するタバコのハイブリッド、品種、または系統の復帰変異率と比較して2倍〜100倍低減された世代あたりの割合で変換体表現型に復帰変異する、請求項108記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項110]
ハイブリッド、品種、または系統が、品種である、請求項101記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項111]
ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子を有する植物を含むタバコのハイブリッド、品種、または系統であって、前記変異対立遺伝子が以下からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする、タバコのハイブリッド、品種、または系統:
a)アミノ酸329位のトリプトファンが終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2;
b)アミノ酸107位のプロリンがアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンからなる群より選択されるアミノ酸に置換されているSEQ ID NO:2;
c)アミノ酸163位のイソロイシンがメチオニンに置換され、アミノ酸309位のリジンがグルタミン酸に置換され、アミノ酸353位のグリシンがシステインに置換され、およびアミノ酸452位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2;
d)アミノ酸416位のグルタミンがロイシンに置換され、およびアミノ酸423位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2;
e)アミノ酸163位のイソロイシンがメチオニンに置換され、アミノ酸309位のリジンがグルタミン酸に置換され、アミノ酸353位のグリシンがシステインに置換され、アミノ酸416位のグルタミンがロイシンに置換され、アミノ酸423位のセリンがプロリンに置換され、およびアミノ酸452位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2;
f)アミノ酸配列が I163M、L309E、G353C、Q416L、S423P、およびS452Pからなる群より選択される三つの置換を含むSEQ ID NO:2;
g)アミノ酸P107が欠失しているSEQ ID NO:2;
h)I163、L309、G353、Q416、S423、およびS452からなる群より選択される少なくとも三つのアミノ酸が欠失しているSEQ ID NO:2;
i)一つまたは二つのアミノ酸の挿入が、P107、I163、L309、G353、Q416、S423、およびS452からなる群より選択されるアミノ酸に隣接するSEQ ID NO:2;
j)1〜328位の任意の位置でのアミノ酸が終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2;ならびに
k)330〜457位の任意の位置でのアミノ酸が終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2。
[請求項112]
タバコのハイブリッド、品種、または系統が、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)のハイブリッド、品種、または系統である、請求項111記載のハイブリッド、品種、または系統。
[請求項113]
ハイブリッド、品種、または系統が、品種である、請求項111記載のハイブリッド、品種、または系統。
[請求項114]
変異対立遺伝子が、アミノ酸107位のプロリンがロイシンに置換されているSEQ ID NO:2に記載の配列を含むアミノ酸配列をコードする、請求項111記載のハイブリッド、品種、または系統。
[請求項115]
ニコチンデメチラーゼをコードする遺伝子において変異対立遺伝子を有する植物を含むタバコのハイブリッド、品種、または系統であって、前記変異対立遺伝子が、以下からなる群より選択される核酸配列を含む、タバコのハイブリッド、品種、または系統:
a)核酸+2021位のグアニンがアデニンに置換されているSEQ ID NO:1;
b)核酸+2291位のグアニンがアデニンに置換されているSEQ ID NO:1;
c)スプライスドナーがイントロンに挿入されているSEQ ID NO:1;および
d)スプライスアクセプターがイントロンに挿入されているSEQ ID NO:1。
[請求項116]
ハイブリッド、品種、または系統が、品種である、請求項115記載のハイブリッド、品種、または系統。
[請求項117]
品種が、本質的に
Figure 0005441708
に由来する請求項110、113、または116のいずれか一項記載の品種。
[請求項118]
以下の段階を含む、タバコ植物を作製する方法:
a)ニコチアナ種の細胞において変異誘発を誘導する段階;
b)前記細胞から一つまたは複数の植物を得る段階;
c)以下からなる群より選択される少なくとも一つの変異を有するニコチンデメチラーゼ遺伝子を含有する前記植物の少なくとも一つを同定する段階:
i)アミノ酸329位のトリプトファンが終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;
ii)アミノ酸107位のプロリンがアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンからなる群より選択されるアミノ酸に置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;
iii)アミノ酸163位のイソロイシンがメチオニンに置換され、アミノ酸309位のリジンがグルタミン酸に置換され、アミノ酸353位のグリシンがシステインに置換され、およびアミノ酸452位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;
iv)アミノ酸416位のグルタミンがロイシンに置換され、およびアミノ酸423位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;
v)アミノ酸163位のイソロイシンがメチオニンに置換され、アミノ酸309位のリジンがグルタミン酸に置換され、アミノ酸353位のグリシンがシステインに置換され、アミノ酸416位のグルタミンがロイシンに置換され、アミノ酸423位のセリンがプロリンに置換され、およびアミノ酸452位のセリンがプロリンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;
vi)SEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子であって、前記アミノ酸配列がI163M、L309E、G353C、Q416L、S423P、およびS452Pからなる群より選択される三つの置換を含む、ニコチンデメチラーゼ遺伝子;
vii)アミノ酸P107が欠失しているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;
viii)I163、L309、G353、Q416、S423、およびS452からなる群より選択される少なくとも三つのアミノ酸が欠失しているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;
ix)一つまたは二つのアミノ酸の挿入が、P107、I163、L309、G353、Q416、S423、およびS452からなる群より選択されるアミノ酸に隣接するSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;ならびに
x)1〜328位の任意の位置でのアミノ酸が終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;
xi)330〜457位の任意の位置でのアミノ酸が終止コドンに置換されている、SEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;
xii)核酸+2021位のグアニンがアデニンに置換されているSEQ ID NO:1に記載の配列を含むニコチンデメチラーゼ遺伝子;
xiii)核酸+2291位のグアニンがアデニンに置換されているSEQ ID NO:1に記載の配列を含むニコチンデメチラーゼ遺伝子;
xiv)スプライスドナーがイントロンに挿入されているSEQ ID NO:1に記載の配列を含むニコチンデメチラーゼ遺伝子;ならびに
xv)スプライスアクセプターがイントロンに挿入されているSEQ ID NO:1に記載の配列を含むニコチンデメチラーゼ遺伝子。
[請求項119]
以下の段階をさらに含む、請求項118記載の方法:
前記ニコチンデメチラーゼ遺伝子において前記少なくとも一つの変異を含有する前記植物を第二のニコチアナ植物と交配させる段階;および
前記ニコチンデメチラーゼ遺伝子において前記少なくとも一つの変異を有する前記交配の子孫を選択する段階。
[請求項120]
細胞が種子に存在する、請求項118記載の方法。
[請求項121]
以下の段階を含む、タバコ植物を産生するための方法:
a)変種ニコチンデメチラーゼ遺伝子発現を有する第一のタバコ植物および所望の表現型形質を含有する第二のタバコ植物を提供する段階;
b)前記第一のタバコ植物を前記第二のタバコ植物と交配させて、一つまたは複数のF 1 子孫植物を産生する段階;
c)前記変種ニコチンデメチラーゼ遺伝子発現に関して前記F 1 子孫によって産生された種子を収集する段階;および
d)前記種子を発芽させて、ニコチンデメチラーゼ遺伝子の発現の減少を有するタバコ植物を産生する段階。
[請求項122]
前記第一のタバコ植物が、変異を有する内因性のニコチンデメチラーゼ遺伝子を含む、請求項121記載の方法。
[請求項123]
前記第一のタバコ植物が、欠失、置換、点突然変異、転座、逆位、重複、または挿入である変異を含む、請求項122記載の方法。
[請求項124]
前記第一のタバコ植物が、ヌル変異を有するニコチンデメチラーゼ遺伝子を含む、請求項121記載の方法。
[請求項125]
前記第一のタバコ植物がニコチアナ・タバカムである、請求項121記載の方法。
[請求項126]
第一のタバコ植物がオリエンタルタバコ植物、ダークタバコ植物、熱風乾燥タバコ植物、空気乾燥タバコ、バージニアタバコ植物、またはバーレータバコ植物である、請求項121記載の方法。
[請求項127]
第二のタバコ植物が、ニコチアナ・タバカムである、請求項121記載の方法。
[請求項128]
第二のタバコ植物がオリエンタルタバコ植物、ダークタバコ植物、熱風乾燥タバコ植物、空気乾燥タバコ、バージニアタバコ植物、またはバーレータバコ植物である、請求項121記載の方法。
[請求項129]
所望の表現型形質が、耐病性;高収量;高いグレード指数;乾燥性;乾燥品質;機械的収穫性;保持能(holding ability);葉の品質;高さ;成熟;茎の大きさ;および植物あたりの葉の数からなる群より選択される、請求項121記載の方法。
[請求項130]
第二のタバコ植物が雄性不稔性品種または雄性不稔性ハイブリッドである、請求項127記載の方法。
[請求項131]
段階(d)の発芽種子から産生された前記タバコ植物を、前記雄性不稔性品種または雄性不稔性ハイブリッドの植物に戻し交配する段階をさらに含む、請求項130記載の方法。
[請求項132]
請求項101、111、または115のいずれか一項記載のハイブリッド、品種、または系統から作製された乾燥タバコ。
[請求項133]
乾燥タバコが、熱風乾燥、空気乾燥、火力乾燥、および天日乾燥からなる群より選択される乾燥プロセスによって作製される、請求項132記載の乾燥タバコ。
[請求項134]
請求項132記載の乾燥タバコを含むタバコ製品。
[請求項135]
タバコ製品が、紙巻きタバコ、葉巻タバコ、パイプタバコ製品、無煙タバコ製品、フィルム、タブ、ゲル、成型部分(shaped part)、ロッドおよびフォーム(foam)である、請求項134記載のタバコ製品。
[請求項136]
前記植物の第一世代自家受粉子孫の少なくとも一部が非変換体表現型を示し、前記M 1 タバコ植物の子孫が、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で野生型対立遺伝子を含む対応するタバコ植物の子孫の復帰変異率より統計学的に有意に低い割合で変換体表現型に復帰変異する、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子に関してヘテロ接合であるM 1 タバコ植物。
[請求項137]
子孫がニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子を有し、非変換体表現型を有する、請求項136記載のタバコ植物の子孫。
[請求項138]
その子孫が、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で野生型対立遺伝子を含む対応するタバコ植物の子孫の復帰変異率より統計学的に有意に低い割合で変換体表現型に復帰変異する、非変換体表現型を示す、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子をそのゲノムにおいて保有するM 1 タバコ植物。
[請求項139]
前記ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で前記変異対立遺伝子を有し、前記非変換体表現型を有する、請求項138記載のタバコ植物の子孫。
[請求項140]
前記M 1 植物が、
Figure 0005441708
および上記の品種のいずれかに本質的に由来する品種からなる群より選択される品種の植物である、請求項136または138記載の植物。
[請求項141]
ハイブリッド、品種、または系統の植物が、ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片を含むRNAi構築物によって形質転換され、前記植物が、前記RNAi構築物を欠損する対照タバコのハイブリッド、品種、または系統の植物と比較して、ニコチンデメチラーゼ遺伝子の発現の減少を示す、タバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項142]
前記ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片が、長さが25〜500ヌクレオチドである、請求項141記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項143]
ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片が、長さが100〜300ヌクレオチドである、請求項141記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項144]
ハイブリッド、品種、または系統が、バーレー型タバコ植物を含む、請求項141記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項145]
ハイブリッド、品種、または系統が、ダーク型タバコ植物を含む、請求項141記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項146]
ハイブリッド、品種、または系統が、熱風乾燥型タバコ植物を含む、請求項141記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項147]
ハイブリッド、品種、または系統が、オリエンタル型タバコ植物を含む、請求項141記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項148]
ハイブリッド、品種、または系統が、品種である、請求項141記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項149]
タバコのハイブリッド、品種、または系統が、ニコチアナ・タバカムのハイブリッド、品種、または系統である、請求項141記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項150]
ハイブリッド、品種、または系統の植物が、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、およびSEQ ID NO:8からなる群より選択される核酸配列を含むRNAi構築物によって形質転換され、前記植物が、前記RNAi構築物を欠損する対照タバコのハイブリッド、品種、または系統の植物と比較して、ニコチンデメチラーゼ遺伝子の減少した発現を示す、タバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項151]
ハイブリッド、品種、または系統が、品種である、請求項150記載のタバコのハイブリッド、品種、または系統。
[請求項152]
品種が、本質的に
Figure 0005441708
に由来する、請求項148または151記載の品種。
[請求項153]
以下の段階を含む、タバコ植物を作製する方法:
a)ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片を含むRNAi構築物をニコチアナ植物の細胞に導入する段階;
b)前記細胞から一つまたは複数の植物を得る段階;
c)前記RNAi構築物を欠損する対応するタバコ植物と比較して、ニコチンデメチラーゼ遺伝子の発現の減少を示す、前記植物の少なくとも一つを同定する段階。
[請求項154]
以下の段階をさらに含む、請求項153記載の方法:
d)前記RNAi構築物を含有する前記植物を第二のニコチアナ植物と交配させる段階;および
e)前記RNAi構築物を欠損する対応するタバコ植物と比較して、ニコチンデメチラーゼ遺伝子の発現の減少を示す前記交配の子孫を選択する段階。
[請求項155]
前記第一のタバコ植物が、ニコチンデメチラーゼ遺伝子またはその断片を含むRNAi構築物を含む、請求項121記載の方法。
[請求項156]
請求項141または150記載のハイブリッド、品種、または系統から作製された乾燥タバコ。
[請求項157]
前記タバコが、熱風乾燥、空気乾燥、火力乾燥、および天日乾燥からなる群より選択される乾燥プロセスによって作製される、請求項156記載の乾燥タバコ。
[請求項158]
請求項156記載の乾燥タバコを含むタバコ製品。
[請求項159]
タバコ製品が、紙巻きタバコ、葉巻タバコ、パイプタバコ製品、無煙タバコ製品、フィルム、タブ、ゲル、成型部分、ロッドまたはフォームからなる群より選択される、請求項158記載のタバコ製品。
変異状態と比較してTN90タバコ系統のエチレン処理葉におけるガスクロマトグラフィーによって測定したニコチン対ノルニコチンの変換百分率を描写する。A:系統4246、B:系統1849、C:系統4278、D:系統4215、E:系統3320、およびF:系統1394。「ヘテロ」は、植物が、変異体ニコチンデメチラーゼ対立遺伝子に関してヘテロ接合であることを示している。「ホモ」は、植物が、変異体ニコチンデメチラーゼ対立遺伝子に関してホモ接合であることを示している。「野生型」は、植物が野生型ニコチンデメチラーゼに関してホモ接合であることを示している。 ニコチンデメチラーゼ核酸配列(SEQ ID NO:1)およびアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)を示す。ヌクレオチド配列に対応する番号を左側に、およびアミノ酸配列に対応する番号を右側に示す。Web Signal Scanプログラムおよび配列アラインメントツールを用いて、以下を同定した:基質認識部位(四角の枠)、N-末端疎水性膜貫通ドメイン(下線)、プロリンリッチ領域(下線および斜体)、トレオニン含有酸素結合ポケット(点線の下線)、K-へリックスおよびPERFコンセンサス(破線の下線)、およびシステイン含有ヘム結合領域(二重下線および太字)。 ニコチンデメチラーゼRNAi構築物の図解を示す。CsVMV-キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター;NDMas−アンチセンスニコチンデメチラーゼ配列;NDM−センスニコチンデメチラーゼ配列;Ter−Nosターミネーター;Act2−シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)アクチン2プロモーター;NPTII−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII遺伝子。
詳細な説明
本発明は、低減されたニコチンデメチラーゼ活性を有するタバコ植物に関連する組成物および方法に向けられる。たとえば、本文書は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において一つまたは複数の変異を含むタバコ植物を提供する。本文書はまた、ニコチンデメチラーゼ遺伝子からの核酸配列を含む二本鎖RNAを含むタバコ植物を提供する。そのゲノムにおいて変異ニコチンデメチラーゼ配列を含む、またはニコチンデメチラーゼ遺伝子からの核酸配列を含む二本鎖RNAを含む、そのようなタバコ植物は、低減されたノルニコチン含有量を通常有する。そのような植物は、タバコの育種プログラムにおいて、乾燥タバコの作製において、ならびに様々なタバコ製品および/またはタバコ由来製品を作製するために有用である。
ニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異
本明細書において記述されるタバコ植物は、典型的に、ニコチアナ種の細胞に変異誘発を誘導することによって生成される。「変異誘発」という用語は、個体集団内で遺伝子変異を誘導するために、変異誘発物質を用いることを指す。変異誘発される集団は、植物、植物の一部、または種子を含みうる。変異誘発集団に関して、変異誘発性の化学物質または放射線の用量は、致死性または生殖不稔性を特徴とする閾値レベルより下である変異頻度が得られるように、それぞれのタイプの植物組織に関して経験的に決定される。変異誘発処理に起因するM1世代の種子の数またはM1植物集団の大きさは、予想される変異頻度に基づいて推定される。
次に、変異誘発集団またはその集団のその後の世代を、変異(複数)に起因する所望の形質(複数)(たとえば、非変換体表現型)に関して選別する。または、変異誘発集団またはその集団のその後の世代を、関心対象の遺伝子、たとえばニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異に関して選別する。たとえば、M1植物の子孫M2世代を、ニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異の存在に関して評価してもよい。「集団」は共通の遺伝子プールを共有する個体の任意の群である。本明細書において用いられるように、「M0」は、変異誘発物質に曝露された植物細胞(およびそこから生育させた植物)を指し、「M1」は、M0植物を自家受粉させることによって産生された種子、およびそのような種子から生育させた植物を指す。「M2」は、自家受粉させたM1植物の子孫(種子および植物)であり、「M3」は、自家受粉させたM2植物の子孫であり、および「M4」は、自家受粉させたM3植物の子孫である。「M5」は、自家受粉させたM4植物の子孫である。「M6」、「M7」等は、これまでの世代の自家受粉植物のそれぞれの子孫である。本明細書において用いられるように「自家」という用語は、自家受粉させることを意味する。
適した変異誘発物質には、たとえば化学変異誘発物質および電離放射線が含まれる。変異を誘導するために適した化学変異誘発物質には、亜硝酸、アジ化ナトリウム、アクリジンオレンジ、エチジウムブロミド、およびスルホン酸エチルメタンが含まれる。変異を誘導するために適した電離放射線には、X-線、γ線、高速中性子照射、およびUV照射が含まれる。他の方法には、トランスポゾン(Fedoroff et al, 1984;U.S. Pat. No. 4,732,856およびU.S. Pat. No. 5,013,658)と共にT-DNA挿入方法(Hoekema et al., 1983;U.S. Pat. No. 5,149,645)を用いることが含まれる。タバコ遺伝子において誘導されてもよい変異のタイプには、たとえば点突然変異、欠失、挿入、重複、および逆位が含まれる。
いくつかの態様において、変異誘発は、組織培養において植物細胞を生育させることによって誘導され、それによって体細胞クローン変種が産生される。または、プロトプラスト融合を用いるハイブリッド植物の産生のために開発された標準的なプロトプラスト培養方法を適用することもまた、変種遺伝子発現(たとえば、変種ニコチンデメチラーゼ遺伝子発現)を有する植物を生成するために有用である。したがって、プロトプラストは、変種遺伝子発現を有する第一および第二のタバコ植物から生成される。成功したプロトプラスト融合体からカルスを培養して、植物を再生させる。得られた子孫ハイブリッド植物を、本明細書において記述される方法に従って変異遺伝子の発現に関して同定および選択して、本明細書において記述される育種プロトコールにおいて用いてもよい。
本明細書において用いられる「ニコチンデメチラーゼ遺伝子」という用語は、ニコチンデメチラーゼポリペプチドをコードするゲノム核酸配列を指す。ニコチンデメチラーゼ遺伝子には、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座でのコード配列と共に、調節領域、イントロン、および他の非翻訳配列などの非コード配列が含まれる。野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子は、SEQ ID NO:1に記載の核酸配列を含みうる。本明細書において用いられる「ニコチンデメチラーゼポリペプチド」という用語は、ニコチンデメチラーゼ活性を有するチトクロームP450 CYP82E4ポリペプチドを指す。「ニコチンデメチラーゼ活性」は、ニコチンをN'-脱メチル化してノルニコチンを産生する能力である。野生型ニコチンデメチラーゼポリペプチドは、SEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列を含みうる。
本明細書において提供されるように(たとえば、図2および実施例5において)、ニコチンデメチラーゼポリペプチドは、他のチトクロームP450ポリペプチドにおける保存ドメインと相同性を有する領域を含有しうる。たとえば、SEQ ID NO:2に記載の配列を有するポリペプチドは、TFSEARCHおよびWeb Signal Scanプログラムによって同定されるように、基質認識部位(SRS)6個、N-末端疎水性膜貫通ドメイン、プロリンリッチ領域、トレオニン含有酸素結合ポケット、K-へリックスコンセンサス、PERFコンセンサス、およびシステイン含有ヘム結合領域を含有する。図2を参照されたい。K-へリックスおよびPERFコンセンサス配列は、チトクロームP450ポリペプチドのコア構造を安定化させると考えられる。ヘム結合領域は、電子ドナー依存的チトクロームP450ポリペプチドにおいて絶対的に保存されているシステインを含有する。プロリンリッチ領域は、ポリペプチドの膜貫通領域と球状部分とのあいだでヒンジを形成すると考えられている。たとえばWerck- Reichhart and Feyereisen (2000) Genome Biology 1 :3003を参照されたい。
好ましくは、ニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異によって、変異を含む植物においてニコチンデメチラーゼ活性の低減または完全な消失までもが起こる。ニコチンデメチラーゼ遺伝子における適したタイプの変異には、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子配列におけるヌクレオチドの挿入、ヌクレオチドの欠失、またはトランジションもしくはトランスバージョンが含まれるがこれらに限定されるわけではない。コード配列における変異によって、対応する遺伝子産物における一つまたは複数のアミノ酸の挿入、一つまたは複数のアミノ酸の欠失、および/または非保存的アミノ酸置換(non-conservative amino acid substitutions)が起こりうる。いくつかの場合において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子の配列は、一つより多い変異または一つのタイプより多い変異を含む。
コード配列におけるアミノ酸の挿入または欠失は、たとえば得られた遺伝子産物の基質結合ポケットのコンフォメーションを破壊しうる。アミノ酸の挿入または欠失も同様に、遺伝子産物活性にとって重要な触媒部位(たとえば、ヘム結合部位)を破壊しうる。多数の近接するアミノ酸の挿入または欠失は、少数の挿入または欠失アミノ酸と比較して、遺伝子産物を非機能的にする可能性がより高いことは当技術分野において公知である。そのような変異の例は、それによってアミノ酸329位のトリプトファンが終止コドンに置換されている、SEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異である。
非保存的アミノ酸置換は、一つのクラスのアミノ酸を異なるクラスのアミノ酸に置換しうる。非保存的置換(non-conservative substitutions)は、遺伝子産物の電荷または疎水性に実質的な変化を引き起こしうる。非保存的アミノ酸置換、たとえばイソロイシン残基の代わりにアラニン残基を用いることはまた、残基側鎖のかさの実質的な変化を引き起こしうる。非保存的置換の例には、塩基性アミノ酸から非極性アミノ酸への置換、または極性アミノ酸から酸性アミノ酸への置換が含まれる。そのような変異の例は、それによってアミノ酸107位のプロリンのロイシンへの置換が起こる、SEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異である。
いくつかの態様において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異によって、アミノ酸の変化は起こらない(たとえば、サイレント変異)。サイレント変異は、コードされるポリペプチドのアミノ酸配列に影響を及ぼさないヌクレオチド配列における変異である。ニコチンデメチラーゼ活性を低減させるために有効なサイレント変異には、核酸+2021位のグアニンがアデニンに置換されている、または核酸+2291位のグアニンがアデニンに置換されている、SEQ ID NO:1のニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異が含まれる。それによってアミノ酸の変化が起こらない他の変異は、5'非コード領域(たとえば、プロモーターまたは5'非翻訳領域)、イントロン、または3'非コード領域に存在しうる。そのような変異は、コードされるニコチンデメチラーゼのアミノ酸配列に影響を及ぼさないが、転写レベルを変更させる(たとえば、転写を増加または減少させる)、翻訳レベルを減少させる、DNAもしくはmRNAの二次構造を変更させる、転写もしくは翻訳機構のための結合部位を変更させる、またはtRNA結合効率を減少させる可能性がある。ニコチンデメチラーゼ活性を低減または消失させるために適した変異には、ニコチンデメチラーゼ遺伝子のイントロンにスプライスドナーを挿入する、イントロンにスプライスアクセプターを挿入する、またはイントロンのスプライス部位を欠失させる変異が含まれる。
一定の態様において、ニコチンデメチラーゼ活性を低減させるために有効なニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子に変異を有する植物を同定する段階、およびニコチンデメチラーゼ酵素活性を測定する段階によって決定される。他の態様において、ニコチンデメチラーゼ活性を低減させるために適したニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異は、本明細書において記述される変異、たとえば表1および表3において記載されるTN90系統4246、1849、4278、および4215において含有される変異の効果に基づいて予測される。たとえば、SEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異には、アミノ酸1〜328位のいずれかを終止コドンに置換する変異が含まれうる。
もう一つの態様において、ニコチンデメチラーゼ活性を低減させるために有効なニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異は、関連配列、たとえばSEQ ID NO:3およびSEQ ID NO:4の機能に基づいて同定される。たとえば、ニコチンデメチラーゼ遺伝子は、それがI163M、K309E、G353C、およびS452P、またはQ416LとS423Pの組み合わせなどの、SEQ ID NO:2における変異の組み合わせを有するニコチンデメチラーゼポリペプチドをコードするように変異させることができる。
一定の他の態様において、ニコチンデメチラーゼ活性を低減させるために有効であるニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異は、ニコチンデメチラーゼポリペプチドの構造の分子モデルまたは配列分析に基づいて同定される。そのような分子モデルまたは配列分析を用いて、変異させた場合に、どのアミノ酸がポリペプチドの構造または機能を変化させるかを同定することができる。たとえば、分子モデルを用いて、ニコチンのノルニコチンへの変換レベルを低減させるために、基質結合ポケットにおけるどのアミノ酸を欠失させる、または非保存的アミノ酸に置換させるかを同定することができる。もう一つの例において、配列分析は、保存ドメインを破壊するために、どのアミノ酸を終止コドンに置換することができるかを決定することができる。たとえば、SEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異には、330〜457位の任意のアミノ酸を終止コドンに置換して、それによってニコチンデメチラーゼのヘム結合部位を破壊する変異が含まれうる。
変異体ニコチンデメチラーゼ対立遺伝子を有するタバコ植物
一つまたは複数のM1タバコ植物を、変異誘発個体の細胞から得て、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を含有する植物の少なくとも一つを同定する。M1タバコ植物は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子に関してヘテロ接合であってもよく、野生型対立遺伝子の存在により、すなわちニコチンをノルニコチンに変換することができる変換体表現型を示してもよい。そのような場合において、そのような植物の第一世代の自家受粉子孫の少なくとも一部は、非変換体表現型を示す。または、M1タバコ植物は、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子を有し、非変換体表現型を示してもよい。そのような植物はヘテロ接合であってもよく、野生型対立遺伝子の存在にもかかわらず、ドミナントネガティブ抑制のような現象により非変換体表現型を示してもよく、またはニコチンデメチラーゼ遺伝子座における双方の対立遺伝子において独立して誘導された変異によりホモ接合であってもよい。しかし、M1植物の双方のタイプのその後の子孫は、以下に詳細に考察されるように、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で野生型である対応するタバコ植物の子孫の復帰変異率より統計学的に有意に低い割合で変換体表現型に復帰変異する。
変異体ニコチンデメチラーゼ対立遺伝子を保有するM1タバコ植物は、ニコチアナ・タバカム、ニコチアナ・オトフォラ(Nicotiana otophora)、ニコチアナ・スリシフローラ(Nicotiana thrysiflora)、ニコチアナ・トメントーサ(Nicotiana tomentosa)、ニコチアナ・トメントシフォルミス(Nicotiana tomentosiformis)、ニコチアナ・アフリカーナ(Nicotiana africana)、ニコチアナ・アムプレキシカーリス(Nicotiana amplexicaulis)、ニコチアナ・アレンチイ(Nicotiana arentsii)、ニコチアナ・ベンタミアナ(Nicotiana benthamiana)、ニコチアナ・ビゲロビイ(Nicotiana bigelovii)、ニコチアナ・コリムボサ(Nicotiana corymbosa)、ニコチアナ・デブネイ(Nicotiana debneyi)、ニコチアナ・エクセルシオール(Nicotiana excelsior)、ニコチアナ・エキシグア(Nicotiana exigua)、ニコチアナ・グルチノーサ(Nicotiana glutinosa)、ニコチアナ・グッドスピーディ(Nicotiana goodspeedii)、ニコチアナ・ゴッセイ(Nicotiana gossei)、ニコチアナ・ヘスペリス(Nicotiana hesperis)、ニコチアナ・イングルバ(Nicotiana ingulba)、ニコチアナ・ナイチアナ(Nicotiana knightiana)、ニコチアナ・マリチマ(Nicotiana maritima)、ニコチアナ・メガロサイフォン(Nicotiana megalosiphon)、ニコチアナ・ミエルシ(Nicotiana miersii)、ニコチアナ・ネソフィラ(Nicotiana nesophila)、ニコチアナ・ノクチフローラ(Nicotiana noctiflora)、ニコチアナ・ヌディカーリス(Nicotiana nudicaulis)、ニコチアナ・オトフォラ(Nicotiana otophora)、ニコチアナ・パルメリ(Nicotiana palmeri)、ニコチアナ・パニクラタ(Nicotiana paniculata)、ニコチアナ・ペチュニオイデス(Nicotiana petunioides)、ニコチアナ・プラムバギニフォリア(Nicotiana plumbaginifolia)、ニコチアナ・レパンダ(Nicotiana repanda)、ニコチアナ・ロスラタ(Nicotiana rosulata)、ニコチアナ・ロツンジフォリア(Nicotiana rotundifolia)、ニコチアナ・ラスティカ(Nicotiana rustica)、ニコチアナ・セトチェリ(Nicotiana setchelli)、ニコチアナ・ストックトニイ(Nicotiana stocktonii)、ニコチアナ・エアスチイ(Nicotiana eastii)、ニコチアナ・スアベオレンス(Nicotiana suaveolens)、またはニコチアナ・トリゴノフィラ(Nicotiana trigonophylla)などのニコチアナ種に由来しうる。
特に有用なニコチアナ・タバカム品種には、タバコ品種
Figure 0005441708
などのバーレー型、ダーク型、熱風乾燥型、またはオリエンタル型タバコが含まれる。
変異体ニコチンデメチラーゼ対立遺伝子を保有するタバコ植物を、新規で有用な系統、品種、およびハイブリッドを作製するために、植物の育種プログラムにおいて用いることができる。このように、いくつかの態様において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において少なくとも一つの変異を含有するM1、M2、M3、または後の世代のタバコ植物を、第二のニコチアナ植物と交配させて、ニコチンデメチラーゼ遺伝子変異(複数)が存在する交配の子孫を同定する。第二のニコチアナ植物は、本明細書において記述される種および品種の一つとなりうると認識されるであろう。同様に、第二のニコチアナ植物は、それが交配される植物と同じニコチンデメチラーゼ変異、異なるニコチンデメチラーゼ変異を含有しうる、またはニコチンデメチラーゼ遺伝子座で野生型となりうると認識されるであろう。
育種は公知の技法によって行われる。本明細書において記述されるように、ニコチンデメチラーゼ遺伝子の変異対立遺伝子を他のタバコに移入または育種するために、DNAフィンガープリンティング、SNP、または類似の技術をマーカー補助選択(MAS)育種プログラムにおいて用いてもよい。たとえば、栽培農家は、栽培学的に望ましい遺伝子型を有する変異対立遺伝子を含有する遺伝子型の雑種形成から、分離集団を作製することができる。F2または戻し交配世代における植物を、本明細書において記載される技術の一つを用いて、ニコチンデメチラーゼ配列またはその断片から開発されたマーカーを用いて選別することができる。変異対立遺伝子を所有すると同定された植物を戻し交配または自家受粉させて、選別される第二の集団を作製することができる。予想される遺伝パターンまたは用いられるMAS技術に応じて、所望の個々の植物の同定を助けるために、戻し交配の各サイクルを行う前に選択された植物を自家受粉させることが必要であるかも知れない。反復親の所望の表現型が回収されるまで、戻し交配または他の育種技法を繰り返すことができる。
ニコチアナ・タバカムと育種適合性を示すニコチアナ種には、ニコチアナ・アムプレキシカーリス、PI 271989;ニコチアナ・ベンタミアナPI 555478;ニコチアナ・ビゲロビイPI 555485;ニコチアナ・デブネイ;ニコチアナ・エクセルシオールPI 224063;ニコチアナ・グルチノーサPI 555507;ニコチアナ・グッドスピーディPI 241012;ニコチアナ・ゴッセイPI 230953;ニコチアナ・ヘスペリスPI 271991;ニコチアナ・ナイチアナPI 555527;ニコチアナ・マリチマPI 555535;ニコチアナ・メガロサイフォンPI 555536;ニコチアナ・ヌディカーリスPI 555540;ニコチアナ・パニクラタPI 555545;ニコチアナ・プラムバギニフォリアPI 555548;ニコチアナ・レパンダPI 555552;ニコチアナ・ラスティカ;ニコチアナ・スアベオレンスPI 230960;ニコチアナ・シルベストリスPI 555569;ニコチアナ・トメントーサPI 266379;ニコチアナ・トメントシフォルミス;およびニコチアナ・トリゴノフィラPI 555572が含まれる。同様に、全米植物病理学会(American Phytopathology Society)発行のCompendium of Tobacco Diseases、または日本たばこ産業(Japan Tobacco Inc.)発行のThe Genus Nicotiana Illustratedも参照されたい。
交配が成功すれば、稔性であるF1植物を生じ、これを望ましければ親の一つと戻し交配することができる。いくつかの態様において、F2世代における植物集団を、変種ニコチンデメチラーゼ遺伝子発現に関して選別して、たとえば標準的な方法に従って、たとえば、本明細書において記述されるニコチンデメチラーゼに関するヌクレオチド配列情報に基づくプライマーを用いるPCR法を用いて、ニコチンデメチラーゼ遺伝子が存在しないためにニコチンデメチラーゼを発現することができない植物を同定する。次に、選択された植物を親の一つと交配させて、第一の戻し交配(BC1)世代の植物を自家受粉させて、BC1F2集団を産生し、これを再度、変種ニコチンデメチラーゼ遺伝子(たとえば、ニコチンデメチラーゼ遺伝子のヌル型)発現に関して選別する。最終選別により、稔性であって反復親と相当に類似する植物が産生されるまで、戻し交配、自家受粉、および選別のプロセスを少なくとも4回繰り返す。望ましければ、この植物を自家受粉させて、次に植物が、変種ニコチンデメチラーゼ遺伝子発現(たとえば、ニコチンデメチラーゼに関してヌル状態を示す植物)またはNDM核酸配列もしくはその断片の変種発現を示すことを確認するために、再度子孫を選別する。任意で、選択された植物の細胞遺伝的分析を行って、染色体の相補体および染色体対形成関係を確認する。選択された植物の育種用種子を、たとえば圃場試験、ニコチンデメチラーゼのヌル状態の確認、アルカロイドレベルを決定するための乾燥葉の化学分析、および/またはノルニコチン対ニコチン+ノルニコチンの割合を決定するための乾燥葉の化学分析が含まれる標準的な方法を用いて産生する。
第一の変異体タバコ親(たとえば、TN90)と第二の野生型タバコ親(たとえば、N.ラスティカ)との交配に起因する当初のF1ハイブリッドを変異体タバコ親と雑種形成または戻し交配する状況において、戻し交配の子孫を自家受粉させてBC1F2世代を作製して、これを変異体ニコチンデメチラーゼ対立遺伝子に関して選別することができる。
本明細書において記述される変異体タバコ植物を用いる植物育種プログラムの結果は、新規でしかも有用な系統、ハイブリッド、および品種である。本明細書において用いられるように、「品種」という用語は、同じ種の他の植物からそれらを分離する不変の特徴を共有する植物集団を指す。品種はしばしば、常ではないが市販されている。品種は一つまたは複数の別個の形質を所有するが、品種はさらに、その品種内の個体間で非常に小さい全体的な変動を特徴とする。「純系統」品種は、数世代の自家受粉および選択、または組織もしくは細胞培養技術を用いる一つの親からの栄養繁殖によって作製されてもよい。品種は本質的に、もう一つの系統または品種に由来しうる。「植物の新しい品種の保護に関する国際会議」(the International Convention for the Protection of New Varieties of Plants(1961年12月2日、その後1972年11月10日、1978年10月23日、および1991年3月19日にジュネーブで改訂)において定義されているように、品種は、a)それが最初の品種に主に由来する場合、または最初の品種に主に由来するが、最初の品種の遺伝子型または遺伝子型の組み合わせに起因する本質的な特徴の発現を保留している品種に由来する場合;b)それが最初の品種と明らかに区別可能である場合;およびc)誘導行為に起因する差を除き、それが、最初の品種の遺伝子型または遺伝子型の組み合わせに起因する本質的な特徴の発現において最初の品種と適合する場合、最初の品種に「本質的に由来」する。本質的に由来する品種は、たとえば天然または誘導変異体、体細胞クローン変種、または最初の品種の植物からの変種個体の選択によって、戻し交配によって、または形質転換によって得ることができる。品種と区別される「系統」は、たとえば植物研究において非商業的に用いられる植物群を指すことが最も多い。系統は典型的に、関心対象の一つまたは複数の形質に関して個体間でほとんど全体的な変動を示さないが、他の形質に関しては個体間で何らかの変動を示すことがある。
ハイブリッドタバコ品種は、第一の品種の雌性親植物(すなわち、種子親)の自家受粉を防止する段階、第二の品種の雄性親植物からの花粉を雌性親植物に受粉させる段階、および雌性植物においてF1ハイブリッド種子を形成させる段階によって産生されうる。雌性植物の自家受粉は、花の発達の初期段階で花を摘むことによって防止することができる。または、雄性不稔の形を用いて、雌性親植物において花粉の形成を防止することができる。たとえば、雄性不稔は、細胞質雄性不稔(CMS)、核雄性不稔、遺伝的雄性不稔、トランスジーンが微小胞子形成および/または花粉形成を阻害する分子的雄性不稔(molecular male sterility)、または自家不和合性によって産生されうる。CMSを含有する雌性親植物は特に有用である。雌性親植物がCMSである態様において、雄性親植物は典型的に、F1ハイブリッドが確実に稔性であるように稔性回復遺伝子を含有する。雌性親がCMSである他の態様において、稔性回復遺伝子を含有しない雄性親を用いることができる。そのような両親から産生されたF1ハイブリッドは雄性不稔である。雄性不稔性のハイブリッド種子を、雄性稔性の種子と混植して、得られた雄性不稔性植物における結実のための花粉を提供することができる。
本明細書において記述された品種および系統を用いて、1回交配タバコF1ハイブリッドを形成することができる。そのような態様において、親品種の植物を、雄性親植物から雌性親植物への天然の他家受粉を容易にするために実質的に均質な隣り合う集団として生育させることができる。雌性親植物上で形成されたF1種子を従来の手段によって選択的に収穫する。同様に、二つの親植物品種をまとめて生育させて、雌性親において形成されたF1ハイブリッド種子と、自家受粉の結果として雄性親において形成された種子との混和物を収穫することができる。または、単交配F1ハイブリッドを雌性親として用いて、これを異なる雄性親と交配させる三元交配を行うことができる。もう一つの代用として、異なる二つの単交配のF1子孫をそれら自身で交配させる複交雑ハイブリッドを作製することができる。自家不和合性を用いることは二重交配ハイブリッドを形成する場合に雌性親の自家受粉を防止するために特に有利となりうる。
本明細書において用いられるように、変換体表現型を有するタバコ植物は、膝の高さの段階またはそれより後期のタバコ植物から収穫してエチレン処理した中央部の葉において測定した場合に、少なくとも5%(たとえば、5.0%、5.1%、5.5%、6%、8%、15%、30%、50%、70%、90%、95%、98%、または99%)のニコチンの脱メチル化百分率を有するタバコ植物である。「変換体表現型を有する植物」および「変換体植物」という用語は、本明細書において互換的に用いられる。同様に、非変換体表現型を有するタバコ植物は、膝の高さの段階またはそれより後期のタバコ植物から収穫してエチレン処理した中央部の葉において測定した場合に、5%未満(たとえば、4.9%、4.5%、4.2%、4%、3.8%、3.5%、3%、2%、1%、0.8%、0.6%、0.5%、0.05%、0.02%、0.01%、または検出不能)のニコチンの脱メチル化百分率を有するタバコ植物である。「非変換体表現型を有する植物」および「非変換体植物」という用語は、本明細書において互換的に用いられる。
ニコチンおよびノルニコチンは、当技術分野において公知の方法(たとえば、ガスクロマトグラフィー)を用いてエチレン処理した葉において測定することができる。試料中の%ニコチン脱メチル化は、試料において測定されたニコチンおよびノルニコチンの複合レベルによってノルニコチンレベルを除して、それに100を乗じることによって計算される。
ニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異を含む植物は、変異誘発植物材料またはその子孫を選択または選別することによって同定することができる。そのような選別および選択方法論は当業者に公知である。選別および選択方法論の例には、ポリヌクレオチドを検出するためのサザン分析、またはPCR増幅;RNA転写物を検出するためのノザンブロット、S1 RNアーゼ保護、プライマー伸長、またはRT-PCR増幅;ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの酵素またはリボザイム活性を検出するための酵素アッセイ;ならびにポリペプチドを検出するためのタンパク質ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、免疫沈降、および酵素免疫測定法が含まれるがこれらに限定されるわけではない。インサイチューハイブリダイゼーション、酵素染色、および免疫染色などの他の技術も同様に用いてポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの存在または発現を検出することができる。参照した技術の全てを行う方法が公知である。
植物集団を、非変換体表現型などの、ニコチンデメチラーゼ遺伝子における変異によって付与された所望の形質または表現型を有する集団のメンバーに関して選別および/または選択することができる。選択および/または選別は、所望の形質を有するそれらの植物を同定するために有用となりうる一つまたは複数の世代にわたって行うことができる。いくつかの態様において、非変換体表現型を有する植物を、M1世代において同定することができる。選択および/または選別はまた、一つより多い地理的立地で行うことができる。さらに、選択および/または選別は、表現型が植物によって示される特定の発達段階のあいだに行うことができる。
非変換体表現型を有する植物集団を用いて、低減された復帰変異率、すなわち非変換体植物の次世代子孫における変換体表現型植物の百分率、を有する植物を選択および/または選別することができる。復帰変異率は、自家受粉後に非変換体植物によって産生された種子を収集する段階、種子300〜500個を蒔く段階、および変換体表現型を有する得られた植物の数を決定する段階によって測定される。復帰変異率は、変換体表現型を有する子孫植物の百分率として表記される。
ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有し、低減された復帰変異率を示す非変換体植物を育種して、同じまたは類似の遺伝的バックグラウンドを有するが、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を保有する対照タバコのハイブリッド、品種、または系統の復帰変異率より統計学的に有意に低い復帰変異率を有する一つまたは複数のタバコのハイブリッド、品種、または系統を生成することができる。典型的に、対照ハイブリッド、品種または系統と比較した復帰変異率の低減は、適切なパラメトリックまたはノンパラメトリック統計値によって、たとえばカイ二乗検定、スチューデントt-検定、マン・ホイトニー検定、またはF-検定によってp≦0.05で統計学的に有意であると見なされる。いくつかの態様において、復帰変異率の低減は、p<0.01、p<0.005、またはp<0.001で統計学的に有意である。
復帰変異率が低減される程度は典型的に、タバコのタイプに依存する。たとえば、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する非変換体バーレー型タバコは、典型的に、同じまたは類似の遺伝的バックグランドであるが、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を有するバーレー型タバコ品種と比較して、10倍またはそれより多く(たとえば、10倍〜1000倍、10倍〜100倍、50倍〜250倍、50倍〜100倍、150倍〜300倍、100倍〜1000倍、500倍〜1000倍、800倍〜5000倍、または1500倍〜10000倍)低減された復帰変異率を有する。もう一つの例において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する非変換体ダーク型タバコは、典型的に、同じまたは類似の遺伝的バックグランドであるが、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を有するダーク型タバコ品種と比較して、2倍またはそれより多く(たとえば、2倍〜100倍、2倍〜5倍、2倍〜10倍、5倍〜30倍、10倍〜50倍、5倍〜100倍、10倍〜100倍、50倍〜300倍、250倍〜500倍、300倍〜3000倍、または3000倍〜5000倍)低減された復帰変異率を有する。もう一つの例において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する非変換体熱風乾燥型タバコは、典型的に、同じまたは類似の遺伝的バックグランドであるが、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を有する熱風送管乾燥型タバコ品種と比較して、2倍またはそれより多く(たとえば、2倍〜10倍、5倍〜30倍、10倍〜50倍、10倍〜100倍、50倍〜150倍、100倍〜500倍、200倍〜800倍、400倍〜1000倍、500倍〜3000倍、または1000倍〜5000倍)低減された復帰変異率を有する。いくつかの場合において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する植物を含むタバコのハイブリッド、品種、または系統の復帰変異率は、検出不能であるほど低くなりうる。
低減された復帰変異率に関する選別法は、変異誘発した植物材料源に依存しうる。たとえば、変異誘発植物材料が変換体表現型を有する植物からの種子である場合、適した選別法には、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する子孫を同定する段階、および/または非変換体表現型を有する子孫を同定する段階が含まれる。そのような子孫が同定された後、その子孫が低減された復帰変異率を示す植物に関してそれらを選別する。もう一つの例において、変異誘発植物材料が非変換体表現型を有する植物からの種子である場合、適した選別法には、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する子孫を同定する段階および/またはその子孫が低減された復帰変異率を有するか否かを決定する段階が含まれる。
本明細書において記述される方法のいくつかの態様において、変種ニコチンデメチラーゼ遺伝子に関する育種および選別に起因する系統を、標準的な圃場技法を用いて圃場で評価する。当初の非変異誘発親が含まれる対照遺伝子型を含めて、無作為化完全ブロックデザインまたは他の適切な圃場デザインで圃場における登録を手配する。タバコの標準的な栽培学的実践を用い、たとえばタバコを収穫して重量を測定し、乾燥の前およびあいだに化学試験および他の一般的な試験のために試料を採取する。データの統計分析を行って、選択された系統の親系統に対する類似性を確認する。
ニコチンデメチラーゼRNA干渉
RNA干渉(RNAi)にとって適した形質転換ベクターには、二重鎖を形成することができるRNA(たとえば、ニコチンデメチラーゼRNAi構築物)を産生するベクターが含まれ、一つがセンス方向であり、もう一つがアンチセンス方向である二つの核酸配列を機能的に連結させて、CaMV 35S、キャッサバ褐色条斑ウイルス(cassava brown streak virus、CBSV)から単離されたプロモーター、またはキャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)から単離されたプロモーターなどのプロモーターの制御下に置いてもよい。転写を促進するニコチンデメチラーゼプロモーターまたはその断片などの内因性のプロモーターを用いることも同様に望ましい。さらに、そのような核酸を、ノパリンシンターゼ(nos)遺伝子のターミネーターなどの転写ターミネーター配列に機能的に連結させることができる。
そのような構築物に含まれるタバコニコチンデメチラーゼ核酸配列の長さは、望ましくは少なくとも22ヌクレオチド、たとえば少なくとも22、23、24、25、26、27、30、35、40、50、80、100、200、300、400、500、700、1000、2000 ヌクレオチドまたはそれより多いが、完全長のタバコニコチンデメチラーゼ遺伝子までが含まれる配列を包含してもよい。そのような構築物に含まれるタバコニコチンデメチラーゼ核酸配列の長さは、22 ヌクレオチド〜2552 ヌクレオチド、たとえば22〜100 ヌクレオチド、25〜250 ヌクレオチド、25〜500 ヌクレオチド、50〜100 ヌクレオチド、50〜500 ヌクレオチド、100〜300 ヌクレオチド、100〜500 ヌクレオチド、300〜600 ヌクレオチド、500〜1000 ヌクレオチド、700〜1500 ヌクレオチド、または1000〜2000 ヌクレオチドとなりうる。一般的に、より短い配列を用いることを補償するためには、より高い相同性を用いることができる。ニコチンデメチラーゼ遺伝子と類似または同一である二本鎖RNAをコードする核酸構築物において用いるための適した核酸には、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、およびSEQ ID NO:8およびその相補体が含まれる。
二重鎖を形成することができるRNAは、ループ部分を含みうる。二本鎖RNAのループ部分は、3ヌクレオチド〜5,000ヌクレオチド、たとえば3ヌクレオチド〜25ヌクレオチド、15ヌクレオチド〜1,000ヌクレオチド、20ヌクレオチド〜500ヌクレオチド、または25ヌクレオチド〜200ヌクレオチドとなりうる。RNAのループ部分には、イントロンまたはその断片が含まれうる。適したループ部分には、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11が含まれる。
有用性
本明細書において提供される変異体およびトランスジェニックタバコ植物は、農業において特に有用性を有する。そのような植物は、非変換体表現型を有する植物を含むタバコ系統、品種、またはハイブリッドを産生するために、本明細書において記述される育種プログラムにおいて用いることができ、系統、品種、またはハイブリッドは、ニコチンデメチラーゼ遺伝子に関して野生型である対応するタバコの系統、品種、またはハイブリッド、またはニコチンデメチラーゼRNAi構築物を欠く対応するタバコの系統、品種、またはハイブリッドと比較して低減された復帰変異率を有する。いくつかの場合において、本明細書において提供される変異体またはトランスジェニックタバコ植物を、低減された復帰変異率ともう一つの所望の形質の双方を有するタバコ品種を産生するために、もう一つの所望の形質を有する植物と交配させることができる。他の望ましい形質の例には、干ばつに対する抵抗性、耐病性、ニコチン含有量、糖分含有量、葉の大きさ、葉の幅、葉の長さ、葉の色、葉の赤化、節間の長さ、開花時期、耐倒伏性、茎の厚さ、葉の収量、耐病性;高収量;高グレード指数、乾燥性;乾燥品質;機械的収穫性;保持能;葉の品質;高さ;成熟;茎の大きさ;および植物あたりの葉の数が含まれる。タバコの系統、品種、またはハイブリッドは当技術分野における標準的な技法に従って育種することができる。
他の場合において、そのような変異を有する植物の表現型に及ぼす開示されるニコチンデメチラーゼ変異の効果に基づいて、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座において天然に存在する変異対立遺伝子をそのゲノムに保有するタバコ植物を探索および同定することができる。そのような植物は、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を有する対応するタバコの系統、品種、またはハイブリッドと比較して低減された復帰変異率を有する系統、品種、またはハイブリッドなどの、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する植物を含むタバコの系統、品種、またはハイブリッドを産生するために育種プログラムにおいて用いることができる。
一定の態様において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する植物を含む、または本明細書において提供されるニコチンデメチラーゼRNAi構築物を含むタバコの系統、品種、またはハイブリッドを用いて、タバコ製品を作製するために有用なタバコ材料を産生する。適したタバコ材料には、葉全体、タバコ微粉、タバコ粉末、整粒したタバコ葉片、切断またはロールプレスしたタバコの茎、体積膨張(volume expanded)タバコ、および断片化タバコが含まれる。開示される変異体タバコ植物からのタバコ材料は、空気乾燥、火力乾燥、熱風乾燥(たとえば、バルク乾燥)、および天日乾燥などの、当技術分野において公知の乾燥法を用いて乾燥させることができる。いくつかの態様において、タバコ材料は、状態を整えられるおよび/または発酵される。たとえば、米国特許出願第20050178398号を参照されたい。
他の態様において、ニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する、または本明細書において提供されるニコチンデメチラーゼRNAi構築物を含む植物を含むタバコの系統、品種、もしくはハイブリッドを用いて、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を含む植物を含む対応するタバコの系統、品種、またはハイブリッドから得られたタバコを含む対応する製品と比較して低減されたノルニコチン含有量を有するタバコ製品を作製する。ニトロサミン含有量の低減量を有するタバコ製品は、本明細書において記述されるタバコ植物材料を用いて製造することができる。タバコ製品は典型的に、約5 mg/g未満のノルニコチンの低減量を有する。たとえば、そのような産物におけるノルニコチン含有量またはNNN含有量は、4.5 mg/g、4.0 mg/g、3.5 mg/g、3.0 mg/g、2.5 mg/g、2.0 mg/g、1.5 mg/g、1.0 mg/g、750μg/g、500μg/g、250μg/g、100μg/g、75μg/g、50μg/g、25μg/g、10μg/g、7.0μg/g、5.0μg/g、4.0μg/g、2.0μg/g、1.0μg/g、0.5μg/g、0.4μg/g、0.2μg/g、0.1μg/g、0.05μg/g、または0.01μg/gとなりうる。その中に含まれる総アルカロイド含有量に対する副アルカロイドの百分率は、90%未満、たとえば70%、50%、30%、10%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.75%、0.5%、0.25%、または0.1%未満である。
ノルニコチンまたはNNNに関して「低減された量」という句は、タバコの同じ品種から、同じように処理された、ノルニコチンもしくはNNNの低減のためにトランスジェニックされていなかった、またはニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有しない、野生型タバコ植物、植物成分、またはタバコ製品において見いだされるであろう場合より少ない、タバコ植物、植物成分、またはタバコ製品におけるノルニコチン、NNNまたはその双方の量を指す。一つの例において、同じように処理されている同じ品種の野生型タバコ植物を対照として用いて、ノルニコチン、NNNまたはその双方の低減が本明細書において記述されている方法によって得られているか否かを測定する。もう一つの例において、ニトロサミン含有量の低減された量を有する植物を、たとえば遺伝子または遺伝子産物の有無、たとえばニコチンデメチラーゼ、トランスジーン、または遺伝子における特定の変異の有無をモニターすることによって、標準的な方法を用いて評価する。なおもう一つの例において、育種プログラムにより作出された植物のニトロサミン含有量を、低減量のニトロサミンを有する植物を育種するために用いられる親系統の一つのニトロサミン含有量と比較する。ニトロサミンおよびNNNまた双方のレベルは、タバコの技術分野において周知の方法に従って測定される。
一定の態様において、本明細書において提供されたタバコの系統、品種、またはハイブリッドから得たタバコ材料を用いて、紙巻きタバコ製品(たとえば、紙巻きタバコおよびビディシガレット)、葉巻製品(たとえば、葉巻タバコおよびシガリロ)、パイプタバコ製品、無煙紙巻きタバコ製品、無煙タバコ製品(たとえば、湿式嗅ぎタバコ、乾式嗅ぎタバコ、および噛みタバコ)、フィルム、噛みたばこ、タブ、成型部分、ゲル、消費単位、不溶性マトリクス、中空形状等が含まれるがこれらに限定されるわけではないタバコ製品を作製する。たとえば、米国特許出願第2006/0191548号を参照されたい。
本発明を、特許請求の範囲において記述される本発明の範囲を制限しない以下の実施例においてさらに説明する。
実施例
実施例1−変異体ニコチアナ植物の産生
タバコTN90(Tennessee 90)変換体種子1 g(種子約10,000個)を0.1%Tween(登録商標)において15分間洗浄した後、ddH2O 30 mlに2時間浸した。EMS(Sigmaカタログ番号M-0880)150μlを種子/ddH2O溶液に混合して、室温で(RT、およそ20℃)換気フードにおいて8〜12時間インキュベートする(30 rpmで回転)。次に液体を種子から除去して、汚染除去および廃棄のために液体を1 M NaOHの中に終夜混合した。次に、種子をddH2O 100 mlによって2〜4時間のあいだ2回洗浄した。次に、洗浄した種子を0.1%寒天:水溶液に浮遊させた。
寒天溶液中のEMS処理種子を、フラットにおいて種子〜2000個/フラットの割合で、水に浸したCarolina's Choice Tobacco Mix(商標)(Carolina Soil Company, Kinston, NC)の上に均一に広げた。次にフラットをサラン(商標)ラップで覆い、生育チャンバーに入れた。土壌から実生が出現すると、サラン(商標)ラップに穴を開けて、湿度を徐々に減退させた。2週間後にサラン(商標)ラップを完全に除去した。フラットを温室に移動させて、NPK受精装置によって受精させた。実生を浮遊トレイに植え込んで移植可能な大きさまで生育させた。植物を圃場に移植した。生育のあいだ、植物を自家受粉させてM1種子を形成した。成熟段階において、およそ7000株の植物のそれぞれからさく果5個を収穫し、各植物からの種子の組に個々の名称を与えた。これはM1集団を形成した。
実施例2−成熟の同定
実施例1のそれぞれのM0植物からM1種子の複合体を生育させて、M1植物4〜5株からの葉をプールして、プールした組織試料からDNAを抽出した。二つのプールした試料を各M1株から得た。DNeasy植物ミニキット(QIAGEN、カタログ番号69104)を、製造元のマニュアルに従ってDNA抽出のために用いた。
ニコチンデメチラーゼ遺伝子(SEQ ID NO:1)を増幅するために、IRDye(商標)700-標識フォワードプライマーおよびIRDye(商標)800標識リバースプライマーを設計した。PCRによってニコチンデメチラーゼ(ND)遺伝子を増幅するために異なる二つのエキソンを範囲に持つ配列特異的プライマー2組を選択した。プライマーF6
Figure 0005441708
は、-82〜+1139位までのND遺伝子を範囲に持ち、1,220ヌクレオチドの断片を生成した。プライマーF3
Figure 0005441708
は、+1720〜+2549位までのND遺伝子を範囲に持ち、830ヌクレオチドの断片を生成した。
IRDye(商標)700-標識プライマー:非標識プライマーを5μMの濃度で混合する(1:4)ことによってフォワードプライマーを調製した。リバースプライマーは、RDye(商標)800-標識プライマー:非標識プライマーを5μMの濃度で混合する(3:2)ことによって調製した。ストックしたプライマーを、Fwd:Rev比2:1で調製した(総プライマー濃度5μM)。標的領域のPCR増幅は、プールした植物組織DNA試料(プライマー2μlと共に反応10 μlにおいて)からのゲノムDNA 50〜100 ng、および白金Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen、カタログ番号10966-034)を用いて行った。PCR条件は以下の通りであった:94℃で2分間を1サイクル、94℃で1分間、67℃で1分間、72℃で1.5分間を40サイクル、72℃で10分間を1サイクル、および4℃で保持。増幅後、試料を熱変性させて再アニールさせて(95℃で10分間、-2℃/秒で95℃から85℃に、および0.1℃/秒で85℃から25℃にすることを1サイクル)、変異体のアンプリコンとその野生型の対応物のあいだにヘテロ二重鎖を生成させた。
Surveyor(商標)ヌクレアーゼ(Transgenomic(登録商標)、カタログ番号706025)を、ヘテロ二重鎖を消化するためにキットの推奨に従って用いた。ヌクレアーゼインキュベーション条件は42℃で20分間であり、停止溶液(Transgenomic(登録商標)キット)を加えることによって反応を停止させた。95℃で2分間加熱することによって、シークエンシングローディング色素(98%脱イオンホルムアミド、10 mM EDTA(pH 8.0)、0.025%ブロモフェノールブルー)によってヘテロ二重鎖を変性させた。変性試料を氷中で冷却して、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動システムに適用した。電気泳動は、6.5%KBPlusゲルによって、LI-COR(登録商標)DNAアナライザ(LI-COR(登録商標)Biosciences)において0.25 mmの間隔をあけた18 cmプレートアセンブリにおいて行い、泳動条件は1500〜2000 V、30 mA、50 Wおよび45℃で3.5時間であった。
プールにおいて変異を有したポリアクリルアミドゲルのレーンにおいて、バンドはIRDye(商標)700赤外線色素画像において野生型のバンドの真下で可視化可能であった。対応物のバンドは、IRDye(商標)800赤外線色素画像において同じレーンにおいて可視化可能であった。このバンドは、相補的DNA鎖からの、IRDye(商標)800赤外線色素によって標識された切断産物であった。二つの対応物のバンドの長さの合計は、アンプリコンの大きさに等しかった。画像分析の後、変異プール(引き伸ばされたバンド)を同定した。
変異が検出されたプールからの個々の植物において2回目の選別ラウンドを行った。陽性系統からの個々の植物DNAを抽出して、第二の選別ラウンドのために野生型DNA試料と合わせた。これは、同じM1プール内で野生型および変異体植物(ホモ接合およびへテロ接合変異体が含まれる)を分離するために役立った。切断されたバンドを有する試料は、変異体ND遺伝子配列を有したが、切断バンドを欠損する試料は野生型ND遺伝子配列を有した。
第三の選別ラウンドを用いて、鋳型として変異体植物DNAのみを用いることによってホモ接合植物からヘテロ接合体を区別した。切断バンドを有しない試料はホモ接合であった。変異を確認するために、CEQ 8000シーケンサー(Beckman, Fullerton, California)を用いて配列トレース情報を分析した。鋳型として抽出DNAを用いて、シークエンシングのためのND遺伝子断片を生成するためにPCR増幅を行った。PCR産物を1%アガロースゲルにおいて分離して精製し、シークエンシングした。
シークエンシング技法は以下の通りであった:DNAを95℃で2分間加熱した後変性させて、その後氷中に入れた。シークエンシング反応物は、変性DNA鋳型0.5〜10μl、1.6 pmolフォワードプライマー2μl、DTCS Quick Start Master Mix 8μlを用いて氷中で調製し、全量を水で20μlとした。サーモサイクリングプログラムは、以下のサイクル30サイクルからなった:96℃で20秒間、50℃で20秒間、および60℃で4分間の後に4℃で保持する。シークエンスを、停止緩衝液(3 M NaOAcと100 mM EDTAを等量、および20 mg/mlグリコーゲン1μl)5μlを加えることによって停止させた。試料を冷95%エタノール60μlによって沈殿させて、6000 gで6分間遠心した。エタノールを捨てた。沈降物を冷70%エタノール200μlによって2回洗浄した。沈降物を乾かした後、SLS溶液40μlを加えて沈降物を浮遊させて、ミネラルオイルを重層した。次に、試料をシークエンシングした(CEQ 8000自動シーケンサー)。配列を野生型配列と整列させた。さらに、いくつかの選択された系統に関するゲノムニコチンデメチラーゼDNAをシークエンシングして、各系統においてニコチンデメチラーゼ遺伝子の単変異のみが存在することを確認した。
独立したM1プール700個をシークエンシング後、変異系統19個を同定した。各系統における変異を表1に記載する。
(表1)EMS変異タバコ(TN90)におけるニコチンデメチラーゼ遺伝子変異
Figure 0005441708
1ヌクレオチド=SEQ ID NO:1および2におけるヌクレオチド番号およびアミノ酸=アミノ酸残基番号
これらの変異系統には、切断タンパク質を有する系統(TN90-4246)1個、一つのアミノ酸変化を有する系統(TN90-1849、TN90-1394、TN90-1761、TN90-4281、TN90-1516、TN90-1514、TN90-3320、TN90-3341、TN90-3387、TN90-1804、およびTN90-1431)11個、ならびにサイレント変異を有する系統(TN90-1777、TN90-1803、TN90-4264、TN90-1921、TN90-3147、TN90-4278、およびTN90-4215)7個が含まれた。これらの系統を、さらなる特徴付けのために圃場に移植した。表1に記載した同じ系統からのさらなるM1種子を播種して、温室において生育させて、より多くのホモ接合植物に関して、およびアルカロイド含有量の分析のために選別した。
実施例3−ニコチン脱メチル化の測定
植物材料および誘導処理
圃場において生育させた実施例2の選択されたM1変異体系統を、ニコチンのノルニコチンへの変換能に関して試験した。膝の高さの段階またはそれより後期での各M1植物からの中央の位置の葉に、0.3%エチレン溶液(Prep brand Ethephon (Rhone-Poulenc))を噴霧して、ノルニコチン形成を誘導した。それぞれの噴霧した葉を、湿潤装置を備えたプラスチックカバーのある乾燥ラックに吊るした。採取した葉に、処理期間のあいだ定期的にエチレン溶液を噴霧した。エチレン処理後およそ3日目に、葉を収集して、アルカロイドのガスクロマトグラフィー(GC)分析のために50℃のオーブンにおいて乾かした。
ガスクロマトグラフィーアルカロイド分析
GCアルカロイド分析は以下のように行った:試料(0.1 g)を2 N NaOH 0.5 mlおよび内部標準としてキノリンおよびメチルt-ブチルエーテルを含有する抽出溶液5 mlと共に150 rpmで振とうさせた。試料を、FID検出器を備えたHP 6890 GC(Hewlett Packard, Wilmington, DE, USA)において分析した。検出器および注入器に関して温度250℃を用いた。5%フェノールおよび95%メチルシリコンによってクロスリンクしたフューズドシリカからなるGCカラム(30 m-0.32 nm-1 m)を、10℃/分の温度勾配110〜185℃で用いた。カラムを流速1.7 cm3/分で100℃で、スプリット比40:1で、ヘリウムを担体ガスとして注入容積2μlで操作した。ニコチン脱メチル化の百分率を、ニコチンおよびノルニコチン量の合計によって除したニコチン量に100を乗じたものとして計算した。
表2は、非変換体表現型を有する植物の百分率および変異体系統8個のニコチン脱メチル化百分率の平均値を、ホモ接合変異体、ヘテロ接合変異体、およびホモ接合野生型が含まれるその系統の個々の植物の遺伝子変異状態に関連して示す。変異体系統4個は、M1世代において5%未満のニコチン脱メチル化百分率を有し、非変換体表現型の変異体系統4246、1849、4215および4278を示すと分類された。他の変異体系統4個は、M1世代において5%またはそれより大きいニコチン脱メチル化百分率を有し、変換体表現型の変異体系統1394、3320、4264、および1924を有すると分類された。
(表2)ニコチンデメチラーゼ変異体系統におけるニコチン脱メチル化レベル
Figure 0005441708
図1A〜1Dは、変異体系統4246、1849、4215、および4278に関するヘテロ接合変異体、ホモ接合変異体、およびホモ接合野生型M1植物における変換体および非変換体表現型の頻度を示す。図1Eおよび1Fは、M1植物におけるニコチン脱メチル化に差がなかった変異体系統に関する代表的な結果を示す。
実施例4−ニコチンデメチラーゼ変異体系統におけるRNA発現分析
二つの系統からのRNAを、そのmRNA発現を調べるために半定量的RT-PCRを用いて分析した。各系統に関して個々のM1植物約20種を実施例3において記述したようにエチレン処理して、総RNAを処理後3日目に抽出した。総RNAは、RNeasy Plant Mini Kit(登録商標)(Qiagen, Inc., Valencia, California)を用いて製造元のプロトコールに従って単離した。組織試料を、DEPC処理乳鉢および乳棒を用いて、液体窒素下で細粉にすりつぶした。すりつぶした組織およそ100 mgを滅菌1.5 ml Eppendorf tube(登録商標)に移して、全ての試料が収集されるまで液体窒素中にチューブを入れた。次に、キットにおいて提供されるように(β-メルカプトエタノールの付加によって)、緩衝液RLT 450 μlを各個々のチューブに加えた。試料を激しく撹拌して56℃で3分間インキュベートした。次に溶解物を、2 ml収集管に入れたQIAshredder(商標)スピンカラムに適用して、最高速度で2分間遠心した。
フロースルーを収集して、透明にした溶解物にエタノール0.5倍量を加えた。試料を十分に混合して、2 ml収集管に入れたRneasy(登録商標)ミニスピンカラムに移した。試料を10,000 rpmで1分間遠心した。次に、緩衝液RW1 700μlをピペットによってRneasy(登録商標)カラムに移して、10,000 rpmで1分間遠心した。緩衝液RPEを新しい収集管に入れたRneasy(登録商標)カラムにピペットで移して、10,000 rpmで1分間遠心した。緩衝液RPEをRneasy(登録商標)スピンカラムに再度加えて、最高速度で2分間遠心してメンブレンを乾かした。
いかなるエタノールの持ち越しも排除するために、メンブレンを別の収集管に入れて最高速度でさらに1分間遠心した。Rneasy(登録商標)カラムを新しい1.5 ml収集管に移して、RNアーゼを含まない水40μlをピペットで直接Rneasy(登録商標)メンブレンに移した。この最後の溶出管を10,000 rpmで1分間遠心した。総RNAの質および量を、変性ホルムアルデヒドゲルおよび分光光度計によって分析した。
SuperScript(商標)逆転写酵素を用いて、製造元(Invitrogen, Carlsbad, California)のプロトコールに従って、第一鎖cDNAを産生した。総RNA約100 ngを第一鎖cDNA生成のために用いた。
フォワードプライマーおよびリバースプライマー各100 pmolによってRT-PCRを行った。反応条件は94℃で2分間の後に、94℃で1分間、67℃で1分間、72℃で3分間を40サイクルの後に、72℃で10分間の伸長1回であった。増幅した試料50μlを1%アガロースゲルを用いる電気泳動によって分析した。
アガロースゲルをエチジウムブロミドを用いて染色して、存在するND RNAの量を、バンドの強度に基づいて低いまたは高いと分類した。選択された試料をスライスしてアガロースゲルから精製した。精製DNAを先に記述したようにCEQ 8000によってシークエンシングした。
実施例5−ニコチンデメチラーゼ配列分析
SEQ ID NO:2において記載したアミノ酸配列を、TFSEARCHプログラム(cbrc.jp/htbin/nph-tfsearch)、およびWeb Signal Scan Program(dna.affrc.go.jp/sigscan)を用いる分析に供して、調節領域エレメント(たとえば、TATA、CAATボックス)、臓器特異的エレメント、およびWRKYエレメントを同定した。図2において示されるように、分析により、SEQ ID NO:2が、アミノ酸108〜129、212〜220、249〜256、312〜326、380〜390、および491〜497位において基質認識部位(SRS)6個、アミノ酸9〜20位でN-末端疎水性膜貫通ドメイン、アミノ酸34〜38位でプロリンリッチ領域、アミノ酸346〜351位でトレオニン含有酸素結合ポケット、アミノ酸353〜356位でK-へリックスコンセンサス、アミノ酸430〜433位でPERFコンセンサス、およびアミノ酸450〜459位でシステイン含有ヘム結合領域を含有することが示された。
実施例6−ニコチンデメチラーゼ変異体系統におけるニコチン変換の安定性
選択されたM2変異体系統、4246-8および1859-8Bによって、選別された低変換体(LC)認証商業品種(TN90-LC)およびその高変換体対応物(TN90-C)を対照として用いて、大規模圃場試験を行った。選別されたLC認証品種は、 F. W. Rickard Seeds(Winchester, Kentucky)から市販されている。選別されたLC認証種子を、選別されたLC原種子(foundation seed)から生育させた植物から収集する。選別されたLC原種子を、3%より高いニコチン変換レベルを有する植物が除去されたタバコ植物、および3%より高いニコチン変換レベルを有する植物を除去する前に産生されたいかなる花またはさく果も除去されたタバコ植物の集団から収集する。
二つのM2変異体系統4246-8および1859-8Bを、M1ホモ接合変異体植物の自家受粉を通して産生した。これらの系統を系統あたり植物約200株の総集団で三つの圃場試験において生育させた。圃場において生育させた植物を、ニコチンからノルニコチンへの変換能に関して試験した。各M2植物からの中央の位置の葉を実施例3において記述されるようにエチレン処理した。エチレン処理後およそ3日目に、葉を収集して、実施例3において記述されるようにアルカロイドのガスクロマトグラフィー(GC)分析のために50℃のオーブンで乾かした。
表3は、市販のLC系統および変換体対照と比較したM2変異体系統におけるニコチン変換の安定性を示す。変異体系統4246-8は、ニコチン変換百分率の平均値1.9%を有し、高変換体と分類される植物を有しなかった。変異体系統1849-8Bは、ニコチン変換百分率の平均値2.1%を有し、高い変換体と分類されたのは全体で植物214株中3株であった。LCおよび変換体系統はそれぞれ、6.6%および80.6%の変換率の平均値を有し、高変換体と分類された植物はそれぞれ、24%および100%であった。
M3世代は、類似の低い変換頻度を有し、変異体系統における低変換体表現型の安定性を示している。
(表3)ニコチンデメチラーゼ変異体M2系統、選別した低変換体、および変換体対照におけるニコチン脱メチル化レベル
Figure 0005441708
実施例7−ニコチンデメチラーゼ変異体系統におけるタバコ特異的ニトロサミン形成の検出
実施例6において記述されるように、選別された低変換体(LC)認証商業品種(TN90-LC)および対照としてのその高変換体対応物(TN90-C)を用いて、選択されたM2変異体系統、4246-8および1859-8Bについて大規模圃場試験を行った。
実施例6からの圃場生育植物を成熟するまで生育させて、収穫して標準的なタバコ生産のプラクティスを用いて空気乾燥させた。タバコの化学をガスクロマトグラフィー-TAE分析によって分析した。表4は、LCおよび変換体対照と比較したタバコ特異的ニトロサミン(TSNA)含有量を示す。ノルニコチンに直接由来するN-ニトロソノルニコチン(NNN)含有量および総TSNA含有量は、変異体系統において、TN90-LCおよびTN90-変換体系統の含有量より低かった。
(表4)空気乾燥させたバーレー型タバコ変異体系統におけるニトロソノルニコチン(NNN)および総タバコ特異的ニトロサミン(TSNA)レベル
Figure 0005441708
実施例8−ニコチンデメチラーゼRNA干渉
TiニコチンデメチラーゼRNA干渉(RNAi)構築物を、それぞれのニコチンデメチラーゼRNAi構築物が、プロモーターに対してアンチセンス方向にニコチンデメチラーゼ核酸談断片(SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、またはSEQ ID NO:8)に機能的に連結したキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター(CsVMV)の後に、ループ配列、それぞれの断片の相補体、および図3において示されるNosターミネーターを含有するように、ニコチンデメチラーゼ核酸配列(SEQ ID NO:1)の断片を用いて構築した。それぞれのニコチンデメチラーゼRNAi構築物は、シロイヌナズナアクチン2プロモーターに機能的に連結したネオマイシンホスホトランスフェラーゼII遺伝子、およびNosターミネーターを含有した。図3を参照されたい。ニコチンデメチラーゼRNAi構築物に存在する配列を表5に示す。
(表5)ニコチンデメチラーゼRNAi構築物を構築するために用いた核酸配列
Figure 0005441708
それぞれのニコチンデメチラーゼRNAi構築物を、標準的なアグロバクテリウム(Agrobacterium)形質転換を用いてナローリーフマドール(Narrow Leaf Madole)ダークタバコおよびTN90バーレータバコに導入した。簡単に説明すると、4週齢の無菌的に生育させた植物からの葉組織を細片に切断して、A.ツメファシエンス(A. tumefaciens(LB4404株))を含有する液体培地において、所望の構築物と共にインキュベートした。組織の感染を増強するために、抗生物質を含まない基本培地において組織を2日間生育させた。3日目に、形質転換体を選択するためにカナマイシン(300 mg/L)および残留A.ツメファシエンスを殺すためにセトフェキシン(500 mg/L)を含有する培地に組織を播種した。カルス組織が発達するまで培養培地を毎週交換した。カルス組織に由来する苗条を、発根させるために発根培地に移して、その後出根した苗木を市販の土壌ミクスを含有する4インチポットに移植した。植物を温室において成熟するまで生育させて自家受粉させた。
本明細書において用いられるように、「R0」は、外因性の核酸によって形質転換された植物細胞(およびそこから生育した植物)を指し、「R1」はR0植物を自家受粉させることによって産生された種子およびそのような種子から生育した植物を指す。「R2」は、自家受粉させたR1植物の子孫(種子および植物)であり、「R3」は、自家受粉させたR2植物の子孫であり、および「R4」は、自家受粉させたR3植物の子孫である。「R5」は、自家受粉させたR4植物の子孫である。「R6」、「R7」等はそれぞれ、先の世代の自家受粉植物の子孫である。
トランスジェニック系統の選別および再生
初代形質転換体の自家受粉に由来するR1種子を発芽させて、300 mg/Lカナマイシンを含有する培地において生育させた。感受性のある実生が萎黄病となり、本葉を産生することができない発芽後2〜3週間目に、カナマイシン耐性実生および感受性実生の数を決定した。これらのデータを用いて、分離パターンを同定した。カナマイシンに対して耐性である植物を温室において成熟するまで生育させて、自家受粉させた。種子を各植物から収集して、どのR1植物がトランスジーンに関してホモ接合であるかを決定するために、カナマイシンを含有する培地に蒔いた。
各トランスジェニックRNAi系統からの種子を圃場に植えて、ニコチンからノルニコチンへの変換を測定して、各タバコ品種の三つの対照と比較した:1.空のベクター(すなわち、ニコチンデメチラーゼ核酸断片、ループ配列、およびニコチンデメチラーゼ断片相補的配列を欠損するベクター)を含有するタバコ植物;2.市販のLC系統からの植物(すなわち、ナローリーフマドールトランスジェニック植物に関してナローリーフマドールLC認証種子(F.W. Rickard Seeds, Winchester, Kentucky)、およびTN90トランスジェニック植物に関してTN90-LC認証種子);ならびに3.高変換体系統からの植物(すなわち、ナローリーフマドールトランスジェニック植物に関して181 CKおよびTN90トランスジェニック植物に関してTN90-C)。ダークタバコ植物は、その変換率が3%またはそれより大きい場合に変換体であると同定された。バーレータバコ植物は、その変換率が5%またはそれより大きい場合に変換体であると同定された。結果を表6および7に示す。
(表6)トランスジェニックナローリーフマドールダークタバコにおけるニコチンからノルニコチンへの変換
Figure 0005441708
(表7)トランスジェニックTN90バーレーにおけるニコチンからノルニコチンへの変換
Figure 0005441708
ニコチンデメチラーゼRNA発現を、定量的RT-PCRを用いてTN 90-LCにおけるニコチンデメチラーゼRNA発現と比較して測定した。結果を表8に示す。
(表8)相対的NDM mRNA発現
Figure 0005441708
実施例9−ニコチンデメチラーゼRNAi系統におけるタバコ特異的ニトロサミン形成の検出
選択されたNDM RNAi系統、NLM- IN5-44、NLM-IN5-52、NLM-2IN-22、NLM-2IN-38、NLM-2AT-33、NLM-2AT-32、NLM-3AT-11、TN90-IN5-14、TN90-IN5-22、TN90-2IN-12、TN90-2AT-4、TN90-2AT-5、およびTN90-G2-7について、それぞれの空のベクター形質転換品種、それぞれの選別された低変換体(LC)認証商業品種(すなわち、ナローリーフマドールLCおよびTN 90-LC)、およびそれぞれの高変換体対応物(すなわち、181およびTN90-LC)を対照として大規模圃場試験を行った。LC種子を実施例7において記述されるように産生した。R1ホモ接合トランスジェニック植物の自家受粉を通して産生されたRNAi TN 90系統6種とRNAiナローリーフマドール系統8種を用いて、タバコ特異的ニトロサミン(TSNA)レベルを測定した。
系統あたり植物約200株を三つの圃場試験において成熟するまで生育させた。植物を収穫して、標準的な技術を用いて表9〜11において示されるように乾燥させた。タバコの化学的性質をガスクロマトグラフィー-TAE分析によって分析した。表9〜11は、空のベクター、LC、および変換体対照と比較した、RNAi系統のN-ニトロソノルニコチンレベルおよび総タバコ特異的ニトロサミン(TSNA)を示す。データは、NDM RNAi系統におけるN-ニトロソノルニコチン(NNN)レベルおよび総TSNAレベルが対照系統より低かったことを示している。
(表9)火力乾燥ダークタバコRNAi系統におけるNNNおよび総TSNAレベル
Figure 0005441708
(表10)空気乾燥ダークタバコRNAi系統におけるNNNおよび総TSNAレベル
Figure 0005441708
(表11)空気乾燥バーレータバコRNAi系統におけるNNNおよび総TSNAレベル
Figure 0005441708
実施例10−ニコチンデメチラーゼ変異体およびRNAi系統における表現型の特徴付け
ニコチンデメチラーゼ変異体およびRNAi系統の大規模圃場試験を、実施例7および9において記述されるように成熟するまで生育させた。植物の高さ、葉の長さ、葉の幅、および収量を測定した。結果を表12〜14に示す。
(表12)ダークタバコRNAi系統の表現型特徴
Figure 0005441708
(表13)バーレータバコRNAi系統の表現型特徴
Figure 0005441708
(表14)バーレータバコ変異体系統の表現型特徴
Figure 0005441708
他の態様
本発明は、その詳細な説明と共に記述してきたが、前述の説明は本発明の例証であって、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を制限しないと意図される。他の局面、長所、および改変は以下の特許請求の範囲内である。

Claims (10)

  1. 5%未満のニコチンの脱メチル化である非変換体表現型(non-converter phenotype)を示す、SEQ ID NO:2に示される配列を有するポリペプチドをコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子において変異を有する植物を含む、タバコのハイブリッド、品種、または系統であって、前記植物の子孫が、野生型ニコチンデメチラーゼ遺伝子を有する植物を含む対応するタバコのハイブリッド、品種、または系統の復帰変異率(reversion rate)と比較して少なくとも2倍低減されている復帰変異率を有し、前記変異がa)アミノ酸329位のトリプトファンの終止コドンによる置換およびb)アミノ酸107位のプロリンのロイシンによる置換からなる群より選択される、タバコのハイブリッド、品種、または系統。
  2. 以下の段階を含む、タバコ植物を作製する方法:
    a)ニコチアナ種の細胞において変異誘発を誘導する段階;
    b)前記細胞から一つまたは複数の植物を得る段階;および
    c)以下からなる群より選択される少なくとも一つの変異を有するニコチンデメチラーゼ遺伝子を含有する前記植物の少なくとも一つを同定する段階:
    i)アミノ酸329位のトリプトファンが終止コドンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子;および
    ii)アミノ酸107位のプロリンがロイシンに置換されているSEQ ID NO:2に記載のアミノ酸配列をコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子、
    であって、前記植物が5%未満のニコチンの脱メチル化である非変換体表現型を示す、方法。
  3. 以下の段階をさらに含む、請求項2記載の方法:
    前記ニコチンデメチラーゼ遺伝子において前記少なくとも一つの変異を含有する前記植物を第二のニコチアナ植物と交配させる段階;および
    前記ニコチンデメチラーゼ遺伝子において前記少なくとも一つの変異を有する前記交配の子孫を選択する段階。
  4. 細胞が種子に存在する、請求項2記載の方法。
  5. SEQ ID NO:2に示される配列を有するポリペプチドをコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子座で、a)アミノ酸329位のトリプトファンの終止コドンによる置換およびb)アミノ酸107位のプロリンのロイシンによる置換からなる群より選択される変異を含む変異対立遺伝子に関してヘテロ接合であるM1タバコ植物であって、前記植物の第一世代自家受粉子孫の少なくとも一部が5%未満のニコチンの脱メチル化である非変換体表現型を示し、前記M1タバコ植物の子孫が、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で野生型対立遺伝子を含む対応するタバコ植物の子孫の復帰変異率より統計学的に有意に低い割合で変換体表現型に復帰変異する、M1タバコ植物。
  6. 子孫がニコチンデメチラーゼ遺伝子座で変異対立遺伝子を有し、非変換体表現型を有する、請求項5記載のタバコ植物の子孫。
  7. SEQ ID NO:2に示される配列を有するポリペプチドをコードするニコチンデメチラーゼ遺伝子座で、a)アミノ酸329位のトリプトファンの終止コドンによる置換およびb)アミノ酸107位のプロリンのロイシンによる置換からなる群より選択される変異を含む変異対立遺伝子をそのゲノムにおいて保有するM1タバコ植物であって、その子孫が、ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で野生型対立遺伝子を含む対応するタバコ植物の子孫の復帰変異率より統計学的に有意に低い割合で変換体表現型に復帰変異する、5%未満のニコチンの脱メチル化である非変換体表現型を示す、M1タバコ植物。
  8. 前記ニコチンデメチラーゼ遺伝子座で前記変異対立遺伝子を有し、前記非変換体表現型を有する、請求項7記載のタバコ植物の子孫。
  9. 請求項1に記載のハイブリッド、品種、または系統から作製された乾燥タバコ(Cured tobacco)。
  10. 請求項9記載の乾燥タバコを含むタバコ製品。
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