JP5440872B2 - 環境連動制御装置 - Google Patents
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Description
記憶部21は、各検出装置10が設置されている位置を示す設置位置情報と、各個人の好みの環境の状態を示す環境好み情報を記憶する。環境好み情報には、好みの光環境状態、及び、温熱環境状態を示す情報が含まれる。検出情報受信部22は、検出装置10から在室者を特定する情報を受信する。位置取得部23は、在室者を検出した検出装置10が設置されている位置を記憶部21から読み出す。この検出装置10の位置は、当該検出装置10が検出した在室者の位置に相当する。環境好み情報取得部24は、検出装置10が検出した在室者の環境好み情報を記憶部21から読み出す。通知部25は、位置取得部23が取得した位置と、当該位置の検出装置10が検出した在室者について環境好み情報取得部24が読み出した環境好み情報とを対応づけて機器連動制御装置30へ送信する。
記憶部31は、消費電力情報及び機器位置情報を記憶する。消費電力情報は、調光率と照明50bの消費電力とを対応付けた照明消費電力情報、及び、熱負荷と空調50cの消費電力とを対応付けた空調消費電力情報を含む。機器位置情報は、環境調整機器50が設置されている位置を示す情報である。環境好み情報受信部32は、個人位置検出装置20から在室者の環境好み情報及び当該在室者の位置を受信する。室内条件受信部33は、オフィスに設置されているセンサが検出したオフィス内の環境の計測値を受信する。外気条件受信部34は、オフィスの建物の外に設置されているセンサが検出した外気の環境の計測値を受信する。
図2は、環境連動制御システムにおける個人位置検出装置20の処理フローを示す図である。個人位置検出装置20の記憶部21には、予め、各検出装置10を特定する検出装置IDとオフィス内の位置を特定する位置IDとを対応づけた設置位置情報を登録しておく。加えて、記憶部21には、個人を一意に特定する個人IDと環境好み情報とを対応付けて登録しておく。環境好み情報は、各個人の好みの照度及び空調温度を示す。
また、消費電力計算部35は、直射日光及び散乱日射の日射量、プロファイル角、オフィスの形状から直接照度及び天空照度を算出し、この算出した直接照度及び天空照度、ブラインド状態に対応した反射(ブラインド輝度分布関数)などからオフィス内に直接入る光の照度、床に反射する光の照度、天井に反射する光の照度を考慮したオフィス内の昼光照度を算出する。
算出の際に用いる室温は室内条件受信部33により、外気温及び全天日射量は外気条件受信部34により得る。また、建物や窓に関する情報、ブラインド状態に基づく直達日射遮蔽係数及び拡散日射遮蔽係数、熱貫流率、反射など、昼間照度及び熱負荷の算出の際に用いる設定値は記憶部31に予め登録しておく。
なお、昼光照度及び熱負荷の算出方法については、上記に限らず、既存の任意の技術を適用することができる。
さらに、消費電力計算部35は、各ブラインド状態に対応して算出した熱負荷それぞれを用いて、空調50cを目標の空調温度とするための熱負荷を算出する。消費電力計算部35は、この算出した熱負荷に対応した消費電力を記憶部31の空調消費電力情報から読み出す(ステップS225)。
ブラインド制御装置40aは、受信したブラインド制御情報に設定されているブラインド状態によりブラインド50aを制御する。
照明制御装置40bは、照明制御情報に含まれる照明IDにより特定される照明50bの調光率を当該照明IDに対応した調光率に制御し、他の全ての照明50bを当該照明制御情報が示す照明50b全体の調光率に制御する。
空調制御装置40cは、空調50cを受信した空調制御情報が示す空調温度により制御し、さらに、空調制御情報により示される吹出口IDにより特定される吹出口51cを制御内容に従ってオープンする。
オフィスにAさん、Bさん、及び、Cさんが在室している場合、機器連動制御装置30の環境好み情報受信部32は、Aさんの環境好み情報「照度500ルクス(lx)、空調温度28度」、Bさんの環境好み情報「照度700ルクス、空調温度26度」、及び、Cさんの環境好み情報「照度350ルクス、空調温度29度」を受信する。消費電力計算部35は、Aさん、Bさん、Cさんの好みの照度の平均「517ルクス」を目標の照度とし、Aさん、Bさん、Cさんの好みの空調温度の平均「27.7度」を目標の空調温度とする。
また、制御指示部36は、自動採光の場合の昼光照度は「400ルクス」、目標の照度が「517ルクス」であるため、オフィス全体の照明50bを「+117ルクス」(=517ルクス−400ルクス)とするよう照明制御装置40bへ指示する。加えて、Aさんの好みの照度は「500ルクス」であるため、制御指示部36は、Aさんの真上の照明50bを「+100ルクス」とするように照明制御装置40bへ指示する。同様にして、Bさんの真上の照明50bを「+300ルクス」、Cさんの真上の照明50bを「−50ルクス」とするように照明制御装置40bへ指示する。
さらに、制御指示部36は、目標の空調温度「27.7度」に空調50cを制御し、空調50cが冷房運転であるため、この目標の空調温度よりも好みの空調温度が低いBさんの足元の吹出口51cをオープンするよう、空調制御装置40cに指示する。
例えば、検出装置10をコンピュータ端末とし、個人がユーザIDとパスワードを入力し、認証された場合に、この入力されたユーザIDを個人IDとして個人位置検出装置20に送信する。あるいは、検出装置10に、声、指紋などの生体情報を入力して個人認証を行い、個人を特定する。
あるいは、個人位置検出装置20の記憶部21に各個人のスケジュールとして作業場所を登録しておき、位置取得部23は現在時刻に対応して登録されている作業場所がオフィス内を示していれば在室者と判断する。この場合、在室者の位置は、当該在室者の座席、または、スケジュールに登録されている作業場所とすることができる。
オフィスのブラインドを開けることによって、オフィス内に外からの日射を取り入れ、照明を補うことができる。よって、目標とする明るさとするために照明自体が発生させなければならない光量を減少させることができるため、照明にかかる電力を減少させることができる。しかし、日射を入れることによって同時にオフィス内の熱負荷が増大する。熱負荷が増えると、空調の負荷が増大する可能性があり、その場合消費される電力が増大する。一方、ブラインドを閉めることによってその逆の現象が発生する。つまり、オフィス内に取り入れられる日射が減少して目標とする明るさとするために照明自体が発生させなければならない光量が増加し、照明にかかる電力が増加する一方、オフィス内の熱負荷が減少し、空調に消費される電力が減少する。そこで、本実施形態では、日射を入れた場合と、入れなかった場合との間で、トータルの消費エネルギーが最も低くなるときの光環境及び温熱環境の環境調整機器の制御状態を決定している。つまり、光環境の環境調整機器の状態を変化させることによって生じる光環境の変化だけでなく、それに伴って変化し、かつ、エネルギー消費量に影響を与える大きな要因の1つである熱負荷をも考慮しているため、光環境及び温熱環境という異なる環境を制御する環境調整機器全体においてエネルギー消費量が最も少なくなる制御状態を選択することができる。
そして、消費エネルギーを抑えるように複数の環境調整機器を制御することができることに加え、各在室者の好みに合わせて、当該在室者の位置の照明や空調の吹出口を制御し、個人の快適性をも満たすことができる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
10…検出装置
20…個人位置検出装置
21…記憶部
22…検出情報受信部
23…位置取得部
24…環境好み情報取得部
25…通知部
30…機器連動制御装置
31…記憶部
32…環境好み情報受信部
33…室内条件受信部
34…外気条件受信部
35…消費電力計算部
36…制御指示部
40…機器制御装置
40a…ブラインド制御装置
40b…照明制御装置
40c…空調制御装置
50…環境調整機器
50a…ブラインド
50b…照明
50c…空調
51c…吹出口
Claims (4)
- 建物内の空間における環境を調整する複数の環境調整機器を連動させる環境連動制御装置であって、
個人の好みの環境の状態を示す環境好み情報を記憶する記憶部と、
前記空間に存在する個人の前記環境好み情報を前記記憶部から読み出す環境好み情報取得部と、
前記環境好み情報取得部が読み出した前記環境好み情報に基づいて目標の温熱環境の状態を決定するとともに、温熱環境とは異なる環境の前記環境調整機器を異なる状態に制御したときに生じる熱負荷を算出し、算出した前記熱負荷が生じている条件下で温熱環境の前記環境調整機器が前記空間を前記目標の温熱環境の状態に調整したときの予測消費電力を得る消費電力計算部と、
前記消費電力計算部によって得られた前記予測消費電力が最小であるときの状態とするように温熱環境とは異なる環境の前記環境調整機器を制御するとともに、前記空間を前記目標の温熱環境の状態に調整するよう温熱環境の前記環境調整機器を制御する制御指示部と、
を備えることを特徴とする環境連動制御装置。 - 消費電力計算部は、前記環境好み情報取得部が読み出した前記環境好み情報に基づいて目標の温熱環境の状態及び目標の他の環境の状態を決定するとともに、温熱環境とは異なる環境の前記環境調整機器を異なる状態に制御したときに生じる熱負荷及び他の環境の状態を算出し、算出した前記熱負荷が生じている条件下で温熱環境の前記環境調整機器が前記空間を前記目標の温熱環境の状態に調整したときの予測消費電力と、算出した前記他の環境の状態が生じている条件下で他の環境の前記環境調整機器が前記空間を前記目標の他の環境の状態となるように調整したときの予測消費電力とを得、
前記制御指示部は、前記消費電力計算部によって得られた前記予測消費電力の合計が最小であるときの状態とするように温熱環境とは異なる環境の前記環境調整機器を制御し、前記空間を前記目標の温熱環境の状態に調整するよう温熱環境の前記環境調整機器を制御し、前記空間を前記目標の他の環境の状態に調整するよう他の環境の前記環境調整機器を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の環境連動制御装置。 - 前記温熱環境とは異なる環境と前記他の環境の少なくとも一方は、光環境であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の環境連動制御装置。
- 前記制御指示部は、さらに、前記空間に存在する前記個人の位置に設置されている前記環境調整機器を、当該個人の前記環境好み情報により示される環境の状態に応じて制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の環境連動制御装置。
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