JP5440670B2 - 電動機 - Google Patents

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Description

この発明は、電動機に関し、特に、ハイブリッド自動車に用いられる電動機に関する。
近年、電動モータは、自動車にも多数用いられているが、用途対象が自動車であることから、小型化及び高効率化への要求が厳しい。現在、走行用に電動モータを搭載した自動車の多くは、エンジンの出力とモータの出力を組み合わせて走行するハイブリッド自動車であり、発電機用途と電動機用途の2つのモータを搭載したものが多い。このようなハイブリッド自動車用モータの小型化・高効率化を実現する手段として、「回転電機」(特許文献1参照)がある。
この「回転電機」によれば、1つの固定子に給電することで2つの回転子を独立に回転させることが可能であり、1つのモータ体格で2つのモータ分のトルクを発生させることが可能であると共に、両回転子に合わせて固定子に与えられる電流の平均値は、単純に2つのモータに電流を与えた場合の平均値より低く、電流による損失が低減するという効果がある。
特開平11−275827号公報
しかしながら、従来の「回転電機」においては、例えば、モータをタイヤの内側に搭載するホイールインモータのような場合、出力軸が2つは必要無く冗長となってしまうが、それでも2つのモータ分のトルクを低い損失で発生させるためには2つの回転子を機械的に結合することになり、小型化が困難であった。
これに対し、本出願人は、例えば、異なる極対数の複数の回転子を一体に統合し、一つのモータの体格に小型化した「同期電動機」(特願2005−338874号明細書参照)を提案している。
一方、磁石トルクを高めるために、補助磁極を設置することが考えられる(特開2003−347121号公報参照)が、この場合、補助磁極を設置するための場所、即ち、磁石設置スペースを新たに確保する必要があった。
この発明の目的は、磁石設置スペースを新たに確保することなくトルクの向上が可能であり、更に、小型化を実現することができる電動機を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係る電動機は、周期が異なる二つの電流を複合した複合電流を固定子の巻線に供給し、前記複合電流を構成する一方の電流に対応する第1の磁束と、当該複合電流を構成する他方の電流に対応する第2の磁束とを合算した合算磁束を発生させる第1の磁束発生部材を備えた回転子を駆動する電動機において、半径方向に配置した異なる複数の磁極数に相当する前記合算磁束を発生させる前記回転子の、着磁方向が相反する異極同士が重なる部分に、隣接する前記第1の磁束発生部材の位置にある半径方向の磁束が増加するように磁束を発生させる第2の磁束発生部材を配置したことを特徴としている。
この発明によれば、周期が異なる二つの電流を複合した複合電流を固定子の巻線に供給し、複合電流を構成する一方の電流に対応する第1の磁束と、当該複合電流を構成する他方の電流に対応する第2の磁束とを合算した合算磁束を発生させる第1の磁束発生部材を備えた回転子を駆動する電動機は、半径方向に配置した異なる複数の磁極数に相当する合算磁束を発生させる回転子の、着磁方向が相反する異極同士が重なる部分に、隣接する第1の磁束発生部材の位置にある半径方向の磁束が増加するように磁束を発生させる第2の磁束発生部材を配置している。
このため、磁石設置スペースを新たに確保することなくトルクの向上が可能であり、更に、小型化を実現することができる。
この発明の第1実施の形態に係る電動機の回転子と固定子の構成を概略的に示す断面説明図である。 図1の磁石における他の着磁方向の例を示す断面説明図である。 12スロットの固定子に4極対の回転子を有するモータの回転子と固定子の構成を概略的に示す断面説明図である。 12スロットの固定子に8極対の回転子を有するモータの回転子と固定子の構成を概略的に示す断面説明図である。 4極対の回転子と8極対の回転子を重ね合わせたモータの回転子と固定子の構成を概略的に示す断面説明図である。 複合磁束モータの回転子と固定子を示す断面図である。 図6の回転子の生成説明図であり、(A)は2回転子構造のモータの回転子であり、(B)は(A)の磁石を内側の回転子の表層に2層に配置したものであり、(C)は径方向に見て異なる着磁の磁石が張り合わせてある部分から磁石を排除したものである。 2つの正弦波の複合状態の一例を示す波形図である。 2つの正弦波複合によるピーク・平均値等の変化をグラフで示す説明図である。 この発明の第2実施の形態に係る電動機の回転子と固定子の構成を概略的に示し、(a)は磁石を表面配置した場合の断面説明図、(b)は磁石を埋め込み配置した場合の断面説明図である。 この発明の第3実施の形態に係る電動機の回転子と固定子の構成を概略的に示し、(a)は磁石を表面配置した場合の断面説明図、(b)は磁石を埋め込み配置した場合の断面説明図である。 この発明の第4実施の形態に係る電動機の回転子と固定子の構成を概略的に示し、(a)は磁石を表面配置した場合の断面説明図、(b)は磁石を埋め込み配置した場合の断面説明図である。
以下、この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、この発明の第1実施の形態に係る電動機の回転子と固定子の構成を概略的に示す断面説明図である。図2は、図1の磁石における他の着磁方向の例を示す断面説明図である。なお、図中の矢印は磁石の着磁方向を示しており、他の図においても同様である。
図1に示すように、電動機(モータ)10は、周期が異なる二つの磁極数に相当する磁石磁束を合算して発生させる回転子(ロータ)11を有する複合磁束モータであり、第1の磁束発生部材の磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部に、着磁方向を持つ第2の磁束発生部材としての磁石12a,12bからなる第2の磁石12を配置している。
フラックスバリア部に配置された磁石12は、磁石磁束の合算による磁束の増加部方向に磁束が集中するように(すなわち、隣接する第1の磁束発生部材の位置にある半径方向の磁束が増加するように)、着磁方向が一方向以上の多方向となるように着磁されている。この磁石12の着磁方向は、図2に示すように、単一角度ではなく複数の異なった傾き角度を有する多方向磁束の集合(図中、矢印参照)により一方向を形成しても良い。これにより、簡易な磁石12の配置によって、磁石設置スペースを新たに確保することなくトルクを向上させることができ、或いは同等のトルクを少ない磁石量で発生させることができる。
この複合磁束モータであるモータ10は、4極対のロータと8極対のロータを重ね合わせた構成を有している。
図3は、12スロットの固定子に4極対の回転子を有するモータの回転子と固定子の構成を概略的に示す断面説明図である。図4は、12スロットの固定子に8極対の回転子を有するモータの回転子と固定子の構成を概略的に示す断面説明図である。図5は、4極対の回転子と8極対の回転子を重ね合わせたモータの回転子と固定子の構成を概略的に示す断面説明図である。
図3に示すように、モータ13は、スロット14aの数が12の固定子(ステータ)14、及び4極対の第1の磁束発生部材としての磁石15が配置されたロータ16を有する低磁極数モータであり、図4に示すように、モータ17は、スロット14aの数が12のステータ14、及び8極対の磁石15が配置されたロータ18を有する高磁極数モータである。そして、図5に示すように、モータ13の4極対のロータ16(図3参照)と、モータ17の8極対のロータ18(図4参照)を重ね合わせた構成を有するモータ19は、ロータ20のロータ径方向において異極同士重なる部分がフラックスバリア部20aと見なされる。これは、ロータ径方向において異極同士が重なる部分は、着磁方向が相反することにより相殺されるためである。
つまり、4極対のロータと8極対のロータを重ね合わせた構成を有する複合磁束モータであるモータ10には、ロータ11の磁石磁束合算による磁束減少部であるフラックスバリア部と見なされる部分に、この部分に隣接する磁石磁束合算による磁束増加部の方向に磁束が集中するように着磁した磁石12a,12bから構成される第2の磁束発生部材としての磁石12(図1,2参照)が、配置されている。
ここで、複合磁束モータについて説明する。
図6は、複合磁束モータの回転子と固定子を示す断面図である。図6に示すように、同期電動機の固定子21は、18個の分割されたコア22から構成され、18個の分割されたコア22には、それぞれ巻線23が集中的に巻かれている。この巻線は、6個おきに配置されている3個が1セット(トータル6セット)となっており、直列或いは並列に接続され、その一方が中性点として他の相の一方と接続され、他方は図示しないインバータの内部で、電源ラインのP側・N側にスイッチング素子を介して接続されている。このインバータは、6相を制御する構成となっている。
この固定子は、分割されたコアで説明されているが、分割されていないコアでも同様の動作ができ、また、スロットレス型モータでも本発明を適用することが可能である。また、巻線は、集中巻に限らず分布巻でも適用可能である。
回転子24は、N極の3つの磁石N1〜N3、S極の6つの磁石S1〜S6を含み、これらの磁石は、3極対と6極対の2種類の極対数を備える2組の磁石として機能する。この場合の2組の磁石は、概念的なものであり、部材が明確に分離されているものではなく、固定子の巻線に供給される複合電流を構成する1つの電流に対して、3極対の磁石のセットとして振る舞う磁石の組が1つあり、複合電流を構成するもう1つの電流に対して、6極対の磁石のセットとして振る舞う磁石の組が1つあることを意味するものであり、各磁石S1〜S6,N1〜N3が同時に双方の組の磁石として機能するものである。
この詳細については、図7を参照して説明する。以降、作図や説明の便宜上、回転子の磁石をN極、S極として図示・説明するが、N−S極の構成・配置を逆に置き換えても発明の作用・効果は同様であることに留意されたい。更に、N極、S極の磁石は、磁力線の向きが半径方向となるように、着磁方向をそれぞれ半径方向(反対向きで)にした磁石を、N極を外側(固定子側)、S極を外側(固定子側)に配置したものである。この実施例では、磁石は着磁方向を半径方向に配置したものを用いてあるが、この配置には限定されず、磁力線がほぼ半径方向に向いていれば問題なく、例えばV字型の磁石配置であってもよい。
図7は、図6の回転子の生成説明図であり、(A)は2回転子構造のモータの回転子であり、内側回転子が3極対、外側回転子が6極対の磁石を備える。この磁石を内側の回転子の表層に2層に配置したのが(B)である。なお、配置の際に、若干の位相調整をしているがその詳細は後述する。
図7(B)を見ると、回転子24Aは、着磁方向の異なる2種類の磁石(N極、S極)が幾つかの位置で互いに接している。周知のように、着磁方向の異なる磁石を張り合わせた場合、双方の磁力が同じであれば磁石が無い物と等価である。
そこで、径方向に見て異なる着磁の磁石が張り合わせてある部分から磁石を排除したのが図7(C)であり、この回転子24には、N極の磁石N1〜N3,S極の磁石S1〜S6が含まれる。この結果、周囲に曲線で示したような、3極対と6極対の複合磁束CFを発生する回転子24が完成する。なお、内側回転子と外側回転子とを一体にした構成である図7(B)の構成でもモータは機能する。つまり、回転子24Aは、インナーロータの第1の回転子とアウターロータの第2の回転子とを一体化した構成の回転子である。
本発明は、更に、このような構成に改良を加えた、不要な磁石を除去した図7(C)の構成を対象とするものであり、削除した磁石分の慣性の低減によるトルクの向上、モータの軽量化、削除した磁石分の経費節減等の効果がある。
なお、図7(C)では、不要な磁石を除去した領域は空間となっており、空気がその領域を占めているが、この空気が占める領域は磁束を通さない機能を果たしている。即ち、磁石を除去したこの領域には、鉄等の磁束を通し易い素材以外の部材を置く必要があるが、通常は空間(空気)でこと足りる。勿論、当該領域には空気以外の磁束を通し難い部材が設置されていてもかまわない。
図8は、2つの正弦波の複合状態の一例を示す波形図である。つまり、3極対と6極対の回転子を駆動させるための正弦波(振幅1)の各電流、及びこれらを複合させた複合電流の一例としての各波形を示している。この両者を複合させる場合、双方の位相によって波形が変化することは容易に想像でき、位相を変化させた場合の絶対値のピーク、絶対値の平均値、二乗平均値を示したのが、図9の(A),(B),(C)である。
図9は、2つの正弦波複合によるピーク・平均値等の変化をグラフで示す説明図である。この正弦波の複合を、回転磁束を発生させる電流に適用した場合には、絶対値のピークはインバータのスイッチング素子容量に関与し、絶対値の平均値は一定電圧降下を発生する、電力変換装置の構成部材であるパワー素子(IGBT等)・ダイオード等の損失に関与し、二乗平均値は巻線など一定抵抗での損失に関与する。
この図を見ると、双方の位相差が0(又は30°)の場合に絶対値ピークと絶対値の平均値とが最小になり、二乗平均値は位相に関係なく一定となることが分かる。また、各図には、3極対と6極対のそれぞれで求めた値の和が別の線で示されており、いずれも複合させた場合の方が小さくなっていることが分かる。従って、電流を位相差が0となるように制御することが、スイッチング素子の容量・IGBT等の損失・抵抗の損失、全てに優位な条件といえる。
電流をこの条件とするためには、回転子で発生する磁束は、3極対と6極対それぞれに対して1/4周期ずれていることが必要であり、3極対については30°、6極対については15°となるので、差し引き15°ずれていれば良い。このことから、図7(B)では両者の磁石の端が15°となるように重ね合わせて、最も損失が少ないような構成にしてある。
なお、この位相差については、回転子の磁界の磁気飽和を緩和する目的で用いるならば、上記の位相差0での構成を回転子の磁石に適用することが考えられる。位相差に関しては、このように目的によって最適の位相差があり、それぞれ設定されるものとする。
次に、動作を説明する。固定子には、前述のように6相のインバータが接続されており、これによって3極対と6極対の回転子磁界に対応した複合正弦波磁束を発生するように電流を与えれば良い。回転子の位置に応じて電流指令を回転させるのは通常のモータと同じであるが、このモータでは、両極対に対応する複合磁束を発生させるため、先ず、3極対の磁石の組(セット)に対しては、3周期の正弦波を発生させるので、インバータを6相と考え、正弦波1周期を6分割した各位置での電流値を各相の指令値として計算する。
一方、6極対の磁石の組に対しては、6周期の正弦波を発生させるので、正弦波1周期を3分割した位置での電流指令値として求め、6相インバータの第1と第4相、第2と第5相、第3と第6相の指令値とする。この後、3極対と6極対の指令値それぞれを足し合わせ、6相インバータの指令値として電流制御を行う。このことで回転子がトルクを発生し回転する。
次に、効果を説明する。上述した動作によりトルクを発生する。トルクは、界磁磁束(回転子で発生する磁束)と電流磁束(固定子で発生する回転磁束)の相互作用によって発生するが、これは各々の磁束の基本波成分(この実施例の場合には、3極対と6極対)に応じて発生する。今回の実施例では、各々振幅1の正弦波を複合して得られた磁束を発生しているので、基本波成分は当然の如く振幅1である。従って、振幅1で単独で回されるモータに対して略2倍のトルクを1つのモータで発生させることが理論上可能となる。
更に、そのときに流れる電流で発生する損失は、前述のように、複合された電流の絶対値平均・二乗平均共に、単独の平均値の和より減少しているため、損失は明らかに小さい。以上より、1つ分の体格のモータで略2つ分のトルクを発生しつつ、電流による損失はモータ2つ分より小さいという効果が得られる。
このように、正弦波を複合して得られた磁束を発生しているモータ10は、異なる複数の磁極数に相当する磁石磁束をその表面に合算して発生させる第1の磁束発生部材(磁石)を持つ回転子11と、この複数の磁極数に対応した複数の電流磁界を合算し、且つ、回転させることができるように電流を与えられる固定子14とを備え、回転子11の磁石磁束の合算により磁束の減少した部分であるフラックスバリア部11aに、磁石磁束の合算により磁束の増加した部分に磁束が集中するように、一以上の方向に着磁した第2の磁束発生部材としての磁石12を配置している。
即ち、磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部11aと見なされる部分の少なくとも一部を、この部分に隣接する磁石磁束の合算による磁束の増加部方向に磁束を集中させた磁石に置き換えることで、磁石設置スペースを新たに確保することなくトルクを向上させることができ、或いは同等のトルクを少ない磁石量で発生させることができる。
このように、そもそも磁石を配置しない領域(複合磁束を作るためには必要な磁束空白領域)に補助磁極を配置しているので、補助磁極の配置によるスペース効率が悪化することはない。つまり、複合磁束ロータと補助磁極モータの組み合わせは、補助磁極モータにおいて確保しなければならない磁石設置スペースが必然的に存在するので、補助磁極モータにとって不利となる点が構成上発生しないので、より効果的である。
(第2実施の形態)
図10は、この発明の第2実施の形態に係る電動機の回転子と固定子の構成を概略的に示し、(a)は磁石を表面配置した場合の断面説明図、(b)は磁石を埋め込み配置した場合の断面説明図である。図10に示すように、モータ25は、ロータ26の磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部(図5参照)に、磁石磁束の合算による第1の磁束発生部材の磁束の増加部方向に磁束が集中するように、1つ以上の設置角度を設けた第2の磁束発生部材としての磁石27を配置している。その他の構成及び作用は、モータ10と同様である。
つまり、モータ25には、ロータ26の磁石磁束合算による磁束減少部であるフラックスバリア部26aと見なされる部分の少なくとも一部を、この部分に隣接する磁石磁束合算による磁束増加部の方向に磁束が集中する角度に設置した磁石27a,27b(図10参照)から構成される第2の磁束発生部材としての磁石27に、置き換えている。
ここで、図10に矢印で示したように、第1の磁束発生部材の半径方向における磁束の向きがロータ26からステータ14に向いている場合は、磁石27から第1の磁束発生部材に向かう方向を周方向における正方向とし、第1の磁束発生部材の半径方向における該磁束の向きがロータ26の中心に向いている場合は、第1の磁束発生部材から磁石27に向かう方向を周方向における正方向と定義する。本実施例では、第2の磁束発生部材としての磁石27により形成された磁束が、半径方向成分の大きさが0以上であり、かつ、周方向成分の大きさが0より大きくなる。
これにより、磁石27に一般的な形状の磁石を用いれば、磁石設置スペースを新たに確保することなく低コストでトルクを向上させることができ、或いは同等のトルクを少ない磁石量で発生させることができる。
(第3実施の形態)
図11は、この発明の第3実施の形態に係る電動機の回転子と固定子の構成を概略的に示し、(a)は磁石を表面配置した場合の断面説明図、(b)は磁石を埋め込み配置した場合の断面説明図である。図11に示すように、モータ30は、ロータ31の磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部(図5参照)を、第1の磁束発生部材の磁石磁束の合算による磁束の増加部方向に磁束が集中するような合成ベクトルが形成できるように、2つ以上の磁石32(第2、第3の磁束発生部材)を配置している。
つまり、モータ30には、ロータ31の磁石磁束合算による磁束減少部であるフラックスバリア部31aと見なされる部分の少なくとも一部を、この部分に隣接する磁石磁束合算による磁束増加部の方向に磁束を集中させる合成磁束ベクトルを形成する複数(この例では、3個)の磁石32a,32b(以上、第2の磁束発生部材),32c(第3の磁束発生部材)に、置き換えている。
そのため、本実施例では、第2の磁束発生部材としての磁石32a,32bの磁束と第3の磁束発生部材としての磁石32cの磁束との合成により形成された磁束が、半径方向成分の大きさが0以上であり、かつ、周方向成分の大きさが0より大きくなる。
これにより、磁石の表面積を稼げることから、磁石設置スペースを新たに確保することなくより一層、トルクを向上させることができ、或いは同等のトルクを少ない磁石量で発生させることができる。
(第4実施の形態)
図12は、この発明の第4実施の形態に係る電動機の回転子と固定子の構成を概略的に示し、(a)は磁石を表面配置した場合の断面説明図、(b)は磁石を埋め込み配置した場合の断面説明図である。図12に示すように、モータ35は、ロータ36の磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部(図5参照)に、第1の磁束発生部材の磁石磁束の合算による磁束の増加部方向に磁束が集中するように、1つ以上の第2の磁束発生部材としての磁石37と1つ以上のフラックスバリア部38を配置している。
つまり、モータ35には、ロータ36の磁石磁束合算による磁束減少部であるフラックスバリア部と見なされる部分の少なくとも一部を、この部分に隣接する磁石磁束の合算による磁束の増加部方向に磁束を集中させた磁石37a,37bと、両磁石37a,37bの外周側に位置するフラックスバリア部38に、置き換えている。
そのため、本実施例では、第2の磁束発生部材としての磁石37により形成された磁束は、半径方向成分の大きさが0以上であり、かつ、周方向成分の大きさが0より大きくなる。
これにより、磁石の容易な配置で、且つ、一般的な形状の磁石を用いれば低コストで、磁石設置スペースを新たに確保することなくトルクを向上させることができ、或いは同等のトルクを少ない磁石量で発生させることができる。
上述したように、この発明に係る電動機は、周期が異なる二つの電流を複合した複合電流を固定子の巻線に供給し、複合電流を構成する一方の電流に対応する第1の磁束と、当該複合電流を構成する他方の電流に対応する第2の磁束とを合算した合算磁束を発生させる第1の磁束発生部材を備えた回転子を駆動する電動機において、半径方向に配置した異なる複数の磁極数に相当する合算磁束を発生させる回転子の、着磁方向が相反する異極同士が重なる部分に、隣接する前記第1の磁束発生部材の位置にある半径方向の磁束が増加するように磁束を発生させる第2の磁束発生部材を配置している。
つまり、磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部の一部又は全部を第2の磁束発生部材としての磁石に置き換え、隣接する第1の磁束発生部材の位置にある半径方向の磁束を増加させることで、磁石設置スペースを新たに確保することなくトルクの向上が可能であり、更に、小型化を実現することができる。
また、着磁方向が相反する異極同士が重なる部分の少なくとも一部に配置する磁石(第2の磁束発生部材)の磁束を、一以上の着磁方向によって、第1の磁束発生部材と隣接する位置にある半径方向の磁束を増加させている。つまり、磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部の一部又は全部を、第1の磁束発生部材と隣接する位置にある半径方向の磁束が増加するように磁束を発生させる磁石(第2の磁束発生部材)に置き換えることで、簡易な磁石配置で、磁石設置スペースを新たに確保することなくトルクを向上させることができ、或いは同等のトルクを少ない磁石量で発生させることができる。
また、着磁方向が相反する異極同士重なる部分の少なくとも一部に配置する磁石(第2の磁束発生部材)の磁束を、1以上の磁石の設置角度によって、第1の磁束発生部材と隣接する位置にある半径方向の磁束を増加させている。つまり、磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部の一部又は全部を、第1の磁束発生部材と隣接する位置にある半径方向の磁束が増加するよう、半径方向成分の大きさが0以上であり、かつ、周方向成分の大きさが0より大きい磁束を発生するような設置角度を設けた磁石(第2の磁束発生部材)に置き換えることで、一般的な形状の磁石を用いれば低コストで、磁石設置スペースを新たに確保することなくトルクを向上させることができ、或いは同等のトルクを少ない磁石量で発生させることができる。
また、着磁方向が相反する異極同士重なる部分の少なくとも一部に配置する磁石の磁束を、合成磁束ベクトルを作る複数の磁束発生部材(第2の磁束発生部材と第3の磁束発生部材)によって、磁石磁束の合算により磁束の増加した部分に集中させている。つまり、磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部の一部又は全部を、第1の磁束発生部材と隣接する位置にある半径方向の磁束が増加するよう、半径方向成分の大きさが0以上であり、かつ、周方向成分の大きさが0より大きい磁束を発生させる合成磁束ベクトルを作る複数の磁石(第2の磁束発生部材、および、第3の磁束発生部材)に置き換えることで、磁石の表面積を稼げるため、磁石設置スペースを新たに確保することなく、より一層トルクを向上させることができ、或いは同等のトルクを少ない磁石量で発生させることができる。
また、着磁方向が相反する異極同士重なる部分の少なくとも一部に配置する磁石の磁束を、1以上の磁石(第2の磁束発生部材)と1以上のフラックスバリアによって、第1の磁束発生部材と隣接する位置にある半径方向の磁束を増加させている。つまり、磁石磁束の合算による磁束の減少部であるフラックスバリア部の一部又は全部を、第1の磁束発生部材と隣接する位置にある半径方向の磁束が増加するよう、半径方向成分の大きさが0以上であり、かつ、周方向成分の大きさが0より大きい磁束を発生させる磁石(第2の磁束発生部材)とフラックスバリアに置き換えることにより、簡易な配置で、且つ、一般的な形状の磁石を用いれば低コストで、磁石設置スペースを新たに確保することなくトルクを向上させることができ、或いは同等のトルクを少ない磁石量で発生させることができる。
なお、本発明に係るモータは、ステータのスロット数、駆動相数、磁束の次数、発生する磁束次数等に依存するものではないため、これらが本実施例と異なる場合においても成り立つものである。また、インナーロータ、アウターロータ、アキシャルロータといったモータ形状や、集中巻き、分布巻きといったステータ形状や、埋め込み磁石、表面磁石といったロータ形状や、分割磁石、棒方磁石、円弧状磁石等の磁石形状にも、同様に依存しないため、これらが本実施例と異なる場合においても成り立つ。
10,13,17,19,25,30,35 モータ
11,16,18,20,24,24A,26,31,32,36 ロータ
15 磁石(第1の磁束発生部材)
12,12a,12b,15,27,27a,27b,32a,32b,37,37a,37b,N1〜N3,S1〜S6 磁石(第2の磁束発生部材)
32c 磁石(第3の磁束発生部材)
14a スロット
14,21 ステータ
11a,20a,26a,31a,38 フラックスバリア部
22 コア
23 巻線

Claims (3)

  1. 周期が異なる二つの電流を複合した複合電流を固定子の巻線に供給し、前記複合電流を構成する一方の電流に対応する第1の磁束と、当該複合電流を構成する他方の電流に対応する第2の磁束とを合算した合算磁束を発生させる第1の磁束発生部材を備えた回転子を駆動する電動機において、
    半径方向に配置した異なる複数の磁極数に相当する前記合算磁束を発生させる前記回転子の、着磁方向が相反する異極同士が重なる部分に、隣接する前記第1の磁束発生部材の位置にある半径方向の磁束が増加するように磁束を発生させる第2の磁束発生部材を配置したことを特徴とする電動機。
  2. 前記第1の磁束発生部材の半径方向における磁束の向きを該半径方向における正方向とし、
    前記第1の磁束発生部材の半径方向における磁束の向きが前記回転子から前記固定子に向いている場合は前記第2の磁束発生部材から前記第1の磁束発生部材に向かう方向を周方向における正方向とし、前記第1の磁束発生部材の半径方向における該磁束の向きが前記回転子の中心に向いている場合は前記第1の磁束発生部材から前記第2の磁束発生部材に向かう方向を周方向における正方向としたときに、
    前記第1の磁束発生部材に隣接配置された前記第2の磁束発生部材により形成された磁束は、半径方向成分の大きさが0以上であり、かつ、周方向成分の大きさが0より大きい請求項1に記載の電動機。
  3. 前記第2の磁束発生部材に隣接配置され、該第2の磁束発生部とともに前記第1の磁束発生部材の位置にある半径方向の磁束が増加するように磁束を発生させる合成磁束ベクトルを形成する第3の磁束発生部材をさらに有し、
    前記第1の磁束発生部材の半径方向における磁束の向きを該半径方向における正方向とし、
    前記第1の磁束発生部材の半径方向における磁束の向きが前記回転子から前記固定子に向いている場合は前記第2の磁束発生部材から前記第1の磁束発生部材に向かう方向を周方向における正方向とし、前記第1の磁束発生部材の半径方向における該磁束の向きが前記回転子の中心に向いている場合は前記第1の磁束発生部材から前記第2の磁束発生部材に向かう方向を周方向における正方向としたときに、
    前記第1の磁束発生部材に隣接配置された前記第2の磁束発生部材の磁束と、前記第2の磁束発生部材に隣接した前記第3の磁束発生部材の磁束との合成により形成された磁束は、半径方向成分の大きさが0以上であり、かつ、周方向成分の大きさが0より大きい請求項1に記載の電動機。
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