JP5439665B2 - 搬送装置 - Google Patents

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本発明は、搬送軌道に沿って搬送対象物を搬送する搬送装置に係り、特に予め設定された搬送軌道と目標位置とのズレを補正する機能を適正化した搬送装置に関するものである。
搬送装置は、特許文献1に例示のように、ロボットアーム等の搬送機構を駆動させて搬送軌道に沿って搬送対象物を搬送するものである。搬送軌道は、予めオフラインで生成されて搬送装置に設定される。この搬送軌道は、搬送効率を向上させるために搬送時間短縮などを考慮したものが多い。
特開2003−145461号公報
上記のように予め設定された搬送軌道を用いて搬送制御を行うにあたり、外部からの影響によって予め設定された搬送軌道の始点や終点からズレた位置を新たな始点や終点として搬送しなければならない場合があり、位置ズレに応じて搬送軌道をリアルタイムで補正する機能が要求される。
このような搬送軌道のリアルタイム補正を実現する構成として、予め設定された搬送軌道に沿った搬送動作の開始時又は終了時に補正動作を加えるものが一つの有効な手段として挙げられる。具体的には、図7(a)に示すように、まず予め設定された実線で示す搬送軌道Ptに沿って始点Sから終点Eまで搬送対象物Wを搬送し、その後、破線で示すように終点Eから目標終点E’まで移動する補正動作を行うことや、図7(b)に破線で示すように目標始点S’から搬送軌道Ptの始点Sまで移動する補正動作を行い、その後、実線で示す搬送軌道Ptの始点Sから終点Eまで搬送することが挙げられる。
しかしながら、このように最適な搬送軌道と独立して補正動作を加えたものでは、軌道の急激な変化によって補正前軌道Ptの形状が崩れて補正前軌道Ptの特性が損なわれてしまう。特に補正前軌道Ptが搬送時間短縮や振動抑制等に適した特性を備えていた場合には、補正機能によってこれら特性が失われ、結果として搬送効率の低下を招くこととなる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、予め設定された搬送軌道を位置ズレに応じて補正するにあたり、補正前の搬送軌道の特性を損なうことなく、位置ズレに応じて搬送軌道を補正する新たな搬送装置を提供することである。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の搬送装置は、始点から終点まで搬送軌道に沿って搬送対象物を搬送するものであって、予め設定された搬送軌道を用いて搬送制御を行うにあたり、目標となる終点が前記搬送軌道の終点から位置ズレしている場合に搬送軌道の終点が目標終点となるように前記搬送軌道を補正する軌道補正部を具備し、前記軌道補正部は、補正前の終点と補正後の目標終点とを結ぶ方向をズレ方向とし、補正前軌道上の始点から或る点までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正前距離とし、補正後軌道上の点のうち前記或る点を通るズレ方向に沿った軸上に位置する点を対応点として補正後軌道上の始点から前記対応点までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正後距離とした場合に、前記或る点が軌道上の所定の点のうちいずれにあっても補正前距離と補正後距離との比率が同一となるように、始点を基準として補正前距離をズレ方向に沿って拡大又は縮小することにより当該軌道を補正することを特徴とする。
「所定の点」とは、搬送軌道を構成する点であればよいという程度の意味であり、例えば、搬送軌道を連続的に表現するものや離散的に表現するものが挙げられる。
この構成によれば、軌道上の所定の点のうちいずれにあっても補正前距離と補正後距離との比率が同一となるように、始点を基準として補正前距離をズレ方向に沿って拡大又は縮小することにより軌道を補正しているので、補正前の軌道の形状をほぼ維持したまま始点から目標終点に至るまで軌道が徐々に補正され、搬送開始時や終了時に補正動作を行う等の急激な軌道変化によって補正前の軌道の特性を損なうことがなく、終点の位置ズレを補正することができる。
一方、始点の位置ズレを補正するための本発明の搬送装置は、始点から終点まで搬送軌道に沿って搬送対象物を搬送するものであって、予め設定された搬送軌道を用いて搬送制御を行うにあたり、目標となる始点が前記搬送軌道の始点から位置ズレしている場合に搬送軌道の始点が目標始点となるように前記搬送軌道を補正する軌道補正部を具備し、前記軌道補正部は、補正前の始点と補正後の目標始点とを結ぶ方向をズレ方向とし、補正前軌道上の或る点から終点までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正前距離とし、補正後軌道上の点のうち前記或る点を通るズレ方向に沿った軸上に位置する点を対応点として補正後軌道上の前記対応点から終点までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正後距離とした場合に、前記或る点が軌道上の所定の点のうちいずれにあっても補正前距離と補正後距離との比率が同一となるように、終点を基準として補正前距離をズレ方向に沿って拡大又は縮小することにより当該軌道を補正することを特徴とする。
この構成によれば、軌道上の所定の点のうちいずれにあっても補正前距離と補正後距離との比率が同一となるように、終点を基準として補正前距離をズレ方向に沿って拡大又は縮小することにより軌道を補正しているので、補正前の軌道の形状をほぼ維持したまま目標始点から終点に至るまで軌道が徐々に補正され、搬送開始時や終了時に補正動作を行う等の急激な軌道変化によって補正前の軌道の特性を損なうことがなく、始点の位置ズレを補正することができる。
さらに、搬送軌道の補正を簡易な演算で実現するためには、予め設定された搬送軌道は、始点及び終点を含む複数の点により構成されており、前記軌道補正部は、前記搬送軌道を構成する各点を前記ズレ方向に沿って移動させることにより前記補正前距離の拡大又は縮小を行うことが好ましい。
搬送軌道が各リンクの角度から表されるような複雑な搬送機構であっても簡易な処理で軌道を補正するためには、複数のリンクを屈折可能に接続した多関節ロボット式の搬送機構を用いて前記搬送対象物を搬送する搬送装置であって、前記搬送軌道は、多関節ロボットを構成する各リンクの角度により表されており、前記軌道補正部は、前記搬送軌道を示す各リンクの角度を、前記補正前距離をズレ方向に沿って拡大又は縮小する方向に補正することが望ましい。
本発明は、以上説明したように、軌道上の所定の点のうちいずれにあっても補正前距離と補正後距離との比率が同一となるように、補正前軌道をズレ方向に沿って拡大又は縮小することにより軌道を補正しているので、補正前軌道の形状をほぼ維持したまま始点から終点に至るまで軌道が次第に補正され、搬送開始時や終了時に補正動作を行う等の急激な軌道変化によって補正前軌道の特性を損なうことなく、位置ズレを補正することが可能となる。しかも、補正前軌道の特性をほぼ維持できるので、補正前の搬送軌道が搬送時間短縮や振動抑制等の特性をほぼ維持でき、搬送効率を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る搬送装置を模式的に示す構成図。 同搬送装置の搬送機構を示す平面図。 同搬送装置に予め設定された搬送軌道に関する説明図。 搬送軌道の補正に関する説明図。 搬送制御手段で実行され軌道補正部を実現するフローチャート。 他の実施形態の搬送装置による搬送軌道の補正に関する説明図。 従来の搬送軌道の補正に関する説明図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態の搬送装置1は、図1に示すように、ウエハー等の搬送対象物Wを搬送するロボットアーム等の搬送機構2と、この搬送機構2を駆動して搬送対象物Wの搬送制御を行う搬送制御手段3とを有している。
搬送機構2は、図2に示すように、複数のリンク21・22・23を屈折可能に直列接続した、いわゆる多関節ロボットアームであり、ロボットアームの先端に設定された保持部23bに搬送対象物Wを載置した状態で各関節にある図示しないモータの駆動により各々のリンク間の角度θ・θ・θを変更して搬送対象物Wを所望の位置に搬送するものである。本実施形態の搬送機構2は、ベース20に基端21aが接続された第1のリンク21と、第1のリンク21の先端21bに基端22aが接続された第2のリンク22と、第2のリンク22の先端22bに基端23aが接続され先端に搬送対象物Wを載置するための保持部23bが設定された第3のリンク23とを備え、各リンク21〜23はそれぞれ水平方向に回転可能に接続されて三軸水平多関節ロボットを構成している。各リンク21〜23の長さはそれぞれL、L、Lに設定してある。
図1に示すように、搬送制御手段3は、搬送制御部34と、軌道補正部33と、メモリに予め記憶されている軌道データ31とを有している。これら各部32、33は、CPU、ROM、各種インターフェイス等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理装置においてCPUが予め記憶されている図示しない搬送制御処理ルーチンや図5に示す軌道補正処理ルーチン等を実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現されるものである。また、搬送制御手段3は、位置ズレ検出装置SEと通信可能に接続されている。位置ズレ検出装置SEは、搬送機構2のうち搬送対象物Wが載置されるべき位置から搬送対象物Wがズレて載置された等の位置ズレを検出し、ズレている方向及びその距離を示す信号を搬送制御手段に入力する装置である。勿論、本実施形態では搬送装置1と位置ズレ検出装置SEとを別の装置としているが、搬送装置に位置ズレ検出装置SEと同じ機能を発揮する位置ズレ検出部を設けてもよい。
軌道データ31は、図3に模式的に示すように、搬送対象物Wの中心が通る搬送軌道Ptを、時間間隔Tで(N−1)等分し、始点S及び終点Eを含む複数の点P1〜Nで表現する離散データであり、各々の点PのXY座標(X,Y)を、以下の式を用いて搬送機構2を構成する各リンク21〜23の角度θAk・θBk・θCkで表現している。
=LcosθAk+Lcos(θAk+θBk)+Lcos(θAk+θBk+θCk
=LsinθAk+Lsin(θAk+θBk)+Lsin(θAk+θBk+θCk
図1の搬送制御部34は、図3に示すように、搬送軌道Ptに沿って搬送対象物Wが搬送されるように搬送機構2の駆動を制御するものであり、具体的には、各リンク21〜23の角度θ・θ・θが搬送軌道Ptを構成する点P1〜Nが示すリンクの角度になるように各リンクを回転駆動し、この回転駆動を始点Sから終点Eまで点P毎に順次実行することで搬送軌道Ptに沿った搬送制御を行うものである。
図1の軌道補正部33は、位置ズレ検出装置SEからの位置ズレに関する信号を入力し(図5の処理S1)、この信号に基づいて図4(a)に示す目標終点E’を決定し(図5の処理S2)、目標となる終点E’が予め設定された搬送軌道Ptの終点Eから位置ズレている場合に搬送軌道Ptの終点Eが目標終点E’となるように、搬送制御部34で用いられる搬送軌道Ptを搬送軌道Pt’に補正するものである(図5の処理S3〜処理S7)。
具体的に、図4に示すように目標終点E’が終点EからX方向にのみズレた場合を例として説明する。本実施形態では、搬送軌道Ptを表す各リンクの角度θAk・θBk・θCkを補正するものであるが、理解し易いようにXY座標で説明し、その後角度θAk・θBk・θCkで説明する。
まず、図4(a)に示すように、終点Eと目標終点E’を結ぶ方向をズレ方向Gとし(この例ではX軸に沿った方向)、始点Sから終点Eまでの距離のうちズレ方向成分の距離を補正前距離d1とし、始点Sから目標終点E’までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正後距離d2として補正前距離d1に対する補正後距離d2の割合(d2/d1)を算出する(図5の処理S4)。
次に、軌道Ptを構成する各点P1〜N毎に以下の処理を順次行う。図4(a)に示すように、始点Sから点Pまでの距離のうちズレ方向成分の補正前距離d1を算出し(図5の処理S5)、この距離d1に上記割合(d2/d1)を乗じて補正後距離d2を算出し(図5の処理S6)、図4(b)に示すように始点Sから点Pまでの距離のうちズレ方向成分の距離が補正後距離d2となるように点Pをズレ方向Gに沿って移動させる(図5の処理S7)。以上の処理を点P1〜N毎に順次行うと、図4(b)に示すように、補正後の軌道Pt’を構成する点P’1〜Nのうちいずれの箇所でも補正前距離d1と補正後距離d2との比率が同一のまま、軌道Ptが軌道Pt’に補正される。
上記の補正処理を各リンク21〜23の角度θ・θ・θで説明すると、目標終点E’のXY座標を以下の式を用いて角度θ’・θ’・θ’に変換する。
Figure 0005439665
φは、始点Sに対する目標終点E’における図2に示す第3のリンク23のX軸に対する角度(第3のリンク23の姿勢)
次に、上記で求めた角度θ’・θ’・θ’毎に上記補正前距離d1に対応する(θ−θ)、上記補正後距離d2に対応する(θ’−θ)を算出して、上記割合(d2/d1)に対応する割合β=(θ’−θ)/(θ−θ)を算出する。なお、上記XY座標系でいうズレ方向Gは、角度θではその増減方向として表される。
そして、算出した割合βを用いて軌道Ptを構成する各点P1〜N毎に、補正前の各リンクの角度θ・θ・θを補正後の角度θ’・θ’・θ’に変換する処理を順次行う。
θ’=β(θ−θ)+θ
以上の処理を点P1〜N毎に順次行うと、この結果、補正後の軌道Pt’を構成する点P’1〜Nのうちいずれの箇所でも補正前距離d1に対応する(θ−θ)と補正後距離d2に対応する(θ’−θ)の比率(割合β)が同一のまま、軌道Ptが軌道Pt’に補正される。
ここで、補正前の軌道Ptと補正後の軌道Pt’の速度比について検討すると、
補正前の速度は近似的に、(θ−θk−1)/T
補正後の速度は近似的に、(θ’−θ’k−1)/T=β(θ−θk−1)/T
Tは、k時点とk−1時点との時間間隔
で表され、補正前と補正後の速度は各々の時点に関してβ倍の変化しか生じないことが分かり、加速度も同様にβ倍となる。一般的に位置ズレ量は補正前距離d1に比べて微々たるものであり、それに伴いβが1に近い値となり(β−1)も微小なものとなるので、補正前の軌道Ptは、その特性を維持したまま補正後の軌道Pt’に修正される。しかも、補正前の終点Eで搬送動作を一旦止めることなく始点Sから補正後の目標終点E’まで円滑な搬送も可能となる。
以上のように本実施形態に係る搬送装置は、始点Sから終点Eまで搬送軌道Ptに沿って搬送対象物Wを搬送するものであって、予め設定された搬送軌道Ptを用いて搬送制御を行うにあたり、目標となる終点E’が搬送軌道Ptの終点Eから位置ズレしている場合に搬送軌道Ptの終点Eが目標終点E’となるように搬送軌道Ptを補正する軌道補正部33を具備し、軌道補正部33は、補正前の終点Eと補正後の目標終点E’とを結ぶ方向をズレ方向Gとし、補正前軌道Pt上の始点Sから或る点Pまでの距離のうちズレ方向成分の距離を補正前距離d1とし、補正後軌道Pt’上の点のうち或る点Pを通るズレ方向に沿った軸上に位置する点を対応点P’として補正後軌道Pt’上の始点Sから対応点P’までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正後距離d2とした場合に、或る点Pが軌道Pt上の所定の点のうちいずれにあっても補正前距離d1と補正後距離d2との比率が同一となるように、始点Sを基準として補正前距離d1をズレ方向Gに沿って拡大又は縮小することにより補正前の軌道Ptを補正後の軌道Pt’に補正している。
このように、軌道上の所定の点のうちいずれにあっても補正前距離d1と補正後距離d2との比率が同一となるように、始点Sを基準として補正前距離d1をズレ方向Gに沿って拡大又は縮小することにより補正前の軌道Ptを補正後の軌道Pt’に補正しているので、補正前の軌道Ptの形状をほぼ維持したまま始点Sから目標終点E’に至るまで軌道Pt’が徐々に補正され、搬送開始時や終了時に補正動作を行う等の急激な軌道変化によって補正前の軌道Ptの特性を損なうことがなく、終点E’の位置ズレを補正することが可能となる。
さらに、本実施形態では、予め設定された搬送軌道Ptは、始点S及び終点Eを含む複数の点P1〜Nにより構成されており、軌道補正部33は、搬送軌道Ptを構成する各点P1〜Nをズレ方向Gに沿って移動させることにより補正前距離d1の拡大又は縮小を行うので、搬送軌道Ptの補正を簡易な演算で実現することが可能となる。
加えて、本実施形態では、複数のリンク21〜23を屈折可能に接続した多関節ロボット式の搬送機構2を用いて搬送対象物Wを搬送するにあたり、搬送軌道Ptは、多関節ロボットを構成する各リンク21〜23の角度θAk・θBk・θCkにより表されており、軌道補正部33は、搬送軌道Ptを示す各リンクの角度θAk・θBk・θCkを、補正前距離d1をズレ方向Gに沿って拡大又は縮小する方向に補正するので、搬送軌道Ptが各リンク21〜23の角度θAk・θBk・θCkにより表されるような複雑な搬送機構であっても簡易な処理で軌道を補正することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、本実施形態では、予め設定された搬送軌道Ptの終点Eを目標終点E’となるように軌道補正を行うものであるが、図6に示すように、搬送軌道Ptの始点Sが目標始点S’となるように軌道補正を行うようにしてもよい。この場合も上記と同様に、補正前距離d1に対する補正後距離d2の割合(d2/d1)を算出する。そして、点Pから終点Eまでの距離のうちズレ方向成分の補正前距離d1を算出し、この距離d1に上記割合(d2/d1)を乗じて補正後距離d2を算出し、点Pから終点Eまでの距離のうちズレ方向成分の距離が補正後距離d2となるように点Pをズレ方向Gに沿って移動させる。このようにすれば、上記と同様の効果を奏しつつ始点Sの位置ズレを補正することが可能となる。
その他、上記に述べた軌道補正は、複数のリンクを回転可能に直列接続したロボットアーム式の搬送機構2を用いて搬送する搬送装置に適用しているが、これ以外の搬送機構2を用いた搬送装置にも適用可能である。例えば、複数のリンクを並列接続したパラレルマニピュレータ等の搬送装置が挙げられる。また、図1に示す各機能部は、所定プログラムをプロセッサで実行することにより実現しているが、各機能部を専用回路で構成してもよい。
各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
21・22・23…リンク
33…軌道補正部
S…始点
S’…目標始点
E…終点
E’ …目標終点
Pt…補正前の搬送軌道
Pt’ …補正後の搬送軌道
W…搬送対象物
G…ズレ方向
…或る点
P’…対応点
d1…補正前距離
d2…補正後距離
θAk・θBk・θCk…リンクの角度

Claims (4)

  1. 始点から終点まで搬送軌道に沿って搬送対象物を搬送する搬送装置であって、
    予め設定された搬送軌道を用いて搬送制御を行うにあたり、目標となる終点が前記搬送軌道の終点から位置ズレしている場合に搬送軌道の終点が目標終点となるように前記搬送軌道を補正する軌道補正部を具備し、
    前記軌道補正部は、補正前の終点と補正後の目標終点とを結ぶ方向をズレ方向とし、補正前軌道上の始点から或る点までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正前距離とし、補正後軌道上の点のうち前記或る点を通るズレ方向に沿った軸上に位置する点を対応点として補正後軌道上の始点から前記対応点までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正後距離とした場合に、前記或る点が軌道上の所定の点のうちいずれにあっても補正前距離と補正後距離との比率が同一となるように、始点を基準として補正前距離をズレ方向に沿って拡大又は縮小することにより当該軌道を補正することを特徴とする搬送装置。
  2. 始点から終点まで搬送軌道に沿って搬送対象物を搬送する搬送装置であって、
    予め設定された搬送軌道を用いて搬送制御を行うにあたり、目標となる始点が前記搬送軌道の始点から位置ズレしている場合に搬送軌道の始点が目標始点となるように前記搬送軌道を補正する軌道補正部を具備し、
    前記軌道補正部は、補正前の始点と補正後の目標始点とを結ぶ方向をズレ方向とし、補正前軌道上の或る点から終点までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正前距離とし、補正後軌道上の点のうち前記或る点を通るズレ方向に沿った軸上に位置する点を対応点として補正後軌道上の前記対応点から終点までの距離のうちズレ方向成分の距離を補正後距離とした場合に、前記或る点が軌道上の所定の点のうちいずれにあっても補正前距離と補正後距離との比率が同一となるように、終点を基準として補正前距離をズレ方向に沿って拡大又は縮小することにより当該軌道を補正することを特徴とする搬送装置。
  3. 予め設定された搬送軌道は、始点及び終点を含む複数の点により構成されており、
    前記軌道補正部は、前記搬送軌道を構成する各点を前記ズレ方向に沿って移動させることにより前記補正前距離の拡大又は縮小を行う請求項1又2に記載の搬送装置。
  4. 複数のリンクを屈折可能に接続した多関節ロボット式の搬送機構を用いて前記搬送対象物を搬送する搬送装置であって、
    前記搬送軌道は、多関節ロボットを構成する各リンクの角度により表されており、
    前記軌道補正部は、前記搬送軌道を示す各リンクの角度を、前記補正前距離をズレ方向に沿って拡大又は縮小する方向に補正する請求項1〜3のいずれかに記載の搬送装置。
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