以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
(関連技術)
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に関連する関連技術について説明する。図1は関連技術の配線基板を示す断面図である。
図1(a)に示すように、関連技術の配線基板では、多層配線部200の上面側のチップ搭載面Aには、チップ接続用パッドP1とそれを露出させる開口部300aが設けられたソルダレジスト300とが形成されている。また、多層配線部200の下面側の外部接続面Bには、外部接続用パッドP2とそれを露出させる開口部300aが設けられたソルダレジスト300とが形成されている。
チップ接続用パッドP1は半導体チップを接続するための電極であり、外部接続用パッドP2は外部接続端子を接続するための電極である。
半導体チップを配線基板のチップ接続用パッドP1にフリップチップ接続する際には、配線基板のチップ搭載面Aを人間が目視によって識別して特定する必要がある。
図1(a)の配線基板のように、外部接続用パッドP2の径や配列ピッチがチップ接続用パッドP1に比べてかなり大きい場合は、人間が目視によってチップ搭載面Aを容易に識別して特定することができる。
図1(b)に示すように、近年、配線基板のさらなる高密度化が進められており、チップ接続用パッドP1と外部接続用パッドP2との間で径や配列ピッチに大きな差がなくなりつつある。そのような配線基板では、表裏面のパターン模様の違いがはっきりしないため、人間が目視によってチップ搭載面Aと外部接続面Bとを識別することは困難である。
また、画像認識装置による識別においても、認識速度の低下や認識の正確性の低下の問題が生じやすい。
この対策として、図1(c)に示すように、配線基板のチップ搭載面Aに表裏識別用パターンDPを特別に配置することにより、表裏識別用パターンDPが存在する面側がチップ搭載面Aであることを識別できるようにしている。
この場合は、表裏識別用パターンDPを追加でレイアウトする必要があるので、配線基板の設計に負担がかかる場合があり、コスト上昇を招くおそれがある。このため、表裏識別用パターンDPを使用せずに、容易に配線基板の表裏面を識別できる技術が望まれる。
本願発明者は以上の問題点について鋭意研究した結果、配線基板のチップ搭載面及び外部接続面において各面に適した特性を有する色の絶縁層を使用し、色の違いによって表裏面を識別する新規な構造の配線基板を考案した。
(第1の実施の形態)
図2〜図6は本発明の第1実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図、図7は同じく第1実施形態の配線基板を示す断面図である。
第1実施形態では、コア基板をもたないコアレス配線基板において両面側の保護絶縁層(ソルダレジスト)の色を相互に異なる色に設定する形態について製造方法を参照しながら説明する。
図2(a)に示すように、まず、銅(Cu)などの金属板又は金属箔からなる支持体5を用意する。支持体5は仮の基板であり、支持体5の上にビルドアップ配線が形成された後に除去される。
次いで、図2(b)に示すように、支持体5の上に、チップ接続用パッドが配置される部分に開口部6aが設けられためっきレジスト6を形成する。さらに、図2(c)に示すように、支持体5をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、めっきレジスト6の開口部6a内の支持体5の上に金(Au)層10a及びニッケル(Ni)層10bを順に形成する。その後に、めっきレジスト6が除去される。
これにより、図2(d)に示すように、Au層10a及びNi層10bから構成されるチップ接続用パッドP1(第1接続パッド)が支持体5の上に形成される。チップ接続用パッドP1は半導体チップが接続される電極である。
あるいは、支持体5上に下から順に、金(Au)層/ニッケル(Ni)層/銅(Cu)層、金(Au)層/パラジウム(Pa)層/ニッケル(Ni)層、又は金(Au)層/パラジウム(Pa)層/ニッケル(Ni)層/銅(Cu)層などの各種の積層膜を形成して、チップ接続用パッドP1としてもよい。
又は、チップ接続用パッドP1として、支持体5上に下から順に、ニッケル(Ni)層(犠牲層)/銅(Cu)層を形成してもよい。この場合は、後述するように支持体5を除去した後に、ニッケル(Ni)層(犠牲層)がニッケルを選択的にエッチングできるエッチング液で除去され、チップ接続用パッドP1が銅(Cu)層のみから形成される。
次いで、図3(a)に示すように、チップ接続用パッドP1の上に第1保護絶縁層20を形成する。後述するように、支持体5はその上にビルドアップ配線が形成された後に除去される。これにより、チップ接続用パッドP1と第1保護絶縁層20とがチップ搭載面に露出し、第1保護絶縁層20がソルダレジストとして機能する。
そして、チップ接続用パッドP1と同一層から形成された位置合わせマークを画像認識することに基づいて半導体チップが配線基板に位置合わせされ、チップ接続用パッドP1にフリップチップ接続される。このとき、外面側から第1保護絶縁層20を通して下側の配線層が透視できる状態では、画像が不鮮明になりやすいため、高精度な位置合わせを行うことが困難になる場合がある。
この対策として、第1保護絶縁層20は不透視性を有する絶縁層から形成される。不透視性の絶縁層としては、紫色(反射する可視光線の波長:380〜450nm)、青色(反射する可視光線の波長:450〜495nm)、黒色、又は灰色を呈する絶縁層が使用される。
第1保護絶縁層20として黒色又は灰色を呈する絶縁層を使用する場合は、波長が380〜780nmの可視光線の光吸収率が60%以上(好適には70%以上)から100%のものが使用される。光吸収率が60%以上から70%未満で灰色(又は暗灰色)に視認され、光吸収率が70%以上で黒色に視認される。
不透視性を有する第1保護絶縁層20は、エポキシやポリイミドなどの熱硬化性樹脂に上記した不透視性の各色の顔料を含有させた樹脂フィルムを積層し、真空プレス装置などで加熱・加圧することにより得られる。あるいは、各色の顔料を含有させたエポキシやポリイミドなどの液状の熱硬化性樹脂を塗布し、加熱によって硬化させてもよい。
樹脂中への顔料の含有量は、0.01〜20質量%、好適には0.1〜10質量%である。
不透視性を有する絶縁層とは、一般的な画像認識装置や通常の明るい環境下での人間による目視によって透視できず、その下地層を認識できないものを意味する。
具体的には、不透視性を有する第1保護絶縁層20を通して下地の配線層の色を透視できないことを意味する。下地の配線層は銅又は銅合金から形成され、反射する可視光線の波長が580〜800nmの色を呈する。
上記した画像認識装置は、可視光領域の波長の光線をCCDカメラなどの各種撮像器で撮像し、画像認識を行う装置である。
続いて、図3(b)に示すように、第1保護絶縁層20をレーザで加工することによりチップ接続用パッドP1に到達する第1ビアホールVH1を形成する。さらに、図3(c)に示すように、第1ビアホールVH1(ビア導体)を介してチップ接続用パッドP1に接続される第1配線層30を形成する。
第1配線層30は例えばセミアディティブ法によって形成される。詳しく説明すると、まず、第1保護絶縁層20上及び第1ビアホールVH1内に銅などからなるシード層(不図示)を無電解めっきやスパッタ法により形成する。続いて、シード層の上に、第1配線層30が配置される部分に開口部が設けられためっきレジスト(不図示)を形成する。
さらに、シード層をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、めっきレジストの開口部に銅などの金属パターン層(不図示)を形成する。次いで、めっきレジストを除去した後に、金属パターン層をマスクにしてシード層をエッチングすることにより、シード層及び金属パターン層により構成される第1配線層30が得られる。
次いで、図3(d)に示すように、第1配線層30の上に第1層間絶縁層22を形成する。第1層間絶縁層22は不透視性の色の絶縁層から形成する必要はなく、通常のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などから形成される。第1層間絶縁層22は、樹脂フィルムを積層し、真空プレス装置などで加熱・加圧することによって形成される。
その後に、第1層間絶縁層22をレーザで加工することにより第1配線層30に到達する第2ビアホールVH2を形成する。
続いて、図4(a)に示すように、第1配線層30の形成方法と同様な方法により、第2ビアホールVH2(ビア導体)を介して第1配線層30に接続される第2配線層32を第1層間絶縁層22の上に形成する。
さらに、図4(b)に示すように、同様な工程を繰り返すことにより、第2配線層32に到達する第3ビアホールVH3が設けられた第2層間絶縁層24を第1層間絶縁層22の上に形成する。第2層間絶縁層24は、第1層間絶縁層22と同様に、不透視性の色の絶縁層から形成する必要はなく、通常のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などから形成される。
その後に、第1配線層30の形成方法と同様な方法により、第3ビアホールVH3(ビア導体)を介して第2配線層32に接続される外部接続用パッドP2(第2接続パッド)を第3配線層として第2層間絶縁層24の上に形成する。外部接続用パッドP2は第3ビアホールVH3の上に島状に配置されていてもよいし、あるいは第3ビアホールVH3から外側に延在する配線の一端に繋がっていてもよい。
これにより、第1ビアホールVH1(ビア導体)を介してチップ接続用パッドP1に接続される3層のビルドアップ配線(第1配線層30、第2配線層32及び外部接続用パッドP2)が形成される。
次いで、図4(c)に示すように、外部接続用パッドP2の上に感光性樹脂層26aを形成する。感光性樹脂層26aは、フォトリソグラフィによってパターン化される樹脂材料である。
そして、図5(a)に示すように、外部接続用パッドP2上の感光性樹脂層26aに接続ホールを形成するためのフォトマスク40を用意する。フォトマスク40は、透光部40a及び遮光パターン40bを備えている。さらに、フォトマスク40を図4(c)の構造体の上方に配置して位置合わせする。
このとき、図5(b)の部分拡大断面図に示すように、フォトマスク40の位置合わせを行う際には、感光性樹脂層26aの下に存在する位置合わせマークMを画像認識することに基づいて行われる。位置合わせマークMは外部接続用パッドP2と同一層から形成され、例えば複数のチップ搭載領域が画定されている場合はそれらの四隅にそれぞれ配置される。
このように、感光性樹脂層26aをフォトリソグラフィでパターン化する際に、フォトマスク40を位置合わせするには、感光性樹脂層26aを透視してその下の位置合わせマークMを画像認識する必要がある。位置合わせマークMは外部接続用パッドP2と同時に形成され、銅又は銅合金からなる。
このため、感光性樹脂層26aとして透視性の絶縁層が使用される。透視性の絶縁層としては、緑色(反射する可視光線の波長:495〜570nm)、黄色(反射する可視光線の波長:570〜590nm)、橙色(反射する可視光線の波長:590〜620nm)、赤色(反射する可視光線の波長:620〜750nm)、又は白色を呈する絶縁層が使用される。
透視性を有する絶縁層とは、一般的な画像認識装置や通常の明るい環境下での人間による目視により透視できて、その下地層を明確に認識できるものを意味する。具体的には、下地層は、反射する可視光線の波長が580〜800nmである銅又は銅合金からなる配線層(外部接続用パッドP2)や位置合わせマークMである。
透視性を有する感光性樹脂層26aは、エポキシやポリイミドなどの感光性の熱硬化性樹脂に上記した透視性の各色の顔料を含有させた樹脂フィルムを貼付するか、又は液状樹脂を塗布して形成される。
感光性樹脂層26aは透視性を有することから、感光性樹脂層26aを透視してその下の位置合わせマークMを鮮明に画像認識できるので、高精度な位置合わせを安定して行うことができる。そして、フォトマスク40を介して感光性樹脂層26aを露光した後に、現像を行う。その後に、感光性樹脂層26aを加熱処理して硬化させる。
これにより、図6に示すように、外部接続用パッドP2の上に接続ホールCHが設けられた第2保護絶縁層26が第2層間絶縁層24の上に形成される。第2保護絶縁層26はソルダレジストとして機能する。
なお、ネガ型の感光性樹脂層26aを例示したが、ポジ型の感光性樹脂層を使用してもよい。具体的には、層間絶縁層と同一組成のエポキシ樹脂やポリイミド樹脂に顔料を含有させた樹脂フィルムを貼付するか、液状樹脂を塗布して形成する。この場合は、フォトマスク40の白黒(透光部40a及び遮光パターン40b)が逆に配置される。
あるいは、図5(c)に示すように、外部接続用パッドP2の上に非感光性樹脂層26bを形成し、非感光性樹脂層26bをレーザで加工することにより、外部接続用パッドP2の上に接続ホールCH(図6)を形成してもよい。
レーザを使用する場合も同様に、非感光性樹脂層26bを透視し、図5(b)で説明した位置合わせマークMを画像認識することに基づいて位置合わせが行われる。従って、フォトリソグラフィを使用する場合と同様に、上記した透視性を有する色の非感光性樹脂が使用される。
また、ブラスト加工によって第2保護絶縁層26に接続ホールCHを形成してもよい。この場合は、図5(c)の非感光性樹脂層26bの上に開口パターンが設けられたレジストを形成し、その開口パターンを通してブラスト加工により非感光性樹脂層26bを研削して接続ホールCHを形成する。その後に、レジストが除去される。
ブラスト加工では、アルミナ砥粒やシリカ砥粒からなる研磨剤を水などの溶媒に分散させ、非感光性樹脂層26bに高圧で噴射して研削が行われる。
その後に、図6において、必要に応じて、外部接続用パッドP2に無電解めっきによってニッケル(Ni)層/金(Au)層を順に形成するなどしてコンタクト層(不図示)を形成する。コンタクト層として、下から順に、ニッケル(Ni)層/パラジウム(Pa)層/金(Au層)を積層して形成してもよく、めっきによって形成される各種の積層膜を採用してもよい。
この時点で、前述した第1保護絶縁層20と第2保護絶縁層26は相互に異なる色を呈することになる。
次いで、図6の構造体から支持体5をウェットエッチングにより除去することにより、チップ接続用パッドP1及び第1保護絶縁層20を露出させる。支持体5が銅からなる場合は、塩化第二銅水溶液などの銅のエッチャントが使用される。支持体5は、チップ接続用パッドP1(最下がAu層10a)及び第1保護絶縁層20に対して選択的にエッチングされて除去される。
以上により、図7に示すように、第1実施形態の配線基板1が得られる。
図7に示すように、第1実施形態の配線基板1は、コア基板をもたないコアレス配線基板であり、チップ接続用パッドP1に3層のビルドアップ配線(第1、第2配線層30,32、外部接続用パッドP2)が接続されている。両面側の各最外にはソルダレジストとして第1保護絶縁層20及び第2保護絶縁層26がそれぞれ形成されている。
チップ接続用パッドP1(第1接続パッド)は、その外面が第1保護絶縁層20の外面と同一面を構成することで第1保護絶縁層20から露出している。つまり、チップ接続用パッドP1の側面とビア接続面(第1ビアホールVH1側の面)とが第1保護絶縁層20に接し、外面(ビア接続面と反対面)が第1保護絶縁層20から露出している。
あるいは、前述したように、図2(c)の工程で、チップ接続用パッドP1としてニッケル(Ni)層(犠牲層)/銅(Cu)層を形成し、支持体5を除去した後に、ニッケル層(犠牲層)を除去する場合は、チップ接続用パッドP1が銅層のみから形成される。
この場合は、チップ接続用パッドP1の外面が第1保護絶縁層20の外面から内部に凹んだ位置に配置されて第1保護絶縁層20から露出する。
外部接続用パッドP2(第2接続パッド)の上には第2保護絶縁層26に形成された接続ホールCHが配置されている。外部接続用パッドP2の周縁部は第2保護絶縁層26で被覆されており、外部接続用パッドP2の中央部が接続ホールCHから露出している。
また、第1保護絶縁層20及び第1、第2層間絶縁層22,24に形成された第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3は、第2保護絶縁層26側に開口されている。
これに加えて、第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3は、チップ接続用パッドP1(第1接続パッド)及び第1、第2配線層30,32の表面によって底面が構成され、先端の開口面積が底面面積より大きい円錐台状の凹部となって形成されている。そして、第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3の中にビア導体が形成(充填)されている。
なお、接続パッド(チップ接続用パッドP1及び外部接続用パッドP2)が保護絶縁層20,26から露出していることは、各接続パッドの表面が保護絶縁層20,26で被覆されていないことを意味する。従って、接続パッド(チップ接続用パッドP1及び外部接続用パッドP2)が半導体チップや外部接続端子で覆われている構造も含む。
そして、配線基板1のチップ接続用パッドP1が設けられた面がチップ搭載面Aとなっている。また、配線基板1の外部接続用パッドP2が設けられた面が外部接続面Bとなっている。
さらに、チップ搭載面Aに設けられた第1保護絶縁層20は不透視性を有する絶縁層から形成される。不透視性を有する絶縁層としては、前述したように、紫色、青色、黒色、又は灰色を呈する絶縁層が使用される。
また、外部接続面Bに設けられた第2保護絶縁層26は透視性を有する絶縁層から形成される。透視性の絶縁層としては、前述したように、緑色、黄色、橙色、赤色、又は白色を呈する絶縁層が使用される。
このように、チップ搭載面Aの第1保護絶縁層20と外部接続面Bの第2保護絶縁層26とは相互に異なる色を呈しており、かつ第1保護絶縁層20が不透視性を有し、第2保護絶縁層26が透視性を有する。
第1実施形態の配線基板1では、チップ接続用パッドP1の径や配列ピッチは外部接続用パッドP2と大きな差がないため、チップ搭載面Aと外部接続面Bとの間でパターン模様が類似している。
本実施形態では、そのような配線基板1であっても、チップ搭載面A及び外部接続面Bの色を予め異なる色に取り決めておくことにより、配線基板1のチップ搭載面Aに半導体チップを実装する際に、人間が目視で色を識別することでチップ搭載面Aを容易に特定することができる。
例えば、チップ搭載面Aの第1保護絶縁層20を青色に設定し、外部接続面Bの第2保護絶縁層26を赤色に設定する場合、チップ搭載面Aと外部接続面Bとの間でパターン模様が類似しているとしても、青色の面がチップ搭載面Aであることが容易に分かる。
さらには、第1実施形態の配線基板1では、表裏面が相互に異なる色を呈するため、画像認識装置よって表裏識別を行う場合であっても、複雑な画像処理が不要となり、表裏認識の正確性や認識速度を向上させることができる。
次に、第1実施形態の配線基板1に半導体チップを実装する方法について説明する。
図8(a)に示すように、上記した方法で図7の配線基板1のチップ搭載面Aを特定し、配線基板1を上下反転させてチップ接続用パッドP1を上側に向ける。
次いで、図8(b)に示すように、接続電極50aを備えた半導体チップ50を用意し、配線基板1のチップ接続用パッドP1の上にはんだ(不図示)を塗布する。
続いて、図8(c)に示すように、チップ接続用パッドP1と同一層から形成された位置合わせマークMを画像認識することに基づいて半導体チップ50を配線基板1に位置合わせする。このとき、前述したように、第1保護絶縁層20は不透視性を有するため、チップ接続用パッドP1の下側の第1配線層30が透視されて画像認識されることがないので、位置合わせマークMの画像のコントラストが良好になり、半導体チップ50を配線基板1に高精度で位置合わせすることができる。
このようにして、図8(b)に示すように、半導体チップ50の接続電極50aを配線基板1のチップ接続用パッドP1上のはんだに位置合わせして配置し、加熱処理してはんだ付けする。これにより、図9に示すように、半導体チップ50がバンプ電極52によって配線基板1のチップ接続用パッドP1にフリップチップ接続される。その後に、半導体チップ50の下側の隙間にアンダーフィル樹脂54が充填される。
さらに、配線基板1の下面側の外部接続パッドP2にはんだボールを搭載するなどして外部接続端子60を設ける。これにより、半導体パッケージが構成される。
図9では、BGA型の半導体パッケージが例示されているが、外部接続用パッドP2に外部接続端子として接続ピンを接続してPGA型パッケージとしてもよい。あるいは、LGA型パッケージを構成する場合は、外部接続用パッドP2自体が外部接続端子として使用される。
このように、第1実施形態の配線基板1では、チップ搭載面Aの第1保護絶縁層20が不透視性を有し、外部接続面Bの第2保護絶縁層26が透視性を有し、第1保護絶縁層20と第2保護絶縁層26との間で色が異なっている。配線基板1の両面側において色が明確に異なるため、配線基板1のチップ搭載面Aを容易に目視で識別して特定することができる。
しかも、前述したように、第1保護絶縁層20を不透視性とし、第2保護絶縁層26を透視性とすることは、コアレスタイプの配線基板1を製造する際及び半導体チップ50を実装する際に都合がよい構造となる。
つまり、フォトリソグラフィやレーザで外部接続用パッドP2上の第2保護絶縁層26に接続ホールCHを形成する際に、第2保護絶縁層26を透視してその下の位置合わせマークMを容易に画像認識することができる。これにより、外部接続用パッドP2の上に接続ホールCHを精度よく位置合わせして形成することができる。
また、チップ接続用パッドP1に半導体チップ50を実装する際に、位置合わせマークMの周囲に不透視性の第1保護絶縁層20が存在する。これにより、位置合わせマークMの画像のコントラストが良好になるため、半導体チップ50を精度よく安定して配線基板1に位置合わせして実装することができる。
(第2の実施の形態)
図10は本発明の第2実施形態の配線基板を示す断面図、図11は図10の配線基板に半導体チップが実装された様子を示す断面図である。
前述した第1実施形態では、コアレスタイプの配線基板1を製造する際及び半導体チップ50を実装する際において都合がよいように、チップ搭載面Aの第1保護絶縁層20を不透視性にし、外部接続面Bの第2保護絶縁層26を透視性にして相互に色が異なるようにしている。
この形態に限定されることなく、図10に示すように、第2実施形態の配線基板1aでは、前述した第1実施形態の図7においてチップ接続用パッドP1と外部接続用パッドP2の配置が上下逆になっており、上面側がチップ搭載面Aとなり下面側が外部接続面Bとなっている。
つまり、下面側の不透視性の第1保護絶縁層20から外部接続用パッドP2(第1接続パッド)が露出し、上面側の透視性の第2保護絶縁層26からチップ接続用パッドP1(第2接続パッド)が露出している。
外部接続用パッドP2の側面とビア接続面(第1ビアホールVH1側の面)とが不透視性の第1保護絶縁層20に接し、外面(ビア接続面と反対面)が第1保護絶縁層20から露出している。また、透視性の第2保護絶縁層26には接続ホールCHが設けられており、チップ接続用パッドP1の中央部が接続ホールCHから露出している。
また、第1保護絶縁層20及び第1、第2層間絶縁層22,24に形成された第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3は、第2保護絶縁層26側に開口されている。
これに加えて、第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3は、外部接続用パッドP2(第1接続パッド)及び第1、第2配線層30,32の表面によって底面が構成され、先端の開口面積が底面面積より大きい円錐台状の凹部となって形成されている。そして、第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3の中にビア導体が形成(充填)されている。
第2実施形態では、半導体チップをチップ接続パッドP1に接続する際に、異物付着による接続不良が問題になる場合に異物検出が容易になる利点がある。微細な異物(パーティクル)は暗色又は黒色の場合が殆どであり、異物が透視性の第2保護絶縁層26上に付着すると、異物と第2保護絶縁層26の間で光反射率の差異が顕著になる。従って、画像認識装置での異物の検出が容易となり、確実な異物検出とその除去を行うことができる。
そして、図11に示すように、半導体チップ50がチップ接続用パッドP1(第2接続パッド)にバンプ電極52によってフリップチップ接続される。このとき、チップ搭載面Aでは異物が除去されてクリーンな面となっているので、半導体チップ50と配線基板1aとの接続の信頼性を向上させることができる。
その後に、半導体チップ50の下側の隙間にアンダーフィル樹脂54を充填する。さらに、下面側の外部接続用パッドP2にはんだボールを搭載するなどして外部接続端子60を設ける。外部接続端子60は不透視性の第1保護絶縁層20側に設けられるため、位置決めが容易になる。これにより、半導体パッケージが構成される。
第2実施形態では、第1実施形態の図7においてチップ接続用パッドP1と外部接続用パッドP2とを上下逆にして配置された形態であり他の構成は同一である。
このように、第2実施形態では、半導体チップを実装する際において、位置合わせ精度よりも異物検出を優先させる場合は、チップ接続用パッドP1側の第2保護絶縁層26が透視性を有するようにする。
(第3の実施の形態)
図12は本発明の第3実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図、図13は図12(b)の配線基板に半導体チップが実装された様子を示す断面図である。
第3実施形態では、図12(a)に示すように、前述した第1実施形態の図2〜図6と同様な工程を遂行する。但し、前述した図3(a)の工程で透視性を有する第1保護絶縁層20を形成し、図4(c)及び図5の工程で不透視性の第2保護絶縁層26を形成する。
つまり、図12(a)では、第1実施形態の図6において第1保護絶縁層20と第2保護絶縁層26とが逆の色特性となっており、第1保護絶縁層20が透視性を有し、第2保護絶縁層26が不透視性を有する。
そして、図12(b)に示すように、第1実施形態と同様に支持板5が除去されて、第3実施形態の配線基板1bが得られる。第3実施形態の配線基板1bでは、下面側の透視性の第1保護絶縁層20からチップ接続用パッドP1(第1接続パッド)が露出し、上面側の不透視性の第2保護絶縁層26から外部接続用パッドP2(第2接続パッド)が露出する。
チップ接続用パッドP1の側面とビア接続面(第1ビアホールVH1側の面)とが透視性の第1保護絶縁層20に接し、外面(ビア接続面と反対面)が第1保護絶縁層20から露出している。また、不透視性の第2保護絶縁層26には接続ホールCHが設けられており、外部接続用パッドP2の中央部が接続ホールCHから露出している。
また、第1保護絶縁層20及び第1、第2層間絶縁層22,24に形成された第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3は、第2保護絶縁層26側に開口されている。
これに加えて、第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3は、チップ接続用パッドP1(第1接続パッド)及び第1、第2配線層30,32の表面によって底面が構成され、先端の開口面積が底面面積より大きい円錐台状の凹部となって形成されている。そして、第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3の中にビア導体が形成(充填)されている。
そして、図13に示すように、図12(b)の配線基板1bを上下反転させて、半導体チップ50をチップ接続用パッドP1にバンプ電極52によってフリップチップ接続する。その後に、半導体チップ50の下側の隙間にアンダーフィル樹脂54を充填する。さらに、下面側の外部接続用パッドP2にはんだボールを搭載するなどして外部接続端子60を設ける。これにより、半導体パッケージが構成される。
第3実施形態では、第2実施形態(図10)と同様に、半導体チップ50をチップ接続パッドP1に接続する際に、透視性の第1保護絶縁層20に付着する異物(暗色又は黒色)を画像認識装置で容易に検出することができ、確実な異物検出とその除去を行うことができる。
これにより、第2実施形態と同様に、半導体チップ50と配線基板1bとの接続の信頼性を向上させることができる。
また、外部接続端子60は不透視性の第2保護絶縁層26側に設けられるため、位置決めが容易になる。
(第4の実施の形態)
図14は本発明の第4実施形態の配線基板を示す断面図、図15は図14の配線基板の半導体チップが実装された様子を示す断面図である。
図14に示すように、第4実施形態の配線基板1cでは、前述した第3実施形態の図12(b)においてチップ接続用パッドP1と外部接続用パッドP2の配置が上下逆になっており、上面側がチップ搭載面Aとなり下面側が外部接続面Bとなっている。
つまり、下面側の透視性の第1保護絶縁層20から外部接続用パッドP2(第1接続パッド)が露出し、上面側の不透視性の第2保護絶縁層26からチップ接続パッドP1(第2接続パッド)が露出している。
外部接続用パッドP2の側面とビア接続面(第1ビアホールVH1側の面)とが透視性の第1保護絶縁層20に接し、外面(ビア接続面と反対面)が第1保護絶縁層20から露出している。また、不透視性の第2保護絶縁層26には接続ホールCHが設けられており、チップ接続用パッドP1の中央部が接続ホールCHから露出している。
また、第1保護絶縁層20及び第1、第2層間絶縁層22,24に形成された第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3は、第2保護絶縁層26側に開口されている。
これに加えて、第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3は、外部接続用パッドP2(第1接続パッド)及び第1、第2配線層30,32の表面によって底面が構成され、先端の開口面積が底面面積より大きい円錐台状の凹部となって形成されている。そして、第1〜第3ビアホールVH1,VH2,VH3の中にビア導体が形成(充填)されている。
第4実施形態では、外部接続端子を外部接続用パッドP2に搭載する際に、第2実施形態と同様な理由により、透視性の第1保護絶縁層20上に付着する異物(暗色又は黒色)を画像認識装置で容易に検出することができ、確実な異物検出とその除去を行うことができる。
そして、図15に示すように、半導体チップ50をチップ接続用パッドP1にバンプ電極52によってフリップチップ接続した後に、その下側の隙間にアンダーフィル樹脂54を充填する。さらに、下面側の外部接続用パッドP2にはんだボールを搭載するなどして外部接続端子60を設ける。これにより、半導体パッケージが構成される。
このとき、外部接続面Bは異物が除去されてクリーンな面となっているので、配線基板1cに外部接続端子60を信頼性よく接続することができる。
このように、外部接続端子60を搭載する際の歩留りを最優先させる場合は、第4実施形態が採用される。
前述した第1〜第4実施形態で説明したように、透視性の保護絶縁層側では、接続ホールを形成する際の位置決めが容易になると共に、配線基板の表面の異物検出が容易になり、不透視性の保護絶縁層側では、半導体チップや外部接続端子などの各種部品と配線基板との位置決めが容易になる。
(その他の形態)
コアレス配線基板だけではなく、コア基板の両面側にビルドアップ配線がそれぞれ形成されたコア付き配線基板に適用してもよい。この場合は、一方の面側の最外の不透視性の絶縁層に接続パッドを露出させる接続ホールが形成され、他方の面側の最外の透視性の絶縁層に接続パッドを露出させる接続ホールが形成され、両面側の絶縁層の間で相互に色が異なるようにすればよい。