JP5437639B2 - 耐熱性ビオチン結合性タンパク質の利用法、および当該タンパク質が結合した固体担体 - Google Patents
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Description
本発明は、耐熱性ビオチン結合性タンパク質を連結させた固体担体を提供する。
本発明は、ビオチンと連結した物質の分離、濃縮、捕捉、精製、および/または検出方法であって、以下の工程:
1)本発明のタマビジンを連結した固体担体と、ビオチンと連結した物質を接触させて、当該固体担体にビオチンと連結した物質を結合させ;
2)当該固体担体に結合しなかった夾雑物を洗浄し;そして
3)当該固体担体に結合したビオチンと連結した物質を回収することにより当該物質を分離、濃縮、捕捉もしくは精製し、および/または、当該物質を検出する;
を含んでなる、前記方法を提供する。好ましい態様において、本発明の方法における上述した工程の少なくとも1つは70℃ないし90℃の加熱条件下で行う、より好ましくは、75℃ないし90℃、80℃ないし90℃、85℃ないし90℃、70℃ないし85℃、70℃ないし80℃、75℃ないし80℃、75℃ないし85℃、75℃ないし87.5℃、の加熱条件下で行うことを含む。
1−1.タマビジン2の特徴づけ
タマビジン2の大腸菌発現と精製
タマビジン2(TM2)をコードするDNA(配列番号3)を発現ベクターpTrc99Aに組込んで大腸菌で発現させると、発現したTM2の殆どが可溶性画分に蓄積し、発現量も多い(WO 02/072817)。TM2タンパク質を、組換え大腸菌から、Hofmannら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 4666-4668, 1980)の方法に従ってイミノビオチンアガロース(Sigma)を充填したカラムを用いて精製した。具体的には、WO 02/072817に記載されている大腸菌に対して、1mM IPTG、37℃で5時間発現誘導をかけた後集菌し、ペレットを50mM Caps pH11.0, 50mM NaClに懸濁し、超音波によって菌体を破壊した。遠心後の上清を、50mM Caps pH11.0, 50mM NaClで平衡化した自作のイミノビオチンカラム(高さ3cm、体積0.5ml)にアプライした。5mlの50mM Caps pH11.0, 500mM NaClで洗浄後、1.5−2mlの50mM NH4OAc pH4.0で溶出した。精製タンパク質の収量は50mLの培養液からおよそ1mgであった。
タマビジン2を、10mg/mlの濃度で、0.1%TFA,50%MeCN飽和溶液に溶解し、このサンプル溶液をZipTip C4(Millipore)にて精製を行い、MALDIプレートに直接アプライした。風乾後、マトリックス溶液(シナピン酸)を重層した。さらに風乾後、レーザーイオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI−TOFMS)AXIMA−CFR(島津製作所)に搭載し、質量分析を行った(引き出し電圧:20kV、飛行モード:Linear、検出イオン:Positive)。その結果、m/z=15146.3(単量体に相当)、30335.0(二量体に相当)、60932.0(四量体に相当)が観測された。さらに、ビオチン結合型のタマビジン2の場合、四量体に相当するピークが大きくなった。この結果から、タマビジン2は4量体で、質量60932と判断した。タンパク質のN末端配列を解析したところ、翻訳開始メチオニンの次のセリンがN末端であることが判明した。遺伝情報処理ソフトウエアGENETYX Ver.7(ゼネティックス社製)を用いて、タマビジン2の開始メチオニンを除く、140アミノ酸からなるポリペプチドの等電点を計算すると、7.36であった。
タマビジン2の分子吸光係数は理論値として、A280=41750M-1cm-1subunit-1(0.25mg/mLで0.68)である。実際にタマビジン2を精製し、酢酸アンモニウムに透析したサンプルを、凍結乾燥させ(酢酸アンモニウムは完全昇華)、秤量したところ3mgであった。このサンプルを20mM KPi(pH6.5)に溶解し、濃度を0.25 mg/mLに調製して、A280を測定したところ、0.67の実測値を得た。これは理論値の98%に相当した。これにより、A280を測定することでタマビジン濃度を簡便に測定することが可能となった。
蛍光ビオチンによるタマビジン2のビオチン結合活性の測定を、Kadaら(Biochim. Biophys. Acta., 1427: 44-48, (1999))の方法に従って行った。200μLアッセイバッファー(50mM NaH2PO4、100mM NaCl、1mM EDTA(pH7.5))中に、精製したTM2が0pmolから486pmolまで段階的に含まれるように調整をした。この溶液に20pmol/μL蛍光ビオチン溶液(biotin-4-fluorescein: Molecular Probe)50μL(1nmol)を混和し、室温で10分間放置後、Las−3000(FUJIFILM)を用いて蛍光強度を測定した。その結果、1nmolの蛍光ビオチンに0.274nmolのTM2が結合した。すなわち、1molのタマビジンに3.6molの蛍光ビオチンが結合した。このことから、タマビジン1分子に蛍光ビオチン4分子(サブユニット当たり1分子)結合することが示された。同様にストレプトアビジンは、1molに対して3.4molの蛍光ビオチンに結合した。
ウサギ抗TM2抗体の精製
大腸菌で発現させたタマビジン2(TM2)タンパク質をイミノビオチンカラムで精製したもの、および、これをさらにゲル精製したものを抗原に用い、二種類の抗体を作成した。アルカリフォスファターゼ標識抗IgG抗体を用いたウェスタン法による検出感度は、精製組換えタマビジン2標品に対して、およそ0.5ngであった。以上の結果から特異性およびタイターともに高い抗体が完成したと結論した。なお抗タマビジン2抗体−タマビジン1の交差反応は、低いものの検出された(本来の抗原に対して1/20程度)。
タマビジン2(TM2)のDNAに対する非特異結合試験
TM2のDNAに対する非特異結合性を解析した。2×SSC緩衝液で10μgから0.3μgまで段階希釈したサケ精子DNAをアルカリ変性させ、Bio−Dot SF(BIO−RAD)を用いて、Hybond N+膜(Amersham Biosceinces)に吸着させた。5×デンハルト液(0.1%BSA、0.1%フィコール、0.1%ポロビニルプロリドン)で膜をブロッキングした後、25μg/mLのTM2、ストレプトアビジン、およびアビジン溶液に室温で90分間浸した。その後、膜をTTBS緩衝液(0.05%Tween20を含むTBS緩衝液)によって、室温で5分間3回洗浄した。0.5%スキムミルク、0.01%Tween20を含むTBS緩衝液で1時間、膜をブロッキングした。1次抗体として、TM2には前述した方法で精製したウサギ抗TM2抗体を、ストレプトアビジンにはウサギ抗ストレプトアビジン抗体(SIGMA)を、アビジンにはウサギ抗アビジン抗体(Abcam)を、抗体価が同等になるように希釈して用いた。1次抗体との抗原抗体反応は、1晩室温で行った。膜をTTBS緩衝液によって室温で5分間3回洗浄後、2次抗体として、アルカリホスファターゼ標識抗ウサギIgG抗体(BIO−RAD)(10000倍希釈)を用い、室温で1時間反応させた。膜をTTBS緩衝液によって室温で5分間3回洗浄後、Alkaline Phosphatase substrate kit II、vector Black(フナコシ)にて発色させ、Las−3000(FUJIFILM)で定量化した。その結果、アビジンはDNAの濃度依存的に染色強度が増加したのに対して、TM2、ストレプトアビジンの染色強度はDNA濃度に強い影響を受けなかった(図1A、B)。この結果から、タマビジン2のDNAに対する非特異活性はほとんどなく、ストレプトアビジンと同等であることが示された。これはタマビジン2のアビジンに対する優位性を示すものである。
ビアコアバイオセンサーを用いたタマビジン2(TM2)とビオチンとの相互作用のカイネティックス分析
高精製度のBSA (Sigma)2mgとNHS−ビオチン(Pierce)1mgを1mlの50mM ホウ酸ナトリウム pH8.0中で溶解し、4℃で2時間インキュベーションした。NHS−ビオチン(EZ-Link NHS-LC-LC-Biotin)はあらかじめ少量のDMSOに溶解してから加えた。これを透析チューブ(MWCO 6−8,000)に入れ、50mM 炭酸ナトリウム pH6.7に対して4℃で一晩透析した。こうして作成したビオチン−BSAコンジュゲート(MW 67kDa,30μM)をビアコア(登録商標)バイオセンサーのリガンド(センサーチップへ貼り付ける物質)とした。一方、アナライト(流路系に流す物質)として組換えタマビジン2を調製し、Biacore(登録商標)3000(表面プラズモン共鳴を原理としたバイオセンサー、Biacore Inc.)による分子間相互作用の分析を行った。ビオチン−BSA、およびネガティブコントロールとしたBSAは、アミンカップリング法によってCM5センサーチップに固定化した。固定化量は、200RU程度になる様に調節した。BSAを固定化したチップは、フローセル1と3に、ビオチン−BSAを固体化したチップは、フローセル2と4に配置した。タマビジン2は、フローセル1と2に、ストレプトアビジンは、フローセル3と4に、流速20μl/minで2分間、ランニングバッファー[10mM HEPES pH7.4,150mM NaCl,3mM EDTA,0.005% Surfactantat20(Biacore Inc.)]中にロードした。その後、60分間、サンプルの解離をモニターした。なお、結合したタマビジン2、ならびにストレプトアビジンを解離させることは不可能であったため、測定では再生操作を行わず、低濃度側から7段階の測定を行った(3.125、6.25、12.5、25、50、100、および200nM)。BSAのデータはレファレンスとして、BSA−ビオチンのデータから差し引いた。測定は25℃で行った。得られたセンサーグラムから、解析ソフトウェア BIAevaluation ver.4.1を用いて、1:1結合モデルを用いて、反応速度論的解析を行い、結合速度定数(ka)と解離速度定数(kd)を計算した。解離定数(Kd) は、kd/kaから求めた。
タマビジン2(TM2)の耐熱性を、ストレプトアビジンまたはアビジンとの比較で解析した。
0.2μg/μL TM2、および0.2μg/μL ストレプトアビジンを10μL(2μg)ずつ室温、50、60、70、80、90、99℃で20分間加熱した。続いて、15000rpmで10分間遠心し、上清の可溶性タンパクを等量の2×SDS サンプルバッファー(100mM Tris−HCl pH 6.8,12% 2−メルカプトエタノール,2% SDS,20% グリセロール)と懸濁し、95℃で10分間加熱後、SDS−PAGEを行った。タンパクバンドはCBB染色によって検出した。Las−3000(FUJIFILM)を用いて定量マーカー(LMW ELECTROPHORESIS CALIBRATION KIT; Pharmacia Biotech)をもとに検量線を作成し、タンパク質バンドを定量化した。SDS−PAGEの結果を図2Aに、タンパク質バンドの定量結果を図2Bに示す。50%のタンパク質が消失する温度は、ストレプトアビジンが71℃であるのに対し、タマビジン2は87℃であった。この結果、タマビジン2は、ストレプトアビジンと比較して耐熱性が15℃以上高いことが明らかとなった。また、タマビジン2はビオチンを加えると、耐熱性が極めて強くなり、95℃処理後も、4量体が解離しなくなった。
ビオチン結合性タンパク質のビオチン結合サイトに蛍光ビオチンが結合すると、蛍光ビオチンの蛍光強度が消失する性質を利用して、タマビジン2の高温度条件下におけるビオチン結合能を、ストレプトアビジン、アビジンと比較した。
タマビジン2磁性ビーズの作成
カルボキシル基で表面をコートされた磁性ビーズ(Dynabeads M-270 Carboxylic Acid, Dynal社)300μlを0.01N 水酸化ナトリウム 300μlで10分間洗浄後、さらに超純水 300μlで10分間3回洗浄した。洗浄済みの磁性ビーズに、冷超純水で溶解した1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・ハイドロクロライド(EDC)(PIERCE社)を最終濃度0.2Mになるように添加し30分間、室温で振とうした。その後、冷超純水 300μl、続いて50mM MES緩衝液(pH5.0)300μlで磁性ビーズを洗浄し、50mM MES緩衝液(pH5.0)に置換した0.6mg/ml TM2を300μl(180μg)混和した。室温で30分間振とうさせることにより、共有結合にてTM2と磁性ビーズを結合させた。磁石で磁性ビーズを回収し、上清を除去した。次に50mM トリス緩衝液(pH 7.0)300μlでビーズの未反応カルボキシル基を消去後、0.5% BSA、0.1% Tween20を含むPBS緩衝液300μlで磁性ビーズをブロッキングした。PBS緩衝液 300μlで磁性ビーズを懸濁し、磁性ビーズを完成させた。ストレプトアビジンおよびアビジンについても同様に磁性ビーズを作成した。
(i)耐熱性
蛍光ビオチンを用いて、TM2磁性ビーズの耐熱性を、上記で作製したストレプトアビジン磁性ビーズおよびアビジン磁性ビーズ、ならびに、市販のストレプトアビジン磁性ビーズ(Dynabeads M-270 Streptavidin、Dynal)と比較した。
ビオチン結合性タンパク質のビオチン結合サイトに蛍光ビオチンが結合すると、蛍光ビオチンの蛍光強度が消失する性質を利用して、TM2磁性ビーズの高温度条件下におけるビオチン結合能を、市販のストレプトアビジン磁性ビーズと比較した。
表面のカルボキシル基がN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)により活性エステル化されたセファロースビーズ (直径34μm)HiTrap NHS-activated HP(GEヘルスケア社)1mLを冷1mM 塩酸 10mlで洗浄後、さらに冷超純水 1mlで洗浄した。このセファロースビーズに、予め0.5M 塩化ナトリウムを含む0.2M 炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.3)中で透析をした1mg/ml TM2を1ml混和した。室温で3時間振とうさせることによりTM2とセファロースビーズを結合させた。次に50mM トリス緩衝液(pH8.0)5mlにて未反応の活性基を消去後、0.5% BSA、0.05% Tween 20を含むPBS緩衝液 5mlでセファロースビーズをブロッキングした。PBS緩衝液 1mlでセファロースビーズを懸濁しTM2セファロースビーズを完成させた。
蛍光ビオチンを用いて、TM2セファロースビーズの耐熱性を検証した。TM2セファロースビーズをPBS緩衝液で洗浄後、室温、70、75、80、85、90℃で20分間加熱した。150μL アッセイバッファー中に、加熱したセファロースビーズを0μLから16μLまで段階的に含む溶液を調整した。次に3pmols/μl ビオチン−4−フルオレセイン溶液 50μl(150pmol)を混和し、室温で20分間放置後、Infinite M200を用いて上清の蛍光強度をEx=460nm、Em=525nmにて測定した。
実施例2:タマビジン1(TM1)
2−1.タマビジン1の特徴づけ
タマビジン1の大腸菌発現と精製
タマビジン1をコードするDNA(配列番号1)を、発現ベクターpTrc99Aに組込んで大腸菌で発現させると、発現したタマビジン1タンパク質の殆どが可溶性画分に蓄積し、その発現量はタマビジン2と同じレベルに多かった。そこで組換えタマビジン1に関して、以下のように精製を試みた。発現誘導後、集菌した大腸菌のペレットを20 mM Kpi pH7.0に懸濁し、超音波によって菌体を破壊した。15000rpmで10分間の遠心後の上清を、70℃で10分間処理した。熱処理後さらに遠心分離操作を行い、その上清を、50mM Tris−HCl pH7.0、50mM NaClに置換した。このサンプルを同バッファーで平衡化したイオン交換カラムMonoQ HR5/5 (Phaemacia)にアプライし、組換えタマビジン1をカラム素通り画分として回収した。タンパク質の回収量は培養液50mL当たりおよそ1mgであった。
タマビジン1の質量分析を実施例1と同様に行った。その結果、m/z=15961.6(単量体に相当)、31922.5(二量体に相当)が観測された。単量体の質量は、タマビジン1をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動した後の分子量に良く一致した。一方、タマビジン1にビオチンを過剰量添加し、インキュベートした後のサンプルのSDS−ポリアクリルアミド電気泳動像と、同じ処理を施したタマビジン2の泳動像との比較分析から、タマビジン1は4量体であることが示唆された。遺伝情報処理ソフトウエアGENETYX Ver.7(ゼネティックス社製)を用いて、全長143アミノ酸からなるタマビジン1の等電点を計算すると、6.23であった。
上記70℃熱処理後の遠心後上清のタマビジン1の蛍光ビオチン結合活性を測定した。方法はタマビジン2の場合に準じた。蛍光ビオチンとのインキュベーションは室温で行った。結果を図7に示す。タマビジン1は、70℃処理後においても蛍光ビオチンと結合することが明らかとなった。
タンパク質の安定性
0.2μg/μLの濃度の精製タマビジン1を10μL(2μg)ずつ室温、50、60、70、80、90、99℃で20分間加熱した。続いて、15000rpmで10分間遠心し、上清の可溶性タンパクを等量の2×SDS サンプルバッファー(100mM Tris−HCl pH6.8,12% 2−メルカプトエタノール,2% SDS,20% グリセロール)と懸濁し、95℃で10分間加熱後、SDS−PAGEを行った。タンパクバンドはCBB染色によって検出した。Las−3000(FUJIFILM)を用いて定量マーカー(LMW ELECTROPHORESIS CALIBRATION KIT; Pharmacia Biotech)をもとに検量線を作成し、タンパク質バンドを定量化した。その結果、タマビジン1の50%のタンパク質が消失する温度は、76℃であった。この結果、タマビジン1は、上述のストレプトアビジンと比較して耐熱性が5℃高いことが明らかとなった。また、タマビジン1はビオチンを加えると、耐熱性が極めて強くなり、95℃処理後も、4量体が解離しなくなった。
Claims (8)
- 固体担体であって、以下:
a)配列番号4のアミノ酸配列を含んでなるタンパク質;
b)配列番号4のアミノ酸配列と、少なくとも95%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるタンパク質;および
c)配列番号3の塩基配列の相補鎖に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によってコードされるアミノ酸配列を含んでなるタンパク質;
からなる群より選択される、80℃ないし90℃の加熱処理後もビオチン結合能を保持する、および/または、80℃ないし90℃の加熱条件下においてもビオチン結合能を有する耐熱性ビオチン結合性タンパク質を連結させた、前記固体担体。 - 固体担体が、セルロース、テフロン、ニトロセルロース、アガロース、デキストラン、キトサン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ナイロン、ポリジビニリデンジフルオライド、ラテックス、シリカ、ガラス、ガラス繊維、金、白金、銀、銅、鉄、ステンレススチール、フェライト、シリコンウエハ、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリ乳酸、樹脂、多糖類、タンパク(アルブミン等)、炭素およびそれらの組合せ、からなる群より選択される材料で主に構成される、請求項1に記載の固体担体。
- 固体担体が、ビーズ、磁性ビーズ、薄膜、微細管、フィルター、プレート、マイクロプレート、カーボンナノチューブおよびセンサーチップからなる群より選択される、請求項1に記載の固体担体。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体担体の使用であって、80℃ないし90℃の加熱条件下に暴露することを特徴とする、前記使用。
- ビオチンと連結した物質の分離、濃縮、捕捉、精製、および/または検出方法であって、以下の工程:
1)請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体担体とビオチンと連結した物質を接触させて、当該固体担体にビオチンと連結した物質を結合させ;
2)当該固体担体に結合しなかった夾雑物を洗浄し;そして
3)当該固体担体に結合したビオチンと連結した物質を回収することにより当該物質を分離、濃縮、捕捉もしくは精製し、および/または、当該物質を検出する;
を含んでなり、ここで、前記工程の少なくとも1つは80℃〜90℃の加熱条件下で行う、前記方法。 - 加熱条件が、80℃〜85℃である、請求項5に記載の方法。
- ビオチンと連結した物質が、ビオチンと連結した核酸である、請求項5に記載の方法。
- ビオチンと連結した物質の分離、濃縮、捕捉、精製、および/または検出方法であって、以下の工程:
1)請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体担体とビオチンと連結した物質を接触させて、当該固体担体にビオチンと連結した物質を結合させ;
2)当該固体担体に結合しなかった夾雑物を洗浄し;そして
3)当該固体担体に結合したビオチンと連結した物質を回収することにより当該物質を分離、濃縮、捕捉もしくは精製し、および/または、当該物質を検出する;
を含んでなり、ここで、前記工程の少なくとも1)の前に、当該固体担体を80℃〜90℃の加熱条件下で加熱することを含む、前記方法。
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