JP2016041075A - 改変型ビオチン結合タンパク質 - Google Patents
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Abstract
Description
テムとして、市販されている。
ila et al.(2003)Biochem J. 369:249−254;
Laitinen et al.(2003)J. Biol. Chem. 278:4010−4014 ; Laitinen et al.(2001)J. Biol. Chem. 276:8219−8224)、あるいはビオチンと疎水結合するアミノ酸に変異を入れることで(Laitinen et al.(1999)FEBS Lett. 461:52−58; Laitinen et al.(2003)J.Bio
l. Chem. 278:4010−4014)、ビオチンへの親和性を下げた組換えタンパク質が報告されている。
Wong (2002)Protein Expr. Purif.25:409−415; Wu and Wong(2006)Protein Expr.Purif.46:268−273; Wu and Wong(2005)J.Biol.Chem. 280:23225−23231)や、ビオチンと疎水結合するアミノ酸に変異を入れた例(Chilkoti et al.(1995)Proc.Natl.Acad.Sci.92:1754−1758 ; Laitinen et al.(1999)FEBS Lett. 461,52−58; Sano et al.(1995)P
roc.Natl.Acad.Sci. 92:3180−3184,; Sano et al.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci. 94:6153−6158)が知られている。
る。
Purif. 46:268−27)。
)FEBS Lett., 461, 52−58、Qureshi and Won
g (2002)Protein Expr. Purif.25:409−415)、
手間とコストが非常に問題となっていた。大腸菌で可溶性発現ができるのは一部の単量体ストレプトアビジンのみである(Wu and Wong(2006)Protein Expr. Purif. 46:268−273)。
本発明は好ましくは以下の態様を含む。
[態様1]
配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質において、
以下のグループ:
1)配列番号2の36番目のセリン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;
2)配列番号2の80番目のトリプトファン残基の親水性アミノ酸残基への置換;
3)配列番号2の116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;
4)配列番号2の46番目のプロリン残基のスレオニン、セリン若しくはチロシン残基への置換、及び、78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;
5)配列番号2の46番目のプロリン残基のスレオニン、セリン若しくはチロシン残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換:並びに
6)配列番号2の46番目のプロリン残基のスレオニン、セリン若しくはチロシン残基への置換、78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
から選択される置換を有することを特徴とする、改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様2]
1−a)配列番号2の36番目のセリン残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 S36A);
2−a)配列番号2の80番目のトリプトファン残基がリジンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 W80K);
3−a)配列番号2の116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 D116A);
4−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、そして、78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 P46T−T78A);
5−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 P46T−D116A);並びに
6−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 P46T−T78A―D116A)
からなるグループから選択される、態様1に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様3]
以下の性質:
i)ビオチンを用いた精製が可能である;
ii)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の四量体構造を維持している;
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する;及び
iv)大腸菌の可溶性画分において高い発現を示す
の1ないし全部を満たす、態様1又は2に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様4]
配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質において、
6)配列番号2の78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換を有することを特徴とする改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様5]
6−a)配列番号2の78番目のスレオニン残基がアラニン残基へ置換されている、態様4に記載の改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 T78A)。
[態様6]
以下の性質:
i)ビオチンを用いた精製が可能である;
ii)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の四量体構造を維持している;
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する;及び
v)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質よりも、高い耐熱性を有するの1ないし全部を満たす、態様4又は5に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様7]
配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質において、
以下のグループ:
7)配列番号2の36番目のセリン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;並びに
8)配列番号2の36番目のセリン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
から選択される置換を有することを特徴とする、改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様8]
7−a)配列番号2の36番目のセリン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 S36A―D116A);並びに
8−a)配列番号2の36番目のセリン残基がアラニンに置換されており、78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 S36A−T78A―D116A)
からなるグループから選択される、態様7に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様9]
以下の性質:
i)ビオチンを用いた精製が可能である;
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する;及び
vi)弱酸性条件下でビオチンと結合し、そして、中性条件下でビオチンと結合しないの1ないし全部を満たす、態様7又は8に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様10]
配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質において、
9)配列番号2の78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
を有することを特徴とする、改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様11]
9−a)配列番号2の78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、態様10に記載の改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 T78A―D116A)。
[態様12]
以下の性質:
i)ビオチンを用いた精製が可能である;
ii)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の四量体構造を維持している;
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する;
iv)大腸菌の可溶性画分において高い発現を示す;及び
vii)イミノビオチンで精製できない
の1ないし全部を満たす、態様10又は11のいずれか1項に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様13]
配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質よりも、低いビオチン結合性を示す、態様1ないし12のいずれか1項に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様14]
以下のa)−l)
a)配列番号2の14番目のアスパラギン残基は改変されていない、あるいはグルタミン又はアスパラギン酸に置換されている;
b)配列番号2の18番目のセリン残基は改変されていない、あるいはスレオニン又はチロシンに置換されている;
c)配列番号2の34番目のチロシン残基は改変されていない、あるいはセリン又はスレオニンに置換されている;
d)配列番号2の36番目のセリン残基は改変されていない、あるいはスレオニン又はチロシンに置換されている;
e)配列番号2の40番目のアスパラギン酸残基は改変されていない、あるいはアスパラギン以外の残基に置換されている;
f)配列番号2の69番目のトリプトファン残基は改変されていない;
g)配列番号2の76番目のセリン残基は改変されていない、あるいはスレオニン又はチロシンに置換されている;
h)配列番号2の78番目のスレオニン残基は改変されていない、あるいはセリン又はチロシンに置換されている;
i)配列番号2の80番目のトリプトファン残基は改変されていない;
j)配列番号2の96番目のトリプトファン残基は改変されていない;
k)配列番号2の108番目のトリプトファン残基は改変されていない;
l)配列番号2の116番目のアスパラギン酸残基は改変されていない、あるいはグルタミン酸又はアスパラギンに置換されている
m)配列番号2の46番目のプロリン残基は改変されていない;
n)配列番号2の66番目のアラニン残基は改変されていない;
o)配列番号2の97番目のロイシン残基は改変されていないか、イソロイシンに改変されている;及び
p)配列番号2の113番目のバリン残基は改変されていない
の1ないし全ての条件を満たす、ただし、このうち、1)ないし9)で特定したアミノ酸残基は、1)ないし9)の各々で特定したように置換されている、
態様1ないし13のいずれか1項に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様15]
配列番号2に記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様1ないし14のいずれか1項に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
[態様16]
態様1ないし15のいずれか1項に記載のタンパク質を固定化した担体。
[態様17]
態様1ないし15のいずれか1項に記載のタンパク質をコードする核酸。
[態様18]
態様17に記載の核酸を含むベクター。
[態様19]
態様7の改変型ビオチン結合タンパク質を含む、生物学的試料中の物質を検出する系における非特異結合抑制剤。
タマビジン
タマビジンは、食用キノコである担子菌タモギタケ(Pleurotus conucopiae)から発見された新規ビオチン結合タンパク質である(WO02/072817)。当該文献には、
−タマビジン1とタマビジン2の相互のアミノ酸相同性は65.5%で、ビオチンと強く結合する;
−タマビジン2は、大腸菌で可溶性画分に高発現する;そして
−タマビジン2を大腸菌で発現させた場合、4.5時間の培養で、50mlの培養当たり約1mgの純度の高い精製組換えタンパク質が得られた。これはビオチン結合性タンパク質として知られているアビジンやストレプトアビジンと比較しても、非常に高い値である;
ことが記載されている。
また、本明細書において「1又は複数のアミノ酸」とは、場合により、1又は数個のアミノ酸を意味してもよい。
443−453, 1970)のアルゴリズムに基づき、そしてウィスコンシン大学遺伝学コンピューターグループ(UWGCG)より入手可能なGAPコンピュータープログラムを用い配列情報を比較することにより、決定してもよい。GAPプログラムの好ましいデフォルトパラメーターには:(1)Henikoff, S. 及びHenikoff, J. G. (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89: 10915−10919, 1992)に記載されるような、スコアリング・マトリックス、blosum62;(2)12のギャップ加重;(3)4のギャップ長加重;及び(4)末端ギャップに対するペナルティなし、が含まれる。
p.3389−3402, 1997)に記載されているBLASTプログラムを用いて配列情報と比較し決定することが可能である。当該プログラムは、インターネット上でNational Center for Biotechnology Information(NCBI)、あるいはDNA Data Bank of Japan(DDBJ)のウェブサイトから利用することが可能である。BLASTプログラムによる同一性検索の各種条件(パラメーター)は同サイトに詳しく記載されており、一部の設定を
適宜変更することが可能であるが、検索は通常デフォルト値を用いて行う。又は、2つのアミノ酸配列の同一性%は、遺伝情報処理ソフトウエアGENETYX Ver.7(ゼネティックス製)などのプログラム、又は、FASTAアルゴリズムなどを用いて決定してもよい。その際、検索はデフォルト値を用いてよい。
W−BLAST2.0アルゴリズムが使用可能である。UW−BLAST2.0についての標準的なデフォルトパラメーターの設定は、以下のインターネットサイト:http://blast.wustl.eduに記載されている。さらに、BLASTアルゴリズムは、BLOSUM62アミノ酸スコア付けマトリックスを使用し、使用可能である選択パラメーターは以下の通りである:(A)低い組成複雑性を有するクエリー配列のセグメント(WoottonおよびFederhenのSEGプログラム(Computers and Chemistry, 1993)により決定される;WoottonおよびFederhen, 1996「配列データベースにおける組成編重領域の解析(Analysis of compositionally biased regions in sequence
databases)」Methods Enzymol., 266: 544−71も参照されたい)、又は、短周期性の内部リピートからなるセグメント(ClaverieおよびStates(Computers and Chemistry, 1993)のXNUプログラムにより決定される)をマスクするためのフィルターを含むこと、及び(B)データベース配列に対する適合を報告するための統計学的有意性の閾値、またはE−スコア(KarlinおよびAltschul, 1990)の統計学的モデルにしたがって、単に偶然により見出される適合の期待確率;ある適合に起因する統計学的有意差がE−スコア閾値より大きい場合、この適合は報告されない);好ましいE−スコア閾値の数値は0.5であるか、または好ましさが増える順に、0.25、0.1、0.05、0.01、0.001、0.0001、1e−5、1e−10、1e−15、1e−20、1e−25、1e−30、1e−40、1e−50、1e−75、または1e−100である。
イブリダイズする塩基配列を含んでなる核酸によってコードされるタンパク質であって、TM2と同様の結合活性を有するタンパク質であってもよい。
後述する。
本発明の改変タマビジン(I型)
本発明の改変型TM2は1態様として、
配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質(TM2あるいはTM2(変異体))において、
以下のグループ:
1)配列番号2の36番目のセリン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;
2)配列番号2の80番目のトリプトファン残基の親水性アミノ酸残基への置換;
3)配列番号2の116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;
4)配列番号2の46番目のプロリン残基のスレオニン、セリン若しくはチロシン残基への置換、及び、78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
5)配列番号2の46番目のプロリン残基のスレオニン、セリン若しくはチロシン残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;
:並びに
6)配列番号2の46番目のプロリン残基のスレオニン、セリン若しくはチロシン残基への置換、78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
から選択される置換を有することを特徴とする。
本明細書において「水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換」とは、ビオチンと水素結合を形成しないと考えられるアミノ酸残基へ置換することを意味する。限定されるわけではないが、具体的な例としては、非極性すなわち疎水性のR基をもつアミノ酸である
アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、トリプトファン(W)、フェニルアラニン(F)、及びプロリン(P)などへの、これら以外のアミノ酸残基からの置換を挙げることができる。本明細書中の実施例では、下記の改変型TM2においてセリン、スレオニン又はアスパラギン酸から、アラニン(A)へ置換した改変体が記載されている。
基を有するリジン(K)、アルギニン(R)、及びヒスチジン(H)、生理的pHで負の電荷をもつR基を有するアスパラギン酸(D)やグルタミン酸(E)などへの置換を挙げる
ことができ、下記の改変型TM2においてはトリプトファンをリジン(K)へ置換したものを述べる。
1−a)配列番号2の36番目のセリン残基がアラニンに置換されている改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 S36A)、
2−a)配列番号2の80番目のトリプトファン残基がリジンに置換されている改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 W80K)、
3−a)配列番号2の116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 D116A)、
4−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、そして
、78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されている改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 P46T−T78A)、
5−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 P46T−D116A)、並びに、
6−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 P46T−T78A―D116A)、である。
i)ビオチンを用いた精製が可能である、
ii)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の四量体構造を維持している、
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する、
iv)大腸菌の可溶性画分において高い発現を示す、
の1ないし全部を示す。
量体が解離した二量体や単量体のバンドとして検出される。
ましくは20mg以上発現することを意味する。
また、これらの変異体は四量体を維持しており、プロテアーゼ耐性を有している。なお、このように水素結合の変異とサブユニット間結合の変異を組み合わせることにより、適切なビオチン結合能を持たせることに成功したビオチン結合性タンパク質は、これまでに例がない。
また本発明の改変型TM2は1態様として、
配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質(TM2あるいはTM2(変異体))において、
6)配列番号2の78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
を有することを特徴とする。
6−a)配列番号2の78番目のスレオニン残基がアラニン残基へ置換されている改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 T78A)である。
本明細書において「水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換」とは、上記で既に定義した通りである。
i)ビオチンを用いた精製が可能である、
ii)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の四量体構造を維持している、
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する、
v)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質よりも、高い耐熱性を有する、
の1ないし全部を示す。
本明細書において「高い耐熱性を有する」とは、野生型と同程度あるいはそれ以上の耐熱性を有することを意味する。非限定的に、例えば、SDS存在下で20分間加熱処理を行った際のTr値(単量体と四量体の量比が1:1となる温度)が天然のTM2と比較して、ビオチン非存在下で、好ましくは同程度、より好ましくは5℃以上、さらに好ましくは10℃以上高いことを意味する。
また本発明の改変型TM2は1態様として、
配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質(TM2あるいはTM2(変異体))において、
以下のグループ:
7)配列番号2の36番目のセリン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;並びに
8)配列番号2の36番目のセリン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
から選択される置換を有することを特徴とする。
本明細書において「水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換」とは、上記で既に定義した通りである。
7−a)配列番号2の36番目のセリン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 S36A―D116A);並びに
8−a)配列番号2の36番目のセリン残基がアラニンに置換されており、78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 S36A−T78A―D116A)
からなるグループから選択される。
i)ビオチンを用いた精製が可能である;
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する、
vi)弱酸性条件下でビオチンと結合し、そして、中性条件下でビオチンと結合しない、
の1ないし全部を示す。
本態様の改変型タマビジンは、特殊なpH依存性を示す。本明細書において「弱酸性」とは、pH4からpH6の範囲内の水素イオン指数を意味する。「中性」とは、pH7からpH8の範囲内の水素イオン指数を意味する。
「TM2 S36A−T78A−D116A」は、大腸菌の可溶性画分において高発現するものである。また二量体の構造を維持しており、プロテアーゼに対し高い耐性を有している。「TM2 S36A−T78A−D116A」は、「TM2 S36A−D11
6A」と同様に、弱酸性条件(pH4〜6程度)においてビオチンと効率よく結合するのに対し、中性条件(pH7)ではビオチンと全く結合しないという、これまでのビオチン結合性タンパク質とは全く異なる特徴を有している。ただし、アルカリ条件下では、「TM2 S36A−D116A」と異なり、弱酸性条件と同様にビオチンと効率良く結合した。
また本発明は、当該改変体を含む、生物学的試料中の物質を検出する系における非特異結合抑制剤を提供する。また本発明は、当該改変体を、生物学的試料中の物質を検出する系において、非特異的結合抑制剤として使用する方法も提供する。
に不活性化されていないため、(ストレプト)アビジン固相化担体に結合したビオチン化物質が脱離する可能性があった。
また本発明の改変型TM2は1態様として、
配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
ビオチン結合活性を示すタンパク質(TM2あるいはTM2(変異体))において、
9)配列番号2の78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
を有することを特徴とする。
本明細書において「水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換」とは、上記で既に定義した通りである。
9−a)配列番号2の78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 T78A―D116A)である。
i)ビオチンを用いた精製が可能である、
ii)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の四量体構造を維持している、
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する、
iv)大腸菌の可溶性画分において高い発現を示す、
vii)イミノビオチンで精製できない
の1ないし全部を示す。
本発明は、以下のタンパク質を含む。すなわち、
配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示さないタンパク質(TM2あるいはTM2(変異体))において、
10−a)配列番号2の66番目のアラニン残基がアルギニンに置換されており、そして、113番目のバリン残基がアルギニンに置換されている、タマビジン改変タンパク質(TM2 A66R―V113R);並びに
11−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、66番目のアラニン残基がアルギニンに置換されており、97番目のロイシン残基がスレオニンに置換されており、そして、113番目のバリン残基がアルギニンに置換されている、タマビジン改変タンパク質(TM2 P46T―A66R―L97T―V113R)
であることを特徴とする。
このようなタマビジン改変タンパク質は、以下の性質;
i)ビオチンへの結合活性が失われている、
ii)大腸菌の可溶性画分において高い発現を示す、
の全てを示す。
「TM2 A66R―V113R」と「TM2 P46T―A66R―L97T―V113R」は、タマビジンのサブユニット間の結合に関与すると考えられる部位を改変したものである。TM2とストレプトアビジンとのアミノ酸の相同性(両者のアミノ酸相同性は全体で48%である)を利用して検討したところ、ストレプトアビジンにおける55番目のバリン(Val)、76番目のスレオニン(Thr)、109番目のロイシン(Leu)、ならびに125番目のバリン(Val)が、それぞれTM2における、46番目のプロリン(Pro)、66番目のアラニン(Ala)、97番目のロイシン(Leu)、113番目のバリン(Val)であると考えられた。すなわち、TM2においてそれらのアミノ酸は、サブユニット結合部位に存在すると考えられた。そしてそれらのアミノ酸に実際に変異を入れ、ビオチン結合活性を測定すると、ビオチン結合活性はほぼ完全に失われていた(表2)。
不活性化されていないため、(ストレプト)アビジン固相化担体に結合したビオチン化物質が脱離する可能性があった。
に、ビオチン化抗原またはビオチン化抗体を結合させ、血清中の抗体や抗原を検出する系において、当該不活性型の改変タンパク質を含む溶液で血清を希釈する、または当該不活性型の改変タンパク質を含む溶液でブロッキング操作を行うことで非特異結合を低減することができる。当該不活性型の改変タンパク質はビオチンへの結合活性が失われているので、ビオチン化抗原またはビオチン化抗体を固相面から脱離させることなく、非特異結合を低減させることができる。また当該不活性型の改変タンパク質は、大腸菌の可溶性画分において高い発現を示すので、容易に製造することが可能である。
TM2のアミノ酸を改変して、本発明の改変型TM2を得るための方法は、公知のアミノ酸配列に変異を施す方法を使用でき、特に限定されない。好ましくは本発明の改変タンパク質をコードする核酸の塩基配列に修飾を施し改変する。
本発明の改変型TM2におけるアミノ酸残基の改変は、改変型TM2が適切なビオチン親和性を有することにより精製が可能となるような改変である。ところで、ビオチン結合タンパク質の一つであるストレプトアビジンのビオチンポケットについては既に解明が進んでいる。このストレプトアビジンとTM2のアミノ酸配列のホモロジーは50%程度に過ぎないが、発明者らは、TM2のビオチンポケットについての知見を得るべく、TM2とストレプトアビジンのアミノ酸配列を並列させて比較した。
載で特定された置換を行う場合を除き、改変されないことが望ましい。あるいは、これらを改変する場合にはビオチンとの結合を維持できるよう、性質あるいは構造が類似したアミノ酸に改変することが望ましく、例えばフェニルアラニン(F)へ改変することが望ましい。
改変型TM2タンパク質をコードする核酸
本発明は、本発明の改変型TM2タンパク質をコードする核酸を提供する。このような核酸の塩基配列は、TM2の塩基配列(配列番号1)を、改変型TM2タンパク質の改変アミノ酸をコードする塩基配列に改変したものである。改変される塩基配列は、改変後のアミノ酸をコードする塩基配列であれば限定されない。例えば、配列番号1の塩基配列からなる核酸(以下、「TM2遺伝子」)、またはそれらの相補鎖にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、ビオチンとの結合及び解離を可能とする、適切なビオチン結合活性を有するタンパク質をコードする核酸であって、本発明の改変を施すために塩基配列を改変させたものを含む。
また、本発明は、改変型TM2タンパク質をコードする核酸を含むベクターを提供する。好ましくは、改変型TM2タンパク質を発現するための発現ベクターである。
本発明は、本発明の改変型TM2タンパク質を固定化した担体を提供する。
担体を構成する材料は公知のものを使用可能である。例えば、セルロース、テフロン、ニトロセルロース、アガロース、高架橋アガロース、デキストラン、キトサン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ナイロン、ポリジビニリデンジフルオライド、ラテックス、シリカ、ガラス、ガラス繊維、金、白金、銀、銅、鉄、ステンレススチール、フェライト、シリコンウエハ、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリ乳酸、樹脂、多糖類、タンパク(アルブミン等)、炭素又はそれらの組合せ、などを含むがこれらに限定されない。また、一定の強度を有し、組成が安定し、かつ非特異結合が少ないものが好ましい。
1−1.低親和性タマビジン2(以下LATM2)の設計
本発明者らは、ストレプトアビジンの結晶構造の知見を踏まえ、ストレプトアビジンとTM2のアミノ酸配列との比較検討を行い、TM2においてビオチンと相互作用するアミノ酸残基を推定し、それらのアミノ酸の配置はストレプトアビジンがビオチンと相互作用するアミノ酸のそれと似ているという知見を得た。これにより、TM2のアミノ酸配列の69番目、80番目、96番目、108番目のトリプトファンが、ビオチンと疎水結合するアミノ酸であると推定し、さらにTM2のアミノ酸配列の14番目のアスパラギン、18番目のセリン、34番目のチロシン、36番目のセリン、76番目のセリン、78番目のスレオニン、および、116番目のアスパラギン酸が、ビオチンと水素結合するアミノ酸であると推定した。また、検討の結果、46番目のプロリン、66番目のアラニン、97番目のロイシン、113番目のバリンがTM2においてサブユニット間の結合に重要であると考えられた。
(1)108番目のトリプトファンをリジンに置換したTM2(以下、「TM2 W108K」);
(2)69番目のトリプトファンをリジンに置換したTM2(以下、「TM2 W69K」);
(3)80番目のトリプトファンをリジンに置換したTM2(以下、「TM2 W80K」、塩基配列は配列番号3に記載、アミノ酸配列は配列番号4に記載);
(4)36番目のセリンをアラニンに変異したTM2(以下、「TM2 S36A」、塩基配列は配列番号5に記載、アミノ酸配列は配列番号6に記載);
(5)36番目のセリンからアラニンへの置換と78番目のスレオニンからアラニンへの置換と116番目のアスパラギン酸からアラニンへの置換を持つTM2(以下、「TM2 S36A−T78A−D116A」、塩基配列は配列番号7に記載、アミノ酸配列は配列番号8に記載);
(6)14番目のアスパラギンをアラニンに変異したTM2(以下、「TM2 N14A」);
(7)78番目のスレオニンをアラニンに変異したTM2(以下、「TM2 T78A」、塩基配列は配列番号9に記載、アミノ酸配列は配列番号10に記載);
(8)116番目のアスパラギン酸をアラニンに変異したTM2(以下、「TM2 D116A」、塩基配列は配列番号11に記載、アミノ酸配列は配列番号12に記載);
(9)66番目のアラニンをアルギニンに変異したTM2(以下、「TM2 A66R」);
(10)46番目のプロリンからスレオニンへの置換と66番目のアラニンからアルギニンへの置換をもつTM2(以下、「TM2 P46T−A66R」);
(11)113番目のバリンをアルギニンに変異したTM2(以下、「TM2 V113R」);
(12)46番目のプロリンからスレオニンへの置換と113番目のバリンからアルギニンへの置換を持つTM2(以下、「TM2 P46T−V113R」)。
(18)108番目のトリプトファンからアルギニンへの変異を持つTM2(以下、「TM2 W108R」)。
W96K」)。
(20)36番目のセリンからアラニンへの置換と116番目のアスパラギン酸からアラニンへの置換を持つTM2(以下、「TM2 S36A−D116A」、塩基配列は配列番号19に記載、アミノ酸配列は配列番号20に記載)。
(22)78番目のスレオニンからアラニンへの置換と116番目のアスパラギン酸からアラニンへの置換を持つTM2(以下、「TM2 T78A−D116A」、塩基配列は配列番号21に記載、アミノ酸配列は配列番号22に記載)。
(24)46番目のプロリンからスレオニンへの変異を持つTM2(以下、「TM2 P46T」)。
(26)46番目のプロリンからスレオニンへの置換と66番目のアラニンからアルギニンへの置換と97番目のロイシンからスレオニンへの変異と113番目のバリンからアルギニンへの置換を持つTM2(以下、「TM2 P46T−A66R−L97T−V113R」)。(塩基配列は配列番号23に記載、アミノ酸配列は配列番号24に記載)
(27)66番目のアラニンからアルギニンへの置換と113番目のバリンからアルギニンへの置換を持つTM2(以下、「TM2 A66R−V113R」)。(塩基配列は配列番号25に記載、アミノ酸配列は配列番号26に記載)
(28)66番目のアラニンからアルギニンへの置換と97番目のロイシンからスレオニンへの置換と113番目のバリンからアラギニンへの置換を持つTM2(以下、「TM2 A66R−L97T−V113R」)。
(30)97番目のロイシンからスレオニンへの変異と113番目のバリンからアルギニンへの置換を持つTM2(以下、「TM2 L97T−V113R」)。
伝子の3’部分の領域と、その下流に制限酵素BamHI切断部位(GGATCC)を配置した配列からなるプライマーTm2 3’Bamを設計した。各改変タマビジン2につ
いてのミスマッチコドンを含む一連のセンスプライマー、およびアンチセンスプライマーを、それぞれ表1に示す。なお表1において制限酵素認識部位を下線で示し、変異導入部位を点線で示した。
LATM2遺伝子を構築するために、2段階のPCRを行った。1段階目のPCRは、TM2遺伝子がベクターpTrc99Aに組み込まれたプラスミドを鋳型にして、プライマーTm2NtermPciと各改変体のミスマッチコドンを含むアンチセンスプライマー(TM2−S36A−Rv、TM2−N14A−Rv、TM2−T78A−Rv、TM2−D116A−Rv、TM2−W108K−Rv、TM2−W108E−Rv、TM2−W108R−Rv、TM2−W96K−Rv、TM2−S18A−Rv、TM2−Y34A−Rv、TM2−W69K−Rv、TM2−W80K−Rv、TM2−P46T−Rv、TM2−V113R−Rv、TM2−L97T−Rv)のそれぞれを用いて変異遺伝子の5’部分の増幅を行った。更にミスマッチコドンを含むセンスプライマー(TM2−
S36A−Fw、TM2−N14A−Fw、TM2−T78A−Fw、TM2−D116A−Fw、TM2−W108K−Fw、TM2−W108E−Fw、TM2−W108R−Fw、TM2−W96K−Fw、TM2−S18A−Fw、TM2−Y34A−Fw、TM2−W69K−Fw、TM2−W80K−Fw、TM2−P46T−Fw、TM2−V113R−Fw、TM2−L97T−Fw)のそれぞれとTm2CtermBamを用
いて変異遺伝子の3’部分の増幅を行った。
PCRによって得られたLATM2遺伝子断片をベクターpCR4 Blunt TOPO(Invitrogen社製)にクローニングした。ライゲーション反応はベクターキット添付の説明書きに従った。大腸菌TB1にエレクトロポレーション法を用いてDNAを導入し、常法(Sambrook et al. 1989, Molecular
Cloning, A laboratory manual, 2nd edition)に従ってプラスミドDNAを抽出した。インサートが確認されたクローンに関して、M13プライマー(Takara社)を用いて、ABI PRISM蛍光シークエンサー(Model 310 Genetic Analyzer, Perkin Elmer社)で、PCR産物の塩基配列をその両端から決定し、対象塩基に目的とする変異が導入されていることを確認した。
、前述の方法でゲル精製を行い、DNA断片を回収した。この断片を、あらかじめNcoIとBamHIで消化しておいた大腸菌発現用ベクターpTrc99Aに、Ligation kit(Takara社製)を用いてライゲーションした。ライゲーション産物を大腸菌TB1に形質転換し、常法に従いプラスミドDNAを抽出し、制限酵素分析を行い、挿入遺伝子の有無を確認した。こうして、LATM2タンパク発現用のベクターである、TM2 W108K/pTrc99A、TM2 W108E/pTrc99A、TM2
W108R/pTrc99A、TM2 W69K/pTrc99A、TM2 W80K/pTrc99A、TM2 W96K/pTrc99A、TM2 S18A/pTrc99A、TM2 Y34A/pTrc99A、TM2 S36A/pTrc99A、TM2
N14A/pTrc99A、TM2 T78A/pTrc99A、TM2 D116A/pTrc99A、TM2 A66R/pTrc99A、TM2 P46T/pTrc99A、TM2 L97T/pTrc99A、TM2 V113R/pTrc99Aを完成させた。
各LATM2/pTrc99Aにより形質転換した大腸菌BL21を、抗生物質アンピシリン(最終濃度100μg/mL)を含むLB培地6mLに接種し、OD600における吸光度が0.5に達するまで25℃で振とう培養した。その後、1mM IPTGを添加し、さらに25℃で一晩振とう培養した。培養液1mLから遠心にて大腸菌を集菌し、100mM リン酸緩衝液(pH7)1500μL中に懸濁後、菌体を超音波により破砕した。破砕液を遠心(15000rpm)し、その上清を可溶性画分とした。
M2 S18A、TM2 Y34Aについては発現がほとんど見られなかったため、以後の検討は行っていない。
LATM2の精製は、Hofmann et al.(1980)の方法に従い、2−イミノビオチン−アガロース(Sigma社製)を充填したカラムを用いて行った。各LATM2で形質転換した大腸菌について、大腸菌培養液25mLに、最終濃度1mMとなるようにIPTGを添加して発現誘導した。菌体を遠心分離により集菌し、50mM NaClを含む50mM CAPS(pH12)1.5mLで懸濁し、超音波破砕後の遠心上清に、2−イミノビオチン−アガロース 500μLを添加した後、カラムに充填した。500mM NaClを含む50mM CAPS(pH12)でカラムをよく洗浄した後、50mM NH4OAC(pH4)で溶出した。
P46T−A66R−L97T、TM2 A66R−L97T、TM2 A66R−L97T−V113R、TM2 L97T−V113R、TM2 V113R、及びTM2
P46T−V113Rについては、2−イミノビオチン−アガロース(Sigma社製)に結合せず、それを用いて精製することはできなかった。しかしこれらのLATM2は全て、ビオチン−アガロース(Sigma社製)には結合し、精製することができた。
TM2 S36A−D116AおよびTM2 S36A−T78A−D116Aは、ビオチン−アガロース(Sigma社製)への結合において他のLATM2に見られないpH依存性を示した。
たはpH6.0の100mM リン酸カリウム緩衝液でタンパク質を抽出すると、効率よくビオチン−アガロースへ結合した。さらに、反応液のpHをpH7.0あるいはpH12.0に上げるとTM2 S36A−D116Aは担体から解離し、95%の効率で回収できた。すなわち、図3Aにおいて、pH5とpH6のリン酸カリウム緩衝液で結合させ、pH7のリン酸カリウム緩衝液で溶出させた実験系ではTM2 S36A−D116Aのバンドが溶出画分に単一バンドとして認められた。一方pH7のリン酸カリウム緩衝液中では、TM2 S36A−D116Aは、ビオチン−アガロースには結合せず、フロースルー画分に認められた。
LATM2のサブユニット会合状態を分析するために、各種LATM2の分子量をFPLCにより測定した。カラムはSephacryl S−100HR(GEヘルスケア社
製)を用いた。分子量測定マーカーとしてGel Filtration Calibr
ation Kit LMW(GEヘルスケア社製)を用いた。緩衝液は、500mMN
aClを含む50mMリン酸カリウムを用いた。
[表3] Sephacryl S−100HRにおけるサブユニットの会合度の分析
ビオチン−アガロースにより精製した10μMのLATM2(TM2 S36A、TM2 D116A、TM2 T78A、TM2 W80K、TM2 T78A−D116A、TM2 P46T−T78A、TM2 P46T−D116A、TM2 S36A−D116A、TM2 S36A−T78A−D116A、TM2 P46T−T78A−D116A)を、5μM ProteinaseKと5mM CaCl2を含む50mM Tris−HCl(pH8.0)中で30℃、15分間反応させた。この際、一部のサンプルには最終濃度1mMになるようにビオチンを添加した。その後、SDSサンプルバッファーを添加し、95℃で10分間熱処理することで反応を停止させた。得られたサンプルをSDS−PAGEに供与しCBB染色を行った。対照として、10μMの野生型TM2と、16μMのBSAを同条件で反応させた。結果を図4、図5に示す。
LA−TM2の耐熱性を、SDS−PAGEによって調査した。各タンパク質をSDSサンプルバッファー中で、ビオチンの存在下及び非存在下で所定の温度で20分間熱処理した後、SDS−PAGEに供し、CBB染色を行った。採用した加熱温度はビオチン無しの実験系では80℃、82℃、84℃、86℃、88℃、90℃、92℃、及び94℃であり、ビオチンを添加した実験系では86℃、88℃、90℃、92℃、94℃、96℃、98℃、及び100℃であった。
上記の様にして調製したLATM2を用いてビオチン化タンパク質を効率よく精製でき
るか否かを、LATM2を固定化した担体を作製することにより確認した。
LATM2によってビオチン化タンパク質を効率よく精製することが可能であるか否かを調べるために、TM2 S36AをSheparoseに固定化したTM2−S36A−Sepharoseを作製した。
TM2 P46T−D116Aは0.761mg添加し93%の0.709mgが、TM2 D116Aは1.16mg添加し87%の1.01mgが結合していた。
作製したTM2−S36A−Sepharoseを用いてビオチン化タンパク質の精製を試みた。精製するビオチン化タンパク質としてEZ−Link(登録商標)NHS−ビオチン(リンカー長13.5オングストローム、PIERCE社製)でビオチン化したウシ血清アルブミン(BSA)(以下ビオチン化BSA)を用いた。
フロースルー(FT)の画分と洗浄液(W)においては殆ど検出されなかったが、溶出液(Elu)においては検出された。すなわち、TM2−S36A−Sepharoseを用いると、菌体抽出液中の様々なタンパク質から、ビオチン化BSAを特異的に結合し、精製できることが明らかとなった。ビオチン化BSAの回収率は80%、精製度は95%であった。なお、溶出画分にTM2−S36Aと思われるバンドは殆ど検出されなかった。
TM2 S36A−D116Aは、先の1−6)で述べたように、ビオチン−アガロー
ス(Sigma社製)への結合において、特異的なpH依存性を示した。そこでTM2 S36A−D116Aを共有結合でsepharoseに結合させたS36A−D116A−sepharoseを作製し、ビオチン化タンパク質を精製する際のpH依存性を検討した。
NaClを含むpH4またはpH7のリン酸カリウム緩衝液でよく洗浄した後、pH7のリン酸カリウム緩衝液を加えてビオチン化BSAを溶出した。各フラクション溶液に等量の2xSDS Sample Bufferを添加し、95℃で10分処理した後、SDS−PAGEに供与し、さらに銀染色IIキット(和光純薬社製)を用いてタンパク質を銀染色した。
おいてこれを解離させるという特徴的なpH依存性を示した。一方pH7では、ビオチン化BSAはS36A−D116A−sepharoseに結合しなかった。
Claims (19)
- 配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質において、
以下のグループ:
1)配列番号2の36番目のセリン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;
2)配列番号2の80番目のトリプトファン残基の親水性アミノ酸残基への置換;
3)配列番号2の116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;
4)配列番号2の46番目のプロリン残基のスレオニン、セリン若しくはチロシン残基への置換、及び、78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;
5)配列番号2の46番目のプロリン残基のスレオニン、セリン若しくはチロシン残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換:並びに
6)配列番号2の46番目のプロリン残基のスレオニン、セリン若しくはチロシン残基への置換、78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
から選択される置換を有することを特徴とする、改変型ビオチン結合タンパク質。 - 1−a)配列番号2の36番目のセリン残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 S36A);
2−a)配列番号2の80番目のトリプトファン残基がリジンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 W80K);
3−a)配列番号2の116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 D116A);
4−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、そして、78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 P46T−T78A);
5−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 P46T−D116A);並びに
6−a)配列番号2の46番目のプロリン残基がスレオニンに置換されており、78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 P46T−T78A―D116A)
からなるグループから選択される、請求項1に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。 - 以下の性質:
i)ビオチンを用いた精製が可能である;
ii)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の四量体構造を維持している;
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する;及び
iv)大腸菌の可溶性画分において高い発現を示す
の1ないし全部を満たす、請求項1又は2に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。 - 配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み
、ビオチン結合活性を示すタンパク質において、
6)配列番号2の78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
を有することを特徴とする改変型ビオチン結合タンパク質。 - 6−a)配列番号2の78番目のスレオニン残基がアラニン残基へ置換されている、請求項4に記載の改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 T78A)。
- 以下の性質:
i)ビオチンを用いた精製が可能である;
ii)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の四量体構造を維持している;
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する;及び
v)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質よりも、高い耐熱性を有するの1ないし全部を満たす、請求項4又は5に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。 - 配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質において、
以下のグループ:
7)配列番号2の36番目のセリン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換;並びに
8)配列番号2の36番目のセリン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
から選択される置換を有することを特徴とする、改変型ビオチン結合タンパク質。 - 7−a)配列番号2の36番目のセリン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 S36A―D116A);並びに
8−a)配列番号2の36番目のセリン残基がアラニンに置換されており、78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 S36A−T78A―D116A)
からなるグループから選択される、請求項7に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。 - 以下の性質:
i)ビオチンを用いた精製が可能である;
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する;及び
vi)弱酸性条件下でビオチンと結合し、そして、中性条件下でビオチンと結合しないの1ないし全部を満たす、請求項7又は8に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。 - 配列番号2に記載のアミノ酸配列、あるいはこの配列中に1から複数個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列、又はこの配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ビオチン結合活性を示すタンパク質において、
9)配列番号2の78番目のスレオニン残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換、及び、116番目のアスパラギン酸残基の水素結合を形成しないアミノ酸残基への置換
を有することを特徴とする、改変型ビオチン結合タンパク質。 - 9−a)配列番号2の78番目のスレオニン残基がアラニンに置換されており、そして、116番目のアスパラギン酸残基がアラニンに置換されている、請求項10に記載の改変型ビオチン結合タンパク質(TM2 T78A―D116A)。
- 以下の性質:
i)ビオチンを用いた精製が可能である;
ii)配列番号2の記載のアミノ酸配列からなるタンパク質の四量体構造を維持している;
iii)プロテアーゼに対し耐性を有する;
iv)大腸菌の可溶性画分において高い発現を示す;及び
vii)イミノビオチンで精製できない
の1ないし全部を満たす、請求項10又は11のいずれか1項に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。 - 配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質よりも、低いビオチン結合性を示す、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
- 以下のa)−l)
a)配列番号2の14番目のアスパラギン残基は改変されていない、あるいはグルタミン又はアスパラギン酸に置換されている;
b)配列番号2の18番目のセリン残基は改変されていない、あるいはスレオニン又はチロシンに置換されている;
c)配列番号2の34番目のチロシン残基は改変されていない、あるいはセリン又はスレオニンに置換されている;
d)配列番号2の36番目のセリン残基は改変されていない、あるいはスレオニン又はチロシンに置換されている;
e)配列番号2の40番目のアスパラギン酸残基は改変されていない、あるいはアスパラギン以外の残基に置換されている;
f)配列番号2の69番目のトリプトファン残基は改変されていない;
g)配列番号2の76番目のセリン残基は改変されていない、あるいはスレオニン又はチロシンに置換されている;
h)配列番号2の78番目のスレオニン残基は改変されていない、あるいはセリン又はチロシンに置換されている;
i)配列番号2の80番目のトリプトファン残基は改変されていない;
j)配列番号2の96番目のトリプトファン残基は改変されていない;
k)配列番号2の108番目のトリプトファン残基は改変されていない;
l)配列番号2の116番目のアスパラギン酸残基は改変されていない、あるいはグルタミン酸又はアスパラギンに置換されている
m)配列番号2の46番目のプロリン残基は改変されていない;
n)配列番号2の66番目のアラニン残基は改変されていない;
o)配列番号2の97番目のロイシン残基は改変されていないか、イソロイシンに改変されている;及び
p)配列番号2の113番目のバリン残基は改変されていない
の1ないし全ての条件を満たす、ただし、このうち、1)ないし9)で特定したアミノ酸残基は、1)ないし9)の各々で特定したように置換されている、
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。 - 配列番号2に記載のアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の改変型ビオチン結合タンパク質。
- 請求項1ないし15のいずれか1項に記載のタンパク質を固定化した担体。
- 請求項1ないし15のいずれか1項に記載のタンパク質をコードする核酸。
- 請求項17に記載の核酸を含むベクター。
- 請求項7の改変型ビオチン結合タンパク質を含む、生物学的試料中の物質を検出する系における非特異結合抑制剤。
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