JP5437190B2 - クラッチカバー組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチ装置に用いられるクラッチカバー組立体に関する。
一般的に、クラッチ装置は、エンジンのフライホイールに装着されたクラッチカバー組立体と、トランスミッションの入力シャフトに連結されたクラッチディスク組立体と、を備えている。例えば、クラッチカバー組立体は、クラッチカバーと、プレッシャプレートと、ダイヤフラムスプリングと、を備えている。ダイヤフラムスプリングがプレッシャプレートをフライホイール側に押圧することで、プレッシャプレートとフライホイールとの間にクラッチディスク組立体の摩擦フェーシングが挟み込まれる。この結果、クラッチディスク組立体を介してエンジンからトランスミッションへ動力が伝達される。
しかし、摩擦フェーシングが摩耗すると、動力伝達時のプレッシャプレートの位置がフライホイール側に近づくので、ダイヤフラムスプリングとプレッシャプレートとの接点位置(支点位置ともいう)がフライホイール側に近づく。このため、ダイヤフラムスプリングの押圧力が変化したり、あるいは、レリーズストロークが変化したりする。
そこで、摩擦フェーシングに伴うクラッチカバー組立体の特性の変動を低減するために、摩耗追従機構を備えたクラッチカバー組立体が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−132665号公報
しかし、特許文献1に記載のクラッチカバー組立体では、振動などによりミスアジャストが生じる場合がある。
本発明の課題は、ミスアジャストの発生を低減できるクラッチカバー組立体を提供することにある。
本発明に係るクラッチカバー組立体は、カバー部材と、環状の摺動部材と、駆動機構と、調整部材と、弾性部材と、検出ユニットと、駆動機構と、離反部材と、を備えている。摺動部材はカバー部材に対して軸方向に移動可能に配置されている。駆動機構は摺動部材を軸方向に押圧する。調整部材は、駆動機構の押圧力を摺動部材に伝達するように配置されており、摺動部材に対して回転すると摺動部材に対して軸方向に移動する。弾性部材は調整部材に回転力を付与する。検出部材は、摺動部材に対して軸方向に移動可能に摺動部材により支持されており、調整部材のカバー部材側への移動を規制する。離反部材は検出ユニットと駆動機構との間に隙間のない状態で挟み込まれている。
本発明に係るクラッチカバー組立体であれば、ミスアジャストの発生を低減できる。
クラッチカバー組立体の平面図 図1のII−II断面図 図1のIII−III断面図 摩耗追従機構周辺の側面図 ワッシャの機能の説明図 (A)プレッシャプレートの変位量とストラッププレートの反力との関係を示す図、(B)ワッシャの荷重特性 摩耗追従機構周辺の部分断面図(レリーズ状態) 摩耗追従機構周辺の部分断面図(エンゲージ状態) 摩耗追従機構周辺の部分断面図(レリーズ状態(追従前)) 摩耗追従機構周辺の部分断面図(レリーズ状態(追従後)) 摩耗追従機構周辺の部分断面図(他の実施形態)
〔第1実施形態〕
<クラッチカバー組立体の全体構成>
図1から図11を用いてクラッチカバー組立体1の全体構成を説明する。図2に示すO−O線はクラッチカバー組立体1の回転中心を示している。
図2に示すように、クラッチカバー組立体1は、エンジン(図示せず)からトランスミッション(図示せず)への動力伝達を遮断するための装置であり、エンジンのフライホイール9に装着されている。フライホイール9とクラッチカバー組立体1との間には、クラッチディスク組立体3が配置されている。クラッチディスク組立体3はトランスミッションの入力シャフト(図示せず)に連結されている。レリーズ機構8(図2)の作動により、エンジンからトランスミッションへの動力伝達が解除される。
図1および図2に示すように、クラッチカバー組立体1は、クラッチカバー2(カバー部材の一例)と、駆動機構45と、プレッシャプレート6(摺動部材の一例)と、3つの摩耗追従機構5と、を備えている。
<クラッチカバー>
図1および図2に示すように、クラッチカバー2は、概ね環状の部材であり、フライホイール9に固定されている。クラッチカバー2はダイヤフラムスプリング4、プレッシャプレート6および摩耗追従機構5を収容している。クラッチカバー2は、カバー本体21と、カバー本体21の外周部に形成された3つの収容部23と、を有している。3つの収容部23は円周方向に等間隔で配置されている。収容部23はストラッププレート29の円周方向間に配置されている。収容部23には摩耗追従機構5が収容されている。
<プレッシャプレート>
プレッシャプレート6は、クラッチディスク組立体3の摩擦フェーシング32をフライホイール9に押し付けるための部材であり、摩擦フェーシング32と摺動可能に設けられている。プレッシャプレート6は摩擦フェーシング32に隣接して配置されている。具体的には図1および図2に示すように、プレッシャプレート6は、摩擦フェーシング32と摺動可能に設けられた環状のプレッシャプレート本体61(摺動部材本体の一例)と、3つの突出部63と、を有している。
プレッシャプレート本体61は、3セットのストラッププレート29によりクラッチカバー2に連結されている。ストラッププレート29はプレッシャプレート6をクラッチカバー2に軸方向に弾性的に連結している(図4参照)。また、ストラッププレート29はプレッシャプレート6をクラッチカバー2に一体回転可能に連結している。これらの構成により、プレッシャプレート6は、クラッチカバー2に対して軸方向に移動可能かつ一体回転可能となっている。プレッシャプレート本体61は環状溝64を有している。環状溝64にはフルクラムリング7の第1中間部71(後述)が配置されている。
突出部63はプレッシャプレート本体61から半径方向外側に突出している。3つの突出部63は円周方向に等間隔に配置されている。突出部63はネジ孔63aを有している。ネジ孔63aには摩耗追従機構5のアジャストボルト53(後述)が螺合している。また、突出部63は支持孔63bを有している。支持孔63bはネジ孔63aとつながっており、ネジ孔63aおよび支持孔63bにより貫通孔が突出部63に形成されている。
また、突出部63は、プレッシャプレート本体61よりもクラッチカバー2側に突出している。突出部63には後述する摩耗追従機構5が設けられている。
図5(A)に示すように、プレッシャプレート6がフライホイール9に近づくと、ストラッププレート29の反力F1は大きくなる。一方、プレッシャプレート6がフライホイール9から遠ざかると、反力F1は小さくなる。
クラッチディスク組立体3の摩擦フェーシング32が摩耗していない場合、クラッチ連結状態ではプレッシャプレート6はクラッチ連結位置S11に配置されており、レリーズ状態ではプレッシャプレート6はレリーズ位置S21に配置されている。
一方、クラッチディスク組立体3の摩擦フェーシング32が使用限界まで摩耗した場合、クラッチ連結状態ではプレッシャプレート6はクラッチ連結位置S12に配置されている。後述するように、クラッチディスク組立体3が摩耗しても摩耗追従機構100によりレリーズストロークは一定となるので、レリーズ状態ではプレッシャプレート6はレリーズ位置S22に配置される。
図5(A)に示すように、摩擦フェーシング32が摩耗すると、クラッチ連結状態でのプレッシャプレート6の位置はフライホイール9に近づく。したがって、摩擦フェーシング32の摩耗が進行するほどクラッチ連結状態およびレリーズ状態での反力F1はともに大きくなる。なお、図4では、ストラッププレート29を模式的に記載している。
<駆動機構45>
駆動機構45は、プレッシャプレート6を軸方向に押圧するための機構であり、ダイヤフラムスプリング4と、フルクラムリング7と、を有している。
ダイヤフラムスプリング4はプレッシャプレート6を軸方向に押圧するために設けられている。具体的には図1および図2に示すように、ダイヤフラムスプリング4は、環状の弾性部41と、弾性部41から半径方向内側に延びる複数のレバー部42と、を有している。ダイヤフラムスプリング4は1対のワイヤリング49を介してクラッチカバー2により弾性変形可能に支持されている。弾性部41の外周縁はフルクラムリング7と軸方向に当接している。
フルクラムリング7は、環状の第1中間部71と、第1中間部71から半径方向外側に延びる3つの第2中間部72と、を有している。
第1中間部71は、略長方形の断面を有しており、ダイヤフラムスプリング4と軸方向に当接している。第1中間部71の外周面はプレッシャプレート6の環状溝64に干渉することなく配置されているので、フルクラムリング7はプレッシャプレート6により軸方向に移動可能に支持されている。
第2中間部72は、アジャストボルト53と軸方向に当接しており、アジャストボルト53とクラッチカバー2との間(より詳細には、アジャストボルト53と収容部23との間)に配置されている。第2中間部72の軸方向位置はダイヤフラムスプリング4の外周縁の軸方向位置と概ね一致している。
また、第2中間部72は軸方向に貫通する複数の貫通孔72aを有している。貫通孔72aにはクラッチカバー2に固定されたリベット51が挿入されている。具体的には、リベット51は、軸部51aと、第1頭部51bと、第2頭部51cと、を有している。第1頭部51bは、軸部51aの端部に形成されており、収容部23の外側に配置されている。第2頭部51cは、軸部51aの端部に形成されており、貫通孔72aに挿入されている。リベット51によりフルクラムリング7がクラッチカバー2に対して回転するのが規制されている。また、リベット51はフルクラムリング7を軸方向に案内する。第2頭部51cには窪み51dが形成されている。レリーズ状態では、窪み51dには支持突出部55dの端部が入り込む場合もある(図9参照)。
<摩耗追従機構>
摩耗追従機構5は、アジャストボルト53(調整部材の一例)と、アジャストスプリング54(弾性部材の一例)と、スライドブッシュ52(検出部材の一例)と、中間ロッド55(補助部材の一例)と、ワッシャ56(離反部材の一例)と、を有している。摩耗追従機構5はダイヤフラムスプリング4の半径方向外側に配置されている。具体的には、アジャストボルト53、アジャストスプリング54、スライドブッシュ52およびリベット51は、ダイヤフラムスプリング4の半径方向外側に配置されている。スライドブッシュ52および中間ロッド55により検出ロッド59(検出ユニットの一例)が構成されている。
アジャストボルト53は、ダイヤフラムスプリング4の押圧力をプレッシャプレート6に伝達するように配置されており、外周部に形成されたネジ部53cを有している。具体的には、アジャストボルト53は、ネジ部53cを有する概ね筒状のボルト本体53aと、ボルト本体53aから半径方向内側に突出した環状の第1当接部53bと、を有している。
ボルト本体53aがネジ孔63aにねじ込まれているので、ボルト本体53aはプレッシャプレート6に対して回転するとプレッシャプレート6に対して軸方向に移動する。ボルト本体53aにはアジャストスプリング54により回転力が常に付与されている。
第1当接部53bは、環状の部分であり、スライドブッシュ52の第2当接部52b(後述)と軸方向に当接している。第1当接部53bにはスライドブッシュ52が挿入されている。
スライドブッシュ52は、アジャストボルト53のクラッチカバー2側への移動を規制するための部材であり、プレッシャプレート6に対して軸方向に移動可能にプレッシャプレート6により支持されている。スライドブッシュ52はプレッシャプレート6からフライホイール9側(クラッチカバー2と反対側)に突出している。スライドブッシュ52のクラッチカバー2側の端部はアジャストボルト53のボルト本体53aに挿入されている。スライドブッシュ52はアジャストボルト53と同心円状に配置されている。
スライドブッシュ52は、概ね筒状のスライドブッシュ本体52aと、スライドブッシュ本体52aから半径方向外側に突出した概ね環状の第2当接部52bと、を有している。スライドブッシュ本体52aは外径が小さくなった状態で支持孔63bに挿入されている。具体的には、スライドブッシュ本体52aには軸方向に細長く延びるスリット52cが形成されている。スリット52cが形成されているので、スライドブッシュ本体52aは径方向に弾性変形可能となっている。スライドブッシュ本体52aはプレッシャプレート6の支持孔63bに締まり嵌めされているので、スライドブッシュ52がプレッシャプレート6に対して軸方向に移動したり、あるいは回転したりすると、スライドブッシュ52とプレッシャプレート6との間には比較的大きな摺動抵抗が発生する。したがって、基本的には、スライドブッシュ52はプレッシャプレート6と一体となって軸方向に移動するが、スライドブッシュ52に比較的大きな軸方向の力が作用すると、プレッシャプレート6に対してスライドブッシュ52が軸方向に移動する。
第2当接部52bは、ボルト本体53aの内側に配置されており、第1当接部53bのクラッチカバー2側に配置されている。第2当接部52bは第1当接部53bと軸方向に当接している。スリット52cは第2当接部52bまで延びているので、第2当接部52bはC字状となっている。スリット52cには中間ロッド55に固定された引っ掛けピン55h(後述)が挿入されている。これにより、中間ロッド55のプレッシャプレート6に対する回転はスライドブッシュ52により規制されている。中間ロッド55はスライドブッシュ52に対して軸方向には移動可能となっている。
アジャストスプリング54は、捩じりコイルバネであり、アジャストボルト53に回転力を付与している。アジャストスプリング54は、アジャストボルト53がプレッシャプレート6に対してトランスミッション側(クラッチカバー2側)に移動するように、アジャストボルト53に回転力を付与している。
具体的には、アジャストスプリング54は、スプリング本体54aと、第1端54bと、第2端54cと、を有している。スプリング本体54aは、回転力を発生する部分であり、アジャストボルト53の内周側に配置されている。第1端54bは、スプリング本体54aのクラッチカバー2側の端部から突出しており、アジャストボルト53に引っ掛けられている。
例えば、第1端54bはアジャストボルト53の引っ掛け孔53dに挿入されている。第2端54cは、スプリング本体54aのスライドブッシュ52側の端部から突出しており、検出ロッド59(より詳細には、中間ロッド55)に引っ掛けられている。例えば、第2端54cは中間ロッド55の支持孔55fに挿入されている。中間ロッド55の回転はスライドブッシュ52により規制されている。具体的には、中間ロッド55の固定孔55gには引っ掛けピン55hが圧入されており、支持孔55fの先端がスライドブッシュ52のスリット52cに挿入されている。
中間ロッド55はアジャストボルト53およびスライドブッシュ52と同心円状に配置されている。具体的には図3に示すように、中間ロッド55、アジャストボルト53およびスライドブッシュ52の中心軸はラインBとなっている。
中間ロッド55は、スライドブッシュ52と軸方向に当接する中間ロッド本体55aと、スライドブッシュ52に挿入される挿入部55bと、環状突出部55kと、ワッシャ56と軸方向に当接する支持当接部55cと、支持突出部55dと、を有している。中間ロッド55はアジャストボルト53の内側に配置されている。挿入部55bは中間ロッド本体55aから円板部33側に突出している。環状突出部55kは中間ロッド本体55aから半径方向外側に突出する環状の部分である。環状突出部55kはアジャストスプリング54とワッシャ56との軸方向間に配置されている。
挿入部55bおよび支持当接部55cの外形寸法は中間ロッド本体55aの外形寸法よりも小さい。一方、環状突出部55kの外形寸法は中間ロッド本体55aよりも大きい。支持当接部55cは中間ロッド本体55aからダイヤフラムスプリング4側に突出している。支持突出部55dは、ワッシャ56を半径方向に支持しており、外径が大きくなっている大径部55eを有している。大径部55eによりワッシャ56の脱落を防止している。
ワッシャ56は、検出ロッド59とダイヤフラムスプリング4とが離れるように弾性力を発生する部材である。ワッシャ56は、バネ材から構成された環状のプレートであり、開口56eを有している。開口56eには中間ロッド55の支持突出部55dが挿入されている。ワッシャ56はアジャストボルト53の内側に配置されている。ワッシャ56の外径はフルクラムリング7の案内孔73eの内径よりも大きく、ワッシャ56の外周部は案内孔73eの外周部と当接している。
検出ロッド59とフルクラムリング7との間に挟み込まれている。具体的には、ワッシャ56は中間ロッド55(より詳細には、支持当接部55c)とフルクラムリング7との間に挟み込まれている。図4に示すように、アジャストボルト53がフルクラムリング7に当接している状態で、ワッシャ56は中間ロッド55とフルクラムリング7との間で軸方向に隙間のない状態で挟まれているが、摩擦フェーシング32が摩耗した状態でのエンゲージ時には、中間ロッド55が押し込まれるので、ワッシャ56にたわみが発生し、ワッシャ56は図8に示す状態となる。
図5(B)に示すように、ワッシャ56の弾性力F2はたわみ量に比例している。例えば、アジャストボルト53がフルクラムリング7と当接している状態で、ワッシャ56のたわみ量はDとなり、弾性力F2は弾性力F20となる。図5(A)に示すように、クラッチディスク組立体3が摩耗した場合のレリーズ位置S22でのストラッププレート29の反力F1を反力F10とすると、摩擦フェーシング32の摩耗によりワッシャ56のたわみが発生し、F20≧F10になる。この結果、レリーズ時においてワッシャ56によりアジャストボルト53がフルクラムリング7から強制的に引き離される。なお、ワッシャ56の剛性は非常に高いので、摩擦フェーシング32の摩耗量が小さくても、アジャストボルト53をフルクラムリング7から強制的に引き離すことができる。
<動作>
動力伝達時において、レリーズ機構8によりプレッシャプレート6がエンジン側に押されると、図8に示すように、スライドブッシュ52がフライホイール9と接触する。摩擦フェーシング32が摩耗すると、スライドブッシュ52がフライホイール9に当接してから、さらにプレッシャプレート6がレリーズ機構8によりエンジン側に押し込まれる。このとき、スライドブッシュ52とプレッシャプレート6との間に生じる摺動抵抗はレリーズ機構8からプレッシャプレート6に付与される押し付け荷重よりも大幅に小さいので、スライドブッシュ52がプレッシャプレート6と摺動し、図8に示すように、プレッシャプレート6がスライドブッシュ52に対してエンジン側に移動する。摩擦フェーシング32がプレッシャプレート6とフライホイール9との間に完全に挟み込まれると、プレッシャプレート6の移動が停止する。こうして、クラッチディスク組立体3を介して動力伝達が行われる。この状態で規制部52bと当接部53bとの間には、摩擦フェーシング32の摩耗量G11に相当する隙間G1が生じる。また、ワッシャ56が隙間G1に相当する分だけ軸方向にたわむので、第1ワッシャ56はたわみ荷重を発生する。
動力伝達を遮断するためにレリーズ機構8による押し付け荷重の付与が解除されると、図9に示すように、ストラッププレート29の弾性力によりプレッシャプレート6はフライホイール9に対してトランスミッション側に移動する。プレッシャプレート6がトランスミッション側へ移動するにつれて、ストラッププレート29(図5参照)がプレッシャプレート6に与える反力F1は徐々に小さくなる(図6(A)参照)。ストラッププレート29の反力F1がワッシャ56の弾性力F20を下回ると、ワッシャ56の弾性力F2がストラッププレート29の反力F1に打ち勝って、レリーズ動作中あるいはレリーズ完了時にワッシャ56によりフルクラムリング7がアジャストボルト53から強制的に引き離される。フルクラムリング7がアジャストボルト53から引き離されると、アジャストボルト53に付与される押し付け荷重はほぼゼロとなる。アジャストボルト53にはアジャストスプリング54の回転力が常に作用しているので、図9に示すように、スライドブッシュ52の規制部52bとアジャストボルト53の当接部53bとの隙間G1がなくなるまでアジャストボルト53が回転する。
ここで、アジャストボルト53の動作を詳細に説明する。アジャストスプリング54の回転力によりアジャストボルト53がプレッシャプレート6に対して回転すると、アジャストボルト53がプレッシャプレート6に対して第1駆動プレート73の方に移動する。アジャストボルト53がプレッシャプレート6に対して移動すると、アジャストボルト53の当接部53bが規制部52bと接触する。このとき、アジャストスプリング54の回転力により発生するアジャストボルト53の軸力よりもスライドブッシュ52とプレッシャプレート6の支持孔63bとの間に生じる軸方向の摺動抵抗の方がはるかに大きい。そのため、アジャストボルト53の当接部53bがスライドブッシュ52の規制部52bに当接すると、スライドブッシュ52がプレッシャプレート6に対して移動せず、スライドブッシュ52によりアジャストボルト53の軸方向の移動が規制され、アジャストボルト53の回転が停止する。
また、スライドブッシュ52とプレッシャプレート6の支持孔63bとの間に生じる回転方向の摺動抵抗もアジャストスプリング54の回転力よりもはるかに大きいので、スライドブッシュ52が予期せぬ回転をしてアジャストスプリング54の回転力を弛緩させてしまうことも起こらない。さらに、このような作用のためクラッチをレリーズした場合に生じがちなプレッシャプレート6の軸方向振動で、フルクラムリング7がダイヤフラムスプリング4と断続的に分離した場合でも、アジャストボルト53が予期せぬ回転を起こすこともない。
こうして、図10に示すように、摩擦フェーシング32の摩耗量G11に相当する分だけ、スライドブッシュ52およびアジャストボルト53がプレッシャプレート6に対してトランスミッション側へ移動し、それに伴い、フルクラムリング7がプレッシャプレート6に対してトランスミッション側に移動する。言い換えると、摩擦フェーシング32に摩耗量G11に相当する分だけ、プレッシャプレート6がスライドブッシュ52およびアジャストボルト53に対してエンジン側へ移動する。摩擦フェーシング32が摩耗すれば、上記の動作は第1クラッチC1の連結解除時に繰り返される。
このように、クラッチカバー組立体1であれば、摩擦フェーシング32が摩耗しても、ダイヤフラムスプリング4とフルクラムリング7とが接している支点位置が概ね一定に保たれる。一度調整が完了すると、送りねじ機構を利用しているので、ダイヤフラムスプリング4の押付荷重で、アジャストボルト53が逆戻りするようなことも起こらない。また、振動などによりアジャストボルト53が過剰に回り、いわゆるオーバーアジャストが発生するおそれもない。したがって、摩擦フェーシング32の摩耗に起因するクラッチカバー組立体1の性能の変動を効果的に抑制することができる。
また、摩耗量を検出するスライドブッシュ52がアジャストボルト53のクラッチカバー2側への移動を規制しているので、支点位置を調整する機構と摩耗量を検出する機構とを1つの機構にまとめることができる。すなわち、このクラッチカバー組立体1では、摩耗追従機構5の小型化が可能となり、さらに、組み立て方法の簡素化や製造コストの低減を実現することができる。
また、アジャストボルト53がネジ孔63a内に配置されており、アジャストボルト53の内周側にアジャストスプリング54が配置されている。このため、摩耗追従機構5の一部をプレッシャプレート6の内部に配置することができ、摩耗追従機構5の設置スペースを小さく抑えることができる。
加えて、レリーズ時にワッシャ56によりフルクラムリング7がアジャストボルト53から強制的に引き離されるので、プレッシャプレート6の軸方向の移動を規制するストッパを設けなくても、レリーズ時にアジャストボルト53が摩耗量の分だけ回転することができる。したがって、ワッシャ56を設けることで、簡素な構造で確実な摩耗追従動作を実現できる。
〔他の実施形態〕
前述の実施形態は本発明の一実施例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
(1)例えば、前記実施形態はプッシュタイプのクラッチカバー組立体であるがプルタイプのクラッチカバー組立体にも本発明を適用できる。
(2)また、フルクラムリング7が設けられているが、弾性部41の外周部が直接アジャストボルト53に接触していてもよい。
(3)さらに、前述の実施形態では、検出ロッド59(より詳細には、中間ロッド55)にアジャストスプリング54の第2端54cが引っ掛けられているが、例えばスライドブッシュ52あるいはスライドブッシュ52に固定された他の部材にアジャストスプリング54の第2端54cが引っ掛けられていてもよい。つまり、検出部材には、スライドブッシュ52だけでなく、スライドブッシュ52に固定された部材も含まれる。
さらに、検出ロッド59は、単一の部材から構成されていてもよいし、スライドブッシュ52および中間ロッド55に加えて他の部材を含んでいてもよい。
(4)摩耗追従機構5に異物混入防止用のダストブーツ58が設けられていてもよい。具体的には図11に示すように、ダストブーツ58は、例えば金属製のジャバラであり、プレッシャプレート6とフルクラムリング7との間に挟み込まれている。ダストブーツ58はプレッシャプレート6およびフルクラムリング7に例えば接着により固定されている。ダストブーツ58はアジャストボルト53の外周側に配置されている。これにより、摩耗追従機構5内に異物が混入しにくくなり、摩耗追従機構5の作動がより円滑になる。
1 クラッチカバー組立体
2 クラッチカバー(カバー部材の一例)
3 クラッチディスク組立体
4 ダイヤフラムスプリング(駆動機構の一例)
5 摩耗追従機構
52 スライドブッシュ(検出部材の一例)
53 アジャストボルト(調整部材の一例)
54 アジャストスプリング(弾性部材の一例)
55 中間ロッド(補助部材の一例)
56 ワッシャ(離反部材の一例)
58 ダストブーツ
59 検出ロッド(検出ユニットの一例)
6 プレッシャプレート(摺動部材の一例)
7 フルクラムリング(駆動機構の一例)
8 レリーズ機構
9 フライホイール

Claims (10)

  1. カバー部材と、
    前記カバー部材に対して軸方向に移動可能に配置された環状の摺動部材と、
    前記摺動部材を軸方向に押圧する駆動機構と、
    前記駆動機構の押圧力を前記摺動部材に伝達するように配置され前記摺動部材に対して回転すると前記摺動部材に対して軸方向に移動する調整部材と、
    前記調整部材に回転力を付与する弾性部材と、
    前記摺動部材に対して軸方向に移動可能に前記摺動部材により支持され、前記調整部材の前記カバー部材側への移動を規制可能に配置された検出ユニットと、
    前記検出ユニットと前記駆動機構との間に隙間のない状態で挟み込まれた離反部材と、
    を備えたクラッチカバー組立体。
  2. 前記検出ユニットは、検出部材と、前記離反部材と前記検出部材との間に挟み込まれた補助部材と、を有している、
    請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記離反部材は、前記補助部材と前記駆動機構との間に挟み込まれている、
    請求項2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記補助部材は、前記弾性部材の内側に挿入されている、
    請求項1から3のいずれかに記載のクラッチ装置。
  5. 前記補助部材は、前記調整部材の内側に配置されており、
    前記離反部材は、前記調整部材の内側に配置されている、
    請求項1から4のいずれかに記載のクラッチ装置。
  6. 前記離反部材は、環状のプレートである、
    請求項1から5のいずれかに記載のクラッチ装置。
  7. 前記補助部材は、前記離反部材に挿入される支持突出部を有している、
    請求項6に記載のクラッチ装置。
  8. 前記駆動機構は、前記支持突出部が挿入された孔を有しており、
    前記離反部材の外径は、前記逃がし孔の内径よりも大きい、
    請求項7に記載のクラッチ装置。
  9. 前記補助部材は、前記検出ユニットと軸方向に当接する補助部材本体と、前記補助部材本体から突出し前記離反部材と軸方向に当接する支持部と、を有しており、
    前記離反部材は、前記支持部と前記駆動機構との間に挟み込まれている、
    請求項8に記載のクラッチ装置。
  10. 前記補助部材は、前記補助部材本体よりも外形寸法が小さく前記検出部材に挿入された挿入部を有している、
    請求項9に記載のクラッチ装置。
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