JP5433946B2 - 半導体装置の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及びその製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5433946B2
JP5433946B2 JP2007333487A JP2007333487A JP5433946B2 JP 5433946 B2 JP5433946 B2 JP 5433946B2 JP 2007333487 A JP2007333487 A JP 2007333487A JP 2007333487 A JP2007333487 A JP 2007333487A JP 5433946 B2 JP5433946 B2 JP 5433946B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
reducing agent
added
agent species
semiconductor device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007333487A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009158629A (ja
Inventor
剛司 神吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2007333487A priority Critical patent/JP5433946B2/ja
Publication of JP2009158629A publication Critical patent/JP2009158629A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5433946B2 publication Critical patent/JP5433946B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明は半導体装置の製造方法及びその製造装置に関し、特に、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)技術を用いて銅(Cu)を含む配線を形成する工程を有した半導体装置の製造方法及びその製造装置に関する。
微細化及び高速化が進むCMOS(Complementary MOS)−LSI(Large Scale Integrated circuit)用の配線材料として、低抵抗でエレクトロマイグレーション耐性が高いCu配線が適用されている。Cuは従来のアルミニウム(Al)配線とは異なりドライエッチングによる加工が困難であることから、絶縁膜に溝(ビアという場合もある)を形成し、そこへCuを埋め込むダマシン法、あるいは、配線層とビアを一体に形成することで低コスト化が可能なデュアルダマシン法が開発されている。
ところで、このようなCu配線作成の際のCMP工程で使用されるCu研磨用のスラリは、使用する酸化剤種によって2つに大きく分かれる。1つは酸化剤に過酸化水素(H)を用いたスラリ(以下Hスラリという)であり、もう1つは過酸化アンモニウム((NH)を用いたスラリ(以下APSスラリという)である。各スラリには、それぞれ異なる特性がある。Hスラリでは液が劣化しづらく、エッチングレートの低下が少ない。一方のAPSスラリでは、エロージョンやディッシングといった段差を低減させる能力(平坦化能力)に優れている。
たとえば、Cu研磨後にL/S(ライン&スペース)=0.09μm/0.09μmで100μm□(スクウェア)のエリアで発生する段差は、Hスラリでは35nm程度、APSスラリでは20nm程度である。
なお、酸化材の経時変化による分解や反応、研磨粒子の凝集や溶解などを極力避けるため、酸化剤を含有する薬液と研磨粒子を含有する薬剤との2種類のスラリを分離して保存し、研磨直前で混合して使用することなどが行われている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−39673号公報
ところで、APSスラリは、平坦化能力に優れているが、酸化剤の分解が早く、劣化しやすいことから液の寿命が短いという問題があった。そのため、スラリを作成したらすぐに使用する必要があるなど、液管理が困難で扱いにくいという問題があった。また、酸化力がHに比べて強すぎるため、環境破壊を起こしやすく、専用の廃液処理施設が必要などコストもかかった。
これに対し、Hスラリは液の寿命は長いが、平坦化能力が低いという問題があった。
上記の点を鑑みて、本発明者は、液管理の容易なスラリを用いて平坦性のよい配線の形成が可能な半導体装置の製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下のような工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。この半導体装置の製造方法は、過酸化水素を含んだスラリに還元剤種を添加する工程と、前記還元剤種が添加された前記スラリを供給し、配線材料のCuの一部をCuOに酸化させた環境下で化学的機械研磨を行い、前記配線材料を含む配線を形成する工程と、を有する。
また、以下のような半導体装置の製造装置が提供される。この半導体装置の製造装置は、過酸化水素を含んだスラリを貯蔵する貯蔵槽と、前記貯蔵槽から研磨対象ウェハを配置するパッド上に前記スラリを供給する第1供給経路と、前記スラリに添加する還元剤種を格納する格納部と、前記還元剤種が前記パッド上で前記スラリに添加するように、前記格納部から前記還元剤種を供給する第2供給経路と、を有する。
また、以下のような半導体装置の製造装置が提供される。この半導体装置の製造装置は、過酸化水素を含んだスラリを貯蔵する貯蔵槽と、前記スラリに添加する還元剤種を格納する格納部と、前記貯蔵槽及び前記格納部と接続され、前記スラリと前記還元剤種とを調合する調合部と、前記調合部から研磨対象ウェハを配置するパッド上に前記還元剤種を添加した前記スラリを供給する供給経路と、を有する。
CMPで、平坦性のよい配線を液管理の容易なHスラリを用いて形成することができる。
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
一般にCuのCMPのメカニズムは、Cu表面を酸化剤で酸化し、形成した酸化物を有機酸(錯化剤)などでエッチングするケミカル要素と、砥粒などで物理的に擦りとるメカニカル要素とからなる。したがって、CuのCMPでは、Cuの酸化がポイントとなる。
そこで、APSスラリとHスラリ中でのCuの酸化反応を調べた。
なお、Cuの酸化状態を観察するためには、有機酸成分が多量に含まれると、スラリ中でCu酸化物が完全に溶解してしまうため、各スラリは酸化剤と少量の有機酸のみの構成のものを使用した。具体的には、酸化剤濃度は6.0wt%、有機酸はクエン酸を用い、0.1wt%とした。
図1は、各種スラリ中でのCu膜の浸漬電位をCuの電位−pH図上で示した図である。
また、図2は、各種スラリでCu表面を酸化させた場合のXPS分析結果を示す図である。
まず、図2のXPS分析結果から説明する。横軸が結合エネルギー(eV)であり、縦軸が正規化した強度である。この結果から、HスラリではCuOが形成し、APSスラリではCuOは形成していないことがわかる。なお、CuとCuOのピーク分離が困難なので図では1つのピークのように見えるが、APSスラリではCuOが形成されていると思われる。
次に、各スラリにCu膜を浸漬した場合の浸漬電位を、後述する条件で電気化学的に測定した。その結果、APSスラリでは243mV、Hスラリでは581mVであった。この結果をCuの反応系を示す電位−pH図に重ね合わせたものが図1である。横軸はpH、縦軸は電位(V vs SHE(Standard Hydrogen Electrode))である。
図のように、APSスラリを用いた場合にはCuOが形成していることになり、HスラリではCuOが形成していることになり、図2のXPS分析結果と一致する。つまり、HスラリとAPSスラリではCuの酸化反応が異なっているのである。
そこで、本実施の形態の半導体装置の製造方法では、Hスラリ中でのCuの酸化反応を、CuOからCuOに変化させることで、HスラリをAPSスラリと同じ研磨特性にさせる。具体的には、Hスラリに還元効果をもつ化学種(還元剤種)を添加し、図1に示すようにHスラリ中でのCu膜の浸漬電位を下げてCuOが形成される領域にする。
還元剤種としては、水溶性のアルデヒド基あるいはケトン基をもつ有機化合物、あるいはその還元体を用いる。
たとえば、以下材料があげられる。
アルデヒド類ではホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒドまたはペリルアルデヒドを用いることが可能である。
ケトン類ではアセトン、メチルエチルケトンまたはジエチルケトンを用いることが可能である。
単糖では、ヘプトース(七炭糖)として、セドヘプツロースまたはコリオースなど、ヘキソース(六炭糖)として、アロース、タロース、グロース、グルコース(ブドウ糖)、アルトロース、ガラクトース、イドース、フルクロース(果糖)、マンノース、プシコース、ソルボースまたはタガトースなど、ペントース(五炭糖)として、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アビオース、リブロースまたはキシルロースなど、テトロース(四炭糖)として、エイリトロース、トレオースまたはエリトルロースなど、トリオース(三炭糖)として、グリセルアルデヒドまたはジヒドロキシアセトンなどを用いることが可能である。
二糖では、トレハロース、ソホロース、ニゲロース、マルトース、ラクトースまたはスクロースなどを用いることが可能である。
オリゴ糖ではフルクトオリゴ糖など、デオキシ糖ではラムノースなど、ウロン酸ではグルクロン酸など、アミノ糖ではグルコサミンなどを用いることが可能である。
糖アルコールではキシリトール、マンニトールなど、ラクトンではアスコルビン酸、多糖ではデンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、ペクチンまたはグルコマンナンなどを用いることができる。
または、以上の材料の重合物を用いることができる。
以下、還元剤種としてマンニトールを用いた場合の、Cu膜の酸化反応の変化を示す。
図3は、評価スラリ中のCu膜の浸漬電位を測定する様子を示す図である。
評価用のサンプルとして、200mmのシリコン基板10に、熱酸化によりシリコン酸化(SiO)膜11を300nmの膜厚で形成し、PVD(Physical Vapor Deposition)によりタンタル(Ta)膜12を10nmの膜厚で成膜し、PVDによりCu膜13を500nmの膜厚で成膜したものを用いた。
このサンプルを、評価スラリ14中に浸漬し、ポテンショガルバノスタット15を用いて浸漬電位を測定した。
評価スラリ14は、APSスラリ、Hスラリ、マンニトールを添加したHスラリの3種である。各酸化剤の濃度は6.0wt%とし、有機酸には3.0wt%のクエン酸を用いた。
なお、電極16,17には、Cu電極と白金(Pt)電極を用い、参照電極18には銀(Ag)−塩化銀(AgCl)電極を用いており、浸漬電位の測定結果は、後にSHEに換算した。
図4は、HスラリのCuの溶解レートのpH依存性を示す図である。
横軸はpH、縦軸はCuの溶解レート(nm/min)である。この図から、スループットに影響する研磨速度を考慮した場合、HスラリをpH=9以上とした場合には、Cuの溶解レートが、ほぼ0であり使用に不向きである。そのため、より酸性側のほうが好ましい。
本実施の形態では、たとえば、硫酸(HSO)及び水酸化カリウム(KOH)により、HスラリについてはpH=4、APSスラリについてはpH=9になるように調整した。
このような条件で、Cu膜13の浸漬電位を測定した結果、APSスラリでは243mV、Hスラリでは581mVであった。一方、マンニトールをHスラリに0.1wt%添加した場合には、465mVに低下した。この結果を前述した電位−pH図中で示すと以下のようになる。
図5は、マンニトールを添加したHスラリ中でのCu膜の浸漬電位をCuの電位−pH図上で示した図である。
横軸はpH、縦軸は電位(V vs SHE)である。
図のように、マンニトールの添加後は、Cu膜13の浸漬電位は、CuOを作る領域に変化することがわかった。
次に、マンニトールを添加したHスラリで酸化させたCu膜13の酸化状態をXPSで測定した。
図6は、マンニトールを添加したHスラリでCu表面を酸化させた場合のXPS分析結果を示す図である。
横軸が結合エネルギー(eV)であり、縦軸が正規化した強度である。なお、XPSにより酸化状態を分析する試料を作成する場合、有機酸であるクエン酸が多いと、酸化したCuが全て溶解してしまうため、Hスラリには、有機酸を0.1wt%程度にとどめたものを用いた。
図6の結果を、図2のマンニトール未添加のHスラリを用いた場合の結果と比較すると、マンニトール未添加のHスラリを用いた場合にCu膜の表面に生成していたCuOが、マンニトールを添加したHスラリを用いた場合ではなくなり、APSスラリを用いた場合と同様なピークが現われることがわかった。
次に、各スラリ中でのエッチングレートを測定した。エッチングレートは、評価スラリ14中にCu膜13を所定時間浸漬した後と、前との膜厚差で求めた。その結果、Hスラリを用いた場合では、250nm/min、マンニトールを添加したHスラリを用いた場合では、190nm/min、APSスラリを用いた場合では、194nm/minであった。つまり、マンニトールを添加したHスラリを用いた場合、エッチングレートがAPSスラリを用いた場合に近づいていることがわかった。
次に、各スラリ中に所定時間浸漬した後のCu膜13の表面ラフネスをAFM(Atomic Force Microscope)により測定した。平均粗さ(Ra)は、Hスラリを用いた場合では、32nm、マンニトールを添加したHスラリを用いた場合では、18nm、APSスラリを用いた場合では、14nmであった。つまり、表面ラフネスも、マンニトールを添加したHスラリを用いた場合ではAPSスラリを用いた場合に近づいていることがわかった。
以上のように、Hスラリにマンニトールを添加することでHスラリを用いたときのCuの酸化状態を、APSスラリを用いた場合と同等にすることが可能であり、APSスラリを使用した場合と同等の平坦化能力が期待できる。
次に、Hスラリにマンニトールを0.1wt%添加した場合のスラリ建浴時からのCuのエッチングレートの経時変化を測定した結果を示す。
図7は、Hスラリ、APSスラリ及びマンニトールを添加したHスラリによるCuのエッチングレートの経時変化を示す図である。
横軸がスラリ作成からの経過時間、縦軸がCuのエッチングレートを経過時間が0のときを100%とした割合で表している。
図のように、マンニトールを添加したHスラリはAPSスラリよりは劣化が少ない。しかしながら、マンニトール未添加のHスラリよりは劣化する。そのため、マンニトールの添加は、Hスラリを使用する直前であることが好ましい。
図8は、還元剤種をCMP処理の直前に供給可能な供給系統を備えたCMP装置の構成を示す図である。
CMP装置は、ウェハ20を配置するパッド21、ウェハ20をパッドに押し付ける加圧機構22などを有している。さらにスラリ供給系統として、Hスラリが入ったスラリタンク30と、Hスラリをパッド21上に供給するための配管31及びノズル32と、マンニトールなどの還元剤種を格納する供給器33と、還元剤種をパッド21上に供給するための配管34及びノズル35とを有している。また、Hスラリや還元剤種の供給をコントロールするバルブV1,V2,V3,V4を有している。バルブV1〜V4の開閉は、図示しないコンピュータのプログラムによって制御されている。
研磨を始める前に、バルブV1,V2を開き、スラリタンク30から配管31、ノズル32を介して、Hスラリをパッド21上に供給する。また、バルブV3,V4を開き、還元剤種を配管34、ノズル35を介してパッド21上に供給する。これによってパッド21上で、Hスラリと還元剤種を混合する。
その後、加圧機構22によってウェハ20をパッド21に押し付けることで研磨を開始する。
なお、上記のように研磨開始からバルブV3,V4を開いて、Hスラリに還元剤種を添加してもよいが、コンピュータ制御により研磨の途中でバルブV3,V4を開いてHスラリに還元剤種を添加するようにしてもよい。前述のように、Hスラリを用いた場合では、250nm/min、マンニトールを添加したHスラリを用いた場合では、190nm/minとなり、エッチングレートが低下するので、始めは、還元剤種を添加しないで研磨を行い、Cu残膜が少なくなったころから、還元剤種を添加することで、平坦化とともに、研磨時間の短縮化を図ることもできる。たとえば、Cu膜が1μm程度ある場合には、残膜が200nmになるあたりから還元剤種を添加すればよい。
また、還元剤種のHスラリ中での濃度は、流量などによって、供給器33が制御する。
図9は、還元剤種をCMP処理の直前に供給可能な供給系統を備えたCMP装置の他の構成を示す図である。
図8の例では、Hスラリと還元剤種をパッド21上で混合する場合について説明したが、図9では、供給系統の途中で混合する。たとえば、薬液調合タンク40を設けて、スラリタンク30のHスラリを、バルブV5と配管41を介して導入し、供給器33の還元剤種をバルブV6,V7と配管42を介して導入して両者を調合する。そして、還元剤種を添加したHスラリをバルブV8、配管43、バルブV9、ノズル44を介してパッド21上に供給する。
このような、CMP装置では、研磨開始から還元剤種を添加したHスラリを使用する場合には、バルブV5〜V9を開き、バルブV1,V2は閉じ、薬液調合タンク40で調合されたものをパッド21上に供給する。研磨の途中から還元剤種を添加したHスラリを使用する場合には、始めは、バルブV1,V2を開き、バルブV5〜V9は閉じ、前述したエッチングレートとCuの残厚を考慮した所定のタイミングで、バルブV1,V2を閉じ、バルブV5〜V9を開くように、コンピュータのプログラムによって制御する。
なお、調合する還元剤種とHスラリの組成は、供給量に応じて、薬液調合タンク40で調整する。
次に、上記のようにして還元剤種を添加したHスラリを用いた本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明する。
図10乃至図12は、本実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
まず、図10(A)のように、シリコン(Si)からなる半導体基板50の表層部に、STI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離絶縁膜51を形成し、活性領域を画定する。この活性領域内に、MOSトランジスタ52を形成する。MOSトランジスタ52は、ソース領域52a、ドレイン領域52b、ゲート絶縁膜52c、ゲート電極52d、側壁絶縁膜52eを含んで構成される。
その後、半導体基板50上に、MOSトランジスタ52を覆うように、たとえば、SiOからなる、厚さ300nm程度の層間絶縁膜53を形成し、その上に、たとえば、炭素が添加された酸化シリコン(SiOC)、炭化シリコン(SiC)、窒化シリコン(SiN)などからなる、厚さ50nm程度の保護膜54を形成する。そして、保護膜54及び層間絶縁膜53を貫通するビアホールを形成し、ドレイン領域52bの一部を露出させる。このビアホールの内面に、たとえば、Ta、チタン(Ti)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)などからなるバリアメタル層55を形成し、たとえば、タングステン(W)からなる導電プラグ56を充填する。
以上の工程は、周知のフォトリソグラフィ、エッチング、CVD(Chemical Vapor Deposition)、CMPにより行われる。
その後、保護膜54の上に、低誘電率絶縁材料からなる層間絶縁膜57を形成する。そして、層間絶縁膜57に、その底面まで達し、導電プラグ56の上方を通過する配線溝を形成し、その配線溝にバリアメタル58を形成した後、第1層目の配線59を充填する。配線59は、CuあるいはCu合金からなり、導電プラグ56に接続される。
次に、層間絶縁膜57上に、たとえば、SiCやSiNなどからなるキャップ膜60、ビア層となる層間絶縁膜61、SiCやSiNなどからなるエッチングストッパ膜62、配線層の層間絶縁膜63を順に積層する。その後、シングルダマシン法、あるいはデュアルダマシン法により、層間絶縁膜61,63に配線溝及びビアホールを形成する。
次に、図10(B)に示すように、配線溝及びビアホールの内面に、たとえば、Ta、Ti、W、ジルコニウム(Zr)またはこれらの窒化物からなるバリアメタル64と、Cuシード65を、PVD法あるいはCVD法により形成する。バリアメタル64の膜厚は10〜15nm程度、Cuシード65の膜厚は10〜100nmとする。
その後、図11に示すように、たとえば、硫酸銅めっき液にて電界めっきを行い、膜厚1μm程度のCu膜66を成膜して、配線溝及びビアホールに埋め込む。
その後、CMPを行う。本実施の形態の半導体装置の製造方法では、前述したように、図8または図9に示したようなCMP装置を用いて、研磨を行う直前または、研磨の途中からHスラリに還元剤種として、たとえば、マンニトールを添加する。
還元剤種は、図5で示したように、Hスラリ中のCuの浸漬電位がCuOからCuOが生成される領域に引き下がるように、pHに応じた添加量で添加する。たとえば、マンニトールを用いた場合、Hスラリの酸化剤の濃度を6.0wt%、pH=4としたとき、マンニトールの添加量を0.1wtとすることで、Cuの浸漬電位を低下させることができ、図5に示したように、CuOが生成される酸化状態にすることができる。
なお、Hスラリは、酸化剤であるHの他に、たとえば、クエン酸などのカルボン酸系の有機酸、ベンゾトリアゾール(BTA)などの防食剤、シリカなどの研磨砥粒、洗浄液の濡れ性向上のためのポリエチレングリコールなどの界面活性剤を、それぞれ1種類以上含んでいる。
このように、還元剤種を添加したHスラリを用いて、図12(A)に示すように平坦化を行うことで、段差の少ない平坦性のよいCu配線66a,66b,66cを形成することができる。その後、図12(B)に示すように、Cu配線66a,66b,66cと層間絶縁膜63の配線層上に、SiC、SiOC、SiNなどからなるキャップ膜67を、たとえば、30nm程度形成する。以後は、上記の工程を繰り返して、多層配線を作成する。
このように、本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、CMPでCu配線を形成する際に、Hスラリに還元剤種を添加することで、APS並みの平坦化が可能になるとともに、Cuのエッチングレートの経時劣化が少ないHスラリを用いるので、液管理が容易となる。
なお、以上の説明では、還元剤種として特に、糖アルコール類であるマンニトールを使用した場合について説明したが、これに限定されず、前述した各材料(水溶性のアルデヒド基あるいはケトン基をもつ有機化合物、あるいはこれらの還元体)を用いてもよい。
たとえば、糖アルコール類の酸化体であるアルデヒド基、ケトン基をもつ糖類も同様の還元効果をもつ。
以下に、その例として、Hスラリにグルコースを添加した場合の、Cuの酸化状態をXPSで分析した結果を示す。Hスラリの酸化剤の濃度は6.0wt%、pH=4、有機酸は0.1wt%、グルコースは0.1wt%とした。
図13は、グルコースを添加したHスラリでCu表面を酸化させた場合のXPS分析結果を示す図である。
横軸が結合エネルギー(eV)であり、縦軸が正規化した強度である。
図6で示したマンニトール添加のHスラリを用いた場合の分析結果と同様に、還元剤種を未添加のHスラリを用いた場合にCu膜の表面に生成されていたCuOがなくなり、APSスラリを用いた場合と同様なピークが現われることがわかった。
また、グルコースを添加したHスラリを用いたときのCuの浸漬電位を測定した結果、未添加のものが581mVであったのに対して、添加したものは471mVと低下することが確認された。この電位は、図5で示したように、CuOが形成される領域となっており、APSと同様の酸化状態が得られていることがわかった。
(付記1) 過酸化水素を含んだスラリに還元剤種を添加する工程と、
前記還元剤種が添加された前記スラリを供給し、配線材料のCuの一部をCuOに酸化させた環境下で化学的機械研磨を行い、前記配線材料を含む配線を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2) 前記還元剤種の添加量が、前記スラリ中でのCuの浸漬電位をCuOが生成される電位に引き下げるような添加量であることを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記3) 前記還元剤種の添加を、Cuの研磨直前で行うことを特徴とする付記1または2記載の半導体装置の製造方法。
(付記4) 前記還元剤種は、水溶性のアルデヒド基またはケトン基をもつ有機化合物、あるいは前記有機化合物の還元体であることを特徴とする付記1乃至3に記載の半導体装置の製造方法。
(付記5) 硫酸または水酸化カリウムにより、前記スラリが酸性になるように調整することを特徴とする付記1乃至4に記載の半導体装置の製造方法。
(付記6) 過酸化水素を含んだスラリを貯蔵する貯蔵槽と、
前記貯蔵槽から研磨対象ウェハを配置するパッド上に前記スラリを供給する第1供給経路と、
前記スラリに添加する還元剤種を格納する格納部と、
前記還元剤種が前記パッド上で前記スラリに添加するように、前記格納部から前記還元剤種を供給する第2供給経路と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
(付記7) 過酸化水素を含んだスラリを貯蔵する貯蔵槽と、
前記スラリに添加する還元剤種を格納する格納部と、
前記貯蔵槽及び前記格納部と接続され、前記スラリと前記還元剤種とを調合する調合部と、
前記調合部から研磨対象ウェハを配置するパッド上に前記還元剤種を添加した前記スラリを供給する供給経路と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
(付記8) 前記貯蔵槽から、前記パッド上に前記スラリを供給する他の供給経路を、さらに有することを特徴とする付記7記載の半導体装置の製造装置。
(付記9) 前記供給経路及び前記他の供給経路はバルブを有し、前記バルブの開閉により、前記還元剤種を添加した前記スラリまたは前記還元剤種が未添加の前記スラリの一方を選択して供給することを特徴とする付記8記載の半導体装置の製造装置。
各種スラリ中でのCu膜の浸漬電位をCuの電位−pH図上で示した図である。 各種スラリでCu表面を酸化させた場合のXPS分析結果を示す図である。 評価スラリ中のCu膜の浸漬電位を測定する様子を示す図である。 スラリのCuの溶解レートのpH依存性を示す図である。 マンニトールを添加したHスラリ中でのCu膜の浸漬電位をCuの電位−pH図上で示した図である。 マンニトールを添加したHスラリでCu表面を酸化させた場合のXPS分析結果を示す図である。 スラリ、APSスラリ及びマンニトールを添加したHスラリによるCuのエッチングレートの経時変化を示す図である。 還元剤種をCMP処理の直前に供給可能な供給系統を備えたCMP装置の構成を示す図である。 還元剤種をCMP処理の直前に供給可能な供給系統を備えたCMP装置の他の構成を示す図である。 本実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図(その1)である。 本実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図(その2)である。 本実施の形態の半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図(その3)である。 グルコースを添加したHスラリでCu表面を酸化させた場合のXPS分析結果を示す図である。
符号の説明
10 シリコン基板
11 SiO
12 Ta膜
13 Cu膜
14 評価スラリ
15 ポテンショガルバノスタット
16,17 電極
18 参照電極

Claims (6)

  1. 配線材料に対する化学的機械研磨を行う前に、過酸化水素を含んだスラリに還元剤種を添加する工程と、
    前記還元剤種が添加された前記スラリにより、前記還元剤種が添加された前記スラリ中での前記配線材料のCuの浸漬電位をCu2Oが生成される電位に引き下げることで、前記配線材料のCuの一部をCu2Oに酸化させた状態で前記化学的機械研磨を開始し、前記配線材料を含む配線を形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記還元剤種の添加量が、前記スラリ中でのCuの浸漬電位をCu2Oが生成される電位に引き下げるような添加量であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記還元剤種の添加を、Cuの研磨直前で行うことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記還元剤種は、水溶性のアルデヒド基またはケトン基をもつ有機化合物、あるいは前記有機化合物の還元体であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 過酸化水素を含んだスラリを貯蔵する貯蔵槽と、
    前記貯蔵槽から研磨対象ウェハを配置するパッド上に前記スラリを供給する第1供給経路と、
    前記スラリに添加する還元剤種を格納し、前記パッド上に供給する前記還元剤種の濃度を、前記還元剤種が添加された前記スラリ中での前記研磨対象ウェハに含まれるCuの浸漬電位をCu2Oが生成される電位に引き下げるように調整する供給部と、
    前記研磨対象ウェハの研磨前に、前記還元剤種が前記パッド上で前記スラリに添加するように、前記供給部から前記還元剤種を供給する第2供給経路と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。
  6. 過酸化水素を含んだスラリを貯蔵する貯蔵槽と、
    前記スラリに添加する還元剤種を格納する格納部と、
    前記貯蔵槽及び前記格納部と接続され、前記スラリと前記還元剤種とを、前記還元剤種が添加された前記スラリ中での研磨対象ウェハに含まれるCuの浸漬電位をCu2Oが生成される電位に引き下げるような組成比で調合する調合部と、
    前記研磨対象ウェハの研磨前に、前記調合部から前記研磨対象ウェハを配置するパッド上に前記還元剤種を添加した前記スラリを供給する供給経路と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。

JP2007333487A 2007-12-26 2007-12-26 半導体装置の製造方法及びその製造装置 Expired - Fee Related JP5433946B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007333487A JP5433946B2 (ja) 2007-12-26 2007-12-26 半導体装置の製造方法及びその製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007333487A JP5433946B2 (ja) 2007-12-26 2007-12-26 半導体装置の製造方法及びその製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009158629A JP2009158629A (ja) 2009-07-16
JP5433946B2 true JP5433946B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=40962345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007333487A Expired - Fee Related JP5433946B2 (ja) 2007-12-26 2007-12-26 半導体装置の製造方法及びその製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5433946B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001196373A (ja) * 2000-01-13 2001-07-19 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP2002075925A (ja) * 2000-09-02 2002-03-15 Jun Kikuchi 表面平坦化処理方法および装置
JP2006005259A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Seiko Epson Corp 有機物除去方法
JP4662760B2 (ja) * 2004-12-22 2011-03-30 三井金属鉱業株式会社 超微粒銅粉、超微粒銅粉スラリー及び超微粒銅粉スラリーの製造方法
JP4651533B2 (ja) * 2005-12-26 2011-03-16 三井金属鉱業株式会社 銅粒子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009158629A (ja) 2009-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080296768A1 (en) Copper nucleation in interconnects having ruthenium layers
US6515368B1 (en) Semiconductor device with copper-filled via includes a copper-zinc/alloy film for reduced electromigration of copper
US8080475B2 (en) Removal chemistry for selectively etching metal hard mask
TWI282360B (en) Polishing composition and polishing method thereof
JP2020096190A (ja) Cmp用研磨液、及び、これを用いた研磨方法
JP3217319B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US7338908B1 (en) Method for fabrication of semiconductor interconnect structure with reduced capacitance, leakage current, and improved breakdown voltage
US7752996B2 (en) Apparatus for applying a plating solution for electroless deposition
TW201510196A (zh) Cmp用硏磨液及使用此硏磨液之硏磨方法(二)
CN105097657B (zh) 半导体结构的形成方法
US6630741B1 (en) Method of reducing electromigration by ordering zinc-doping in an electroplated copper-zinc interconnect and a semiconductor device thereby formed
TW201506099A (zh) Cmp用硏磨液及使用此硏磨液之硏磨方法(一)
JP2006210508A (ja) 半導体装置およびその製造方法
US7087517B2 (en) Method to fabricate interconnect structures
KR20050043666A (ko) 배리어를 제거하기 위한 조성물 및 방법
JP4832819B2 (ja) タングステン系のバリアメタルと一体化された銅を化学機械研磨するためのスラリー組成物及び方法
JP2008112969A (ja) 研磨液及びこの研磨液を用いた研磨方法
JPH1140526A (ja) 配線形成方法及び半導体装置の製造方法
JP5369597B2 (ja) Cmp研磨液及び研磨方法
JP5433946B2 (ja) 半導体装置の製造方法及びその製造装置
US20040226915A1 (en) Substrate processing method
KR100856542B1 (ko) 구리 화학적 기계적 연마공정용 슬러리 및 이를 이용한구리 배선 형성방법
JP2006063386A (ja) 半導体装置の製造方法
US6717236B1 (en) Method of reducing electromigration by forming an electroplated copper-zinc interconnect and a semiconductor device thereby formed
JP2016030778A (ja) Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130312

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5433946

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees