JP5432333B2 - ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
そして、非制動状態でのブレーキドラムとブレーキシューの隙間(制動状態での可動鉄心と固定鉄心の隙間)を調整するために、複数の六角ナットをスパナで緩め、その後、複数本の調整ネジをスパナで螺進退させて、隙間を調整していた(例えば、特許文献1参照)。
また、上記ブレーキシューの背面側に、内鍔部を有し上記調整ボルトの先端面凸球状頭部が収納される筒部と、上記先端面凸球状頭部が摺接する球面状凹部を有する受け盤と、を設け、上記調整ボルトの首部に外嵌状に配設した円環状板バネ部材を、上記内鍔部に係止させて、上記円環状板バネ部材の弾発力によって上記先端面凸球状頭部を上記球面状凹部に押圧して、上記ブレーキシューと上記調整ボルトとを連結したものである。
本発明に係るブレーキ装置は、図1及び図2に示すように、ブレーキドラム1のラジアル外方に配設される固定鉄心9と、固定鉄心9内の電磁コイルのON・OFF及び離間用バネによってブレーキドラム1に接近・離間する方向(ラジアル方向)に往復移動可能な可動鉄心8と、可動鉄心8に連結されブレーキドラム1の外周面1aに当接して制動摩擦力を付与するブレーキシュー2と、を備えている。特に、エレベーター用巻上機のブレーキとして用いられるものである。
調整ボルト5は、先端部に先端面凸球状頭部(R球面状乃至半球面状の先端面を有する頭部)51を有し、基端部に調整用雄ネジ部54を有し、中間部に平面視六角形状の操作部53を有している。また、先端面凸球状頭部51(以下、頭部51と呼ぶ場合もある)の基端側近傍の軸部(頭部51と操作部53の間)を首部52と呼ぶ。なお、各部材のブレーキドラム1側の面や部位を、表て面又は先端と呼び、固定鉄心9側の面や部位を背面又は基端と呼ぶ。
図1乃至図4に示すように、割りナット6は、可動鉄心8の往復移動方向(ブレーキドラム1のラジアル方向)に貫設され調整ボルト5の調整用雄ネジ部54が螺合する調整用ネジ孔61と、調整用ネジ孔61の軸心方向に沿って形成され調整用ネジ孔61を横断面C字状に切り欠いて縮径可能にするスリット62と、スリット62を閉じるように螺進する締め付けボルト7が螺合する締め付け用ネジ孔63と、締め付け用ネジ孔63と同軸心状に設けられ締め付けボルト7の軸部(ネジ部)が挿通する貫孔64と、を有している。
そして、割りナット6は、調整用ネジ孔61の軸心が可動鉄心8の往復移動方向に平行(沿うよう)に、かつ、螺着した締め付けボルト7の差込孔部71が可動鉄心8の往復移動方向と直交する方向に開口するように、可動鉄心8側に固着している。つまり、締め付けボルト7の差込孔部71が、調整ボルト5に直交する平面内の一方向から締め付け用工具が差し込まれるように開口している。
また、締め付けボルト7は、螺進させるとスリット62を閉じて調整用ネジ孔61を縮径させて、調整ボルト5の螺進退を阻止するように設け、螺退させるとスリット62が開いて(自由状態に復元させて)調整用ネジ孔61のネジ径を調整ボルト5の螺進退が可能な(縮径前の)大きさに復元させる。
ブレーキシュー2の背面2b側に、先端面凸球状頭部51が摺接する球面状凹部28aを有する受け盤28と、調整ボルト5の先端面凸球状頭部51及び受け盤28が収納される円筒状の筒部29aを有する保持部材29と、を固着している。筒部29aは、固定鉄心8側に内鍔部29bを有している。
また、窓部11の内側壁面において、短辺側壁部10a,10bに当接して、ドラム1の回転方向(円周方向)への移動が阻止される一対のドラム円周方向規制用のアタリ側面21a,21bを有している。
言い換えると、窓部11は、ブレーキシュー2がアキシャル方向に移動するのを阻止するアキシャル方向移動阻止用の壁面10c,10dと、ドラム円周方向に移動するのを阻止するドラム円周方向移動阻止用の壁面10a,10bと、を有している。なお、アキシャル方向移動阻止用の壁面10c,10dは、保持部材29の抱き込み片部29d,29dが干渉するのを防止する逃がし切欠部を有している。
具体的には、固定鉄心9の側壁(外周縁部)の所定位置にリミットスイッチ90を設け、可動鉄心8の側壁(外周縁部)の所定位置に、非制動状態でリミットスイッチ90に検知される(当接する)被検出部材91を設けている。
なお、固定鉄心9及び可動鉄心8の中央部から見て、リミットスイッチ90及び被検出部材91が付設された側を検知側Sと呼び、検知側Sの180度反対側を非検知側Tと呼ぶ。
そこで、リミットスイッチ90及び被検出部材91は、検知側離間寸法Esがシュー間隙寸法Q以上になった場合に、離間信号を発信するように設けている。
ストッパー部材99は、ブレーキシュー2がドラム1に適切に接触して制動摩擦力を付与し、中央離間寸法Eaがシュー間隙寸法Qと等しい場合に、検知側離間寸法Esがシュー間隙寸法Q未満となって、リミットスイッチ90が、離間信号を発信しないような誤作動を防止するために、可動鉄心8の非検知側Tの移動を規制するものである。
しかし、図13に示す比較例のように、中央離間寸法Eaがシュー間隙寸法Qと等しく適切な状態で制動が行なわれているのに、非検知側離間寸法Etが検知側離間寸法Esより大きくなるように可動鉄心8が傾いていると、検知側離間寸法Esは、中央離間寸法Ea(シュー間隙寸法Q)より小さいためリミットスイッチ90から離間信号が発信されない。
即ち、適切な制動が行なわれているにも関わらず、離間信号が発信されず(可動鉄心8が離間されていないという非離間信号が発信され)、故障や異常があるという扱いとなってしまう。
可動鉄心8は、横断面矩形状に形成され、円筒部材94が挿通する貫孔84を有している。
また、可動鉄心8及び固定鉄心9は正面視矩形状や長円形状等自由である。
また、ブレーキドラム1の回転中心を挟んで180度反対側にも、ブレーキユニットY(固定鉄心9、可動鉄心8、ブレーキシュー2、調整ボルト5等)を備えている。
図1及び図2に示すように、非制動状態で、ブレーキシュー2(ブレーキライニング20)と、ブレーキドラム1の外周面1aとの間を調整する際、締め付け工具を、可動鉄心8が往復移動する方向と直交する方向から接近させて、工具の棒状の先端嵌合部を、差込孔部71に差し込んで、工具軸心廻りに回転させ、締め付けボルト7を螺退させる。
調整ボルト5を螺進させて、ブレーキシュー2をドラム1の外周面1aに当接させる。そして、当接状態から、調整ボルト5を、所定の中心角度だけ(例えば、45度や4分の1回転)螺退するように回転させると、ネジピッチとの関係からブレーキシュー2とブレーキドラム1の間が適切なシュー間隙寸法Qとなる。例えは、ネジピッチを2mmとすると、4分の1回転(90度の回転)で、シュー間隙寸法Qを0.5mmとすることができる。
従来のような、調整ボルト5を六角ナットによるダブルナット効果で固定する場合に、六角ナットによる連れ廻りが発生する問題が無く、熟練した技能が無くても、適切な寸法に、容易かつ迅速に調整できる。
また、従来のような六角ナットをスパナで回転させるトルクにくらべて、小さいトルクで締め付けボルト7を回転させて(スリット62を開閉させて)、調整ボルト5を螺進退可能状態と螺進退規制状態にすることができる。
また、円環状板バネ部材3を係止する内鍔部29bは、平面視円環状であり、ラジアル内方に突出する複数の係止突片とした場合に比べて、強度が強く、変形や破損等によって、調整ボルト5がブレーキシュー2から離脱するのを防止している。
また、ストッパー部材99によって、適切に制動が行なわれるように可動鉄心8が離間しているのに、離間信号が発信されないような誤作動を防止する。
1a 外周面
2 ブレーキシュー
2b 背面
3 円環状板バネ部材
5 調整ボルト
6 割りナット
7 締め付けボルト
8 可動鉄心
9 固定鉄心
28 受け盤
28a 球面状凹部
29a 筒部
29b 内鍔部
51 先端面凸球状頭部
52 首部
61 調整用ネジ孔
62 スリット
70 ボルト頭部
71 差込頭部
90 リミットスイッチ
91 被検出部材
99 ストッパー部材
E 離間寸法
S 検知側
T 非検知側
Claims (4)
- ブレーキドラム(1)のラジアル外方側に配設される固定鉄心(9)及び可動鉄心(8)と、上記ブレーキドラム(1)の外周面(1a)に制動摩擦力を付与するブレーキシュー(2)と、を備え、
上記可動鉄心(8)と上記ブレーキシュー(2)の間に介装されて上記外周面(1a)と上記ブレーキシュー(2)との非制動状態のギャップを調整するための1本の調整ボルト(5)と、該調整ボルト(5)が螺合する調整用ネジ孔(61)がスリット(62)によって縮径可能として上記可動鉄心(8)側に設けられた割りナット(6)と、上記スリット(62)を閉じるように螺進して上記調整用ネジ孔(61)を縮径させて上記調整ボルト(5)の螺進退を阻止する締め付けボルト(7)と、を具備することを特徴とするブレーキ装置。 - 上記締め付けボルト(7)は、ボルト頭部(70)に締め付け用工具が差し込まれる差込孔部(71)を有し、
上記締め付けボルト(7)の差込孔部(71)が、上記調整ボルト(5)に直交する平面内の一方向から上記締め付け用工具が差し込まれるように開口している請求項1記載のブレーキ装置。 - 上記ブレーキシュー(2)の背面(2b)側に、内鍔部(29b)を有し上記調整ボルト(5)の先端面凸球状頭部(51)が収納される筒部(29a)と、上記先端面凸球状頭部(51)が摺接する球面状凹部(28a)を有する受け盤(28)と、を設け、
上記調整ボルト(5)の首部(52)に外嵌状に配設した円環状板バネ部材(3)を、上記内鍔部(29b)に係止させて、上記円環状板バネ部材(3)の弾発力によって上記先端面凸球状頭部(51)を上記球面状凹部(28a)に押圧して、上記ブレーキシュー(2)と上記調整ボルト(5)とを連結した請求項1又は2記載のブレーキ装置。 - 上記可動鉄心(8)及び上記固定鉄心(9)の外周縁部の一部に、上記可動鉄心(8)と上記固定鉄心(9)との離間を検知するためのリミットスイッチ(90)及び被検出部材(91)と、を設け、
上記可動鉄心(8)と上記固定鉄心(9)との間の離間寸法(E)が、上記リミットスイッチ(90)及び上記被検出部材(91)が設けられた検知側(S)と、該検知側(S)の180度反対側となる非検知側(T)において、同一、又は上記検知側(S)が大きくなるように、上記可動鉄心(8)の上記非検知側(T)の移動距離を規制するストッパー部材(99)を設けた請求項1,2又は3記載のブレーキ装置。
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