JP5431230B2 - 物体検出センサおよび警備システム - Google Patents
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Description
すなわち、建物から退出しようとする利用者は、退出時に建物の出入口から外に出て建物周囲の一部を通行する必要がある。ここで、セキュリティ性を向上させるために退出時の利用者の通行経路を含む領域を監視範囲とするレーザセンサを設置すると、利用者が建物から退出する際にレーザセンサによって侵入者として検出されてしまうという問題が生じ得る。
従って、警備装置による警備開始後、利用者を侵入物体と判定することを防止しつつも、退出領域を含む警戒領域を監視することができる。
従って、警備装置による警備開始後、利用者を侵入物体と判定することを防止しつつも、退出領域を含む警戒領域を監視することができる。
本実施形態では、監視建物において物体検出センサを用いて屋外監視する警備システムを例示するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
図1は、監視建物3の屋外壁面に設置される物体検出センサ2と、この物体検出センサ2の警戒領域4と、この警戒領域4内に含まれる退出領域4aと、監視建物3内に設置される警備装置5との関係を模式的に平面図上に示している。図1の例では、監視建物3の周囲に3つの物体検出センサ2が設置されている。物体検出センサ2は、それぞれ警備装置5と通信線にて接続されており、警備装置5は、遠隔の監視センタ6と通信回線網7を介して接続されている。なお、特に図示はしていないが、監視建物3の内部にも熱線センサや開閉センサなどの警備センサが設置されており、警備装置5に接続されている。
次に、図2を用いて物体検出センサ2の構成について説明する。図2は、物体検出センサ2の構成を示すブロック図である。
物体検出センサ2は、監視建物3の屋外壁面に水平または一定の俯角を設定されて設置され、警備装置5より電源供給を受けて作動する。
測距データ生成部225は、所定の周期間隔(例えば30msec)にて検知部22の1回の走査が終了する毎に測距データを生成して制御部24に出力する。
ここで、この警戒領域4は、物体検出センサ2にて監視すべき範囲として設定される領域である。また、退出領域4aは、警戒領域4内の領域であって、監視区域の警備を警備装置5に開始させた後に監視区域内部から外部に退出する利用者(退出者)が通行する領域である。
入力された警戒領域4の範囲は、検知部22で走査を行う所定の角度間隔(例えば0.25°)ごとに、検知部22からの角度(方向)と距離値が対応付けられて角度(方向)と距離のテーブルとして記憶部23に警戒領域情報として記憶される。
また、入力された退出領域4aの範囲は、検知部22で走査を行う所定の角度間隔(例えば0.25°)ごとに、検知部22からの角度(方向)と距離値が対応付けられて角度(方向)と距離のテーブルとして記憶部23に退出領域情報として記憶される。
一点鎖線で示される円弧内は警戒領域4であり、退出領域4aはこの警戒領域4内に斜線で示される領域である。退出領域4aの範囲は、検知部22からの距離値としてレーザ光の光軸上における退出領域区間により特定されて退出領域情報に記憶される。退出領域区間は、物体検出センサ2から退出領域区間の開始地点までの距離と、物体検出センサ2から退出領域区間の終了地点までの距離とで指定された情報として退出領域情報に記憶される。例えば、図4に示すように、走査角度αに対応付けられて記憶される退出領域区間は、物体検出センサ2から区間の開始地点までの距離dα1と、物体検出センサ2から区間の終了地点までの距離dα2の情報とで特定され、この場合、退出領域情報情報には角度αに対応付けて距離dα1、dα2が記憶される。
本実施形態では、基準データは、利用者が監視区域の警備を警備装置5に開始させた時点、および、警備装置5が警備を開始してから所定時間が経過した時点で取得された測距データより生成される。なお、生成された基準データは、随時に取得される測距データを用いて更新されてもよい。
本実施形態では、利用者が監視区域の警備を警備装置5に開始させた時点で退出中フラグがONとなり、警備装置5が警備を開始してから所定時間が経過した時点で退出中フラグがOFFとなるように制御される。
このように、警備装置5の警備開始にあわせて検知部22を駆動させることで連続稼働による駆動部品の破損を防止することが可能となる。
侵入異常の発生が判定されると記憶部23の現状態情報に侵入異常が記憶され、侵入異常が発生していないことが判定されると現状態情報から当該異常の情報が削除される。
ここで、退出中フラグがONの場合、侵入判定部243は、このラベリングの前処理として、検出した変化点の走査角度と同じ角度が退出領域情報に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合は、この検出した変化点の距離値と、退出領域情報の角度に対応付いている退出領域区間とを比較する。そして、侵入判定部243は、検出した変化点までの距離値が退出領域区間に含まれていると判定すると、この検出した変化点を除去する。
これを図4を参照して説明すると、走査角度αについて変化点が検出され、この変化点までの距離値がdnであった場合、角度αは退出領域情報に記憶されている角度であるので、この角度αに対応付いている退出領域区間の開始地点あるdα1及び退出領域区間の終了地点であるdα2が参照され、dα1≦dn≦dα2を満たすか否かが判定される。dnがこの不等式を満たす値であれば、侵入判定部243は、変化点の位置は退出領域4a内にあると判定し、この変化点を無視して侵入判定処理を行う。
そして、侵入判定部243は、検出した侵入物体について前回周期の検出物体との対応付けを調べ、警戒領域に始めて出現した位置からの移動距離に基づき侵入異常が発生しているか否かを判定する。
次に、図3を用いて警備装置5の構成について説明する。図3は、警備装置5の構成を示すブロック図である。警備装置5は、監視建物3内に設置されて監視区域を警戒監視し、異常の所在を遠隔の監視センタ6へと通報する。
モード設定部551は、警備セットモードに設定されるとセンサI/F51を介して物体検出センサ2に警備開始信号を出力し、また、警備解除モードに設定されるとセンサI/F51を介して物体検出センサ2に警備解除信号を出力する。
以上のように構成された警備システム1について、図面を参照してその動作を説明する。ここでは、主として物体検出センサ2に関する動作について説明する。図6は、物体検出センサ2にて実行される監視プログラムの動作を示すフローチャートである。
これにより、物体検出センサ2は、警備開始信号の入力があったときから所定時間が経過すると測距データを取得して基準データを再度生成して記憶し、これ以降はこの基準データを用いて侵入判定処理を実行することとなる。
ゆえに、警備を開始したときに記憶した基準データが、例え、利用者が退出領域を通行している途中に生成された測距データに基づいて生成したものであったとしても、警戒領域全体について監視を行う所定時間経過後には、利用者が退出領域から退出完了した状態の警戒領域について生成された測距データに基づいて再度基準データを生成して更新するので、警戒領域全体を監視する際の侵入物体の判定精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、ステップST15にて退出中フラグをOFFにした後に、ステップST4に戻って測距データを取得するようにしたが、これに限られるものではなく、ステップST15のフラグOFFの後、ステップST5の基準データ生成処理に戻って、この基準データ生成処理では、直前にステップST6にて取得している測距データに基づいて基準データを生成するようにしてもよい。
次に、図6のステップST7における侵入判定処理について図7を参照して説明する。図7は侵入判定処理のフローチャートである。
他方、ステップST34にて退出中フラグがONではないと判定した場合(ステップST34−No)、及び、検出した変化点の位置が退出領域4a内ではないと判定した場合(ステップST35−No)、検出した変化点の連続区間を調べ、連続する変化点をラベリングして侵入物体として検出する(ステップST36)。ここでは、検知部22が走査する際の角度間隔が検出対象物体(人や車両など)と比較して十分に密であるので、連続していない変化点(孤立点)や、ラベリングした大きさが検出対象物体(人や車両など)の一部と判定できる所定サイズ(例えば15cm)に満たない物体をノイズとして除去してよい。
従って、タイマ計時中は、退出領域4a内を通行する退出者を侵入者として検出することを防止することが可能となる。
従って、タイマがタイムアップした後は、退出領域4aを含む全走査範囲において、警備開始時点またはタイムアップ時点で生じている環境変化に動的に対応した基準データを用いてそこに侵入する侵入者を検出することが可能となる。
上述した実施形態では、物体検出センサ2が警備開始信号を受信したときにタイマの計時を開始するとともに基準データを生成し、タイマがタイムアップしたときに再度基準データを生成していた。しかし、これに限定されるものではなく、警備開始信号を受信すると、測距データに基づき退出者が退出領域4aを通過して退出したか否かを判定し、退出完了したと判定したときにタイマの計時を開始し、タイマがタイムアップしたときに基準データを生成してもよい。以下、これを実現するための構成を具体的に説明する。なお、本変形例では、説明を簡略にするために上述した実施形態と相違する点を説明する。
まず、ステップST2にて検知部22が駆動すると、測距データの取得を行い、後述の退出判定処理を開始する。以降、退出判定処理にて退出を判定するまで、測距データの取得と退出判定処理を繰り返す。退出判定処理にて退出が判定されると、図6のステップST3のタイマ計時開始及び退出中フラグONの処理へと進む。なお、ここで計時するタイマの所定時間は、次の点を考慮して適宜設定される。すなわち、退出完了を判定して物体検出センサ2による退出領域4aの監視がすぐに始まってしまうと、この直後に退出者が忘れ物などで退出領域4aに戻ってきた場合や、利用者が退出領域4aの境界付近をうろついた場合などに、これを侵入異常として検出してしまうといった点を考慮した所定の猶予期間として設定される。
退出判定部は、まず、検知部22にて取得した現在の測距データと所定時間前の測距データと退出領域情報とを読み出し(ステップST71)、退出領域4a内において、所定時間前の測距データと現在の測距データとの差分を算出する(ステップST72)。この差分算出では、退出領域4aの方向が含まれる走査角度について、所定時間前の測距データの走査角度ごとの距離値と、現在の測距データの角度ごとの距離値との差分を対応する角度ごとに算出する。
なお、このステップST82の退出者ラベルが消失したと判定するための条件として、退出者ラベルの移動状況を考慮にいれて判定してもよい。具体的には、退出領域4aにおいて退出者が退出する際に通行を開始する通行開始位置と、通行を終了する通行終了位置とを予め記憶しておく。そして、ステップST82の判定において、退出者ラベルの最初の出現位置が通行開始領域に含まれ、かつ、消失直前に記憶されていた退出者ラベルの位置が通行終了領域に含まれていると、消失したと判定する。これにより、退出者ではない人体と同じくらいの大きさの物体が退出時に想定される移動状況と異なる移動した場合に退出と判定されてしまうことを防止できる。
上述した実施形態では、物体検出センサ2が警備開始信号を受信したときにタイマの計時を開始するとともに基準データを生成し、タイマがタイムアップしたときに退出中フラグをOFFにするとともに基準データを生成していた。しかし、これに限定されるものではなく、警備開始信号を受信したときに計時開始するタイマの計時中に、測距データに基づき退出者が退出領域4aを通過して退出したか否かを判定し、退出したと判定したときには、計時中のタイマがタイムアップする前であっても、タイムアップし計時が終了したと判定して退出中フラグをOFFにするとともに基準データを生成してもよい。以下、これを実現するための構成を具体的に説明する。
上述した実施形態では、所定期間が経過して基準データを生成開始するタイミングを物体検出センサ2が所定期間を計時するタイマを用いて判断するものであったが、これに限られるものではなく、警備装置5にてタイマを用いるようにしてもよい。
この場合、利用者によって警備セットモードが設定されたときに、警備装置5は、このタイマの計時を行い、タイムアップしたときに、通信部52を介して物体検出センサ2へ計時終了信号を送信する。物体検出センサ2は、通信部21を介してこの計時終了信号を受信すると、退出中フラグをOFFし、基準データを作成する処理を行えばよい。
具体的には、図6に示す物体検出センサ2にて実行される監視プログラムの動作において、ステップST3のタイマ計時開始の処理を省略し、ステップST14の判定を、警備装置5から計時終了信号を受信したか否かを判定するようにする。
2 物体検出センサ
21 通信部
22 検知部
221レーザ発振部
222走査鏡
223走査制御部
224反射光検出部
225測距データ生成部
23 記憶部
24 制御部
241駆動制御部
242基準データ生成部
243侵入判定部
3 監視建物
4 警戒領域
4a 退出領域
5 警備装置
51 センサI/F
52 通信部
53 操作部
54 記憶部
55 制御部
551モード設定部
552異常処理部
6 監視センタ
7 通信網
Claims (5)
- 監視区域を監視する警備装置と接続される通信部を有し、該監視区域に含まれる警戒領域内を監視して該警戒領域内の侵入物体を検出する物体検出センサであって、
利用者が前記監視区域を退出する際に通行する前記警戒領域内の領域である退出領域を記憶する記憶部と、
前記警戒領域内を走査して該警戒領域における方向ごとに被測定物までの距離を示す測距データを生成する検知部と、
前記測距データに基づき前記警戒領域内における方向ごとの基準データを生成して前記記憶部に記憶する基準データ生成部と、
現在の前記測距データと前記基準データとを比較して侵入物体の存在有無を判定する侵入判定部と、
前記警備装置から警備開始信号の入力を受けると前記退出領域において前記監視区域から退出する退出物体の存在有無を判定する退出判定部と、を備え、
前記侵入判定部は、前記警備装置から警備開始信号の入力を受けると所定時間が経過するまでは前記退出領域について侵入物体の判定を禁止し、
前記所定時間が経過するまでの間に、前記退出判定部にて退出物体の存在有りと判定された後に前記退出判定部にて退出物体の存在無しと判定された場合には、前記所定時間が経過したと判定することを特徴とする物体検出センサ。
- 監視区域を監視する警備装置と接続される通信部を有し、該監視区域に含まれる警戒領域内を監視して該警戒領域内の侵入物体を検出する物体検出センサであって、
利用者が前記監視区域を退出する際に通行する前記警戒領域内の領域である退出領域を記憶する記憶部と、
前記警戒領域内を走査して該警戒領域における方向ごとに被測定物までの距離を示す測距データを生成する検知部と、
前記測距データに基づき前記警戒領域内における方向ごとの基準データを生成して前記記憶部に記憶する基準データ生成部と、
現在の前記測距データと前記基準データとを比較して侵入物体の存在有無を判定する侵入判定部と、
前記警備装置から警備開始信号の入力を受けると前記退出領域において前記監視区域から退出する退出物体の存在有無を判定する退出判定部と、を備え、
前記侵入判定部は、前記退出判定部にて退出物体の存在有りと判定された後に、前記退出判定部にて退出物体の存在無しと判定されたときに前記所定時間の計時を開始し、当該所定時間が経過するまでは前記退出領域について侵入物体の判定を禁止することを特徴とする物体検出センサ。
- 前記侵入判定部は、前記比較に基づいて現在の前記測距データにおける前記基準データからの変化を検出し、前記所定時間が経過するまでは、前記変化を検出しても、当該変化の位置が前記退出領域内であれば侵入物体とは判定しない請求項1又は請求項2に記載の物体検出センサ。
- 前記基準データ生成部は、前記警備開始信号の入力を受けたときに前記基準データを生成して前記記憶部に記憶し、前記所定時間が経過すると前記基準データを再度生成して前記記憶部に記憶する請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の物体検出センサ。
- 警戒領域内を監視して該警戒領域内の物体を検出する物体検出センサと、前記警戒領域を含む監視区域を監視する警備装置とを備えた警備システムであって、
前記物体検出センサは、
利用者が前記監視区域を退出する際に通行する前記警戒領域内の領域である退出領域を記憶する記憶部と、
前記警戒領域内を走査して該警戒領域における方向ごとに被測定物までの距離を示す測距データを生成する検知部と、
前記測距データに基づき前記警戒領域内における方向ごとの基準データを生成して前記記憶部に記憶する基準データ生成部と、
現在の前記測距データと前記基準データとを比較して侵入物体の存在有無を判定する侵入判定部と、
前記警備装置から警備開始信号の入力を受けると前記退出領域において前記監視区域から退出する退出物体の存在有無を判定する退出判定部と、
前記警備装置と接続される第1の通信部と、を備え、
前記警備装置は、
前記監視区域の異常を遠隔の監視センタに通報する警備セットモードと前記監視区域の異常を前記監視センタに通報しない警備解除モードとを設定するモード設定部と、
前記警備セットモードが設定されたときに前記物体検出センサに警備開始信号を送信し、前記警備セットモードが設定されたときから所定時間が経過すると計時終了信号を送信する第2の通信部と、を備え、
前記侵入判定部は、前記警備装置から警備開始信号の入力を受けると前記警備装置から前記計時終了信号の入力を受けるまでの間は前記退出領域について侵入物体の判定を禁止し、
前記警備装置から警備開始信号の入力を受けて前記計時終了信号の入力を受けるまでの間に、前記退出判定部にて退出物体の存在有りと判定された後に前記退出判定部にて退出物体の存在無しと判定された場合には、前記計時終了信号の入力を受けたと判定することを特徴とする警備システム。
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