JP5431124B2 - ペット用品用洗濯ネット - Google Patents

Description

本発明は、ペットの衣類、敷物、タオル等のペット用品を洗濯機によって洗濯する際に、ペットの毛が洗濯槽に付着するのを防ぐために有用な、ペット用品用の洗濯ネットに関する。

最近のペットブームでペットの数は増加し、登録されている国内の犬猫の飼育数は約２１６８万頭に上がると言われており、これは、１５才未満の子供の数１８６０万人を大きく上回るほどになっている。そして、核家族化の傾向が強まる中で、ペットも家族の一員として扱われる傾向が強くなっている。それにつれ、ペット用品だけでなく、ペット保険、ペットシッター等人間並みのサービスも加熱してきている。

上記のような状況のもと、日々の生活の中で、ペットの衣類や、マット等の敷物、体を拭くタオル等洗濯が必要なものがあるが、その際、家族と同じ洗濯機を使って洗濯される場合も多くなっている。ところが、ペットは毛が抜けることが多いので、ペット用品に付着した毛が洗濯槽に付着することが多く、その後に洗濯をすると、家族の人の衣類に毛が再付着するという現象がしばしば見られる。

ところで、衣類などを洗濯機で洗濯する場合、洗濯槽や他の衣類との摺擦から前記洗濯物を保護し、あるいは、他の洗濯物と絡み合って引っ張られることによる損傷などを防止するために洗濯ネットが広く用いられている。従来からある洗濯ネットとしては、単に袋状に形成されたネット地に洗濯物を出し入れするための開口部を備え、当該開口部を開閉するためのファスナーが設けられただけのものが多い。

洗濯ネットの内部で、洗濯物が動き易いように工夫されたものも提案されている。例えば、洗濯ネットに複数の線状の保形部材を組合わせ、洗濯時に立体形状を保つようにした洗濯ネットや、洗濯ネットの内部にある洗濯物の偏りを防止する洗濯ネットも考案されている（例えば、特許文献１と２）。また、ネットの形状を球形あるいは円筒状にして、洗濯槽の中で回転し易くし、洗濯やすすぎの効果を高めるように工夫されたものもある（例えば、特許文献３と４）。

しかしながら、従来の洗濯ネットは、通水性を確保するためにネットの目はある程度大きいものが用いられているが、これでは、洗濯に際し洗濯物から離脱した毛はネット外に流れ出てしまう。毛がネット外に流れ出ないようにネットの目を細かくすると、通水性が低くなり洗濯やすすぎの効果が非常に悪くなるという問題がある。

本発明者は、従来の洗濯ネットと、ペットの毛が付着し得る、あるいは毛を吸着するような性質のある物体を組合わせて、ペット用品用の洗濯ネットを開発することを試みた。なお、特許文献５には、多角形又は球形のネット袋の中に、洗濯物と共に多角形又は球形の接触ボールを配置することで、ネット袋の中の接触ボールが、洗濯物の内側から洗濯物に軽い衝撃を与え洗い効果を良くするという提案がなされている。しかし、この提案に係る発明は、あくまでも、洗濯物を型崩れしないで綺麗に洗える洗濯物保護装置を提供するものであって、以下に説明する本発明とはその目的と効果を全く異にするものである。

特開２０００−２５４３８６号公報 特開２００５−１５２０８８号公報 登録実用新案第３０１１００４号公報 特開２００３−１３５８８４号公報 登録実用新案第３１４８２２１号公報

本発明の課題は、ペット用品を洗濯機によって洗濯する際に、ペットの毛が洗濯槽に付着するのを防ぐために有用な、ペット用品用の洗濯ネットを提供することにある。

本発明は、洗濯物を出し入れするためのファスナー付開口部を有するネット地で構成された袋状本体（以下、袋状本体を洗濯ネットと呼ぶ場合もある）と、洗濯に際して、該袋状本体の内部に洗濯物と共に収納して用いられる、洗濯物から離脱した毛を吸着させるための毛取り具との組み合わせからなるペット用品用洗濯ネットである。

そして、本発明の他の態様は、洗濯物を洗濯ネットを用いて洗濯するに際し、該洗濯ネットの内部に洗濯物と共に収納して用いられる、洗濯物から離脱した毛を吸着させるための毛取り具である。

本発明によると、ペットの衣類、敷物、タオル等のペット用品を洗濯機によって洗濯する際に、ペットの毛が洗濯槽に付着するのを防ぐために有用な、ペット用品用の洗濯ネットが提供される。また、その際に、洗濯物を収納する洗濯ネットの内部に洗濯物と共に収納して用いられ、洗濯物から離脱した毛を吸着させるための毛取り具が提供される。

本発明のペット用品用洗濯ネットの一例の斜視図。

本発明は、洗濯物を出し入れするためのファスナー付開口部を有するネット地で構成された袋状本体と、洗濯に際して、該袋状本体の内部に洗濯物と共に収納して用いられる、洗濯物から離脱した毛を吸着させるための毛取り具との組み合わせからなる。ファスナー付開口部を有するネット地で構成された袋状本体とは、通常用いられている洗濯ネットを意味し、公知のどのような種類のものでもよいが、ペット用品の洗濯物に付着した毛の流出を防ぐためのものであるから、通水性を阻害しない程度でできるだけ目の細かいネットのものが好ましい。

袋状本体の形状も特に限定されるものではないが、洗濯物を洗濯ネットを用いて洗濯するに際し、洗濯物が動き易く、かつ、洗濯物と共に洗濯ネットの内部に収納して用いられる毛取り具が、洗濯ネットの内部で洗濯物と接触しながらある程度自由に流動・回転し易いように、袋状本体は、球体あるいは立方体等の立体形状のものが好ましい。

洗濯物と共に洗濯ネットの内部に収納して用いられる毛取り具は、衣類から離脱した毛を付着あるいは吸着して取るという作用効果を有している。従って、このような性質を有するものであれば、その材質や形状や大きさは特に制限されるものではない。具体的には、毛取り具としては、例えば、ウレタンフォーム、各種のスポンジ、凹凸のあるメッシュや不織布等の繊維布帛、又は、面ファスナーのような素材でもよい。あるいはまた、プラスチック製の芯体を粘着体で被覆したようなものでもよく、このようなものは、毛の付着した粘着体を芯体から剥がしそのまま破棄すれば、芯体は繰返して使用できるという利点もある。

本発明における袋状本体の大きさは、特に制限されるものではなく、通常のペット用品を洗濯できる程度の大きさであれば十分である。そして、毛取り具の大きさや形状も、前記のごとく特に限定されるものではなく、洗濯後は、毛取り具を洗濯ネットの本体の内部に収納すれば、保管にも便利である。

本発明においてペット用品とは、犬、猫、子豚、ヤギ、羊等の毛で覆われたペットの衣類、敷物、タオル等として使用され、洗濯機によって洗浄処理されるのに適した物を意味する。

以下、図面を用いて本発明を詳述する。図１は、本発明のペット用品用洗濯ネットの一例の斜視図であり、１は、ほぼ立方体形状のポリエステル繊維製のネット地で構成された袋状本体、２は、洗濯物を出し入れするためのファスナー付開口部、３は、洗濯に際して、該袋状本体の内部に洗濯物と共に収納して用いられる、洗濯物から離脱した毛を吸着させるための発泡ポリウレタン製のボール状の毛取り具である。

本発明において用いられるネット地で構成された袋状本体は、好ましくは通常の洗濯ネットよりもネットの目を細かいものを使用し、しかし、洗濯時の通水性は十分に保持される程度の目の粗さのものを使用しているので、洗剤やすすぎ水が洗濯ネット内の洗濯物全体に行き渡り、洗濯ネットの存在によって洗浄やすすぎが阻害されることはない。袋状本体の内部には洗濯物と共に毛取り具収納して用いられているので、洗濯物から離脱した毛はこれに吸着又は付着して、洗濯ネット外に流れ出すことはない。

以下、実施例により本発明を説明する。

図１に示したような、丸みを帯びたほぼ立方体状（一辺が３５ｃｍ）の洗濯ネットを用いた。ネットの材質は、ポリエステル繊維のモノフィラメント（５０デニール）製で、目付が８２ｇ／ｍ^２のネット織から構成されている。毛取り具としては、ポリウレタンフォーム製で丸みを帯びた角型のスポンジ（約１０ｃｍ×１０ｃｍ×２ｃｍ）を用いた。

上記洗濯ネットの内部に、犬（コーギー）の毛を約１５００本と通常の手拭タオルを１枚（約７０ｇ）入れ、更に前記スポンジを入れてファスナーを閉じた。そして、洗濯ネットを、全自動洗濯機の普通モードで約４０分洗濯した。洗濯後の排水と手拭タオルを調べたところ、実験に用いた犬の毛の洗濯ネット外への流出は１０％以下であった。また、実験後、犬の毛の約５割はスポンジに付着しており、残り３割は手拭タオルに付いたまま、洗濯ネットの中には約１割が残っている状態であった。

１ ネット地で構成された袋状本体
２ ファスナー付開口部
３ 毛取り具

Claims (2)

1. 洗濯物を出し入れするためのファスナー付開口部を有するネット地で構成された袋状本体と、洗濯に際して、該袋状本体の内部に洗濯物と共に収納して用いられる、洗濯物から離脱した毛を吸着させるための毛取り具との組み合わせからなるペット用品用洗濯ネット。
2. ペット用品である洗濯物を洗濯ネットを用いて洗濯するに際し、該洗濯ネットの内部に該洗濯物と共に収納して用いられる、該洗濯物から離脱した毛を吸着させるための毛取り具。

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