JP5430439B2 - 糸検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、糸検出装置に関するものである。
筒状生地を編成する丸編機において、糸質の強弱に制限されることなく編成ができるようにしたい(汎用性を高めたい)との要請がある。殊に、ほぼ無撚に近い原糸強力の非常に弱い糸(以下、「無撚系の糸」と言う:なお原糸強力とはg/d(グラム/デニール)で表される糸の引っ張り強度)などは非常に切れやすいという特性があるため、無撚系の糸を用いた編成が可能な丸編機は未だ嘗て無いというも過言ではなかったが、これを可能にできないか等の要請があった。
ところで、丸編機では、シリンダの回転方向に沿った周方向複数箇所にできる編成点(ニッティングポイント)へ給糸する一つの方式として、積極給糸装置を用いることが知られている(例えば、特許文献1や特許文献2等参照)。この積極給糸装置は、駆動回転させる給糸ドラムに対して給糸する糸を複数回巻き付けておき、給糸ドラムの回転で積極的に糸を送り出すというものである。
この種の積極給糸装置では、糸切れ時には給糸ドラムを自動停止できるようにするため、給糸ドラムの一次側(イン側)及び二次側(アウト側)の2箇所に、糸センサが取り付けられているのが普通である。この糸センサは、給糸中の糸の上に針金によって形成された揺動自在な検出子(リミットレバー)を乗せておき、この検出子が重力にしたがって落ち込んだとき(下方へ揺動したとき)に、糸切れを検出する構造であった。
なお、給糸中の糸に対して検出子を乗せた状態を維持させるためには、糸にある程度のテンション(ピンと張った状態)が必要であるから、一次側糸センサより更に一次側となる位置に、一対の円板で糸を挟持させてブレーキ作用を生じさせるようにした、所謂シンバルテンションを設けていた。
特開平1−266250号公報 特許第3459061号公報
従来の積極給糸装置では、糸センサを装備させるうえで必要とされていたシンバルテンションが、給糸中の糸にとっては負荷になるため、場合によっては糸切れを誘発させる原因の一つとなっていた。そこで、給糸中の糸に検出子を接触させるような接触型の糸センサは廃止して、光学式等の非接触型の糸センサを採用することが検討された。
非接触型の糸センサであれば、給糸中の糸に対して、糸切れを検出させるためだけに必要とされるようなテンションを付与させる必要はなく、そのためシンバルテンションも不要となる。従って例えば、無撚系の糸のような切れやすい糸を使った編成を試す場合にも、有益に作用する(編成が可能になる)のではないか、と考えられていた。非接触型の糸センサの場合、糸を通孔内へ通しておいて、この通孔内の糸の有無を光学式センサで検出する構造となる。
ところが、この構造では、糸切れが生じて通孔内から糸が抜け落ちた場合でも、通孔内に風綿等が詰まっていると糸を検出しているのと同じ状態となってしまい、糸切れを検出できないことになる。また、通孔内に糸が残る状態でその一次側又は二次側で糸切れが発生したような場合も、センサが糸を検出してしまうことになるから、結果として糸切れを検出できない。
このように、非接触型の糸センサを採用しても、それを糸の有無検出に使ったのでは糸切れを確実に検出できない誤動作が頻発し、積極給糸装置を停止できない(無駄な給糸を止められない)ものと結論付けられていた。更に、非接触型の糸センサによって糸の有無検出だけを行う場合の重大な問題点として次の点を指摘することができる。
それは、例えばダブル編み用の丸編機において、シリンダ針又はダイヤル針の一方で何
らかの異常が発生し、糸を編まない状態(丸編機による糸の消費量が積極給糸装置からの給糸量に満たない(半減した)状態)になると、積極給糸装置と丸編機との間で糸余り現象(糸が異常に弛むような現象)が起こってしまう。にもかかわらず、この場合も糸センサは糸を検出して「異常無し」としか認識しないので、積極給糸装置による給糸を停止させることができないという問題である。
この場合は、給糸ドラムの一次側に設ける糸センサも、また給糸ドラムの二次側に設ける糸センサも、共に、実際に存在する糸を検出しているものであり、糸切れが発生しているわけではない。のみならず、給糸ドラムの一次側及び二次側において糸は実際の給糸状態となっている(糸が送り動作されている)のである。
すなわち、現象としては給糸ドラムの一次側と二次側とで糸の送り量にアンバランスが発生している(一次側>二次側)だけなのである。しかしながら、このアンバランスをも異常として検出できるようにするには、非常に難しく、且つ高精度の検出が要求されることになる。
結局のところ、この要求を満足させておかない限りは、給糸中の糸の上に針金製検出子を乗せておくタイプの糸センサに対しての抜本的な問題解決とはならない(糸切れの誘発防止や無撚系の糸のような切れやすい糸を用いた編成の実現などができない)ものであった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、給糸中の糸に負荷を及ぼすことなく、確実に糸切れ及び糸送り異常の検出ができるものとし、もって、糸質の強弱に制限されることなく編成ができるような(汎用性を高められる)編機の仕様を実現できる糸検出装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る糸検出装置では、糸を張り渡し状態に保持させる糸入口及び糸出口と、これら両口間で張り渡し状態にされた糸を非接触にて検出する動的センサと、この動的センサが糸の振動に伴って出力する波形信号から糸の送り動作を判断する処理部とを有しており、前記糸入口は、糸が許容振幅を超えて振動するときに前記動的センサの検出範囲から外れるように振幅方向に拡大形成されている。
このような構成であると、糸出口より二次側のいずれか一方で糸の送り速度が異常な低速となり、糸に弛みが生じた場合などのように、何らかの原因で糸の振幅が許容振幅を超えて大きくなったときに、動的センサは速やかに糸を検出しない状態(検出信号を出力しない状態)になる。これにより、糸の送りに異常が発生したことを判断することができる。
なお、糸の振幅が許容振幅を超えて大きくなるのは、糸の送り速度が異常な低速になって弛みに繋がった場合だけでなく、糸切れしたときの糸端が糸入口から入った状態のまま、揺れているような場合も含まれる。従って当然に、このような糸切れに関しても、糸の送りに異常が発生したものと判断できることになる。
このような構成を具備した糸検出装置は、駆動部によって駆動回転可能とされた給糸ドラムを有する積極給糸装置に対し、その給糸ドラムの二次側となる位置に前記糸入口及び糸出口を設けるようにして、採用することができる。この場合、前記糸入口が、給糸ドラムの回転方向に沿って回転慣性が作用する方向で横長に延長形成されるようにする。
なお、前記処理部は、前記動的センサが糸の正常な送り動作を検出しないときに前記給糸ドラムの駆動部に対して停止信号を出力する構成とすればよい。
このように、積極給糸装置に対して本発明に係る糸検出装置を採用すれば、非接触型の動的センサによる糸検出を可能とし、しかも単なる糸の有無検出ではなく、糸が正常に送り動作をされているか否か(走っているか否か)を検出することができるものとなる。
そのため、糸切れ及び糸送り異常を確実に検出することができる。なお当然に、非接触型の動的センサによる糸検出であるため、給糸中の糸に負荷(無用なテンション)を生じさせる必要はなく、従来において積極給糸装置に必須不可欠とされていたシンバルテンションも不要となる。
そのため、糸質の強弱に制限されることなく編成ができるような(汎用性を高められる)編機の仕様を実現できるものである。従って例えば、無撚系の糸のような切れやすい糸でも、編成できるようになる。
のみならず、本発明に係る糸検出装置であれば、給糸ドラムの一次側と二次側とで糸の送り量にアンバランスが発生している(一次側>二次側)ときでも、糸の送り動作に異常が発生していることを判断できる。
従って例えば、ダブル編み用の丸編機において、シリンダ針又はダイヤル針の一方で何らかの異常が発生し、糸を編まない状態(丸編機による糸の消費量が積極給糸装置からの給糸量に満たない(半減した)状態)になったときでも、直ちに積極給糸装置による給糸を停止できることになり、積極給糸装置と丸編機との間で糸余り現象(糸が異常に弛むような現象)を未然に防止できることになる。
本発明に係る糸検出装置は、更に、前記積極給糸装置により給糸される糸の給糸速度を検出可能とする糸速検出部が具備されたものとするとよい。この場合、前記処理部は、前記糸速検出部が検出する給糸速度に対して一義的に関連付けられた監視時間を計数するタイマーを有して、このタイマーの計数中に前記動的センサによる出力があったときだけタイマーをリセットして以後の監視を続行させる構成とすることができる。
このようにすることで、糸の給糸速度に順応させながら、動的センサによる正確な糸送り状態の検出ができるものとなる。また、糸送りを検出しない場合の迅速な停止信号出力が可能になる(タイマーが計数する監視時間を超えることがない)ので、無駄な糸の繰り出しを防止できる利点に繋がる。
前記糸速検出部は、前記給糸ドラムの外周部に設けた検出点と、給糸ドラムの回転時に前記検出点を定点で検出する回転センサとを有しており、この回転センサから出力されるドラム回転数を元に給糸速度を検出する構成とすればよい。
このような糸速検出部を採用すると、構造を簡潔化できると共に小型化でき、しかも給糸速度の検出が確実で正確に行える利点がある。なお、この糸速検出部を採用する以外にも、例えば、給糸ドラムを回転させるための駆動側から得られる各種データを元に、給糸速度を認識するような構成としてもよい。
前記動的センサは、光学センサにより形成することができる。これにより、構造の簡潔化が図れるばかりでなく、確実且つ正確な糸送り動作の検出が可能となる。
本発明に係る糸検出装置では、給糸中の糸に負荷を及ぼすことなく、確実に糸切れ及び糸送り異常の検出ができるものであり、従って本発明を実施することにより、糸質の強弱に制限されることなく編成ができるような(汎用性を高められる)編機の仕様を実現することができる。
図2のA部拡大図(本発明に係る糸検出装置の一実施形態を示した側面図)である。 積極給糸装置を具備した丸編機の側断面図である。 図1のB−B線矢視図である。 図1のC−C線矢視図である。 図1のD−D線断面図である。 一次側動的センサの内部構造を示した模式図である。 動的センサによる出力の一例を示した波形図である。 処理部による監視時間と給糸速度との関係(テーブルの内容)を説明した図である。 糸検出装置のブロック構成図である。 処理部の動作例を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図9は、本発明に係る糸検出装置1と、この糸検出装置1を具備して成る積極
給糸装置2の一実施形態を示している。このような積極給糸装置2は、例えば図2に示す丸編機3において好適に採用される。なお、図2に例示した丸編機3はダブル編み用で、円筒形のシリンダ5と、このシリンダ5の上部に設けられた円盤状のダイヤル6とを有し、これらシリンダ5及びダイヤル6が一体回転するようになっている。
シリンダ5の外周面には多数本のシリンダ針7が上下動自在に設けられ、ダイヤル6の上面には多数本のダイヤル針8が径方向で移動自在に設けられ、シリンダ5及びダイヤル6の一体回転に伴ってこれらシリンダ針7とダイヤル針8とが周方向の複数箇所で編成点P(ニッティングポイント)を形成すべく、先端フックを交差させるように動作する。
これら各編成点Pに対応するようにストライパー装置(給糸切替装置)9が設けられており、各ストライパー装置9が装備するフィンガー部に各対応するようにして給糸口10が設けられている。
積極給糸装置2は、シリンダ5及びダイヤル6が一体回転するとき、上記した各ストライパー装置9の各給糸口10を介して編成点Pへ給糸するようになっている。なお、各編成点Pでの編成動作を受けて編み降ろされる筒状生地Wは、シリンダ5内を経て下方の巻取装置11によって巻き取られることになる。
図1に示すように、積極給糸装置2は、駆動部(モータ)12から伝動手段13及び駆動プーリ14を介して入力される駆動を受けて、駆動回転可能とされた給糸ドラム15を有している。なお、伝動手段13は歯付きベルトとされ、駆動プーリ14は歯付きプーリとされてスリップの無い高トルク伝動を実現されている。また、多くの場合、駆動プーリ14は手動のクラッチ機構16を介して駆動状態と無駆動状態との切り換えが可能とされている。
このような積極給糸装置2に対し、糸検出装置1は、給糸ドラム15に糸Yが巻き付けられる導入部分(給糸ドラム15に対する一次側)で、糸Yを非接触のまま監視するように設けられた一次側動的センサ20と、給糸ドラム15から糸Yが巻き出される送出部分(給糸ドラム15に対する二次側)で、糸Yを非接触のまま監視するように設けられた二次側動的センサ21と、給糸ドラム15の回転数から給糸速度を検出するように設けられた糸速検出部22と、これら一次側及び二次側の動的センサ20,21や糸速検出部22からの各出力を総合的に判断して必要時に給糸ドラム15の駆動部12へ停止信号を出力する処理部23とを有したものとなっている。
本実施形態において、一次側動的センサ20及び二次側動的センサ21にはいずれも透過式又は反射式の光学センサを採用してある。図6は一次側動的センサ20を模式的に示したもので、この一次側動的センサ20は、所定間隔をおいて設けられた糸入口25aと糸出口25bとの間に、2個の受光部26が設けられたものとなっている。糸入口25aと糸出口25bとの間に糸Yを張り渡すようにして、糸Yに光を照射することにより、受光部26が受光量に応じた検出電圧を出力する。
2個の受光部26は、糸Yの無振動位置(糸入口25aと糸出口25bとの間で糸Yを直線的に張り渡した状態)を中心にして線対称となるように、糸Yの振幅方向(図6の上下方向)にずらして配置してある。なお、図6の左右方向にずらしてあるのは受光部26のサイズ的(スペース的)理由によるものであり作用上の理由ではない。
すなわち、この一次側動的センサ20を使用すれば、糸Yが送り動作によって糸入口25aと糸出口25bとの間で振動するのに伴い、一方の受光部26では検出電圧が高くなり他方の受光部26では検出電圧が低くなることを利用して、これら両受光部26による検出電圧の差を経時的に監視することができる。
このような経時的な検出電圧の差は、糸Yの振動がある程度、速く生じるものであることから、図7に示すように、周波数がある程度高い波形信号として出力される。当然に、糸Yが送り動作されていないときには、検出電圧そのものが無いか、検出電圧があったとしても経時的な変化が無いか、又は風等が原因で糸Yが揺れただけであって経時的な変化が極端に遅い(周波数が低い)ものとなる。
従って、センサ回路中にコンデンサやフィルタ等を組み込むことで、図7に示すように、ある程度周波数の高い波形信号だけが出力されるようにできる。これにより、この出力
の有無から、糸Yが正常に送り動作されているか否かを判断することができる。
なお、この一次側動的センサ20は受光部26を2個設けた例として説明したが、1個でもよいし、3個以上設けてもよい。また、二次側動的センサ21においても基本的には同じ原理であるが、本実施形態において二次側動的センサ21は、1個の受光部26を有する仕様とした。
一次側動的センサ20は、図1に示すように、給糸ドラム15に糸Yが円滑に巻き付けられるように案内する第1糸ガイド27と第2糸ガイド28との間に配置されており、更に言えば、これら両糸ガイド27,28間に設けられるスラブキャッチャー29よりも更に二次側となるように配置してある。これにより、積極給糸装置2よりも一次側で糸切れが起こったとき等には、そもそもスラブキャッチャー29による給糸停止が行われるようにして、一次側動的センサ20が誤動作を発生する可能性を可及的に取り除いている。
二次側動的センサ21は、図3に示すように、積極給糸装置2の中心線L(丸編機3の回転中心から放射状に延びる線と一致)から片側へやや偏らせた配置としてある。偏らせてある方向は、給糸ドラム15からの糸Yの巻出角(中心線Lと糸Yとの交差角θとおく)が小さくなる方向である。これにより、二次側動的センサ21内を通り抜ける糸Yに対し、可及的に曲がりが生じないようにしてある。
またこの二次側動的センサ21では、図3及び図4に示すように、糸入口25aが給糸ドラム15の回転方向に沿う方向(回転慣性が作用する方向)で横長に延長形成されている。すなわち、二次側動的センサ21内を通り抜ける糸Y(=糸入口25aと糸出口25bとの間で張り渡された糸Y:以下同じ)は、給糸ドラム15が回転するのに伴い、給糸ドラム15の回転軸心に直交する方向(水平方向)で振動するようになるが、糸入口25aは、この糸Yの振動に沿った方向(振幅方向)で横長形状を呈するように形成されている。
これにより、給糸ドラム15の二次側で糸切れが起こったときに、糸Yが給糸ドラム15の回転方向へ引きずられ、二次側動的センサ21の検出可能範囲から外れやすくなるようにしてある(図3中に破線で示した糸Y1を参照)。
糸入口25aが横長とされる大きさ(延長寸法)は、糸Yが許容振幅を超えて振動するときに動的センサ21の検出範囲から外れるようにする寸法とされる。ここにおいて「糸Yの許容振幅」とは、丸編機3による糸の消費量(二次側動的センサ21から引き出される単位時間あたりの糸量に相当)と、積極給糸装置2からの給糸量(二次側動的センサ21へ送り込まれる単位時間当たりの糸量に相当)とが等しく釣り合っている場合に、二次側動的センサ21内を通り抜ける糸Yに生じ得る振幅を言う。
なお、この「二次側動的センサ21内を通り抜ける糸Y」の振幅は、丸編機3での編成内容(編み組織や糸質、周糸長、筒径、回転数など)に応じて変位する糸速の高低に伴い、これと連動して大きくなったり小さくなったりする。従って当然に、ここにおいて基準として決定する「糸Yの許容振幅」についても、所定の範囲を有したものとして決定する。
このようなことから、糸Yの送り速度が異常な低速となって弛みが生じたときなど、それに伴って振幅が許容振幅を超えて大きくなったときにも、この二次側動的センサ21が糸Yを検出しない状態になる。例えば、丸編機3においてシリンダ針7又はダイヤル針8の一方で何らかの異常が発生し、糸Yを編まない状態(丸編機3による糸Yの消費量が積極給糸装置2からの給糸量に満たない(半減した)状態)になり、給糸ドラム15の一次側と二次側とで糸Yの送り量にアンバランスが発生したときには、これを糸Yの送りに対する異常として検出できることになる。
なお、糸Yの振幅が許容振幅を超えて大きくなるのは、糸Yの送り速度が異常な低速になって弛みに繋がった場合だけでなく、糸切れしたときの糸端が糸入口25aから二次側動的センサ21内に入った状態のまま、揺れているような場合も含まれる。従って当然に、このような糸切れに関しても、糸Yの送りに対して異常が発生したものと判断できることになる。
糸速検出部22は、図1及び図5に示すように、給糸ドラム15の外周部に設けた検出
点30と、給糸ドラム15の回転時に検出点30を定点で検出する回転センサ31とを有している。本実施形態では、検出点30がマグネットにより形成されたものとし、回転センサ31が積極給糸装置2に埋め込んだ磁気センサであるものとしてある。
すなわち、給糸ドラム15が回転するのに伴って検出点30が回転センサ31を横切るようになることで、回転センサ31が磁界の強さやその変化を捕捉し、給糸ドラム15のドラム回転数として検出できるようになっている。言うまでもなく、このドラム回転数が検出できればそのドラム径によって給糸速度を求めることができるのである。
処理部23は、図9に示すように前記した一次側、二次側の各動的センサ20,21と糸速検出部22、そして給糸ドラム15の駆動部12との間で、それぞれ信号の入出力を行えるように接続されている。またこの処理部23はタイマー35を有している。
この処理部23は以下のような動作をする。まず一次側動的センサ20を用いて、給糸ドラム15へ向けて糸Yが送り動作されているか否かを判断する。具体的には、図7に示すように、一次側動的センサ20による出力が0V〜12Vの範囲内で6Vを中心とする波形として現れるように設定して(実質的にはおおよそ0.5〜10.5V程度の範囲に限られ、綺麗な波形を形成しないことが多い)、この範囲内で出力の有無を監視する。
なお、前記したように、糸Yが風等で揺れた場合のように周波数が低い出力は、センサ回路に組み込まれたコンデンサーやフィルターなどによりカットされ、波形信号としては現れない。
ここで処理部23は、所定の監視時間(例えば100ms)をタイマー35に設定して計数(カウントダウン)を開始し、この監視時間内に出力があれば糸Yが正常に送り動作をしていると判断する。例えば5.5V〜0.5V(電圧値の設定は任意)へ向かうような波形が一つでも現れた時点で、出力が有ったと見なす。
この監視時間内に出力が確認されたとき、処理部23は、前回設定の監視時間をリセットする。そしてまた、新たに所定の監視時間をタイマー35に設定し直し、再び、この設定し直した監視時間での計数を開始して出力の有無を監視する。処理部23は、以後、このような監視動作を繰り返すものとなっている。
当然に、監視時間内に出力を検出できなければ、処理部23は、正常に糸送りがされていないと判断する。正常に糸送りがされない理由としては、一次側動的センサ20よりも一次側又は二次側で糸切れが生じた事態をはじめ、一次側動的センサ20より二次側で糸切れして生じた糸端が一次側動的センサ20内でねじれや揺れ等を起こしている事態、更には一次側動的センサ20内に風綿や糸屑などが詰まった事態などが考えられる。
前記監視時間は、糸速検出部22により出力される給糸ドラム15のドラム回転数(糸Yの給糸速度)を元に決定する。すなわち、処理部23には、給糸速度と監視時間とを一義的に関連付けたテーブル(図8参照)が予め入力されており、随時、糸速検出部22が検出した給糸速度を元に、これに応じた監視時間を選出するようにプログラムされている。
なお、テーブルにおいて給糸速度と監視時間との関係を細かく設定することは何ら問題なく行えるものであり、無段階に近い状態で設定することも可能である。
前記監視時間を随時、設定し直す理由は、給糸速度の変化に伴って一次側動的センサ20が出力する周波数も変化するためである。すなわち、例えば編み組織が複雑である場合や、筒径の大きな筒状生地を編成する場合等では、給糸する糸Yの周糸長(シリンダ5及びダイヤル6の一回転あたりに必要とされる糸の長さ)が長くなり、給糸速度は高速となる。
勿論、編成効率を上げるために丸編機3においてシリンダ5及びダイヤル6の回転数を高速化した場合も給糸速度は高速となる。このような場合、一次側動的センサ20が出力する周波数は当然に高くなるので、監視時間も短めに設定する。
反対に、糸Yが弾性糸であったり切れやすいものであったりした場合や、筒径の小さな筒状生地を編成する場合等では、給糸速度は低速となる。従ってこのような場合では、一次側動的センサ20が出力する周波数は低くなるので、監視時間も長めに設定する。
一方、処理部23は、一次側動的センサ20の場合と同様に、二次側動的センサ21を
用いて、給糸ドラム15から巻き出される糸Yが、給糸口10へ向けて送り動作されているか否かを監視する。具体的な動作内容は、上記した一次側動的センサ20の場合と略同じである。
なお、二次側動的センサ21で正常に糸送りがされない理由としては、二次側動的センサ21より二次側での糸切れ等であることが多い。
前記したように、この二次側動的センサ21に関しては、丸編機3による糸Yの消費量が積極給糸装置2からの給糸量に満たない状態になったときなど、給糸ドラム15の一次側と二次側とで糸Yの送り量にアンバランスが発生したときに、速やかに、糸Yに対する検出信号を出力しない状態となる。従って処理部23は、このような状態を含めて糸Yの送りに対する異常(正常な送り動作ができていない)として判断する。
処理部23は、これら一次側動的センサ20及び二次側動的センサ21の両方が糸Yの正常な送り動作を検出しているときには何もせず、いずれか一方でも、糸送りがされていないことを判断したときに、給糸ドラム15の駆動部12に対して停止信号を出力する。
以上、詳説した処理部23の動作を図10に示したフローチャートに基づいて説明すると次のようになる。
すなわち、丸編機3によるシリンダ5及びダイヤル6の回転に伴い、積極給糸装置2が給糸ドラム15を回転させ、給糸を開始すると、処理部23は一次側動的センサ20及び二次側動的センサ21を用いて正常な送り動作を検出しているか否かの監視を始める(ステップ100参照)。
処理部23は、糸速検出部22が検出した給糸ドラム15のドラム回転数(糸Yの給糸速度)を元に、適合する監視時間をテーブルから選出し、この監視時間をタイマー35に設定する(ステップ105参照)。
そして、タイマー35が監視時間の計数(カウントダウン)を開始後、計数が満了(監視時間が経過し終了)するまでの間に、一次側動的センサ20及び二次側動的センサ21が出力したか否かを監視する(ステップ107〜110参照)。
処理部23は、一次側動的センサ20及び二次側動的センサ21の両方で出力が確認できたときには、その時点で、糸速検出部22が検出した給糸速度を元に、適合する監視時間をテーブルから選出し、この監視時間をタイマー35に設定し直す、というルーチンを以後繰り返す(ステップ112→101〜105参照)。
もし、一次側動的センサ20又は二次側動的センサ21のいずれか一方でも、出力を検出できないとき、或いは出力の検出時点で監視時間の計数が満了していたときには、処理部23は糸Yの送り動作が異常である(糸切れが起こっている)と判断して、給糸ドラム15の駆動部12に停止信号を出力する(ステップ112→113参照)。
これらの制御を丸編機3側から、又は人為的な操作によって停止信号が出力されるまで繰り返すようになっている。
以上、詳説したところから明かなように、本発明に係る糸検出装置1では、一次側及び二次側の動的センサ20,21に非接触型のセンサを採用することにより、単なる糸Yの有無検出ではなく、糸Yが送り動作されているか否か(走っているか否か)を検出するものである。
そのため、糸切れ及び糸送り異常を確実に検出することができる。なお当然に、一次側及び二次側の動的センサ20,21は非接触型であるため、給糸中の糸に負荷(無用なテンション)を生じさせる必要はなく、従来において必須不可欠とされていたシンバルテンションも不要となる。
そのため、糸質の強弱に制限されることなく編成ができるような(汎用性を高められる)丸編機3の仕様を実現できるものである。従って例えば、無撚系の糸のように非常に切れやすい特性の糸でも、編成できるようになる。
[その他]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、糸速検出部22は回転センサ31として磁気センサを採用することが限定され
るものではなく、光学センサなどの他の非接触型センサを採用することも可能である。風綿などの塵埃から防護できる構造を採用できれば、非接触型でなく接触型とすることも不可能ではない。
また、給糸ドラム15の回転数ではなく、給糸ドラム15を回転させるための駆動側から得られる各種データを元に、給糸速度を認識するような構成としてもよい。例えば、駆動プーリ14の回転数や伝動手段13の走行速度等を検出して給糸速度に換算したり、場合によっては駆動部(モータ)12の回転数や入出力電圧値、電流値などから給糸速度に換算したりする構成に置換することもできる。
一次側動的センサ20及び二次側動的センサ21についても、光学センサ以外に、例えば圧電センサ(真空状態にして使用)などを採用することが可能である。
積極給糸装置2の細部構造や、これを適用する編機(丸編機3など)の構成も、何ら限定されるものではない。
本発明に係る糸検出装置1は、積極給糸装置2に対して実施すること自体、限定されるものではない。
1 糸検出装置
2 積極給糸装置
3 丸編機
12 駆動部
15 給糸ドラム
20 動的センサ(一次側動的センサ)
21 動的センサ(二次側動的センサ)
22 給糸速検出部
23 処理部
25a 糸入口
25b 糸出口
30 検出点
31 回転センサ
Y 糸

Claims (6)

  1. 糸(Y)を張り渡し状態に保持させる糸入口(25a)及び糸出口(25b)と、
    これら両口(25a,25b)間で張り渡し状態にされた糸(Y)を非接触にて検出する動的センサ(21)と、
    この動的センサ(21)が糸(Y)の振動に伴って出力する波形信号から糸(Y)の送り動作を判断する処理部(23)とを有しており、
    前記糸入口(25a)は、糸(Y)が許容振幅を超えて振動するときに前記動的センサ(21)の検出範囲から外れるように振幅方向に拡大形成されている
    ことを特徴とする糸検出装置。
  2. 前記糸入口(25a)及び糸出口(25b)は、駆動部(12)によって駆動回転可能とされた給糸ドラム(15)を有する積極給糸装置(2)に対して前記給糸ドラム(15)の二次側に設けられており、
    前記糸入口(25a)は、前記給糸ドラム(15)の回転方向に沿って回転慣性が作用する方向で横長に延長形成されていることを特徴とする請求項1記載の糸検出装置。
  3. 前記処理部(23)は、前記動的センサ(21)が糸(Y)の正常な送り動作を検出しないときに前記給糸ドラム(15)の駆動部(12)に対して停止信号を出力する構成となっていることを特徴とする請求項2記載の糸検出装置。
  4. 前記積極給糸装置(2)により給糸される糸(Y)の給糸速度を検出可能とする糸速検出部(22)が具備されており、
    前記処理部(23)は、前記糸速検出部(22)が検出する給糸速度に対して一義的に関連付けられた監視時間を計数するタイマー(35)を有して、このタイマー(35)の計数中に前記動的センサ(21)による出力があったときだけタイマー(35)をリセットして以後の監視を続行させる構成となっていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の糸検出装置。
  5. 前記糸速検出部(22)は、前記給糸ドラム(15)の外周部に設けた検出点(30)と、給糸ドラム(15)の回転時に前記検出点(30)を定点で検出する回転センサ(31)とを有しており、この回転センサ(31)から出力されるドラム回転数を元に給糸速度を検出する構成であることを特徴とする請求項4記載の糸検出装置。
  6. 前記動的センサ(21)は光学センサにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の糸検出装置。
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