JP5430334B2 - 成形型及びプラスチックレンズの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、注型重合によって成形するプラスチックレンズの成形型及びプラスチックレンズの製造方法に関する。
プラスチックレンズは、ガラスレンズに比べて軽量であり、割れ難いなどの利点がある。そのため、プラスチックレンズは、眼鏡用レンズを始めとして種々のレンズに用いられている。眼鏡用のプラスチックレンズは、一般に注型重合によって形成されている。
注型重合とは、成形型に硬化性プラスチック原料液を注入し、熱あるいは紫外線等のエネルギーにより硬化させて成形物を得る方法である。注型重合に用いる成形型は、例えば、一対のモールドを所定の間隔をあけて対向させ、それらモールドの全周に粘着テープを貼り付けることで形成される。
このような成形型によってプラスチックレンズを製造する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、プラスチック硬化物の製造方法が記載されている。この特許文献1に記載されたプラスチック硬化物の製造方法では、モールドの全周に巻きつけた粘着テープに注入孔を設け、その注入孔からプラスチック原料液を注入する。このようにして、成形型内にプラスチック原料液を充填した後、注入孔に紫外線硬化型樹脂を塗布して成形型内の空間を封止する。
しかしながら、特許文献1に記載されたプラスチック硬化物の製造方法では、注入孔に紫外線硬化型樹脂を塗布して成形型内の空間を封止するため、成形されたプラスチックレンズにおいて、注入孔に対応する外周面に凹凸が発生する可能性があった。
また、成形型内に充填されたプラスチック原料液には、気泡が発生する場合がある。この気泡は、注入孔から成形型の外部へ抜くことができる。ところが、気泡が注入孔から抜け易くなるように注入孔を大きくすると、封止に必要な紫外線硬化樹脂を塗布する範囲が大きくなることで作業性が損なわれ、プラスチックレンズの外周面に発生する凹凸の面積も大きくなってしまう。
一方、注入孔を小さくすると、成形型から気泡が抜け難くなり、気泡が残存したプラスッチックレンズが生成されてしまう。または、気泡を抜く作業に時間を要するため、生産効率の低下を招いてしまう。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、プラスチックレンズの外周面に発生する凹凸の面積を小さくし、且つ、成形型内に生じた気泡を抜け易くすることを目的とする。
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の成形型は、対向する第1のモールド及び第2のモールドと、テープ部材と、押圧部材とを備える。テープ部材は、第1のモールド及び第2のモールドの外周間を連結して第1のモールド及び第2のモールドとの間にキャビティを形成すると共に、ノズル貫通部を有する。このノズル貫通部には、プラスチックレンズ材料を吐出するノズルが貫通する。押圧部材は、テープ部材におけるノズル貫通部の周囲の一部を押圧する。
また、本発明のプラスチックレンズの製造方法は、モールド組立工程と、押圧工程と、注入工程と、重合工程とを有する。モールド組立工程では、第1のモールドと第2のモールドを対向させ、両者の外周間をテープ部材によって連結し、キャビティを有するモールド組立体を形成する。押圧工程では、テープ部材に設けられたノズル貫通部の周囲の一部を押圧部材によって押圧する。注入工程では、ノズル貫通部にノズルを貫通させ、キャビティにプラスチックレンズ材料を注入する。重合工程では、キャビティに注入したプラスチックレンズ材料を重合させる。
本発明では、テープ部材に設けられたノズル貫通部の周囲の一部を押圧部材によって押圧して、テープ部材におけるノズル貫通部の一側をキャビティ内に押し込む。これにより、ノズル貫通部を小さくしても、気泡が抜ける開口を確保することができる。したがって、プラスチックレンズの外周面に発生する凹凸の面積を小さくすることができ、且つ、気泡を抜け易くすることができる。
本発明によれば、プラスチックレンズの外周面に発生する凹凸の面積を小さくし、且つ、キャビティ内に生じた気泡を抜け易くすることができる。
以下、本発明の成形型及びプラスチックレンズの製造方法を実施するための形態について、図1〜図9を参照して説明する。各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
<成形型の構成>
[成形型]
まず、本発明の成形型の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、成形型の一実施の形態の斜視図である。図2は、図1に示す成形型をA−A′線で断面した断面図である。図3は、成形型の一実施の形態に関わるノズル貫通部の第1の例を示す説明図である。
[成形型]
まず、本発明の成形型の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、成形型の一実施の形態の斜視図である。図2は、図1に示す成形型をA−A′線で断面した断面図である。図3は、成形型の一実施の形態に関わるノズル貫通部の第1の例を示す説明図である。
成形型1は、モールド組立体2と、押圧部材の一具体例を示す注入補助部材3と、封止部材4(図6(e)参照)とを備えている。
[モールド組立体]
モールド組立体2は、所定の間隔をあけて対向する第1のモールド21及び第2のモールド22と、これら2つのモールド21,22の外周間を連結するテープ部材23からなっている。
モールド組立体2は、所定の間隔をあけて対向する第1のモールド21及び第2のモールド22と、これら2つのモールド21,22の外周間を連結するテープ部材23からなっている。
第1のモールド21は、略円板状に形成されており、凹面からなるレンズ形成面21aを有している(図2参照)。また、第2のモールド22は、第1のモールド21と等しい径の略円板状に形成されている。この第2のモールド22は、凸面からなるレンズ形成面22aを有している。第2のモールド22のレンズ形成面22aは、第1のモールド21のレンズ形成面21aに対向する。
第1及び第2のモールド21,22は、例えば、金型に溶融ガラスを流し込むことで成形されたものを、所定の曲率半径に面を研磨して最終成形している。なお、本実施の形態では、ガラスによって第1及び第2のモールド21,22を形成したが、本発明に係る第1及び第2のモールドは、樹脂や金属によって形成することもできる。また、第1のモールド、第2のモールドを別々の材料で形成してもよい。
テープ部材23は、いわゆる粘着テープであり、第1及び第2のモールド21,22の外周に1周以上巻回されて貼り付けられている。テープ部材23の幅は、第1及び第2のモールド21,22の外周面の少なくともモールドの保持が可能な程度で、モールド外周部の一部を覆うことができる、または全て覆い突出する長さに設定されている。したがって、本発明に係るテープ部材の幅としては、第1及び第2のモールド21,22間の間隙を密閉する長さであればよい。
テープ部材23と、第1及び第2のモールド21,22のレンズ形成面21a,22aによって囲まれた空間は、キャビティ24になる。このキャビティ24には、プラスチックレンズ材料51(図6参照)が注入される。
テープ部材23は、基材と、この基材の片面(粘着面)に形成された粘着層からなる。テープ部材23の基材としては、例えば、ポリエステルを挙げることができる。一方、粘着層としては、例えば、プラスチックレンズ材料51に溶け出したり、重合を阻害したりしないものがよく、例えば、シリコーン系の粘着剤などを挙げることができる。
図3に示すように、テープ部材23は、ノズル101(図6(c)参照)が貫通するノズル貫通部23aを有している。このノズル貫通部23aは、テープ部材23に1本のスリットを設けることにより形成されている。このスリットは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状に形成されており、補助部材本体31に設けた第1の開口部34Aの長手方向の長さと略等しい長さになっている。つまり、ノズル貫通部23aは、第1及び第2のモールド21,22が対向する方向に直交する直線状のスリットからなっている。
したがって、凸レンズのように中心部が厚く周辺部が薄い形状のレンズキャビティーにおいても、幅を持った扁平形状のノズルを使用することが可能である。そして、幅を持った扁平形状のノズルを使用すると、注射針のような細い円筒状のノズルと比較して流量を多くすることができるため、プラスチックレンズ材料の注入を効率良く行うことができる。
[注入補助部材]
次に、注入補助部材3について、図1、図2及び図4を参照して説明する。
図4は、注入補助部材3の斜視図である。
次に、注入補助部材3について、図1、図2及び図4を参照して説明する。
図4は、注入補助部材3の斜視図である。
注入補助部材3は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの加工が容易な熱可塑性樹脂を射出成形することによって形成される。この注入補助部材3は、略四角形の筒状に形成された補助部材本体31と、補助部材本体31の一端に連続する取付片32と、モールド組立体2に設けられたノズル貫通部23aの周囲の一部を押圧する突起33を備えている。
補助部材本体31は、第1の開口部34Aと、第1の開口部34Aに対向する第2の開口部34Bを備えている。図4に示すように、第1の開口部34Aは、細長の略長方形に形成されている。一方、第2の開口部34Bは、略四角形に形成されている(図1参照)。そして、第1の開口部34Aの開口面積は、第2の開口部34Bの開口面積よりも小さくなっている。
補助部材本体31は、第1の側板部35と、この第1の側板部35に対向する第2の側板部36と、これら第1及び第2の側板部35,36に略直交する第3の側板部38及び第4の側板部と、第2の側板部36に連続する傾斜板部37を有している。第1の側板部35は、第1の開口部34Aと第2の開口部34Bの一辺を形成し、両開口部34A,34Bが対向する方向に平行な平面35aを有している(図2参照)。
第2の側板部36は、第2の開口部34Bの一辺を形成し、第1の側板部35の平面35aと平行な平面36aを有している。傾斜板部37は、第1の開口部34Aの一辺を形成し、両開口部34A,34Bが対向する方向に対して傾斜している。つまり、傾斜板部37の平面37aは、第2の側板部36の平面36aに対して傾斜している。これにより、補助部材本体31の内部空間31aは、第1の開口部34A側に向かうにつれて狭くなっている(図2参照)。
また、第3及び第4の側板部38,39は、それぞれ第1及び第2の側板部35,36と傾斜板部37に連続しており、第1の開口部34Aと第2の開口部34Bの一辺を形成する。第1及び第2の側板部35,36の平面35a,36aと、傾斜板部37の平面37aは、ノズル101(図6(d)参照)を案内するガイド面となる。
第2の開口部34Bの周縁部には、固定片41が設けられている。この固定片41は、第1の側板部35、第2の側板部36、第3の側板部38及び第4の側板部39に連続して四角形の枠状に形成されている(図1参照)。この固定片41には、封止部材4(図6(e)参照)が密着して固定される。
取付片32は、第1の開口部34Aの周縁部に連続する略長方形の枠状に形成されている。この取付片32は、円弧状に湾曲しており、モールド組立体2の外周面に対応した曲面32aを有している。つまり、取付片32の曲面32aの曲率半径は、モールド組立体2の外周面の曲率半径と略等しくなるように設定されている。モールド組立体2の外周面を形成するテープ部材23に取付片32の曲面32aを固着することにより、注入補助部材3がモールド組立体2に取り付けられる。
突起33は、第1の開口部34Aの周縁部に設けられている。この突起33は、傾斜板部37によって形成される第1の開口部34Aの一方の長辺側に配置されており、両開口部34A,34Bが対向する方向に突出している。突起33は、第1の開口部34Aの長辺と平行な板体からなり、ノズル貫通部23aの周囲の一部に接触する接触面33aを有している。この接触面33aは、円弧状の曲面になっている。
[接着部材]
次に、接着部材45について、図5を参照して説明する。
図5は、接着部材45の斜視図である。
次に、接着部材45について、図5を参照して説明する。
図5は、接着部材45の斜視図である。
接着部材45は、取付片32の曲面32aをモールド組立体2の外周面に固着するための両面粘着テープである。この接着部材45は、取付片32と略等しい大きさに設定された長方形のシート状に形成されており、貫通孔45aを有している。この貫通孔45aは、注入補助部材3の第1の開口部34Aを露出させると共に突起33を貫通させる長方形に形成されている。
接着部材45は、ポリエチレンの基材と、アクリル系の粘着剤からなる接着層を有する。この接着部材45の基材としては、ポリエステル、布系などを用いてもよい。また、粘着層としては、プラスチックレンズ材料51(図6参照)に溶け出したり、重合を阻害したりしないものがよく、シリコーン系の他にゴム系の粘着剤を用いてもよい。
本実施の形態では、接着部材として両面粘着テープを用いた。しかしながら、本発明に係る粘着部材としては、プラスチックレンズ材料51(図6参照)に溶け出して密着性を損なわなければ、常温硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、ホットメルト接着剤などを用いてもよい。
[封止部材]
次に、封止部材4について説明する。
封止部材4(図6(d)参照)は、補助部材本体31の固定片41の外形と略等しい四角形のシート状に形成されている。この封止部材4は、ヒートシール方法又は接着剤等を用いて固定片41に密着して固定される。
次に、封止部材4について説明する。
封止部材4(図6(d)参照)は、補助部材本体31の固定片41の外形と略等しい四角形のシート状に形成されている。この封止部材4は、ヒートシール方法又は接着剤等を用いて固定片41に密着して固定される。
〈プラスチックレンズの製造方法〉
次に、成形型1を用いて行われる本発明のプラスチックレンズの製造方法について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、本発明のプラスチックレンズの製造方法を説明する説明図である。図7は、注入補助部材3がテープ部材23を押圧した状態を示す説明図である。
次に、成形型1を用いて行われる本発明のプラスチックレンズの製造方法について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、本発明のプラスチックレンズの製造方法を説明する説明図である。図7は、注入補助部材3がテープ部材23を押圧した状態を示す説明図である。
成形型1を用いて行われるプラスチックレンズの製造方法では、モールド組立工程と、押圧工程(補助部材取付工程)と、注入工程と、封止工程と、重合工程が行われる。
[モールド組立工程]
まず、モールド組立工程について、図6(a)を参照して説明する。
モールド組立工程では、第1のモールド21と第2のモールド22を所定の間隔をあけて対向させ、両者の外周間をテープ部材23によって連結する。これにより、モールド組立体2が組み立てられる。このモールド組立体2には、第1及び第2のモールド21,22のレンズ形成面21a,22aと、テープ部材23によって密閉されたキャビティ24が形成される。
まず、モールド組立工程について、図6(a)を参照して説明する。
モールド組立工程では、第1のモールド21と第2のモールド22を所定の間隔をあけて対向させ、両者の外周間をテープ部材23によって連結する。これにより、モールド組立体2が組み立てられる。このモールド組立体2には、第1及び第2のモールド21,22のレンズ形成面21a,22aと、テープ部材23によって密閉されたキャビティ24が形成される。
次に、テープ部材23にノズル貫通部23aを設ける。このノズル貫通部23aは、例えば、工具やレーザなどを用いてテープ部材23に直線状の切り込みを入れることにより形成される。なお、ノズル貫通部23aは、第1のモールド21と第2のモールド22の外周間を連結する前に、テープ部材23に形成しておいてもよい。
[押圧工程]
次に、押圧工程について、図6(b)及び図7を参照して説明する。
押圧工程では、注入補助部材3をモールド組立体2に取り付ける。つまり、注入補助部材3に設けた取付片32の曲面32aを、モールド組立体2の外周面に接着部材45によって密着させて固定する。
次に、押圧工程について、図6(b)及び図7を参照して説明する。
押圧工程では、注入補助部材3をモールド組立体2に取り付ける。つまり、注入補助部材3に設けた取付片32の曲面32aを、モールド組立体2の外周面に接着部材45によって密着させて固定する。
取付片32の曲面32aは、モールド組立体2の外周面に対応した(略同一の)曲率半径に設定されている。そのため、取付片32の曲面32aをモールド組立体2の外周面に確実に密着させることができる。
注入補助部材3は、第1の開口部34Aの短手方向の中央がノズル貫通部23aに略一致するようにモールド組立体2に取り付けられる。これにより、注入補助部材3の突起33が、モールド組立体2に設けられたノズル貫通部23aの周囲であってノズル貫通部23aの短手方向の一側を押圧する。その結果、テープ部材23におけるノズル貫通部23aの一側がキャビティ24内に押し込まれ、開口48が形成される(図7参照)。すなわち、スリットであるノズル貫通部23aに、後述するプラスチックレンズ材料51に生じた気泡が抜ける開口48が形成される。
このとき、円弧状の曲面である突起33の接触面33aが、テープ部材23に面接触する。したがって、テープ部材23を突起33で傷つけないようにすることができる。また、テープ部材23を突起33の接触面33aに沿うように変形させることができるため、各成形型のテープ部材23の張力にバラツキがあっても略等しい大きさの開口48を形成することができる。
また、注入補助部材3をモールド組立体2に取り付けると、第1の開口部34Aは、第2のモールド22のレンズ形成面22a側に配置される。つまり、第1の開口部34Aがキャビティ24の外周に対向され、且つ、第1の開口部34Aの延長線が第2のモールド22のレンズ形成面22aに交わる。
[注入工程]
次に、注入工程について、図6(c)を参照して説明する。
注入工程では、注入補助部材3の第2の開口部34Bからノズル101を挿入し、キャビティ24にプラスチックレンズ材料51を注入する。
次に、注入工程について、図6(c)を参照して説明する。
注入工程では、注入補助部材3の第2の開口部34Bからノズル101を挿入し、キャビティ24にプラスチックレンズ材料51を注入する。
ここで、プラスチックレンズ材料51について説明する。本実施の形態では、熱により重合して硬化する熱硬化性樹脂組成物をプラスチックレンズ材料51として用いる。具体的には、プラスチックレンズ材料51として、ビスイソシアナトメチルビシクロヘプタンと、1−メルカプト−2,3−ビスメルカプトエチルチオプロパンと、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネートを混合し、重合触媒としてジブチルチンジクロライドを用いたモノマーを用いる。
本発明に係るプラスチックレンズ材料51としては、上述したような熱硬化性樹脂組成物の他に、紫外線等の光により重合し硬化する光硬化性樹脂組成物を用いることができる。光硬化性樹脂組成物は、光硬化性モノマーと、光重合開始剤とを含有するものである。
第2の開口部34Bから挿入されたノズル101は、注入補助部材3の第1の側板部35に沿って案内され、その先端部101aがノズル貫通部23aを貫通してキャビティ24に挿入される。このとき、テープ部材23におけるノズル貫通部23aの一側が突起33によってキャビティ24内に押し込まれているため、ノズル貫通部23aにノズル101を容易に貫通させることができる。
その後、ノズル101からプラスチックレンズ材料51が吐出される。ノズル101から吐出されるプラスチックレンズ材料51は、まず、第2のモールド22のレンズ形成面22aを伝わってキャビティ24に充填される。そのため、キャビティ24に充填されたプラスチックレンズ材料51に気泡が生じることを抑制することができる。
その後、プラスチックレンズ材料51の注入を進めると、プラスチックレンズ材料51がキャビティ24を満たして、ノズル貫通部23aから注入補助部材3の内部空間31aにあふれ出る。プラスチックレンズ材料51の注入は、注入補助部材3の内部空間31aに適量のプラスチックレンズ材料51が溜まるまで行う(図6(d)参照)。プラスチックレンズ材料51の注入が終了すると、ノズル101は、注入補助部材3から引き出される。
このとき、キャビティ24内のプラスチックレンズ材料51に気泡が生じていても、開口48(図7参照)からキャビティ24の外側、つまり、注入補助部材3の内部空間31aへ気泡を排出することができる。
[封止工程]
次に、封止工程について、図6(d)を参照して説明する。
封止工程では、注入補助部材3の第2の開口部34Bを封止部材4によって封止する。
次に、封止工程について、図6(d)を参照して説明する。
封止工程では、注入補助部材3の第2の開口部34Bを封止部材4によって封止する。
本実施の形態では、ヒートシール方法によって封止部材4を固定片41に密着させて固定する。これにより、キャビティ24及びキャビティ24に連通する注入補助部材3の内部空間31aが密閉される。上述したように、注入補助部材3の内部空間31aに適量のプラスチックレンズ材料51が溜まると、プラスチックレンズ材料51の注入が終了される。そのため、プラスチックレンズ材料51は、注入補助部材3の内部空間31aを満たすことはなく、また液量の多少の増減が起きても不良発生の要因とはならない。
したがって、封止工程では、封止部材4がプラスチックレンズ材料51に触れることがなく、プラスチックレンズ材料51の影響を受けずに第2の開口部34Bを確実に封止することができる。また、第2の開口部34Bを封止部材4によって簡単に封止することができ、作業性を向上させることができる。
図8は、封止工程を終えた状態の成形型1を示す説明図である。
図8に示すように、封止工程を終えた成形型1は、注入補助部材3の第1の側板部35を下方に向けて載置することができる。
図8に示すように、封止工程を終えた成形型1は、注入補助部材3の第1の側板部35を下方に向けて載置することができる。
このとき、注入補助部材3の内部空間31a内のプラスチックレンズ材料51の液面が、第1のモールド21のレンズ形成面21aよりも高ければ、内部空間31a内の気体(空気)がキャビティ24に入り込むことはない。つまり、上述した適量のプラスチックレンズ材料51とは、プラスチックレンズ材料51の液面が第1のモールド21のレンズ形成面21aよりも高くなる量である。
[重合工程]
次に、重合工程について説明する。
重合工程では、キャビティ24に注入したプラスチックレンズ材料51を重合させる。
次に、重合工程について説明する。
重合工程では、キャビティ24に注入したプラスチックレンズ材料51を重合させる。
本実施の形態では、プラスチックレンズ材料51を充填した成形型1を加熱炉(不図示)に入れて重合させる。これにより、プラスチックレンズ材料51が硬化し、プラスチックレンズ(不図示)が形成される。本例では、加熱炉内の温度を約20時間かけて120℃まで昇温したが、封止部材4によって封止された注入補助部材3の内部空間31a及びキャビティ24の密閉性が損なわれることはなかった。
なお、プラスチックレンズ材料として、光硬化性樹脂組成物を用いた場合は、光照射装置によって紫外線、可視光線などの光をプラスチックレンズ材料に照射して重合させる。
重合工程が終了すると、硬化したプラスチックレンズ材料51を離型して、プラスチックレンズを取り出す。取り出されたプラスチックレンズは、例えば、フィニッシュドレンズやセミフィニッシュドレンズになる。
フィニッシュドレンズは、両方の光学面が成型時に完成されている。一方、セミフィニッシュドレンズは、一方の光学面が成型時に完成されており、他方の面を受注等によって対応する度数に個々に切削される。このセミフィニッシュドレンズは、累進屈折力レンズやプリズム処方レンズなどの特殊レンズに採用できる。
本実施の形態の成形型1及びプラスチックレンズの製造方法によれば、テープ部材23に設けたノズル貫通部23aの周囲であってノズル貫通部23aの短手方向の一側を注入補助部材3の突起33によって押圧する。これにより、テープ部材23におけるノズル貫通部23aの一側がキャビティ24側に押し込まれ、ノズル貫通部23aに気泡が抜ける開口が形成される。その結果、ノズル101を貫通させる開口を小さくしても、気泡が抜ける開口を確保することができる。したがって、プラスチックレンズの外周面に発生する凹凸の面積を小さくすることができ、且つ、気泡を抜け易くすることができる。
本実施の形態の成形型1及びプラスチックレンズの製造方法によれば、キャビティ24を満たしてノズル貫通部23aから溢れ出したプラスチックレンズ材料51を、注入補助部材3の内部空間31aに溜めることができる。したがって、キャビティに注入するプラスチックレンズ材料の液面の高さを精密に制御する必要はない。しかも、プラスチックレンズ材料51の注入工程において、プラスチックレンズ材料51が成形型1の外部に漏れることを防止する。これにより、注入工程や重合工程に用いる機器、作業者などにプラスチックレンズ材料51が付着する心配がない。
本実施の形態の成形型1及びプラスチックレンズの製造方法によれば、注入補助部材3の第2の開口部34Bを封止部材4によって封止する。そのため、注入補助部材3を封止する作業が煩雑になることはなく、キャビティ24を簡単に密閉することができる。
本実施の形態の成形型1及びプラスチックレンズの製造方法によれば、ノズル101から吐出されるプラスチックレンズ材料51が、第2のモールド22のレンズ形成面22aを伝わってキャビティ24に充填される。これにより、キャビティ24に充填されたプラスチックレンズ材料51に気泡が生じることを抑制することができる。
本実施の形態の成形型1によれば、線状のスリットによってノズル貫通部23aを形成したため、ノズル101を貫通させたたきの開口を小さくすることができる。また、ノズル貫通部23aを簡単に形成することができると共に、加工形状が単純であるため、加工の方法も多くの選択肢から選択することが可能となる。また、テープ部材23の切れ端が発生することが無く、キャビティ24内のプラスチックレンズ材料51に混入することを防止することができる。
また、本実施の形態の成形型1によれば、突起33がテープ部材におけるノズル貫通部の一側をキャビティ24内に押し込む。そのため、押し込まれたテープ部材23側に気泡が位置しても、成形型1を傾けることにより、その気泡を開口48側へ簡単に移動させることができる。その結果、キャビティ24内のプラスチックレンズ材料51に生じた気泡を開口48から容易に排出させることができる。
本実施の形態の成形型1によれば、注入補助部材3に設けた取付片32の曲面32aの曲率半径を、モールド組立体2の外周面の曲率半径と略等しくした。そのため、取付片32の曲面32aをモールド組立体2の外周面に密着させることができる。その結果、注入補助部材3の内部空間31a及びキャビティ24を確実に密閉することができる。
本実施の形態の成形型1によれば、第2の開口部34Bが第1の開口部34Aよりも大きくなっている。したがって、ノズル101を注入補助部材3に容易に挿入させることができる。また、第1の開口部34Aが細長の略長方形に形成されているため、外周部分の厚みが薄いプラスチックレンズを形成する場合にも、第1の開口部34Aをキャビティの外周に対向させることができる。また、ノズル101に対して第2の開口部34Bを大きく形成できるため、挿入作業におけるノズル101及び成形型1の位置制御を高精度に行う必要がなく、ノズル101の注入補助部材3への挿入作業を簡単にすることができる。
本実施の形態の成形型1によれば、注入補助部材3の内部空間31aが第1の開口部34A側に至るに連れて狭くなっている。そして、第1の側板部35は、第1の開口部34Aと第2の開口部34Bの一辺を形成し、両開口部34A,34Bが開口される方向に平行な平面を有している。一方、傾斜板部37は、第1の開口部34Aの一辺を形成し、両開口部34A,34Bが開口される方向に対して傾斜している。
したがって、注入補助部材3の第1の側板部35を下方に向けて載置しても、内部空間31a内の気体(空気)がキャビティ24に入り込むことはない。しかも、第1の側板部35の平面に沿ってノズル101を挿入することにより、ノズル101の先端部101aをキャビティ24に簡単に挿入することができる。
〈ノズル貫通部のその他の例〉
次に、本発明の成形型に係るノズル貫通部のその他の例について、図9を参照して説明する。
図9は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の例を示す説明図である。
次に、本発明の成形型に係るノズル貫通部のその他の例について、図9を参照して説明する。
図9は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の例を示す説明図である。
[ノズル貫通部の第2の例]
図9(a)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第2の例を示す説明図である。
図9(a)に示すように、ノズル貫通部23bは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット71aと、この第1スリット71aに略直交し、第1スリット71aの中央部に接続される第2スリット71bからなっている。第1スリット71aは、補助部材本体31に設けた第1の開口部34Aの長手方向の長さと略等しい長さになっている。
図9(a)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第2の例を示す説明図である。
図9(a)に示すように、ノズル貫通部23bは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット71aと、この第1スリット71aに略直交し、第1スリット71aの中央部に接続される第2スリット71bからなっている。第1スリット71aは、補助部材本体31に設けた第1の開口部34Aの長手方向の長さと略等しい長さになっている。
注入補助部材3(図6参照)は、第1の開口部34Aの短手方向の中央がノズル貫通部23bの第1スリット71aに略一致するようにモールド組立体2に取り付けられる。このとき、注入補助部材3の突起33が、ノズル貫通部23bの第2スリット71bを横断するようにして、ノズル貫通部23aの周囲の一部を押圧する。その結果、テープ部材23におけるノズル貫通部23aの一側がキャビティ24内に押し込まれ、プラスチックレンズ材料51に生じた気泡が抜ける開口(不図示)が形成される。
[ノズル貫通部の第3の例]
図9(b)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第3の例を示す説明図である。
図9(b)に示すように、ノズル貫通部23cは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット72aと、この第1スリット72aに略直交する第2スリット72b及び第3スリット72cからなっている。
図9(b)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第3の例を示す説明図である。
図9(b)に示すように、ノズル貫通部23cは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット72aと、この第1スリット72aに略直交する第2スリット72b及び第3スリット72cからなっている。
第1スリット72aは、補助部材本体31に設けた第1の開口部34Aの長手方向の長さと略等しい長さになっている。第2スリット72b及び第3スリット72cは、第1スリット72aの長手方向の中央を挟んでその長手方向に適当な間隔をあけて配置され、それぞれ第1スリット72aに接続されている。
注入補助部材3(図6参照)は、第1の開口部34Aの短手方向の中央がノズル貫通部23cの第1スリット72aに略一致するようにモールド組立体2に取り付けられる。このとき、注入補助部材3の突起33が、テープ部材23におけるスリット72b,72c間を押圧する。その結果、テープ部材23におけるスリット72b,72c間がキャビティ24内に押し込まれ、プラスチックレンズ材料51に生じた気泡が抜ける開口(不図示)が形成される。
[ノズル貫通部の第4の例]
図9(c)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第4の例を示す説明図である。
図9(c)に示すように、ノズル貫通部23dは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット73aと、この第1スリット73aの一端に直交する第2スリット73bと、他端に略直交する第3スリット73cからなっている。
図9(c)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第4の例を示す説明図である。
図9(c)に示すように、ノズル貫通部23dは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット73aと、この第1スリット73aの一端に直交する第2スリット73bと、他端に略直交する第3スリット73cからなっている。
第1スリット73aは、補助部材本体31に設けた第1の開口部34Aの長手方向の長さと略等しい長さになっている。第2スリット73b及び第3スリット73cは、第1の開口部34Aの短手方向の長さよりも長くなっており、それぞれ第1スリット73aに接続されている。
注入補助部材3(図6参照)は、突起33の一辺がノズル貫通部23dの第1スリット73aに略一致するようにモールド組立体2に取り付けられる。これにより、注入補助部材3の突起33が、テープ部材23における第1スリット73aの第2及び第3スリット73b,73c側を押圧する。その結果、テープ部材23における3つのスリット73a〜73cに囲まれた部分がキャビティ24内に押し込まれ、プラスチックレンズ材料51に生じた気泡が抜ける開口(不図示)が形成される。
[ノズル貫通部の第5の例]
図9(d)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第5の例を示す説明図である。
図9(d)に示すように、ノズル貫通部23eは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット74aと、この第1スリット74aの一端に直交する第2スリット74bと、他端に略直交する第3スリット74cからなっている。
図9(d)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第5の例を示す説明図である。
図9(d)に示すように、ノズル貫通部23eは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット74aと、この第1スリット74aの一端に直交する第2スリット74bと、他端に略直交する第3スリット74cからなっている。
第1スリット74aは、補助部材本体31に設けた第1の開口部34Aの長手方向の長さと略等しい長さになっている。第2スリット74b及び第3スリット74cは、第1の開口部34Aの短手方向の長さよりも長くなっており、それぞれ第1スリット74aに接続されている。
注入補助部材3(図6参照)は、突起33がノズル貫通部23dの第2スリット74b及び第3スリット74cの先端部間の中央に当接するようにモールド組立体2に取り付けられる。これにより、テープ部材23における3つのスリット73a〜73cに囲まれた部分が注入補助部材3の突起33に押圧されてキャビティ24内に押し込まれる。その結果、ノズル貫通部23dにプラスチックレンズ材料51に生じた気泡が抜ける開口(不図示)が形成される。
[ノズル貫通部の第6の例]
図9(e)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第6の例を示す説明図である。
図9(e)に示すように、ノズル貫通部23fは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット75a及び第2スリット75bと、これら2つのスリット75a,75bの一端を連結する第3スリット75cからなっている。
図9(e)は、本発明の成形型に係るノズル貫通部の第6の例を示す説明図である。
図9(e)に示すように、ノズル貫通部23fは、テープ部材23の長手方向と平行な直線状の第1スリット75a及び第2スリット75bと、これら2つのスリット75a,75bの一端を連結する第3スリット75cからなっている。
第1スリット75a及び第2スリット75bは、テープ部材23の短手方向に対向しており、補助部材本体31に設けた第1の開口部34Aの長手方向の長さと略等しい長さになっている。第3スリット75cは、2つのスリット75a,75bに略直交し、第1の開口部34Aの短手方向の長さよりも長くなっている。また、第1スリット75a及び第2スリット75bの他端には、3つのスリット75a〜75cに囲まれた部分とその以外のテープ部材23の領域との接続部を小さくする2つのスリット75dが設けられている。
注入補助部材3(図6参照)は、突起33の一辺がノズル貫通部23dの第1スリット75aに略一致するようにモールド組立体2に取り付けられる。これにより、注入補助部材3の突起33が、テープ部材23における2つのスリット75a,75b間を押圧する。その結果、テープ部材23における3つのスリット75a〜75cに囲まれた部分がキャビティ24内に押し込まれ、プラスチックレンズ材料51に生じた気泡が抜ける開口(不図示)が形成される。
以上説明したように、本発明に係るノズル貫通部は、複数のスリットによって形成することもできる。また、本発明に係るノズル貫通部の形状を適宜設定することにより、テープ部材23のキャビティ24内に押し込まれる部分の形状を変更することが可能である。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施の形態では、第1のモールド21のレンズ形成面21aを凹面とし、第2のモールド22のレンズ形成面22aを凸面とした。しかしながら、本発明に係るレンズ形成面としては、形成するプラスチックレンズの形状に応じて適宜設定することができる。
本実施の形態の成形型1では、テープ部材23に直線状のスリットを設けることによりノズル貫通部23aを形成した。しかしながら、本発明に係るノズル貫通部は、曲線状のスリットから形成することもできる。また、テープ部材の長手方向の両端を付き合わせることにより形成してもよい。
また、本発明に係るノズル貫通部としては、線状のスリットによって形成することに限定されるものではなく、例えば、開口部にしてもよい。この場合においても、突起33によって開口部の周囲の一部を押圧することにより、気泡が抜ける空間を形成することができる。
本実施の形態の成形型1では、注入補助部材3に設けた突起33の接触面を円弧状の曲面に形成した。しかしながら、本発明に係る突起の接触面としては、例えば、球面や平面にすることもできる。また、本発明に係る突起としては、板状に限定されるものではなく、円柱状、角柱状、半球状などその他の形状にしてもよい。さらに、本発明に係る突起の数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上にしてもよい。
本実施の形態の成形型1では、第1の開口部34Aの周縁部に突起33を設けた。しかしながら、本発明に係る突起は、取付片32に設けることもできる。また、本発明に係る突起の突出する長さを変えることにより、ノズル貫通部に形成される開口の大きさを変更することができる。
本実施の形態の成形型1では、取付片32の曲面32aの曲率半径を、モールド組立体2の外周面の曲率半径と略等しくした。しかしながら、本発明に係る取付片としては、曲面の曲率半径を変化させる方向に弾性変形可能に構成してもよい。このように構成すると、外周面の曲率半径が異なる各モールド組立体に対して共通の注入補助部材を用いることができ、汎用性を向上させることができる。
また、本実施の形態の成形型1では、封止部材4によって注入補助部材3の第2の開口部34Bを封止した。しかしながら、本発明に係る注入補助部材の第2の開口部は、注入補助部材自体を超音波等で溶着して封止することもできる。その場合は、注入補助部材が封止部材を兼ねる。
注入補助部材自体を超音波等で溶着して第2の開口部封止する場合は、第2の開口部を、それぞれ独立した2つの管形状の孔部にするとよい。2つの管形状の孔部のうち一方の孔部は、ノズルを挿入するための挿入用孔になり、他方の孔部は、内部空間31a内の空気を排出する排出用孔になる。これにより、第2の開口部の開口面積を小さくすることができ、溶着を容易に行うことができる。
1…成形型、 2…モールド組立体、 3…注入補助部材、 4…封止部材、 21…第1のモールド、 21a,22a…レンズ形成面、 22…第2のモールド、 23…テープ部材、 23a〜23f…ノズル貫通部、 24…キャビティ、 31…補助部材本体、 32…取付片、 32a…曲面、 33…突起、 33a…接触面、 34A…第1の開口部、 34B…第2の開口部、 35…第1の側板部、 36…第2の側板部、 37…傾斜板部、 38…第3の側面板部、39…第4の側板部、 41…固定片、 45…接着部材、 45a…貫通孔、 48…開口、 51…プラスチックレンズ材料、 101…ノズル
Claims (11)
- 対向する第1のモールド及び第2のモールドと、
前記第1のモールド及び前記第2のモールドの外周間を連結して前記第1のモールド及び前記第2のモールドとの間にキャビティを形成すると共に、プラスチックレンズ材料を吐出するノズルが貫通するノズル貫通部を有するテープ部材と、
前記テープ部材におけるノズル貫通部の周囲の一部を押圧する押圧部材と、
を備える成形型。 - 前記ノズル貫通部は、前記テープ部材に設けられたスリットである請求項1に記載の成形型。
- 前記スリットは、1本の線状に形成されている請求項2に記載の成形型。
- 前記押圧部材は、前記スリットの中央の周辺部分を押圧する請求項3に記載の成形型。
- 前記押圧部材の前記テープ部材を押圧する面は、円弧状の曲面である請求項1〜4のいずれかに記載の成形型。
- 前記押圧部材は、前記ノズル貫通部に対向する第1の開口部と、前記第1の開口部に連通する第2の開口部と、前記テープ部材におけるノズル貫通部の周囲の一部を押圧する突起とを有する請求項1〜5のいずれかに記載の成形型。
- 前記キャビティにプラスチックレンズ材料を注入した後に、前記押圧部材の前記第2の開口部を封止する封止部材を備える請求項6に記載の成形型。
- 前記押圧部材は、前記第1の開口部の周縁に連続すると共にテープ部材に密着する取付片を有し、
前記突起は、前記第1の開口部の周縁又は前記取付片から突出する請求項6又は7に記載の成形型。 - 前記押圧部材の前記第1の開口部は、前記第2の開口部よりも小さく設定されている請求項6〜8のいずれかに記載の成形型。
- 前記押圧部材は、前記第1の開口部を形成する側板部と、前記第1の開口部に対して傾斜する傾斜板部とを有する請求項9に記載の成形型。
- 第1のモールドと第2のモールドを対向させ、前記第1のモールド及び前記第2のモールドの外周間をテープ部材によって連結し、キャビティを有するモールド組立体を組み立てるモールド組立工程と、
前記テープ部材に設けられたノズル貫通部の周囲の一部を押圧部材によって押圧する押圧工程と、
前記ノズル貫通部にノズルを貫通させ、前記キャビティにプラスチックレンズ材料を注入する注入工程と、
前記キャビティに注入したプラスチックレンズ材料を重合させる重合工程と、
を有するプラスチックレンズの製造方法。
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