JP5426585B2 - 木質セメント板、及びその製造方法 - Google Patents

木質セメント板、及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5426585B2
JP5426585B2 JP2011014573A JP2011014573A JP5426585B2 JP 5426585 B2 JP5426585 B2 JP 5426585B2 JP 2011014573 A JP2011014573 A JP 2011014573A JP 2011014573 A JP2011014573 A JP 2011014573A JP 5426585 B2 JP5426585 B2 JP 5426585B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood
cement board
cement
piece
slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011014573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012153572A (ja
Inventor
康則 吉田
征道 永易
直樹 村瀬
文宏 朝倉
芳則 日比野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiha Corp
Original Assignee
Nichiha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichiha Corp filed Critical Nichiha Corp
Priority to JP2011014573A priority Critical patent/JP5426585B2/ja
Publication of JP2012153572A publication Critical patent/JP2012153572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5426585B2 publication Critical patent/JP5426585B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

本発明は、建築板に好適な木質セメント板、及びその製造方法に関するものである。
従来から、セメント等の水硬性無機粉体と、木質パルプ繊維などの木質繊維とを主成分とする木質セメント板がある。この木質セメント板は比重が高く、曲げ強度などの物性に優れるので、内壁材、外壁材等の建築板として使用されている。
しかし、近年、住宅の長期耐久性が求められており、木質セメント板にも、更なる強度、長期耐久性の向上が求められている。そこで、様々な原料を配合して木質セメント板の強度、長期耐久性等を改善することが検討されてきた。
例えば、特許文献1には、セメントと補強繊維とを含有する原料混合物と更に鹸化度95%以上でかつ重合度1500以上のポリビニルアルコール粉末とを水に分散せしめてスラリーとし、該スラリーを抄造してマットをフォーミングし、該マットを100〜300kg/cmの圧力でプレスした後養生し、該養生中に80℃以上の温度を及ぼすことを特徴とする無機質板の製造方法が開示されている。このような製造方法は湿式製法と呼ばれている。引用文献1の製造方法によれば、耐凍害性や機械的強度が改良された無機質板を製造することができる。しかし、ポリビニルアルコール粉末は他の原料に比べて非常に高価であり、コスト高となる。
特開2001−180997号公報
そこで、出願人は、木質セメント板の曲げ強度と、長期耐久性を改善する原料として木片を使用することを検討した。しかし、湿式製法では、木片を他の原料と一緒に配合すると、得られる木質セメント板の曲げ強度、長期耐久性、耐衝撃性は低下する。
したがって、本発明の課題は、木片を含有しながらも、曲げ強度、長期耐久性、耐衝撃性に優れた、湿式製法で製造された木質セメント板、及びその製造方法を提供するものである。
本発明は、木質セメント板を提供する。本発明の木質セメント板は、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維と、木片とからなるスラリーを脱水、抄造してなる抄造シートを複数積層してなる積層マットの硬化体であって、該セメントと該珪酸含有物は3:7〜7:3の質量比で含有されており、該木片は2〜5mmで、カルシウムにより被覆されており、該木質繊維と該木片の含有量は、該木質セメント板の全固形分に対して9質量%以下である。該木片の含有量は、該木質セメント板の全固形分に対して1〜3質量%であることが好ましく、更に好ましくは、該木質セメント板の全固形分に対して1〜2質量%である。
また、本発明では、木質セメント板を製造する方法も提供する。該製造方法は、木片をカルシウムで被覆する工程と、得られた木片と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、得られたスラリーを脱水して抄造シートを製造する工程と、得られた抄造シートを積層し、積層マットを製造する工程と、得られた積層マットをプレス、養生する工程とからなる。木片をカルシウムで被覆する工程は、水に木片とセメント組成物の粉砕物を添加し、固形分濃度が8〜20質量%の状態で混合することにより行う、又は、水に木片とカルシウム含有物を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行う、又は、スラリーを脱水した水に木片を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行うのいずれかにより行う。なお、木片をカルシウムで被覆する工程においては、2〜5mmの木片を使用する。また、木片をカルシウムで被覆する工程において、該木片と、セメント組成物の質量比を1:7〜1:20とする、又は、カルシウム含有物を該木片よりも多く添加することが好ましい。更に、木片と、セメント組成物、又は、カルシウム含有物、又は、スラリーを脱水した水との混合は60秒以上行うことが好ましい。スラリーを製造する工程においては、該スラリーにおけるセメントと珪酸含有物の質量比を3:7〜7:3とし、木質繊維と木片の量を全固形分に対して9質量%以下とする。該木片の量は、全固形分に対して1〜3質量%とすることが好ましく、更に好ましくは、該木質セメント板の全固形分に対して1〜2質量%とすることである。
本発明によれば、木片を含有しながらも、曲げ強度、長期耐久性、耐衝撃性に優れた、湿式製法で製造された木質セメント板、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明の木質セメント板は、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維と、木片とからなる層を複数積層してなる。
セメントとしては、ポルトランドセメント、早強セメント、アルミナセメント、フライアッシュセメント、高炉スラグセメント、シリカセメント、白色セメント等がある。本発明では、これらの物質のうち、いずれか1種のみを含有しても良いし、2種類以上を含有してもよい。
珪酸含有物としては、珪砂、ケイ石粉、シリカ粉、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ、シラスバルーン、パーライト、珪藻土等がある。本発明では、これらの物質のうち、いずれか1種のみを含有しても良いし、2種類以上を含有してもよい。
木質繊維としては、故紙、針葉樹未晒しクラフトパルプ(NUKP)や針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒しクラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)等がある。本発明では、これらの物質のうち、いずれか1種のみを含有しても良いし、2種類以上を含有してもよい。また、ディスクリファイナー等の叩解機で叩解してカナディアンフリーネス500ml以下にした木質繊維を用いると、強度などの物性が向上するので、好ましい。
木片は、2〜5mmのサイズである。木片は、森林から伐採した木材を粉砕して製造することができるが、間伐材や、柱材の製造で発生する端材、木材の廃材等を粉砕することにより製造することもできる。
本発明では、原料の一つとして、セメント組成物も使用することができる。セメント組成物としては、製造工程で発生した硬化前の木質セメント板の不良板、硬化後の木質セメント板の不良板、建築現場で発生した木質セメント板の端材、廃材などがある。いずれも衝撃式粉砕機及び/又は擦過式粉砕機で平均粒径50〜150μmに粉砕し、使用する。該セメント組成物を使用することで、製造コストを安くすることができるとともに、産業廃棄物を減らすことができる。
更に、本発明では、原料の一つとして、カルシウム含有物も使用することができる。カルシウム含有物としては、セメント、石膏、石灰、カルシウムを含有する珪酸含有物のすくなくともいずれかである。カルシウムを含有する珪酸含有物としては、前述した珪酸含有物の内、フライアッシュ、高炉スラグなどがあげられる。
木質セメント板の上記以外の原料として、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、蟻酸カルシウム、酢酸カルシウム、アクリル酸カルシウム、水ガラス等の硬化促進剤や、マイカ、ベントナイト、バーミキュライト等の鉱物粉末や、ロウ、ワックス、パラフィン、シリコン、コハク酸、高級脂肪酸の金属塩等の防水剤、撥水剤や、発泡性熱可塑性プラスチックビーズ、プラスチック発泡体等や、ナイロン、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、ガラス繊維などの化学繊維や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水性糊料、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル樹脂エマルジョンなどの合成樹脂エマルジョンの強化剤がある。
そして、本発明の木質セメント板は、セメントと珪酸含有物を3:7〜7:3の質量比で含有し、木質繊維と木片を9質量%以下含有する。
セメントと珪酸含有物を質量比で3:7〜7:3の範囲で含有するのは、この範囲であれば、木質セメント板は十分な強度を発現できるとともに、十分なたわみも得られ、作業性、釘打ち性等にも問題が発生しないからである。この範囲から外れると、木質セメント板は強度を発現できず脆くなる、又は、比重が高くなるとともにたわみが少なくなり、堅くて重く、運搬しづらく、作業性、釘打ち性等に問題が発生する。
木質繊維と木片を9質量%以下含有するのは、9質量%より多いと、セメントの硬化が阻害され、得られる木質セメント板の強度が低下する恐れがあるためである。木質繊維が4〜8質量%、木片が1〜3質量%であると、得られる木質セメント板は、強度に優れるので好ましい。特に、木片が、該木質セメント板の全固形分に対して1〜2質量%であると、より強度等の物性に優れるので好ましい。
そして、本発明の木質セメント板は、湿式製法により製造することができる。
本発明の製造方法は、木片をカルシウムにより被覆する工程と、得られた木片と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、得られたスラリーを脱水して抄造シートを製造する工程と、得られた抄造シートを積層し、積層マットを製造する工程と、得られた積層マットをプレス、養生する工程とからなる。
木片をカルシウムで被覆する工程は、水に木片とセメント組成物の粉砕物を添加し、固形分濃度が8〜20質量%の状態で混合することにより行う、又は、水に木片とカルシウム含有物を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行う、又は、スラリーを脱水した水に木片を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行うのいずれかである。木片とセメント組成物の粉砕物を混合した水の固形分濃度を8〜20質量%、木片とカルシウム含有物を混合した水の固形分濃度を3〜10質量%、スラリーを脱水した水と木片の固形分濃度を3〜10質量%とするのは、この濃度が木片をカルシウムで被覆させるのに適切であり、かつ、作業しやすいためである。すなわち、セメント組成物は、組成によりカルシウムの溶出程度が異なるが、カルシウムの溶出が少ないので、固形分濃度を高くする必要があり、木片をカルシウムで被覆するためには、固形分濃度を8質量%以上とする必要がある。しかし、固形分濃度が20質量%を超えると、流動性が悪く、作業しにくいので、固形分濃度を8〜20質量%とする。一方、カルシウム含有物は、カルシウムの溶出がセメント組成物よりも多いので、固形分濃度を10質量%より高くする必要はないが、3質量%より少ないと、木片をカルシウムで十分に被覆できないので、固形分濃度を3〜10質量%とする。そして、スラリーを脱水した水は、既にカルシウムが溶出しており、固形分濃度を10質量%より高くする必要はないが、3質量%より少ないと、木片をカルシウムで十分に被覆できないので、固形分濃度を3〜10質量%とする。
そして、木片は、いずれの場合でも2〜5mmの大きさのものを使用する。2〜5mmの大きさの木片を使用するのは、この範囲から外れると、得られる木質セメント板は、十分な物性を得られないためである。
木片の量は、木質セメント板の全固形分に対して、木質繊維とあわせて9質量%以下とするが、1〜3質量%とすることが好ましく、更に1〜2質量%とすることがより好ましい。
また、木片をカルシウムで被覆する工程を、水に木片とセメント組成物の粉砕物を添加、混合することにより行う場合には、該木片と、該セメント組成物の質量比が1:7〜1:20であると、該木片がカルシウムに覆われやすいとともに、得られる木質セメント板は十分な強度を得られるので、好ましい。木片をカルシウムで被覆する工程を、水に木片とカルシウム含有物を添加、混合することにより行う場合には、該カルシウム含有物の量を該木片の量よりも多くすると、該木片がカルシウムに覆われやすいとともに、得られる木質セメント板は、十分な強度を得られるので、好ましい。
更に、木片と、セメント組成物、又は、カルシウム含有物、又は、スラリーを脱水した水との混合を60秒以上行うと、該木片が確実にカルシウムにより被覆されるので、好ましい。なお、木片と、セメント組成物、又は、カルシウム含有物の混合の順番は、木片を先に添加しても良いし、木片を後に添加しても良い。
次のスラリーを製造する工程は、得られた木片と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合することにより行う。セメントと、珪酸含有物と、木質繊維は、粉体(乾燥)状態で添加しても良いし、予め各原料を別の水に混合しておいてから添加しても良いが、スラリーの固形分濃度が20質量%以下となるように調整する。スラリーの固形分濃度を20質量%以下とするのは、20質量%より多いとスラリーを脱水する際に時間がかかり、脱水された抄造シートに亀裂が入りやすく、抄造しにくいなどの問題が発生するためである。
得られたスラリーを脱水して抄造シートを製造する工程では、フェルト、金網等を用いて、スラリーを水と固形物に分離する。具体的には、フェルトの上にスラリーを流下させ、スラリーを脱水する方法や、スラリーを円形の金網ですきあげて脱水する方法などにより行うことができる。
積層マットを製造する工程は、得られた抄造シートの上に別の抄造シートを積層することにより行う。抄造シートの積層方法は、抄造シートの搬送方向に、抄造シートを製造する装置を複数用意し、各装置で製造された抄造シートを積層する方法や、抄造シートをロールに巻き付けて積層し、所定の厚みが得られたら該ロールより外す方法等により行うことができる。
得られた積層マットをプレス、養生する工程は、積層マットを1〜10MPaの圧力でプレスし、その後、60〜90℃で5〜10時間の条件で一次養生し、更に、自然養生、又は、蒸気養生、又は、オートクレーブ養生することにより行う。なお、プレスの際に、積層マットの上、又は下に型板を配置し、積層マットの表面に凹凸模様を形成することもできる。また、オートクレーブ養生する場合の条件は、120℃以上、0.5MPa以上の圧力で7〜15時間である。
次に、本発明の実施例をあげる。
間伐材を粉砕して平均3mmのサイズの木片を製造し、得られた木片を水に添加した。次に、硬化後の木質セメント板の不良板を粉砕して平均粒径100μmのサイズにし、得られた木質セメント板の粉砕品を、木片を加えた水に添加し、60秒混合させた。なお、該水の固形分濃度は15質量%とした。このようにして得られた水に、ポルトランドセメントと、高炉スラグと、パーライトと、カナディアンフリーネス500mlの針葉樹未晒しクラフトパルプと、故紙と、別の水を添加し、混合してスラリーを得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであり、該スラリーの固形分濃度は15質量%であった。該スラリーを脱水フェルト上に流下せしめて脱水しながら抄造シートを賦形し、該抄造シートをロールで6層積層して積層マットを得た。該積層マットは、プレス圧2.5MPa、プレス時間7秒のプレスを施し、その後、70℃で蒸気養生し、実施例1の木質セメント板を得た。
木片の添加量を全固形分に対して2質量%とし、木片の増加分だけ故紙を減らして木質セメント板を製造し、実施例2の木質セメント板を得た。なお、木片は全て最初に水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。他は実施例1と同じ条件とした。
木質セメント板の粉砕品の添加量を変更して木質セメント板を製造し、実施例3の木質セメント板を得た。スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。なお、木質セメント板の粉砕品は全て木片の次に水に添加した。他は実施例1と同じ条件とした。
木質セメント板の粉砕品を添加し、次に木片を添加して木質セメント板を製造し、実施例4の木質セメント板を得た。なお、木質セメント板の粉砕品は全て木片の前に水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。他は実施例1と同じ条件とした。
硬化後の木質セメント板の不良板を、硬化前の木質セメント板の不良板に変更して木質セメント板を製造し、実施例5の木質セメント板を得た。なお、硬化前の木質セメント板の不良板も、平均粒径が100μmとなるよう粉砕して使用しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。他は実施例1と同じ条件とした。
木片の添加量を全固形分に対して2質量%となるように変更して木質セメント板を製造し、実施例6の木質セメント板を得た。なお、木片は全て最初に水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。他は実施例5と同じ条件とした。
木片を添加、混合する水に、スラリーを脱水した後の水を使用し、該水の固形分濃度を4質量%となるように変更したとともに、木質セメント板の粉砕品を他の原料と同じタイミングで添加して木質セメント板を製造し、実施例7の木質セメント板を得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。他は実施例1と同じ条件とした。
木片の添加量を全固形分に対して2質量%となるように変更して木質セメント板を製造し、実施例8の木質セメント板を得た。なお、木片は全て最初にスラリーを脱水した後の水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。他は実施例7と同じ条件とした。
木片を水に添加した後、該木片の倍の量のポルトランドセメントを添加し、60秒混合した。なお、該水の固形分濃度は10質量%とした。次に、硬化後の木質セメント板の不良板を粉砕して得られた、平均粒径が100μmの木質セメント板の粉砕品と、ポルトランドセメントと、高炉スラグと、パーライトと、カナディアンフリーネス500mlの針葉樹未晒しクラフトパルプと、故紙と、別の水を添加し、混合してスラリーを得た。すなわち、ポルトランドセメントは、木片とともに添加するとともに、スラリーを製造する際にも更に添加した。そして、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。他は実施例1と同じ条件で木質セメント板を製造し、実施例9の木質セメント板を得た。
ポルトランドセメントと、高炉スラグと、パーライトと、カナディアンフリーネス500mlの針葉樹未晒しクラフトパルプと、故紙と、硬化後の木質セメント板の粉砕品を水に添加し、混合して、木片を含まないスラリーを得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであり、固形分濃度は15質量%であった。得られたスラリーに実施例1と同じ条件を行って木質セメント板を製造し、比較例1の木質セメント板を得た。
木片を添加した後、すぐに他の原料を添加した以外は実施例1と同じ条件で木質セメント板を製造し、比較例2の木質セメント板を得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木片の添加量を全固形分に対して2質量%とし、木片の増加分だけ故紙を減らした以外は比較例2と同じ条件で木質セメント板を製造し、比較例3の木質セメント板を得た。なお、木片は全て最初に水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木片と木質セメント板の粉砕品を含む水の固形分濃度を2質量%となるように変更した以外は実施例2と同じ条件で木質セメント板を製造し、比較例4の木質セメント板を得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木片のサイズを平均6mmに変更した以外は実施例2と同じ条件で木質セメント板を製造し、比較例5の木質セメント板を得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
そして、得られた実施例1〜9、及び比較例1〜5の各木質セメント板について、比重、厚さ、曲げ強度、長期耐久性、耐衝撃性を測定したので、その結果も表1に示す。なお、曲げ強度はJIS A 1408に準じて測定した。長期耐久性は、30cm角の木質セメント板の端部を水に4時間侵漬した後、二酸化炭素を充満させた密閉容器内に4時間置き、その後、16時間80℃で乾燥させることを1サイクルとし、10サイクル行った後の木質セメント板の状況を確認して、反りが0.5mm未満の場合には”○”とし、0.5〜1.0mmの場合には”△”とし、1.0mm以上の反りが発生した場合は”×”と評価した。耐衝撃性は、500gの球形おもりを140cmの高さから落下させ、亀裂が無い場合を”◎”とし、僅かに亀裂がある場合を”○”とし、目立つ亀裂がある場合を”△”とし、著しい亀裂がある場合を”×”と評価した。
Figure 0005426585
実施例1〜9の木質セメント板は、曲げ強度に優れた。また、木片を含有していない比較例1の木質セメント板は、長期耐久性が”△”、耐衝撃性が”○”であるのに対し、実施例1〜9の木質セメント板は、長期耐久性が”○”、耐衝撃性が”◎”であり、長期耐久性と耐衝撃性にも優れた。
一方、木片を添加した後、すぐに他の原料を添加した比較例2の木質セメント板は、同じ配合の実施例1の木質セメント板よりも曲げ強度が低く、かつ、長期耐久性と耐衝撃性が”△”であり、長期耐久性と耐衝撃性に劣った。この傾向は、木片の添加量を全固形分に対して2質量%となるように変更した比較例3でも同じであった。すなわち、比較例3の木質セメント板は、同じ配合の実施例2よりも曲げ強度が低く、かつ、長期耐久性と耐衝撃性が”×”であり、長期耐久性と耐衝撃性に劣った。
木片と木質セメント板の粉砕品を含む水の固形分濃度を2質量%とした比較例4の木質セメント板は、同じ配合の実施例2よりも曲げ強度が低く、かつ、長期耐久性と耐衝撃性が”×”であり、長期耐久性と耐衝撃性に劣った。
木片のサイズが平均6mmである比較例5の木質セメント板は、同じ配合の実施例2よりも曲げ強度が低く、かつ、長期耐久性が”×”で耐衝撃性が”△”であり、長期耐久性と耐衝撃性に劣った。
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載の発明の範囲において種々の変形態を取り得る。
以上説明したように、本発明によれば、木片を含有しながらも、曲げ強度、長期耐久性、耐衝撃性に優れた、湿式製法で製造された木質セメント板、及びその製造方法を提供するものである。

Claims (9)

  1. セメントと、珪酸含有物と、木質繊維と、木片とからなるスラリーを脱水、抄造してなる抄造シートを複数積層してなる積層マットの硬化体であって、
    セメントと珪酸含有物は3:7〜7:3の質量比で含有されており、
    木片は2〜5mmで、カルシウムにより被覆されており、
    木質繊維と木片の含有量は、木質セメント板の全固形分に対して9質量%以下である
    ことを特徴とする木質セメント板。
  2. 請求項1に記載の木質セメント板であって、
    前記木片の含有量は、木質セメント板の全固形分に対して1〜3質量%である
    ことを特徴とする木質セメント板。
  3. 木片をカルシウムで被覆する工程と、
    得られた木片と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、
    得られたスラリーを脱水して抄造シートを製造する工程と、
    得られた抄造シートを積層し、積層マットを製造する工程と、
    得られた積層マットをプレス、養生する工程とからなり、
    木片をカルシウムで被覆する工程は、2〜5mmの木片とセメント組成物の粉砕物を水に添加し、固形分濃度が8〜20質量%の状態で混合することにより行い、
    スラリーを製造する工程において、該スラリーにおけるセメントと珪酸含有物の質量比を3:7〜7:3とし、木質繊維と木片の量を全固形分に対して9質量%以下とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  4. 木片をカルシウムで被覆する工程と、
    得られた木片と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、
    得られたスラリーを脱水して抄造シートを製造する工程と、
    得られた抄造シートを積層し、積層マットを製造する工程と、
    得られた積層マットをプレス、養生する工程とからなり、
    木片をカルシウムで被覆する工程は、2〜5mmの木片と、セメント、石膏、石灰、カルシウムを含有する珪酸含有物のすくなくともいずれかであるカルシウム含有物を水に添加し、固形分濃度3〜10質量%の状態で混合することにより行い、
    スラリーを製造する工程において、該スラリーにおけるセメントと珪酸含有物の質量比を3:7〜7:3とし、木質繊維と木片の量を全固形分に対して9質量%以下とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  5. 木片をカルシウムで被覆する工程と、
    得られた木片と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、
    得られたスラリーを脱水して抄造シートを製造する工程と、
    得られた抄造シートを積層し、積層マットを製造する工程と、
    得られた積層マットをプレス、養生する工程とからなり、
    木片をカルシウムで被覆する工程は、スラリーを脱水して得た水に2〜5mmの木片を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行い、
    スラリーを製造する工程において、該スラリーにおけるセメントと珪酸含有物の質量比を3:7〜7:3とし、木質繊維と木片の量を全固形分に対して9質量%以下とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の木質セメント板の製造方法であって、
    前記木片の量を、木質セメント板の全固形分に対して1〜3質量%とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  7. 請求項3に記載の木質セメント板の製造方法であって、
    前記木片をカルシウムで被覆する工程において、該木片と前記セメント組成物の粉砕物の質量比を1:7〜1:20とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  8. 請求項3に記載の木質セメント板の製造方法であって、
    前記セメント組成物が木質セメント板である
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  9. 請求項4に記載の木質セメント板の製造方法であって、
    前記木片をカルシウムで被覆する工程において、前記カルシウム含有物の量を該木片の量よりも多くする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
JP2011014573A 2011-01-26 2011-01-26 木質セメント板、及びその製造方法 Active JP5426585B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011014573A JP5426585B2 (ja) 2011-01-26 2011-01-26 木質セメント板、及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011014573A JP5426585B2 (ja) 2011-01-26 2011-01-26 木質セメント板、及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012153572A JP2012153572A (ja) 2012-08-16
JP5426585B2 true JP5426585B2 (ja) 2014-02-26

Family

ID=46835721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011014573A Active JP5426585B2 (ja) 2011-01-26 2011-01-26 木質セメント板、及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5426585B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6168358A (ja) * 1984-09-12 1986-04-08 野田合板株式会社 木質セメント成形品の製造法
JPH082954A (ja) * 1994-06-17 1996-01-09 Nichiha Corp 木質補強材の処理方法および無機質板の製造方法
JP5350060B2 (ja) * 2009-04-23 2013-11-27 ニチハ株式会社 木質セメント板及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012153572A (ja) 2012-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5006425B2 (ja) 木質セメント板、及びその製造方法
JP5965193B2 (ja) 無機質板
TWI408040B (zh) Inorganic plate and manufacturing method thereof
JP6084383B2 (ja) 無機質板、及び無機質板の製造方法
JP2006518323A (ja) 漂白セルロース繊維を使用した繊維セメント複合材料
JP5055250B2 (ja) 無機質抄造板の製造方法
KR101952441B1 (ko) 천장타일 기초매트
JP2006069808A (ja) 無機質板およびその製造方法
JP4528414B2 (ja) 繊維補強珪酸カルシウム成形体及びその製造方法
JP5118738B2 (ja) 木質セメント板、及びその製造方法
JP2010254500A (ja) 木質セメント板及びその製造方法
JP5426585B2 (ja) 木質セメント板、及びその製造方法
WO2006025131A1 (ja) 無機質板およびその製造方法
JP5426586B2 (ja) 木質セメント板、及びその製造方法
JP4468760B2 (ja) 無機質抄造板およびその製造方法
JP5118737B2 (ja) 木質セメント板、及びその製造方法
JP2010254502A (ja) 木質セメント板及びその製造方法
JP5714923B2 (ja) 無機質板、及び無機質板の製造方法
US20120231282A1 (en) Inorganic board and inorganic board production method
KR20120101946A (ko) 무기질판, 및 무기질판의 제조방법
EA020638B1 (ru) Неорганическая плита и способ ее изготовления
AU2011201008A1 (en) Inorganic board and inorganic board production method

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5426585

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150