JP5118737B2 - 木質セメント板、及びその製造方法 - Google Patents

木質セメント板、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、建築板に好適な木質セメント板、及びその製造方法に関するものである。
従来から、セメント等の水硬性無機粉体と、木質パルプ繊維などの木質繊維とを主成分とする木質セメント板があり、該木質セメント板は比重が高く、曲げ強度などの物性に優れるので、内壁材、外壁材等の建築板として使用されている。そして、このような木質セメント板の製造方法としては、ハチェック式や長網式などの抄造方法や、型枠プレス方式が主として採用されている。このうち、型枠プレス方式は、特許文献1に記載されているように、枠にスラリーを流し込み、均し、脱水した後にプレス成型する方式であり、必要量のスラリーを枠に投入すれば良いため、厚物の木質セメント板を製造する方法として広く行われている。
また、木質セメント板には、表面に深い凹凸模様を設けて意匠性を向上させることが求められており、特許文献1には、深彫り意匠が施されたセメント成形品の製造方法が記載されている。
しかし、表面に深い凹凸模様を設けると、凹凸模様の縁角部や深い曲がり部分に亀裂が発生し、強度が弱くなったり、長期を経過した際に反りが発生しやすい。
特開平8−281619号公報
したがって、本発明の課題は、表面の意匠性と、曲げ強度と、長期耐久性に優れる木質セメント板、及びその製造方法を提供するものである。
本発明は、表面に凹凸模様を有する木質セメント板を提供する。本発明の木質セメント板は、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維と、木粉とからなる成型物であり、該セメントと該珪酸含有物は3:7〜7:3の質量比で含有されており、該木粉は0.3〜1.5mmで、カルシウムにより被覆されており、該木質繊維と該木粉とをあわせた含有量は、該木質セメント板の全固形分に対して9質量%以下である。該木粉の含有量は、該木質セメント板の全固形分に対して1〜3質量%であることが好ましく、更に好ましくは、該木質セメント板の全固形分に対して1〜2質量%である。
また、本発明では、表面に凹凸模様を有する木質セメント板を製造する方法も提供する。該製造方法は、木粉をカルシウムで被覆する工程と、得られた木粉と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、得られたスラリーを枠に流し込み、脱水、成型、養生する工程とからなる。木粉をカルシウムで被覆する工程は、水に木粉とセメント組成物の粉砕物を添加し、固形分濃度が8〜20質量%の状態で混合することにより行う、又は、水に木粉とカルシウム含有物を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行う、又は、スラリーを脱水した水に木粉を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行うのいずれかにより行う。なお、木粉をカルシウムで被覆する工程においては、0.3〜1.5mmの木粉を使用する。また、カルシウム含有物は、セメント、石膏、石灰、カルシウムを含有する珪酸含有物のすくなくともいずれかである。更に、木粉をカルシウムで被覆する工程において、該木粉と、セメント組成物の質量比を1:7〜1:20とする、又は、カルシウム含有物を該木粉よりも多く添加することが好ましい。更に、木粉と、セメント組成物、又は、カルシウム含有物、又は、スラリーを脱水した水との混合は60秒以上行うことが好ましい。スラリーを製造する工程においては、該スラリーにおけるセメントと珪酸含有物の質量比を3:7〜7:3とし、木質繊維と木粉とをあわせた量は、全固形分に対して9質量%以下とする。該木粉の量は、全固形分に対して1〜3質量%とすることが好ましく、更に好ましくは、該木質セメント板の全固形分に対して1〜2質量%とすることである。
本発明によれば、表面の意匠性と、曲げ強度と、長期耐久性に優れる木質セメント板、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明の木質セメント板は、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維と、木粉とからなる成型物である。
セメントとしては、ポルトランドセメント、早強セメント、アルミナセメント、フライアッシュセメント、高炉スラグセメント、シリカセメント、白色セメント等がある。本発明では、これらの物質のうち、いずれか1種のみを含有しても良いし、2種類以上を含有してもよい。
珪酸含有物としては、珪砂、珪石粉、シリカ粉、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ、シラスバルーン、パーライト、珪藻土等がある。本発明では、これらの物質のうち、いずれか1種のみを含有しても良いし、2種類以上を含有してもよい。
木質繊維としては、故紙、針葉樹未晒しクラフトパルプ(NUKP)や針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒しクラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)等がある。本発明では、これらの物質のうち、いずれか1種のみを含有しても良いし、2種類以上を含有してもよい。また、ディスクリファイナー等の叩解機で叩解してカナディアンフリーネス500ml以下にした木質繊維を用いると、強度などの物性が向上するので、好ましい。
木粉は、0.3〜1.5mmのサイズである。木粉は、森林から伐採した木材を粉砕して製造することができるが、間伐材や、柱材の製造で発生する端材、木材の廃材等を粉砕することにより製造することもできる。
本発明では、原料の一つとして、セメント組成物も使用することができる。セメント組成物としては、製造工程で発生した硬化前の木質セメント板の不良板、硬化後の木質セメント板の不良板、建築現場で発生した木質セメント板の端材、廃材などがある。いずれも衝撃式粉砕機及び/又は擦過式粉砕機で平均粒径50〜150μmに粉砕し、使用する。該セメント組成物を使用することで、製造コストを安くすることができるとともに、産業廃棄物を減らすことができる。
更に、本発明では、原料の一つとして、カルシウム含有物も使用することができる。カルシウム含有物としては、セメント、石膏、石灰、カルシウムを含有する珪酸含有物のすくなくともいずれかである。カルシウムを含有する珪酸含有物としては、前述した珪酸含有物の内、フライアッシュ、高炉スラグなどがあげられる。
木質セメント板の上記以外の原料として、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、蟻酸カルシウム、酢酸カルシウム、アクリル酸カルシウム、水ガラス等の硬化促進剤や、マイカ、ベントナイト、バーミキュライト等の鉱物粉末や、ロウ、ワックス、パラフィン、シリコン、コハク酸、高級脂肪酸の金属塩等の防水剤、撥水剤や、発泡性熱可塑性プラスチックビーズ、プラスチック発泡体等や、ナイロン、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、ガラス繊維などの化学繊維や、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水性糊料、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル樹脂エマルジョンなどの合成樹脂エマルジョンの強化剤がある。
そして、本発明の木質セメント板は、セメントと珪酸含有物を3:7〜7:3の質量比で含有し、木質繊維と木粉とをあわせて9質量%以下含有する。
セメントと珪酸含有物を質量比で3:7〜7:3の範囲で含有するのは、この範囲であれば、木質セメント板は十分な強度を発現できるとともに、十分なたわみも得られ、作業性、釘打ち性等にも問題が発生しないからである。この範囲から外れると、木質セメント板は強度を発現できず脆くなる、又は、比重が高くなるとともにたわみが少なくなり、堅くて重く、運搬しづらく、作業性、釘打ち性等に問題が発生する。
木質繊維と木粉とをあわせて9質量%以下含有するのは、9質量%より多いと、プレスした際に、表面を十分に成形することができず、凹凸模様の縁角部や深い曲がり部分に亀裂が発生しやすいためである。木質繊維が4〜8質量%、木粉が1〜3質量%であると、得られる木質セメント板は、強度等の物性や表面の意匠性に特に優れるので好ましい。特に、木粉が、該木質セメント板の全固形分に対して1〜2質量%であると、より強度等の物性に優れるので好ましい。
そして、本発明の木質セメント板は、枠にスラリーを流し込むという湿式製法により製造することができる。
本発明の製造方法は、木粉をカルシウムにより被覆する工程と、得られた木粉と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、得られたスラリーを枠に流し込み、脱水、成型、養生する工程とからなる。
木粉をカルシウムで被覆する工程は、水に木粉とセメント組成物の粉砕物を添加し、固形分濃度が8〜20質量%の状態で混合することにより行う、又は、水に木粉とカルシウム含有物を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行う、又は、スラリーを脱水した水に木粉を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行うのいずれかである。木粉とセメント組成物の粉砕物を混合した水の固形分濃度を8〜20質量%、木粉とカルシウム含有物を混合した水の固形分濃度を3〜10質量%、スラリーを脱水した水と木粉の固形分濃度を3〜10質量%とするのは、この濃度が木粉をカルシウムで被覆させるのに適切であり、かつ、作業しやすいためである。すなわち、セメント組成物は、組成によりカルシウムの溶出程度が異なるが、カルシウム含有物よりもカルシウムの溶出が少ないので、カルシウム含有物のみを用いる場合よりも固形分濃度を高くする必要があり、木粉をカルシウムで被覆するためには、固形分濃度を8質量%以上とする必要がある。しかし、固形分濃度が20質量%を超えると、流動性が悪く、作業しにくいので、固形分濃度を8〜20質量%とする。一方、カルシウム含有物は、セメント、石膏、石灰、カルシウムを含有する珪酸含有物のすくなくともいずれかであるので、カルシウムの溶出がセメント組成物よりも多く、固形分濃度を10質量%より高くする必要はないが、3質量%より少ないと、木粉をカルシウムで十分に被覆できないので、固形分濃度を3〜10質量%とする。そして、スラリーを脱水した水は、既にカルシウムが溶出しており、固形分濃度を10質量%より高くする必要はないが、3質量%より少ないと、木粉をカルシウムで十分に被覆できないので、固形分濃度を3〜10質量%とする。
そして、木粉は、いずれの場合でも0.3〜1.5mmの大きさのものを使用する。0.3〜1.5mmの大きさの木粉を使用するのは、この範囲から外れると、得られる木質セメント板は、十分な物性や、表面の造形性を得られないためである。
木粉の量は、木質セメント板の全固形分に対して、木質繊維とあわせて9質量%以下とするが、1〜3質量%とすることが好ましく、更に1〜2質量%とすることがより好ましい。
また、木粉をカルシウムで被覆する工程を、水に木粉とセメント組成物の粉砕物を添加、混合することにより行う場合には、該木粉と、該セメント組成物の質量比が1:7〜1:20であると、該木粉がカルシウムに覆われやすいとともに、得られる木質セメント板は十分な強度を得られるので、好ましい。木粉をカルシウムで被覆する工程を、水に木粉とカルシウム含有物を添加、混合することにより行う場合には、該カルシウム含有物の量を該木粉の量よりも多くすると、該木粉がカルシウムに覆われやすいとともに、得られる木質セメント板は、十分な強度を得られるので、好ましい。
更に、木粉と、セメント組成物、又は、カルシウム含有物、又は、スラリーを脱水した水との混合を60秒以上行うと、該木粉が確実にカルシウムにより被覆されるので、好ましい。なお、木粉と、セメント組成物、又は、カルシウム含有物の混合の順番は、木粉を先に添加しても良いし、木粉を後に添加しても良い。
次のスラリーを製造する工程は、得られた木粉と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合することにより行う。セメントと、珪酸含有物と、木質繊維は、粉体(乾燥)状態で添加しても良いし、予め各原料を別の水に混合しておいてから添加しても良いが、スラリーの固形分濃度が20〜40質量%となるように調整する。スラリーの固形分濃度を20質量%以上とするのは、20質量%より少ないとスラリーを脱水する際に時間がかかり、脱水された抄造シートに亀裂が入りやすく、抄造しにくいなどの問題が発生するためである。スラリーの固形分濃度を40質量%以下とするのは、40質量%より多いとスラリーの流動性が悪くなり、脱水された抄造シートに亀裂が入りやすく、抄造しにくいなどの問題が発生するためである。
得られたスラリーを枠に流し込み、脱水、成型、養生する工程では、下側に吸引脱水装置を備えた枠内にスラリーを流し込み、下側側から吸引脱水して、スラリーを水と固形物に分離する。そして、得られたマットを、凹凸模様を賦した型板でプレスし、その後、60〜90℃で5〜10時間の条件で一次養生し、更に、自然養生、又は、蒸気養生、又は、オートクレーブ養生することにより行う。なお、プレスの際に、型板はマットの上、又は下に配置する。また、オートクレーブ養生する場合の条件は、120℃以上、0.5MPa以上の圧力で7〜15時間である。
次に、本発明の実施例をあげる。
間伐材を粉砕して平均1.0mmのサイズの木粉を製造し、得られた木粉を水に添加した。次に、硬化後の木質セメント板の不良板を粉砕して平均粒径100μmのサイズにし、得られた木質セメント板の粉砕品を、木粉を加えた水に添加し、60秒混合させた。なお、該水の固形分濃度は15質量%とした。このようにして得られた水に、ポルトランドセメントと、珪石粉と、フライアッシュと、パーライトと、カナディアンフリーネス500mlの針葉樹未晒しクラフトパルプと、故紙と、別の水を添加し、混合してスラリーを得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであり、該スラリーの固形分濃度は25質量%であった。該スラリーを、下側に吸引脱水装置を備えた枠内にスラリーを流し込み、下側側から吸引脱水してマットを得た。該マットは、プレス圧2.5MPa、プレス時間7秒のプレスを施し、深さ4mmで角度が65〜70°のブロック柄を表面に形成させた。その後、170℃で、10時間オートクレーブ養生し、実施例1の木質セメント板を得た。
木粉の添加量を全固形分に対して2質量%とし、木粉の増加分だけ故紙を減らした以外は実施例1と同じ条件で木質セメント板を製造し、実施例2の木質セメント板を得た。なお、木粉は全て最初に水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木質セメント板の粉砕品の添加量を変更した以外は実施例1と同じ条件で木質セメント板を製造し、実施例3の木質セメント板を得た。スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。なお、木質セメント板の粉砕品は全て木粉の次に水に添加した。
木質セメント板の粉砕品を添加し、次に木粉を添加した以外は実施例1と同じ条件で木質セメント板を製造し、実施例4の木質セメント板を得た。なお、木質セメント板の粉砕品は全て木粉の前に水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
硬化後の木質セメント板の不良板を、硬化前の木質セメント板の不良板に変更した以外は実施例1と同じ条件で木質セメント板を製造し、実施例5の木質セメント板を得た。なお、硬化前の木質セメント板の不良板も、平均粒径が100μmとなるよう粉砕して使用しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木粉の添加量を全固形分に対して2質量%となるように変更した以外は実施例5と同じ条件で木質セメント板を製造し、実施例6の木質セメント板を得た。なお、木粉は全て最初に水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木粉を添加、混合する水に、スラリーを脱水した後の水を使用し、該水の固形分濃度を4質量%となるように変更したとともに、木質セメント板の粉砕品を他の原料と同じタイミングで添加した以外は実施例1と同じ条件で木質セメント板を製造し、実施例7の木質セメント板を得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木粉の添加量を全固形分に対して2質量%となるように変更した以外は実施例7と同じ条件で木質セメント板を製造し、実施例8の木質セメント板を得た。なお、木粉は全て最初にスラリーを脱水した後の水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木粉を水に添加した後、該木粉の倍の量のポルトランドセメントを添加し、60秒混合した。なお、該水の固形分濃度は10質量%とした。次に、硬化後の木質セメント板の不良板を粉砕して得られた、平均粒径が100μmの木質セメント板の粉砕品と、ポルトランドセメントと、珪石粉と、フライアッシュと、パーライトと、カナディアンフリーネス500mlの針葉樹未晒しクラフトパルプと、故紙と、別の水を添加し、混合してスラリーを得た。すなわち、ポルトランドセメントは、木粉とともに添加するとともに、スラリーを製造する際にも更に添加した。そして、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。他は実施例1と同じ条件で木質セメント板を製造し、実施例9の木質セメント板を得た。
ポルトランドセメントと、珪石粉と、フライアッシュと、パーライトと、カナディアンフリーネス500mlの針葉樹未晒しクラフトパルプと、故紙と、硬化後の木質セメント板の粉砕品を水に添加し、混合して、木粉を含まないスラリーを得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであり、固形分濃度は25質量%であった。得られたスラリーは、実施例1と同じ条件で枠に流し込み、脱水、成型、養生し、比較例1の木質セメント板を得た。
木粉を添加した後、すぐに他の原料を添加した以外は実施例1と同じ条件で木質セメント板を製造し、比較例2の木質セメント板を得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木粉の添加量を全固形分に対して2質量%とし、木粉の増加分だけ故紙を減らした以外は比較例2と同じ条件で木質セメント板を製造し、比較例3の木質セメント板を得た。なお、木粉は全て最初に水に添加しており、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木粉と木質セメント板の粉砕品を含む水の固形分濃度を2質量%となるように変更した以外は実施例2と同じ条件で木質セメント板を製造し、比較例4の木質セメント板を得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
木粉のサイズを平均2.0mmに変更した以外は実施例2と同じ条件で木質セメント板を製造し、比較例5の木質セメント板を得た。なお、スラリーの全固形分に対する各原料の割合は、表1に示すとおりであった。
そして、得られた実施例1〜9、及び比較例1〜5の各木質セメント板について、比重、厚さ、曲げ強度、長期耐久性を測定するとともに、各木質セメント板の表面の造形性を確認したので、その結果も表1に示す。なお、曲げ強度はJIS A 1408に準じて測定した。長期耐久性は、30cm角の木質セメント板の端部を水に4時間侵漬した後、二酸化炭素を充満させた密閉容器内に4時間置き、その後、16時間80℃で乾燥させることを1サイクルとし、10サイクル行った後の木質セメント板の状況を確認して、反りが0.5mm未満の場合には”○”とし、0.5〜1.0mmの場合には”△”とし、1.0mm以上の反りが発生した場合は”×”と評価した。表面の造形性は、各木質セメント板の表面に形成されたブロック柄の状態を確認し、亀裂が存在しない場合には”○”とし、亀裂が存在する場合は”×”と評価した。
Figure 0005118737
実施例1〜9の木質セメント板は、曲げ強度に優れるとともに、長期耐久性と表面の造形性が”○”であり、長期耐久性と表面の造形性に優れた。
一方、木粉を含有していない比較例1の木質セメント板は、長期耐久性と表面の造形性が”△”であり、長期耐久性と表面の造形性に劣った。
木粉を添加した後、すぐに他の原料を添加した比較例2の木質セメント板は、同じ配合の実施例1の木質セメント板よりも曲げ強度が低く、かつ、長期耐久性と表面の造形性が”×”であり、長期耐久性と表面の造形性に劣った。この傾向は、木粉の添加量を全固形分に対して2質量%となるように変更した比較例3でも同じであった。すなわち、比較例3の木質セメント板は、同じ配合の実施例2よりも曲げ強度が低く、かつ、長期耐久性と表面の造形性が”×”であり、長期耐久性と表面の造形性に劣った。
木粉と木質セメント板の粉砕品を含む水の固形分濃度を2質量%とした比較例4の木質セメント板は、同じ配合の実施例2よりも曲げ強度が低く、かつ、長期耐久性と表面の造形性が”×”であり、長期耐久性と表面の造形性に劣った。
木粉のサイズが平均2.0mmである比較例5の木質セメント板は、同じ配合の実施例2よりも曲げ強度が低く、かつ、長期耐久性と表面の造形性が”×”であり、長期耐久性と表面の造形性に劣った。
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載の発明の範囲において種々の変形態を取り得る。
以上説明したように、本発明によれば、表面の意匠性と、曲げ強度と、長期耐久性に優れる木質セメント板、及びその製造方法を提供することができる。

Claims (9)

  1. 表面に凹凸模様を有する木質セメント板であって、
    セメントと、珪酸含有物と、木質繊維と、木粉とからなる成型物であり、
    セメントと珪酸含有物は3:7〜7:3の質量比で含有されており、
    木粉は0.3〜1.5mmで、カルシウムにより被覆されており、
    木質繊維と木粉とをあわせた含有量は、木質セメント板の全固形分に対して9質量%以下である
    ことを特徴とする木質セメント板。
  2. 請求項1に記載の木質セメント板であって、
    前記木粉の含有量は、木質セメント板の全固形分に対して1〜3質量%である
    ことを特徴とする木質セメント板。
  3. 木粉をカルシウムで被覆する工程と、
    得られた木粉と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、
    得られたスラリーを枠に流し込み、脱水、成型、養生する工程とからなり、
    木粉をカルシウムで被覆する工程は、0.3〜1.5mmの木粉とセメント組成物の粉砕物を水に添加し、固形分濃度が8〜20質量%の状態で混合することにより行い、
    スラリーを製造する工程において、該スラリーにおけるセメントと珪酸含有物の質量比を3:7〜7:3とし、木質繊維と木粉とをあわせた量を全固形分に対して9質量%以下とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  4. 木粉をカルシウムで被覆する工程と、
    得られた木粉と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、
    得られたスラリーを枠に流し込み、脱水、成型、養生する工程とからなり、
    木粉をカルシウムで被覆する工程は、0.3〜1.5mmの木粉とカルシウム含有物とを水に添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行い、
    該カルシウム含有物は、セメント、石膏、石灰、カルシウムを含有する珪酸含有物のすくなくともいずれかであり、
    スラリーを製造する工程において、該スラリーにおけるセメントと珪酸含有物の質量比を3:7〜7:3とし、木質繊維と木粉とをあわせた量を全固形分に対して9質量%以下とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  5. 木粉をカルシウムで被覆する工程と、
    得られた木粉と、セメントと、珪酸含有物と、木質繊維を混合してスラリーを製造する工程と、
    得られたスラリーを枠に流し込み、脱水、成型、養生する工程とからなり、
    木粉をカルシウムで被覆する工程は、スラリーを脱水した水に0.3〜1.5mmの木粉を添加し、固形分濃度が3〜10質量%の状態で混合することにより行い、
    スラリーを製造する工程において、該スラリーにおけるセメントと珪酸含有物の質量比を3:7〜7:3とし、木質繊維と木粉とをあわせた量を全固形分に対して9質量%以下とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の木質セメント板の製造方法であって、
    前記木粉の量を、木質セメント板の全固形分に対して1〜3質量%とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  7. 請求項3に記載の木質セメント板の製造方法であって、
    前記木粉をカルシウムで被覆する工程において、該木粉と前記セメント組成物の粉砕物の質量比を1:7〜1:20とする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  8. 請求項3に記載の木質セメント板の製造方法であって、
    前記セメント組成物が木質セメント板である
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
  9. 請求項4に記載の木質セメント板の製造方法であって、
    前記木粉をカルシウムで被覆する工程において、前記カルシウム含有物の量を該木粉の量よりも多くする
    ことを特徴とする木質セメント板の製造方法。
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