JP5426462B2 - フィラー - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックス粒子からなるフィラーに関する。
フィラーは、プラスチック、ゴム、塗料、繊維、紙、ガラス、金属等の基材に添加されるものであり、基材の物性を改善し、加工性や最終製造物の機能の向上に寄与する。なかでもセラミックス粒子は、物理化学特性が安定であり、フィラーとして種々検討されている。
例えば、特許文献1では、火炎溶融法で製造された、AlとSiOを含有するセラミックス粒子が、基材中における分散性を向上できることが開示されている。具体例としては、AlとSiOの重量比(Al/SiO)が2.6のセラミックス粒子と、前記重量比(Al/SiO)が2.8のセラミックス粒子が開示されている。
特許文献2では、火炎溶融法で製造された、AlとSiOを含有するセラミックス粒子を基材中に添加してなる光拡散部材が開示されている。具体例としては、AlとSiOの重量比(Al/SiO)が2.6であり、屈折率が1.64であるセラミックス粒子が開示されている。
特許文献3では、nSiO・Al・pHO(式中、nは0.5〜4であり、pは1〜5である)で示され、結晶構造が実質的に非晶質であり、屈折率が1.47〜1.52である珪酸アルミニウムが樹脂に添加されたときに、樹脂組成物の透明性が向上することが開示されている。
特開2007−39304号公報 特開2007−304539号公報 特開2000−272917号公報
汎用的な樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリル、シリコーン等の樹脂は、1.48〜1.60の屈折率を持つ。これらの樹脂にフィラーが添加された基材を保護カバー、封止材等の透明部材に使用するには、光透過性を向上させる必要があるが、その場合、樹脂の屈折率とフィラーの屈折率をできるだけ近づけることが必要である。
しかしながら、特許文献1、2に開示されているセラミックス粒子は、屈折率が高いため、該セラミックス粒子を樹脂に添加して基材とした場合に、その光透過性が十分でない。特に特許文献2のセラミックス粒子は、光拡散性を発現させるために、樹脂の屈折率とフィラーであるセラミックス粒子の屈折率にある程度の差を持たせることが必要であり、光透過性は不十分にならざるを得なかった。
また、特許文献3に開示されている粒子は、水和物であるために、屈折率を1.52より大きくすることができず、また、成形時に熱を加えた際に発泡する問題があった。さらに、前記粒子は非晶質であるために、その強度が十分ではなかった。
本発明は、透明部材に用いられるフィラーにおいて、透明部材の光透過性を向上させることができるフィラーを提供する。
本発明のフィラーは、セラミックス粒子からなるフィラーであって、該セラミックス粒子が、以下の要件(I)〜(VI)を満たすフィラーである。
(I)AlとSiOの合計含有量が99.2重量%以上であり、
(II)AlとSiOの重量比(Al/SiO)が0.1〜1.0であり、
(III)X線回折スペクトルにおける相対バックグラウンド高さが3〜18であり、
(IV)平均粒子径が0.01〜50μmであり、
(V)真球度が0.95以上であり、
(VI)屈折率が1.48〜1.60である。
本発明における各種の物性値は、具体的には実施例に記載の測定方法で測定される値である。
本発明のフィラーによれば、基材に添加して透明部材とした場合に、該透明部材の光透過性を向上させることができる。
以下、本発明のフィラー(セラミックス粒子)の物性等について説明する。
[SiOとAlの合計含有量]
本発明に用いられるセラミックス粒子はSiOとAlを主成分とするものである。SiOとAlの合計含有量は、セラミックス粒子自身の着色を抑制し、フィラーが添加された基材の光透過性を向上させる観点、及び屈折率を所定の範囲に調整してフィラーが添加された基材の光透過性を向上させる観点から、99.2重量%以上であり、99.4重量%以上が好ましく、99.5重量%以上がより好ましい。
また、Si及びAl以外の元素、例えばFe、Mn等の遷移金属元素の含有量は、セラミックス粒子自身の着色を低減し、フィラーが添加された基材の光透過性を向上させる観点から、150ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましく、80ppm以下がさらに好ましい。なお、Fe等の遷移金属元素は、原料のアルミナやシリカに含まれたり、製造工程中に部材等から混入する場合もある。
[AlとSiOの重量比(Al/SiO)]
AlとSiOの重量比(Al/SiO)は、屈折率を所定の範囲に調整してフィラーが添加された基材の光透過性を向上させる観点から、0.1〜1.0であり、0.2〜0.9が好ましく、0.4〜0.9がより好ましい。
[Al及びSiOの原料]
アルミナ(Al)源及びシリカ(SiO)源としては、下記のものを1種以上使用することができる。アルミナ源としては、ボーキサイト、バン土頁岩、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミナゾル等や、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシド等を使用することができる。シリカ源としては、珪石、珪砂、石英、クリストバライト、非晶質シリカ、長石、パイロフィライト、ヒュームドシリカ、ケイ酸エチル、シリカゾル等を使用することができる。アルミナ及びシリカの混合源としては、カオリン、バン土頁岩、ボーキサイト、雲母、シリマナイト、アンダルサイト、ムライト、ゼオライト、モンモリロナイト、ハイロサイト等を使用することができる。
[X線回折スペクトルにおける相対バックグラウンド高さ]
本発明に用いられるセラミックス粒子の相対バックグラウンド高さは、フィラーの非晶質部分と結晶質部分の割合を表す。この値が高いほど非晶質部分の存在割合が大きく、小さいほど結晶質部分の存在割合が大きい。相対バックグラウンド高さは、屈折率を1.48以上にする観点、及びセラミックス粒子自身の硬さを向上させてフィラーが添加された基材の硬さを向上させる観点から、18以下であり、15以下が好ましく、11以下がより好ましい。また、セラミックス粒子自身の透明性を向上させる観点、及び成型時の金型の摩耗を抑制し、汚染を低減する観点から、3以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、相対バックグラウンド高さは、3〜18であり、5〜15が好ましく、6〜11がより好ましい。相対バックグラウンド高さを上記範囲内に制御することに関しては、後述する製造方法において、出発原料のAlとSiOの重量比(Al/SiO)を大きくすることによって、または火炎溶融法により得られた粒子をさらに熱処理することによって、相対バックグラウンド高さを低くすることができる。
[平均粒子径]
本発明に用いられるセラミックス粒子の平均粒子径は、セラミックス粒子の凝集・合一を抑制し、セラミックス粒子の粒度分布をあまり大きくしない観点、及びフィラーが添加された基材の強度を向上させる観点から、0.01μm以上であり、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。また、フィラーが添加された基材の光透過性を向上させる観点、及びフィラーが添加された基材の強度を向上させる観点から、50μm以下であり、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、セラミックス粒子の平均粒子径は、0.01〜50μmであり、0.1〜10μmが好ましく、1〜8μmがより好ましい。平均粒子径を上記範囲内に制御するには、後述する製造方法において、火炎中に投入する原料粒子の粒子径を調整すればよい。
[真球度]
本発明に用いられるセラミックス粒子の真球度は、散乱を抑制し、フィラーが添加された基材の光透過性を向上させる観点、フィラーの基材への分散性を向上させ、基材へのフィラーの添加量を増大させる観点、及びフィラーの特性を基材に付与しやすくする観点から、0.95以上であり、0.97以上が好ましく、0.99以上がより好ましい。真球度を上記範囲内に制御することに関しては、後述する製造方法において、火炎温度を高くすることや、火炎内滞留時間を長くすることにより、真球度を高くすることができる。
[屈折率]
本発明に用いられるセラミックス粒子の屈折率は、基材の屈折率に近似させ、フィラーが添加された基材の光透過性を向上させる観点から、1.48〜1.60であり、1.49〜1.59が好ましい。屈折率を上記範囲内に制御することに関しては、後述する製造方法において、出発原料のAlとSiOの重量比(Al/SiO)を大きくすることによって、または火炎溶融法により得られた粒子をさらに熱処理することによって、屈折率を高くすることができる。
[製造方法]
本発明に用いられるセラミックス粒子の製造方法は、上記物性が得られる限り特に限定されないが、上記物性を持つセラミックス粒子を容易に安定して製造できる観点から、火炎溶融法を採用することが好ましい。
火炎溶融法は、アルミナ源とシリカ源を含む混合物(出発原料)を火炎中で溶融して球状化する方法である。好適な態様においては、出発原料を酸素等のキャリアガスに分散させ、下記火炎中に、投入する。
用いる火炎は、プロパン、ブタン、メタン、液化天然ガス、LPG、重油、灯油、軽油、微粉炭等の燃料を酸素と燃焼させることによって発生させる。燃料の対酸素比は、完全燃焼の観点から容量比で1.01〜1.30が好ましい。高温の火炎を発生させる観点から、酸素・ガスバーナーを用いることが好ましい。特にバーナーの構造は限定するものではないが、特開平7−48118号公報、特開平11−132421号公報、特開2000−205523号公報、特開2000−346318号公報等に開示されているバーナーが例示できる。
キャリアガス中の出発原料の濃度は、出発原料の充分な分散性を確保する観点から、0.1〜20kg/Nmが好ましく、0.2〜10kg/Nmがより好ましい。
また、結晶化を促進して屈折率を調整する観点から、火炎溶融法によって得られた粒子をさらに熱処理しても良い。熱処理の温度は、火炎溶融法によって得られた粒子を溶融させない観点から1700℃以下が好ましく、1400℃以下がより好ましく、1100℃以下がさらに好ましい。また、結晶化を促進させて生産性を向上させる観点から、600℃以上が好ましく、800℃以上がより好ましく、1000℃以上がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、熱処理の温度は、600〜1700℃が好ましく、800〜1400℃がより好ましく、1000〜1100℃がさらに好ましい。熱処理時間は、熱処理温度と関係する。熱処理温度が高ければ、短い熱処理時間にて結晶化が促進され、屈折率を上げることができる。熱処理時間は、結晶化を促進させ、屈折率を向上させる観点から0.01時間以上が好ましく、0.5時間以上がより好ましい。また、生産性を向上させる観点から、100時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、熱処理時間は、0.01〜100時間が好ましく、0.5〜24時間がより好ましい。
本発明のフィラーを基材に添加することによって得られた透明部材は、保護カバー、封止材等に有用である。この場合、使用する基材は、透明な材料からなるものであれば特に制限はなく、ガラス、樹脂、透明液体等が使用できる。たとえばガラスであれば、ソーダ石灰ガラス等のアルカリガラスや硼珪酸ガラスが好適に用いられる。また、樹脂であれば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、あるいは紫外線硬化性樹脂等のエネルギー線硬化性樹脂等が使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース、ブチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。また、透明液体であれば、チョウジ油、シリコンオイル等が使用できる。
上記列挙した基材のなかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドは、本発明のフィラーと組み合わせた場合に、光透過性をより向上させることができるため好ましい。
透明部材の良好な光透過性を確保する観点から、基材の屈折率は、1.48〜1.60が好ましく、1.50〜1.58がより好ましく、1.52〜1.56がさらに好ましい。また、基材の屈折率とセラミックス粒子の屈折率の差(絶対値)は、フィラーが添加された基材の光透過性を向上させる観点から、0.05以下が好ましく、0.03以下がより好ましく、0.01以下がさらに好ましい。
透明部材の良好な光透過性を確保する観点から、基材100重量部に対するフィラーの添加量は、好ましくは900重量部以下、より好ましくは500重量部以下、さらに好ましくは300重量部以下である。また、透明部材の機械的特性(強度、剛性、硬度)を向上させる観点から、基材100重量部に対するフィラーの添加量は、好ましくは25重量部以上、より好ましくは40重量部以上、さらに好ましくは60重量部以上である。すなわち、これらの観点を総合すると、基材100重量部に対するフィラーの添加量は、25〜900重量部が好ましく、40〜500重量部がより好ましく、60〜300重量部がさらに好ましい。
本発明のフィラーを基材に添加する方法は特に限定されず、基材が樹脂の場合には、(a)混練機を用いて基材中にフィラーを練り込む方法、(b)基材樹脂の溶液、エマルジョン、ディスパージョンまたはサスペンジョンの中にフィラーを混合して、この混合物を成型する方法、(c)基材樹脂を合成する工程で基材樹脂のモノマー中にフィラーを添加し、重合する方法等の方法で添加することができる。汎用性の観点から、(a)の方法が好ましく、その場合、ボールミル、ローラーミル、ニーダー等の混練機を用いることができる。基材が透明液体の場合には、(d)攪拌機を用いて基材中にフィラーを混合する方法等で添加することができる。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のとおりに測定を行った。
<組成>
セラミックス粒子について、蛍光X線法(JIS R2216「耐火れんが及び耐火モルタルの蛍光X線分析法」)による元素分析を行って、Al、Si及びFeの各原子の組成を定量し、得られたAl及びSiの濃度から、Al、SiOに換算し、AlとSiOの合計含有量と、重量比(Al/SiO)を求めた。
<相対バックグラウンド高さ>
試料(セラミックス粒子)をガラス製ホルダーに充填し、リガク社製RINT2500を用いて、X線源にCuのKα線を使用して粉末X線回折スペクトルを測定し、得られた回折スペクトルを文献記載の方法(Abraham Savitzky et.al., Analytical Chemistry, 36(8), 1627(1964))において、ポイント数25の条件でスム−ジングを行った。その後、バックグラウンド部分を文献記載の方法(Sonneveld, E. J and Visser, J. W., J.Appl. Cryst. 8, 1(1975))に従って、点数間隔40点、繰り返し回数32回の条件で抽出し、以下の式1に基づいて、セラミックス粒子のバックグラウンド高さFを算出した。次に、標準アルミナ(National Institute of Standard & Technology, Standard Reference Material 674a)をガラス製ホルダーに充填し、上記と同様に測定を行なって、標準アルミナのバックグラウンド高さAを求めた。そして、セラミックス粒子のバックグラウンド高さFを標準アルミナのバックグラウンド高さAで除して、得られた値を相対バックグラウンド高さとした。
Figure 0005426462
(但し、Nは2θ=10°〜35°の範囲で、CuのKα線を使用し粉末X線回折スペクトルを測定したときの測定点数で、その数は1501である。)
<平均粒子径>
原料粒子及びセラミックス粒子について、堀場製作所社製LA−920によるレーザー回折/散乱法で、D50(体積基準の50%の中位粒径)を測定し、得られた値を平均粒子径とした。すなわち、超音波を印加しながら、イオン交換水中に粒子を分散させ、分散液の透過率が80〜90%の状態で平均粒子径を測定した。測定に際し、相対屈折率は用いなかった。
<真球度>
セラミックス粒子について、キーエンス社製リアルサーフェースビュー顕微鏡VF−7800で観察し、得られたSEM像の粒子投影断面の面積及び該断面の周囲長を求め、次いで、〔粒子投影断面の面積と同じ面積の真円の円周長〕/〔粒子投影断面の周囲長〕を計算し、任意の50個のセラミックス粒子につき、それぞれ得られた値を平均して真球度を求めた。
<屈折率>
セラミックス粒子及び基材の屈折率は、JIS K7142「プラスチックの屈折率測定方法」のうち、B法(顕微鏡を用いる液浸法(ベッケ線法))により求めた。但し、JIS K7142に記載の浸液に代えて、カーギル標準液((株)モリテックス製)を浸液として使用し、浸液の温度が15〜20℃の条件で測定した。顕微鏡は、偏光顕微鏡「オプチフォト」(ニコン社製)を使用した。
(実施例1)
アルミナ(純度99.9%)43重量部と、シリカ(純度99.9%)100重量部をエタノール中で湿式混合し、真空乾燥した。次いで、真空乾燥した粉末を1400℃にて4時間熱処理した。得られた熱処理物を湿式粉砕により平均粒子径が4.9μmになるまで粉砕した。次いで、酸素をキャリアガスとして用い、LPG(プロパンガス)を対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎(約2000℃)中に上記粉砕物を投入し、重量比(Al/SiO)=0.43のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(実施例2)
アルミナ(純度99.9%)67重量部と、シリカ(純度99.9%)100重量部を原料とし、平均粒子径が4.6μmになるまで粉砕したこと以外は、実施例1と同様に行い、重量比(Al/SiO)=0.67のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(実施例3)
アルミナ(純度99.9%)25重量部と、シリカ(純度99.9%)100重量部を原料とし、平均粒子径が5.6μmになるまで粉砕したこと以外は、実施例1と同様に行い、重量比(Al/SiO)=0.25のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(実施例4)
アルミナ(純度99.9%)100重量部と、シリカ(純度99.9%)100重量部を原料とし、平均粒子径が5.3μmになるまで粉砕したこと以外は、実施例1と同様に行い、セラミックス粒子を得た。得られたセラミックス粒子を、さらに1100℃にて24時間熱処理し、重量比(Al/SiO)=1.00のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(実施例5)
アルミナ(純度99.9%)43重量部と、シリカ(純度99.9%)100重量部をエタノール中で湿式混合し、真空乾燥した。次いで、真空乾燥した粉末を、1400℃にて4時間熱処理し、ボールミルを用いて平均粒子径が5.1μmになるまで粉砕した。次いで、実施例1と同様の火炎溶融法によりセラミックス粒子を得た。得られたセラミックス粒子を、さらに1100℃にて24時間熱処理し、重量比(Al/SiO)=0.43のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(実施例6)
アルミナ(純度99.9%)11重量部と、シリカ(純度99.9%)100重量部を原料とし、平均粒子径が5.5μmになるまで粉砕したこと以外は、実施例5と同様に行い、重量比(Al/SiO)=0.11のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(実施例7)
平均粒子径が0.4μmになるまで粉砕したこと以外は、実施例1と同様に行い、重量比(Al/SiO)=0.43のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(実施例8)
平均粒子径が39μmになるまで粉砕したこと以外は、実施例1と同様に行い、重量比(Al/SiO)=0.43のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(比較例1)
アルミナ(純度99.9%)230重量部と、シリカ(純度99.9%)100重量部を原料とし、平均粒子径が4.8μmになるまで粉砕したこと以外は、実施例1と同様に行い、重量比(Al/SiO)=2.30のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(比較例2)
シリカ(純度99.9%)100重量部を1400℃にて4時間熱処理した。得られた熱処理物を湿式粉砕により平均粒子径が8.0μmになるまで粉砕した。次いで、酸素をキャリアガスとして用い、LPG(プロパンガス)を対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎(約2000℃)中に、上記粉砕物を投入し、重量比(Al/SiO)=0.00のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(比較例3)
アルミナ(純度99.9%)100重量部、シリカ(純度99.9%)100重量部、及び水200重量部を混合してスラリーを調製し、スプレードライヤーを用いて平均粒子径が10.5μmの球状粒子にした。この球状粒子について、電気炉中にて1500℃で1時間焼成することにより、重量比(Al/SiO)=1.00のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(比較例4)
水酸化アルミニウム612重量部と硅砂(SiO純度99.0%)600重量部を原料とし、平均粒子径が5.4μmになるまで粉砕したこと以外は、実施例1と同様に行い、重量比(Al/SiO)=0.67のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(比較例5)
アルミナ(純度99.9%)110重量部と、シリカ(純度99.9%)100重量部を原料とし、平均粒子径が4.9μmになるまで粉砕したこと以外は、実施例1と同様に行い、重量比(Al/SiO)=1.10のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(比較例6)
アルミナ(純度99.9%)260重量部とシリカ(純度99.9%)100重量部をエタノール中で湿式混合し、真空乾燥した。次いで、真空乾燥した粉末を、1500℃にて3時間焼成し、乾式粉砕して、平均粒子径8.8μmの原料粉末粒子を得た。得られた原料粉末粒子を用いて、実施例1と同様の火炎溶融法により、重量比(Al/SiO)=2.60のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
(比較例7)
アルミナ(純度98%)260重量部とシリカ(純度98%)100重量部をエタノール中で湿式混合し、真空乾燥した。次いで、真空乾燥した粉末を、700℃にて1時間の条件にて仮焼し、乾式粉砕して、平均粒子径28μmの原料粉末粒子を得た。得られた原料粉末粒子を用いて、実施例1と同様の火炎溶融法により、重量比(Al/SiO)=2.60のフィラー(セラミックス粒子)を得た。
得られた実施例及び比較例のフィラーについて、AlとSiOの合計含有量、重量比(Al/SiO)、相対バックグラウンド高さ、平均粒子径、真球度、屈折率、Fe含有量を測定した。また、以下に示す方法にて光透過性を評価した。結果を表1に示す。
<光透過性試験>
試料(フィラー)50重量部と、屈折率1.53のチョウジ油50重量部を、フーバーマーラー(ヨシミツ(株)製)を用いて、攪拌速度100回転/分、印加荷重2kg、攪拌時間3分の条件にて混合し、ガラス上に塗布して、厚み50μmの塗膜を形成した。次いで、HAZE MURAKAMI COLOR RESEARCH RAB社製HM150を用い、JIS K 7105の条件にて、塗膜の全透過率を測定し、以下の基準で判定した。
A:全透過率が95%以上
B:全透過率が90%以上、95%未満
C:全透過率が85%以上、90%未満
D:全透過率が85%未満
Figure 0005426462
表1に示すように、実施例1〜8の全透過率は90%以上であり光透過性が高かった。しかし、比較例1〜7の全透過率は90%未満であり実施例と比較すると光透過性は劣っていた。比較例3のフィラーは真球度が低いために、光が拡散あるいは散乱し、塗膜の光透過性が低下したものと推測される。比較例4のフィラーは、不純物の鉄によりフィラー自身が着色し、塗膜の光透過性が低下したものと推測される。

Claims (2)

  1. セラミックス粒子からなるフィラーであって、該セラミックス粒子が、以下の要件(I)〜(VI)を満たすフィラー。
    (I)AlとSiOの合計含有量が99.2重量%以上であり、
    (II)AlとSiOの重量比(Al/SiO)が0.1〜1.0であり、
    (III)X線回折スペクトルにおける相対バックグラウンド高さが3〜18であり、
    (IV)平均粒子径が0.01〜50μmであり、
    (V)真球度が0.95以上であり、
    (VI)屈折率が1.48〜1.60である。
  2. 火炎溶融法によって得られる請求項1記載のフィラー。
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