JP5425319B2 - エリア範囲推定装置およびエリア範囲推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基地局のセクタなどのエリアの地理的な範囲であるエリア範囲を推定するエリア範囲推定装置およびエリア範囲推定方法に関するものである。
従来、基地局のアンテナの勢力範囲であるセクタの地理的な範囲(セクタ範囲)は、基地局の所在位置又はセクタ中心点を用いたボロノイ分割などにより定められていた。例えば、下記の特許文献1には、各基地局の所在位置を母点としてボロノイ分割により各基地局の覆域を設定する技術が開示されている。
特開2005−102275号公報
しかしながら、アンテナの俯角や障害物の有無などにより、実際のセクタ範囲の境界はボロノイ分割による境界と相違するという問題があった。設定したセクタ範囲が実際のセクタ範囲と異なる場合、例えば、位置登録信号を用いて地理的な人口(端末数)の分布を推計する際の誤差要因となるという問題があった。
そこで本発明は、このような問題点を解決するために、セクタなどのエリアのエリア範囲をより適切に推定可能なエリア範囲推定装置およびエリア範囲推定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のエリア範囲推定装置は、端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とが対応付けられた対応情報を用いたエリア範囲推定装置であって、端末の複数の異なる在圏エリアを識別する各エリア識別情報に対応付けられた位置情報に基づいて、各エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するエリア境界推定手段と、エリア境界推定手段によって推定されたエリアの境界に基づいてエリアの範囲を推定するエリア範囲推定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のエリア範囲推定方法は、端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とが対応付けられた対応情報を用いてエリア範囲推定装置が行うエリア範囲推定方法であって、端末の複数の異なる在圏エリアを識別する各エリア識別情報に対応付けられた位置情報に基づいて、各エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するエリア境界推定ステップと、エリア境界推定ステップで推定されたエリアの境界に基づいてエリアの範囲を推定するエリア範囲推定ステップと、を備えることを特徴とする。
これによれば、エリア識別情報に対応付けられた位置情報に基づいて、エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定することができる。このエリアの境界を用いることで、エリアの範囲を推定することが可能となる。
また、端末を識別する端末識別情報と当該端末の在圏エリアを示すエリア識別情報とを含む第1位置情報を取得する第1位置情報取得手段と、端末識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とを含む第2位置情報を取得する第2位置情報取得手段と、を更に備え、対応情報は、第1位置情報取得手段によって取得された第1位置情報と第2位置情報取得手段によって取得された第2位置情報とを用いて、エリア識別情報と位置情報とに基づく対応情報を生成する対応情報生成手段によって生成される第1の対応情報、及び、端末を識別する端末識別情報と、当該端末の在圏エリアを示すエリア識別情報と、当該端末の位置を示す位置情報とを含む対応情報を取得する対応情報取得手段によって取得された第2の対応情報、のうち少なくとも一方を含む、ことが好ましい。
これによれば、第1位置情報に含まれている在圏エリアを示すエリア識別情報と、第2位置情報に含まれている端末の位置を示す位置情報(座標情報)とに基づいて第1の対応情報を生成する。また、端末識別情報とエリア識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とを含む第2の対応情報を取得する。これらの対応情報は、位置情報によって示される位置が、エリア識別情報によって識別されるエリアに含まれることを示す。したがって、この第1の対応情報及び第2の対応情報に基づいてエリア範囲を推定することにより、エリア識別情報と位置情報との関係をエリア範囲の推定に反映することができ、より適切にエリア範囲を推定することが可能となる。その結果、ある地理的範囲における人口(端末数)の推計処理、集計処理および解析処理等の精度の向上、並びに無線品質の向上が可能となる。
第1位置情報および第2位置情報は、それぞれ測位手法および測位タイミングが異なるのが好ましい。この場合、異なる測位手法によって取得された位置情報を結合して対応情報を生成することで、エリア識別情報と位置情報との対応関係を推測することができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、第1位置情報は、さらに当該第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を含み、第2位置情報は、さらに当該第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を含み、対応情報生成手段は、同一の端末識別情報を有し、かつ、第1時刻情報が示す時刻と第2時刻情報が示す時刻との時差が所定値以下である第1位置情報および第2位置情報を抽出し、当該第1位置情報のエリア識別情報と、当該第2位置情報の位置情報と、に基づく第1の対応情報を生成するのが好ましい。
第1時刻情報によって示される時刻と第2時刻情報によって示される時刻との時差が小さいほど、エリア識別情報と位置情報との対応付けの信頼度が高い。したがって、時差が所定値以下である第1位置情報および第2位置情報を抽出し、当該第1位置情報のエリア識別情報と当該第2位置情報の位置情報とに基づいて、より信頼度の高い第1の対応情報を得ることができる。このため、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、第1位置情報は、さらに当該第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を含み、第2位置情報は、さらに当該第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を含み、対応情報生成手段は、一の第1位置情報と同一の端末識別情報を有する第2位置情報であって、一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻よりも、第2時刻情報が示す時刻が時間的に前の第2位置情報と、一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻よりも、第2時刻情報が示す時刻が時間的に後の第2位置情報と、をそれぞれ所定数抽出し、抽出されたそれぞれの第2位置情報に含まれる第2時刻情報及び位置情報、並びに一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報に基づいて、一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻における端末の位置を示す位置情報を推定し、推定した端末の位置情報と、一の第1位置情報のエリア識別情報と、に基づく第1の対応情報を生成する、のが好ましい。
第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻に対して、時間的に前及び後の時刻を示す第2時刻情報を含む第2位置情報を抽出する。そして、抽出した第2位置情報を用いて、第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻における端末の位置を推定することにより、第1位置情報が取得されたときの端末の位置を、より正確に把握することができる。このようにして得られた端末の位置を示す位置情報を用いて第1の対応情報を生成することで、より信頼度の高い対応情報を得ることができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、第1情報取得手段は、観測対象の期間を示す観測対象期間情報および観測対象のエリアを示す観測エリア情報の少なくともいずれかを含む第1観測対象情報が外部から入力された場合、当該第1観測対象情報に基づいて第1位置情報を取得し、第2情報取得手段は、観測対象の期間を示す観測対象期間情報および観測対象の地理的範囲を示す観測範囲情報の少なくともいずれかを含む第2観測対象情報が外部から入力された場合、当該第2観測対象情報に基づいて第2位置情報を取得するのが好ましい。
観測対象期間および観測対象エリアが入力されることにより、所望の時間的範囲、又は地理的範囲における対応情報を生成することができる。このため、対応情報の生成の負荷を低減することが可能となる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、対応情報生成手段は、第1時刻情報が示す時刻と第2時刻情報が示す時刻との時差を示す時差情報をさらに対応付けた第1の対応情報を生成し、エリア境界推定手段は、対応情報の時差情報に応じて対応情報を補正し、補正後の対応情報に基づいて、エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するのが好ましい。
このように、対応情報の時差情報に応じて対応情報を補正することで、対応情報がエリア範囲の推定に影響する度合いを当該対応情報の信頼度に応じて変えることができる。このため、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、第2の対応情報は、位置情報の品質に関する品質情報をさらに含み、エリア境界推定手段は、品質情報に応じて第2の対応情報を補正し、補正後の第2の対応情報に基づいて、エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するのが好ましい。
このように、品質情報に基づいて第2の対応情報を補正し、補正後の第2の対応情報に基づいてエリアの境界を推定することで、エリアの範囲をより精度よく推定することができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、エリア境界推定手段は、対応情報のエリア識別情報ごとに、対応情報の位置情報によって示される位置の重心を算出し、対応情報の位置情報によって示される位置を、対応情報の時差情報又は品質情報に応じて重心の方向に移動させることで、対応情報を補正するのが好ましい。
このように、対応情報の時差情報又は品質情報に応じて、当該対応情報の位置情報によって示される位置を、エリアごとの重心の方向に移動させることで、対応情報がエリア範囲の推定に影響する度合いを当該対応情報の信頼度に応じて変えることができる。このため、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、エリア境界推定手段は、対応情報の時差情報又は品質情報に応じて対応情報の重み付けを行うことで、対応情報を補正するのが好ましい。
このように、対応情報又は品質情報の時差情報に応じて対応情報の重み付けをすることで、対応情報がエリア範囲の推定に影響する度合いを当該対応情報の信頼度に応じて変えることができる。このため、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、エリア境界推定手段は、対応情報の時差情報又は品質情報に応じて対応情報ごとに重みを算出し、対応情報に含まれる位置情報が示す位置から、当該対応情報の重みを反映させた所定の分布に従って位置的に分散し、かつ当該対応情報と同一のエリア識別情報を有する所定数の対応情報を新たに生成することで、対応情報を補正する、ことが好ましい。
このように、対応情報が示す位置を所定の分布によって分散させた対応情報を生成することで、エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定する際の基礎となる対応情報の数を精度よく増加させることができ、エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を、より一層精度よく推定することができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、エリア境界推定手段は、対応情報に含まれる位置情報が所定のエリア推定単位領域内であり、かつ対応情報に含まれるエリア識別情報が所定のエリア識別情報である対応情報の数に基づいて、エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定する、ことが好ましい。
このように、エリア推定単位領域内の対応情報をエリア識別情報ごとに計数することで、エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定することができ、エリアの範囲の推定処理を容易に行うことができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、対応情報生成手段は、第1時刻情報が示す時刻と第2時刻情報が示す時刻との時差を示す時差情報をさらに対応付けた対応情報を生成し、エリア範囲推定手段は、対応情報の時差情報に応じて対応情報ごとに重みを算出し、対応情報に含まれる位置情報が示す位置及びその周囲に端末が存在する確率を、当該対応情報の重みを反映させた所定の分布に従う確率密度関数を用いて算出し、算出された確率に基づいてエリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を推定する、ことが好ましい。
すなわち、エリア範囲推定手段は、対応情報生成手段が生成した対応情報のそれぞれについて、対応情報に含まれる位置情報が示す位置及びその周囲に端末が存在する確率を示す確率密度関数を算出する。このとき、対応情報の重みを反映させた所定の分布に従う確率密度関数を用いるのが好適である。さらに、同一のエリア識別情報を有する対応情報について算出された確率密度関数を足し合わせることで、任意の位置における端末の存在確率をエリア識別情報ごとに算出することができる。なお、同一のエリア識別情報を有する対応情報について算出された確率密度関数を足し合わせる際に、対応情報の重みを乗算しながら足し合わせてもよい。このエリア識別情報ごとに算出された端末の存在確率を用いることで、任意の位置におけるエリア識別情報を推定することが可能となり、エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を、より一層精度よく推定することができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、エリア識別情報によって識別されるエリアの端末数を取得するエリア端末数取得手段と、エリア範囲推定手段によって推定されたエリアの範囲と、所定の区画分け規則に基づき区画分けされた区画との位置関係に基づいて、エリア端末数取得手段によって取得されたエリアの端末数を区画の端末数に変換する変換手段と、をさらに備えるのが好ましい。
取得したエリアの端末数を区画の端末数に変換することで、端末数の分布状況をより明確化することができる。
また、本発明のエリア範囲推定装置において、変換手段によって変換された端末数と、予め定められた広域領域における一のユーザ属性を有する端末の在圏数と当該広域領域に含まれる一のユーザ属性における統計データに基づく人口との比率と、に基づいて一のユーザ属性の人口を推計する人口推計手段を、さらに備えることが好ましい。
この場合には、一のユーザ属性の人口をより精度よく推計することができる。
上記課題を解決するため、本発明のエリア範囲推定装置は、端末を識別する端末識別情報と当該端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報とを含む第1位置情報を取得する第1位置情報取得手段と、端末識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とを含む第2位置情報を取得する第2位置情報取得手段と、第1位置情報取得手段によって取得された第1位置情報と第2位置情報取得手段によって取得された第2位置情報とを用いて、エリア識別情報と位置情報とに基づく対応情報を生成する対応情報生成手段と、対応情報生成手段によって生成された対応情報に基づいて、エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を推定するエリア範囲推定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のエリア範囲推定方法は、エリア範囲推定装置が行うエリア範囲推定方法であって、端末を識別する端末識別情報と当該端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報とを含む第1位置情報を取得する第1位置情報取得ステップと、端末識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とを含む第2位置情報を取得する第2位置情報取得ステップと、第1位置情報取得ステップにおいて取得された第1位置情報と第2位置情報取得ステップにおいて取得された第2位置情報とを用いて、エリア識別情報と位置情報とに基づく対応情報を生成する対応情報生成ステップと、対応情報生成ステップにおいて生成された対応情報に基づいてエリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を推定するエリア範囲推定ステップと、を備えることを特徴とする。
これによれば、エリア識別情報と置情報とに基づく対応情報に基づいて、エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を推定することができる。
また、本発明の他の一側面に係るエリア範囲推定装置において、対応情報生成手段は、第1時刻情報が示す時刻と第2時刻情報が示す時刻との時差を示す時差情報をさらに対応付けた対応情報を生成し、エリア範囲推定手段は、対応情報の時差情報に応じて対応情報を補正し、補正後の対応情報に基づいて、エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を推定するのが好ましい。
このように、対応情報の時差情報に応じて対応情報を補正することで、対応情報がエリア範囲の推定に影響する度合いを当該対応情報の信頼度に応じて変えることができる。このため、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
また、本発明の他の一側面に係るエリア範囲推定装置において、エリア範囲推定手段は、対応情報のエリア識別情報ごとに、対応情報の位置情報によって示される位置の重心を算出し、対応情報の位置情報によって示される位置を、対応情報の時差情報に応じて重心の方向に移動させることで、対応情報を補正するのが好ましい。
このように、対応情報の時差情報に応じて、当該対応情報の位置情報によって示される位置を、エリアごとの重心の方向に移動させることで、対応情報がエリア範囲の推定に影響する度合いを当該対応情報の信頼度に応じて変えることができる。このため、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
また、本発明の他の一側面に係るエリア範囲推定装置において、エリア範囲推定手段は、対応情報の時差情報に応じて対応情報の重み付けを行うことで、対応情報を補正するのが好ましい。
このように、対応情報の時差情報に応じて対応情報の重み付けをすることで、対応情報がエリア範囲の推定に影響する度合いを当該対応情報の信頼度に応じて変えることができる。このため、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
また、本発明の他の一側面に係るエリア範囲推定装置において、エリア範囲推定手段は、対応情報の時差情報に応じて対応情報ごとに重みを算出し、対応情報に含まれる位置情報が示す位置から、当該対応情報の重みを反映させた所定の分布に従って位置的に分散し、かつ当該対応情報と同一のエリア識別情報を有する所定数の対応情報を新たに生成することで、対応情報を補正する、ことが好ましい。
このように、対応情報が示す位置を所定の分布によって分散させた対応情報を生成することで、エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を推定する際の基礎となる対応情報の数を精度よく増加させることができ、エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を、より一層精度よく推定することができる。
また、本発明の他の一側面に係るエリア範囲推定装置において、エリア範囲推定手段は、対応情報に含まれる位置情報が所定のエリア推定単位領域内であり、かつ対応情報に含まれるエリア識別情報が所定のエリア識別情報である対応情報の数に基づいて、エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を推定する、ことが好ましい。
このように、エリア推定単位領域内の対応情報をエリア識別情報ごとに計数することで、エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を推定することができ、エリアの範囲の推定処理を容易に行うことができる。
本発明によれば、より適切にエリア範囲を推定することができる。
第1〜第3実施形態の通信システムのシステム構成図である。 第1実施形態のエリア範囲推定装置の機能構成を示すブロック図である。 第1位置情報取得部が有する第1位置情報管理テーブルの一例を示す図である。 第2位置情報取得部が有する第2位置情報管理テーブルの一例を示す図である。 対応情報生成部が有する対応情報管理テーブルの一例を示す図である。 エリア境界の推定の一例を示す図である。 推定されたエリア範囲の一例を示す図である。 第1実施形態のエリア範囲推定装置のエリア範囲推定処理を示すフローチャートである。 第2および第3実施形態のエリア範囲推定装置の機能構成を示すブロック図である。 時差に応じた対応情報の補正の一例を示す図である。 第2〜第4実施形態のエリア範囲推定装置のエリア範囲推定処理を示すフローチャートである。 時差に応じた対応情報の重み付けの一例を示す図である。 図12の対応情報に対して、ベイズ法を用いた場合のエリア境界を示す図である。 図12の対応情報に対して、kNN法を用いた場合のエリア境界を示す図である。 時差に応じた対応情報の重み付けの一例を示す図である。 確率密度分布を示すグラフである。 第5実施形態のエリア範囲推定装置のエリア範囲推定処理を示すフローチャートである。 重みが算出された対応情報の一例を示す図である。 分散後対応情報の一例を示す図である。 分散後対応情報の配置の例を示す図である。 各エリア推定単位領域におけるエリアIDごとの対応情報数を示す図である。 第6実施形態のエリア範囲推定装置のエリア範囲推定処理を示すフローチャートである。 変形例において、第1位置情報及び第2位置情報が取得されたタイミングと実際の携帯端末の移動軌跡との関係を示す。 変形例において、対応情報生成部が行う対応情報生成処理を示すフローチャートである。 第7実施形態のエリア範囲推定装置の構成を示す図である。 メッシュとエリア図の合成を説明するための図である。 各分割エリアの面積および面積比の算出を説明するための図である。 あるメッシュ内の分割エリアの端末数の総和算出を説明するための図である。 第8実施形態における端末数の変換処理を説明するための図である。 対象とする出力単位の推計端末数への変換を行うための行列式を示す図である。 第9実施形態のエリア範囲推定装置の構成を示す図である。 エリア情報付GPS情報を示す図である。 対応情報を示す図である。 第10実施形態のエリア範囲推定装置の構成を示す図である。 対応情報毎の重みを示す図である。 対応情報毎の重みを示す図である。 対応情報毎の重みを示す図である。 対応情報毎の重みを示す図である。 第11実施形態のエリア範囲推定装置の構成を示す図である。 秘匿処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係るエリア範囲推定装置およびエリア範囲推定方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の通信システム1のシステム構成図である。図1に示すように、第1実施形態の通信システム1は、携帯端末(例えば携帯電話であって、特許請求の範囲の「端末」に相当)100、BTS(基地局)200、RNC(無線制御装置)300、交換機400、各種処理ノード700、および管理センタ500を含んで構成されている。また、この管理センタ500は、社会センサユニット501、ペタマイニングユニット502、モバイルデモグラフィユニット503、および可視化ソリューションユニット504を含んで構成されている。
交換機400は、BTS200、RNC300を介して、携帯端末100についての後述する第1位置情報および第2位置情報を収集する。交換機400は収集した第1位置情報および第2位置情報を記憶しておき、所定のタイミング又は管理センタ500からの要求に応じて、収集した第1位置情報および第2位置情報を管理センタ500に出力する。
各種処理ノード700は、RNC300及び交換機400を通じて携帯端末100の第1位置情報および第2位置情報を取得し、場合によっては位置の再算出等を行い、所定のタイミングで又は管理センタ500からの要求に応じて、収集された位置情報を管理センタ500に出力する。
携帯端末100は、第1周期(例えば、54分周期)で第1位置情報を送信する。当該第1位置情報は、例えば、位置登録情報であって、BTS200、RNC300、交換機400を介し、後述の社会センサユニット501に蓄積される。この第1位置情報には、携帯端末100を識別可能な端末ID(特許請求の範囲の「端末識別情報」に相当)と、携帯端末100が在圏しているエリアを識別可能なエリアID(特許請求の範囲の「エリア識別情報」に相当)と、が記録される。さらに、第1位置情報には、後述する第1時刻情報が記録されてもよい。なお、エリアは、例えばBTS200のアンテナの勢力範囲であるセクタである。また、携帯端末100は、第1周期に限らず、その他のタイミング(例えば、エリア跨がり時、発信時など)で第1位置情報を送信してもよい。
また、一部の携帯端末100は、上記第1周期よりも短い第2周期(例えば、5分周期)で第2位置情報を送信する。当該第2位置情報は、例えば、GPS情報であって、BTS200、RNC300、交換機400を介し、後述の社会センサユニット501に蓄積される。但し、携帯端末100の第2位置情報がGPS情報であれば、各種処理ノード700はRNC300および交換機400を経由せずに携帯端末100のGPS情報を取得することができる。GPS情報の取得については、後述する。第2位置情報には、携帯端末100を識別可能な端末IDと、携帯端末100の位置する緯度および経度を示す座標情報(特許請求の範囲の「位置情報」に相当)と、が記録される。
携帯端末100の位置する緯度および経度は、携帯端末100が有する機能(GPSなど)を用いて取得される。さらに、第2位置情報には、後述する第2時刻情報が記録されてもよい。なお、携帯端末100は、第2周期に限らず、その他のタイミング(例えば、GPS情報を用いたサービス利用時、ユーザによるGPS情報問い合わせ時など)で第2位置情報を送信してもよい。
ここでGPS情報の収集について述べると、社会センサユニット501又はモバイルデモグラフィユニット503に設けられた不図示のGPS情報収集部が、各携帯端末100から発信された各携帯端末100の位置を示す経度情報および緯度情報を収集する。なお、GPS情報収集部は、収集した携帯端末100の経度情報および緯度情報を当該携帯端末100のユーザ識別子および測位時刻情報とともに、GPS情報として、例えばペタマイニングユニット502に設けられた不図示のGPS情報蓄積部に蓄積してもよい。
社会センサユニット501は、携帯端末100の第1位置情報および第2位置情報等を含んだデータを蓄積するサーバ装置である。この社会センサユニット501は、交換機400からのデータ受信要求に応じ、または交換機400にデータ送信要求を出すことでデータを取得し、蓄積する。
ペタマイニングユニット502は、社会センサユニット501から受信したデータを所定のデータ形式に変換するサーバ装置である。例えば、ペタマイニングユニット502は、識別子をキーにソーティング処理を行ったり、エリアごとにソーティング処理を行ったりする。本実施形態によるエリア範囲推定装置10は、例えば、ペタマイニングユニット502内に構成されており、エリア範囲推定対象のエリアのエリア範囲を推定する。
モバイルデモグラフィユニット503は、ペタマイニングユニット502において処理されたデータに対する集計・統計解析処理、空間解析処理を行うサーバ装置である。
可視化ソリューションユニット504は、モバイルデモグラフィユニット503において集計処理されたデータを可視化するサーバ装置である。例えば、可視化ソリューションユニット504は、集計されたデータを地図上にマッピング処理することができる。この可視化ソリューションユニット504にて処理されたデータは、企業、官公庁または個人等に提供され、店舗開発、道路交通調査、災害対策、環境対策等に利用される。なお、このように統計処理された情報は、当然に個人情報は特定されないように加工されている。
なお、社会センサユニット501、ペタマイニングユニット502、モバイルデモグラフィユニット503および可視化ソリューションユニット504はいずれも、前述したようにサーバ装置により構成され、図示は省略するが、通常の情報処理装置の基本構成(即ち、CPU、RAM、ROM、キーボードやマウス等の入力デバイス、外部との通信を行う通信デバイス、情報を記録する記録デバイス、および、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイス)を備えることは言うまでもない。
続いて、エリア範囲推定装置10の機能について説明する。図2は、エリア範囲推定装置10の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、エリア範囲推定装置10は、第1位置情報取得部11(特許請求の範囲の「第1位置情報取得手段」に相当)と、第2位置情報取得部12(特許請求の範囲の「第2位置情報取得手段」に相当)と、対応情報生成部13(特許請求の範囲の「対応情報生成手段」に相当)と、エリア範囲推定部14(特許請求の範囲の「エリア範囲推定手段」に相当)と、を含んで構成されている。
第1位置情報取得部11は、端末IDとエリアIDとを含む第1位置情報を取得する第1位置情報取得手段として機能する。端末IDとエリアIDとを含む第1位置情報は、エリア範囲推定装置10の外部の装置(例えば、管理センタ500のいずれかのユニット)により取得され、不図示の第1蓄積部に蓄積されている。この第1蓄積部は、エリア範囲推定装置10内に設けられても、エリア範囲推定装置10の外部に設けられてもよい。そして、第1位置情報取得部11は、第1蓄積部から第1位置情報を取得し、第1位置情報管理テーブルに記録して管理している。
また、第1位置情報は、当該第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を含んでいてもよい。この第1時刻情報は、例えば、管理センタ500のいずれかのユニットが当該第1位置情報を受信した時刻とすることができる。また、第1時刻情報は、携帯端末100が第1位置情報を送信した時刻など第1位置情報の送受信に関する時刻を示す情報としてもよく、通信システム1内のいずれの装置において付与された時刻を用いてもよい。なお、第1位置情報取得部11は、滞在状態を把握するための開始時刻と終了時刻との組を含む観測対象期間情報、および観測エリア情報の少なくともいずれかを含む第1観測対象情報が、外部から入力された場合には、入力された第1観測対象情報の観測対象期間および観測エリアの第1位置情報を取得するようにしてもよい。ここで、観測エリア情報は、例えばエリアID、地理的な範囲(例えば市区町村)などとして与えられる。また、第1位置情報取得部11は、定期的に第1位置情報を取得するようにしてもよい。
図3は、第1位置情報管理テーブルの一例を示す図である。第1位置情報管理テーブルは、端末IDと第1時刻情報とエリアIDとを対応付けた第1位置情報が記録されている。端末IDは、上述したように当該第1位置情報を送信した携帯端末100を識別する識別情報である。第1時刻情報は、上述したように当該第1位置情報が取得された時刻を示す。エリアIDは、上述したように当該第1位置情報を送信した携帯端末100が当該第1位置情報を送信した際に在圏していたエリアを識別する識別情報である。
第2位置情報取得部12は、端末IDと座標情報とを含む第2位置情報を取得する第2位置情報取得手段として機能する。端末IDと座標情報とを含む第2位置情報は、エリア範囲推定装置10の外部の装置(例えば、管理センタ500のいずれかのユニット)により取得され、不図示の第2蓄積部に蓄積されている。この第2蓄積部は、例えば、上述のGPS情報蓄積部であって、エリア範囲推定装置10内に設けられても、エリア範囲推定装置10の外部に設けられてもよい。そして、第2位置情報取得部12は、第2蓄積部から第2位置情報を取得し、第2位置情報管理テーブルに記録して管理している。
また、第2位置情報は、当該第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を含んでいてもよい。この第2時刻情報は、例えば、管理センタ500のいずれかのユニットが第2位置情報を受信した時刻とすることができる。また、第2時刻情報は、携帯端末100が第2位置情報を送信した時刻など第2位置情報の送受信に関する時刻を示す情報としてもよく、通信システム1内のいずれの装置において付与された時刻を用いてもよい。なお、第2位置情報取得部12は、滞在状態を把握するための開始時刻と終了時刻との組を含む観測対象期間情報、および観測範囲情報の少なくともいずれかを含む第2観測対象情報が、外部から入力された場合には、入力された第2観測対象情報の観測対象期間および観測範囲の第2位置情報を取得するようにしてもよい。ここで、観測範囲情報は、例えば緯度経度、地理的な範囲(例えば市区町村)などとして与えられる。また、第2位置情報取得部12は、定期的に第2位置情報を取得するようにしてもよい。
図4は、第2位置情報管理テーブルの一例を示す図である。第2位置情報管理テーブルには、端末IDと第2時刻情報と座標情報とを対応付けた第2位置情報が記録されている。端末IDは、上述したように当該第2位置情報を送信した携帯端末100を識別する識別情報である。第2時刻情報は、上述したように当該第2位置情報が取得された時刻を示す。座標情報は、上述したように当該第2位置情報を送信した携帯端末100が当該第2位置情報を送信した際に存在していた位置の座標を示す。
対応情報生成部13は、第1位置情報取得部11によって取得された第1位置情報と第2位置情報取得部12によって取得された第2位置情報とを用いて、エリアIDと座標情報とに基づく対応情報を生成する対応情報生成手段として機能する。具体的に説明すると、対応情報生成部13は、第1位置情報管理テーブルに記憶されている第1位置情報と第2位置情報管理テーブルに記憶されている第2位置情報とから、同一の端末IDを有する第1位置情報と第2位置情報とを抽出する。
そして、対応情報生成部13は、第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻と第2位置情報に含まれる第2時刻情報が示す時刻との時差を算出する。対応情報生成部13は、算出した時差が予め設定された所定値(例えば、5分)以内であるか否かを判定する。対応情報生成部13は、時差が所定値以内であれば、第1位置情報に含まれるエリアIDと第2位置情報に含まれる座標情報と算出した時差を示す時差情報とを対応付けた対応情報を生成し、対応情報管理テーブルに記録する。なお、上記所定値は、例えば、携帯端末100による第1位置情報の登録処理の第1周期と、携帯端末100による第2位置情報の登録処理の第2周期と、のいずれか短い方に応じた値とすることができる。このように、それぞれ測位手法および測位タイミングが異なる第1位置情報および第2位置情報に基づいて、エリアIDと座標情報との対応関係を推測し、エリアIDと座標情報とを対応付けた対応情報を生成する。
図3の第1位置情報管理テーブルおよび図4の第2位置情報管理テーブルを用いて、対応情報の生成処理について具体的に説明する。対応情報生成部13は、図3の第1位置情報管理テーブルおよび図4の第2位置情報管理テーブルから、例えば、端末IDが「2」である第1位置情報D2と第2位置情報E2とを抽出する。そして、対応情報生成部13は、第1位置情報D2の第1時刻情報が示す時刻「2010/12/11 8:20」と第2位置情報E2の第2時刻情報が示す時刻「2010/12/11 8:22」との時差を算出する。この場合、時差は2分であるので、対応情報生成部13は、第1位置情報D2のエリアID「B」と第2位置情報E2の座標情報「(x2,y2)」と時差「0:02」とを対応付けた対応情報M2(図5参照)として、対応情報管理テーブルに記録する。
一方、対応情報生成部13は、図3の第1位置情報管理テーブルおよび図4の第2位置情報管理テーブルから、端末IDが「1」である第1位置情報D1、第1位置情報D3、第2位置情報E1、および第2位置情報E4を抽出する。そして、対応情報生成部13は、第1位置情報D1の第1時刻情報が示す時刻「2010/12/11 8:20」と第2位置情報E1の第2時刻情報が示す時刻「2010/12/11 8:20」および第2位置情報E4の第2時刻情報が示す時刻「2010/12/11 9:30」との時差をそれぞれ算出する。第1位置情報D1の第1時刻情報が示す時刻と第2位置情報E1の第2時刻情報が示す時刻との時差はないため、対応情報生成部13は、第1位置情報D1のエリアID「A」と第2位置情報E1の座標情報「(x1,y1)」と時差「0:00」とを対応付けた対応情報M1(図5参照)として、対応情報管理テーブルに記録する。
また、第1位置情報D1の第1時刻情報が示す時刻と第2位置情報E4の第2時刻情報が示す時刻との時差は70分であるため、対応情報生成部13は、対応情報を生成しない。同様に、対応情報生成部13は、第1位置情報D3の第1時刻情報が示す時刻「2010/12/11 8:50」と第2位置情報E1の第2時刻情報が示す時刻「2010/12/11 8:20」および第2位置情報E4の第2時刻情報が示す時刻「2010/12/11 9:30」との時差をそれぞれ算出する。第1位置情報D3の第1時刻情報が示す時刻と第2位置情報E1の第2時刻情報が示す時刻との時差は30分であり、第1位置情報D3の第1時刻情報が示す時刻と第2位置情報E4の第2時刻情報が示す時刻との時差は40分であるので、対応情報生成部13は、対応情報を生成しない。
ここで、第1位置情報の第1時刻情報が示す時刻に対して、時差が所定値以内である時刻を示す第2時刻情報を含む第2位置情報が複数存在する場合、対応情報生成部13は、それぞれについて対応情報を生成してもよいし、最も時差が小さい時刻を示す第2時刻情報を有する第2位置情報に基づいて、対応情報を生成してもよい。
図5は、対応情報管理テーブルの一例を示す図である。対応情報管理テーブルは、エリアIDと座標情報と時差情報とを対応付けた対応情報が記録されている。エリアIDは、上述したように第1位置情報から取得された情報である。座標情報は、上述したように第2位置情報から取得された情報である。時差情報は、上述したようにエリアIDに対応付けられた第1時刻情報が示す時刻と、座標情報に対応付けられた第2時刻情報が示す時刻と、の時差を示す情報である。また、対応情報生成部13は、対応情報を生成した時刻を取得して、その時刻を示す第3時刻情報を対応情報に含めてもよい。
エリア範囲推定部14は、対応情報生成部13によって生成された対応情報に基づいてエリア範囲を推定するエリア範囲推定手段として機能する。エリア範囲推定部14は、エリア境界推定部141とエリア範囲決定部142とを備えている。
エリア境界推定部141は、対応情報生成部13によって生成された対応情報に基づいて、エリアの境界を推定するエリア境界推定手段として機能する。具体的に説明すると、エリア境界推定部141は、対応情報管理テーブルに記録されている対応情報を読み出す。そして、エリア境界推定部141は、対応情報に含まれているエリアIDと座標情報とに基づいて、隣接するエリアとの境界を推定する。このエリア境界の推定は、例えばkNN法、SVM法、ベイズ法といった周知のクラスタリング手法に基づいて行われる。(各クラスタリング手法は、「石井健一郎,“わかりやすいパターン認識”,株式会社オーム社,ISBN 4−274−13149−1,1998」、「金明哲,“Rによるデータサイエンス”,森北出版,ISBN 4−627−09601−1,2007」などに記載されている。)
図6は、エリア境界の推定の一例を示す図である。図6に示すように、エリアIDがエリアAを示す対応情報Maの座標位置と、エリアIDがエリアBを示す対応情報Mbの座標位置と、に基づいて、エリアAとエリアBとの境界LABを推定する。なお、この境界は、採用するクラスタリング手法に応じて、線形および非線形のいずれとすることもできる。
エリア範囲決定部142は、エリア境界推定部141によって推定されたエリアの境界に基づいて、エリア範囲を決定するエリア範囲決定手段として機能する。具体的に説明すると、エリア範囲決定部142は、あるエリアについて、当該エリアと隣接するエリアとの境界をすべて組み合わせることで、当該エリアのエリア範囲を決定する。そして、エリア範囲決定部142は、エリアIDと、当該エリアIDによって示されるエリアのエリア範囲に関するエリア範囲情報と、を対応付けた推定エリア情報を生成する。なお、エリア範囲情報は、隣接するエリアとの境界を示す座標の組み合わせ、隣接するエリアとの境界線を示す関数の組み合わせなどによって表現されている。
図7は、決定されたエリアのエリア範囲の一例を示す図である。図7の例では、エリアAは、エリアB、エリアC、エリアD、エリアEおよびエリアFと隣接している。エリア境界LAB、エリア境界LAC、エリア境界LAD、エリア境界LAE、およびエリア境界LAFはそれぞれ、エリア境界推定部141によって推定されたエリアAと、エリアB、エリアC、エリアD、エリアEおよびエリアFとの境界線である。エリア範囲決定部142は、エリアAのエリア範囲を、エリア境界LAB、エリア境界LAC、エリア境界LAD、エリア境界LAE、およびエリア境界LAFによって囲まれる範囲に決定する。
エリア範囲推定部14は、エリア範囲決定部142により生成された推定エリア情報を管理センタ500内のいずれかのユニット、あるいは、管理センタ500外のサーバ装置等に供給する。なお、ベイズ法などを用いた場合には、隣接するそれぞれのエリアとの境界を順次推定することなく、一回の推定処理によってエリアのエリア範囲を推定することができる。
次に、図8を参照して、エリア範囲推定装置10の動作について説明する。図8は、エリア範囲推定装置10のエリア範囲推定処理を示すフローチャートである。
まず、第1位置情報取得部11は、第1位置情報を取得し、第1位置情報管理テーブルに記録する(S11,第1位置情報取得ステップ)。また、第2位置情報取得部12は、第2位置情報を取得し、第2位置情報管理テーブルに記録する(S12,第2位置情報取得ステップ)。
次に、対応情報生成部13は、第1位置情報取得部11によって取得された第1位置情報と第2位置情報取得部12によって取得された第2位置情報のうち、同一の端末IDを有するものを抽出する。そして、対応情報生成部13は、抽出した第1位置情報に含まれている第1時刻情報によって示される時刻と、抽出した第2位置情報に含まれている第2時刻情報によって示される時刻と、の時差を算出する。時差が所定値以内であれば、対応情報生成部13は、第1位置情報に含まれているエリアIDと第2位置情報に含まれている座標情報と算出した時差とを対応付けた対応情報を生成し、対応情報管理テーブルに記録する(S13,対応情報生成ステップ)。
続いて、エリア境界推定部141は、対応情報管理テーブルに記録されている対応情報に基づいて、エリア間の境界を推定する(S14,エリア範囲推定ステップ)。そして、エリア境界推定部141によって隣接するエリア間の境界がすべて推定された後、エリア範囲決定部142は、推定された境界に基づいて当該エリアのエリア範囲を決定する(S15,エリア範囲推定ステップ)。
次に、エリア範囲推定装置10の作用効果について説明する。エリア範囲推定装置10において、第1位置情報取得部11は、携帯端末100を識別する端末IDと当該携帯端末100の在圏エリアを識別するエリアIDとを含む第1位置情報を取得する。また、第2位置情報取得部12は、端末IDと当該携帯端末100の位置を示す座標情報とを含む第2位置情報を取得する。そして、対応情報生成部13は、第1位置情報取得部11によって取得された第1位置情報と第2位置情報取得部12によって取得された第2位置情報とを用いて、エリアIDと座標情報とに基づく対応情報を生成し、エリア範囲推定部14は、対応情報生成部13によって生成された対応情報に基づいてエリアIDによって識別されるエリアの範囲を推定する。
携帯端末100が存在していたエリアを示すエリアIDと、携帯端末100が存在していた位置を示す座標情報とに基づく対応情報を生成することで、携帯端末100が第1位置情報の登録を行ったエリアと携帯端末100が第2位置情報の登録を行った位置とを対応付けることができる。そして、この対応情報に基づいてエリア範囲を推定することにより、エリアIDと座標情報との関係をエリアIDによって識別されるエリアのエリア範囲の推定に反映することができる。このため、より適切にエリア範囲を推定することが可能となる。その結果、ある地理的範囲における人口(端末数)の推計、集計処理および解析処理等の精度の向上、ひいては無線品質の向上が可能となる。
また、エリア範囲推定装置10において、第1位置情報取得部11は、さらに第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を対応付けた第1位置情報を取得し、第2位置情報取得部12は、さらに第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を対応付けた第2位置情報を取得する。そして、対応情報生成部13は、同一の端末IDを有し、かつ、第1時刻情報が示す時刻と第2時刻情報が示す時刻との時差が所定値以下である第1位置情報および第2位置情報を抽出し、当該第1位置情報のエリアIDと、当該第2位置情報の座標情報と、に基づく対応情報を生成する。
これによって、より信頼度の高い対応情報を得ることができる。このため、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
また、エリア範囲推定装置10において、第1位置情報取得部11は、観測対象の期間を示す観測対象期間情報および観測対象のエリアを示す観測エリア情報の少なくともいずれかを含む第1観測対象情報が外部から入力された場合、当該第1観測対象情報に基づいて第1位置情報を取得してもよい。同様に、第2位置情報取得部12は、観測対象の期間を示す観測対象期間情報および観測対象の地理的範囲(例えば、座標範囲)を示す観測範囲情報の少なくともいずれかを含む第2観測対象情報が外部から入力された場合、当該第2観測対象情報に基づいて第2位置情報を取得してもよい。
なお、第1観測対象情報および第2観測対象情報は、両方が外部から入力された場合だけでなく、いずれか一方が入力された場合でも、第1位置情報取得部11および第2位置情報取得部12は、それぞれ第1位置情報および第2位置情報を取得することができる。例えば、第1観測対象情報が入力された場合、第2位置情報取得部12は、第1観測対象情報の観測エリア情報が示すエリアを、エリアIDによって示されるエリアのエリア範囲に関するエリア範囲情報に基づいて、観測範囲情報に変換する。そして、第2位置情報取得部12は、その地理的範囲に含まれる第2位置情報を取得する。
一方、第2観測対象情報が入力された場合、第1位置情報取得部11は、第2観測対象情報の観測範囲情報が示す地理的範囲を、エリアIDによって示されるエリアのエリア範囲に関するエリア範囲情報に基づいて、観測エリア情報に変換する。そして、第1位置情報取得部11は、その観測エリア情報が示すエリアの第1位置情報を取得する。
以上のように、第1観測対象情報および第2観測対象情報の少なくともいずれかが入力されることにより、所望の時間的範囲、又は地理的範囲における対応情報を生成することができる。このため、対応情報の生成の負荷を低減することが可能となる。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、エリア範囲推定部14が、対応情報管理テーブルに記録されている対応情報に基づいて、エリア範囲を推定する例を説明した。しかしながら、第1位置情報と第2位置情報とが異なる時間に登録された場合、第1位置情報に含まれているエリアIDと第2位置情報に含まれている座標情報とが対応しない可能性がある。このように、第1時刻情報と第2時刻情報との時差が大きくなるほど、対応情報の信頼性が低下する。このため、信頼性の低い対応情報は、エリア範囲を推定する際の誤差要因となる可能性がある。以下の第2実施形態では、対応情報の信頼度に応じてエリア範囲の推定を行う例、すなわち、対応情報の時差に応じて対応情報の座標情報を補正し、エリア範囲を推定する例を説明する。なお、第2実施形態の通信システムのシステム構成は、図1の第1実施形態におけるシステム構成と同様であるため、同システム構成の説明を省略する。
続いて、第2実施形態のエリア範囲推定装置10Aの機能について説明する。図9は、エリア範囲推定装置10Aの機能構成を示すブロック図である。図9に示すように、エリア範囲推定装置10Aは、第1実施形態に係るエリア範囲推定装置10と同様の構成要素を備え、各構成要素の機能はほぼ同様であるため、ここでは、第1実施形態に係るエリア範囲推定装置10との相違点を中心に説明する。エリア範囲推定装置10Aは、エリア範囲推定装置10のエリア範囲推定部14に代えて、エリア範囲推定部14Aを含んで構成されている。
エリア範囲推定部14Aは、対応情報の時差情報によって示される時差に応じて対応情報の座標情報を補正し、エリア範囲を推定する。エリア範囲推定部14Aは、対応情報補正部140aとエリア境界推定部141aとエリア範囲決定部142aとを備えている。
対応情報補正部140aは、対応情報に含まれている時差情報を用いて対応情報を補正する。対応情報補正部140aは、例えば、対応情報に含まれている時差情報が示す時差に応じて、当該対応情報の座標情報が示す座標位置を補正する。具体的に説明すると、対応情報補正部140aは、対応情報管理テーブルからエリアIDが同一の対応情報を抽出する。対応情報補正部140aは、抽出した対応情報の座標情報によって示される座標位置の平均を求めることで、当該エリアIDによって示されるエリアの重心位置を算出する。
次に、対応情報補正部140aは、抽出した対応情報の時差情報によって示される時差に応じて、当該対応情報の座標情報によって示される座標位置を、当該対応情報のエリアIDによって示されるエリアの重心位置に向けて移動させる。この座標位置の移動は、時差が大きいほど移動距離を大きくする。図10は、時差に応じた対応情報の補正の一例を示す図である。図10において、対応情報Maは、そのエリアIDによって示されるエリアがエリアAであり、その時差情報によって示される時差が0分の対応情報を示す。対応情報Maは、そのエリアIDによって示されるエリアがエリアAであり、その時差情報によって示される時差が1分の対応情報を示す。
対応情報Maは、そのエリアIDによって示されるエリアがエリアAであり、その時差情報によって示される時差が2分の対応情報を示す。対応情報Maは、そのエリアIDによって示されるエリアがエリアAであり、その時差情報によって示される時差が5分の対応情報を示す。同様に、対応情報Mbは、そのエリアIDによって示されるエリアがエリアBであり、その時差情報によって示される時差が0分の対応情報を示す。対応情報Mbは、そのエリアIDによって示されるエリアがエリアBであり、その時差情報によって示される時差が1分の対応情報を示す。
対応情報Mbは、そのエリアIDによって示されるエリアがエリアBであり、その時差情報によって示される時差が2分の対応情報を示す。対応情報Mbは、そのエリアIDによって示されるエリアがエリアBであり、その時差情報によって示される時差が5分の対応情報を示す。図10において、上記各対応情報は、補正後(移動後)の対応情報である。また、点線で示された対応情報Ma’、対応情報Ma’、対応情報Ma’、対応情報Mb’、対応情報Mb’、対応情報Mb’は、それぞれ対応情報Ma、対応情報Ma、対応情報Ma、対応情報Mb、対応情報Mb、対応情報Mbの補正を行う前(移動前)の対応情報である。
重心位置Gaは、エリアIDによって示されるエリアがエリアAであるすべての対応情報の座標情報によって示される座標位置の平均を示す位置である。重心位置Gbは、エリアIDによって示されるエリアがエリアBであるすべての対応情報の座標情報によって示される座標位置の平均を示す位置である。エリア境界LABは、エリアAとエリアBとの推定された境界線を示す。
対応情報補正部140aは、対応情報Maおよび対応情報Mbについては、その位置を移動させない。対応情報補正部140aは、補正前の対応情報Ma’の座標位置から重心位置Gaに向けて例えば100m移動させて、対応情報Maとする。対応情報補正部140aは、補正前の対応情報Ma’の座標位置から重心位置Gaに向けて例えば200m移動させて、対応情報Maとする。対応情報補正部140aは、補正前の対応情報Ma’の座標位置から重心位置Gaに向けて例えば500m移動させて、対応情報Maとする。対応情報補正部140aは、補正前の対応情報Mb’の座標位置から重心位置Gbに向けて例えば100m移動させて、対応情報Mbとする。
対応情報補正部140aは、補正前の対応情報Mb’の座標位置から重心位置Gbに向けて例えば200m移動させて、対応情報Mbとする。対応情報補正部140aは、補正前の対応情報Mb’の座標位置から重心位置Gbに向けて例えば500m移動させて、対応情報Mbとする。このように、図10の例では、対応情報補正部140aは、時差に比例した距離だけ対応情報の座標情報によって示される座標位置を重心に向けて移動させている。
次に、エリア境界推定部141aは、各対応情報の移動後の座標位置およびエリアIDを対応付けた対応情報(特許請求の範囲の「補正後の対応情報」に相当)に基づいてエリア境界を推定する。このエリア境界の推定は、例えばkNN法、SVM法、ベイズ法といった周知のクラスタリング手法に基づいて行われる。図10の例では、エリア境界推定部141aは、補正後の対応情報に基づいて、エリアAとエリアBのエリア境界LABを推定する。エリア範囲決定部142aは、エリア範囲決定部142と同様にして、エリア境界推定部141aによって推定されたエリアの境界に基づいて、エリア範囲を決定する。
続いて、図11を参照して、エリア範囲推定装置10Aの動作について説明する。図11は、エリア範囲推定装置10のエリア範囲推定処理を示すフローチャートである。エリア範囲推定装置10Aの動作は、エリア範囲推定装置10の動作とほぼ同様である。ここでは、エリア範囲推定装置10との相違点を中心に説明する。S21〜S23の処理はそれぞれ、図8のS11〜S13の処理と同様であるので、その説明を省略する。
次に、対応情報補正部140aは、対応情報の時差情報によって示される時差に応じ、当該対応情報の座標情報によって示される位置を、当該対応情報のエリア識別情報によって示されるエリアの重心位置に向けて移動させる(S24)。そして、エリア境界推定部141aは、移動後の位置を示す座標情報とエリア識別情報とに基づいて、エリア間の境界を推定する(S25,エリア範囲推定ステップ)。そして、エリア境界推定部141aによって隣接するエリア間の境界がすべて推定された後、エリア範囲決定部142aは、推定された境界に基づいて当該エリアのエリア範囲を決定する(S26,エリア範囲推定ステップ)。
上記第2実施形態では、エリア範囲推定装置10Aにおいて、エリア範囲推定部14Aは、対応情報の時差に応じて座標情報を補正し、補正後の座標情報とエリアIDとに基づいてエリアIDによって識別されるエリアの範囲を推定する。これによって、対応情報がエリア範囲の推定に影響する度合いを当該対応情報の信頼度に応じて変えることができ、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
(第3実施形態)
以下の第3実施形態では、第2実施形態と同様に、対応情報の信頼度に応じてエリア範囲の推定を行う例、すなわち、対応情報の時差に応じて対応情報を補正し、エリア範囲を推定する例を説明する。なお、第3実施形態の通信システムのシステム構成は、図1の第1実施形態におけるシステム構成と同様であるため、同システム構成の説明を省略する。また、第3実施形態のエリア範囲推定装置10Aの機能構成は、図9の第2実施形態における機能構成とほぼ同様であるため、ここでは、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aとの相違点を中心に説明する。
第3実施形態に係る対応情報補正部140aは、例えば、対応情報に含まれている時差情報が示す時差に応じて、当該対応情報の重み付けを行う。具体的に説明すると、対応情報補正部140aは、対応情報管理テーブルに記録されている各対応情報について、時差情報を読み出す。対応情報補正部140aは、読み出した時差情報によって示される時差に応じて、当該対応情報のデータ数を増やす。この際、対応情報補正部140aは、時差が小さいほど対応情報のデータ数の増加の割合を大きくする。すなわち、信頼度が高くなるにつれて、対応情報の重みの度合いを増加させている。
図12は、時差に応じた対応情報の重み付けの一例を示す図である。図12(A)は、対応情報の配置の一例を示す図、図12(B)は、重み付け前の対応情報の一例を示す図、図12(C)は、重み付け後の対応情報の一例を示す図である。図12において、対応情報Ma、対応情報Ma、対応情報Ma、対応情報Ma、対応情報Mb、対応情報Mb、対応情報Mb、および対応情報Mbは、いずれも図10の補正前の対応情報と同様の対応情報を示している。
図12の例では、対応情報補正部140aは、例えば、時差が1分小さくなるにしたがい、対応情報のデータ数を1つ増加させる。対応情報補正部140aは、対応情報Maについては、そのデータ数を変更しない。対応情報補正部140aは、対応情報Maについては、4倍のデータ数としている。すなわち、対応情報補正部140aは、対応情報Maと同一の対応情報を3つ追加している。同様に、対応情報補正部140aは、対応情報Maおよび対応情報Maについては、それぞれ5倍および6倍のデータ数としている。対応情報補正部140aは、例えば、図12(B)の対応情報について重み付け(データ数の増加)処理を行い、図12(C)の対応情報を生成する。対応情報補正部140aは、対応情報Mb、対応情報Mb、対応情報Mbおよび対応情報Mbについても、同様にして重み付け処理を行い、補正後の対応情報を生成する。
次に、エリア境界推定部141aは、重み付け(データ数の増加)処理を行った対応情報(特許請求の範囲の「補正後の対応情報」に相当)のエリアIDおよび座標位置に基づいてエリア境界を推定する。このエリア境界の推定は、例えばkNN法、SVM法、ベイズ法といった周知のクラスタリング手法に基づいて行われる。
図13は、図12(A)の対応情報に重み付け処理を行った後の対応情報(図12(C)参照)に対して、ベイズ法を用いた場合のエリア境界を示す図である。図13において、各対応情報は、そのデータ数に応じた半径を有する円で表示されている。例えば、対応情報Maは、同一のデータが6つ存在するため、1つのデータを示す円の6倍の半径を有する円で表示されている。同様に、対応情報Ma、対応情報Maおよび対応情報Maについては、それぞれ1つのデータを示す円の5倍、4倍、1倍の半径を有する円で表示されている。対応情報Mb、対応情報Mb、対応情報Mbおよび対応情報Mbについても、同様である。エリア境界LABは、図12(C)の対応情報に対して、ベイズ法を用いた場合のエリア境界である。図13に示すように、ベイズ法を用いてエリアAとエリアBとのエリア境界LABを推定した場合は、そのエリア境界LABは線形で表される。
図14は、図12(A)の対応情報に重み付け処理を行った後の対応情報(図12(C)参照)に対して、kNN法(k=3)を用いた場合のエリア境界を示す図である。図13と同様に、図14においても、各対応情報は、そのデータ数に応じた半径を有する円で表示されている。エリア境界LABは、図12(C)の対応情報に対して、kNN法を用いた場合のエリア境界である。図14に示すように、kNN法を用いてエリアAとエリアBとのエリア境界LABを推定した場合は、そのエリア境界LABは非線形で表される。なお、図13および図14において、座標位置Paは、その座標位置がエリアAに属していることを示している。同様に、座標位置Pbは、その座標位置がエリアBに属していることを示している。このように、使用するクラスタリング手法に応じて、エリア境界を推定することができる。
続いて、図11を参照して、第3実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作について説明する。第3実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作は、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作とほぼ同様である。ここでは、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aとの相違点を中心に説明する。第3実施形態に係る対応情報補正部140aは、S23において、対応情報の時差情報によって示される時差に応じ、当該対応情報のデータ数の増加処理を行う。その他の処理については、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aと同様であるので、その説明を省略する。
上記第3実施形態では、エリア範囲推定装置10Aにおいて、エリア範囲推定部14は、対応情報の時差に応じて対応情報の重み付けを行い、重み付けられた座標情報とエリアIDとに基づいてエリアIDによって識別されるエリアの範囲を推定する。これによって、対応情報がエリア範囲の推定に影響する度合いを当該対応情報の信頼度に応じて変えることができ、エリア範囲をより一層精度よく推定することができる。
(第4実施形態)
以下の第4実施形態では、第2実施形態と同様に、対応情報の信頼度に応じてエリア範囲の推定を行う例、すなわち、対応情報の時差に応じて対応情報を補正し、エリア範囲を推定する例を説明する。なお、第4実施形態の通信システムのシステム構成は、図1の第1実施形態におけるシステム構成と同様であるため、同システム構成の説明を省略する。また、第4実施形態のエリア範囲推定装置10Aの機能構成は、図9の第2実施形態における機能構成とほぼ同様であるため、ここでは、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aとの相違点を中心に説明する。
第4実施形態に係る対応情報補正部140aは、例えば、対応情報に含まれている時差情報が示す時差に応じて、当該対応情報の重み付けを行う。具体的に説明すると、対応情報補正部140aは、対応情報管理テーブルに記録されている各対応情報について、時差情報を読み出す。対応情報補正部140aは、読み出した時差情報によって示される時差に応じて重みを算出し、算出した重みに基づいて当該対応情報のデータ数を増やす。この際、対応情報補正部140aは、時差が小さいほど対応情報のデータ数の増加の割合を大きくする。すなわち、信頼度が高くなるにつれて、対応情報の重みの度合いを増加させている。
図15は、時差に応じた対応情報の重み付けの一例を示す図である。図15(A)は、対応情報の配置の一例を示す図、図15(B)は、重み付け前の対応情報の一例を示す図、図15(C)は、重み付け後の対応情報の一例を示す図である。図15において、対応情報Ma、対応情報Ma、対応情報Ma、対応情報Ma、対応情報Mb、対応情報Mb、対応情報Mb、および対応情報Mbは、いずれも図10の補正前の対応情報と同様の対応情報を示している。
図15(A)には、エリア推定単位領域X1〜X4内に、エリアIDがエリアAを示す対応情報(図中、白丸で示す対応情報)の配置と、エリアIDがエリアBを示す対応情報(図中、黒丸で示す対応情報)の配置とが示されている。なお、エリア推定単位領域とは、エリアIDによって識別されるエリアの範囲を推定するために処理上用いるエリアであり、各エリア推定単位領域内の状態(本実施形態では、エリアIDごとに対応情報の数)に基づいてエリア境界等の推定を行うものである。図15(B)には、座標情報がエリア推定単位領域X2内である対応情報が示されている。図15(C)には、座標情報がエリア推定単位領域X2内である対応情報に対して重み付けを行った後の対応情報が示されている。
図15に示す例において、対応情報補正部140aは、例えば、時差が1分小さくなるにしたがい、対応情報のデータ数を1つ増加させる。対応情報補正部140aは、対応情報Ma,Mbについては、そのデータ数を変更しない(ここでは、データ数を増加させないことについての情報が重みに対応する)。対応情報補正部140aは、対応情報Ma,Mbについては、4倍のデータ数とする(ここでは、「4倍」の情報が重みに対応する)。すなわち、対応情報補正部140aは、対応情報Ma,Mbと同一の対応情報を3つ追加している。同様に、対応情報補正部140aは、対応情報Ma,Mbおよび対応情報Ma,Mbについては、それぞれ5倍および6倍のデータ数とする(ここでは、「5倍」及び「6倍」の情報が重みに対応する)。対応情報補正部140aは、例えば、図15(B)に示す、座標情報がエリア推定単位領域X2内である対応情報について重み付け(データ数の増加)処理を行い、図15(C)の対応情報を生成する。対応情報補正部140aは、エリア推定単位領域X1〜X4のすべてについて、重み付け後の対応情報を生成する。
次に、エリア境界推定部141aは、重み付け(データ数の増加)処理を行った対応情報に基づいて、エリア境界を推定する。具体的には、まず、エリア境界推定部141aは、重み付け後の対応情報に基づいて、各エリア推定単位領域X1〜X4について、エリアIDごとに対応情報の数を計数する。そして、エリア境界推定部141aは、エリア推定単位領域X1〜X4ごとに、最も対応情報の数が多いエリアIDをそれぞれ抽出し、抽出したエリアIDを当該エリア推定単位領域におけるエリアとして推定する。例えば、エリア推定単位領域X2について、エリアIDごとに対応情報の数を計数する場合、図15(C)に示される重み付け後の対応情報を用いることにより、エリアIDがAの対応情報は12個、エリアIDがBの対応情報は4個となる。したがって、エリア推定単位領域X2は、エリアIDがAのエリア推定単位領域であるものとして推定する。
そして、エリア境界推定部141aは、推定された各エリア推定単位領域X1〜X4のエリアIDに基づいて、エリア境界を推定する。例えば、エリア推定単位領域X1,X2のエリアIDがAであり、エリア推定単位領域X3,X4のエリアIDがBであるものとして推定されている場合、エリアIDが変化するエリア推定単位領域X2とエリア推定単位領域X3との境界を、エリア境界として推定する。
続いて、図11を参照して、第4実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作について説明する。第4実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作は、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作とほぼ同様である。ここでは、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aとの相違点を中心に説明する。第4実施形態に係る対応情報補正部140aは、S24において、対応情報の時差情報によって示される時差に応じて重み(対応情報を何倍にするかについての情報)を算出し、算出した重みに基づいて当該対応情報のデータ数の増加処理を行う。S25においてエリア境界推定部141aは、各エリア推定単位領域について、対応情報の数をエリアIDごとに計数する。そして、エリア境界推定部141aは、エリアIDごとに集計された対応情報の数に基づいて、エリア推定単位領域のエリアIDを推定する。そして、エリア境界推定部141aは、推定したエリアIDに基づいて、エリア境界を推定する。その他の処理については、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aと同様であるので、その説明を省略する。
上記第4実施形態では、エリア範囲推定装置10Aにおいて、エリア範囲推定部14Aは、対応情報の時差に応じて対応情報の重み付けを行い、エリアIDごとに対応情報を計数する。そしてエリア範囲推定部14Aは、計数されたエリアIDごとの対応情報の数に基づいて、当該エリア推定単位領域のエリアIDを推定し、推定されたエリア推定単位領域ごとのエリアIDに基づいて、エリア境界を推定する。このように、本実施形態においては、エリアIDごとに対応情報の計数を行うだけでエリア境界を推定することができ、エリアの範囲の推定処理を容易に行うことができる。
なお、第4実施形態では、各エリア推定単位領域について、エリアIDごとに対応情報の数を計数するものとしたが、対応情報の数の計数に替えて、各エリア推定単位領域について、当該エリア内の対応情報の中で、所定のエリアIDを有する対応情報の確率を算出し、最も確率が高いエリアIDを、当該エリア推定単位領域におけるエリアIDとして推定してもよい。例えば、図15(A)に示すエリア推定単位領域X2について、所定のエリアIDの対応情報が存在する確率を算出する場合、図15(C)に示すように対応情報の総数は16個であるため、エリアIDがAの対応情報が存在する確率は12/16、エリアIDがBの対応情報が存在する確率は4/16となる。この確率に基づいてエリア境界推定部141aは、エリア推定単位領域X2はエリアIDがAであるものとして推定することもできる。
なお、第4実施形態では、対応情報に含まれるエリアIDがAとBの2種類である場合を例に説明したが、エリアIDは2種類以上であっても上記と同じ手法によってエリア境界を推定することができる。具体的には、エリア推定単位領域内で最も数が多い対応情報のエリアIDを、当該エリア推定単位領域におけるエリアIDとし、エリア推定単位領域間でエリアIDが変化する境界を、エリア境界として推定する。
また、エリア推定単位領域の大きさを変更することで、エリア境界を推定する処理の計算量と、推定されるエリア境界の精度とのバランスをとることができる。また、図15(A)において、エリア推定単位領域を四角形で囲まれるエリアとして示したが、エリア推定単位領域の形状は、四角形に限定されるものではない。
(第5実施形態)
以下の第5実施形態では、第2実施形態と同様に、対応情報の信頼度に応じてエリア範囲の推定を行う例を説明する。なお、第5実施形態の通信システムのシステム構成は、図1の第1実施形態におけるシステム構成と同様であるため、同システム構成の説明を省略する。また、第5実施形態のエリア範囲推定装置10Aの機能構成は、図9の第2実施形態における機能構成とほぼ同様であるため、ここでは、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aとの相違点を中心に説明する。
第5実施形態に係る対応情報補正部140aは、例えば、対応情報に含まれている時差情報が示す時差に応じて、当該対応情報の重みを算出する。具体的に説明すると、対応情報補正部140aは、対応情報管理テーブルに記録されている各対応情報について、時差情報を読み出す。対応情報補正部140aは、読み出した時差情報によって示される時差に応じて重みを算出する。なお、対応情報補正部140aは、読み出した時差情報によって示される時差が小さいほど重みを大きくする。すなわち、信頼度が高くなるにつれて、対応情報の重みの度合いを増加させる。
次に、エリア境界推定部141aは、対応情報に含まれる座標情報が示す位置及びその周囲に、携帯端末が存在する確率を所定の確率密度関数によって算出する。ここでは、正規分布に従う確率密度関数を用いる場合について説明する。また、エリア境界推定部141aによって算出される確率は、3次元のグラフによって表すことができる。図16は、確率密度分布を示すグラフである。図16において、Z軸が確率を表し、X−Y平面が対応情報に含まれる座標情報に対応している。例えば、図15(A)に示す対応情報T1について検討すると、当該対応情報T1の座標情報が示す位置及びその周囲に、携帯端末が存在する確率は、図16(A)に示すグラフのように表すことができる。この携帯端末が存在する確率は、図16(A)に示されるように、対応情報T1の座標情報が示す位置の確率が最も高く、当該座標情報の位置からその周辺に行くにつれて、携帯端末が存在する確率が低くなる。なお、対応情報T1について算出された携帯端末の存在確率の総和(確率密度関数の総和)は、1とする。他の対応情報について携帯端末の存在確率を算出する場合も同様に、確率密度関数の総和は1とする。
また、エリア境界推定部141aは、確率密度関数に対し、対応情報補正部140aによって算出された重みを反映させる。例えば、分散が重みに反比例するように、重みを正規分布の分散に反映させた場合、重みが大きいほど、図16(A)に示されるような確率密度分布の山の傾斜を急勾配とする。この場合には、対応情報の座標情報が示す位置に携帯端末が集まり易い確率密度分布となる。一方、重みが小さいほど、図16(A)に示されるような確率密度分布の山の傾斜を緩やかな勾配とする。この場合には、携帯端末が全体に分散し易い確率密度分布となる。
同様にして、各対応情報について、当該対応情報の座標情報が示す位置及びその周囲に、携帯端末が存在する確率を算出する。そして、対応情報ごとに算出した確率のうち、対応情報のエリアIDが同じもの同士を重ね合わせる。ここでの重ね合わせは、単純に確率を足してもよく、重みを考慮して重ね合わせることもできる。例えば、それぞれ対応情報の重みを乗算した確率を重ね合わせてもよい。図16(B)に、図15(A)における、エリアIDがAの各対応情報について、当該対応情報の座標情報が示す位置及びその周囲に携帯端末が存在する確率を算出し、これらの確率を重ね合わせたグラフを示す。図16(C)に、図15(A)における、エリアIDがBの各対応情報について、当該対応情報の座標情報が示す位置及びその周囲に携帯端末が存在する確率を算出し、これらの確率を重ね合わせたグラフを示す。
以上のように、確率密度関数を用いて携帯端末の存在確率を算出することにより、任意の位置における携帯端末の存在確率を算出することができる。また、図16(B)と図16(C)に示されるように、携帯端末の存在確率を、エリアIDごとに重ね合わせることで、エリアIDごとに、任意の位置での携帯端末の存在確率を算出することができる。
エリア範囲決定部142aは、エリア境界推定部141aによって算出されたエリアIDごとの携帯端末の存在確率に基づいて、任意の位置において携帯端末の存在確率が高いエリアIDを、当該任意の位置におけるエリアIDとして推定する。このようにして、エリア範囲決定部142aは、複数の位置におけるエリアIDを推定し、推定されたエリアIDに基づいて、エリア範囲を推定する。
続いて、図17を参照して、第5実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作について説明する。第5実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作は、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作とほぼ同様である。ここでは、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aとの相違点を中心に説明する。図17における、S31〜S33の処理はそれぞれ、図11のS21〜S23の処理と同様であるので、その説明を省略する。
第5実施形態に係る対応情報補正部140aは、S34において、対応情報についての重みを算出し、エリア境界推定部141aは、算出された重みを反映させた所定の分布に従う確率密度関数と、を用いて、任意の位置における携帯端末の存在確率を算出する。エリア範囲決定部142aは、S35において、任意の位置におけるエリアIDを算出する。続いて、エリア範囲決定部142aは、S36において、算出したエリアIDに基づいてエリア範囲を推定する。
上記第5実施形態では、エリア範囲推定装置10Aにおいて、エリア範囲推定部14Aは、対応情報の重みを反映させた所定の分布に従う確率密度関数を用いて、対応情報に含まれる座標情報が示す位置及びその周囲に端末が存在する確率を算出する。このようにして算出された確率を用いることで、任意の位置における携帯端末の存在確率をエリアIDごとに算出することができる。したがって、エリアIDごとに算出された携帯端末の存在確率を用いることで、任意の位置におけるエリアIDを推定することが可能となり、エリアIDによって識別されるエリアの範囲を、より一層精度よく推定することができる。
(第6実施形態)
以下の第6実施形態では、第2実施形態と同様に、対応情報の信頼度に応じてエリア範囲の推定を行う例、すなわち、対応情報の時差に応じて対応情報を補正し、エリア範囲を推定する例を説明する。なお、第6実施形態の通信システムのシステム構成は、図1の第1実施形態におけるシステム構成と同様であるため、同システム構成の説明を省略する。また、第6実施形態のエリア範囲推定装置10Aの機能構成は、図9の第2実施形態における機能構成とほぼ同様であるため、ここでは、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aとの相違点を中心に説明する。
第6実施形態に係る対応情報補正部140aは、例えば、対応情報に含まれている時差情報が示す時差に応じて、当該対応情報の重みを算出する。例えば、重みを「重み=時差の最大値−対応情報の時差+1」によって表されるものとすることができる(他の実施形態においても、この重みの算出式を用いることができる)。この場合、時差が1分小さくなるにしたがい、重みが1つ増加する。すなわち、信頼度が高くなるにつれて、対応情報の重みの度合いを増加させている。なお、重みの算出式は上記のものに限られないことはいうまでもない。
図18は、重みが算出された対応情報の一例を示す図である。図18(A)は、重みが算出される前の対応情報の一例を示し、図18(B)は、重みを付加した対応情報の一例を示している。図18においては、データ番号が1〜9,A〜Dの13個の対応情報を示している。なお、データ番号が1〜7の対応情報は、エリアIDがAであり、データ番号が8,9,A〜Dの対応情報は、エリアIDがBである。ここでは、例えば、時差が0:00であるデータ番号が2の対応情報は、重みが6となり、時差が0:05であって時差が最も大きいデータ番号が6の対応情報は、重みが1となる。
また、対応情報補正部140aは、1つの対応情報から、位置的に分散した複数の対応情報を新たに生成する。具体的には、対応情報補正部140aは、ある対応情報に基づいて分散後の対応情報を生成する場合、当該対応情報に含まれる座標情報が示す位置を中心とする正規分布に従って位置的に分散する対応情報(以下「分散後対応情報」という)を複数生成する。具体的には、例えば、ボックス=ミューラー法を用いて生成した正規分布に従う乱数を利用することにより、分散後対応情報を複数生成することができる。この分散後対応情報は、当該分散後対応情報を生成する際に元とした対応情報とエリアIDが同じとものとする。また、新たに複数生成する分散後対応情報の数は、重みに基づき増減させることができる。例えば、その重みの数だけ、分散後対応情報を生成することとしてもよい。この場合、図18(B)のデータ番号1の対応情報(重み=5)に対し、正規分布を用いて新たに生成される分散後対応情報の数は5個となる。
例えば、図18(B)のデータ番号1の対応情報に対し、正規分布を用いて新たに分散後対応情報を5個生成する場合、図18(B)に示す座標位置(0.1,1.7)に近い座標情報を持つ分散後対応情報が生成される確率が高く、座標位置(0.1,1.7)から離れた座標情報を持つ分散後対象情報が算出される確率は低い。このため、新たに生成される5個の分散後対応情報は、その座標情報が座標位置(0.1,1.7)の近傍に集まる確率が高い。
また、対応情報補正部140aは、対応情報の重みを正規分布に反映させて、分散後対応情報を生成する。具体的には、分散が重みに反比例するように、重みを正規分布の分散に反映させることができる。この場合、対応情報の重みが大きいほど、当該対応情報の座標情報が示す位置に近い座標情報を持つ分散後対応情報が生成される確率が高くなる。一方、対応情報の重みが小さいほど、当該対応情報の座標情報が示す位置に近い座標情報を持つ分散後対応情報が生成される確率が低くなる。すなわち、対応情報の重みが小さい場合には、生成される分散後対応情報は位置的に、より分散したものとなる。
図19は、分散後対応情報の一例を示す図である。図19において、データ番号「1−1」〜「1−5」が、図18に示すデータ番号1に対して正規分布を用いて複数生成した分散後対応情報に対応する。すなわち、図19に示す分散後対応情報のうち、データ番号の左側の英数字と、図18に示す対応情報のデータ番号の英数字とが対応している。
図20は、図19に示す分散後対応情報の配置の例を示す図である。図20においては、図19に示す分散後対応情報のデータ番号のうち、左側の数字のみを座標上に記載することによって、分散後対応情報の配置を示している。また、図20において、エリアIDがAの対応情報(図20における「1」〜「7」)は、通常の数文字で示し、エリアIDがBの対応情報(図20における「8」,「9」,「A」〜「D」)は、英数文字を丸で囲んで示す。
このように、例えば、図18(B)に示すデータ番号が1の対応情報から、当該対応情報の重みと、重みを反映させた正規分布とに基づいて、図20に示すように分散された5つの分散後対応情報が生成される。
次に、エリア境界推定部141aは、分散後対応情報に基づいて、エリア境界を推定する。このエリア境界の推定方法として、第4実施形態で用いた方法を採用することができる。具体的には、エリア境界推定部141aは、分散後対応情報の座標情報に基づいて、分散後対応情報を所定のエリア推定単位領域ごとに分ける。そして、各エリア推定単位領域について、対応情報の数をエリアIDごとにそれぞれ計数する。
そして、エリア境界推定部141aは、エリア推定単位領域ごとに、最も対応情報の数が多いエリアIDをそれぞれ抽出し、抽出したエリアIDを当該エリア推定単位領域におけるエリアとして推定する。エリア境界推定部141aは、推定された各エリア推定単位領域のエリアIDに基づいて、エリア境界を推定する。
図21は、各エリア推定単位領域におけるエリアIDごとの対応情報数を示す図である。例えば、図21に示すように、エリア推定単位領域X11に対応する対応情報のうち、エリアIDがAの対応情報が14個、エリアIDがBの対応情報が0個であるものとする。同様に、エリア推定単位領域X12に対応する対応情報のうち、エリアIDがAの対応情報が13個、エリアIDがBの対応情報が4個、エリア推定単位領域X13に対応する対応情報のうち、エリアIDがAの対応情報が0個、エリアIDがBの対応情報が11個、エリア推定単位領域X14に対応する対応情報のうち、エリアIDがAの対応情報が0個、エリアIDがBの対応情報が9個であるものとする。
図21に示す例の場合、エリア境界推定部141aは、エリア推定単位領域X11はエリアIDがAであるものとして推定する。同様に、エリア境界推定部141aは、エリア推定単位領域X12はエリアIDがA、エリア推定単位領域X13はエリアIDがB、エリア推定単位領域X14はエリアIDがBであるものとして推定する。これにより、エリア境界推定部141aは、エリアIDが変化するエリア推定単位領域X12とエリア推定単位領域X13との境界を、エリア境界として推定する。なお、上記では、第4実施形態で用いたエリア境界の推定方法を本実施形態においても用いる場合について説明したが、第1〜第3実施形態で用いたエリア境界の推定方法など、適宜の方法を用いることもできる。
続いて、図22を参照して、第6実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作について説明する。第6実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作は、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aの動作とほぼ同様である。ここでは、第2実施形態に係るエリア範囲推定装置10Aとの相違点を中心に説明する。図22における、S41〜S43,S46の処理はそれぞれ、図11のS21〜S23,S26の処理と同様であるので、その説明を省略する。
第6実施形態に係る対応情報補正部140aは、S44において、対応情報の時差情報によって示される時差に基づいて重みを算出し、算出した重みと、重みを反映させた正規分布と、を用いて分散後対応情報を生成する。すべての対応情報について分散後対応情報が生成された後、エリア境界推定部141aは、S45において、分散後対応情報に基づいてエリア境界を推定する。
上記第6実施形態では、エリア範囲推定装置10Aにおいて、エリア範囲推定部14Aは、対応情報の重みと、重みを反映させた正規分布とに基づいて、当該対応情報から複数の分散後対応情報を生成することで、エリアIDによって識別されるエリアの範囲を推定する際の基礎となる対応情報の数を精度よく増加させることができ、エリアIDによって識別されるエリアの範囲を、より一層精度よく推定することができる。
なお、第6実施形態において、対応情報の重みに基づいて、対応情報から生成する分散後対応情報の数を増減させるものとしたが、重みにかかわらず、生成する分散後対応情報の数を一定としてもよい。
また、第5,第6実施形態において、正規分布を用いるものとしたがこれに限られるものではなく、例えば、ラプラス分布など、適宜の分布を用いることができる。
(対応情報生成部の変形例)
上記第1〜第6実施形態における対応情報生成部13は、第1位置情報に含まれるエリアIDと、第2位置情報に含まれる座標情報と、算出した時差を示す時差情報と、を対応付けて対応情報を生成するものとしたが、これ以外の方法によって対応情報を生成することもできる。以下、対応情報生成部13が行う、対応情報生成処理の変形例について説明する。
本変形例において対応情報生成部13は、第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻における携帯端末100の位置(座標情報)を、第2位置情報に基づいて推定し、推定した座標情報と、第1位置情報に含まれるエリアIDと、に基づく対応情報を生成する。
ここで、第1位置情報には、エリアIDが含まれているものの、第1位置情報が取得されたときに携帯端末100が存在していた位置を示す座標情報は含まれていない。一方、第2位置情報には、第2位置情報を送信した際に携帯端末100が存在していた位置を示す座標情報が含まれている。そこで、対応情報生成部13は、ある所定の第1位置情報の第1時刻情報が示す時刻における携帯端末100の位置を推定する場合、まず、ある所定の第1位置情報に含まれる端末IDと同一の端末IDを有する第2位置情報であって、第1位置情報の第1時刻情報が示す時刻よりも、第2時刻情報が示す時刻が時間的に前の第2位置情報を所定数抽出し、さらに、第1位置情報の第1時刻情報が示す時刻よりも、第2時刻情報が示す時刻が時間的に後の第2位置情報を所定数抽出する。即ち、所定数抽出された第2位置情報のうち、時間的に連続する2つの第2位置情報の第2時刻情報が示す時刻によって、第1位置情報の第1時刻情報が示す時刻が、時間的に挟まれる状態となる。そして、抽出された所定数の第2位置情報の座標情報が示す位置間を補間することによって、第1位置情報の第1時刻情報が示す時刻における携帯端末100の位置を推定する。
ここでは、携帯端末100の位置を線形補間によって推定する際の具体例について説明する。図23に、第1位置情報及び第2位置情報が取得されたタイミングと実際の携帯端末の移動軌跡との関係を示す。なお、図23においては、時刻t3に第1位置情報L1が取得されたことを示し、同様に、時刻t1に第2位置情報G1、時刻t2に第2位置情報G2、時刻t4に第2位置情報G3、時刻t5に第2位置情報G4が取得されたことを示している。第1位置情報L1及び第2位置情報G1〜G4は、それぞれ同一の端末IDを有しているものとする。
また、図23では、時刻t1〜t5において、第1位置情報L1及び第2位置情報G1〜G4を送信した携帯端末の実際の位置を、それぞれ位置P1〜P5で示している。なお、位置P1,P2,P4,P5の位置は、第2位置情報G1,G2,G3,G4に含まれる座標情報より取得することができる。本変形例では、第1位置情報L1が取得されたときにおける携帯端末100の位置P3を、線形補間によって推定するものである。
まず対応情報生成部13は、第1位置情報L1の第1時刻情報が示す時刻t3よりも、第2時刻情報が示す時刻が時間的に前であり、かつ時間的に最も近い第2位置情報G2と、時刻t3よりも、第2時刻情報が示す時刻が時間的に後であり、かつ時間的に最も近い第2位置情報G3と、を抽出する。ここで、対応情報生成部13は、第2位置情報を抽出する際に、第1位置情報L1と同じ端末IDを有するものを抽出する。そして、対応情報生成部13は、第2位置情報G2,G3に含まれる座標情報を、時刻t2,t4における位置P2,P4の座標情報とする。
そして、対応情報生成部13は、第2位置情報G2の第2時刻情報が示す時刻t2、と第1位置情報L1の第1時刻情報が示す時刻t3との時差を算出する。ここでは、時刻t2と時刻t3との時差が2分であるものとする。同様に、対応情報生成部13は、第1位置情報L1の第1時刻情報が示す時刻t3と、第2位置情報G3の第2時刻情報が示す時刻t4との時差を算出する。ここでは、時刻t3と時刻t4との時差が3分であるものとする。以上によって得られた位置P2,P4の座標情報と、時刻t2及び時刻t3の時差(2分)と、時刻t3及び時刻t4の時差(3分)とに基づいて、時刻t3における携帯端末100の位置P3を線形補間によって推定する。詳細には、時刻t2において位置P2に存在する携帯端末100は、位置P2から位置P4まで直線的に移動したものと仮定し、位置P2から位置P4までの移動に要した時間は時刻t2と時刻t4との時差より5分であることがわかる。そして、時刻t2及び時刻t3の時差(2分)と、時刻t3及び時刻t4の時差(3分)との比(ここでは、2:3)によって、位置P2と位置P4とを直線的に結ぶ線分を按分し、按分した位置の座標を求めることで、時刻t3における携帯端末100の位置P3の座標を推定する。
なお、対応情報生成部13は、第1位置情報L1の第1時刻情報が示す時刻t3に、時間的に最も近い時刻に取得された第2位置情報(ここでは、時刻t2に取得された第2位置情報G2)を抽出する。そして、抽出した第2位置情報G2に含まれる第2時刻情報が示す時刻t2と、第1位置情報L1の第1時刻情報が示す時刻t3との時差(ここでは2分)を算出する。この時差が、予め設定された所定値(例えば、5分)以内でない場合には、当該第1位置情報L1についての対応情報は生成しないようにしてもよい。
そして、対応情報生成部13は、第1位置情報L1に含まれるエリアIDと、線形補間によって推定した、第1位置情報L1の第1時刻情報が示す時刻における携帯端末100の座標情報と、を対応付けて対応情報を生成する。さらに、対応情報生成部13は、第2時刻情報が示す時刻と第1時刻情報が示す時刻との時差を時差情報として算出し、この時差情報を対応情報に対応付ける。
次に、本変形例において、対応情報生成部13が対応情報を生成する処理の流れについて説明する。図24は、本変形例において、対応情報生成部13が行う対応情報生成処理を示すフローチャートである。なお、図24に示す対応情報の生成処理は、第1位置情報取得部11によって取得された全ての第1位置情報について行われる。
ある所定の第1位置情報L(i)(但し、i=1,2,3,・・・)について対応情報の生成処理を行う場合、まず、対応情報生成部13は、第1位置情報L(i)の第1時刻情報と第2位置情報G(j)(但し、j=1,2,3,・・・)の第2時刻情報との時差の絶対値が最小となる第2位置情報G(j)を抽出する(S41)。そして、対応情報生成部13は、第1位置情報L(i)の第1時刻情報と、抽出した第2位置情報G(j)の第2時刻情報との時差を算出し、算出した時差の絶対値が、予め設定された所定値T(例えば、5分)より大きいか否かを判断する(S42)。
第1位置情報L(i)の第1時刻情報と抽出した第2位置情報G(j)の第2時刻情報との時差の絶対値が所定値Tより大きい場合(S42:YES)、対応情報生成部13は、第1位置情報L(i)については対応情報を生成せず、処理を終了する。一方、第1位置情報L(i)の第1時刻情報と抽出した第2位置情報G(j)の第2時刻情報との時差の絶対値が所定値T以下である場合(S42:NO)、対応情報生成部13は、第1位置情報L(i)の第1時刻情報が示す時刻が、抽出した第2位置情報G(j)の第2時刻情報が示す時刻よりも時間的に後か否かを判断する(S43)。
第1位置情報L(i)の第1時刻情報が示す時刻が、抽出した第2位置情報G(j)の第2時刻情報が示す時刻よりも時間的に後である場合(S43:YES)、対応情報生成部13は、第2位置情報G(j)と第2位置情報G(j+1)とを用いて、第1位置情報L(i)の座標を上述のように線形補間によって推定する(S44)。一方、第1位置情報L(i)の第1時刻情報が示す時刻が、抽出した第2位置情報G(j)の第2時刻情報が示す時刻よりも時間的に後でない場合(S43:NO)、対応情報生成部13は、第2位置情報G(j−1)と第2位置情報G(j)とを用いて、第1位置情報L(i)の座標を上述のように線形補間によって推定する(S45)。
そして、対応情報生成部13は、第1位置情報L(i)に含まれるエリアIDと、線形補間によって推定した座標情報と、S42で算出した時差とを対応付けて対応情報を生成する(S46)。対応情報を生成した後の処理は、上述の第1〜第3実施形態と同様である。
以上のように、本変形例においては、第2位置情報に基づいて、第1位置情報の第1時刻情報が示す時刻における携帯端末100の座標を推定することで、第1位置情報が取得されたときの携帯端末100の座標を、より正確に把握することができる。このようにして推定された座標情報を用いて対応情報を生成することで、より信頼度の高い対応情報を得ることができる。
なお、上記変形例では、第1位置情報が取得されたときの携帯端末100の座標情報を、線形補間を行うことによって推定するものとしたが、線形補間以外の方法によって推定することもできる。一例としては、第1位置情報が取得された時刻に対して、前後K個の第2位置情報を用いたスプライン補間や、ベジェ補間等によって推定することもできる。
(第7実施形態)
以下の第7、第8実施形態では、集計単位であるエリアごとの推計値(端末数)を、出力単位(ここでは一例としてメッシュ)ごとの推計値に変換する例について説明する。このうち第7実施形態では、単一の周波数帯を利用する屋外局の通信領域が存在する環境における処理を説明する。
上記第1〜第6実施形態のエリア範囲推定装置10,10Aは、図25に示すように、エリアIDによって識別されるエリアの端末数を取得するエリア端末数取得部15(特許請求の範囲の「エリア端末数取得手段」に相当)と、エリア範囲推定部14によって推定されたエリアのエリア範囲と、所定の区画分け規則に基づき再現される区画(例えば、2次元的なメッシュや市区町村など)との位置関係に基づいて、エリア端末数取得部15によって取得されたエリアの端末数を所定の区画における端末数に変換する変換部16(特許請求の範囲の「変換手段」に相当)と、をさらに備えてもよい。以下、区画としてメッシュを用いる場合について説明する。
エリア端末数取得部15は、エリアIDによって識別されるエリアに在圏している携帯端末100の端末数を取得するエリア端末数取得手段として機能する。エリア端末数取得部15は、例えば、外部のサーバ装置において推計された端末数を取得する。また、管理センタ500内のいずれかのユニットにおいて端末数の推計を行い、エリア端末数取得部15は当該ユニットから端末数を取得するようにしてもよい。
変換部16は、エリア範囲推定部14によって推定されたエリアの範囲と、所定の区画分け規則に基づき区画分けされたメッシュとの位置関係に基づいて、エリア端末数取得部15によって取得されたエリアの端末数をメッシュの端末数に変換する変換手段として機能する。図26を用いて具体的に説明する。図26(a)はエリアのエリア範囲を示すエリア図、図26(b)はメッシュを示す図、図26(c)はエリアとメッシュとを合成した合成図である。変換部16は、エリア範囲推定部14によって推定された推定エリア情報に基づいて再現されるエリア図(図26(a)参照)と、所定の区画分け規則に基づき再現される2次元的なメッシュ(図26(b)参照)とを合成し、図26(c)に示すような合成図を得る。
次に、変換部16は、上記合成図においてメッシュ境界により各エリアを分割する。例えば、図27に示すように、図26(a)のエリアAは、メッシュ境界により4つの分割エリアA−1、A−2、A−3、A−4に分割される。そして、変換部16は、各分割エリアの面積を算出し、各分割エリアの面積比を算出する。例えば図27に示すように、分割エリアA−1、A−2、A−3、A−4の面積として、それぞれ10m、50m、100m、40mが算出されたとすると、分割エリアA−1、A−2、A−3、A−4の面積比(例えば百分率)として、5%、25%、50%、20%が算出される。
次に、変換部16は、各分割エリアの端末数を算出する。例えば図26(a)のエリアAの端末数が800台であったとすると、図28に示すように分割エリアA−2の端末数として、200台(即ち、800台×25%)が算出される。同様に、エリアB、Cの端末数がそれぞれ500台、750台であったとすると、エリアBにおける面積比80%の分割エリアB−1の端末数として、400台(即ち、500台×80%)が算出され、エリアCにおける面積比80%の分割エリアC−4の端末数として、600台(即ち、750台×80%)が算出される。
さらに、変換部16は、1つのメッシュに内包された複数の分割エリアの端末数の総和を算出することで、当該メッシュの端末数を算出する。図28の例では、1つのメッシュに内包された分割エリアA−2、B−1、C−4の端末数の総和1200台(即ち、200台+400台+600台)を算出し、この1200台を当該メッシュの端末数とする。
以上のようにして、エリアごとの端末数を区画ごとの端末数に変換することができる。なお、エリア端末数取得部15および変換部16は、エリア範囲推定装置10,10Aの外部に設けられてもよい。
(第8実施形態)
第8実施形態では、屋内局の通信領域および電波到達範囲が異なる周波数帯を利用する複数の屋外局の通信領域のうち2つ以上が地理的に重複して存在する環境で、集計単位であるエリアごとの推計値(端末数)を、出力単位(ここでは一例としてメッシュ)ごとの推計値に変換する例について説明する。なお、第8実施形態は、前述した第1〜第6実施形態に適用可能である。
第8実施形態のエリア範囲推定装置の機能ブロック構成は第7実施形態と同様であるが、変換部16の処理が異なるため、変換部16の処理について図29、図30に基づき説明する。
図29に示すように、屋内局の通信領域および電波到達範囲が異なる周波数帯(屋外2GHz/1.7GHzと屋外800MHz)を利用する複数の屋外局の通信領域が地理的に重複して存在する環境では、変換部16は、それぞれの通信領域について第7実施形態で述べた変換処理を行うことで、それぞれの通信領域に関する出力単位(メッシュ)ごとの端末数を求め、最後に、出力単位ごとに各通信領域に関する端末数を合算することで、出力単位ごとの端末数を得る。
図29の例では、変換部16は、まず、屋外2GHz/1.7GHzを利用する屋外局の通信領域、屋外800MHzを利用する屋外局の通信領域、屋内局の通信領域それぞれについて第7実施形態で述べた変換処理を行う。例えば、屋外2GHz/1.7GHzを利用する屋外局の通信領域において、出力単位QとエリアAとが重なった分割エリアがエリアA全体に対し40%の面積比であるとすると、エリアAの推計端末数100台に面積比0.4を乗算することで、出力単位QとエリアAとが重なった分割エリアの推計端末数40台が得られる。同様にして、出力単位QとエリアBとが重なった分割エリアについての推計端末数3台(エリアBの推計端末数30台×面積比0.1)、および、出力単位QとエリアCとが重なった分割エリアの推計端末数5台(エリアCの推計端末数100台×面積比0.05)が得られる。屋外800MHzを利用する屋外局の通信領域についても同様に、出力単位QとエリアDとが重なった分割エリアの推計端末数3台(エリアDの推計端末数10台×面積比0.3)、および、出力単位QとエリアFとが重なった分割エリアの推計端末数9台(エリアFの推計端末数30台×面積比0.3)が得られる。一方、屋内局については、個々の屋内局の電波到達範囲であるエリアは非常に小さくて、図29の例では、1つの屋内局のエリアLの全体が出力単位Qと重なっているため、100%の面積比と考えることができる。そこで、エリアLの推計端末数10台に面積比1.0を乗算することで、出力単位QとエリアLとが重なったエリア(この例ではエリアL全体)の推計端末数10台が得られる。
最後に、変換部16は、上記のようにして得られた、出力単位Qと各エリアとが重なったエリアの推計端末数を合算することで、出力単位Qの推計端末数70台を得る。以上のようにして、集計単位ごとの端末数から出力単位Qの推計端末数へ変換することができる。
図29は、1つの出力単位Qの推計端末数への変換を示しているが、同様の処理を他の出力単位についても実行することで、対象とする全ての出力単位の推計端末数への変換を行うことができる。
図30には、対象とするn個の出力単位の推計端末数への変換を行うための行列式を示す。即ち、図30の式の右辺の

(jは1以上m以下の整数(mは対象とするn個の出力単位のうち何れかと重なっている集計単位の数))は、エリア端末数取得部15により取得さられた集計単位ごとの端末数(推計端末数)を意味し、左辺の

(iは1以上n以下の整数)は、出力単位ごとの端末数を意味し、右辺の行列式における

は、集計単位bの端末数から出力単位aの端末数へ変換するための変換係数を意味する。ここでの変換係数は、前述した分割エリアが元のエリア全体に占める面積比に相当する。
図30における各変換係数は、推計単位(エリア)と出力単位(メッシュ)との位置関係から予め求めることが可能であり、各変換係数を予め求めて図30の式を記憶しておくことにより、図30の式を用いて、推計により求められた集計単位ごとの端末数(推計端末数)から出力単位ごとの端末数へ簡易に且つ速やかに変換することができる。
以上のようにして、屋内局の通信領域および電波到達範囲が異なる周波数帯を利用する複数の屋外局の通信領域のうち2つ以上が地理的に重複して存在する環境であっても、集計単位ごとの端末数を出力単位ごとの端末数に変換することができる。
(第9実施形態)
上述した各実施形態及び変形例では、対応情報生成部13が、第1位置情報及び第2位置情報に基づいて対応情報を生成するものとした。本実施形態では、対応情報を直接取得する例を説明する。なお、第9実施形態の通信システムのシステム構成は、図1の第1実施形態におけるシステム構成と同様であるため、同システム構成の説明を省略する。
続いて、第9実施形態に係るエリア範囲推定装置10Bの機能について説明する。図31は、エリア範囲推定装置10Bの機能構成を示すブロック図である。図31に示すように、エリア範囲推定装置10Bは、対応情報取得部(対応情報取得手段)11Bと、エリア範囲推定部14と、を含んで構成されている。なお、第1実施形態に係るエリア範囲推定装置10内の各構成要素と同じ構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
ここで、携帯端末の国際標準規格である3GPPの技術報告書(3GPP TR 36.805)によると、携帯端末100がGPSを利用したときに、携帯端末100から送信される電波の受信レベルに関する受信レベル情報が生成される。また、この受信レベル情報は、RNC300のアンテナの勢力範囲毎(エリア毎)に複数生成されることがある。そして、携帯端末の国際標準規格である3GPPの技術報告書(3GPP TR 36.805)にあるように、図32に一例として示すように、受信レベル情報及び当該受信レベル情報に対応するエリアIDと、携帯端末100から送信されたGPS情報(座標情報)と、測位時刻情報とが対応付けられた情報(以下「エリア情報付GPS情報」という)が生成される。
なお、図32に示すように、GPS情報には、GPS測位における誤差半径、測位の精度が含まれている。なお、精度とは、測位レベル(衛星による測位か基地局による測位か、衛星測位の場合には捕捉した衛星の数はいくつか等)に応じて定められている。また、接続中エリアとは、受信レベルが最も高いエリアであり、接続候補エリアとは、受信レベルが2番目に高いエリアである。この接続中エリアに、携帯端末100が在圏しているものとして判断することができる。なお、接続候補エリアは複数あっても構わない。
エリア情報付GPS情報収集部は、社会センサユニット501又はモバイルデモグラフィユニット503に設けられていてもよい。対応情報取得部11Bは、図示しないエリア情報付GPS情報収集部から、エリア情報付GPS情報を取得する。
対応情報取得部11Bは、取得したエリア情報付GPS情報のうち、接続中エリアIDと座標情報(緯度・経度)とによって構成される対応情報(図33参照)を抽出し、抽出した対応情報をエリア範囲推定部14へ出力する。以降の処理は、第1実施形態と同じである。なお、本実施形態における対応情報は、時差情報(第1実施形態における、第1時刻情報が示す時刻と第2時刻情報が示す時刻との時差に相当。図5参照)がゼロであるものとして考えることができる。また、時差情報をゼロとして考えることで、本実施形態で抽出した対応情報を第1実施形態以外のエリア範囲推定にも用いることができる。また、本実施形態においてエリア情報付GPS情報には、少なくとも、接続中エリアIDと座標情報(緯度・経度)とが含まれていればよい。
このように、エリア情報付GPS情報が取得可能である場合には、エリア情報付GPS情報に含まれる対応情報を用いてエリア範囲を推計することができる。これにより、第1実施形態のように第1位置情報と第2位置情報とを用いて対応情報を生成する場合と比較して、処理工程を削減することができる。なお、本実施形態においても、第1実施形態等で説明した方法によって対応情報を生成し、生成した対応情報と、エリア情報付GPS情報から抽出した対応情報との両方の対応情報を用いてエリア範囲の推定を行ってもよい。
(第10実施形態)
本実施形態は、第9実施形態と同様にエリア情報付GPS情報が取得されており、第2〜第6実施形態のように対応情報に重み付けを行うものである。なお、第10実施形態の通信システムのシステム構成は、図1の第1実施形態におけるシステム構成と同様であるため、同システム構成の説明を省略する。
続いて、第10実施形態に係るエリア範囲推定装置10Cの機能について説明する。図34は、エリア範囲推定装置10Cの機能構成を示すブロック図である。図34に示すように、エリア範囲推定装置10Cは、対応情報取得部(対応情報取得手段)11Bと、エリア範囲推定部14Cと、を含んで構成されている。エリア範囲推定部14Cは、対応情報補正部140cと、エリア境界推定部141aと、エリア範囲決定部142aと、を含んで構成されている。なお、第3及び第9実施形態に係るエリア範囲推定装置10,10B内の各構成要素と同じ構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
以下、第3及び第9実施形態とは異なる処理を行う対応情報補正部140cについて説明する。対応情報補正部140cは、対応情報取得部11Bによって取得されたエリア情報付GPS情報(図32参照)に基づいて、各対応情報の重みを算出する。ここでの重みづけの考え方としては、例えば、「信頼できる情報については重み付けの値を大きくする」ものとする。この重み付の考え方は一例であり、他の考え方を用いてもよい。そして、対応情報補正部140cは、算出した重みに基づいて、第3〜第6実施形態と同様に対応情報のデータ数を増減させる。
対応情報補正部140cにおける重みの算出方法として、以下の6つの方法を説明する。
(重み算出方法その1)
まず、エリア情報付GPS情報の誤差半径(品質情報)を用いて重みを算出する場合について説明する。ここで、誤差半径が小さいほど、情報の信頼性は高いと考えることができる。そこで、対応情報補正部140cは、エリア情報付GPS情報に含まれる「誤差半径」の値を100で割って得られた値を重みとして算出し、算出した重みと対応情報とを対応付ける。例えば、図32に示すエリア情報付GPS情報が取得されている場合、誤差半径を100で割る演算を行うことで図35に示すように対応情報毎に重みが算出される。なお、誤差半径の値を100で割る場合を説明したが、「100」はあくまでも一例であり、他の値を用いてもよい。また、誤差半径を所定の値で割った値を重みとして用いるために、誤差半径の値を正規化することもできる。例えば、正規化の例として、2乗平均が1になるように誤差半径の値を比例変換したり、平均のゼロ分散が1になるように線形変換したりすることができる。また、交差検定を用いて正規化の妥当性を検証し、最適化してもよい。この正規化については、後述する、重み算出方法その2〜4にも用いることができる。
(重み算出方法その2)
次に、エリア情報付GPS情報の誤差半径及び受信レベル(品質情報)を用いて重みを算出する場合について説明する。ここで、誤差半径が小さいほど情報の信頼性は高く、受信レベルが高いほど情報の信頼性は高いと考えることができる。そこで、対応情報補正部140cは、エリア情報付GPS情報に含まれる「誤差半径」の値を100で割り、得られた値から接続中エリアの「受信レベル」の絶対値の値を引くことで得られた値を重みとして算出し、算出した重みと対応情報とを対応付ける。なお、得られた重みの値がマイナスになった場合は、重みを0として算出する。例えば、図32に示すエリア情報付GPS情報が取得されている場合、誤差半径及び受信レベルを用いて上記の演算を行うことで図36に示すように対応情報毎に重みが算出される。なお、接続中エリアの受信レベルではなく、接続候補エリアの受信レベルを用いてもよい。或いは、接続中エリアの受信レベルと接続候補エリアの受信レベルとの両方を用いてもよい。
(重み算出方法その3)
次に、エリア情報付GPS情報の精度(品質情報)を用いて重みを算出する場合について説明する。ここで、精度が高い(値が大きい)ほど情報の信頼性は高いと考えることができる。そこで、対応情報補正部140cは、エリア情報付GPS情報に含まれる「精度」の値を四捨五入して得られた値を重みとして算出し、算出した重みと対応情報とを対応付ける。例えば、図32に示すエリア情報付GPS情報が取得されている場合、精度の値を四捨五入することで図37に示すように対応情報毎に重みが算出される。
(重み算出方法その4)
次に、エリア情報付GPS情報の精度及び受信レベルを用いて重みを算出する場合について説明する。ここで、精度が高いほど情報の信頼性は高く、受信レベルが高いほど情報の信頼性は高いと考えることができる。そこで、対応情報補正部140cは、エリア情報付GPS情報に含まれる「精度」の値を四捨五入し、得られた値から接続中エリアの「受信レベル」の絶対値の値を引くことで得られた値を重みとして算出し、算出した重みと対応情報とを対応付ける。なお、得られた重みの値がマイナスになった場合は、重みを0として算出する。例えば、図32に示すエリア情報付GPS情報が取得されている場合、精度及び受信レベルを用いて上記の演算を行うことで図38に示すように対応情報毎に重みが算出される。なお、接続中エリアの受信レベルではなく、接続候補エリアの受信レベルを用いてもよい。
(重み算出方法その5)
次に、エリア情報付GPS情報の受信レベルに基づいて、対応情報の重み算出する場合について説明する。ここで、受信レベルが高いほど情報の信頼性は高いと考えることができる。ここでは、エリア情報付GPS情報の接続中エリアの受信レベルが単数(R1)の場合の重み(W)の算出方法を説明する。この場合、対応情報補正部140cは、例えば、重みをエリア情報付GPS情報の受信レベルに比例させることができる。例えば、対応情報補正部140cは、
W=c×R1+K
によって重み(W)を求めることができる。なお、式中の「c」及び「k」は、任意の係数である。また、「c」と「k」の値は任意に設定しても、交差検定等により自動で調整することもできる。なお、接続中エリアの受信レベルではなく、接続候補エリアの受信レベルを用いてもよい。或いは、接続中エリアの受信レベルと接続候補エリアの受信レベルとの両方を用いてもよい。
(重み算出方法その6)
次に、エリア情報付GPS情報の複数の受信レベルに基づいて、対応情報の重み算出する場合について説明する。ここで、エリア情報付GPS情報が、「接続中エリア」の受信レベルと「接続候補エリア」の受信レベルを含んでいる場合には、二つの受信レベルの差が大きいほど情報の信頼性は高いと考えることができる。ここでは、エリア情報付GPS情報の接続中エリアの受信レベルが複数(R1,R2)(但しR1>R2とする)の場合の重み(W)の算出方法を説明する。この場合、対応情報補正部140cは、例えば、重みを受信レベルの差に比例させることができる。例えば、対応情報補正部140cは、
W=c×(R1―R2)+K
によって重み(W)を求めることができる。なお、式中の「c」及び「k」は、任意の係数である。また、「c」と「k」の値は任意に設定しても、交差検定等により自動で調整することもできる。また、エリア情報付GPS情報が、複数の「接続候補エリア」の受信レベルを含んでいる場合には、「接続中エリア」の受信レベルと、複数の「接続候補エリア」の受信レベルのうち、受信レベルが最大である「接続候補エリア」の受信レベルの差を用いることができる。また、エリア情報付GPS情報に「接続中エリア」の受信レベルが含まれておらず、複数の「接続候補エリア」の受信レベルが含まれている場合には、最大の受信レベルと2番目に大きい受信レベルの差を用いることができる。
このように、対応情報補正部140cは、エリア情報付GPS情報が取得されている場合に、対応情報に対して重み付けを行うことができる。これにより、エリア範囲をより正確に推定することができる。なお、上記の6つの重み算出方法のうち、所定の2以上の算出方法を組み合わせて重みを算出してもよい。
また、第10実施形態のように、エリア情報付GPS情報に基づいて重み付けがされた対応情報が算出されている場合、例えば、第6実施形態において説明した図20に示すように、重みによってデータ数を水増しして分散後対応情報を配置(プロット)する際に、エリア情報付GPS情報に含まれる受信レベル、誤差半径、及び精度のうち少なくともいずれかを用いて求められた重みを用いて分散後対応情報を分散させて配置(例えば、分散が重みに反比例するように重みを正規分布の分散に反映させること等)してもよい。同様に、重みによってデータ数を水増しして分散後対応情報を配置(プロット)する際に、エリア情報付GPS情報に含まれる受信レベル、誤差半径、及び精度のうち少なくともいずれかを用いて求められた重みを用いて分散後対応情報の数を定める(重みに基づき、分散後対応情報の数を増減させる。例えば、その重みの数だけ、分散後対応情報を生成する。)ことができる。なお、分散後対応情報の分散と、分散後対応情報の数のどちらかを任意の値に固定してもよい。なお、エリア情報付GPS位置情報には、品質情報として、上述の受信レベル、誤差半径、及び精度のうち少なくともいずれかが含まれていればよい。
(第11実施形態)
上記第1〜第8実施形態のエリア範囲推定装置10,10Aは、図25に示すように、各区画における人口を推計する人口推計部(特許請求の範囲の「人口推計手段」に相当)17をさらに備えてもよい。この人口推計部17は、予め定められた拡大係数と、変換部16により得られた区画における端末数と、に基づいて人口を推計する。拡大係数は、一例として、「在圏率と携帯端末の普及率との積(即ち、人口に対する在圏数の比率)」の逆数を用いることができる。ここで「在圏率」とは、携帯端末100の契約台数に対する在圏数の比率を意味し、「普及率」とは人口に対する契約台数の比率を意味する。このような拡大係数は、人口推計部17が人口を推計する単位である人口推計単位ごとに導出することが望ましいが、必須ではない。この「人口推計単位」としては、例えば、属性、場所、時間帯などが挙げられ、住所の都道府県ごと、5才刻み年齢層ごと、男女ごと、時間帯として1時間ごとなどを採用してもよい。
拡大係数を算出する拡大係数算出単位としては、一例として、住所の都道府県(行政区画領域であって、市町村でもよい)ごと、5才又は10才刻みの年齢層ごと、男女ごと、時間帯として1時間ごとなどを採用してもよいし、これらの2つ以上を組み合わせたものを採用してもよい。例えば、拡大係数算出単位を「東京都在住の20才台の男性」とした場合、日本全国における、東京都在住の(即ち、ユーザ属性における住所情報が東京都である)20才台の男性に該当する位置データを抽出して端末数を集計することでユーザ数ピラミッドデータを得るとともに、統計データ(例えば住民基本台帳など)から東京都在住の20才台の男性に関する人口ピラミッドデータを取得する。この場合、日本全国を広域領域として、その広域領域に含まれる行政区画領域を東京都としている。なお、上記ユーザ数ピラミッドデータを得る際に、「東京都在住」という条件については、東京都に在圏するユーザの位置データだけを抽出するのではなく、ユーザ属性における住所情報が東京都である位置データを抽出する。
そして、ユーザ数ピラミッドデータ及び人口ピラミッドデータから拡大係数算出単位(ここでは東京都在住の20才台の男性)の位置データの取得率(即ち、在圏数/人口)を算出し、得られた「位置データの取得率」の逆数を拡大係数として導出することができる。なお、ここでは、拡大係数算出単位と人口推計単位とが等しいものとして説明しているが、これはあくまでも一例であり、これに限られるものではない。
なお、人口推計部17は、エリア範囲推定装置10,10Aの外部に設けられてもよい。また、第9,第10実施形態のエリア範囲推定装置10Cにも、上述の人口推計部17を設け、人口を推計することもできる。
(第12実施形態)
第12実施形態では、第11実施形態において人口推計部17によって推計された人口を出力する前に、予め定められた基準に基づき推計値に対し秘匿処理を行う実施形態について説明する。
図39に示すように、第12実施形態におけるエリア範囲推定装置10Dの機能ブロック構成は、第10実施形態におけるエリア範囲推定装置の機能ブロック構成(図25)において、秘匿処理を行う秘匿処理部19を加えた構成とされている。
秘匿処理部19は、人口推計部17から推計値(人口)を受け取ったときに、例えば図40に示す秘匿処理を行う。即ち、秘匿処理部19は、人口推計部17によって推計された人口の推計の基礎となったエリアごとの位置データが、何台の端末から取得されたかを示す取得元端末数を取得する。そして、秘匿処理部19は、取得元端末数が、秘匿処理が必要と判断するための予め定められた基準値(一例として10)未満であるか否かを判定する(図40のステップS41)。なお、エリア端末数取得部15によって取得される端末数は、携帯端末100の位置を表す位置データに基づいて推定されているものとする。一例として、エリア端末数取得部15によって取得される端末数には、予め取得元端末数が付加されていてもよい。
ステップS41にて、人口の推計の基礎となったエリアごとの位置データの取得元端末数が基準値未満ならば、秘匿処理部19は当該エリアに関する推計値(人口)をゼロとすることで、当該推計値(人口)を秘匿する(ステップS42)。なお、ここでの秘匿方法は、推計値(人口)をゼロとすることに限定されるものではなく、推計値(人口)を所定の文字や記号(例えば「X」など)で表象する方法など他の方法を採用してもよい。
一方、ステップS41にて、人口数の推計の基礎となったエリアごとの位置データの取得元端末数が基準値以上ならば、秘匿処理部19は当該エリアに関する推計値(人口)に対し、以下のような、推計値出力にて用いられる階級幅の確率的丸めを行う(ステップS43)。即ち、あるエリアに関する推計値(人口)をx、階級幅をkとすると、秘匿処理部19は、kn≦x<k(n+1)(nは整数)の場合に、当該推計値(人口)xを、確率(x−kn)/kでk(n+1)に、確率(k(n+1)−x)/kでknに丸める。
例えば、推計値(人口)xが23、階級幅kが10の場合、k×2≦x<k(2+1)なので、n=2となり、推計値(人口)「23」は、確率0.3(30%の確率)で「30」に、確率0.7(70%の確率)で「20」に丸められる。
以上のような秘匿処理部19による秘匿処理により、人口の推計結果からの個人特定を防止して推計結果の有用性を高めることができる。また、秘匿した値が他の値から推測できてしまうといった不都合を未然に防止することができる。
また、秘匿処理部19による秘匿処理は、図40に示す処理には限定されず、別の処理を採用してもよい。例えば、図40のステップS41で否定判定された場合には、ステップS43の処理を省略してもよい。
なお、本発明に係るエリア範囲推定装置およびエリア範囲推定方法は上記第1〜第12実施形態に記載したものに限定されるものではない。本発明に係るエリア範囲推定装置およびエリア範囲推定方法は、各請求項に記載した要旨を変更しないように上記第1〜第12実施形態に係るエリア範囲推定装置およびエリア範囲推定方法を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上記各実施形態では、エリア範囲推定装置10,10A〜10Dは、ペタマイニングユニット502内に構成されているが、管理センタ500の他のユニット内に構成されてもよい。また、エリア範囲推定装置10,10A〜10Dは、管理センタ500外のサーバ装置内に構成されてもよい。
また、エリア範囲推定装置10,10A〜10Dは、定期的なエリア範囲推定指示により、所定時間帯における所定エリアを定期的に推定してもよい。また、エリア範囲推定装置10,10A〜10Dは、外部インターフェースから適宜エリア範囲推定指示を入力されて、所望の時間帯における所望のエリアのエリア範囲を推定してもよい。
また、上記第1〜第8、第11,第12実施形態では、第2位置情報に含まれている第2時刻情報は、携帯端末100が第2位置情報を送信した時刻、又は管理センタ500が当該第2位置情報を受信した時刻を示す情報であるとしているが、これに限定されない。この第2時刻情報は、第2位置情報の送受信に関する時刻を示す情報であればよく、いずれにおいて付与された時刻を用いてもよい。
また、対応情報生成部13は、エリアIDと座標情報と時差情報とを対応付けた対応情報を対応情報管理テーブルに記録しているが、エリア範囲推定部14が時差を考慮したエリア範囲の推定を行わない場合には、時差情報を省略してもよい。例えば、対応情報生成部13は、第1時刻情報により示される時刻と第2時刻情報により示される時刻との時差が所定値以内である場合に、当該時差を示す時差情報を省略して、第1位置情報に含まれるエリアIDと第2位置情報に含まれる座標情報とを対応付けた対応情報を生成してもよい。
また、対応情報生成部13は、時差情報を用いることなく対応情報を生成することもできる。例えば、対応情報生成部13は、第1位置情報取得部11によって取得された第1位置情報と第2位置情報取得部12によって取得された第2位置情報のうち、同一の端末IDを有し、かつ、第1時刻情報により示される時刻と第2時刻情報により示される時刻とが同一であるものを抽出してもよい。そして、対応情報生成部13は、第1位置情報に含まれるエリアIDと第2位置情報に含まれる座標情報とを対応付けた対応情報を生成してもよい。また、第2位置情報がエリアIDを含んでいる場合がある。このような場合には、対応情報生成部13は、第2位置情報のみを用いて対応情報を生成することもできる。
また、第2実施形態では、対応情報補正部140aは、対応情報の座標位置を時差に比例して移動させているが、これに限定されるものではない。対応情報補正部140aは、時差が大きいほど、対応情報の座標位置を重心に向けて一層大きく移動すればよい。
また、第3実施形態では、対応情報補正部140aは、対応情報の座標位置を時差が1分減少するにつれ同一の対応情報を1つ増加させているが、これに限定されるものではない。対応情報補正部140aは、時差が小さいほど対応情報の増加の割合を一層大きくすればよい。
また、上記各実施形態は、エリア範囲推定装置10,10A〜10Dにおける各機能を実行するためのプログラムモジュールとして実現されてもよい。すなわち、第1位置情報取得部11に相当する第1位置情報取得モジュール、第2位置情報取得部12に相当する第2位置情報取得モジュール、対応情報生成部13に相当する対応情報生成モジュール、およびエリア範囲推定部14に相当するエリア範囲推定モジュール、対応情報取得部11Bに相当する対応情報取得モジュール、秘匿処理部19に相当する秘匿処理モジュール等を適宜備えたエリア範囲推定プログラムであって、サーバ等のコンピュータシステムに当該プログラムを読み込ませることにより、上述のエリア範囲推定装置10と同等の機能を実現することができる。上述のエリア範囲推定プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVDもしくはROM等の記録媒体または半導体メモリに格納されて提供される。また、上述のエリア範囲推定プログラムは、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号としてネットワークを介して提供されてもよい。
なお、上記各実施形態及び変形例において、第1位置情報、第2位置情報及びエリア情報付GPS情報に、携帯端末100のユーザを特定する端末IDが付加されている場合、この端末IDは、少なくとも他のユーザと区別することができるものであればよい。したがって、端末IDとして、ユーザを特定するための情報に対して一方向性関数による不可逆符号への変換を含む非識別化処理を行ったものを用いてもよい。この一方向性関数として、国内外の評価プロジェクトや評価機関により推奨されているハッシュ関数に基づく鍵付ハッシュ関数を用いることができる。この非識別化処理は、例えば、上述の、第1位置情報取得部11、第2位置情報取得部12及び対応情報取得部11Bにおいて行うことができる。但し、これら以外で非識別化処理を行ってもよい。
10,10A〜10D…エリア範囲推定装置、11…第1位置情報取得部(第1位置情報取得手段)、12…第2位置情報取得部(第2位置情報取得手段)、11B…対応情報取得部(対応情報取得手段)、13…対応情報生成部(対応情報生成手段)、14,14A…エリア範囲推定部(エリア範囲推定手段)、15…エリア端末数取得部(エリア端末数取得手段)、16…変換部(変換手段)、17…人口推計部(人口推計手段)、19…秘匿処理部、100…携帯端末(端末)、141,141a…エリア境界推定部、142,142a…エリア範囲決定部、140a、140c…対応情報補正部。

Claims (13)

  1. 端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とが対応付けられた対応情報を用いたエリア範囲推定装置であって、
    前記端末の複数の異なる在圏エリアを識別する各エリア識別情報に対応付けられた位置情報に基づいて、前記各エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するエリア境界推定手段と、
    前記エリア境界推定手段によって推定されたエリアの境界に基づいてエリアの範囲を推定するエリア範囲推定手段と、
    前記エリア識別情報によって識別されるエリアの端末数を取得するエリア端末数取得手段と、
    前記エリア範囲推定手段によって推定されたエリアの範囲と、所定の区画分け規則に基づき区画分けされた区画との位置関係に基づいて、前記エリア端末数取得手段によって取得された前記エリアの端末数を前記区画の端末数に変換する変換手段と、
    を備えるエリア範囲推定装置。
  2. 前記変換手段によって変換された端末数と、予め定められた広域領域における一のユーザ属性を有する端末の在圏数と当該広域領域に含まれる前記一のユーザ属性における統計データに基づく人口との比率と、に基づいて前記一のユーザ属性の人口を推計する人口推計手段を、さらに備えることを特徴とする請求項に記載のエリア範囲推定装置。
  3. 前記端末を識別する端末識別情報と当該端末の在圏エリアを示すエリア識別情報とを含む第1位置情報を取得する第1位置情報取得手段と、
    前記端末識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とを含む第2位置情報を取得する第2位置情報取得手段と、を更に備え、
    前記対応情報は、
    前記第1位置情報取得手段によって取得された前記第1位置情報と前記第2位置情報取得手段によって取得された前記第2位置情報とを用いて、前記エリア識別情報と前記位置情報とに基づく対応情報を生成する対応情報生成手段によって生成される第1の対応情報、及び、前記端末を識別する端末識別情報と、当該端末の在圏エリアを示す前記エリア識別情報と、当該端末の位置を示す位置情報とを含む対応情報を取得する対応情報取得手段によって取得された第2の対応情報、のうち少なくとも一方を含む、
    請求項1に記載のエリア範囲推定装置。
  4. 前記第1位置情報は、さらに当該第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を含み、
    前記第2位置情報は、さらに当該第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を含み、
    前記対応情報生成手段は、同一の前記端末識別情報を有し、かつ、前記第1時刻情報が示す時刻と前記第2時刻情報が示す時刻との時差が所定値以下である前記第1位置情報および前記第2位置情報を抽出し、当該第1位置情報の前記エリア識別情報と、当該第2位置情報の前記位置情報と、に基づく第1の対応情報を生成する、
    請求項に記載のエリア範囲推定装置。
  5. 前記第1位置情報は、さらに当該第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を含み、
    前記第2位置情報は、さらに当該第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を含み、
    前記対応情報生成手段は、
    一の前記第1位置情報と同一の前記端末識別情報を有する第2位置情報であって、前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻よりも、前記第2時刻情報が示す時刻が時間的に前の前記第2位置情報と、前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻よりも、前記第2時刻情報が示す時刻が時間的に後の前記第2位置情報と、をそれぞれ所定数抽出し、
    抽出されたそれぞれの前記第2位置情報に含まれる第2時刻情報及び位置情報、並びに前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報に基づいて、前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻における端末の位置を示す位置情報を推定し、
    推定した前記端末の位置情報と、前記一の第1位置情報の前記エリア識別情報と、に基づく第1の対応情報を生成する、
    請求項に記載のエリア範囲推定装置。
  6. 端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とが対応付けられた対応情報を用いたエリア範囲推定装置であって、
    前記端末の複数の異なる在圏エリアを識別する各エリア識別情報に対応付けられた位置情報に基づいて、前記各エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するエリア境界推定手段と、
    前記エリア境界推定手段によって推定されたエリアの境界に基づいてエリアの範囲を推定するエリア範囲推定手段と、
    前記端末を識別する端末識別情報と当該端末の在圏エリアを示すエリア識別情報とを含む第1位置情報を取得する第1位置情報取得手段と、
    前記端末識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とを含む第2位置情報を取得する第2位置情報取得手段と、を備え、
    前記対応情報は、
    前記第1位置情報取得手段によって取得された前記第1位置情報と前記第2位置情報取得手段によって取得された前記第2位置情報とを用いて、前記エリア識別情報と前記位置情報とに基づく対応情報を生成する対応情報生成手段によって生成される第1の対応情報、及び、前記端末を識別する端末識別情報と、当該端末の在圏エリアを示す前記エリア識別情報と、当該端末の位置を示す位置情報とを含む対応情報を取得する対応情報取得手段によって取得された第2の対応情報、のうち少なくとも一方を含み、
    前記第1位置情報は、さらに当該第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を含み、
    前記第2位置情報は、さらに当該第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を含み、
    前記対応情報生成手段は、同一の前記端末識別情報を有し、かつ、前記第1時刻情報が示す時刻と前記第2時刻情報が示す時刻との時差が所定値以下である前記第1位置情報および前記第2位置情報を抽出し、当該第1位置情報の前記エリア識別情報と、当該第2位置情報の前記位置情報と、に基づく第1の対応情報を生成する、
    エリア範囲推定装置。
  7. 端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とが対応付けられた対応情報を用いたエリア範囲推定装置であって、
    前記端末の複数の異なる在圏エリアを識別する各エリア識別情報に対応付けられた位置情報に基づいて、前記各エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するエリア境界推定手段と、
    前記エリア境界推定手段によって推定されたエリアの境界に基づいてエリアの範囲を推定するエリア範囲推定手段と、
    前記端末を識別する端末識別情報と当該端末の在圏エリアを示すエリア識別情報とを含む第1位置情報を取得する第1位置情報取得手段と、
    前記端末識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とを含む第2位置情報を取得する第2位置情報取得手段と、を備え、
    前記対応情報は、
    前記第1位置情報取得手段によって取得された前記第1位置情報と前記第2位置情報取得手段によって取得された前記第2位置情報とを用いて、前記エリア識別情報と前記位置情報とに基づく対応情報を生成する対応情報生成手段によって生成される第1の対応情報、及び、前記端末を識別する端末識別情報と、当該端末の在圏エリアを示す前記エリア識別情報と、当該端末の位置を示す位置情報とを含む対応情報を取得する対応情報取得手段によって取得された第2の対応情報、のうち少なくとも一方を含み、
    前記第1位置情報は、さらに当該第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を含み、
    前記第2位置情報は、さらに当該第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を含み、
    前記対応情報生成手段は、
    一の前記第1位置情報と同一の前記端末識別情報を有する第2位置情報であって、前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻よりも、前記第2時刻情報が示す時刻が時間的に前の前記第2位置情報と、前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻よりも、前記第2時刻情報が示す時刻が時間的に後の前記第2位置情報と、をそれぞれ所定数抽出し、
    抽出されたそれぞれの前記第2位置情報に含まれる第2時刻情報及び位置情報、並びに前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報に基づいて、前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻における端末の位置を示す位置情報を推定し、
    推定した前記端末の位置情報と、前記一の第1位置情報の前記エリア識別情報と、に基づく第1の対応情報を生成する、
    エリア範囲推定装置。
  8. 前記第1位置情報取得手段は、観測対象の期間を示す観測対象期間情報および観測対象のエリアを示す観測エリア情報の少なくともいずれかを含む第1観測対象情報が外部から入力された場合、当該第1観測対象情報に基づいて前記第1位置情報を取得し、
    前記第2位置情報取得手段は、観測対象の期間を示す観測対象期間情報および観測対象の地理的範囲を示す観測範囲情報の少なくともいずれかを含む第2観測対象情報が外部から入力された場合、当該第2観測対象情報に基づいて前記第2位置情報を取得する、
    請求項4〜7のいずれか一項に記載のエリア範囲推定装置。
  9. 前記対応情報生成手段は、前記第1時刻情報が示す時刻と前記第2時刻情報が示す時刻との時差を示す時差情報をさらに対応付けた第1の対応情報を生成し、
    前記エリア境界推定手段は、前記対応情報の前記時差情報に応じて前記対応情報を補正し、補正後の対応情報に基づいて、前記エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定する、
    請求項4〜8のいずれか一項に記載のエリア範囲推定装置。
  10. 前記対応情報生成手段は、前記第1時刻情報が示す時刻と前記第2時刻情報が示す時刻との時差を示す時差情報をさらに対応付けた対応情報を生成し、
    前記エリア範囲推定手段は、
    前記対応情報の前記時差情報に応じて前記対応情報ごとに重みを算出し、
    前記対応情報に含まれる前記位置情報が示す位置及びその周囲に前記端末が存在する確率を、当該対応情報の重みを反映させた所定の分布に従う確率密度関数を用いて算出し、算出された確率に基づいて前記エリア識別情報によって識別されるエリアの範囲を推定する、
    請求項4〜9のいずれか一項に記載のエリア範囲推定装置。
  11. 端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とが対応付けられた対応情報を用いてエリア範囲推定装置が行うエリア範囲推定方法であって、
    前記端末の複数の異なる在圏エリアを識別する各エリア識別情報に対応付けられた位置情報に基づいて、前記各エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するエリア境界推定ステップと、
    前記エリア境界推定ステップで推定されたエリアの境界に基づいてエリアの範囲を推定するエリア範囲推定ステップと、
    前記エリア識別情報によって識別されるエリアの端末数を取得するエリア端末数取得ステップと、
    前記エリア範囲推定ステップで推定されたエリアの範囲と、所定の区画分け規則に基づき区画分けされた区画との位置関係に基づいて、前記エリア端末数取得ステップで取得された前記エリアの端末数を前記区画の端末数に変換する変換ステップと、
    を含むエリア範囲推定方法。
  12. 端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とが対応付けられた対応情報を用いてエリア範囲推定装置が行うエリア範囲推定方法であって、
    前記端末の複数の異なる在圏エリアを識別する各エリア識別情報に対応付けられた位置情報に基づいて、前記各エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するエリア境界推定ステップと、
    前記エリア境界推定ステップで推定されたエリアの境界に基づいてエリアの範囲を推定するエリア範囲推定ステップと、
    前記端末を識別する端末識別情報と当該端末の在圏エリアを示すエリア識別情報とを含む第1位置情報を取得する第1位置情報取得ステップと、
    前記端末識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とを含む第2位置情報を取得する第2位置情報取得ステップと、を含み、
    前記対応情報は、
    前記第1位置情報取得ステップで取得された前記第1位置情報と前記第2位置情報取得ステップで取得された前記第2位置情報とを用いて、前記エリア識別情報と前記位置情報とに基づく対応情報を生成する対応情報生成ステップによって生成される第1の対応情報、及び、前記端末を識別する端末識別情報と、当該端末の在圏エリアを示す前記エリア識別情報と、当該端末の位置を示す位置情報とを含む対応情報を取得する対応情報取得ステップで取得された第2の対応情報、のうち少なくとも一方を含み、
    前記第1位置情報は、さらに当該第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を含み、
    前記第2位置情報は、さらに当該第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を含み、
    前記対応情報生成ステップは、同一の前記端末識別情報を有し、かつ、前記第1時刻情報が示す時刻と前記第2時刻情報が示す時刻との時差が所定値以下である前記第1位置情報および前記第2位置情報を抽出し、当該第1位置情報の前記エリア識別情報と、当該第2位置情報の前記位置情報と、に基づく第1の対応情報を生成する、
    エリア範囲推定方法。
  13. 端末の在圏エリアを識別するエリア識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とが対応付けられた対応情報を用いてエリア範囲推定装置が行うエリア範囲推定方法であって、
    前記端末の複数の異なる在圏エリアを識別する各エリア識別情報に対応付けられた位置情報に基づいて、前記各エリア識別情報によって識別されるエリアの境界を推定するエリア境界推定ステップと、
    前記エリア境界推定ステップで推定されたエリアの境界に基づいてエリアの範囲を推定するエリア範囲推定ステップと、
    前記端末を識別する端末識別情報と当該端末の在圏エリアを示すエリア識別情報とを含む第1位置情報を取得する第1位置情報取得ステップと、
    前記端末識別情報と当該端末の位置を示す位置情報とを含む第2位置情報を取得する第2位置情報取得ステップと、を備え、
    前記対応情報は、
    前記第1位置情報取得ステップで取得された前記第1位置情報と前記第2位置情報取得ステップで取得された前記第2位置情報とを用いて、前記エリア識別情報と前記位置情報とに基づく対応情報を生成する対応情報生成ステップで生成される第1の対応情報、及び、前記端末を識別する端末識別情報と、当該端末の在圏エリアを示す前記エリア識別情報と、当該端末の位置を示す位置情報とを含む対応情報を取得する対応情報取得ステップで取得された第2の対応情報、のうち少なくとも一方を含み、
    前記第1位置情報は、さらに当該第1位置情報が取得された時刻を示す第1時刻情報を含み、
    前記第2位置情報は、さらに当該第2位置情報が取得された時刻を示す第2時刻情報を含み、
    前記対応情報生成ステップは、
    一の前記第1位置情報と同一の前記端末識別情報を有する第2位置情報であって、前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻よりも、前記第2時刻情報が示す時刻が時間的に前の前記第2位置情報と、前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻よりも、前記第2時刻情報が示す時刻が時間的に後の前記第2位置情報と、をそれぞれ所定数抽出し、
    抽出されたそれぞれの前記第2位置情報に含まれる第2時刻情報及び位置情報、並びに前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報に基づいて、前記一の第1位置情報に含まれる第1時刻情報が示す時刻における端末の位置を示す位置情報を推定し、
    推定した前記端末の位置情報と、前記一の第1位置情報の前記エリア識別情報と、に基づく第1の対応情報を生成する、
    エリア範囲推定方法。
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